2022年1月20日 (木曜日)

ポップなウィントン・ケリー盤

ウィントン・ケリーのピアノは、健康優良児的なファンキーで明るいタッチ。しかし、その奥に見え隠れするブルージーな哀愁感が堪らない。転がる様に軽く飛び跳ねるように軽快なフレーズの中に、そこはかとなく漂う粘り。ケリーのピアノは、実に親しみ易いもので、聴いていて楽しく、リラックス度満点のピアノである。

Wynton Kelly『It's All Right!』(写真左)。1964年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Wynton Kelly (p), Kenny Burrell (g), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds), Candido Camero (conga)。6曲目の「The Fall of Love」には、The Tommy Rey Caribe Steel Bandという、スティール・パン&マラカス軍団が加わっている様だ。

この盤は、Verveレコードからのリリース。Verveレコードは当時、大衆向け音楽の大手レーベル。ジャズについても、大衆向けのファンキー・ジャズやソウル・ジャズを量産していた。このケリーの『It's All Right!』は、そんなVerveのジャズ大衆路線の一環。プロデューサーは、後の「フュージョンの仕掛け人」、クリード・テイラー。
 
Its-all-right_wynton-kelly

 
アルバム全体の印象は、聴いて楽しい、アーバンでダンサフルな「ソウル・ジャズ&ラテン・ジャズ」。垢抜けたソウル・ジャズ、そして、当時流行のラテン・ジャズ。Verveのジャズ大衆路線の面目躍如。ケリーの親しみ易い、聴いて楽しいピアノが、この「大衆向けのジャズ」にピッタリ。

キャンディドのコンガが効いている。ゲスト参加のスティール・パン&マラカスが効いている。特に、ラテン・ジャズ志向の演奏については両者、効きまくっている。ポップでダンサフルな雰囲気を撒き散らしている。そして、ケニー・バレルの漆黒アーバン・ギターもバッチリ効いている。アーバンで夜のジャズな雰囲気を思いっ切り増幅する。

ジャケットも、独特な「American cartoon(米国漫画)」風のユニークなジャケットで、とてもジャズのアルバムとは思えない。さすがは、Verveレコードである。ともあれ、お気楽なポップ志向のジャズ盤っぽいが、ケリーのピアノ、バレルのギター、それぞれの個性を最大限発揮していて申し分無い。気楽に聴き流して楽しいケリー盤である。
 
 
 
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2022年1月15日 (土曜日)

ブルーノートの懐の深さを感じる

ブルーノート・レーベル4000番台は、純粋にジャズ出身のミュージシャンばかりで無く、R&B畑出身のミュージシャンにもリーダー作のチャンスを与えている。こういうところは、本当にブルーノートって懐が深い。他のレーベルとは異なり、レーベルとして、商業主義とはかけ離れた、確固たるアルバム制作の方針があるからだろう。

Fred Jackson『Hootin' 'n Tootin'』(写真左)。1962年2月5日の録音。ブルーノートの4094番。ちなみにパーソネルは、Fred Jackson (ts), Earl Van Dyke (org), Willie Jones (g), Wilbert Hogan (ds)。フレッド・ジャクソンは、R&B出身のテナー・サックス奏者。ジャクソンのテナーがフロント1管、ギター、オルガン、ドラムがリズム隊の変則カルテット編成。

リトル・リチャーズのバンド出身という変わった経歴を持つテナー奏者のリーダー作である。確かに、どっぷりジャズなテナー・サックスでは無い。どこかポップ、ブルージーでソウルフルなテナー・サックスで、後の「ソウル・ジャズ」の先駆け的な、ファンキーでR&B志向のジャズを聴くことが出来る。決して、メインストリームなジャズでは無い。
 

Hootin-n-tootin

 
全曲オリジナルというところも、メインストリームなジャズっぽく無い。どの曲もファンキーでソウルフルな演奏で、1950年代にジャズ界を席巻した「ハードバップ」や、マイルスが先鞭をつけた「モード・ジャズ」などとは、音の雰囲気が全く異なる。ジャクソンのテナーもR&B志向のファンクネス漂う、ブルージーで、どこか親しみ易いキャッチャーな音が特徴的。聴いていて「楽しい」テナー・サックスである。

