2023年7月18日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・264

暑い。酷暑である。特に、ここ千葉県北西部地方は、暫く、全くまとまった雨が降っていない。カラカラのはずが湿度が高くて蒸し暑いのなんの。特に昨日、今日と身の危険を感じるほどの酷暑である。千葉県はもう梅雨は明けていると思うのだが、梅雨明け宣言の単位が「関東地方」らしく、北関東は暫く天気が不安定だったので、梅雨明け宣言できないらしい。何とも意味の無い「梅雨明け宣言」である。

これだけの酷暑だと、まず、外を歩くのは危険。よってエアコンをつけて、応接間でジッとしながらジャズを聴く訳だが、こういう酷暑の季節は、いかにエアコンの効いた部屋とは言え、難しいジャズは敬遠したくなる。やはり、聴いて判り易く、聴いて心地良いハードバップ時代の好盤が良い。フリー・ジャズなど以ての外である(笑)。

Donald Byrd『Byrd's Word』(写真)。1955年9月29日の録音。サボイ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Frank Foster (ts), Hank Jones (p), Paul Chambers (b), Kenny Clarke (ds)。バップ〜ジャズファンクなトランペッター、ドナルド・バードのリーダー作。バードのトランペットとフォスターのテナーがフロント2管のクインテット編成。
 

Donald-byrdbyrds-word_20230718201301

 
バードは1932年生まれなので、この盤の録音時は23歳。若き日のプロフェッサー=ドナルド・バードである。全編、バードの溌剌としたブリリアントなトラペットが実に良い音を出している。奏でるフレーズは、そこかしこにビ・バップの面影を残しているが、ロングなアドリブ展開においては、ファンクネス溢れ流麗で知的な響きのする、バードのトランペットの個性が全開である。

フロント管の相棒、フランク・フォスターも元気一杯、バードのトランペットと迫力あるユニゾン&ハーモニーを奏でていて、なかなか良い感じ。ベースのポルチェンは弱冠20歳。若き天才は今までに無い、多彩なベースラインを展開している。ハンク・ジョーンズのピアノは「典雅」。元気一杯のフロント管にリリカルで耽美的な雰囲気を被せて「小粋」。そして、この盤のリズム&ビートを仕切るのがクラークのドラム。典型的なバップなドラミングで、バンド全体のビートをガッチリ引き締める。

単純に「良い雰囲気のハードバップ盤」だと思います。ハードバップ初期の「それまでのビ・バップと新しい響きのバップ」が混在している雰囲気がとてもジャズっぽくて、良い感じ。安心安定のモダン・ジャズ盤です。ちなみにジャケがちょっと「とほほ」な感じですが、このトーンがサボイ・レーベルの特徴なんで、これはこれで味があって良いです。でも、このジャケで損をしているところはあるんだろうな。
 
 

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2023年1月22日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・257

最近、ジャズ・フルートのアルバムを聴き直している。フルートって楽器、基本的にはジャズに向かないと、ずっと思ってきた。それでも、ジャズ者初心者の頃、『Opus de Jazz』のフルートを聴いて「フルートの音ってファンキーやな〜」と感じ入ったりして、フルートって、吹き手によってはジャズに向くのかな、と思って以来、幾年月。しばらく、ジャズ・フルートに拘ること無く、ジャズ盤を聴いてきた。

ボブ・ジェームスの初期のリーダー作を聴き直していて、ヒューバート・ロウズのフルートって「やっぱ、ええなあ」と感じ良った。サックスのサブ楽器としてのフルートって、ジャズではよくあるが、さすが、サブ楽器だけあって、本格的なフロント楽器とは言い難い。では、ジャズ・フルートをメインにしている、フロント楽器として成立するジャズマンって、どれくらいいたのかなあ、と思って調べ始めて、ジャズ・フルートの好盤を聴き直す様になった。

Frank Wess『Opus in Swing』(写真左)。 1956年6月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Frank Wess (fl), Kenny Burrell, Freddie Green (g), Eddie Jones (b), Kenny Clarke (ds)。ジャケ・デザインを見たら直ぐに判る、サヴォイ・レーベルからのリリースである。1956年の録音であるが、アルバム全体の雰囲気は、ちょっとレトロな「スイング・ジャズ」。
 

