2022年6月 3日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・236

長年、ジャズを聴いていると、あまり名盤ばかり聴いていると、はっきりいって「飽きる」。ジャズの世界で「名盤」と呼ばれる盤は、1950年代〜60年代に集中している。いわゆる「オールド・スタイル」なジャズである。ジャズは長い年月を経て、進化&深化しているのだから、現代のジャズにも当然「優秀盤」は沢山ある。そんな「現代の名盤」候補となる優秀盤を見つけては聴き込む。これが、ジャズ盤鑑賞の醍醐味でもある。

David Kikoski『Surf's Up』(写真左)。2001年1月18日、NYはBrooklynでの録音。Criss Crossレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、David Kikoski (p), James Genus (b), Jeff 'Tain' Watts (ds)。中堅ピアニスト、デヴィッド・キコスキーのピアノ・トリオ盤。ベースにジェームス・ジーナス、ドラムにジェフ・ティン・ワッツ。リズム隊に一流どころを配して、聴き応えのあるトリオ・パフォーマンスを聴くことが出来る。

デヴィッド・キコスキーは、1961年米国はニュージャージ生まれのピアニスト。1980年代にはバークレー音楽院でジャズを学ぶ。いわゆる「正統な教育を受けた」ジャズ・ピアニストである。タッチはやや硬質で端正、流麗な右手。ひねったり、ねじったりしたところは一切無し。ダイナミックにバリバリ弾き進めるバップなピアノ。いわゆる「総合力で勝負する」タイプのピアニストである。
 

David-kikoskisurfs-up

 
「総合力で勝負する」タイプのピアニストのトリオ盤は、アルバム自体の「企画性」と収録した楽曲の「アレンジ力」が重要になる。今回のこのキコスキー盤は収録曲が面白い。1曲目がフランク・ザッハの「Oh No」、4曲目がデュラン・デュランの「A Noite Do Meu Bem」、6曲目がビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン作の「Surf's Up」という風で、ポップス・ロック畑の有名曲をジャズ・アレンジしている。これがなかなか出来が良い。キコスキーの「アレンジ力」の高さをしっかりと感じることが出来る。

ミュージシャンズ・チューン系のスタンダード曲にも「アレンジ力」が発揮されている。チャーリー・パーカー作の2曲目「Cardboard」は、テンポが速くてゴキゲンな明るさでトリオが疾走。セロニアス・モンク作の3曲目「Four In One」はちょっとコミカルにお茶目にモンク・ライクな旋律を弾き回す。ジャッキー・マクリーン作の5曲目「Little Melonae」は、アップテンポでノリが良いが、どこか影のある印象的な表現。キコスキーの個性溢れる「アレンジ」が印象的。

リズム隊がしっかりしているので、この「総合力で勝負する」タイプのピアノ・トリオの演奏がとても魅力的に仕上がっている。そんな魅力的な演奏力のあるトリオが、小粋なアレンジを施されたポップス・ロック畑の有名曲とミュージシャンズ・チューン系のスタンダード曲を演奏する。これ、なかなか良い感じのピアノ・トリオ盤ですよ。硬派でストイックな現代のピアノ・トリオ盤ですが、どこか「小粋」な雰囲気漂う優秀盤です。
 
 

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2022年6月 2日 (木曜日)

マクブライドのビレバガ・ライヴ

クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)は、現代のモダン・ジャズにおける最高峰のベーシスト。超絶技巧、歌心溢れるフレーズ、鋼の如く硬質にしなるようなウォーキング・ベース。どんな曲想にも適応する、どんな奏法にも適応する高いテクニック。ファースト・コール・ベーシストとして君臨するマクブライドも、今年で50歳。

Christian McBride『Live at the Village Vanguard』(写真左)。2014年12月5–7日、NYのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Christian McBride (b), Steve Wilson (as, ss), Carl Allen (ds), Peter Martin (p), Warren Wolf (vib)。

