2022年12月 2日 (金曜日)

企画盤「危険な関係のブルース」

レジェンド級の「哀愁のピアニスト」、デューク・ジョーダン。ピアニストの腕前もさることながら、作曲家としての才能が素晴らしい。とにかく、書く曲書く曲、良い曲ばかり。特に、ブルース調の曲、マイナー超の曲が素晴らしい。「哀愁のピアニスト」の面目躍如である。

ジョーダン作曲の曲の中で一番有名なのが「NoProbrem(危険な関係のブルース)」。この曲は、元々は、1959年のフランス映画「危険な関係(Les Liaisons Dangereuses)」の為に書き下ろされたもの。

しかし、このサウンドトラックには、作曲者については「J. Marray」という名前が記載されており、本来の作曲者であるデューク・ジョーダンには著作権料が一切入って来なかった。全く以て酷い話である。

これを見かねたチャリー・パーカー未亡人のドリス・パーカーが、経済的支援を含め、デューク・ジョーダンの為に、1962年に録音した企画盤がある。

Duke Jordan『Les Liaisons Dangereuses』(写真左)。1962年1月12日、NYでの録音。パーソネルは、Duke Jordan (p), Eddie Khan (b), Art Taylor (ds), Sonny Cohn (tp #1,3-7), Charlie Rouse (ts #1,3-7)。ちなみに収録曲は以下の通り。

side 1 (A)
01. No Problem #1 (Duke Jordan) 8:50
02. No Problem #2 (Duke Jordan) 4:15
03. No Problem #3 (Duke Jordan) 6:21

side 2 (B)
04. Jazz Vendor (Duke Jordan) 4:52
05. Subway Inn (Duke Jordan) 4:04
06. The Feeling Of Love #1 (Duke Jordan) 7:14
07. The Feeling Of Love #2 (Duke Jordan) 3:18
 

Duke-jordanles-liaisons-dangereuses

 
この曰く付きの名曲「No Problem」が3バージョン連続して収録されている。ジャズ・メッセンジャーズのような熱いハードバップな演奏の「No Problem #1」。ちょっぴりラテン志向が見え隠れする、アップテンポのピアノ・トリオ演奏の「No Problem #2」。ユッタリとしたテンポで、印象的にメリハリを付けて演奏される「No Problem #3」。

名曲というのは、どんなアレンジにも十分耐える。この「No Probrem」の3連発は、アレンジを変えているだけだが、冗長なところは全く無く、飽きることが無い。

後半(LP盤だとB面に相当する)は、トランペットとテナー・サックスがフロント2管、クインテット演奏の佳曲が並ぶ。どの曲も良い感じの曲ばかり。ジャズの名作曲家、デューク・ジョーダンの面目躍如的な演奏。

但し、この盤で誤解されやすいのは、デューク・ジョーダンは、この「No Problem」1曲だけの「一発屋」の様に感じるところ。何も、デューク・ジョーダン作の佳曲は「No Problem」だけでは無い。彼の書く曲はどれもが「佳曲」。

そういう意味で、この企画盤、デューク・ジョーダンの代表作として、よくジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で紹介されているが、とんでもないことである。

この盤は、真の作曲家に著作権を認めない、という酷い仕打ちに怒ったドリス・パーカー(Doris Parker)が、デューク・ジョーダンの名誉回復のために録音した企画盤であり、デューク・ジョーダンの優れたリーダー作は他に沢山ある。

この企画盤は、デューク・ジョーダンのリーダー作をある程度、聴き込んで、彼のピアノの個性、優れた作曲能力を踏まえた上で、気分転換的に聴く盤だろう。これを代表作とするなんて、何て乱暴な事をするのか、未だに理解に苦しむ。
 
 

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2022年12月 1日 (木曜日)

ジョーダンとファーマーの共演盤

デューク・ジョーダン(Duke Jordan)。欧州に渡った後、1970年代に、スティープルチェイス・レーベルに残したリーダー作は良好盤ばかりで駄盤が無い。スティープル・チェイスの総帥ディレクター、ニルス・ウィンターがデューク・ジョーダンの才能を高く評価していたこと、そして、なにより、双方の相性が相当良かったのだろう。

