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2019年4月21日 (日曜日)

ブルーノートの4301番である。

ブルーノート・レーベルはジャズ・レーベルの老舗。ブルーノートの音を聴けば、ジャズの歴史、ジャズのトレンドがたちどころに判る。それだけの内容のある、由緒あるレーベルである。有名なラインナップとしては、1500番台、4000番台、4100番台、4200番台、4300番台、BN-LAシリーズ、Classic LTシリーズがある。
 
この中で、僕は4300番台が手薄である。4300番台のスタートは1969年。ジャズがポップスとロックに押され、コルトレーンという精神的支柱の大きな柱の一本を失い、エモーショナルなフリー・ジャズが台頭し、本来の純ジャズがマイナーな存在に押しやられた時代。しかし、まずは売れなければならない。イージーリスニング志向に舵を切って、大衆に受けようとするアプローチがひとつのトレンドだった。
 
Gene Harris & The Three Sounds『Elegant Soul』(写真左)。1968年9月19日の録音。ブルーノートの4301番。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Carl Burnett (ds)。このジーン・ハリス率いるピアノ・トリオが「スリー・サウンズ」。そこにストリングスが絡む。
 
 
Elegant-soul-4301  
 
 
いやはや、4300番台最初にして、ストリングス絡みの「イージーリスニング・ジャズ」である。冒頭の「Elegant Soul」を聴けばそう思う。しかし、である。曲が進むにつれて、ライトではあるが、ジャズ・ファンクな演奏に徐々に染まっていく。これが当時、大衆に受けたかどうかは定かでは無いが、2曲目以降に「こってこてファンキーな」ジャズ・ファンクが詰まっている。
 
3曲目の「Sittin' Duck」はライトでポジティブなジャズ・ファンク。続く「(Sock It To Me) Harper Valley P.T.A.」は女性ボーカルの絡みが思い切りソウルフル。8曲目は「Book Of Slim」、ストリングス込みのジャズ・ファンク。いやはや、冒頭の「Elegant Soul」に騙されるところだった。
 
しかし、このライトで耳当たりの良いジャズ・ファンクは大衆に受けたのだろうか。今の耳で聴けば、レトロな響きのするジャズ・ファンクで、これはこれで味がある。純ジャズ至上主義の硬派なジャズ者の方々からすると眉をひそめそうなジャズ・ファンクだが、このライトでコッテコテのファンクネスは聴き応え満点である。
 
 
 
東日本大震災から8年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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2019年3月11日 (月曜日)

スピリチュアルなソウル・ジャズ

21世紀に入って、様々なジャンルのジャズCDが入手出来る様になった。ネットショップで外国盤が直接購入出来る様になったことが大きい。それまでは日本盤に頼るしか無く、日本盤は売れ筋しかCDリイシューしないので、なかなかソウル・ジャズはリイシューされない。日本では人気がイマイチだから仕方が無い。

1990年代までは、米国盤については、海外出張でNYやSFOに行った折に、大手CDショップを訪問して、しこたまジャズCDを購入して日本に持ち帰ったもんだ。大体1回の出張で20〜30枚は買って帰った。今から考えれば、一体、何をしにNYやSFOに出張していたのか。え、勿論仕事です(笑)。

Benny Bailey Sextett『Soul Eyes (Jazz Live at Domicile Munich)』(写真左)。最近聴いたソウル・ジャズ盤。初見だった。1968年1月11日、ドイツはミュンヘンの "Domicile"でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Benny Bailey (tp), Nathan Davis (ts), Mal Waldron (p), Jimmy Woode (b), Makaya Ntshoko (ds), Charly Campbell (congas)。
 

Soul_eyes  

 
メンバーを見渡すと、ハードバップ期から活躍している有名なメンバーはピアノのマルくらいかなあ。ソウル・ジャズのパーソネルの特徴は、それまでのビ・バップ〜ハードバップの流れとは異なる個性を持ったメンバーを選んでいること。これがハードバップを聴き込んできたジャズ者の方々からすると取っ付きが悪いのかなあ。

演奏は熱気ムンムン、コッテコテのソウル・ジャズ。聴いていて思わず体が動いて、とても楽しい気分になる。ベニー・ベイリーはトランペッター。彼の肉厚でファンキーなトランペットがソウルフルに鳴り響く。ゴリゴリなネイザン・デイヴィスのテナーも良い感じ。このフロント2管の、ソウル・ジャズながら、アーシーでスピリチュアルな響きが印象的です。