2014年12月に2週間に渡って行われた、クリスチャン・マクブライド・グループのギグの未発表音源を収録したライヴ盤。2014年の年末最後の6日間に出演したクインテット(Inside Straight)のパフォーマンスが記録されている。フロント楽器として、サックスとヴァイブの2楽器が採用されたクインテット編成。

このライヴ盤を聴けば、現代のネオ・ハードバップの現状が良く判る。モーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏。ルーツは、1950年代後半、マイルス・デイヴィスを中心としたメンバーが「モード・ジャズ」にチャレンジし、1960年代には「新主流派」として、当時のジャズ演奏のトレンドを牽引。

一度は沈滞した純ジャズだったが、1980年代中盤の「純ジャズ復古」のムーヴメントの中で現れ出でた、1960年代の「新主流派」の音が最良のジャズとして、1990年代、ウィントン・マルサリスを中心したメンバーが「新伝承派」として、モード・ジャズを深化させた。
 

Christian-mcbride_live-at-the-village-va

 
そして、21世紀に入って、難解になり過ぎた「新伝承派」の音に、1950年代のハードバップの親しみ易さ、ポップさを回帰させた「ネオ・ハードバップ」が主流となって現在に至る、なのだが、この「ネオ・ハードバップ」の好例が、このマクブライドのライヴ盤に詰まっている。

結構、難しいことをやっている割に難解には聴こえない、流麗でポップでキャッチャーな演奏がメイン。要所要所で、それぞれの楽器のロング・ソロがあって、高度なテクニックを披露するところは、ハードバップ時代の良き慣習の「踏襲」。

モーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏をやっているのだが、1960年代の「新主流派」や、1990年代の「新伝承派」の音のクセや志向といったものを全く感じさせないところが、このクリスチャン・マクブライド・クインテットの凄いところ。

マクブライドのベースが、そんなモーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏を自在にコントロールしているのが、ライヴ盤全般で聴いて取れる。マクブライドのグループ・リーダーとしての優れた手腕にほとほと感心する。グループ・メンバーの優秀性については「言わずもがな」。

今から7年ほど前の演奏になるが、古さは感じない。我が国では、あまり人気が芳しく無いマクブライドであるが、どうして、コンスタントに素晴らしい内容のリーダー作をリリースし続けている。当ライヴ盤も例に漏れず、現代のネオ・ハードバップを代表する素晴らしい内容の演奏がギッシリ詰まっている。 
 
 

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2022年5月23日 (月曜日)

硬派な「映画音楽カヴァー集」

21世紀に入ってから、ジャズマンの「多国籍化」が進んでいるが、1970年代から80年代にかけて、欧州ジャズの台頭というトレンドがあった。もともと北欧では1960年代からジャズが浸透していたが、特に、1970年代から80年代にかけての欧州ジャズの台頭については、国で言うと「イタリア、フランス、ドイツ」だろう。特に、イタリア・ジャズの台頭は目を見張るものがあった。

Franco Ambrosetti『Movies』(写真左)。1986年の録音。Enjaレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Franco Ambrosetti (tp, flh), John Scofield (g), Geri Allen (p, key), Michael Formanek (b), Daniel Humair (ds), Jerry Gonzalez (perc)。タイトル通り、イタリアのレジェンド・トランぺッター、フランコ・アンブロゼッティによる映画音楽作品集。

Franco Ambrosetti(フランコ・アンブロゼッティ)は、イタリア系スイス人。スイスのルガーノ(イタリア語圏)の生まれ。1941年生まれ。今年で81歳のレジェンド。1960年代以降は主にイタリアを中心に活動している。この『Movies』の録音当時は45歳、バリバリの中堅トランペッターである。