Duke Jordan『Duke's Artistry』(写真)。1978年6月30日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Art Farmer (flh), David Friesen (b), Philly Joe Jones (ds)。フロント管にアート・ファーマーのフリューゲルホーン1管のカルテット編成。ファーマーのフリューゲルホーンが優しく唄い上げ、ジョーダンのピアノのバッキングの巧みさ、そして、ジョーダンの書く曲の良さが、とても良く判る盤である。

全曲デュークによりオリジナル曲で占められており、これがまた、どの曲も出来が良い。作曲家としてのデューク・ジョーダンの才能を改めて認識出来る内容。この良き曲に恵まれて、ファーマーの暖かくて丸みのある、それでいて、相当にテクニカルで力感溢れるフリューゲルホーンが映えに映える。
 

Duke-jordandukes-artistry

 
デューク・ジョーダンのピアノ、デイヴィット・フリーゼンのベース、フィリー・ジョーのドラムによるトリオのバッキングがこれまた見事。特に、ジョーダンの伴奏上手なピアノには感心する。フリーゼンのベースは厚みのある骨太な音で堅実、そして、フィリージョーは意外と整ったバップ・ドラミングで、リズム&ビートを供給する。

ジョーダンの曲はどれもが「ユッタリ&シットリ」していて、どの曲も良好。5曲目の「Lady Dingbat」はバラード曲。ジョーダンのバラード曲は絶品。ジョーダンのピアノがイントロから映えに映える。ファーマーの丸いフリューゲルホーンによるアドリブ展開も優しくて良し。そうそう、ブルース曲も良いですね。ラストの「Dodge City Roots」など、小粋で格好良くて、気品溢れる展開が聴き応え十分。

この盤、裏面の解説を紐解くと、ファーマーが当日夕刻のフライトで移動するという、相当タイトなスケジュールの中の録音だった様です。そんな中、リーダーのデューク・ジョーダンの周到な準備によって、メンバー集まり次第、即、録音に臨むことが出来、1曲当たり多くても2テイク、トータルで2時間で録音を完了したとのこと。そんなタイトな録音環境を全く感じさせ無い、とても充実した内容のアルバムです。
 
 

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2022年11月28日 (月曜日)

ジョーダン・トリオのお蔵入り盤

冬を感じる頃になると、決まって聴きたくなるピアニストがいる。デューク・ジョーダン(Duke Jordan)。恐らく、ジョーダンの代表盤の1枚『Flight to Denmark』のジャケットのイメージがそうさせると思うんだが、確かに、ジョーダンのピアノって、秋の終わりから冬にかけて聴くと沁みる印象が強い。

Duke Jordan Trio『Truth』(写真左)。1975年3月2日、コペンハーゲンでの録音。SteepleChaseレーベルの SCS 1175番。ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Mads Vinding (b), Ed Thigpen (ds)。録音当時はお蔵入りの音源で、リリースは1983年。ジョーダンお得意のトリオ編成。ベースにヴィンディング、ドラムにシグペン。かの名盤『Flight to Denmark』と同じトリオ編成で、約1年半後の録音。

その内容は十分に期待出来るレベルだと思うのだが、録音当時は何故かお蔵入り。1983年にやっとリリースされている。スティープルチェイスの総帥ディレクター、ニルス・ウィンターが、既リリースの『Flight to Denmark』『Two Loves』と同じメンバー、同じ曲想のアルバムが続くのは好ましくないと判断したのだろうか。

内容的に素晴らしいピアノ・トリオである。確かに、先行の『Flight to Denmark』『Two Loves』と雰囲気・演奏の志向は同じなのだが、デューク・ジョーダンのピアノの個性がより判り易くなっている様に感じる。
 

Duke-jordan-triotruth
 

ジョーダンは、レジェンド級のバップ・ピアニストで、ピアノ腕前もさることながら、彼の書く曲は佳曲ばかり。特にブルースについては、魅力的な曲ばかり。この盤でも、冒頭の「Layout Blues」など絶品である。

