2022年6月 5日 (日曜日)

スムース・ジャズ化のT-SQUARE

1978年、「ポップ・インストゥルメンタル・バンド」としてデビューしてから44年。2021年11月、伊東たけし、坂東慧のユニット形態として活動を始めた「T-SQUARE alpha」。ポップでロックなフュージョン・ジャズから、ポップでロックなスムース・ジャズに変化してきた様だ。

T-SQUARE『WISH』(写真左)。2022年5月のリリース。そんな「T-SQUARE alpha」での初オリジナル盤。ちなみにパーソネルは、伊東たけし (sax), 坂東慧 (ds) が「T-SQUARE alpha」。そこにゲスト・ミュージシャンとして、様々なメンバーが参加している。「T-SQUARE alpha」は、素晴らしいサポートメンバーを交えたT-SQUAREという意味合いだろう。

そんなサポート・メンバーを思いつくままに列挙すると、まず、T-SQUAREの必須サポートである、田中晋吾 (b), 白井アキト (key), 佐藤雄大 (key)。ゲスト・ギタリストとして、渡辺香津美、是方博邦。20数年ぶり、T-SQUAREへのゲスト参加となった本田雅人 (sax), 松本圭司 (key)。

加えて、ホーン・セクションとして、エリック・ミヤシロ (tp), 西村浩二 (tp), 中川英二郎 (tb), 半田信英 (tb)。他にもいると思うが、とにかく、我が国の優れものジャズマン達が、こぞってサポート・メンバーとして参加しているから凄い。
 

Tsquarewish

 
もともと、デビュー当時からのT-SQUAREの音の志向が「ポップ・インストゥルメンタル・バンド」だったので、他の我が国のフュージョン・バンドと比して、ジャズ度は軽く、ポップス度、ロック志向が強い。今回の「T-SQUARE alpha」の音は更にそれが進んで、今までは辛うじて「フュージョン・ジャズ志向」の範疇に留まっていたが、今回は「スムース・ジャズ志向」に完全に変化した様な音世界である。

もともとフュージョン・ジャズというのは、エレギの音がそのフュージョン・バンドの音の「カギ」を握っていたケースが多く、T-SQUAREは「ギター・バンド」の印象が強かった。そんな「ギター・バンド」から、結成当時から不動のメンバーとして君臨していたギターの安藤正容が抜けたのだから、バンド・サウンドがガラッと変わっても不思議では無いのだが、案の定、今回「T-SQUARE alpha」の音はガラッと変わった。

以前は「ポップ・インストゥルメンタル・バンド」とは言っても、ジャズ度はほどよく漂い、演奏のフレーズには、どこかジャズ・ライクな捻りや「引っ掛かり」があったりして、ポップでロックな雰囲気はあるが、基本的にはフュージョン・ジャズの音志向を貫いていたと思う。

アルバムの出来はそつなく優秀、よく聴けば、T-SQUAREらしさは押さえられている。しかし、今回の「スムース・ジャズ志向」の耳当たりの良いサウンドは、恐らく「賛否両論」だろう。
 
 

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2022年3月17日 (木曜日)

デイヴィッド・ベノワの新作です

ここバーチャル音楽喫茶『松和』は、ジャズのアルバム鑑賞がメインなんだが、ジャズの演奏ジャンルについては、全方向OKが個性。1970年代半ばから1980年代前半に大流行したフュージョン・ジャズもしっかりと守備範囲に入っている。意外と年配の硬派なジャズ評論家からは忌み嫌われるフュージョン・ジャズだが、ちゃんと聴いてみると、テクニック、アレンジ、演奏内容、どれもが一流のものが多くある。

ジャズのどこに重きを置いて鑑賞するかによって、フュージョン・ジャズの評価は変わるのだろうが、 フュージョン・ジャズは「商業ジャズ」で、ジャズのスピリッツが宿っていないなどという変な論理で、フュージョン・ジャズ盤を十把一絡げに「聴くに及ばず」とするのはちょっと乱暴だろう。事実、1970年代半ばから1980年代前半には、一般大衆から支持され、大いに聴かれたのだから、なにか響くものがあったはずである。

David Benoit『A Midnight Rendezvous』(写真左)。2022年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、David Benoit (p), Eric Marienthal, Sal Lozano (as), Gordon Goodwin (ts), Jay Mason (bs), Wayne Bergeron, Dan Fornero, Dan Rosenblum (tp), Francisco Torres (tb), Charlie Morillas (b-tb), Roberto Vally (b), Dan Schnelle (ds)。フュージョン〜スムース・ジャズを代表するピアニスト、デヴィッド・ベノワの最新作になる。
 