1950年代以降の映画音楽を中心に選曲されている様で、ジャズの中でも「ジャズ化」が極めて珍しい「The Magnificent Seven / 荒野の7人」や、ビートルズ映画の「Yellow Submarine」など、異色の映画音楽カヴァーである。「Yellow Submarine」など、フリーに傾いたり、限りなく自由度の高いモーダルな演奏に傾いたり、当時、ジャズの先端を行く「新伝承派」の音が色濃く反映されている。
 

Franco-ambrosettimovies

 
スタンダード化されている「Summertime」はリリカルでストレート・アヘッドな切れ味の良い演奏。「Chan’s Song」や「 Good Morning Heartache」などのバラード演奏は歌心溢れる耽美的なブロウ。

このアルバムには、個性的な、良い意味で「捻れた変態エレギ」ジョン・スコが参加していて,アンブロゼッティのストレートなトランペットとの絡みとユニゾン&ハーモニーがとても官能的。

NYの選りすぐりの中堅で固めたバック・メンバーとのインタープレイは実にスリリング。映画音楽作品集だからといって、安直な「イージーリスニング・ジャズ」にならないどころか、思いっ切りストレート・アヘッドな演奏は素晴らしいの一言。

この映画音楽作品集は、かなり硬派な、当時としても、新しい印象のハードバップな演奏になっていて、聴き応え十分。ジョン・スコを始めとするバックを支えるメンバーの好演も、アンブロゼッティの充実したインプロビゼーションに大きく貢献していて立派だ。

この盤、タイトルと収録曲の曲名を見て、イージーリスニング・ジャズな映画音楽のカヴァー集と思うなかれ。2曲目の「Summertime」辺りで、もう一度、頭に戻って聴き直すこと必至です。
 
 

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2022年5月22日 (日曜日)

真摯でポジティヴなピアノ盤です

「小粋な」ジャズ盤を聴こう、と、まだ聴いたことの無い盤の中で、有望な盤と当てをつけては聴いている。すると、意外とまだ聴いたことの無い盤が沢山あって、これがまた、意外と内容のある盤が沢山ある。21世紀に入って、新しく出てくるジャズ盤の「内容の平均点」が上がったのを実感する。駄盤、凡盤の類が圧倒的に少なくなった。

Bill O'Connell『A Change Is Gonna Come』(写真左)。May , 2021年5月13&14日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill O’Connell (p, Rhodes), Lincoln Goines (ac-b, el-b), Steve Jordan (ds), Craig Handy (ts, ss), Pedrito Martinez (perc)。

1953年、NY生まれ、ラテン・ジャズ界の大御所のバンドへの参加や、ジャズ界の巨匠(チェット・ベイカーやソニー・ロリンズ、デイヴ・ヴァレンティン等)との共演歴も持つピアニスト、ビル・オコンネルのリーダー作。様々なフォーマット編成でコンスタントに新作を発表しているオコンネル。オコンネルのリーダー作には、どの盤にも一貫した「コンセプト」に基づいて録音されているのが良く判る。

オコンネルはバランスの取れた「作曲家、アレンジャー、楽器奏者」であり、ニュージャージー州のラトガース大学のニューブランズウィックキャンパスにあるメイソングロス芸術学校でジャズピアノを教えている「教育者」でもある。
 

Bill-oconnella-change-is-gonna-come

 
オコンネルのジャズは「人間皆平等でポジティヴ」がコンセプトの様に感じる。様々な人種の様々な幅広い音楽スタイルを取り込み、分け隔て無く、素晴らしいジャズにアレンジし、演奏する。そんなフラットな音楽性をメインとしたジャズがこの盤にも溢れている。

収録曲を聴けばそれが良く判る。ファンク、ブルース、サンバ、カリプソが中心の、幅広い音楽スタイルを取り込んだ明るい軽快なサウンド。オコンネルは、ピアノ自体は「総合力」を武器とした個性で、その「総合力」を全面的に発揮して、ポジティヴな曲調の演奏をメインとしている。これはオコンネルのピアノ・パフォーマンスの「ポリシー」なんだろう。