ジャズの自作曲には、作曲を担当するジャズマンの楽器の個性がダイレクトに伝わるものが多い。恐らく、この盤に収録された曲全てが、ジョーダンのオリジナルだということもあるだろう。ジョーダンの自作曲もそうで、ジョーダンのピアノの個性がより判り易くなっている。

ジョーダンの個性の1つが、左手のリズム&ビートが「オン・ビート」であること。普通は「オフ・ビート」なんだが、ジョーダンのビートは「オン・ビート」。これが、ジョーダン独特のフレーズの「ノリ」を生んでいる。そして、その独特の「ノリ」が、バックのベース&ドラムのリズム&ビートに埋もれる事無く、逆に全面に浮き出てくる効果を醸し出している。

ジョーダンの代表盤に上がらない、地味なジョーダンのトリオ盤であるが、その内容は先行の『Flight to Denmark』『Two Loves』と引けを取らない。逆に、先行の『Flight to Denmark』『Two Loves』と併せて、3部作として一気に聴き通した方が、ジョーダンのピアノの個性が良く理解出来て良い様な気がする。
 
 

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2022年11月27日 (日曜日)

タル・ファーロウのサード盤

タル・ファーロウは、ブルーノートでの初リーダー作から、そのギターの個性は完成されていた。超絶技巧の限りを尽くした「弾きまくりバップ・ギター」。初リーダー盤から次作のセカンド盤は、歌心溢れるバラード・プレイも素晴らしかったが、とにかく、超絶技巧の弾きまくりギターが目立ちに目立っていた。

Tal Farlow『The Artistry Of Tal Farlow』(写真左)。1954年11月15日、LAでの録音。ちなみにパーソネルは、Tal Farlow (g), Gerry Wiggins (p), Ray Brown (b), Chico Hamilton (ds)。

ヴァーヴ・レコードからのタルのリーダー作第2弾。米国ウエストコースト・ジャズの人気ジャズマンのトリオをバックに、超絶技巧で余裕溢れるバップ・ギターを弾きまくった、タル初期の名盤。

さすがに、3枚目のリーダー作で、大手ジャズ・レーベルのヴァーヴからの2枚目のリーダー作。収録されたそれぞれのギター・プレイには、濃厚な「余裕」が感じられて、超絶技巧なパフォーマンスにせよ、歌心溢れるバラード・プレイにせよ、程良いテンションの下、アドリブ・フレーズにも、どこか柔らかな「余裕」が感じられて、超絶技巧なタルのプレイが、更に迫力を持って迫ってくる。
 

Tal-farlowthe-artistry-of-tal-farlow
 

特に、僕は「歌心溢れるバラード・プレイ」の代表的パフォーマンスとして、3曲目の「Autumn In New York(ニューヨークの秋)」を愛して止まない。1本の弦を1オクターヴ低く調律して低音域を広げて、豊かな表現の幅を拡げたソロ・プレイが素晴らしい。ギターの一本弾きをメインにして、このタルの豊かな表現力は驚異的。この1曲だけでも、このタルのリーダー作の3作目は名盤に値する。

超絶技巧なパフォーマンスも素晴らしい。ギンギンにテンションを張った超絶技巧な弾き回しも聴き応えがあるが、ちょっと「疲れる」。しかし、この盤でのタルの超絶技巧な弾き回しには「余裕」が感じられて、その「余裕」が豊かな表現力に直結していて、カッ飛ぶ高速な弾き回しでも歌心は満点。

冒頭の「I Like To Recognize The Tune」から「Strike Up The Band」の余裕ある超絶技巧なプレイは聴き応え満点。ラストの「Cherokee」など、高速な弾き回しには、しっかりした歌心が宿っていて、これまた聴き応え満点。

安定した高速弾き回しと「余裕」が感じられるアドリブ・パフォーマンスの下、超絶技巧なパフォーマンスと歌心溢れるバラード・プレイが良好に共存しているこの盤は、タルの初期の名盤として良い内容だと思う。
 
 

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2022年11月26日 (土曜日)

