2021年11月 4日 (木曜日)

ルーさんとピアニストとの相性

ジャズマンは演奏で組む相手によって、そのパフォーマンスが変わることがある。相性の問題だとは思うんだが、その人と組むとある種の化学反応が起きて、通常よりも優れたパフォーマンスが展開されたりするのだ。だから、アルバムの初聴き時、聴く前にパーソネルを確認して、以前にその組合せによる優れたパフォーマンスの記憶があると、これは、と期待したりする。

Lou Donaldson『Gravy Train』(写真左)。1961年4月27日の録音。ブルーノートの4079番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Herman Foster (p), Ben Tucker (b), Dave Bailey (ds), Alec Dorsey (conga)。ブルーノートのお抱え、ベテランのアルト・サックス奏者ルー・ドナルドソン(愛称:ルーさん)がワン・ホーンのカルテット編成+コンガ。

ピアノ担当のハーマン・フォスター(Herman Foster)は、1928年フィラデルフィア生まれ、1999年に亡くなった盲目のジャズ・ピアニストである。彼の初期のキャリアは、ルーさんと切っても切り離せない。1950年代後半、ルーさんの複数の吹込みに参加し、その名を世に知らしめた。とにかく、ルーさんのアルト・サックスとの相性が抜群のピアニストである。
 

Gravy-train

 
この盤は、1958年12月録音の『Light-Foot』以来の、ルーさんの「ハーマン・フォスター再び」セッション。ハーマン・フォスターのリズム隊との相性は抜群。フォスターのピアノの手癖とルーさんのアルト・サックスの手癖との協調が、ファンクネスを増幅する。アレック・ドーシーのコンガも良いアクセントになっていて、増幅されたファンクネスにポップな雰囲気を付加していて、聴いていて楽しく明るい雰囲気。

ルーさんが気持ち良くアルトを吹き上げる快作である。ピアノをバックにしたルーさんのパフォーマンスとしては、このハーマン・フォスターとホレス・パーランが双璧だろう。それぞれのピアノが持つファンクネスと、アドリブ展開のテンポの波長があるのだろう。どこか旧来のスイング風のファンネスが漂う時はフォスター、どこか新しいモーダルなファンクネスが漂う時はパーラン。

この盤は、ピアノ・トリオをバックとしてのルーさんのアルト・サックス盤の完成形の様な内容。これだけ気分良く、アルト・サックスを吹き上げるルーさんは聴いていて見事。以降、ルーさんのバンド・サウンドの新しい工夫として、前作『Here 'Tis』で試したオルガンの導入に力点を移していく。
 
 
 
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2021年8月30日 (月曜日)

ルーさんの初オルガン・ジャズ

我が国では、僕がジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半、オルガン入りのジャズについては、あまり評判は良くなかった。ファンクネス濃厚で、ソウルフルでポップなジャズ、というイメージから「俗っぽい」ジャズである、というレッテルを貼られて、硬派なジャズ者の方々のみならず、評論家の方々を含めて、評価は芳しく無かったと記憶している。

オルガン・ジャズが復権してきたのは、1980年代後半、レア・グルーヴのムーヴメントがジャズに押し寄せ、ソウルフルでポップなジャズ、踊れるジャズとして再評価されて以降である。また、純ジャズ復古後、新伝承派を中心とした、純ジャズ偏重、ハードバップ偏重に対する反動から、ソウルフルでポップなオルガン・ジャズが再評価された経緯もある。

Lou Donaldson『Here 'Tis』(写真左)。1961年1月23日の録音。ブルーノートの4066番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Baby Face Willette (org), Grant Green (g), Dave Bailey (ds)。ビ・バップ以降、ブルーノートの看板アルト・サックス奏者として活躍してきたルー・ドナルドソン(ルーさん)の初のオルガン・ジャズである。
 

Here-tis

 
バックを固めるメンバーが良い。ファンクネス濃厚、硬派でプログレッシブなオルガンが個性のベビー・フェイス・ウィレット、パッキパキなシングルトーンが個性、ファンクネスだだ漏れギターのグラント・グリーン。地味だがスインギーでファンキーなドラマー、ディヴ・ベイリー。ここに、ルーさんの切れ味の良いファンキーで陽気なアルト・サックスがフロントを仕切る。

