2022年4月26日 (火曜日)

ゴルソンの小粋なライヴ盤です。

我がバーチャル音楽喫茶『松和』の本館は「ジャズ専門」。エヴァーグリーンな名盤ばかり聴いていても、「ジャズ耳」の感性の幅は広がらないので、最近では、知る人ぞ知る「小粋な優秀盤」をピックアップして聴く工夫をしている。そんな「小粋な優秀盤」の中には、40年以上に渡って「ジャズ者」をやってきた中で、聴いたことの無い盤があるのだから「ジャズ盤の裾野」は広い。

Benny Golson『Up Jumped Benny』(写真左)。1996年5月23日、スイスの「Jazz Club Uster」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Kevin Hays (p), Dwayne Burno (b), Carl Allen (ds)。

録音当時、67歳のテナー・サックス奏者、ベニー・ゴルソンがリーダー、リズム・セクションを担う、ピアノのケヴィン・ヘイズ(録音当時28歳)、ベースのドウェイン・ブルーノ(録音当時26歳)、ドラムのカール・アレン(録音当時35歳)。大ベテランのゴルソンに、当時若手トップクラスのリズム隊のカルテット編成。

ゴルソンのテナー1管の「ワンホーン・カルテット」になる。ワンホーンなので、ゴルソンのテナー・サックスが心ゆくまで楽しめる。収録曲全7曲中、半数以上の4曲がゴルソンの曲。3曲がミュージシャンズ・チューン。自作曲もその他の曲も、ゴルソンのアレンジが「映える」曲である。
 

Up-jumped-benny_benny-golson

 
ゴルソンのテナー・サックスには、以前はあまり良い印象は持っていなかった。特に、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースの音楽監督として参加していた時のゴルソンのテナーが、何か掴み所の無い「ウネウネ」したテナーで、その印象が強くて、後にゴルソンのリーダー諸作をしっかりと聴き進めるまでは、その印象は変わらなかった。

が、このスイスのライブ盤では、まずまず溌剌としたテナー・サックスが聴ける。ソロはちょっとゴツゴツしていて、流麗とは言い難いが、力感のある骨太なサックスで、「ゴルソン・ハーモニー」の優れたアレンジの後押しを受けて、意外と良い感じで響いている。バックのリズム隊は実に優秀で、適度なテンションの下、ゴルソンの癖のあるテナーをしっかりサポートし、しっかり鼓舞している。

この盤、聴いて思うのは、やっぱりゴルソン作の名曲って良いね。「I Remember Cliford」「Whisper Not」「Gypsy Jingle Jangle」の4曲。いずれも素晴らしい曲。今ではかなりのゴルソン曲がスタンダード曲化している。

このスイスのライブ盤、肩肘張らずに、ゴルソンをメインとするワンホーン・カルテットの演奏をじっくり楽しめる、なかなかの「小粋な優秀盤」である。
 
 

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Matsuwa_billboard

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2022年4月 4日 (月曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・3

ハービー・ハンコックが主宰してヒットしたグループ「V.S.O.P.」の余波だったのか、1970年代終わりから、徐々にメインストリーム指向の純ジャズの録音が復活し出した。特に、日本発のレーベルはその機会を捉え、米国に渡って、ベテラン・ジャズマン中心に、意外と小粋な「ハードバップ盤」を録音・リリースしている。

Benny Golson Quintet Feat. Curtis Fuller『One More Mem'ry』(写真左)。August 19 and 20 1981年8月19, 20日、LAの「A&M Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Curtis Fuller (tb), Bill Mays (ac-p, el-p), Bob Magnusson (ac-b, el-b), Roy McCrdy (ds)。ゴルソンのテナー・サックスとフラーのトロンボーンがフロント2管のクインテット編成。