Frank-wessopus-in-swing

 
しかし、このレトロな「スイング・ジャズ」がとても良い雰囲気。スイングするリズム隊に乗って、フランク・ウエスのフルートが唄う様に吹き進む。芯の入った、ストレートに力強く伸びたフルートのフレーズ。ウエスのフルートは、しっかりとフロント楽器として成立している。そして、ウエスのフルートは、どこか黒くてファンキー。ウエスのフルートにその黒いファンクネスが、そこはかとなく小粋に忍んでいるのが実に洒脱で、実にジャジー。

ソロ・ギターに、駆け出し新人自体のケニー・バレル、リズム・ギターに名手フレディー・グリーン。この二人のギターが抜群に聴いている。バレルのソロ・ギターはブルージーでファンキー、グリーンのリズム・ギターは小粋に躍動的でファンキー。この二人のギターが演奏全体のファンクネスな雰囲気を醸し出している。二人の小粋にファンキーなギターと、そこはかとなくファンキーなウエスのフルート。とっても「ジャズ」な演奏が小気味良い。

バリバリのハードバップでは無い、軽やかで耳に優しい「スイング・ジャズ」。しかし、ハードバップ・マナーなアレンジが、この「スイング・ジャズ」な演奏に古さを感じさせない。とても洒脱でモダンなジャズな演奏が、この盤に詰まっている。そして、この盤は、ジャズ・フルートが、やはり吹き手によって、フロント楽器として十分成立することを我々に教えてくれる。
 
 

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2022年10月 6日 (木曜日)

ハンクのリーダー作の第3弾。

ハンク・ジョーンズのデビュー盤から10枚ほどを久々に聴き直している。昨日は初リーダー作について語った訳だが、初リーダー作にして「典雅でブルージーで、そこはかとなくファンクネス漂い、タッチが明快で流麗」なピアノの個性を手に入れていたことが良く判る初リーダー作だった。

『Hank Jones Quartet & Quintet』(写真左)。1955年11月1日の録音。サヴォイ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), Donald Byrd (tp), Eddie Jones (b), Kenny Clarke (ds), Matty Dice (tp, tracks 2&3)。典雅で小粋なバップ・ピアノのレジェンド、ハンク・ジョーンズの3枚目のリーダー作。

トランペットがワンホーンのカルテット編成。2曲目「An Evening at Papa Joe's」と3曲目「And Then Some」の2曲がマティ・ダイス、残りの3曲がドナルド・バードのトランペットになる。特にドナルド・バードのトランペットがとっても溌剌としていてブリリアント。引き摺られるように、マティ・ダイスのトランペットも大健闘。2人のトランペットが分担しているが、違和感無く、バランスの取れた無い様になっている。
 

Hank-jones-quartet-quintet

 
主役のリーダー、ハンク・ジョーンズのピアノといえば、バックのリズム・セクションに回った時の「伴奏上手」なハンクのピアノがとても良い。選曲はスタンダード曲ばかりで、アレンジを含めて、カルテット演奏におけるピアノの弾き回しがとても「粋」に響く。バップなピアノだが、フロントの前に出ることは絶対に無い。流麗で典雅なフレーズで、フロントのトランペットをしっかりとサポートする。

典型的なハードバップな演奏に仕上がっている。そんな中、ドナルド・バードのトランペットのフレーズはどことなく「新しい響き」を感じるし、ハンクのピアノは他のピアニストに無い「上品なファンクネスとフレーズの典雅さ」が個性的。パーソネル的には「新旧メンバー織り交ぜて」ではあるが、味のある小粋なハードバップ演奏に仕上がっているのは流石である。

音も良い。資料を見てみると、Van Gelder Studioでの録音である。ヴァン・ゲルダー渾身の好録音。ハンクのピアノも活き活きとした、ピンとタッチの立った音で録音されていて、ハンクのピアノが、伴奏に回ってようが、ソロを取る為、前面に立ってようが、しっかりと聴き取れる。サヴォイからのリリースなので、ジャケは「トホホ」だが、これはご愛嬌(笑)。
 