とってもソウルフルでポップでファンキーなオルガン・ジャズである。バックのリズム隊がむっちゃファンキーでグルーヴィーでソウルフルなので、ルーさんのアルト・サックスの本質である、とてもハッピーな吹きっぷりで、翳りや哀愁、モーダルで理知的な響きとは全く無縁な「明るくビ・バップ風のブリリアントで高速な吹き回し」がとっても引き立つのだ。

オルガン・ジャズ、ここに極まれり、という感じの優秀盤。前述の様に、我が国では以前はオルガン・ジャズは異端であり、敬遠されていたのだが、どうして、このオルガン・ジャズ盤を聴いて思うのだが、これって「ご機嫌なジャズ」ではないか。ファンキー、ポップ、そしてソウルフル。ジャズを楽しむオルガン・ジャズ。僕は好きですね〜。
 
 
 
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2021年8月21日 (土曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・4

「僕なりの超名盤研究」の第4回目。この盤については、どのジャズ盤紹介本でも「ジャズの代表的な演奏トレンドであるハードバップの始まりを記録した盤」としている。いわゆる「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤と評価されている。が、売り文句としては実にキャッチャーな表現だが、この盤が記録したライヴ・パフォーマンスを境目に、ハードバップが一気に展開されていった訳ではない。

Art Blakey『A Night at Birdland Vol.1&2』。1954年2月21日、NYのライブスポット、バードランドでのライヴ録音。邦題『バードランドの夜』。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Clifford Brown (tp), Lou Donaldson (as), Horace Silver (p), Curley Russell (b)。アナウンスは「Pee Wee Marquette」。バードランドの夜は、このピー・ウィー・マーケットの熱気溢れる紹介アナウンスから幕を開ける。臨場感抜群である。

さて、この『バードランドの夜』、この演奏がハードバップの萌芽とされる訳だが、聴いてみてどこがそうなんだか、特に、ジャズを聴き始めた頃、このライヴ盤を聴いても「さっぱり判らん」が正直なところ。

ところで「ハードバップ」とは何か、であるが、Wikipediaを紐解き、要約すると「アメリカ東海岸で、1950年代に始まり1960年代まで続いた演奏スタイル。一般的なジャズサウンドのイメージはこのスタイルと言える。アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現することができ、大衆性と芸術性の共存を可能とした演奏スタイル」とのこと。

これでもまだ「良く判らん」なので、他の演奏スタイルと比較してみる必要がある。ハードバップに至るまでのジャズの演奏形式の変化である。これをやらないと、この『バードランドの夜』を聴いても、何が「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤なのか、さっぱり判らないままである。
 

A-night-at-birdland

 
ハードバップの前の流行の演奏スタイルは「ビ・バップ」。最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿いつつ、自由な即興演奏を順番に行う形式。演奏テクニックとアドリブ・フレーズの優秀性に重きが置かれ、スインギーな側面やメロディーを楽しむ側面はそぎ落とされ、アクロバティックな即興演奏だけが着目される演奏形式となった。音楽としての「聴き手」の嗜好を無視した内容に陥り易く、ジャズの大衆性が阻害され易い演奏形式ともいえる。

で、比較である。まず、ビ・バップの演奏の雰囲気は、Dizzy Gillespie『Groovin' High』(2015年7月28日のブログ参照)などで感じることが出来る。次に、ビ・バップからハードバップの過渡期の雰囲気は、Charlie Parker『The Genius Of Charlie Parker, #3 - Now's The Time』(2021年4月8日のブログ参照)、そして、ハードバップ初期の雰囲気はこの『A Night at Birdland Vol.1&2』で感じることが出来る。

特に面白いのは、ビバップからハードバップの過渡期の雰囲気を記録してパーカー盤。ビバップの祖の一人、パーカーがメインとなっているリーダー作だが、内容的には、ハードバップの特色である「アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現する」部分の兆しがこの過渡期の盤に記録されている。確かにこのパーカー盤はビ・バップでは無い。