渋いテナー・サックス奏者&コンポーザー/アレンジャーのベニー・ゴルソンが、1959年から1962年にかけて、ジャズ・グループ「The Jazztet(ジャズテット)」を組んでいた相棒カーティス・フラーを迎えて、日本の「Baystate」に吹込んだハードバップ盤。1981年というフュージョン・ジャズ全盛期に吹き込まれたハードバップ盤で、聴き易さに重点を置いた録音になっている。

タップリとかかったエコーがちょっと気持ち悪いが、そこそこ良い音で録れている。さすが伝説の「ジャズテット」のフロントの2人、ユニゾン&ハーモニーがバッチリ填まっている。控えめではあるが、ゴルソン・ハーモニーもしっかり聴くことが出来て良好。さすがにゴルソン・ハーモニーは強烈で、聴けば直ぐにそれと判るハーモニーは素晴らしい個性である。
 

One-more-memry_golson_fuller

 
フラーのトロンボーンが好調である。良い音出している。この人のトロンボーンって、攻撃的では無くて、どこかホンワリ丸くて、中音域が充実した、実にほのぼのとしたトロンボーン。しかし、テクニックは抜群で、速く難度の高いフレーズもいとも容易く吹き切ってしまう。この盤でのフラーは何時になく「力強い」。ちょっとマッチョなトロンボーンに驚く。

加えて、ゴルソンのテナーが力強い。豪快で骨太でストレートに吹き上げる。こんなに力感溢れるテナーを吹く人だったっけ。1950年代の吹奏は「うねうねテナー」なんて揶揄されていた時もあるんで、この1981年の録音時のゴルソンのテナーの力強さにはビックリした。録音当時、ゴルソンは52歳。脂の乗りきったベテランの時期で、一番、充実していた頃なのかもしれない。

超有名曲「Five Spot After Dark」の再演も収録されている。フラーとゴルソンの力強い吹き回しのお陰で、オリジナルとは違った印象を受ける。力強く切れ味鋭い「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」。オリジナルは、ちょっと霞がかかったような、深夜でアーバンな雰囲気が特徴だったのだが、今回の再演はその逆、とも言える力強さ。さしずめ「1980年代版アフター・ダーク」である。でも、内容は端正で熱演。出来は上々だと思う。

ピアノとベース、そしてドラムのリズム隊が、如何にも1980年代って感じで、若干、緩急・抑揚・陰影に乏しいところがあるが(特にエレ楽器にそれが言える)、ゴルソンとフラーの力強い吹き回しが断然上回っていて気にならない。当時の日本発レーベルでの録音としては、内容良好なものだと言える。ジャケットはイマイチだけど...。「小粋なジャズ」として、時々聴くのにうってつけの内容。好盤です。
 
 
 

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2021年9月28日 (火曜日)

ゴルソン・ハーモニーは不滅です

最近のアルバム音源のサブスク・サイトは隅に置けない。CDでリイシューされる音源については、かなりの確率でサブスク・サイトにアップされる。これが実に便利。CDのオンライン・ショップを徘徊する必要も無く、聴こうと思ったらすぐに聴ける。しかも、音質についてはダウンロード音源でありながら、ハイレゾ環境を組めば、CD音源並みの高音質で提供されるのだから、これは本当に便利だ。

Benny Golson Quintet Feat. Curtis Fuller『One More Mem'ry』(写真)。1981年8月19, 20日、ロサンゼルスでの録音。日本の Baystateレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Curtis Fuller (tb), Bill Mays (p), Bob Magnusson (b), Roy McCurdy (ds)。ジャズテットを組んでいたベニー・ゴルソンとカーティス・フラーが1981年に西海岸で録音した再会セッション。フロント2管のクインテット編成。

この盤は懐かしい。この盤はLPでリアルタイムに聴いている。1981年の『カルフォルニア・メッセージ』の続編で、ゴルソン=フラーの名コンビ復活の第2弾という触れ込みで、リリースされたと記憶している。ロサンゼルスでの録音で、演奏の雰囲気は「米国西海岸ジャズ」。キャッチャーな楽曲を、ポップで洒落たアレンジで「聴かせる」ジャズを展開している。
 