後のモータウンの人気オルガン奏者、アール・ヴァン・ダイクのプレイも聴きどころ。これまた、ジミー・スミスなどの、いかにもストイックでジャジーなオルガンとは全く異なる、親しみ易くソウルフルな、そして、どこかポップなオルガンは、純ジャズの世界には無い響き。そして、素姓は良く判らないが、ウィリー・ジョーンズのこってこてソウルフルなギターも良い味を出している。

このジャクソン盤はどう聴いても、ハードバップでも無ければ、ファンキー・ジャズでも無い。明らかに後のソウル・ジャズの先駆的な音と言える。収録された曲は全てジャクソンのオリジナルで固められ、ジャズ・スタンダード曲は皆無。そういう面でも、この盤は、ブルーノートにおける「異色作」であり、逆にジャクソンの意欲作であり、ソウル・ジャズの先駆け的な好盤と言える。
 
 
 
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2022年1月 9日 (日曜日)

ジュニア・マンスを偲ぶ・3

ジャズ盤紹介本にあるアルバムの評論文と実際にアルバムを聴いた印象のギャップがあるジャズマンって、結構あるな、って思っている。ジュニア・マンス(Junior Mance)もそんなジャズマンの1人で、我が国では、マンスのピアノが如何にウケが悪かったかを物語っている様で興味深い。

Junior Mance『Live At the Top of the Gate』(写真)。1968年9月、NYの「The Village Gate」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Junior Mance (p), David Newman (fl, ts), Wilbur Little (b), Rudy Collins, Paul Gusman (ds)。アルバムのサブ・タイトルに「Guest Artist David Newman」とあるように、サックス奏者のデヴィッド・ニューマンをフロント1管に迎えたカルテット編成。

ライヴということもあって、冒頭の「Before This Time Another Year」から、こってこてファンキーなフレーズを弾きまくる。「総合力で勝負する」タイプのピアノで、独特の癖や奏法が無く、端正で明確なタッチで、ファンクネスだだ漏れのピアノを弾くのだ。聴いていて爽快感すら感じる、ドライブ感溢れるグルーヴィーなマンスのピアノ。

恐らく、これがマンスのピアノの「真実」なんだろう。バップでノリの良い、エンタテインメント性も併せ持った「総合力で勝負する」タイプのピアノは、聴いていてとても楽しい。
 

Live-at-the-top-of-the-gate

 
これぞ「モダンなジャズ・ピアノ」という演奏が詰まったライヴ盤であるが、今まで、我が国のジャズ盤紹介本では見たことが無い。そんな状態なので、マンスについて、我が国で人気が出るはずが無い。

しかし、実際に自分の耳で聴いてみて、このライヴ盤のこってこてファンキーなフレーズを弾きまくるマンスのパフォーマンスは強く印象に残る。ファンキー・ジャズの好盤として、ソウル・ジャズの好盤として、是非とも挙げたいライブ盤である。「The Village Gate」の聴衆もノリノリで聴いている。このライヴ感もなかなか良い雰囲気で、この臨場感も心地良い。

我が国では、マンスの代表盤と言えば、初リーダー盤の『Junior』ばかりが挙げられるのだが、この盤は、他のリーダー作と比べると、初リーダー作ということもあって「大人しすぎる」。マンスのピアノの個性はシッカリ感じられるが、「バップでノリの良い、エンタテインメント性も併せ持った」という面では、他のリーダー作の方が優れているだろう。

それほどまでに、ジャズ盤紹介本にあるアルバムの評論文と実際にアルバムを聴いた印象のギャップがあるマンスである。昔と違って、今では、サブスク・サイトを含め、マンスのリーダー作は結構耳にすることが出来る環境にある。今一度、マンスのリーダー作を実際に自分の耳で聴いて、マンスのピアノの真の個性を実感して欲しいなあ、と思うのだ。
 
 
 
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2021年11月24日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・222

ブルーノート・レーベルが、他のレーベルと比べて優れているのは、1950年代〜1960年代のジャズ・シーンを俯瞰的に見て、売れ筋で無いにしろ、その時代のジャズのトレンド、ジャズの個性を踏まえた、ジャズマンのチョイスとリーダー作の制作にある。ブルーノート・レーベルの諸作をカタログ順に聴くだけで、1950年代〜1960年代のジャズの歴史が判る、と言われるのは、まさに「言い得て妙」。