今回は、タイトルを見れば良く判る、「A Prayer for Us」「Chaos」など、最近の米国で起こった人種的偏見、政治的混乱、コロナ禍等の様々な問題を振り返った曲もあって、ジャズの持つ個性のひとつ「社会的問題の反映」を扱った演奏もあり、聴き応えがある。

オコンネルのピアノは「総合力」に富んだ流麗なピアノ。そのピアノをオコンネルの優れた「アレンジ力」が際立たせている。オコンネルのアレンジはどれもが優秀で、聴きどころ満載。何かの個性や特徴が突出したジャズ盤では無いが、ネオ・ハードバップを基調とした、真摯でポジティヴなピアノ盤として、聴き応えのある優秀作だと思う。
 
 

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2022年5月21日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・234

21世紀に入ってからだろうか。ジャズマンの「多国籍化」が進んでいるように感じる。20世紀は、米国が中心。米国ジャズがそのまま飛び火して、欧州ジャズとして進化し、和ジャズとして進化した。21世紀はアジアでの広がりは鈍いのだが、欧州での、特に東欧諸国とイスラエル中心に「多国籍化」が進んでいる。

Tigran Hamasyan『StandArt』(写真左)。2022年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Tigran Hamasyan (p), Matt Brewer (b), Justin Brown (ds) のトリオがメイン。ゲストとして、フロント管の Mark Turner (sax, track 3), Joshua Redman (sax, track 4), Ambrose Akinmusire (tp, tracks 7, 8) が参加している。

リーダーのピアニスト、ティグラン・ハマシアンは、アルメニア出身。1987年生まれなので、今年で35歳。若手の時代を経て、いよいよ中堅の時代に入らんとする年頃。ハマシアンの作曲はアルメニアの民俗伝統に強く影響されているのだが、今回の新盤は、ハマシアンの自作曲は1曲のみ。他は、グレイト・アメリカン・ソングブックからとジャズマンによる「ミュージシャンズ・チューン」のスタンダード曲で占められている。
 

Tigran-hamasyanstandart

 
ハマシアンのスタンダード曲の演奏が興味深い。ハマシアンの作曲の「癖」が無い、他のジャズマンが演奏してきた、グレイト・アメリカン・ソングブックからとジャズマンによる「ミュージシャンズ・チューン」のスタンダード曲の演奏を聴くことによって、ハマシアンのピアノの音の個性がハッキリ判るのだ。ワールド・ミュージック・ジャズの雰囲気が薄まって、先進的なネオ・ハードバップ志向のピアノが前面に押し出ている。

まず、バド・パウエルやビル・エヴァンスといった、ジャズ・ピアノの「第1世代」からの直接の影響は感じられない。どちらかと言えば、チック・コリア、ハービー・ハンコックといった「第2世代」からの影響を強く感じる。コンテンポラリーな音の響きは、ブラッド・メルドーと同質のものと感じた。当然、コピーでは無く、そういった影響を基に、ワールド・ミュージック・ジャズ志向な個性をしっかり出しているから立派だ。

過去のジャズ・ピアノのスタイルをしっかり踏まえて、ハマシアンなりの、現代の最先端を行くジャズ・ピアノの個性とスタイルを確立しているのを、この新盤を聴いて強く感じる。ハマシアンのピアノが、アルメニアの民族伝統に依存している訳では無いこと、モダン・ジャズ・ピアノの正統な後継者の1人である、ということが、この新盤を通じて明確になった。アーティスティックな響きを湛えた優秀盤である。
 
 

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2022年5月20日 (金曜日)

正統派オルガン・トリオの好盤

コロナ禍になって、エンタテインメントの類が全て「自粛」の嵐に見舞われ、ジャズについても「もう暫くはジャズの新盤は出ないのではないか」と心配になった時期があった。もう新しいジャズは聴けないのでは、なんて悲観的になったこともあったが、昨年の半ば辺りから、感染防止対策を施した「新しい録音環境」が整備されて、徐々にジャズの新盤が出てくる様になった。