そして、今回の『バードランドの夜』。確かに、この盤の演奏は明らかに「アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現する」部分が貫かれている。曲のコードをより細かく分けたり、テンポの速くして演奏をより複雑にしたり、演奏のニュアンス、バリエーション豊かにして、演奏の表現力を豊かにした、いわゆる「聴かせること」そして「アーティスティックなこと」を前面に押し出した演奏は聴き応え十分。

このライヴ盤には、ハードバップの要素がぎっしり詰め込まれている。しかも、このアルバムはスタジオ盤では無い、一発録りのライブ録音。つまり、1954年には、皆が皆では無いにしろ、このハードバップ的な演奏がライヴで、一発録りな雰囲気で行われていたのである。当時のジャズの演奏レベルの高さというものを改めて感じる。
 
 
 
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2021年7月24日 (土曜日)

ルーさんのアルトの本質が判る

ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson・愛称「ルーさん」)は、基本的にブルーノート・レーベルのお抱えアルト・サックス奏者。活動期は1950年代〜1970年代に渡るが、主なリーダー作の半数以上が、ブルーノート・レーベルからのリリース。特に、1950年代半ば、ブルーノートの1500番台からリーダー作をリリースする、ブルーノートお抱えジャズマンの「古株」である。

我が国で絶大なる人気を誇るブルーノート・レーベルの「お抱えアルト・サックス奏者」という存在でありながら、ルーさんは我が国のジャズ・シーンの中では、あまり人気は高くない。僕はこの人のアルト・サックスの音、吹きっぷりが大好きで、今でも時々、引っ張り出して来ては聴き直しているんだが、どうも、我が国でも評価は高くない。不思議なことである。

Lou Donaldson『Light-Foot』(写真左)。ブルーノートの4053番。1958年12月14日の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Herman Foster (p), Peck Morrison (b), Jimmy Wormworth (ds), Ray Barretto (congas)。リーダーのルー・ドナルドソンのアルト・サックスがフロント1管のカルテット編成。ワン・ホーン・カルテットに、バレットのコンガが入っている。

タイトルの「Light-Foot」は「軽い足取り[フットワーク]で進む」の意。ルーさんの旧知の気心知れたメンバーとのアルト・サックスの吹きっぷりは、まさに「Light-Foot」。
 

Light_foot

 
フレーズはあくまで明るく、ビ・バップ風の吹き回しは、時に「耳に付く」ほど、ブリリアントで高速な吹き回し。そんなルーさんの「Light-Foot」なアルト・サックスが印象に強く残るアルバムである。

ルーさんは気心知れた旧知のジャズマンをサイドマンに迎えると、もともとのルーさんのアルト・サックスの本質である、とてもハッピーな吹きっぷりで、翳りや哀愁、モーダルで理知的な響きとは全く無縁な「明るくビ・バップ風のブリリアントで高速な吹き回し」が前面に出てくる。しかし、これが実に爽快で、聴いていて気持ちがパッと明るくなる。

明るくブリリアントだが、ファンクネスは十分に備わっていて、ファンキーで明るい「ビ・バップ風」のパフォーマンスは、実にジャジー。そして、この盤にも、ルーさんお気に入りの「コンガ」が入っている。この「コンガ」の存在が、ファンキーでジャジーな演奏にポップな雰囲気を加味していて、アルバム全体を躍動感のあるファンキー・ジャズに仕上げている。

翳りや哀愁、モーダルで理知的な響きとは全く無縁なところ、そして、この「コンガ」の存在が、我が国でのウケの悪さに繋がっているのかなあ。でも、私は、このルーさんのポジティヴなアルト・サックスがお気に入り。とにかく、聴く度に元気が出ます。
 
 
 
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2021年6月23日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・209

このアルバムのジャケットは素晴らしい。ブルーノート・レーベルらしさが溢れている。大胆なタイポグラフィー、大胆なレイアウト。しかも、このジャケットにはリーダーのジャズマンの顔写真が無い。恐らく、当時、必要が無かったんだろう。それだけ、この盤のリーダーはジャズ・ファンの間では顔なじみだったのかもしれない。