One-more-memry-1

 
全7曲中、6曲がゴルソン作。1曲のみフラーの作となる。1曲目の「One More Mem'ry」は、我が国の童謡「月の砂漠」をモチーフにしたゴルソンのオリジナル曲。ゴルソン作曲の名曲「Five Spot After Dark」も再演されている。ゴルソン=フラーの名コンビ、そして、元ジャズ・テットとくれば、「ゴルソン・ハーモニー」は当然、反映されている。全編、芳しき「ゴルソン・ハーモニー」の調べに酔いしれる。

1981年の録音なので、バックのリズム・セクションの音は、どちらかと言えば「米国西海岸フュージョン」の雰囲気。ボブ・マグナッソンのベースはアタッチメントで電気的に増幅された音だが、ピッチがまずまず合っているので、聴き難くは無い。逆に、1970年代から1980年代前半の「時代のベース音」という観点で懐かしくもあり、今の耳で聴き直すと毛嫌いするほどでは無い。これはこれでアリだと思う。

ビル・メイズのピアノもスウィンギーでよく唄っている。フレーズに翳りが無く、米国西海岸ジャズの爽やかさをしっかりと踏襲している。前作『カルフォルニア・メッセージ』と同様、なかなかの内容だと思います。1980年代初頭、フュージョン全盛時代に爽やかで聴き心地の良いコンテンポラリーな純ジャズ。意外とイケます。そして、ゴルソン・ハーモニーは不滅、です。
 
 
 
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  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

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  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

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  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

 
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2021年7月 7日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・212

昨日、サヴォイ・レーベルの代表的なヒット作の一枚として、Milt Jackson『Opus De Jazz』をご紹介した。が、サヴォイ・レーベルの代表的なヒット作はまだまだある。

例えば、昨日の『Opus De Jazz』の名が挙がれば、必ず、続いてそのタイトルが挙がるアルバムがある。このアルバムも、サヴォイ・レーベルお得意の音「リラックスした正統でハードバップな演奏」がしっかり記録されている「サヴォイ名盤」の一枚。

Curtis Fuller『Blues-ette』(写真左)。1959年5月21日、NJのVan Gelder Studio での録音。プロデューサーはオジー・カディナ。ちなみにパーソネルは、Curtis Fuller (tb), Benny Golson (ts), Tommy Flanagan (p), Jimmy Garrison (b), Al Harewood (ds)。カーティス・フラーのトロンボーンとベニー・ゴルソンのテナー・サックス、2管フロントのクインテット編成。

この盤、冒頭の名曲「Five Spot After Dark」にとどめを刺す。ベニー・ゴルソン作曲の名曲で、ジャジーでブルージーでアーバンな雰囲気がたまらない。そんな名曲に、これまたベニー・ゴルソンの専売特許である「ゴルソン・ハーモニー」のアレンジを施していて、これがまた、この名曲の底に流れるファンクネスを強調して、それはそれは、実にジャズらしい音の響きを提供してくれる。
 

Blues_ette

 
この「ゴルソン・ハーモニー」って、トロンボーンとテナー・サックスのユニゾン&ハーモニーが一番フィットしていて、そのアレンジの効果を一番発揮した楽曲がこの「Five Spot After Dark」だと思っている。とにかく、この曲の持つ「メロディー・ラインとハーモニーの美しさ」は特筆もの。不思議と「都会の夜の雰囲気」をビンビンに感じる楽曲で、僕はこの曲が大のお気に入りです。

そして、名盤には必ず優れた「リズム隊」がバックに控えている。この盤のリズム隊は、トミフラのピアノ、ギャリソンのベース、ヘアウッドのドラムなのだが、これが実に「良い」。