A-midnight-rendezvous_david-benoit

 
冒頭の「A Midnight Rendezvous」から、ベノワ節が全開。リリカルで耽美的。タッチは確かで流麗。ファンクネスは意外と希薄で、どこか米国の自然の風景を、原風景をイメージするような、ネイチャーな響きとフレーズが特徴。決して、アーバンでアダルトでは無い。この「ベノワ節」が僕は大好きなんです。そして、この盤には、ラストの「Cabin Fever」まで、ベノワ節満載。金太郎飴的、と言ってしまえばそれまでですが、ここまで熟達した個性であれば、これはこれでアーティスティックだと思います。

基本は、フュージョン〜スムース・ジャズ基調のビッグバンド仕立て。オフビートではあるが、ファンクネスは薄い。耽美的で流麗なフレーズが基本だが、グルーヴ感は強い。ビートがしっかり効いている分、どの曲にもメリハリが効いていて、聴いていて飽きることは無い。それより、ベノワの紡ぎ出す印象的なフレーズが、しっかりと耳に残って、聴いていてとても心地良い。

フュージョン〜スムース・ジャズの好盤です。テクニック、アレンジ、演奏内容、いずれも充実しているので、しっかりと聴き込むのも良し、何かをしながらの「ながら聴き」するのも良し、フュージョン〜スムース・ジャズ畑のベテラン・ミュージシャンが紡ぎ出す珠玉の10曲。純粋に音楽として聴くと、意外と「フュージョン〜スムース・ジャズもええなあ」と思ってしまうかもしれません。
 
 
 
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2022年2月21日 (月曜日)

神保彰『SORA』を聴いて思う

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、メインストリームな純ジャズのみならず、フュージョン・ジャズも結構聴く。特に、フュージョン・ジャズについては、僕が本格的にジャズを聴き始めた1970年代後半は、フュージョン・ジャズ全盛期。純ジャズの名盤を集めつつ聴きながら、フュージョン・ジャズ盤は、軍資金が底を突かないよう貸レコードを活用して、積極的に聴いていた。

ちなみに1970年代後半は、ロックの世界では、我が国独特の表現にはなるが、AOR(Adult Oriented Rock)=「大人のロック」の全盛時代。従来のロック盤と同様、アルバム中心主義で、ロック・ビートに乗った、聴いていて心地よい、落ち着いて、洒落ていて、小粋なサウンドがメインのロックが流行していた。

神保彰『SORA』(写真左)。2021年12月のリリース。ちなみにパーソネルは、Jimbo Akira "神保彰" (ds), Jeff Lorber (p), Patrice Rushen (p, vo), Nathan East (e-b, vo), Freddie Washington (e-b)。フュージョン・ジャズの名うての名手達が参加。しかし、ジェフ・ローバーやネイザン・イーストが参加して、日本のフュージョン・ジャズのアルバムが制作されるなんて、夢の様である。
 

Sora-akira-jumbo

 
このアルバムは、一言で言うと「AORな雰囲気満載の日本発のフュージョン・ジャズ」。テクニックは優秀だが、テクニックに走ること無く、余裕ある大人のフュージョン〜スムース・ジャズがこの盤の個性。しかも、ジャジーな雰囲気を失うこと無く、真摯にジャズの雰囲気を残しつつ、ファンクネスが限りなく希薄な、「日本発」独特のフュージョン・ジャズがこの盤の中で展開されている。

そんな「日本発」独特のフュージョン・ジャズの中で、神保のドラミングがクッキリと前面に出て、しっかりと演奏全体をコントロールしている。じっくり聴くと、神保のドラミングが凄い。スティーヴ・ガッドに匹敵する縦ノリ・ビート、粘りの無いクリアなアタック音、表現豊かなポリリズム。とっても素敵なフュージョン・チックなドラミングである。この神保のドラミングを聴いているだけで幸せな気分になれる。

AORの往年の名曲「アントニオの歌(Antonio’s Song)」(1977年)と、パトリース・ラッシェン「Forget Me Nots」(1982年)のカヴァーをヴォーカル入りで収録している。こういう「日本発」独特のフュージョン・ジャズが神保の好みだとすると、確かに「CASIOPEA 3rd」の音はちょっと違うな。「CASIOPEA 3rd」については、サポートメンバーに徹しているのが、何となく判る、神保彰の好みが反映された、日本発のフュージョン・ジャズの好盤である。
 
