2022年12月22日 (木曜日)

バッキング上手のケイブルス

しばらく、お休みしていたのだが、ジョージ・ケイブルス(George Cables)のリーダー作の聴き直しを再開した。というのも、以前はサブスク・サイトには、ケイブルスのリーダー作が5〜6作はアップされているのだが、他のアルバムは対象外。CDにもなっておらず、廃盤状態の盤が多数で、ケイブルスのリーダー作の聴き直しを中断した。

しかし、最近、サブスク・サイトでケイブルスのリーダー作を検索したら、出てくる出てくる。ケイブルスのリーダー作の中で、スティープルチェイス・レーベルからのリリースが9作あって、この全てがアップされているのを確認した。他のアルバムと併せて、ケイブルスのリーダー作の3分の2程度をサブスクでカヴァー出来るので、聴き直し再開と相成った訳である。

George Cables『Cables' Vision』(写真左)。1979年12月17–19日の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (ac-p, el-p), Freddie Hubbard (flh), Bobby Hutcherson (vib), Ernie Watts (ts, fl), Tony Dumas (ac-b, el-b), Peter Erskine (ds), Vince Charles (perc)。

フレディ・ハバードのフリューゲルホーンとアーニー・ワッツのテナー、そして、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブの3楽器がフロント、バックのリズム隊は、リーダーのケイブルスのピアノとベース+ドラムにパーカッションが入った4人。総勢7名のセプテット構成。

ケイブルスは電子ピアノも弾いていて、ちょっとフュージョン寄りの演奏もあるが、コンテンポラリーな純ジャズ志向といった雰囲気なので、目くじらを立てるほどのことは無い。逆に、電子ピアノを硬派に弾きまくっていて、ケイブルスって電子ピアノもイケるなあ、と感心したほど。
 

George-cablescables-vision

 
ケイブルスのアコースティック・ピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが個性。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、シーツ・オブ・サウンドほど多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活かすことは無い。

この盤では特に、ケイブルスのピアノの「伴奏上手」なところが聴ける。しなやかで硬質なピアノでフロントをサポートする訳だが、ケイブルスはバックに回った時には「多弁」を封印する。逆に、モーダルなフレーズを弾き回しなかで、間を活かしたピンプロに徹して、フロント楽器とバッキングのフレーズがぶつかることが無い。職人芸的なバッキングに、思わず身を乗り出して聴き耳を立てる。

このバッキングが、フロントにとって快適なのか。それは、あの高テクニック+多弁なハバードのトランペットが気持ちよさそうに抑制したフレーズを聴かせてくれていることから、そして、ワッツのテナーとハッチャーソンのヴァイブが何時になく、熱い躍動感に溢れていることから、ケイブルス率いるリズム隊のサポートが抜群なことが良く判る。

米国では人気が高く、リーダー作は40枚を超える。伴奏上手でもあるため、サイドマンとしての他のリーダー作への参加も多い。それでも、我が国ではケイブルスのピアノは全く人気が無い。が、リーダー作を聴き漁るうちに、ケイブルスの優秀な個性に気がついて、僕のお気に入りのピアニストの1人となっている。やはりジャズは自分の耳で聴いて、自分で良し悪しを判断するに限る。
 
 

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2021年9月18日 (土曜日)

ケイブルスの最新トリオ盤です

ジョージ・ケイブルス(George Cables)は、Art Pepper And George Cables 『Goin' Home』で、初めて知った。1982年のリリースなので、リアルタイムで体験している。ファンキーで多弁で切れ味の良いケイブルスのピアノは、しっかりと印象に残った。以来、ケイブルスのピアノは「お気に入り」である。

George Cables『Too Close for Comfort』(写真左)。2020年9月9日、NYの「Sear Sound」の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Essiet Essiet (b), Victor Lewis (ds)。NYブルックリン出身の大ベテラン・ジャズ・ピアニスト、ジョージ・ケイブルスが、長年活動を共にしているエシェット・エシェット、ビクター・ルイスと組んだピアノ・トリオ作。

ケイブルスのピアノはファンキーで多弁。シーツ・オブ・サウンドの様な多弁さでは無い、アドリブ・フレーズが高速でよ唄う、そんな多弁さである。そんな多弁なフレーズに、ドップリとファンクネスを漂わせて、バリバリ弾きまくる。ケイブルスのピアノは、デビュー当時から現在まで、ずっとブレる事無く、一貫している。弾きっぷりは切れ味良く、多弁なフレーズを弾ききった後の爽快感は抜群。
 