トミフラの落ち着いていて小粋なピアノのバッキングは、まるで「スパイス」のよう。演奏の中でキラリと光るフレーズを供給していて、これが良いアクセントとなっている。ギャリソンの骨太ベースは演奏の安定感に大いに貢献しているし、ヘアウッドのドラムは、決してフロントの邪魔をしないが、小粋なビートでしっかりとフロントを支え、鼓舞する職人芸的ドラミングが良い感じ。

ルディ・ヴァン・ゲルダーの録音で、実に「ハードバップらしい」音をしている。ジャケもサヴォイらしいもの。この盤も、初めて聴いて良し、聴き直して良しと、この盤もジャズ者全ての方にお勧めの名盤です。
 
 
 
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【更新しました】 2021.06.10 更新。

  ・Santana『Inner Secrets』1978

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  ・イエスの原点となるアルバム

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  ・この熱い魂を伝えたいんや

 
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2021年2月 1日 (月曜日)

都会の夜を連想させるモーガン盤

リー・モーガンのブルーノート1500番台に立ち戻っている。当ブログでまだ記事にしていない好盤の「落ち穂拾い」である。1538番のモーガンのデビュー盤『Indeed!』から、1500番台のモーガンの単独リーダー作、コ・リーダー作を併せて全8枚。この盤が最後の1500番台のリー・モーガンのリーダー作になる。

Lee Morgan『City Lights』(写真左)。ブルーノートの1575番。1957年8月25日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), George Coleman (ts, as), Ray Bryant (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。モーガンのトランペット、フラーのトロンボーン、コールマンのサックスのフロント3管のセクステット(6重奏団)構成。

録音時、フロント3管のモーガンは弱冠19歳。フラーは23歳、コールマンは22歳。リズム・セクションのピアノ担当ブライアントは26歳、ベースのチェンバースは22歳、ドラムのテイラーは28歳。フロント3管の平均年齢は21歳。リズム・セクションの平均年齢25歳。若手で固めたセクステットだが、フロント3管はあまりに若い。若さに任せて、バリバリのアドリブ合戦が繰り広げられるのか、と思いきや、それが違う。
 
 
City-light  
 
 
タイトルが「City Lights(街の灯り)」。この盤は、当時の米国東海岸では珍しい、アーバンでアダルトにアレンジされた「大人のファンキー・ジャズ」である。フロント3管の平均年齢21歳で、この「大都会の夜、それも深夜」をイメージさせる、大人のブロウを聴かせてくれるとは。バリバリのアドリブ合戦どころか、アダルト・オリエンテッドなファンキー・ジャズな内容にちょっとビックリする。

収録曲を見れば、ベニー・ゴルソンの曲が5曲中3曲を占める。この盤、ゴルソンが作曲だけで無くアレンジでも参加していたらしく、なるほど、フロント3管のユニゾン&ハーモニーは、あからさまでは無いが「ゴルソン・ハーモニー」の香りがする。そう、このゴルソンのアレンジが「都会の灯り」の雰囲気を濃厚に醸し出しているのだ。

全編に渡って「大人」で「都会の夜」の雰囲気漂う音世界が心地良く流れていく。抑制の美とアレンジの妙。そんなゴルソンのアレンジの意図を理解し、的確に表現していく若手の3管フロント。その力量は計り知れないものがある。とりわけ、弱冠19歳、最若手のリーダー、モーガンのトランペットの「抑制の美」がこの盤の最大の聴きどころ。「都会の夜」を連想させる企画盤として良好の内容。好盤です。
 
 
 
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  ・『The More Things Change』1980

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  ・The Band『Stage Fright』

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  ・僕達は「タツロー」を聴き込んだ
 

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2020年9月 7日 (月曜日)

ジャズテットのラスト・アルバム

ジャズ盤って、昔からジャケット・デザインについて趣味が良い。たまには例外もあるが、概ねジャケット・デザインが良い。レーベル毎にデザイン・コンセプトがあって、ジャケットを見るだけで「これはブルーノート」とか「これはECM」とか「これはベツレヘム」とか、判ってしまうくらい。