 
 
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2022年2月 9日 (水曜日)

ボブ・ジェームスの最新ライヴ盤

ボブ・ジェームス(Bob James)は、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。ボブ・ジェームスの音に出会って、かれこれ48年になる。初めて聴いた盤が『Bob James One』。彼の弾くエレピに惚れ惚れし、彼のアレンジに感じ入った。そして、演奏するミュージシャンは、フュージョンの一流どころ。そんなハイレベルな演奏にウットリである。

Bob James『Feel Like Making LIVE!』(写真左)。2022年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bob James (p, key), Michael Palazzollo (b), Billy Kilson (ds)。ボブ・ジェームスによくある、ジャズの大編成の楽団を従えた豪華な演奏では無く、ボブ・ジェームスのトリオによる、シンプルなスタジオ・ライヴ録音になる。

ボブ・ジェームスのライヴ盤と言えば『All Around the Town』(1981年)なんだが、これがあんまし良い出来では無くて、人気絶頂だったボブ・ジェームスのライヴ音源を無理矢理リリースした感じで、ボブ・ジェームスのライヴ盤については、あまり良い思い出がない。今回、新たなライヴ盤が出る、というニュースを聞いても、あまり触手は伸びなかった。
 
が、ボブ・ジェームスは、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。やっぱり聴きたくなるのが人情ってもので、今回、じっくりと聴いてみた。冒頭の「Angela」は、懐かしいアルバム『Touchdown』に収録された名曲。シンプルにスムースに、ボブ・ジェームスのトリオは演奏を進めるが、ちょっと調子が出ないみたいで、昔のライヴ盤の悪しき思い出が胸をよぎる。
 

Feel-like-making-live

 
しかし、2曲目「Rocket Man」。エルトン・ジョン「ロケット・マン」のカヴァー。これが名演でアレンジ良好、シンプルで流麗なトリオ演奏で、エルトン・ジョンの名曲を朗々と弾き進めていく。この「ロケット・マン」から、ボブ・ジェームスのトリオも調子を出してきて、極上のフュージョン・トリオの演奏が繰り広げられていく。

選曲も充実していて、目立ったところでは、ジャズ・スタンダード曲から「Misty」「Nardis」が演奏されていて、これがまた味のある演奏。これらスタンダード曲をストレート・アヘッドな演奏では無く、あくまで、上質のフュージョン・アレンジで演奏するところが、フュージョン・ジャズの大御所、ボブ・ジェームスの面目躍如。

そして、ボブ・ジェームスの過去のアルバムの中から、懐かしいセルフ・カヴァーである「Nautilus」「Feel Like Making Love」(アルバム『One』収録)、「Night Crawler」(アルバム『Heads』収録)、「Westchester Lady」(アルバム『Three』収録)が演奏されていて、充実の演奏で、在りし日の懐かしさが甦る。

昔のライヴ盤の悪しき思い出を過去のものとした、内容の濃いスタジオ・ライヴ盤です。ボブ・ジェームスは今年83歳。しかし、この今回のライヴ盤からは、年齢から来る衰えは全く感じ無い。どころか、スムースな響きのする今様のフュージョン・ジャズを披露するところなどは、まだまだ現役バリバリである。脱帽である。
 
 
 
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2022年1月22日 (土曜日)

「高中」流のフュージョンの傑作

高中正義は日本のギタリストのレジェンド。日本の既成の音楽ジャンルに収まらないボーダーレスでクロスオーバーのギターが個性。加えて、ハイ・テクニック。音の志向の個性として特徴的なのは、マンボやサンバなど、ラテン・ミュージックに造詣が深いこと。そんな高中正義のアルバムが、ほぼ全部、サブスク解禁になったようで、めでたいことである。

高中正義『Saudade(サダージ)』(写真左)。1982年9月10日にリリースされた、高中の9枚目のオリジナルアルバムである。キャッチコピーは「身体(からだ)が揺れて心も揺れて…」。何ともこそばゆい、バブルの入口の時代の成せるキャッチコピーである。ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), Joaquin Lievano (g), Narada Michael Walden (ds), T.M. Stevens (b), Frank Martin (key), Sheila Escovedo (perc)。プロデューサーにドラムも担当している、ナラダ・マイケル・ウォルデンを起用している。