Lou Donaldson『Sunny Side Up』(写真左)。ブルーノートの4036番。1960年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Bill Hardman (tp), Horace Parlan (p), Laymon Jackson (b), Sam Jones (b), Al Harewood (ds)。リーダーのルーさんのアルト・サックス、ビル・ハードマンのトランペットのフロント2管。ピアノに新進気鋭のホレス・パーランが座る、新しい響きのリズム隊。クインテットの編成である。

この盤の録音時、ルーさんは34歳。ハードマンは27歳。ホレス・パーランは29歳、サム・ジョーンズは36歳、ヘアウッドは37歳。ルーさんは30歳台メンバーで最若手。ハードマンとパーランはまだ20歳台。ジャズマンの年代レベルからすると「若手中堅」。そんな若手中堅が、「ジャズの多様化」が始まった1960年という時代に、従来からの「ハードバップ」を奏でている。
 

Sonny-sideup

 
が、その「ハードバップ」な響きは、新しい雰囲気を宿している。別にモードをやってる訳じゃ無いし、ファンクネス濃厚でポップな「ファンキー・ジャズ」をやっている訳でも無い。それでも、この盤には当時の「ハードバップの新しい響き」が詰まっているし、この盤の演奏の全体的な雰囲気や響きはどこまでも「ブルーノート・レーベルらしい」のだ。

この盤、シュッとしたブルース・フィーリングが横溢していて、結構、硬派でダンディズム溢れる「ハードバップ」な演奏である。ルーさんのアルトは心地良く唄い、ハードマンのペットはマイナー・ムードでリリカルに響く。パーランのピアノは伴奏上手。アーシーな左手のブロックコードが「合いの手」の様に響き、右手の右手のリズム・タッチのドライヴ感は、フロント楽器をサポートし鼓舞する。実に良い感じのクインテットである。

そう、この盤はジャジーとかファンキーというよりは、ブルージーな盤。溢れんばかりのブルース感覚が、意外と「ハードバップ」の演奏フォーマットの中で新しい感覚で響くのだ。単純な「ハードバップ」な演奏では無い。この盤での濃厚なファンクネスは、この「ブルージー」な感覚を増幅させる為にある。もっともっと評価されるべき「ブルーノート」らしい、ルーさんのリーダー作である。
 
 

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2021年6月 8日 (火曜日)

コンガは決して俗っぽくない

オールドなジャズ者の方々を中心に、コンガやボンゴなどのパーカッションについては「俗っぽい」ものとされていた。カウベルやスチールパンなども駄目。とにかく、パーカッションの入った、特にコンガやボンゴの入ったジャズは「俗っぽい」ものとされ、アーティスティックなものでは無いとされた。

僕はジャズを聴き始めた頃から、この感覚が全く理解出来ない。もともと、ジャズを聴き始めた頃、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの中で、ワールド・ミュージック志向のアフリカン・ネイティブなパーカッションや中南米音楽のパーカッションに慣れ親しんでいたので、パーカッションについては違和感は全くない。どころか「俗っぽい」と感じたことは一度も無い。

Lou Donaldson『The Time Is Right』(写真左)。1959年10月31日と11月28日の2セッションでの録音。ブルーノートの4025番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Horace Parlan (p), Blue Mitchell (tp) が2セッション共通で、Tracks 1, 2, 4-7のリズム隊が、Laymon Jackson (b), Dave Bailey (ds), Ray Barretto (congas)。Track 3のリズム隊が、Sam Jones (b), Al Harewood (ds)。
 

The-time-is-right
 

ルーさんはコンガ好き。この盤も全7曲中6曲がコンガ入り。冒頭の「Lou's Blues」なんて、イントロからコンガ。恐らく、オールドなジャズ者の方々からすれば、この冒頭イントロのコンガを聴くだけで、ジャズ喫茶の席を立ったと思われる(笑)。でも、今の耳で聴いても、そんなに俗っぽい響きは感じられない。逆に、演奏全体に漂うファンクネスを増幅する役割を果たしている。

ピアノがホレス・パーランなので、リズム・セクションのリズム&ビートは古くない。当時の先端を行くクールなリズム&ビートで、コンガは入っているが、なかなか硬派なファンキー・ジャズが展開されている。ルーさんとトランペットのミッチェルの2管フロントの相性が抜群で、ユニゾン&ハーモニーの響きはとっても「ブルーノートらしい」。ルーさんのアルトも実にブルージーでファンキーで、当時のハードバップの先端を行く音だ。決して古く無い。