 

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2021年7月22日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・214

各老舗のジャズ・レーベルには「こんなジャズマンいたんや」と思う、知る人ぞ知る玄人好みのジャズマンがいる。最近、サヴォイ・レーベルについては、カタログを眺めながら、これは、と感じる盤を順番に楽しみながら聴き直しているのだが、サヴォイ・レーベルでの「知る人ぞ知る玄人好みのジャズマン」の1人が「レッド・ノーヴォ」。

改めて、レッド・ノーヴォ(Red Norvo)は、米国イリノイ州の出身、1908年の生まれ。スイング期に活躍、ビ・バップ期には40歳を過ぎて、この時点で中堅のジャズマンということになる。但し、リーダー作はハードバップ期に集中していて、幾つかのレーベルになかなかの秀作を残している。1960年代に入って、リーダー作はほとんど途絶え、1999年4月に鬼籍に入っている。

Red Norvo Trio『Move!』(写真左)。1951年の録音。サヴォイ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Red Norvo (via), Tal Farlow (g), Charles Mingus (b)。当時として先進的な、ドラムレス、ピアノレスのトリオ編成。録音担当は(マスタリングのみかも)、ルディ・ヴァン・ゲルダー、プロデューサーはオジー・カディナ。録音も良好、内容的にも、ビ・バップを抜けて、ハードバップ風の演奏になっている。
 

Move

 
まず、リーダーのレッド・ノーヴォの品のある、硬質な音ではあるが流麗なヴァイブの弾き回しに耳を奪われる。ファンクネスをドップリ振り撒くのでは無く、スッキリとしたファンクネスを仄かに漂わせながらの、品のある弾きっぷりは聴き応えがある。さすが、スイング期に活躍しただけはある。アドリブ・フレーズはどれもが「スインギー」。

サイドマンの2人のパフォーマンスも素晴らしい。タル・ファーロウのギターは先鋭的。かなり硬質なピッキングでプレグレッシヴに、アグレッシヴに弾きまくる。旋律の弾き回しも素晴らしいが、ドラムレスな分、リズム楽器としてのファーロウのバッキングも見事。チャールズ・ミンガスのベースも骨太でソリッドで、その存在感は頼もしい限り。

LPサイズ単品でのCDリイシューがしばらく途絶えて、入手が難しい時期が続いたが、最近では、音楽のサブスク・サイトなどで、この『Move!』の音源を含んだ『The Savoy Sessions: The Red Norvo Trio』(写真右)がアップされていて(CDでもリリースされている)、やっと気軽に聴くことが出来る環境になった。
 
 
 
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2021年7月20日 (火曜日)

サヴォイ・レーベルのパーカー盤

サヴォイ・レーベルと言えば、1942年に設立以来、ビ・バップ華やかりし1940年代後半から1950年代前半にかけて、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーなどのセッションをどんどん録音していった。が、パーカーについては、アルバムとして今も流通しているものは数少ない。

パーカーのセッションの全てを収録した「パーカー研究者向け」の企画ボックス盤はあるにはあるが、これは明らかに後の「マニア御用達」なもので、CD複数枚の企画ボックス盤は聴き通すのも大変。やはり、当時LPとしてリリースされたものが良い。

『The Charlie Parker Story』(写真)。1945年11月26日の録音。もともとは、パーカーの死後にリリースされたLPレコード。1945年11月26日に録音されたセッション全体を記録した最初のアルバムになる。

ちなみにパーソネルは不確で、恐らくこれが一番正確なのかと。Miles Davis (tp), Charlie Parker (as), Dizzy Gillespie (tp, p), Sadik Hakim (p), Curly Russell (b), Max Roach (ds)。トランペットとピアノについては、どの曲で誰が担当したか、諸説あって良く判らないみたい。

16トラックあるが、収録曲としては実質6曲。この盤はLPとして1956年にリリースされた折から、セッション全体を順番に収録していて、正式なマスター・テイクから、マスター・テイクに比肩する内容のオルタネイト・テイク、途中で終わっちゃうショート・テイク(失敗テイクでしょうね)など、1曲の中で、3〜5パターンの演奏が収録されている。
 