コロナ禍の中で、コロナに感染して命を落としたジャズマンもいた。かなり有名なジャズマンもいたりして、びっくりした。しかし、中堅からベテランのジャズマンも積極的に、コロナ禍がまだ残る中、感染防止をしっかりしながら、録音活動やライブ活動を再開している。心強い限りだ。有事にはエンタテインメントは不要、なんて酷い意見もあるが、有事にこそ、エンタテインメントは必要だと僕は思うのだ。

Larry Goldings, Peter Bernstein, Bill Stewart『Perpetual Pendulum』(写真左)。2021年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Larry Goldings (org), Peter Bernstein (g), Bill Stewart (ds)。

ニューヨークにて、2度目のパンデミックが回復の兆しを見せはじめ、人々に希望が満ちつつある時期に録音された、「オルガン+ギター+ドラム」の正統派オルガン・トリオでの作品。  
 

Perpetual-pendulum_1

 
オルガン担当のラリー・ゴールディングスは1968年生まれで、録音時は53歳。ギター担当のピーター・バーンスタインは1967年生まれで、録音時は54歳。ドラム担当のビル・スチュアートは1966年生まれで、録音時は55歳。大ベテランの域に達しつつある、同年代でのトリオ演奏。このオルガン・トリオ、そう言う意味で、バランスがとても良い。

洒脱で軽快なスチュワートのドラミングに先導&扇動され、オーバースイングぎりぎりに、思いっ切りスイングするギター、クールに熱気溢れる弾きっぷりのオルガン。この大ベテランの入口に立つ3人が、スリリングにダイナミックに「インタープレイ」を披露する。ネオ・ハードバップな「真っ直ぐ・ど真ん中」な、ストイックで正統派なメインストリーム・ジャズ。クールで熱いバトル。

収録曲は11曲。3人のオリジナルもバランス良く収録されていて聴いていて楽しい。スタンダード&ミュージシャンズ・チューンについても、ウエイン・ショーターのオリジナル曲「United」や、ゲイリ−・バーツの「Libra」、ジョン・ルイスの有名曲「ジャンゴ」や有名スタンダード「Come Rain or Come Shine」など、なかなか「小粋な」選曲。

この『Perpetual Pendulum』、現代ネオ・ハードバップの、正統派オルガン・トリオの好盤である。
 
 

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2022年5月14日 (土曜日)

Michael Weiss『Milestones』

様々なジャズ盤をリサーチしては聴いていると、これは良いなあ、と感心する、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌でそのタイトルがほぼ挙がることのない、いわゆる「隠れ優秀盤」が結構な数があることに気がつく。恐らく、21世紀に入って、ジャズの演奏レベルの平均値が上がっていると思われる。いわゆる「駄盤」「凡盤」の類が圧倒的に少なくなった、というか、ほぼ淘汰されている。

21世紀に入ってから、ネットを通じてジャズの新盤やリイシューの情報が豊富に入って来る様になり、そんな「隠れ優秀盤」に出会う確率が圧倒的に増えた。加えて、この5年位の「音楽サブスク・サイト」の充実で、そんな「隠れ優秀盤」について、気軽にストリーミング鑑賞が可能となって、ジャズ盤鑑賞のオールド・ファンとしては、この鑑賞環境の劇的向上については嬉しい限り。

Michael Weiss『Milestones』(写真左)。1998年4月の録音。SteepleChaseレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Michael Weiss (p), Paul Gill (b), Joe Farnsworth (ds)。そんなストリーミング鑑賞で出会った「隠れ優秀盤」。ピアニストのマイケル・ワイスがリーダーのトリオ編成。現代の「伝統的なバップ・ドラミング」の担い手、名手ファンズワースの名が見える。