ファンクネスが滴るような数々の演奏。ソウル・ジャズは聴いているだけでハッピーな気分になります。気分転換にピッタリ。気分をガラリと変えたい時にはソウル・ジャズですね。1968年のリリースながら、ジャケットもタイポグラフィーがばっちり決まって、なかなか格好良いです。ソウル・ジャズの好盤としてお勧め。

 
 
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2019年3月 9日 (土曜日)

ソウル・ジャズの基本盤の一枚

僕がジャズを聴き始めたのは、今から40年前。1978年から本格的にジャズ盤を集集し始めた訳だが、その頃、ジャズについては、フュージョン・ジャズの大ブームの真っ只中。加えて、ハービー・ハンコックの「V.S.O.P」クインテットが切っ掛けとなって、純ジャズが見直され始めていた。

逆に、ジャズの中でもポップな方向に発展した「ソウル・ジャズ」や「ジャズ・ファンク」は忘れ去られていった。特に我が国では、「ソウル・ジャズ」や「ジャズ・ファンク」は俗っぽさの象徴として、硬派なジャズ者の方々から毛嫌いされた。しかも、である。当時の我が国はこの「硬派なジャズ者の方々」が多いことから、この「ソウル・ジャズ」や「ジャズ・ファンク」のアルバムはレコード屋の店頭に並ぶことは無かった。

しかし、もともとR&Bやソウル・ミュージックが好きな僕は、この「ソウル・ジャズ」や「ジャズ・ファンク」がお気に入りのジャズ・スタイルの1つ。この「ソウル・ジャズ」や「ジャズ・ファンク」のCD復刻がなったのは、1990年代半ば以降と記憶している。そして、21世紀に入って、この10年でやっと、「ソウル・ジャズ」や「ジャズ・ファンク」の基本盤はあらかたCDリイシューされた。
 

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Valerie Capers『Portrait In Soul』(写真左)。1966年のリリース。盲目の黒人女流ピアニスト、ヴァレリー・ケイパースのリーダー作である。ちなみにパーソネルは、Valerie Capers (p), Vincent McEwen (tp), Robin Kenyatta (as), Frank Perowsky (ts), John Daley (b), Richy Landrum (conga, ds), Chrly Hawkins (ds)。アルバムの基本的な雰囲気は「ソウル・ジャズ」。

冒頭の「Little David Swing」などは、ゴスペル調の雰囲気が漂う、高速テンポのソウル・ジャズだが、例えば、5曲目の「Odyssey」などは疾走感溢れるモード・ジャズである。ケイバースのピアノは切れ味が良く真摯なタッチ。決して安易にポップに傾かず、過度なファンクネスを戒めている。アルバム全体を覆うストイックさが故、この盤には俗っぽさよりもどこかアーティスティックな雰囲気が漂う。

僕はこの盤を21世紀になってから知りました。この盤はソウル・ジャズの要素とジャズ・ファンクの要素をモード・ジャズに融合した様な雰囲気で実にユニーク。ソウル・ジャズの基本盤の一枚として、是非聴いて頂きたいアルバムです。ブラック・ミュージックな雰囲気が濃厚で、これもジャズやなあ、と改めて感心してしまいます。

 
 
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2019年2月 4日 (月曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・66

ああ、このアルバムはええなあ、このエレギはええなあ。1973年、時代はクロスオーバー・ジャズの流行期。この盤の基本は「ソウル+エレジャズ」のクロスオーバー。しかし、この盤の音世界はその先を行っている。ファンキーでメロウなエレクトリック・ジャズ。1970年代後半からの「フュージョン・ジャズ」の先駆けである。

David T. Walker『Press On』(写真左)。1973年のリリース。ちなみにパーソネルは目立ったところで、David T. Walker (G), Harvey Mason (Dr), Charles Larkey (B), Joe Sample (Key), Bobbye Hall (Congas etc) 等々。キャロル・キングの『Fantasy』録音というきっかけで集まったメンバーが、その手応えを携えて録音されたアルバム。

ソウルの名曲の数々をメロウなエレギでカヴァー、ニュー・ソウル的なクロスオーバー・ジャズである。エレギのフレーズはファンクネス濃厚、優しく美しいメロウな音色。ミドルな速さで弾き進める、歌心溢れるアドリブ・フレーズはまさに「ソウルフル」。も〜たまらん、である(笑)。今から40年ほど前、ジャズを聴き始めた頃にこの盤に巡り会って以来、ずっと大好きなクロスオーバー・ジャズ盤の一枚。
 