タル・ファーロウのセカンド作

純ジャズ系のギター盤を聴く上で、タル・ファーロウのアルバムは避けて通れない。と言って、何処から聴いたらよいか、ということになるが、タルのリーダー作の場合は、ビ・バップ時代の鍛錬が効いていて、1954年、ブルーノートに吹き込んだ初リーダー作にして、タルのギターの個性は完成していたので、初リーダー作から順に聴き進めて行くのが良いだろう。

『The Tal Farlow Album』(写真左)。1954年6月2日、NYでの録音。Norgranレコード(後のVerveレコード)からのリリース。ちなみにパーソネルは、Barry Galbraith, Tal Farlow (g), Oscar Pettiford (b), Joe Morello (ds)。編成的には、ブルーノートの初リーダー作(1954年4月11日の録音)と同じ。タル・ファーロウとバリー・ガルブレイスの2ギター+ピアノレス、変則カルテットの編成。

演奏形態がブルーノートの初リーダー作と同じなので、音的にはそれと変わらない。ただ、リーダーとしてセカンド盤なので慣れてきたのか、タルは硬さが取れて、ちょっとリラックスして弾いている様に感じる。卓越した超越技巧なソロ弾きは、さらに流麗になり、流れるが如く軽快。タルのパッキパキなフレーズが映えに映える。
 

The-tal-farlow-album_1

 
有名スタンダード曲が中心の選曲なので、他のギタリストのパフォーマンスと比較し易くて良い。結論から言うと、タルのギターって、そのテクニックの高さについては、純ジャズ系ギタリストの中では最高峰の1人だろう。速いバップな曲もバラードの曲も、簡単そうに「そつなく」弾きまくる。ピッキングも力強く、音は硬質。しかし、出てくる音は歌心満点。とても聴き応えのある順ジャズ系ギターである。

ガルブレイスとのユニゾン&ハーモニーも流麗で、ガルブレイスのリズムギターも良い感じ。それでも、ガルブレイスのギターに負けること無く、埋もれること無く、タルのギターは、音が太くとピッキングが協力なので、くっきりハッキリ浮き出てくる。力強く流麗で超絶技巧な弾きっぷり、チャーリー・クリスチャン直系と評されるのは納得。

CDリイシュー時にボートラで追加された、9曲目~12曲目の4曲は、1955年4月25日、ロサンゼルス録音でギター、ピアノ、ベースのトリオ編成で録音されたもの。オリジナルLPには収録されていないものなので注意が必要。ピアノレスで聴くと、タルの個性がとても良く判る。『The Tal Farlow Album』としては、1曲目〜8曲目の前半8曲で鑑賞されたい。
 
 

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2022年11月25日 (金曜日)

タル・ファーロウの初リーダー作

僕のジャズ盤週集で、一番後回しになった楽器が「ギター」。もともと、アルバム蒐集はロックから入ったので、ロックギターの派手派手しいフレーズがお気に入りになっていて、純ジャズのギターは、コード弾きと一本弾きのシンプルというか、地味なものだったので、どうしても、純ジャズ系のギターの盤には触手が伸びなかったのが正直なところ。

それでも、年齢を重ねて、ジャズを聴き始めて20年位経った頃、やっと純ジャズ系のギターのシンプルさが良い方向に聴こえる様になってきて、一本弾きのアドリブ・フレーズが、実は超絶技巧、小粋に唄うものだ、ということが判った瞬間、ジャズ・ギター盤の蒐集が本格的に始まった。以来、ジャズ・ギターの週集もやっと、人並みになったかなあ、と思う今日この頃。

『Tal Farlow Quartet』(写真左)。1954年4月11日の録音。ブルーノートの5042番。ちなみにパーソネルは、Don Arnone, Tal Farlow (g), Clyde Lombardi (b), Joe Morello (ds)。

純ジャズ・ギターの最高テクニシャンの1人、タル・ファーロウの初リーダー作。何故か、タル・ファーロウとドン・アルノーンの2ギター+ピアノレスの変則カルテットの編成。それでも、ピアノが無い分、ギターのパフォーマンスが十分に楽しめる。