その20年間のジャズのトレンド、演奏スタイルの全てが押さえられている。後に有名となるジャズマンがチョイスされていない、という指摘もあるが、それはそのジャズマンが「ジャンキー(麻薬常習者)」だったからだろう。ブルーノート・レーベルは「ジャンキー」を基本的にチョイスしなかった。

Leo Parker『Let Me Tell You 'Bout It』(写真左)。1961年9月9日の録音。ブルーノートの4087番。ちなみにパーソネルは、Leo Parker (bs), John Burks (tp), Bill Swindell (ts), Yusef Salim (p), Stan Conover (b), Purnell Rice (ds)。リーダーのレオ・パーカーのバリトン・サックス(バリサク)とトランペット、テナー・サックスのフロント3管の重厚なセクステット編成。
 

Let-me-tell-you-bout-it

 
セクステットのメンバーを見渡すと、メインストリームなジャズ畑にはいない、通常のジャズ者から見れば「知らない名前」ばかりが並んでいる。リーダーのレオ・パーカーは、バップを始める以前はR&Bバンドに参加してたという。メンバーはR&B系のミュージシャンがメイン。そう、この盤、ビ・バップとR&Bが混在した様な音世界。これが実にユニーク。純ジャズなハードバップとはちょっと雰囲気が異なる、ビートの効いた、どこかダンサフルでソウルフルな「バップ」。

そして、レオ・パーカーの担当楽器のバリサクの音がこれまたユニーク。テナーよりも低い、重低音が鳴り響く大柄なサックスなんだが、この音がこれまた、こってこて「ファンキーでソウルフル」。重低音を担当する楽器なので、速いフレーズが苦手、そして、ピッチが緩みがち。緩みそうで緩まずバリバリ吹きまくる。そんな「スリリングなユルユル感」がたまらない。R&Bなダンサフルなフレーズが織り込まれたバリサクは唯一無二。

こんなR&B系のメンバーが奏でるジャズをしっかり記録しているところが、実にブルーノートらしい。音作りも、R&B系のポップなジャズにも関わらず、実にブルーノートらしい、正統派なガッチリ整った「ジャズの音」に仕上げている。レオ・パーカーのバリサクのテクニックも優秀。バリサクを楽しめる盤としてもこの盤はお勧めである。
 
 
 
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2021年11月 6日 (土曜日)

オルガン・ジャズの傑作&名盤

昨日のブログで、スタンリー・タレンタインのテナー・サックスはオルガンと相性が良い、と書いて、そう言えば、このジャズ・オルガンのレジェンドの強烈な音とアドリブ展開に負けずに、対等な立場で「タイマン」を張ったテナー・サックスって、タレンタインだったなあ、ということを思い出した。

Jimmy Smith『Midnight Special』(写真左)。1960年4月25日の録音。ブルーノートの4078番。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Stanley Turrentine (ts), Kenny Burrell (g), Donald Bailey (ds)。オルガンのレジェンド中のレジェンド、ジミー・スミスの大ヒット盤。テナーにタレンタイン、ギターにバレルという「漆黒ブルージー」な布陣。

この盤のジミー・スミスのオルガンは、限りなくダンディーで優しい。いつもはプログレッシヴでオフェンシヴなオルガンで、前へ前へ、前のめりに、圧倒的テクニックをもって、凄まじい迫力のアドリブ・フレーズを弾きまくるのだが、この盤は違う。圧倒的テクニックはそのままに、力強くも優しい印象的なフレーズを弾きまくる。とても美しく流麗なフレーズ。

ジミー・スミスのオルガンは、プログレッシヴでオフェンシヴであるが故に、ファンクネスは控えめなのだが、そこに、タレンタインの「こってこてファンキー」で「ドップリ漆黒ブルージー」なテナーが溶け込む様に入ってくる。スミスの切れ味良いオルガンが浮き出てきて、タレンタインのテナーのお陰で、バックのトーンは「アーバンな真夜中なファンクネス」一色に染まる。
 

Midnight-special

 
そんなバックのトーンに、これまた「アーバンでジャジー」なバレルのギターが参入する。スミスのオルガンとはまた違った切れ味の、ギター独特のフレーズが「お洒落で小粋なファンクネス」を付加する。このバレルにギターの参入が、今までのスミス盤に無い、特別なファンクネスの要素を供給する。