マイケル・ワイスは1958年、米国テキサス州ダラス生まれ。今年で64歳、録音当時は40歳。初リーダー作『Presenting Michael Weiss』(Criss Cross)は1986年のリリース。以降、ジョニー・グリフィンのバンドで頭角を現している。Vanguard Jazz Orchestraの一員でもあり、現在まで、リーダー作は5作と意外と寡作のピアニストである。
 

Michael-weissmilestones

 
マイケル・ワイスのピアノは、一聴すると、まずは「端正で破綻の無い堅実なピアノ」で、これも総合力で勝負するピアニストのタイプかなと思う。が、2曲目のボサノバ名曲「Wave」あたりから、左手は効果的なタイミングで入る「ブロック・コード」、右手は流麗でよく唄うシンプルな弾き回し。間を上手く活かしたアプローチも聴かれて、ワイスのピアノって、ハードバップな「レッド・ガーランド」や「アーマッド・ジャマル」のピアノを洗練して切れ味良くして、モーダルな味わいを付加した様なピアノだということが判ってくる。

まず、冒頭のタイトル曲「Milestones」は、マイルスの名曲ではない。John Lewis作の同名異曲。この演奏でも、左手は効果的なタイミングで入る「ブロック・コード」、右手は流麗でよく唄うシンプルな弾き回しが確認できるのだが、あまりに流麗なピアノなので、その個性が判り難い。特に「Love For Sale」や「Stella By Starlight」などの、超スタンダード曲において、その傾向は強い。

しかし、ジョビン作のボサノバ名曲「Wave」や、ミュージシャンズ・チューンである、マクリーン作の「Walter Davis Ascending」「 Little Melonae」や、ケニー・ドーハム作の「Buffalo」になると、特に効果的に入る左手のブロックコードに乗った、右手のシンプルな弾き回しが前面に出てくる。

とにかく「ながら」で聴いていると、端正で破綻の無い、堅実で流麗なピアノが耳に付くので、これって「カクテル・ピアノか」なんて思いますが、それは早合点。しっかりとスピーカーに対峙して聴き込むと、1950年代のガーランド&ジャマルの深化形、ネオ・ハードバップなジャズ・ピアノだということが判ります。テクニック、選曲、アレンジ、どれを取っても素晴らしい、現代のピアノ・トリオ盤だと思います。
 
 

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2022年4月24日 (日曜日)

ロスネスの「温故知新」な好盤

久し振りに「ジョアン・ブラッキーン」のソロ・ピアノを聴いたら、他の中堅女性ジャズ・ピアニストの動向が気になった。ちょうど、小粋なジャズ盤はないかいな、と音源を物色していた矢先、まず「Renee Rosnes(リニー・ロスネス)」の名前が目に入った。おお、ロスネスか。しばらく御無沙汰やなあ、ということで、この盤を選盤。

Renee Rosnes『Manhattan Rain』(写真左)。2009年9月25-26日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Renee Rosnes(p), Steve Nelson(vib), Rich Perry(ts), Peter Washington(b), Bill Stewart(ds)。ベースにピーター・ワシントン、ドラムにビル・スチュワートと、実に玄人好みの味わい深いリズム隊がバックに控えている。これには、絶対に「触手が伸びる」。

1980年半ばからの「純ジャズ復古」のムーブメント以降、優れた女性ジャズ・ピアニストの頭角が相次いだが、このリニー・ロスネスなどはその先駆的存在。カナダ出身、1962年3月生まれなので今年で 60歳。還暦である。もうベテランの域に達した、ジャズ・ピアニスト才媛である。

ロスネスのピアノの展開の基本は「モード」。1960年代の新主流派の音作りを踏襲するものだが、その懐かしさの中に現代の新しい響きが織り込まれているところが、ロスネスのリーダー作の小粋なところ。所謂「温故知新」な音作り。

オリジナル曲の主旋律もアドリブ部の展開も、そのフレーズは美しく、ロスネスのリリカルで耽美的なピアノの面目躍如といったところか。リリカルで耽美的なところで留まらず、明快なタッチでキリッと締まった弾き回しは、現在でも活躍するロスネスの矜持を強く感じる。
 