2ギターの意味が聴けば判る。ドン・アーノンをサイド・ギターに据え、タルの縦横無尽のソロ・プレイの妙技を全面に押し出した恰好。
 

Tal-farlow-quartet

 
なるほど、時にソロ、時にコード弾きとなると、タルのソロのテクニックの部分が薄まるので、サイド・ギターを据えて、基本的にはリズム(コード弾き)を担当させて、タルには、心ゆくまでソロを弾きまくらせるプロデュース。さすがはブルーノートである。

聴けば聴くほど、その超絶技巧さに舌を巻くタルのギター・ソロ。チャーリー・クリスチャン直系、ビ・バップあがりの驚異的な速さソロ・フレーズのスピード。この速さで、ハードバップの特徴の1つである「ロングなアドリブ・ソロ」をやるのだから圧巻である。

冒頭の「Lover」の高速弾き回しを聴くだけで、思わず「ごめんなさい」(笑)。2曲目のバラード「Flamingo」の、ハーモニクスを効果的に活かしつつ、情感溢れる正確無比な弾き回しに、これまた思わず「ごめんなさい」(笑)。以降、胸が空くような圧倒的速弾きパフォーマンス。いや〜、聴いていて思わず感動して「頭が下がる」。

タルの弾き回しの特徴の1つ、巨大な手を一杯に広げて縦横無尽にフレーズを紡ぎ出す様は「オクトパス・ハンド」と呼ばれるのだが、このダイナミックなフレーズの拡がりもこの盤で堪能出来る。

もともと10インチ盤でのリリースなので、曲数は6曲、トータル24分と短いが、そんなことは全く気にならない。圧倒的な超絶技巧、かつダイナミックなタルの純ジャズ・ギターの弾き回しである。
 
 

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2022年11月15日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・254

1950年代の米国のウエストコースト・ジャズのアルバムは一聴すれば直ぐに判る、独特の「音の傾向」を持っている。小粋に洒脱にアレンジされ、バンド・アンサンブルは小洒落ていて、クールで落ち着いている。どのウエストコースト盤も、そういう音の傾向を持っていて、少なくとも冒頭から1〜2曲聴けば、ウエストコースト盤か否かが判る。

ビ・バップの様にそのテクニックを披露するジャズでもなければ、熱くブロウするジャム・セッションなスタイルでも無い。ウエストコースト独特のラウンジ・ジャズ志向、もしくは、室内でじっくり聴く鑑賞音楽としてのジャズ、つまり「聴かせるジャズ」でる。アレンジは、東海岸のハードバップよりも精緻でアカデミックで、しっかりと音楽理論に則った、事前にしっかり準備されたアレンジが大多数である。

Bud Shank and Bob Cooper『Blowin' Country』(写真左)。1956年11月29日と1958年2月18日の2セッションからの選曲。ちなみにパーソネルは、Bud Shank (as, fl), Bob Cooper (ts, oboe), Claude Williamson (p), Don Prell (b), Chuck Flores (ds)。

西海岸ジャズの人気アルト奏者、バド・シャンクと、洒脱なテナー奏者、ボブ・クーパーが2管フロントのクインテット編成。CDリイシュー時には、5曲のボートラが追加されているが、ここでは、LP時代の10曲収録盤での聴き込み。
 

Bud-shank-and-bob-cooperblowin-country

 
冒頭の「Dinah」の前奏のアルトとテナーのユニゾン&ハーモニーを聴けば、これは直ぐに、ウエストコースト・ジャズの優秀盤だと感じる。どの曲にも施される小粋で洒脱なアレンジ。特に、シャンクのアルトとクーパーのテナーによる、ユニゾン&ハーモニー、チェイス、コール&レスポンス、対位法的な掛け合い等、とてもよくアレンジされていて、聴いていて気持ちが良い。

シャンクのアルト・サックスが絶好調で、とても良い音を出している。負けじとクーパーのテナー・サックスも魅力的なフレーズを吹き上げる。特に、バラード演奏における、シャンク&クーパーは絶品。「聴かせるジャズ」の面目躍如、情感豊かに、歌心豊かに、素敵な「聴かせる」フレーズを連発する。他にシャンクはフルート、クーパーはオーボエを吹いて、クインテットのジャジーな演奏に良いアクセントを付けている。