Too-close-for-comfort-george-cables

 
収録曲を見渡すと、全10曲中、ケイブルスのオリジナル曲が4曲、ジャズマンズ・チューン、スタンダード曲のほか、NYで活躍中の日本人ピアニスト、海野雅威の作品も収録されている。ケイブルスは自作曲であれ、スタンダーズ曲であれ、一貫して「多弁でファンキーで切れ味の良い」ピアノで弾きまくる。そう、ケイブルスのピアノは「弾きまくる」のだ。これが意外に耳につかない。優れたテクニックとポジティヴな歌心が成せる技である。

ケイブルスのピアノの弾きっぷりは、この盤の録音時76歳なのだが、円熟の極みというよりは、どこか年齢に似合わず「若く明るい」弾きっぷりなのだ。ただ、じっくり聴いていると、多弁な弾きっぷりではあるが、節回しやチェンジ・オブ・ペースに、どっしりとした「余裕」を感じる。これが、ケイブルスのピアノの良いところ。この「余裕」が、小粋な「タメ」に通じて、多弁なフレーズが「明るくジャジー」に響く。聴き心地がとても良い。

長年活動を共にしてきたエシェットのベース、ルイスのドラムも好調で、ガッチリとケイブルスのピアノをサポートし、引き立たせているのは立派。変に捻ったり、変に革新的に走らない、大ベテランならではの、シンプルで躍動感のあるピアノは安定感と安心感が抜群。最近リリースされたピアノ・トリオ盤の中でも、かなり優秀な内容の「隠れ好盤」です。
 
 
 

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2021年5月29日 (土曜日)

ケイブルスのソロ・ピアノ盤

この人もジャズ・ピアノ好きの我が国で人気が低い、というか、存在感が薄いピアニストである。George Cables(ジョージ・ケイブルス)。1944年生まれなので、確かにハードバップが衰退し、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズが全盛の1975年が初リーダー作なので、恐らく、初リーダー作をリリースしたことは、我が国では気に止められることは無かったと思われる。

それでも、米国では人気が高く、リーダー作は40枚を超える。伴奏上手でもあるため、サイドマンとしての他のリーダー作への参加も多く、アート・ペッパー、ボビー・ハッチャーソン、フランク・モーガン、バド・シャンクなど、1970年代にも生き残ったメインストリーム系の純ジャズの担い手との共演がメイン。ジャズマンからしても、サイドマンに誘いたくなるような「一流ジャズ・ピアニスト」だったみたい。

George Cables『Person to Person』(写真左)。1995年4月5日、デンマークのジーランにある「SteepleChase Digital Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p)。ケイブルスのソロ・ピアノ盤になる。ソロ・ピアノという演奏フォーマットは、そのピアニストの個性と資質が明快に判る演奏フォーマットで、この盤を聴けば、ケイブルスのピアノの個性と資質をしっかりと確認することが出来る。
 

Person-to-person-georgecables
 

ケイブルスのピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが個性。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、シーツ・オブ・サウンドほど多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活かすことは無い。

そんなケイブルスのピアノがこのソロ盤に詰まっている。全12曲中、8曲がスタンダード曲なので、特に、このスタンダード曲において、それぞれのスタンダード曲のケイブルスなりの解釈が明快になって、ケイブルスの個性が前面に押し出ている。冒頭の「My Funny Valentine」を聴くとその個性が良く判る。適度に多弁で、適度にしなやかなで硬質なタッチで弾き回す「バレンタイン」は何故か、新しい音の響きがあって面白い。

このソロ・ピアノ盤を聴いて、やはり、何故、我が国で、ケイブルスのピアノは人気が薄いのか、またまた良く判らないなった。若干「黒い」適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが魅力。ケイブルスは1944年生まれなので、今年で77歳。この盤の録音時が51歳。レジェントなジャズマンとして、良質のジャズ・ピアノとして再評価が待たれるピアニストの1人である。
 
 
 
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  ・Journey『Infinity』1978

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  ・Yes Songs Side C & Side D
      ・Yes Songs Side E & Side F

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  ・浪花ロック『ぼちぼちいこか』
 
 
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2021年2月14日 (日曜日)