そして、ドナルド・ベイリーのドラムが、これまた良い仕事をしている。スミスの長年の相棒ドラマーは、スミスのそれぞれの弾き回し毎に、最適なリズム&ビートを供給する。スミスにとって、安心&安定のドラミング。

オルガン・ジャズを代表する名盤である。オルガン・ジャズを聴きたい、と言った向きにには、まずこの盤を聴いて頂きたい。この盤でのジミー・スミスのオルガンが、ジャズ・オルガンの「第一の基準」だろう。

この盤は売れたらしい。零細企業だったブルーノートの懐を潤したと聞く。それも納得の内容。オルガン・ジャズとして充実した内容を誇り、演奏の心地良さ、聴き易さ、歌心も抜群。これは売れるよな。スミスは、この盤の後、4100番の『Plays Fats Waller』にて、ヴァーヴ・レーベルに移籍する。この盤は、ブルーノートへの「売り上げ」の置き土産となったアルバムでもある。
 
 
 
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2021年10月14日 (木曜日)

フュージョンの歴史の記録

フュージョン・ジャズの始まりはどこか、なんて議論が昔あった。クロスオーバー・ジャズは判り易かった。基本的に、ジャズにロックの要素を取り込む、ジャズにクラシックの要素を取り込むのが、クロスオーバー・ジャズ。大多数、ジャズにロックの要素を取り込み、8ビートな演奏を展開するのが主流。楽器はエレギ、エレベ、エレピ、シンセなどの電気楽器がメインだった。

そこに「ソフト&メロウ」な要素を強調したクロスオーバー・ジャズを「フュージョン・ジャズ」と呼ぶようになった、という記憶がある。実は、このフュージョン・ジャズの大ブームは、リアルタイムで体験していて、実感としては1970年代半ば辺りから、フュージョン・ジャズが台頭しだした感覚がある。FMでもフュージョン・ジャズが率先してオンエアされていた。

Mike Mainieri And Friends『White Elephant』(写真)。1972年の作品。ちなみにパーソネルは、Mike Mainieri(key,vo,per,arr), Joe Beck(g), Warren Bernhardt(key), Michael Brecker(ts), Randy Brecker(tp), Sam Brown(g), Ronnie Cuber(bs), Jon Faddis(tp), Steve Gadd(ds), Tony Levin(b), Donald MacDonald(ds), ,Lew Soloff(tp), David Spinozza(el-g,ac-g), Ann E. Sutton(vo), Frank Vicari(ts), George Young(as)等々、後のフュージョン・ジャズの中で活躍するメンバーばかりがズラリ。

フュージョン・ジャズの「最大の幻の名盤」といわれたアルバム。もともとは自主制作のような形でリリースされたオリジナルLPで、1000枚程度しかプレスされなかった。マスターテープが発見され、1994年に未発表曲入りでCDにてリイシューされた時は、フュージョン・ジャズの起点ともいえる歴史的な問題作という触れ込みで、大きな話題を呼んだ。
 

White-elephant-1

 
内容はといえば、ジャム・セッション風の演奏のオンパレード。マイク・マイニエリいわく「く自然発生的に、全く実験的に作られたもの」。1972年という時代に立ち戻って、この盤の音を聴くと、こういうサウンド・アプローチをしたバンドやジャンルは無かったと思う。具体的には、ソウル・ジャズの電気化、R&Bのジャズ・ロック化、ジャズとロックの融合、ジャズのダンス・ミュージック化、など、当時としては、かなり先進的なアプローチである。

演奏レベルは荒削りなものが多い。かなり時代を感じさせるものもあって、この「洗練されていない」がネックだった。電気楽器はまだまだ発展途上だったし、電気楽器の録音技術もまだまだだった。当然、フュージョン・ジャズ全盛期の音を知る人がこの盤の音を聴くと、そっぽを向くだろう。しかし、サウンド・アプローチは先進的でセンスが良くて「粋」。当時としては「早過ぎた」のかもしれない。

後のフュージョン・ジャズにおいて、多用されるコーラス・アレンジや、ブラス・アレンジのサンプルがこの盤に散りばめられており、電気楽器の有効活用の「志向」についても、後のフュージョン・ジャズの諸作で、当たり前の様に応用されている。ただ、売れるようになるには、電気楽器と録音技術の劇的な進歩が必要だった。その劇的な進歩の成果を日常で活用するようになったのが、1970年代半ばなのだ。