バックを司る、クロード・ウィリアムソンのピアノを核としたリズム・セクションも良い。特に、ウィリアムソンのピアノは、洒脱で小粋で味がある。ウエストコースト・ジャズの雰囲気を代表するピアノのパフォーマンスだろう。

良いウエストコースト盤です。本当に久し振りにこの盤を聴き直したのだが、実にウエストコーストしていて聴き応え抜群。ウエストコースト・ジャズの代表盤の1枚として良い優秀盤です。
 
 

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2022年11月 1日 (火曜日)

1960年代の隠れた傑作盤です

1960年代は「ジャズの多様化」の時代。ハードバップが成熟仕切って、大衆受けを狙った志向と、ジャズをアーティスティックに捉えて、より即興演奏の自由度を求める志向など、ハードバップを根源として、ジャズは様々な志向に発展していった時代。そんな中、それまでのスタンダードな編成から、マンネリズムを避けて、ちょっと変化を付けた編成で演奏する、などという工夫も見られた。

Jimmy Raney, Zoot Sims & Jim Hall『Two Jims and Zoot』(写真左)。1964年3月11, 12日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Raney, Jim Hall (g), Zoot Sims (ts), Steve Swallow (b), Osie Johnson (ds)。タイトル通り、二人の「Jims」、ジミー・レイニーとジム・ホールの2人のギタリストと、歌心溢れ、スインギーで小粋なテナーマン、ズート・シムズの3人並列のリーダー作。

ルイス・ボンファの名曲「カーニバルの朝」やアントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲「エステ・ソー・オルハー」など、当時流行していた軽いボサノヴァ路線が中心の選曲だが、これが実に雰囲気が良い。ホールの自作曲を含め、この盤ではまず、レイニー&ホールのギターと、シムズのテナーを引き立てる様な「選曲の妙」が目に付く。
 

Two-jims-and-zoot

 
知的でセンシティヴ、切れ味良くプログレッシヴなレイニー&ホールのギターが傑出している。ツインリードと形容して良い、二人が平等に並び立つギターが実に良い雰囲気。ユニゾン&ハーモニーでの微妙なフレーズのズレも心地良く、二人のギターの相性は抜群。室内楽的に流麗に響く二人のギターは「歌心」も抜群。思わず聴き惚れてしまう。

どんな曲でも見事にスイングするズート・シムズのテナーも聴きもの。ボサノヴァ曲でのフンワリした力強いフレーズも心地良く、レイニー&ホールの二人のギターとの絡みもスインギー。特にこの盤では、レイニー&ホールの二人のギターに触発されたのであろう、実に味わいのある、歌心溢れるテナーを聴かせてくれる。

ギター2本&テナーの変則フロントに、それを引き立てる選曲&アレンジ。1960年代の「ジャズの多様化」の時代に「じっくりと聴かせる小粋なジャズ」。我が国ではあまりメジャーな存在では無いが、この盤は「1960年代の隠れた傑作盤」として良いと思う。サブスク・サイトにもしっかりアップされているので、気軽に一度は聴いて欲しい「隠れ名盤」である。
 
 
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2022年10月31日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・254

ジャズの裾野は広い。一昨日、ご紹介した様な、最新のジャズ・エレクトロニカもあれば、ハードバップ時代の隠れ名盤もある。どちらも、聴いて楽しい「ジャズ」であり、どちらも、個人的嗜好においては好き嫌いはあるだろうが、客観的に見て、優劣を付けることの出来ない。歴史上、どちらも内容の優れた「ジャズ」である。

Eddie "Lockjaw" Davis & Johnny Griffin『The Tenor Scene』(写真左)。1961年1月6日、NYのミントンズ・プレイハウスでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Eddie "Lockjaw" Davis (ts), Johnny Griffin (ts), Junior Mance (p), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)。

豪快なテキサス・テナーのスタイリストの一人、エディー・ロックジョー・デイヴィスと、テナー・リトル・ジャイアント、ジョニー・グリフィンとの2管フロントのクインテット編成。

このライヴ盤、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の推薦盤に、そのタイトルが挙がることが無いのだが、聴けば、何と実にハードバップらしい、ハードバップの良いところ満載の隠れ好盤である。1961年のライヴ録音なんだが、内容的には、完璧なまでのハードバップな演奏が展開されていて、聴いていて、バリバリにジャズを実感出来て、とても楽しい。
 