Manhattan-rain_renee-rosnes

 
フロント楽器に、テナー・サックスとヴァイブが入っていて、メリハリが効いた展開が小気味良い。ロスネスのオリジナルが4曲と、エリントン、ジョン・ルイス、ジョビン曲他で全9曲。

いずれも、ピアノ、ヴァイブ、テナー共に「歌心」を重視したパフォーマンスで統一されていて、聴き心地満点。リリカルで耽美的なパフォーマンスの中に、しっかりと現代的なモード展開をしつつ、過去の伝統的なジャズなかでのモード奏法も踏襲していて「温故知新」。

タッチも以前は「ハービー・ハンコック」のフォロワーかと思った時期もあったが、この盤でのタッチは「チック・コリア」にちょっと通ずるものがあると感じた。加えて、以前は内省的なピアノが得意か、とも思ったが、この盤では意外と陽気でポジティヴな展開もあって、着実にロスネスのピアノの表現の幅が広がっているのを感じる。

この盤の録音時点で47歳のロスネス。この歳の辺りから、恐らく、ロスネスのピアノの表現の幅が広がりだしたのかもしれない。そういえば、ロスネスが、ビ・バップの表現方法の中での「リリカルで耽美的な」ジャズ・ピアノが個性の「古いスタイルだが新しい」ピアニスト、ビル・チャーラップと結婚したのが2007年。意外とその辺が好要素として作用したのかもしれない。

何十回も聴き直す様な「歴史的な名盤」では無いが、時々、思い出しては聴き直す、小粋な内容の盤。ロスネスの現時点での個性を確認するのにも適した好盤である。
 
 

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2022年4月22日 (金曜日)

現代の「新伝承派」な音世界

この2〜3年であるが、ジャズ・ピアノの範疇で優秀な盤が多数出ている。中堅〜ベテランを差し置いて、現在20〜30歳代の若手有望ピアニストが、続々と優秀盤をリリースしているのが主な理由だろう。加えて、ベテランのレベルのジャズ・ピアニストの活動が滞ったのも理由のひとつだろう。

Emmet Cohen『Future Stride』(写真左)。2021年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Emmet Cohen (p), Russell Hall (b), Kyle Poole (ds), スペシャル・ゲストとして、Melissa Aldana (ts -M2, 3, 7), Marquis Hill (tp -M2, 3, 7, 10)。米国の若手有望ピアニスト、エメット・コーエンのリーダー作になる。

エメット・コーエンは、1990年5月生まれ。この盤の録音時で満20歳。最近ではちょっと珍しい、早熟のジャズ・ピアニストである。2011年、ワシントンDCで開催されたセロニアス・モンク国際ピアノ・コンクールのファイナリストとなってその名が認知された。

「Masters Legacy Series」など、ジャズの歴史を扱ったリーダー作に特徴がある。また過去には、ジャズの伝統的スタイルを探求するが如く、ロン・カーター、ジミー・コブ、ベニー・ゴルソンといった巨匠を迎えた,作品もリリースしている。この最新盤『Future Stride』も、ジャズの過去と現代をシームレスに繋いだ内容の「ジャズの歴史」を扱った盤になる。
 

Future-stride_emmet-cohen

 
冒頭、軽快かつ流麗なストライド・ピアノが躍動する展開でスタートし、1920〜30年代の4ビート・スウィングから、現代の「対位法的奏法」まで、ジャズの歴史の中での「演奏スタイル」の数々を踏襲し、現代の「コンテンポラリーな純ジャズ」として取り纏めた内容になる。