この『White Elephant』は、フュージョン・ジャズの貴重な歴史の記録である。通常のジャズ者の方々にはあまりお勧めしない。フュージョン・ジャズのマニア、いわゆる「フュージョン者」の方々は、どこかでこの盤は一度は聴いて欲しい。フュージョン・ジャズは「時代の徒花」「商業主義ジャズの代表格」と散々揶揄されてきたが、この盤を聴くとその感覚も変わるかと。当時の若手ジャズマンが知恵を絞り、一生懸命考えた、新しいサウンド・アプローチのジャズのプロトタイプがこの盤に詰まっている。
 
 
 
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2021年10月 4日 (月曜日)

Full Moonってバンド知ってる?

10月に入って、さすがに朝夜は涼しくなった。涼しくなると聴き始めるのが「クロスオーバー&フュージョン・ジャズ盤」。何故だか判らないが、恐らく、フュージョン・ジャズ独特の「ハイテクニックでポップでキャッチャーな」音世界が、真夏の蒸し暑い酷暑の中で聴くにはハード過ぎるのだろう。汗をギトギト流しながら音楽を聴く、なんて、全くスマートやないよね。

ということで、今日、選んだアルバムは『Full Moon』(写真)。1972年のリリース。「Full Moon」とは、1970年、NYにて結成された5人組の「クロスオーバー・ジャズ」なバンドである。ジャズ、ロック、ソウル、R&Bな音楽要素がごった煮に融合された、良い意味で「摩訶不思議な音世界」を現出している。1972年のリリースだが、クロスオーバー・ジャズの後に来る「フュージョン・ジャズ」の先駆け的内容でもある。

Paul Butterfield Blues Band に在籍した、Fred Beckmeier (b), Buzz Feiten (g), Brother Gene Dinwiddie (sax) に、キーボード担当のスタジオ・ミュージシャンとして活躍していた Neil Larsen (key) とセッション・ドラマーの Phillip Wilson (ds) が加わった5人組。
 

Full-moon-original

 
いずれのメンバーも担当楽器に関して専門性が高く、とにかくハイテクニック。出てくる音は相当にハイベルな演奏である。このハイレベルな演奏が1972年に実現されていたなんて、今でもビックリ。この5人のメンバーによる「Full Moon」は俗に「オリジナル Full Moon」と呼ばれていて、本作はその唯一のアルバムになる。

本作の収録曲は7曲。インスト曲が2曲、3曲目「Malibu」と 5曲目「Midnight Pass」。このインスト曲はクロスオーバー・ジャズ志向で、ハイテクニック、そして、ジャズとロックの融合の色合いが濃い。5人が5人ともに、テクニックの粋を尽くし、構築美溢れるインストを展開する。リズム&ビートの扱いが複雑かつジャジーなので、このインスト曲は「ロック」では無い。あくまで、クロスオーバー・ジャズの範疇の魅力ある演奏と言って良い。

残りはヴォーカル曲という構成であるが、このヴォーカル曲が住み置けなくて、ブルースやロックをベースにしながら、ジャズやソウル、ポップといった要素を取り入れており、後のフュージョン・ジャズの先駆け的演奏と評価して良い。ソフト&メロウな要素が少なく、まだまだ発展途上のパフォーマンスではあるが、ソウルフルでR&Bな演奏とボーカルは雰囲気があって良い。
 
 
 
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2021年10月 2日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・220

やっと涼しくなってきた。日中、気温が高くなることはあるが、朝夕、そして夜は涼しくなって、秋らしくなった。涼しくなると、日頃聴くジャズのジャンルの幅も増える。我がバーチャル音楽喫茶『松和』の場合、まず、電気楽器中心のエレ・ジャズ、クロスオーバー&フュージョン・ジャズのアルバムを聴く機会が増える。

『The Gadd Gang』(写真左)。1986年のリリース。ちなみにパーソネルは、Steve Gadd (ds,perc,vo), Richard Tee (key, vo), Eddie Gomez (b), Cornell Dupree (g)。グループ名は「The Gadd Gang」。ここに、Ronnie Cuber (bs), Jon Faddis, Lew Soloff (tp), Barry Rogers, David Taylor (tb), Michael Brecker, George Young (ts) が、ゲストで参加している。(Ronnie Cuber (bs)は、後にThe Gadd Gangに参加)。