The-charlie-parker-story-1

 
この盤を通して聴くと、1945年当時の「ビ・バップ」の演奏について、ビ・バップ・ムーヴメントの中心となったジャズマンが集った演奏については、素晴らしく内容のある演奏だったことがよく判る。このサヴォイ盤については「現代のジャズの歴史で作られた最高の録音」と評価されている。

「Billie's Bounce」1曲とってみても、オリジナル・テイクのほか、オリジナル・テイクに比肩する内容のオルタネイト・テイクが3曲収録されており、どの演奏をとってみても充実した内容で、オリジナル・テイクと比べても甲乙付けがたい。こういう場合は、どれが一番優れているかと悩むよりは、いずれも素晴らしい演奏であることを確認して楽しむのが良いだろう。

ただ、今でもその存在が良く判らないのが「Short Take(いわゆる「失敗テイク」)」の存在。収録する必要があったのかなあ。ただ、臨場感は伝わるし、即興演奏を旨とするジャズ演奏は、常に成功テイクばかりでは無い、失敗テイクの積み重ねという側面もあるということを我々に教えてはくれる。けど、演奏を鑑賞するという面では「いらない」と思う。

しかし、「Billie's Bounce」をはじめ「Now's the Time」「Warming up a Riff」「Thriving From a Riff」「Meandering」「Koko」については、マスター・テイクもオルタネイト・テイクも、当時としては、素晴らしい演奏レベルである。

CD複数枚の企画ボックス盤は聴き通すのに疲れます。この盤は録音もまずまずで、ビ・バップのパーカーを感じる第一歩として、最適のアルバムだと思います。LP1枚分の収録時間なので、一気に聴き通すことができます。
 
 
 
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2021年7月12日 (月曜日)

ビル・ハードマンの初リーダー作

サヴォイ・レーベルのカタログを見渡していると、有名な一流ジャズマンの名前も多々あるが、その中に、地味な存在ではあるが、個性的なパフォーマンスを繰り広げる「山椒は小粒でもピリリと辛い」的ジャズマンの名前が結構、確認出来る。中には「これ誰?」という名前もあるが、当時、サヴォイ・レーベルはR&Bのレコードの好セールスに支えられていて、このR&B系のメンバーの名前なんだろう。これは仕方が無い。

Bill Hardman『Saying Something』(写真左)。1961年10月18日、ニューアークのMedallion Studiosでの録音。プロデューサーはTom Wilson。ちなみにパーソネルは、Bill Hardman(tp), Sonny Red(as), Ronnie Mathews(p), Doug Watkins(b), or Bob Cunningham(b), Jimmy Cobb(ds)。リーダーのハードマンのトランペットとレッドのアルト・サックスの2管フロントのクインテット編成。ベースは2人で分担している。

パーソネルを見渡すと、メンバー全員、地味な存在ではあるが、個性的なパフォーマンスを繰り広げる「山椒は小粒でもピリリと辛い」的ジャズマンである。人気の一流ジャズマンの名前は1人としていない。しかも、プロデューサーについては、有名敏腕プロデューサーのオジー・カディナが去って、トム・ウィルソン。これだけの事前情報を見れば、この盤の内容にはあまり期待出来ないな、と思いつつ、CDプレイヤーの再生スイッチを押す。
 

Saying-something

 
出てくる音は、とてもしっかりした骨太なハードバップな音。録音もルディ・バン・ゲルダーでは無いのだが、とてもジャズを感じる素敵な録音である。どの楽器もしっかり鳴って、アドリブ・フレーズには揺らぎも無い。キラキラ輝かんばかりのポジティヴな音で、アドリブ・フレーズが展開される。1961年は「ジャズの多様化」真っ只中。それでも、この盤にはハードバップ真っ只中、1950年代半ばの音がグッと詰まっている。