どこか、1980年代後半から台頭した、ウィントン・マルサリスを筆頭とする「新伝承派」の演奏アプローチを彷彿とさせる内容で、この盤における「音の響き」「インプロビゼーションの展開方式」「採用されたリズム&ビート」などは、確かに「新伝承派」の雰囲気がプンプンする。現代においては「新伝承派」は「ネオ・ハードバップ」に置き換わってはいるが、この盤は「新伝承派」のアプローチを、現代において再現した様な音世界がユニーク。

コーエンいわく「今のジャズ・ミュージシャンを見渡すと、トラディショナル、ビバップ、フリー・ジャズ、コンテンポラリーと、なぜか全てジャンルに分断されているように感じる。僕は、それをナンセンスに感じ、自分が素晴らしいと思うジャズ・ピアノのスタイルを、全て盛り込んだアルバムにしたかった」。なるほど。

1919年に作曲されたクラシック・ナンバー「Dardanelle」など、古い楽曲が新しい伊吹きを宿していたり、伝統に立脚しながら、現代的であることを示す演奏の数々。コーエンの狙いは、このアルバムで十分実現されている。つまりは、現代の「新伝承派」な音世界と理解した。
 
 

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2022年4月 2日 (土曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・1

以前から、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で取り上げられることが滅多に無いジャズの優秀盤をピックアップして、「小粋なジャズ」と名付けて流しているのだが、この「小粋なジャズ」の対象になるジャズ盤って、結構あるから面白い。ネットの時代になって、海外でリリースされたジャズ盤の情報が入手出来る様になって、更にその数は増えているから楽しい。

Jerome Richardson with Tete Montoliu Trio『Groovin' High In Barcelona』(写真左)。1988年5月22日、スペイン・バルセロナの「Estudi Gema」での録音。ちなみにパーソネルは、Jerome Richardson (as, ss), Tete Montoliu (p), Reggie Johnson (b), Alvin Queen (ds)。ジェローム・リチャードソンのサックスがフロント1管のカルテット編成。

Jerome Richardson(ジェローム・リチャードソン)は、米国出身のサックス奏者。1920年11月生まれで、2000年6月、79歳で惜しくも逝去している。リーダー作は5枚程度と少ない。しかし、サイドマンとして参加したアルバムは相当数に登る。僕はこのサックス奏者の名前を、ファンク・フュージョンの人気バンド、Crusadersの『Street Life』での冒頭タイトル曲でのアルト・サックスの印象的なブロウで知った。
 

Groovinhigh-in-barcelona

 
Tete Montoliu(テテ・モントリュー)は、スペイン・バルセロナ出身の盲目のバップ・ピアニスト。欧州ジャズの中でのネオ・ハードバップなバップ・ピアノが見事で、僕の大好きなピアニストの1人だ。そんなテテのピアノが、この盤の冒頭1曲目の「A Child is Born」の前奏から炸裂する。タッチは硬質でアタックが強いが、右手のフレーズは変則的に流麗。独特の音の飛ばし方が堪らない。この盤全般に渡って、テテのピアノがリチャードソンのサックスを好サポートしている。

リチャードソンのサックスがとても良い。テクニックは確か、音は少し丸みがあって、ストレートで凄く聴き心地が良い。時々、引用のユーモアを交えながら、魅力的なフレーズを吹きまくっている。速いフレーズも、ゆったりとしたフレーズも淀みや揺らぎや迷いが無く、スッと真っ直ぐに吹き切るリチャードソンのサックスは爽快だ。テテのピアノとの相性も抜群で、欧州ジャズの「ネオ・ハードバップ」な演奏のレベルの高さを実感する。

ベースのレジー・ジョンソン、ドラムのアルヴィン・クイーンも好演につぐ好演で、このクインテットの演奏のスイング感とグルーヴ感は「癖になる」。切れ味良く、クールで透明感があって、端正で明確。そんな欧州ジャズのハードバップの良いところがグッと凝縮されたような優秀盤です。こういう盤を「小粋なジャズ」盤って言うんだろうな。何度聴いても味わい深く、聴く度に新しい発見があります。
 
 

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