時代はフュージョン・ジャズの流行後期。この盤の音世界はフュージョン・ジャズ、時々、スムース・ジャズな雰囲気で、エコーがタップリ効いている分には、スムース・ジャズ的な傾向が強い。しかし、ビートがしっかり立った楽曲については、スピード感も豊か、演奏テクニックも「バカテク」で、この辺は、当時、流行真っ只中のフュージョン・ジャズど真ん中。
 

Saudade_masayoshi_takanaka

 
冒頭の「A Fair Wind」は、エコーがたっぷり効いた、爽快でキャッチャーなフレーズが心地良い「スムース・ジャズ」志向の演奏。メンバーそれぞれの演奏のテクニックも素晴らしく、とても端正で整った演奏には、思わず聴き入ってしまう。いつもの高中盤と雰囲気がちょっと違うのは、プロデュースを他人に任せて、高中自身は「1人のフュージョン・ギタリストに徹している」ところだろう。高中はギター小僧よろしく、喜々としてエレギをアコギを弾きまくっている。

スチール・パンやパーカッションが活躍して、雰囲気は「カリビアン」なのに、出てくる旋律はマイナー調で、和風な哀愁感がそこはかとなく漂うタイトル曲「Saudade」は、いかにも和風なフュージョン・ジャズ」といったもので、これぞ高中の音世界らしい演奏。その他、ディスコ・チューンあり、ジャム・ナンバーな曲あり、ラストの「Manifestation」では、高中がロックなエレギをギンギンに弾きまくっている。

この盤、「高中正義」流のフュージョン・ジャズの傑作盤だろう。音の要素はジャズあり、ロックあり、ディスコあり、カリビアンあり、ラテン調あり、シャッフルあり、高中が得意とする音楽ジャンルをごった煮して、ギターを弾きまくった傑作。米国西海岸フュージョンの強烈なリズム隊に乗って、高中のギターが唄いまくっている。
 
 
 
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2021年8月19日 (木曜日)

コッテコテにスムースなジャズ盤

1970年代後半から1980年代前半にかけて大流行したフュージョン・ジャズ。フュージョン・ジャズの音の大きな特徴である「ソフト&メロウで心地良い響き」をメインに、電気楽器中心のコンテンポラリーなジャズに仕立て上げたのが「スムース・ジャズ」。聴き心地の良いキャッチャーなフレーズとバカテクな演奏力が「命」の「スムース・ジャズ」である。

Dave Koz & Cory Wong『The Golden Hour』(写真左)。2021年6月のリリース。この新盤のキャッチ・コピーが「LA コンテンポラリー・ジャズ界の重鎮サックス奏者=デイヴ・コーズと、注目を集めるギタリストのコリー・ウォンがコラボ」。久々のコッテコテ「スムース・ジャズ」な盤である。

コリー・ウォンがプロデュースを担当していて、バックバンドもコリー・ウォンのバンドをメインにしているので、イメージ的には、コリー・ウォンのバンドにディヴ・コーズが客演したイメージかと思う。プリンスのチーフ・ホーン・アレンジャーであるマイケル・ネルソンによるホーン・アレンジを担当していて、コーズのサックスをしっかりとフューチャーしている。
 

The-golden-hour-1

 
全編に渡って、ロック・ビートに乗りつつ、ジャジーな雰囲気を醸し出すパフォーマンスが実に「スムース・ジャズ」らしい。このジャジーな雰囲気が「ソフト&メロウで心地良い響き」を演出していて、ロック・ビートで演奏全体の躍動感を醸し出している。出てくるフレーズもキャッチャーで心地良く、とても良く出来たコンテンポラリー・ジャズだな、という印象を持つ。

スムース・ジャズだからといって、ただ単純に「聴き心地の良さ」だけを追求しているのでは無いのが、この盤のニクいところ。アドリブ・フレーズは良く練られており、アレンジもとても良く考えられているなあ、という印象。演奏を聴いていて、印象に残るフレーズ、テクニック、アレンジが散りばめられていて、全編、飽きることが無い。

我が国では「キワモノ」扱いされている「スムース・ジャズ」であるが、どうして、フュージョン・ジャズの発展形として、十分に鑑賞に耐える「演奏のトレンドのひとつ」として、これはこれで「コンテンポラリーなジャズの一形態」であると思う。避けて通るには惜しい、充実した内容であると僕は思う。ジャケットはシンプル過ぎて、ちょっと「オヨヨ」ではあるけれど...(笑)。
 
 
 
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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年7月
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