ケイブルスの初リーダー作です。

ジャズにとって1970年代は「大変革」の時代だったと思う。それまで、アコースティック楽器がメインの、4ビートのスインギーな演奏が基本だったが、1970年代は、エレクトリック楽器の台頭、そして、8ビートの採用とそれまでのジャズの基本、ジャズの常識が根本的に覆された時代だった。

それでも、旧来の4ビートのスインギーな演奏が基本である「メインストリーム・ジャズ」、いわゆる「純ジャズ」はしっかり存続していて、今の耳で振り返ると、なかなかの内容の好盤が沢山残っている。1970年代はクロスオーバー〜フュージョン・ジャズの時代だったというが、その傍らで「メインストリーム・ジャズ」もしっかり存続している。1970年代は、更なる多様化が進んだ時代とした方が座りが良い。

George Cables『Why Not』(写真左)。1975年10月7日、ロサンゼルスでの録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Tony Dumas (b), Carl Burnett (ds)。ジョージ・ケイブルスの初リーダー作。ピアノ・トリオ編成。ジョージ・ケイブルスは1944年生まれ。録音時は31歳。今年77歳になるが、まだ現役で活躍しているレジェンド。
 
 
Why-not  
 
 
ケイブルスは時代が純ジャズにとって不遇の時代であったが故に、色々と損をしている。これだけの力量を持ったピアニストであれば、20歳台前半に初リーダー作をリリースしていても良いのだが、31歳にしてやっと、である。それでも記するところがあったのだろう、収録曲全てがケイブルスのオリジナル。その中でも、Jazz Messengersに提供した「Dark Side-Light Side」、軽快なラテン・ビートが楽しい「Quiet Fire」などはとても良く出来た曲だと思う。

また、この盤、内容的に優れていて、ケイブルスの「モーダルなピアノであるが難解では無く、ファンキーでメロディアスな右手」がしっかり確認出来る好盤である。良く聴くと全曲、モーダルなアプローチがなされている感じなのだが、ケイブルス自作曲がキャッチャーな旋律を持っているのと、ケイブルスの右手がメロディアスなのが相乗効果で、モーダルな演奏にありがちな難解さが無い。

全曲、ノリの良い演奏が楽しい。アタッチメントで増幅されたであろうベースと、バッタバタでやたら手数の多いドラムが玉に瑕ではあるが、そんな1970年代っぽいリズム隊を従えて、ケイブルスのピアノは快調に「飛ばして」いる。ジャズの名盤紹介に登場するような盤では無いと思うが、ピアノ・トリオ盤として、肩肘張らずに楽しめる好盤だと思う。
 
 
 

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  ・『TOTO』(宇宙の騎士) 1977

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  ・Yes Songs Side A & Side B

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  ・そしてタツローはメジャーになる
 
 
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2020年5月12日 (火曜日)

ケイブルスのピアノを楽しむ

ステイホームの状態になって、はや2ヶ月になる。ステイホームなので、家にいることが多い。まとまった時間がとれるので、ネットをウロウロして、いろいろと今まで聴いたことのなかったジャズ盤を漁っている。これがまあ、結構あって、本当にジャズの裾野は広いなあ、と改めて感心している。

ジョージ・ケイブルスの名前が目に留まった。お気に入りのピアニストの一人である。初リーダー作が1975年と、純ジャズ不遇の時代に頭角を現したので、我が国では意外と人気が無い。それでも、リーダー作や、アート・ペッパー、ボビー・ハッチャーソン、バド・シャンク等との共演で、なかなか良い味を出していて、意外と隅に置けないピアニストである。

彼のピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが特徴。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、コルトレーンの十八番「シーツ・オブ・サウンドほど」多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活用することは無い。
 
 
Looking-for-the-light  
 
 
George Cables『Looking for the Light』(写真左)。2003年1月27日、2月1日の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Gary Bartz (ss, as), Peter Washington (b), Victor Lewis (ds)。基本はカルテット。一部、トリオ演奏とピアノソロが入っている。 エリック・サティの「Gymnopedie」とキャロル・キングの「Will You Still Love Me Tomorrow?」のカヴァーが目を引く。

ケイブルスの敬愛するジャズマンは「コルトレーンとタイナー」。レベルの高いモーダルな奏法は、この二人を真摯に追いかけた結果だろう。そして、敬愛する同業者であるピアニストは「アート・テイタム」。そう、彼のピアノの個性である「適度に硬質、適度に多弁」はテイタムが起源なのだ。そして、思索的で思慮深いアドリブ展開は、ケイブルスのオリジナル。聴いていて、安定感があり、耳当たりがとても良い。