Eddie-22lockjaw22-davis-johnny-griffinth

 
テキサス・テナー・スタイルのロックジョー、リトル・ジャイアントと呼ばれたグリフィン、二人の豪快なテナーがなんとも素敵な響き。そして、この豪快な二人のテナーの「ユニゾン&ハーモニー」そして「テナー・バトル」が凄く良い雰囲気。

これぞ、ハードバップ時代のテナー、って感じの、豪快で迫力抜群、大らかでテクニカル、歌心溢れエモーショナル豊かなテナー。良い。難しい理屈抜きに直感的に「良い」。

バックのリズム・セクションも好調で良い感じ。特に、ピアノのジュニア・マンスが、躍動的でファンキーなピアノをガンガンに弾きまくっている。さすがライヴやなあ。マンスがこれだけバリバリ弾きまくるとは思わなかった。このマンスのピアノに煽られて、鼓舞されて、ロックジョーとグリフィンがテナーを更に吹きまくる。熱気溢れるライヴである。

このライヴ盤、ジャズを聴き始めて、20年目に出会った。ジャズの裾野は広い。長くジャズ盤を探索し、聴けば聴くほど、小粋な盤、隠れ好盤に出会う。そして、それが30年になり、40年になり、ジャズ盤の探索は終わりが無い。全く、ジャズの裾野は広い。いつまた、小粋な盤、隠れ好盤に出会うか判らない。よって、ジャズ盤の探索は止められない。
 
 

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2022年10月25日 (火曜日)

ウエストコースト・ジャズの頂点

シェリー・マンは、米国ウエストコースト・ジャズの代表的ドラマーであったと同時に、ウエストコースト・サウンドの体現者でもあった。ドラマーとしても超一流だが、バンド・サウンドのプロデュース&コントロールについても優れた実績を残している。シェリー・マンのリーダー作を聴くと、米国ウェストコースト・ジャズの音が、たちどころに判る、と言っても良い。

Shelly Manne and His Men『Vol.4・Swinging Sounds』(写真左)。1956年1ー2月の録音。ちなみにパーソネルは、Shelly Manne (ds), Stu Williamson (tp, valve-tb), Charlie Mariano (as), Russ Freeman (p), Leroy Vinnegar (b)。ウィリアムソンのトランペット&トロンボーン、マリアーノのアルト・サックスのフロント2管、リーダーのマン、ピアノのフリーマン、ベースのヴィネガーのリズム・セクションのクインテット編成。

収録全曲、とてもウエストコースト・ジャズらしいアレンジが施されている。フロント2管のユニゾン&ハーモニーの響きだけで、この盤はウエストコースト・ジャズの盤だということが判るくらいの、典型的なウエストコースト・ジャズのアレンジ。この盤を聴くだけで、ウエストコースト・ジャズのアレンジの特徴と個性が把握できる。
 

Shelly-manne-and-his-menvol4swinging-sou

 
バド・パウエルのビ・バップの名曲「Un Poco Loco」まで、ウエストコースト・ジャズのアレンジで染められて、フロント2管のユニゾン&ハーモニーで「Un Poco Loco」のテーマを奏でると、「Un Poco Loco」の持つ素晴らしいフレーズがグッと浮き出てくる。「聴かせる」、さすが「聴いて楽しむ」、ウエストコースト・ジャズの面目躍如である。

演奏メンバーのパフォーマンスもそれぞれ好調で聴き応えがある。そんな中でも、やはり、リーダーのマンのドラミングが傑出している。相当に高いテクニックと「歌心」を感じさせるドラミングは、ジャズの歴代のドラマーの中でも「指折り」だろう。特に、この盤でのマンのドラミングは素晴らしい。

このマンのリーダー作を聴くと、録音年の1958年、ウエストコースト・ジャズは、更なる進化の「のりしろ」が見当たらないくらい、完全に成熟していたことが良く判る。ウエストコースト・ジャズのアーティステックな頂点を捉えた名盤だろう。
 
 

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