リーダーのビル・ハードマンは、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズで、マクリーンやグリフィンと絶妙なコンビネーションを演じたトランペット奏者。翳りの無い、明るくブリリアントでスッと抜ける、真っ直ぐなトランペットが個性。翳りが無い分、脳天気な感じが付きまといますが、この明るいトランペットは聴いていて「元気が出る」。トランペットはこうでなくっちゃ、と改めて思わせてくれるポジティヴなブロウが魅力的。

この盤、ビル・ハードマンの初リーダー作なんですね。それまでは、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのフロント管を担っていたからなあ。ジャジーでハードバップど真ん中な良い音を出すトランペッターで、リーダー作に恵まれなかったこと、人気盤のサイドマンにも恵まれなかったことが実に残念に思います。
 
 
 
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2021年7月 8日 (木曜日)

「ビ・バップ」なディズを聴く

ビ・バップの祖の一人、ジャズ・トランペッターのレジェンド「ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie・愛称「ディズ」)」。マイルスを以てして「ディズの様に吹きたかったが、どうしても吹けなかった。ディズは俺のアイドルだった」と言わしめた伝説のトランペッターだが、ビ・バップ期においては、意外とリーダー作に恵まれていない。

ハードバップ期以降については、要所要所で名盤を「ものにしている」のだが、ビ・バップ期には意外とデイズの代表盤というのがあまり見当たらない。

もう1人の「ビ・バップの祖」チャーリー・パーカーは失敗テイクを含め、各々のセッションの全てをアルバムにされたりしているが、ディズにはそれが無い。ディズのビ・バップなトランペットは、それはそれは素晴らしいものにも関わらず、である。

ビ・バップなディズを感じたいのなら、サヴォイ・レーベルの諸作だろう。お勧めは『Groovin' High』と『The Champ』の2枚。今日は後者をご紹介したい。

Dizzy Gillespie『The Champ』(写真左)。ディジー・ガレスピーの1951年から1952年までの小グループでのレコーディングを集めた、サヴォイ初期のオムニバス形式のアルバムである。
 

The-champ-dizzy-gillespie

 
主だったパーソネルは次の通り。Dizzy Gillespie (tp), Bill Graham (as), Budd Johnson, John Coltrane (ts), Bill Graham (bs), Bernie Griggs, Percy Heath (b), Al Jones, Art Blakey, Kansas Fields (ds), Kenny Burrell (g), Milt Jackson (org), Milt Jackson, Wynton Kelly (p), J.J. Johnson (tb), Milt Jackson (vib), Stuff Smith (vln), Dizzy Gillespie, Melvin Moore, Milt Jackson (vo) 等々。

演奏内容は明らかに「ビ・バップ」。録音年が1951〜52年なので、ビ・バップは最終期で、ハードバップへの移行期にあたるので、ビ・バップとしての演奏内容は、十分に洗練されていて「聴かせる」ビ・バップになっている。

当然、リーダーのディズのトランペットは強烈なハイノート、見事な運指を含め、申し分無い。明るく陽気なディズの「ビ・バップ」なトランペットが心ゆくまで楽しめる。

ビ・バップの「アーティスティックな最終形」を聴く様な充実した演奏ばかりなのだが、これはディズを含め、演奏するジャズマンが皆、後のハードバップ期以降、活躍するジャズマンばかりなのだから当然と言えば当然。若かりし頃のコルトレーンやウィントン・ケリー、ケニー・バレルらの名前が実に頼もしい。

ボーカル入りの曲があったり、思い切りラテン調の曲があったり、明るく陽気なディズのトランペットを含め、我が国の硬派なジャズ者の方々にはウケが悪い盤であるが、ビ・バップの祖としてのディズの才能を感じるのに、最適なアルバムの一枚である。ビ・バップの「アーティスティックな最終形」は素敵です。
 
 
 
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2021年7月 7日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・212

昨日、サヴォイ・レーベルの代表的なヒット作の一枚として、Milt Jackson『Opus De Jazz』をご紹介した。が、サヴォイ・レーベルの代表的なヒット作はまだまだある。