多弁で底抜けに明るいアルトなので、俗っぽいと低く見られがちなルーさんのアルトだが、とんでもない。多弁はバップなアルトなので当然だし、ファンキー・ジャズを奏でる中では、ルーさんのアルトはブルージーでクールな音で鳴り響く。音全体の印象はドップリと「ブルーノート・サウンド」。典型的なブルーノートなファンキー・ジャズが素敵な好盤です。
 
 
 

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2021年5月 7日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・204

我が国のジャズ評論には「不思議」が沢山ある。とにかく「ジャズは進化するもの」という固定観念があるみたいで、ハードバップに留まって、ハードバップをそのまま、深く極めていくジャズマンは基本的に評価が低い。それから、コンガなどパーカッションに厳しい。「俗っぽい」というレッテルを貼られて評価は下がる。そして、意外と電気楽器を忌み嫌う。

同じ楽器、同じ雰囲気なのに、ジャズマンによって偏りがある。例えば、ルー・ドナルドソン(愛称「ルーさん」)のアルト・サックス。何故か「明るい吹きっぷりで五月蠅い」などという評価があったりする。意外と人気が低いのだ。

アルト・サックスって、基本キーが高いので「明るい音色」、特にパーカー派の吹きっぷりはビ・バップ基調なので「賑やか」。渡辺貞夫だって、フィル・ウッズだって、本家本元チャーリー・パーカーだってそうなのに、何故か「ルーさん」だけが人気が低い。

Lou Donaldson『LD+3』(写真左)。1959年2月18日の録音。ブルーノートの4012番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。ブルーノートのお抱えピアノ・トリオ「スリー・サウンズ」をバックに、ルーさんのアルト・サックス1管フロントのカルテット編成。
  
この盤まで、ルーさんはバックのリズム・セクションは、ルーさんの仲良しジャズマンで固める傾向が強かった。ルーさんは気兼ねすることなく、リラックスして吹きまくることが出来るのだが、如何せん、名が通っていない「セッション・ジャズマン」達なので、リズム・セクションの演奏が「ちょっと弱くて単調」なのは否めない。この辺もルーさんの人気の低さの「原因の1つ」でもある、と推察している。
 

Ld_3

 
しかし、この盤はバックのリズム・セクションが充実しまくっている。当時、人気のブルーノートお抱えピアノ・トリオである。演奏能力は高く、芳しきファンクネスを振り撒きながら、当時、ハードバップの最先端の雰囲気をしっかり維持したピアノ・トリオ。そんなリズム・セクションをバックに、ルーさんがアルト・サックスを吹き上げていく。

何時になく、ルーさんのアルト・サックスが「よりモダン」に響く。恐らく、バックのピアノ・トリオ「スリー・サウンズ」の音に触発されたのであろう。しかし、この「よりモダン」なアルト・サックスを聴くにつけ、ルーさんの演奏家としての能力の高さを再認識する。「スリー・サウンズ」が仕掛けた「当時のハードバップの最先端の雰囲気」に、全く問題無く適応し、自家薬籠中のものとしている。

恐らく、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの深慮遠謀の賜だろう。仲良しジャズマンで固めたサウンドの「マンネリ」を、「スリー・サウンズ」を当てることで解消し、本来のルーさんのアルト・サックス奏者としての能力の高さを更に引き出している。この盤でのルーさんのアルト・サックスは「聴きもの」。ルーさんのアルト・サックスの再評価をお願いしたいくらいだ。

しかしながら、いやはや、アルフレッド・ライオン恐るべし、である。これぞプロデューサーの仕事。ほんと「良い仕事」してますなあ。脱帽である。
 
 
 

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2020年11月 1日 (日曜日)

ダンディズム溢れるルーさん

ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)のアルト・サックスがお気に入りである。愛称は「ルーさん」。このルーさん、僕がジャズを聴き始めた頃、1970年代後半の頃、我が国では全く人気の無い存在だったらしく、ルーさんのリーダー作はレコード屋で見たことがない。あろうことか、ジャズ盤紹介本にもジャズ雑誌のジャズ盤紹介にもその名前が出ることは無い。当時は「知る人ぞ知る」存在だったと思う。