Art Farmer & Benny Golson Jazztet『Another Git Together』(写真左)。1962年5, 6月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (tp, flh), Benny Golson (ts), Grachan Moncur III (tb), Harold Mabern (p), Herbie Lewis (b), Roy McCurdy (ds)。トランペットのアート・ファーマー、テナーのベニー・ゴルソンが双頭リーダーの「ザ・ジャズテット」のアルバムである。

まず、良いジャケットである。双頭リーダーのファーマーのフリューゲルホーン、ゴルソンのテナー・サックスであろう、2管のアップ写真をあしらったジャケット。大きなメモに書かれたタイトルと演奏するバンド名。それも斜めに、楽器に差し込まれている。ジャケットから、趣味の良い、熱気溢れるハードバップなジャズが聴こえてきそうだ。
 
 
Another-git-together-jazztet  
 
 
ゴルソンのアレンジが良い。手慣れた感が少し漂うが、金太郎飴の如き「ゴルソン・ハーモニー」は無敵。特に、このジャズテットでは、テナー、トランペット、そして、トロンボーンの3管フロントなので、ゴルソン・ハーモニーが豊かに分厚く響き渡る。もともとエッジが柔らかくジェントルなハーモニーなので、3管の迫力がピッタリと填まる。

シャンソンの名曲「ドミノ」のリリカルで思索的なソロ・パフォーマンスが素晴らしい。ハードバップという演奏フォーマット中で成熟した演奏を聴かせてくれる。 Art Blakey and the Jazz Messengers『Moanin'』での名曲「Along Came Betty」の再演も良い。これ以上に発展しようのないほどに成熟したハードバップなジャズ。

実はこの盤、当時、人気グルーブであった「ザ・ジャズテット」が、解散の直前に吹き込んだラスト・アルバムである。成熟し切ったハードバップな演奏、手慣れた感のある「ゴルソン・ハーモニー」。この盤でジャズテットが解散したのも、何となく頷ける。それほどまでに良く出来た、双六でいう「上がり」の様なハードバップ盤である。
 
 
 

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  ・『Restless Nights』 1979

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  ・『The Best of The Band』

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  ・僕達は「タツロー」を発見した



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2020年5月 9日 (土曜日)

アート・ファーマーの総合力

アート・ファーマーのエッジが円やかで、ブリリアントなトランペットの音色が良い。音のエッジが丸くて耳に優しいが、しっかりと芯のある音。ブラスをブルブルと響かせる様な、心地良い黄金色の金属音が良い。

この心地良い、印象的なトランペットは、ミドル〜スロー・テンポの曲に実に良く映える。ファーマーもそれを判っているのか、ファーマーのリーダー作は、耽美的で印象的なミドル〜スロー・テンポの演奏が「ウリ」になることが多い。

Art Farmer『Modern Art』(写真左)。1958年9月10, 11 & 14日、NYでの録音。United Artistsレーベルからの録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (tp), Benny Golson (ts), Bill Evans (p), Addison Farmer (b), Dave Bailey (ds)。リーダーはトランペットのファーマー、後にジャズテットを組む盟友ベニーゴルソンとの2管フロント。ちなみにベースのアディソン・ファーマーは、リーダーのアート・ファーマーと双子の兄弟。

この盤では、アート・ファーマーは速いテンポの曲で、トランペットをバリバリ吹いている。冒頭の「Mox Nix」など、象徴的な演奏で、アートファーマーは、テクニックについても、かなり高度なものを持っていることが判る。ただ、アート・ファーマーのエッジが円やかで、ブリリアントなトランペットの特徴をハッキリと確認出来るのは「ミドル〜スロー・テンポ」の演奏下である。
 
 
Modern-art-1  
  
 
パーソネルを見れば、テナー・サックスにベニー・ゴルソンがいるので、この盤もさぞかし「ゴルソン・ハーモニー」が炸裂しているんだろうなあ、と推測するのだが、聴いてみるとさほどでもない。ゴルソン・ハーモニーの「キモ」である、独特の響きを宿したユニゾン&ハーモニーをほとんど聴くことが出来ない。従来のハードバップにも聴くことの出来る、通常レベルのアレンジに終始している。