例えば、昨日の『Opus De Jazz』の名が挙がれば、必ず、続いてそのタイトルが挙がるアルバムがある。このアルバムも、サヴォイ・レーベルお得意の音「リラックスした正統でハードバップな演奏」がしっかり記録されている「サヴォイ名盤」の一枚。

Curtis Fuller『Blues-ette』(写真左)。1959年5月21日、NJのVan Gelder Studio での録音。プロデューサーはオジー・カディナ。ちなみにパーソネルは、Curtis Fuller (tb), Benny Golson (ts), Tommy Flanagan (p), Jimmy Garrison (b), Al Harewood (ds)。カーティス・フラーのトロンボーンとベニー・ゴルソンのテナー・サックス、2管フロントのクインテット編成。

この盤、冒頭の名曲「Five Spot After Dark」にとどめを刺す。ベニー・ゴルソン作曲の名曲で、ジャジーでブルージーでアーバンな雰囲気がたまらない。そんな名曲に、これまたベニー・ゴルソンの専売特許である「ゴルソン・ハーモニー」のアレンジを施していて、これがまた、この名曲の底に流れるファンクネスを強調して、それはそれは、実にジャズらしい音の響きを提供してくれる。
 

Blues_ette

 
この「ゴルソン・ハーモニー」って、トロンボーンとテナー・サックスのユニゾン&ハーモニーが一番フィットしていて、そのアレンジの効果を一番発揮した楽曲がこの「Five Spot After Dark」だと思っている。とにかく、この曲の持つ「メロディー・ラインとハーモニーの美しさ」は特筆もの。不思議と「都会の夜の雰囲気」をビンビンに感じる楽曲で、僕はこの曲が大のお気に入りです。

そして、名盤には必ず優れた「リズム隊」がバックに控えている。この盤のリズム隊は、トミフラのピアノ、ギャリソンのベース、ヘアウッドのドラムなのだが、これが実に「良い」。

トミフラの落ち着いていて小粋なピアノのバッキングは、まるで「スパイス」のよう。演奏の中でキラリと光るフレーズを供給していて、これが良いアクセントとなっている。ギャリソンの骨太ベースは演奏の安定感に大いに貢献しているし、ヘアウッドのドラムは、決してフロントの邪魔をしないが、小粋なビートでしっかりとフロントを支え、鼓舞する職人芸的ドラミングが良い感じ。

ルディ・ヴァン・ゲルダーの録音で、実に「ハードバップらしい」音をしている。ジャケもサヴォイらしいもの。この盤も、初めて聴いて良し、聴き直して良しと、この盤もジャズ者全ての方にお勧めの名盤です。
 
 
 
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2021年7月 6日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・211

最近、サヴォイ・レーベルの優秀盤を聴き直している。こうやって聴き直してみると、サヴォイ・レーベルもブルーノート・レーベルと同様に、音の響きとアルバム制作の基本ポリシーの個性がハッキリしていて、聴いていて気持ちが良い。

特に、1950年代半ば、オジー・カディナがプロデューサーとして迎えられ、このカディナのプロデュースの下,1954年から1959年にかけて制作されたアルバムは内容の優れたもの、内容の濃いものが多い。

Milt Jackson『Opus De Jazz』(写真左)。1955年10月28日、NJのVan Gelder Studio での録音。プロデューサーはオジー・カディナ。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Frank Wess (fl, ts), Hank Jones (p), Eddie Jones (b), Kenny Clarke (ds)。ハードバップ初期の秀作。ミルト・ジャクソンのヴァイブ、フランク・ウエスのフルートがフロントのクインテット編成。

タイトルの「オパス(Opus)」とは、ラテン語で「作品」の意味で、直訳すると「ジャズの作品」という意味になる。ちなみに、冒頭の「Opus de Funk」は「ファンクの曲」。「Opus Pocus」は「呪文の曲」になる。この盤にはハードバップのお手本の様な演奏が詰まっている。
 

Opas-de-jazz

 
ミルトのヴァイブとウエスのフルートが実に良く効いている。サヴォイ・レーベルお得意の音「リラックスした正統でハードバップな演奏」が、このヴァイブとフルートの音色で明快に表現されている。しかも、このヴァイブとフルートのフレーズは明らかに「ファンキー」。マイナー調でブルージーなアドリブ・フレーズは、聴いていてドップリと浸り切ってしまいたい位の心地良さ。