僕がルーさんの存在を認識し、リーダー作を手にしたのは、1990年代、ブルーノート・レーベルのアルバムが紙ジャケで再発された時である。ブルーノート1500番台の再発の折に、やっと、CDショップにて、ルー・ドナルドソンの名前を認識した。そして、1500番台のルーさんのアルバムで、一番のお気に入りになったのが、この盤である。

Lou Donaldson『Wailing with Lou』(写真左)。1957年1月27日の録音。ブルーノートの1545番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Donald Byrd (tp), Herman Foster (p), Peck Morrison (b), Art Taylor (ds)。もともと、ルーさんは気心知れた旧知のジャズマンをバックのリズム・セクションに選んでいるのだが、この盤では、ドラムだけ、当時のファースト・コールなドラマー、アート・テイラーを招いている。
 
 
Wailing-with-lou
 
 
フロントの相棒トランペッターのドナルド・バードと合わせて、恐らく、ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンの希望を取り入れたのだろうが、これが成功している。気心知れたメンバーとのセッションは、和やかで安定した演奏なのだが、サプライズと変化とテンションに乏しく、何となく緩い、手慣れた感が見え隠れしてしまう。それがルーさんのリーダー作の良いところでもある。

が、この盤の制作では、プロデューサーのライオンがそこにメスを入れたと思われる。そんなライオンのプロデュースの賜であるこの盤のセッションは、良い意味で緊張感のあるインタープレイとアドリブ展開が素晴らしい。ファンキーで明るく流麗なルーさんのアルト・サックスが、2人の人気ジャズマンの刺激のお陰か、ダンディズム溢れる、力感豊かな表現を加味している。いつものルーさんよりも、幅の広い、奥行きの深い、情感溢れるバップなアルト・サックスが凄く魅力的。

白黒が基調のシンプルだがダンディズム溢れるジャケットもこの盤の雰囲気をダイレクトに伝えてくれる。ダンディズム溢れる、ファンキーで疾走感溢れるブリリアントなルーさんのアルト;サックス。ルーさんのアルト・サックス自体も、真鍮の震えも美しい、とても良い音で鳴っている。この盤、ルーさんの代表盤の一枚と言って良い。好盤です。
 
 
 

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2020年2月11日 (火曜日)

摩訶不思議な響きのハードバップ

ブルーノートの未発表音源シリーズが「Blue Note Classic LT series」。略称は「BNLT」。録音当時、何故かお蔵入りになった音源ばかりを発掘してリリースしたシリーズ、と評価されてはいるが、中には「まあ、これはお蔵入りの理由が何となく判るなあ」という音源もある。といっても、演奏レベルに問題がある訳では無い。プロデューサーの視点での「お蔵入り」の判断である。

Lou Donaldson『Midnight Sun』(写真)。LT-1028番。1960年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Horace Parlan (p), George Tucker (b), Al Harewood (ds), Ray Barretto (congas, tracks 1 & 3-7)。1980年の発掘リリース。〈発掘男〉マイケル・カスクーナの監修&解説。録音した時期は、ハードバップが枝分かれして、それぞれの進化を始めた時期。

ハードバップは、大衆化志向では「ファンキー・ジャズ〜ソウル・ジャズ」、アート志向では「モード・ジャズ」そして「フリー・ジャズ」と、多様化というキーワードの基で、それぞれに進化していった訳だが、この盤では「モード・ジャズ」である。パーソネルを見渡せば、パーラン=タッカー=ヘアウッドのリズム・セクションは、明らかに「新進気鋭のモード・ジャズの担い手」である。
 
 
Midnight-sun  
 
 
さて、これだけバックに「モード・ジャズ」を配して、古参のバップなアルト・サックス奏者、ルー・ドナルドソン、愛称ルーさんはどんなパフォーマンスを聴かせてくれるのか。ちょっとドキドキするのだ。で、聴いてみると。一言で演奏の印象は「モーダルな演奏が得意な若手ピアノ・トリオをバックに、ルーさんが我が道を行く」。バックがモード・ジャズ志向であっても、ルーさんのアルト・サックスは変わらない。