ピアノのビル・エヴァンスについても、この盤では、彼の個性を発揮したパフォーマンスは聴くことが出来ない。他のハードバップに聴くことが出来る平均点レベルでのバッキングに終始している。ベースのアディソン・ファーマーのベースについても、ドラムのベイリーについても同様に平均点レベルの安定したパフォーマンスに留まっている。

この盤、昔も今もアート・ファーマーの代表盤として紹介されているが、どうだろう。ミドル〜スロー・テンポをメインに、リリカルで抑制の効いたクールなブロウのファーマーも、バリバリとハードバッパー風に速いテンポの曲も吹けるんだよ、的な内容で、ファーマーも他のトランペッターと比べても総合的に遜色ない、ということを感じるに留まるのが残念。

ハードバップの盤としては及第点。アート・ファーマーのトランペットの総合力の高さを感じることの出来る盤ではある。誤解無きよう、この盤でも、アート・ファーマーのトランペットについては申し分無い。とても優れたパフォーマンスを発揮している。他の優れた個性的なジャズマン、例えば、ゴルソン、そして、エヴァンスの参加による「化学反応」が不発であることだけが残念なのだ。
 
 
 

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 ★ AORの風に吹かれて     【更新しました】2020.04.29更新。

  ・『Christopher Cross』 1979

 ★ まだまだロックキッズ       2020.04.19更新。

  ・レッド・ツェッペリン Ⅰ

 ★ 松和の「青春のかけら達」   2020.04.22更新。

  ・チューリップ 『TULIP BEST』
  ・チューリップ『Take Off -離陸-』
 
 
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2020年4月 6日 (月曜日)

メッセンジャーズ最高のライブ盤

Art Blakey & Jazz Messengers(アート・ブレイキー & ジャズ・メッセンジャーズ)は概してライブ盤の内容が良い。スタジオ盤も結構、内容が良いのだが、ライブ盤は更に良い。ジャズ・メッセンジャーズ名義のライブ盤は、どの時代の、どの盤を手に入れても基本的には間違い無い(但し、海賊盤には手を出さないで欲しいです)。そんなジャズ・メッセンジャーズの内容の良いライブ盤の中で、一番有名なライブ盤がこれ。

『Art Blakey et les Jazz-Messengers au club St. Germain, Vols. 1-3』(写真・第1集)。1958年12月21日、club St. Germainでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。第1期黄金時代のベストメンバー、フロントがモーガンのトランペットとゴルソンのテナーの2管のクインテット構成。

LP時代は第1集から第3集まで、3枚に分けてリリースされた。しかし、この3枚、内容的には全く甲乙付けがたい。というか、3枚一気に聴き通してしまいたいくらいに、いずれの盤も内容が良い。どの曲のどの演奏を取っても、熱気溢れ、ファンクネス濃厚、魅惑的なユニゾン&ハーモニー、エモーショナルで流麗なアドリブ・ソロ。これぞハードバップ、これぞファンキー・ジャズという演奏なのだ。
 
 
Art-blakey-et-les-jazzmessengers-au-club   
 
 
加えて、グループ・サウンズとしても、非常に良く出来ていて、それぞれのジャズマンの演奏のバランスが良い。ライブでそれぞれのソロが長くなると、得てして退屈なものになることがよくあるが、このライブ盤にはそれが無い。結構、それぞれのソロ・パフォーマンス、時間かけてるんですが、まず内容が良いので長いと感じ無い。そして、他のライブ・パフォーマンスをよく聴いていて、繋がりが良く、独りよがりな展開にならない。さすが、第1期黄金時代のメンバーですね。