「The Gadd Gang」の面子を見渡すと、あの伝説のフュージョン・グループ「スタッフ」から3人が参加、そこにベースのゴメスが加わった4人組であることが判る。音の志向としては、フュージョンな「ジャズ・ファンク」であろうことは想像がつくのだが、聴いてみると、ソウルフルでR&B志向が色濃く出た「ジャズ・ファンク」であることが判る。

しかし、収録曲を見渡すと、ソウル・ミュージックやR&Bの名曲を安易にカヴァーした訳ではないことが判る。ガッド・ギャングのメンバーの曲が4曲、あとはボブ・ディランの名曲、ウィルトン・フェルダー作のフュージョン・ファンクな曲、そして、こってこてソウル・ミュージックのカヴァーはラストのメドレーのみ。それでも、この盤はソウルフルでR&B志向が色濃く出た「ジャズ・ファンク」で溢れている。

① Watching The River Flow (Bob Dylan)
② Strength (S.Gadd, R.McDonald, W.Salter)
③ Way Back Home (Wilton Felder)
④ Morning Love (Eddie Gomez)
⑤ Duke's Lullaby (Steve Gadd)
⑥ Everything You (Richard Tee)
⑦ Honky Tonk (B.Doggett, S.Shepard, C.Scott, B.Butler)
  ~I Can't Stop Loving You (D.Gibson)
 

The-gadd-gang

 
まず、ガッドの叩き出すドラムのリズム&ビートが、ソリッドでしなりのある「縦ノリ」で、ファンクネスが溢れている。そこに、こってこてファンキーなティーのキーボードが絡む。更に、デュプリーのソウルフルなエレギがファンクネスを増幅させる。そして、タイトでブンブン唸るゴメスのベースがファンキーなベースラインを浮き立たせる。

特に、この盤のティーのキーボードは、こってこてファンキー。アコ・ピアノの幅広なスケールを活かした弾きっぷり、フェンダー・ローズの音の「伸びと揺らぎ」の特性を最大限に活かした「溢れんばかりのファンクネス」。特に、この盤でのティーのフェンダー・ローズのパフォーマンスは絶品。こってこてファンキーで流麗なフェンダー・ローズを堪能出来る盤としても、この盤はお勧めだ。

デュプリーの唄う様なソウル・エレギもファンクネス満タン、ゴメスのアコベが弾き出すファンキーなベースラインは耳新しく、違和感無くファンクネスを上乗せする。そうそう、ところどころで出てくる、ティーとガッドのボーカルもソウルフルで良い味を出している。特にティーの歌唱については、R&Bなボーカリストとして十分評価出来る優れものである。

冒頭のボブ・ディランの「Watching The River Flow」ですら、ソウルフルでR&Bな曲に変身していて、ガッド+ティー+デュプリーの「スタッフからのスピンアウト組」の、フュージョンにおける音の志向が、ソウルフルでR&B志向が色濃く出た「ジャズ・ファンク」であることが本当によく判る。スタッフのソウルフルでR&B志向は、この3人によるところが大きかったのですね。

音楽音源のサブスク・サイトにはアップされていないみたいで、中古CDを探すしか無いアルバムですが、フュージョン・ジャズ者の方々には是非一聴をお勧めしたい名盤だと思います。
 
 
 

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2021年8月30日 (月曜日)

ルーさんの初オルガン・ジャズ

我が国では、僕がジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半、オルガン入りのジャズについては、あまり評判は良くなかった。ファンクネス濃厚で、ソウルフルでポップなジャズ、というイメージから「俗っぽい」ジャズである、というレッテルを貼られて、硬派なジャズ者の方々のみならず、評論家の方々を含めて、評価は芳しく無かったと記憶している。

オルガン・ジャズが復権してきたのは、1980年代後半、レア・グルーヴのムーヴメントがジャズに押し寄せ、ソウルフルでポップなジャズ、踊れるジャズとして再評価されて以降である。また、純ジャズ復古後、新伝承派を中心とした、純ジャズ偏重、ハードバップ偏重に対する反動から、ソウルフルでポップなオルガン・ジャズが再評価された経緯もある。