ルーさんのアルト・サックスは、相変わらずご機嫌でポジティヴな、バップなフレーズを吹き上げている。モードなど何処吹く風。あろうことか、バレットのコンガが入ってファンキーな雰囲気が漂ったりする。モードにコンガ、モードにバップなアルト・サックス。異種格闘技的な独特な雰囲気が漂う。ハードバップ、ファンキー・ジャズ、モード・ジャズのチャンポン。但し、融合までは至っておらず、特別な化学反応は起こっていないようだ。

モードはモードで優れた演奏を繰り広げ、ルーさんはルーさんでバップな優れたブロウを披露、バレットのコンガは殊の外ファンキー。それぞれの個性がしっかり主張していて、摩訶不思議な雰囲気が漂う「異種格闘技ジャズ」。ルーさんのアルト・サックスをメインとして考えた時、バックは敢えて「モード・ジャズ」である必要は無い。そういう観点で「お蔵入り」になったのではないか。しかし、演奏内容は充実している。不思議な響きを宿したハードバップである。
 
 
 
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2019年8月29日 (木曜日)

おどろおどろしいジャケ・1

ブルーノート・レーベルと言えば、そのジャケット・デザインのアート性が非常に高く評価されている。しかし、ブルーノート・レーベルの4300番台には、かなり「おどろおどろしい」ジャケットが沢山ある。どうして、そういうデザインを採用したのかはよく判らない。合成写真、イラストと表現手法は違えど、その「絵」の雰囲気は「おどろおどろしい」か「気色悪い」である(笑)。

4300番台がリリースされていた当時は、サイケデリック・アートやヒッピー・ムーヴメントが流行った時代。そういうトレンドに反応して、こういう「おどろおどろしい」ジャケット・デザインを採用したのだろうが、ジャズには全く合わない。しかも、その盤の内容にも、全く合致していないのだから始末が悪い。どうやって考えたら、こうなるのか。当時の担当者にその理由をしっかりと聞いてみたいものだ。

Lou Donaldson『Everything I Play Is Funky』(写真)。ブルーノートの4337番。1969年8月22日と1970年1月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as, vo), Melvin Sparks (g), Idris Muhammad (ds) は録音両日共通。1970年1月9日は、Blue Mitchell (tp),Lonnie Smith (org), Jimmy Lewis (b) が加わる。1969年8月22日は、Eddie Williams (tp), Charles Earland (org) が加わる。2セッションでメンバーの多少の入り繰りはあるが、音の統一感は揺るがない。
 
 
Everything-i-play-is-funky
 
 
さすがに4300番台。ポップで楽しみやすいジャズを追求している。冒頭の「Everything I Do Gon' Be Funky (From Now On)」はアラン・トゥーサンの曲で、もうこれはソウルそのもの。ソウル・ジャズというよりは、モータウンに通じるソウル・ミュージックそのもの。ソウルは声帯で唄うが、ドナルドソンはアルト・サックスで唄う。演奏全体のファンクネスの濃さは半端ない。
 
2曲目「Hamp's Hump」以降、ソウル・ジャズな演奏がズッと続くのだが、5曲目の「West Indian Daddy」はいきなり「カリプソ・ジャズ」が展開される。これが楽しい。ファンクネスを控えめに、ポップ度を増して、ルーさんが楽しく旋律を吹き上げる。この曲が始まると、周りの雰囲気がパッと明るくなる様な気がする。良い曲、良い演奏だ。そして、ラストの「Minor Bash」に至っては、ルーさんが大の得意の「ファンキー・ジャズ」。
 
切れ味良く、適度なテンションを張りながら、アルト・サックスで唄うようにファンキーなフレーズを連発する。これぞルーさん、と思わず声をかけたくなる、ご機嫌な「ファンキー・ジャズ」。おどろおどろしいジャケットだけど、中身は「ルーさん」てんこ盛り。しかし、どうやったら、こんなサイケで、おどろおどろしいジャケットになるのかなあ。ブルーノートの4300番台は不思議なことだらけである。
 
 
 
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