ケイブルスのピアノはスインギーで思索的。とても落ち着いた雰囲気で、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションを展開する。カルテット編成での、ゲイリー・バーツのサックスもモーダルで、良い雰囲気を醸し出している。アルバム・ジャケットだけが「味もしゃしゃらもない 」のが玉に瑕だが、内容的には、ケイブルスのピアノをじっくり楽しめる「隠れ好盤」。
 
 
 

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 ★ AORの風に吹かれて     【更新しました】2020.05.11更新。

  ・『Another Page』 1983

 ★ まだまだロックキッズ       2020.04.19更新。

  ・レッド・ツェッペリン Ⅰ

 ★ 松和の「青春のかけら達」   2020.04.22更新。

  ・チューリップ 『TULIP BEST』
  ・チューリップ『Take Off -離陸-』
 
 
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2013年9月30日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・37

ジョージ・ケイブルス(George Cables)。1944年11月生まれ。今年で69歳になるベテラン・ピアニスト。アート・ブレイキーやソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードンなどのサイドメンを務める。僕は、復帰後のアート・ペッパーとの共演で、彼の名とプレイを知った。

彼のピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが特徴。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、シーツ・オブ・サウンドほど多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活かすことは無い。

マイルスとコルトレーンが創り上げたジャズのスタイルを、適度に聴き易く、適度にスローダウンした個性。しなやかな硬質さを持ったタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションは、聴いていて、実に端正であり、実に「雅」であり「粋」である。とにかく、聴いていて楽しい、「メインストリーム・ジャズ」をバッチリ感じさせてくれるピアノである。

そのケイブルスのピアノを感じるのに相応しいアルバムが、このGeorge Cables『Night and Day』(写真左)。1991年5月の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Cecil McBee (b), Billy Hart (ds)。セシル・マクビーのベース、ビリー・ハートのドラム。1991年当時、実に素晴らしい人選です。

そして、このアルバム、選曲が良い。この選曲を、まず、ピアノ・トリオで聴くことが出来るということが素晴らしく、加えて、ジョージ・ケイブルスのピアノで堪能出来るというとことが素晴らしい。その選曲と作曲者を全て以下に挙げておく。
 

George_cables_night_day

 
1. I thought about you [James Van Heusen / Johnny Mercer]
2. Night and day [Cole Porter]
3. Very early [Bill Evans]
4. I love you [Chuck Dukowski / Gordon Jenkins / Jerry Jeff Walker]
5. Three view of a secret [Jaco Pastorius]
6. Ebony moonbeams [George Cables]
7. Grear is here [Mickey Bass]
8. Doxy -- [Sonny Rollins]

1曲目の「I thought about you」や、2曲目の「Night and day」、5曲目の「I love you」などのスタンダード曲でのプレイが好調。ジョージ・ケイブルスのしなやかな硬質さを持ったタッチと適度に多弁なインプロビゼーションが、実に良い雰囲気を醸し出している。聴いていて惚れ惚れする。

そして、おおっこれは、と耳をそばだてるのは、5曲目の「Three view of a secret」。1970年代から80年代に活躍した伝説のエレベ奏者ジャコ・パストリアスの名曲中の名曲。ニュー・スタンダード曲。これが実に良い。

曲自体素晴らしいのだが、その名曲に負けずに、その名曲を更に惹き立たせるケイブルスのピアノ。マクビーのベース。ハートのドラム。この「Three view of a secret」のピアノ・トリオでの名演の一つの挙げられるべき、素晴らしい演奏。

ミュージシャンズ・チューンである、ビル・エバンスの作曲の「Very early」や、ソニー・ロリンズの「Doxy」も、なかなか考えられたアレンジと展開で、ピアノ・トリオの演奏としては白眉の出来である。

良いピアノ・トリオ盤です。極めてオーソドックスなプレイですが、そこは1991年の録音。1960年代から1970年代のハードバップ演奏とは、ちょっとアプローチの異なるアレンジで、アルバム全体の演奏として、そこはかとない、新しい響きを感じます。聴けば聴くほど味がでる、「スルメ」の様なピアノ・トリオ盤です。ジョージ・ケイブルスの代表盤としてもお勧めです。
 
 
 
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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

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