2019年11月10日 (日曜日)

カーンの新作に心地良い爽快感

我が国では人気がイマイチだったが、僕はスティーヴ・カーンのギターがお気に入り。超絶技巧に弾きまくる訳では無いが、実はテクニック優秀。印象的にフレーズを弾き回すので明快で判り易い。ギターの音色とフレーズがロック・テイストなのが良い。Steve Khan(スティーヴ・カーン)。1947年4月、LA生まれ。今年で72歳。もはやレジェンドの域に達したカーンであるが、この人のフュージョン・ギターは、ずっとお気に入り。

Steve Khan『Patchwork』(写真)。今年の8月、そんなステーィヴ・カーンが新しいリーダー作をリリースした。2019年3月17 and 18日の録音。ちなみにパーソネルは、 Steve Khan (g), Ruben Rodoriguez (b), Dennis Chambers (ds), Marc Quinones (per), Bobby Allends (conga), Rob Mounsey (key), Randy Brecker (flh), Bob Mintzer (ts), Tatiana Parra (vo), Jorge Estrada (key)。

収録曲を見渡すと、1曲目の「Epistrophy」はセロニアス・モンク作。2曲目「C.&D.」と7曲目「T.&T.」がオーネット・コールマン作。3曲目「Bouquet」はボビー・ハッチャーソン作。5曲目「A Shade Of Jade」はジョー・ヘンダーソン作。8曲目「The Journey Home」はキース・ジャレット作。9曲目の「Huracan Clare」のみが、スティーヴ・カーン作。
 
 
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冒頭のセロニアス・モンクの「Epistrophy」、モンクの「癖のある」曲。大体、凡百なジャズメンだとモンク色に染まって、自らの個性を明け渡してしまうところだが、スティーヴ・カーンのギターはそうはならない。曲のコンセプトは踏襲しつつ、演奏の雰囲気は明らかにスティーヴ・カーンの個性に染まっている。冒頭のモンクの曲はそういう雰囲気なので、他の「癖のある」曲もしっかりとスティーヴ・カーンの個性に染まっている。

端正でロック・テイストでちょっと浮遊感のあるスティーヴ・カーンのエレギのフレーズ。ちょっとクロスオーバー・ジャズ寄りの硬派なギター・フュージョン。そんなクールでアグレッシヴなティーヴ・カーンのギターの個性が映える。アレンジも優秀。スティーヴ・カーンのギターが映える様、「癖のある」曲たちに絶妙なアレンジを施している。

完全復調したデニス・チェンバースが久しぶりに参加。リズム&ビートに変化と彩りが加わって、良い効果を生んでいる。ルーベン・ロドリゲスのベースもカーンとの相性は抜群。ロブ・マウンジーのシンセがなかなか良い味出している。こういったバックにも恵まれて、今回のカーンの新作はなかなかの内容に仕上がっている。聴き終わった後、心地良い爽快感が残る。好盤である。
 
 
 
東日本大震災から8年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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2019年10月24日 (木曜日)

端正でロック・テイストで浮遊感

ジャズ・ギターが苦手な私ではあるが、フュージョン・ジャズのギタリストは、まずまず聴きこんできたと思っている。とにかく、純ジャズのギタリストがどうにも苦手で、ケニー・バレルやウエス・モンゴメリー、ジム・ホールがお気に入りになったのは、ジャズを聴き始めてから、20年位経ってからである。

しかし、フュージョン・ジャズ畑のギタリストについては、まずまず聴き込んだかな、と思っている。テイストがロックに通じるものがあるところが馴染めたところなんだろう。リー・リトナーから入って、ラリー・カールトン、パット・メセニー、そして、スティーヴ・カーン。

Steve Khan(スティーヴ・カーン)。1947年4月、LA生まれ。今年で72歳。もはやレジェンドの域に達したカーンであるが、この人のフュージョン・ギターは、ずっとお気に入り。カーンのギターはデビュー当時から、ずっとフュージョン・ジャズ系のエレギの音であり、それまでの純ジャズ系のギタリストのスタイルとはちょっと異なる音色とアプローチが個性。
 
 
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Steve Khan『The Blue Man』(写真)。スティーヴ・カーンのソロ第2弾。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Steve Khan (g), David Sanborn (as), Michael Brecker (ts), Steve Gadd (ds), Will Lee (b), Michael Mainieri (Marimba), Ralph MacDonald (per), Don Grolnick (p), Bob James (syn), Randy Brecker (tp) etc。

パーソネルを見れば、錚々たるメンバーではないか。当然、出てくる音は一級品。それぞれのメンバーの個性が見え隠れするバッキング、そこに、端正でロック・テイストでちょっと浮遊感のあるスティーヴ・カーンのエレギのフレーズ。ちょっとクロスオーバー・ジャズ寄りの硬派なギター・フュージョン。

良い感じのギター・フュージョン。当時、この内容にして、我が国では人気がイマイチだったが、僕はこのカーンのギターがお気に入り。弾きまくる訳では無いが、テクニック優秀。明快で判り易い。ロック・テイストなのが、我が国でウケない理由なのかなあ。でも、僕は今でもカーンのギターが好きです。
 
 
 
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2019年3月 6日 (水曜日)

お気に入りフュージョン・エレギ

僕はこの人のギターがずっと好きである。Steve Khan(スティーブ・カーン)。1947年4月、LA生まれ。今年で72歳になる。もはやレジェンドの域に達したカーンであるが、この人のフュージョン・ギターは、1981年の『Eyewitness』を聴いて以来、ずっとお気に入り。カーンのギターはデビュー当時から、ずっとフュージョン・ジャズ系のエレギの音であり、それまでの純ジャズ系のギタリストのスタイルとはちょっと異なる音色とアプローチが個性。