Lou Donaldson『Here 'Tis』(写真左)。1961年1月23日の録音。ブルーノートの4066番。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Baby Face Willette (org), Grant Green (g), Dave Bailey (ds)。ビ・バップ以降、ブルーノートの看板アルト・サックス奏者として活躍してきたルー・ドナルドソン(ルーさん)の初のオルガン・ジャズである。
 

Here-tis

 
バックを固めるメンバーが良い。ファンクネス濃厚、硬派でプログレッシブなオルガンが個性のベビー・フェイス・ウィレット、パッキパキなシングルトーンが個性、ファンクネスだだ漏れギターのグラント・グリーン。地味だがスインギーでファンキーなドラマー、ディヴ・ベイリー。ここに、ルーさんの切れ味の良いファンキーで陽気なアルト・サックスがフロントを仕切る。

とってもソウルフルでポップでファンキーなオルガン・ジャズである。バックのリズム隊がむっちゃファンキーでグルーヴィーでソウルフルなので、ルーさんのアルト・サックスの本質である、とてもハッピーな吹きっぷりで、翳りや哀愁、モーダルで理知的な響きとは全く無縁な「明るくビ・バップ風のブリリアントで高速な吹き回し」がとっても引き立つのだ。

オルガン・ジャズ、ここに極まれり、という感じの優秀盤。前述の様に、我が国では以前はオルガン・ジャズは異端であり、敬遠されていたのだが、どうして、このオルガン・ジャズ盤を聴いて思うのだが、これって「ご機嫌なジャズ」ではないか。ファンキー、ポップ、そしてソウルフル。ジャズを楽しむオルガン・ジャズ。僕は好きですね〜。
 
 
 
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2021年7月25日 (日曜日)

西海岸のソウルフルなジャズ

ジャズ盤の裾野は広い。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌に「優秀盤」としてその名前が挙がるジャズ盤ばかりが全てでは無い。特に、インターネットが普及して、海外のジャズ盤の情報が入ってきたり、ジャズ盤の音源が気軽にダウンロードして聴くことが出来る様になって、まだまだ未知の「小粋なジャズ盤」の存在に気がつく様になった。

Curtis Amy & Frank Butler『Groovin' Blue』(写真左)。1960年12月10日と1961年1月10日、ハリウッドの「Pacific Jazz Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、Curtis Amy (ts), Frank Butler (ds), Carmell Jones (tp), Bobby Hutcherson (vib), Frank Strazzeri (p), Jimmy Bond (b)。

カーティス・アミー(写真右)のテナー・サックスとカーメル・ジョーンズのトランペットの2管フロント、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブが入った、セクステット(6人)編成。米国西海岸で活躍した黒人テナー奏者カーティス・アミーと名ドラマー、フランク・バトラーの双頭リーダーによる「小粋なジャズ盤」である。

米国西海岸ジャズの範疇なので、馴染みの無い名前であるが、カーティス・アミーは、ファンクネス溢れるブロウが心地良い黒人サックス奏者。フランク・バトラーは西海岸ジャズの中での味のあるドラマー。
 

Groovin-blue
 

演奏全体の雰囲気は、西海岸では珍しいアーシーかつソウルフルなもの。しばらく聴いていると、東海岸のジャズかしら、と思ってしまう。

洒落たヴァイブはボビー・ハッチャーソン。ここでのハッチャーソンは、乾いて洒落たファンクネスを底に忍ばせた、クリアで耽美的なヴァイブ。アミーのこってこてなファンキーなサックスとの好対照な音と相まって、この盤独特の「聴かせるアーシーでソウルフル」なジャズ演奏を創り出している。

バトラーの小粋なドラミングもこの米国西海岸ジャズ独特の「聴かせる」ファンキー・ジャズに貢献していて、この盤を米国西海岸ジャズの中で「独特な音」にしている。

この盤は、米国西海岸ジャズの中での「聴かせる」ファンキー・ジャズ。珍しい存在で、こういう盤があるから、ジャズは面白い。ジャケットと出てくる音で、米国東海岸ジャズの「隠れた秀作」と勘違いしないで下さいね。私は最初聴いた時、完全に勘違いしました(笑)。
 
 
 
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