全編に渡って、このヴァイブの音とフルートの音が思いっ切り印象に残る盤である。このヴァイブとフルートの持つ音の響きが、マイナー調でブルージーな雰囲気を増幅させ、「ファンキー」を具体的な音として僕達に聴かせてくれる。この盤でこの音で、僕はヴァイブの音の虜となって、その最初のアイドルが「ミルト・ジャクソン」だったことを思い出した。

リズム隊も実に良い感じ。フロントのヴァイブとフルートのお陰で、どっぷりと「ジャジーでブルージーでファンキー」な音世界なんだが、その音の雰囲気に「典雅さ」を加味して、小粋でファンキーなハンク・ジョーンズのピアノが要所要所でアクセントを付け、チェンジ・オブ・ペースを促す。ケニー・クラークのドラムは切れ味良く硬軟自在。エディー・ジョーンズのベースは堅実だ。

サヴォイ・レーベルの代表的なヒット作の一枚。ジャケットもサヴォイ・レーベルらしいもの。音はルディ・ヴァン・ゲルダーの手になるもので、音の良さは「折り紙付き」。初めて聴いて良し、聴き直して良しと、ジャズ者全ての方にお勧め。
 
 
 
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2021年7月 5日 (月曜日)

レッド・ロドニーの「隠れ名盤」

サヴォイ・レーベルのハードバップらしい音世界は、一度聴き出すとしばらく聴き続けてしまうくらい、魅力的なもの。ブルーノート盤などの「尖った先進的なハードバップ」な音とは全く異なる、ややリラックスした正統でハードバップな演奏なのだが、これが意外と癖になる。

Red Rodney『Fiery』(写真左)。1957年11月、New JerseyのVan Gelder Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Red Rodney (tp), Ira Sullivan (ts), Tommy Flanagan (p), Oscar Pettiford (b), Philly Joe Jones (ds : 1to 3 ), Elvin Jones (ds : 4 to 6)。

リーダーのレッド・ロドニーのトランペットと、アイラ・サリヴァンのテナー・サックスの2管フロントのクインテット編成。ドラムはフィリージョーとエルヴィン・ジョーンズを使い分けている。

リーダーのレッド・ロドニーは「1949年〜50年の短い期間であったが、パーカーのもとで、相棒として活躍していた白人トランペッター」として紹介されている。かなり素性の良い、魅力的なトランペットなんだが、ドラッグの悪癖のためにチャンスを逃し、ロドニーのリーダー作やサイドマンとしての参加作品はかなり少ない。
 

Fiery-red-dodney

 
バッパーらしい切れ味の良いブリリアントな音色で、しっかりと気持ちの入った「入魂トランペット」だが、そのフレーズにはどこかクールな雰囲気が流れていて、全体的に「硬軟のバランスが良い演奏」を聴かせてくれる。テクニックも良好、オリジナリティー豊かで、当時の誰のトランペットにも似ていない。独特の個性を持ったトランペットだけに寡作なのが惜しまれる。

そんなロドニーのトランペットを心ゆくまで楽しむことが出来る。難解なところとか、変に癖のあるところは全く無い、ストレートの素性の良いトランペット。スタンダード曲も自作曲も、どちらも良い感じで吹き上げている。

バックのリズム隊が好調で、トミー・フラナガンのピアノの参加が効いている。トミフラのピアノは相変わらず「小粋でバップ」で、好調なバッキングを繰り広げる。「2人のジョーンズ」のドラムは切れ味良く、骨太なペティフォードのウォーキング・ベースが心地良く響く。この良い感じのリズム隊、聴きものです。

シグナル・レーベルの『Rodney 1957』(写真右)が原盤で、後にサヴォイ・レーベルからリリースされた盤だが、音的には「サヴォイの音」としてまとまっていて、サヴォイ・レーベルのオリジナル盤としても違和感が無い。レッド・ロドニーの代表作として一聴に値する「隠れた名盤」である。
 
 
 

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