我が国では、フュージョン・ジャズ系のエレギといえば、まずは「リー・リトナー」、次に「ラリー・カールトン」と「ジョージ・ベンソン」。このビッグ・スリーが人気で、それ以外のギタリストについては「知る人ぞ知る」存在であった。僕もその例外に漏れず、スティーブ・カーンと出会えたのは、大学時代に密かに通った「秘密の喫茶店」のママさんからの紹介のお陰であった。

Steve Khan『Tightrope』(写真左)。1979年の録音。そんなスティーブ・カーンのデビュー盤である。聴けば判るが、アレンジについて、どこか聴いた響きが気になる。誰のアレンジか、誰のプロデュースか。なんと「ボブ・ジェームス」である。と言う訳で、ボブ・ジェームスのアレンジも僕の代のお気に入りなので、この盤のカーンのちょっとくすんだような心地良くノイジーな音と品の良いサスティーンとボブ・ジェームスのアレンジがピッタリとフィットしていて、聴いていて、とても心地良い。
 

Tightrope_steve_khan  

 
このデビュー盤、バック・メンバーが実に豪華。主だったところを挙げれば、Jeff Mironov (g), Don Grolnick (key), Will Lee (b), Steve Gadd (ds), Eroll "Crucher" Bennett (per), David Sanborn (as), Randy Brecker (tp), Michael Brecker (ts, ss), Rob Mounsey (synth), Rick Marotta (ds)。ボブ・ジェームスの人脈をフル活用し、カーンが在籍していたバンドからの友情参加と言ったところかな。デビュー盤にしては、よくこれだけの「フュージョン・ジャズのキーマン」達を集めたなあ、と感心する。

当然、出てくる音は典型的なフュージョン・ジャズ。ただしソフト&メロウな音世界では無い。どちらかと言えば、クロスオーバー・ジャズ寄りの結構硬派で爽快感を追求したインプロビゼーションの展開に仕上がっている。派手に立ち回るエレギでは無く、味わいのある響きと小粋なアドリブ展開が個性です。これが僕には堪らない。といって、職人芸の様に小難しいところは全く無くて、シンプルで判り易く聴き易いところが実にグッド。

そして「ちょっとくすんだような心地良くノイジーな音」が他のギタリストと一線を画するところで、これが決め手ですね。テクニックも確かで、速い曲のアドリブ・フレーズも安心して聴くことが出来るし、捻れの無い分、ながら聴きもOK。耳触りで無い、落ち着いた品の良い音色はグッド。ジャケットのイラストも個性的でグッド。フュージョン・ギタリストとして、なかなかの力量は次作への期待感を増幅させます。

 
 
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2015年6月18日 (木曜日)

浮遊感のある硬派な音世界です

ジャズ者初心者の頃、どうにもコッテコテにファンキーでジャジーな純ジャズ・ギターが苦手だった。何だか古めかしく聴こえて、どうにもいけない。純ジャズな正統派ジャズ・ギターを愛でるなんて、懐古趣味のお爺さんの様な感じがして、しばらくの間、敬遠していた。

もともと高校時代は「ロック・キッズ」。プログレと米国ルーツ・ロック(サザンロックやスワンプ等)が大好きだったこともあって、ファンクネスが希薄で、ジャジーな要素を極力除いた、米国ルーツ・ミュージックを基調としたフォーキーで牧歌的な、ネーチャーな響きのするギターが好きだった。という切り口から、まず「パット・メセニー」に手を染めていた。

そういう偏った話を、例の「秘密の喫茶店」のママさんはニコニコ笑って聞いていた。そして、このアルバムを持ってきた。Steve Khan『Eyewitness』(写真左)。1981年のリリース。僕は大学4回生。ちなみにパーソネルは、Steve Khan (g), Anthony Jackson (b), Steve Jordan (ds), Manolo Badrena (per)。元々は日本制作のアルバムであった。

邦題『目撃者』。うん、この邦題を見れば、当時のことをありありと思い出す。スティーブ・カーンのギターが実に良かった。僕の好みにぴったりフィット。さすがは「秘密の喫茶店」のママである(そう言えば、最近、思い出したのだが、ママは吉田羊に似ている)。
 

Steve_khan_eyewitness

 
音の雰囲気はフュージョン・ジャズなんだが、聴き進めると意外と硬派な内容にグイグイ惹き込まれる。切れ味良く、爽快感抜群。変に捻れること無く、ストレートなエレギの響きは清々しい。スティーブ・カーンの浮遊感のある硬派な音世界が実に個性的。浮遊感満載なんだが、地に足着いた硬派なフレーズが格好良い。

加えて、ベースのアンソニー・ジャクソンが激しく良い。躍動感溢れるジャクソンのエレベ。ジャコ・パストリアスと双璧をなす、ジャズ・エレベの重鎮。エレベの果たすべき役割、楽器に秘めた可能性、骨太な歌心。こういうエレベがバックで支えるからこそ、フロントのカーンのエレギが冴えに冴えるのだ。

このアルバムの音世界は、一度「はまる」と癖になる。流麗で清々しい浮遊感溢れる切れ味の良いエレギは僕の好みにピッタリでした。今でもちょくちょく聴きます。しかし、このアルバム、結構、長い間廃盤状態だったんですよね。勿体ないことでした。最近ではダウンロード・サイトで入手出来るみたいで、喜ばしいことです。

 
 

震災から4年3ヶ月。決して忘れない。まだ4年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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