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David T. Walker(デヴィッド・T.ウォーカー)は、米国オクラホマ州出身のクロスオーバーなギタリスト。1941年生まれなので、今年で78歳。バリバリ現役、伝説のソウル・ギタリスト。モータウンでの活躍はつとに有名。デヴィッド・T.ウォーカーのギターは決してジャズに縛られない。ジャズをメインにソウル、R&B、ロックなどを融合したファンキー&メロウなギターで、この音は唯一無二。

硬軟自在でニュアンスが豊富なエレギの音は、Isley Brothersの「I Got Work To Do」、Stevie Wonderの「Superstition」、Carol King「Brother Brother」、The Beatlesの「With a Little Help From My Friend」など、1960〜70年代ソウル好きには堪らないカヴァー曲で絶好調。自身の手になるジャズファンク曲「Press On」でも切れ味良く格好良い。

デヴィッド・T.ウォーカーのエレギが思いっきり格好良い。ソウルでファンキーでメロウなエレギ。ニュアンス豊かで、こだわりなく自然にシンプルに弾き進めていくデヴィッド・T.ウォーカーのエレギは絶品。こういうギターは何時までも聴き続けることが出来ますね。思えばもう40年、聴き続けています。

 
 

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2018年10月 9日 (火曜日)

品の良い端正なソウルジャズ盤

ブルーノート・レーベルは硬派なジャズ・レーベルだと思われているが、実はそれぞれの時代のトレンドをいち早く押さえた、先取的なレーベルでもある。1960年代後半からのジャズ・ファンク、1970年代「ニューノート」の異名で知られる70年代のフュージョンの時代にユニークな盤がてんこ盛りである。同時代のソウルやファンクとも共鳴する新しい感覚のブラック・ミュージックを積極的にアルバム化している。

ということで、ファンキーなソウルジャズ盤である。The Three Sounds『Soul Symphony』(写真左)。1969年8月の録音。ブルーノートの4341番。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p), Henry Franklin (b), Carl Burnett (ds) のピアノ・トリオが「The Three Sounds」、このピアノ・トリオをメインに、David Duke, Art Maebe (french horn), Buddy Collette (fl), Fred Robinson (g), Alan Estes (perc)が客演する。

ブルーノートの栄えある1500番台のラスト、1600番で鳴り物入りレビューした、ジーン・ハリス(写真右)率いるピアノ・トリオ「The Three Sounds」。ブルーノートのお抱えピアノ・トリオとして鳴らしてきたスリーサウンズが、なんとこってこてファンキーなソウルジャズに変身している。僕はこの盤を初めて聴いた時、スリー・サウンズとは全く判らなかった。アルバム・ジャケットを見てビックリ。
 

Soul_symphony

 
ファンキーなソウルジャズとは言っても、1969年なのでまだまだ端正で品の良いソウルジャズである。ストリングスが入ったり、コーラスが入ったりで、アレンジも豪華。それでも、ファンクネスはタップリ、オフビート芳しい、ユルユルなノリのミッドテンポ。思わず、ゆらゆらと体が揺れる。品の良い端正なソウルジャズ。そんなジャズロックをアコースティックなピアノ・トリオをメインにやるのだから、その音はかなりユニーク。

タイトル曲の「Soul Symphony」は26分越えの大作。端正で品の良いソウルジャズなんが、演奏の途中、何度もファンキーな転調を経て、バラエティーに富んだ展開が素晴らしい。そんなソウルジャズな演奏がてんこ盛りなんだが、ピアノ・トリオがしっかりとジャジーな音を展開させているところが良い。そこが「品の良い」という印象を受けるところなんだと思う。

じっくり聴くも良し、ながらで聴くも良し、とっても聴き心地の良いソウルジャズです。アルバム・ジャケットは、1969年のリリースなんで、もはやブルーノートらしさは全く無い「ふぁんき〜」なデザインなんだが、このデザインに怯んではならない。我が国の硬派なジャズ者の方々からは忌み嫌われるソウルジャズですが、決して俗っぽくはありません。中身の音は素性の良いソウルジャズです。

 
 

東日本大震災から7年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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