3枚のうち、どれか一枚と言われたら、第2集。一曲目はかの有名な「Moanin'」なのだが、この盤だけ曲のタイトルが「Moanin' with Hazel」。というのも、演奏中に居合わせた女性シンガー兼ピアニストであるヘイゼル・スコット(Hazel Scott)がティモンズのソロの途中に感極まって「おお、神よ、憐れみを!(Oh Lord have mercy !)」と叫んだことからこの録音に限って「Moanin’ with Hazel」と呼ばれる。このヘイゼルの叫び声は有名なジャズ・エピソードのひとつで、この叫び声が出るのも納得の凄まじいティモンズのピアノ・ソロである。

この有名なジャズ・エピソードの存在で「第2集」を挙げたが、他の2枚も決して引けを取らない。モーガンは、鯔背な切れ味良いフレーズを繰り出し続け、ゴルソンは大らかではあるが。力強くて滑らかな、独特のフレーズを連発する。ティモンズはソロにバッキングに大活躍。メリットはフロント隊の演奏のビートをシッカリと支え、ブレイキー御大はファンキーなドラミングでバンド全体を鼓舞し続ける。ハードバップかくあるべし、と言う感じの優れた内容のライブ盤である。
 
 
 

《バーチャル音楽喫茶『松和』別館》

【更新しました】2020.03.29
  ★ まだまだロックキッズ ・・・・ ELP「恐怖の頭脳改革」である

【更新しました】2020.04.01
  ★ 青春のかけら達 ・・・・ チューリップのセカンド盤の個性

 

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2020年4月 5日 (日曜日)

欧州での伝説的ツアーの一コマ

Art Blakey & Jazz Messengersは、ハードバップの伝承グループであった。マイルスのグループと併せて、有望ジャズマンの登竜門であった。後に一流のメジャーな存在になったメインストリーム系のジャズマン(もちろんドラマー以外だが)達が、一定期間、ジャズ・メッセンジャーズに籍を置いている。若い時代に、このジャズ・メッセンジャーズに籍を置いて、技を磨き、プロのジャズマンとしてのスタンスを学ぶ。

そんなArt Blakey & Jazz Messengersであるが、「バンドの音楽監督に恵まれた時、黄金時代(全盛期)を迎える」という傾向がある。第1期の黄金時代は、音楽監督が「ベニー・ゴルソン」の時代。1958年から1959年の2年間であるが、ゴルソン・ハーモニーを含めた優れたアレンジと選りすぐりのメンバーに恵まれ、ジャズ・メッセンジャーズならではのハードバップな音世界を確立している。

Art Blakey & Jazz Messengers『1958 - Paris Olympia』(写真)。1958年11月22日と12月17日、フランスはパリの「L'Olympia」での録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。第1期黄金時代のベストメンバー、フロントがモーガンのトランペットとゴルソンのテナーの2管のクインテット構成。
 
 
1958-paris-olympia
 
 
名盤『Moanin'』をリリース後のパリでのライブ録音。演奏自体はやや荒いが、ジャズ本来の演奏の迫力が伝わってくる好盤。『Moanin'』に収録されている曲「Are You Real」「Moanin」「Blues March」 が収録されていて、当然、その演奏内容は素晴らしい。また、この第1期黄金時代のベストメンバーで「Just by Myself」「I Remember Clifford」「Whisper Not」が演奏されており、その出来も、これまた素晴らしい。

このライブ盤、それぞれのメンバーは好調であるが、特に、リー・モーガンのトランペットが良い。「I Remember Clifford」が特に良い。この1曲だけで、このライブ盤の僕の中での評価はワンランクアップである。10分におよぶ熱演「Are you real?」も、メンバーそれぞれ、緩むこと無く、立派なアドリブソロを聴かせてくれる。それにしても、ゴルソン作曲の曲の出来の良いこと。ほんと、良い曲書いてます。

極端に短い32分音符で、スネアドラムを連打するドラミング、ナイアガラ・ロールを連発し、滑らかなシンバルレガートも冴え渡り、「カカカカカ」とスティックでスネアの縁を叩く音でフロント楽器を鼓舞して、ブレイキー御大も絶好調。ハードバップ〜ファンキー・ジャズの名演の数々。欧州にファンキー・ジャズ・ブームを巻き起こした伝説的ツアーの一コマとのこと。それも納得の素晴らしい内容のライブ盤です。
 
 
 

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2020年3月23日 (月曜日)

「テナー奏者」としてのゴルソン

ベニー・ゴルソン(Benny Golson)について、先週から語っているのだが、どうも、ゴルソンのアレンジの十八番である「ゴルソン・ハーモニー」に偏りすぎたきらいがある。ゴルソンはジャズ・テナーサックス奏者。それでは、テナーサックス奏者としての実力のほどはどうなのか。

ゴルソンのテナーサックス奏者としての評価については、辛口の評価が多い。モワッとしている、つかみ所がない、暑苦しい、切れ味が無い、などと評価は芳しく無い。ケチョンケチョンである。しかし、である。ゴルソンは1929年生まれなので、今年で91歳。未だ現役。1953年以降、ずっと第一線の立ち位置をキープしているのは何故か。まさか「アレンジの才能」だけで、第一線をキープできるほど、ジャズの世界は甘くない。そんなゴルソンのテナーサックス奏者としての力量を、きっちりと推し量ることが出来る好盤がある。

Benny Golson『Take a Number from 1 to 10』。1960年12月、1961年4月の録音。無伴奏ソロ、デュオ、トリオ、カルテット、クインテット、セクステット、セプテット、オクテット、ノネットと演奏メンバーが増えて、最後は10編成テンテットで終わる、という企画盤。

ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Art Farmer (tp, track10), Bernie Glow (tp, tracks 9&10), Freddie Hubbard (tp, tracks 5–7), Nick Travis (tp, tracks 8–10), Willie Ruff (French horn, tracks 8–10), Bill Elton (tb, tracks 8–10), Curtis Fuller (tb, tracks 6 & 7), Hal McKusick (as, tracks 8–10), Sol Schlinger (bs, tracks 8–10), Sahib Shihab (bs, track 7), Cedar Walton (p, tracks 4–7), Tommy Williams (b, tracks 2–10), Albert Heath (ds, tracks 3–10)
 

Take-a-number-from-1to10

 
冒頭、ソロは「You're My Thrill」で始まる。ゴルソンのテナーのソロ。堂々たる吹きっぷり。豊かな表現力。2曲目の「My Heart Belongs To Daddy」はベースとのデュオ。フロントの旋律はテナーが牽引する。力強くクールなテナーの響き。3曲目「The Best Thing For You Is Me」はピアノレス・トリオ。バックのリズム&ビートに乗って、ゴルソンがテクニックよろしく、自由に奔放に吹きまくる。

このソロ、デュオ、トリオの演奏で、ゴルソンのテナーサックス奏者としての優れた力量がよく判る。テクニックも良好、大らかに力強くテナーサックスを吹き上げる。やはり60年以上も第一線の立ち位置をキープしているテナー奏者である。ジャズ・テナー奏者のレジェンドに名を連ねることが出来るくらいに、ゴルソンのテナーは優秀。ちなみに、4曲目のカルテット演奏以降の編成は、従来のゴルソンの「アレンジの才」を愛でることが出来るもの。

ゴルソンのテナーについての「芳しく無い評価」の原因については、まずは本人について好不調の波が意外とある、ということ。これは仕方ない。そしてもう一つの原因については、演奏の録音状態に因るものが大きいのでは、と思っている。

全体として録音状態の良い盤ではゴルソンのテナーは活き活きとしていて、大らかで力強い。録音状態の悪い盤では、ゴルソンのテナーは、音が籠もった様にモワッとして、切れ味悪く暑苦しい。ゴルソンのテナーの音質が録音状態に左右されやすいのだろう。本人の状態が好調で、盤自体の録音状態が良い盤では、ゴルソンのテナーは無敵である。
  
 
 

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