2021年10月22日 (金曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・8

ミンガス・ミュージック。雰囲気的になんだか難解な印象で、しかもバリバリ硬派な純ジャズ。時々、フリー・ジャズ的な雰囲気も時々不意を突くように入る。不協和音前提のユニゾン&ハーモニーは十八番中の十八番。振り返れば、実にジャズらしいジャズのひとつだと思うんだが、ジャズを聴き始めた頃は、このミンガス・ミュージックは実に「敷居が高い」。

Charles Mingus『Pithecanthropus Erectus』(写真左)。邦題『直立猿人』。1956年1月30日の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Mingus (b), Jackie McLean (as), J. R. Monterose (ts), Mal Waldron (p), Willie Jones (ds)。マクリーンのアルト・サックスとモンテローズのテナー・サックスが2管フロントのクインテット編成。ミンガス・ミュージックの最初の成果である。

この盤、ジャズ者初心者向けの名盤紹介に必ずと言って良い位、このタイトルが挙がるのだが、内容的には決して易しく無い。基本的に難解。ジャズの基本である即興演奏とジャズ演奏の自由度の高さ、ジャズの表現力の高さ、に着目したミンガス・ミュージックで、ハードバップが基調であるが、ビッグバンド志向の分厚いバンド・サウンドと自由度の高いアドリブ展開が特徴。
 

Pithecanthropus-erectus-mingus

 
アレンジが優れているのだろう、クインテット編成でビッグバンドの様な分厚い音。不安な気持ちを増幅させる様な不協和音の取り扱い。メンバーそれぞれのアドリブ演奏の自由度が高く、演奏スペースが広い。それでいて、テーマ部は整然とした、強烈に統制が取れたユニゾン&ハーモニー。そして、演奏全体の統制は、骨太でソリッドで強靱なミンガスのベースが執り行う。ミンガスのベースがあってこそ成立する「ミンガス・ミュージック」の極意がこの盤に詰まっている。

ジャズの表現力の高さは「A Foggy Day」で確認出来る。この曲はサンフランシスコのフェリー乗り場に向かうまでの霧の深い日の車のクラクション、警報の音、二日酔いの気怠さ等々、自らが感じた霧深き日の雰囲気を演奏で表現している、とミンガスはジャケ裏のライナーノーツで語る。この「表現力の高さ」は、このクインテット編成のメンバーそれぞれの力量に負うところが多い。それぞれが素晴らしいパフォーマンスを発揮している。

ポップな旋律、キャッチャーなメロディーはほぼ皆無。この盤は硬派で取っ付き難くはあるが、内容的には「良質のハードバップ」演奏が詰まっている。ストイックでその高度な内容はアーティスティックですらある。そういう意味でこの盤、初心者は要注意。ジャズを聴き始めて、即興演奏の妙とアドリブの優劣が判ってから、腰を据えて聴くことをお勧めする。
 
 
 

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2021年8月 1日 (日曜日)

ミンガス・バンドを聴き直す。

Charlis Mingus(チャールズ・ミンガス)の創り出す音が好きだ。もともとは骨太でソリッドなレジェンド級のベーシスト。加えて、コンポーザーでもあり、バンドのリーダーでもある。ミンガスの創り出す音は「ミンガス・ミュージック」と名付けられ、ハードバップが基調であるが、ビッグバンド志向の分厚いバンド・サウンドと自由度の高いアドリブ展開が特徴。

特に、ユニゾン&ハーモニーの音の重ね方とベース・ラインに独特のものがあって、どのアルバムもしばらく聴いていると「あ〜、これはミンガスやな」と判るくらいの強烈な個性である。ミンガスのベースの音は、これまた独特の響きがあって、演奏の中のベースの音を聴くだけで、「このベースってミンガスやな」と判るくらいである。

Charlis Mingus『Mingus In Europe, Vol.1』(写真)。1964年4月26日、西ドイツ(当時)でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Charles Mingus (b), Eric Dolphy (as, b-cl, fl), Clifford Jordan (ts), Jaki Byard (p), Dannie Richmond (ds)。エリック・ドルフィーとクリフォード・ジョーダンが2管フロントのクインテット編成。
 

Mingus-in-europe-vol

 
リズム・セクションは、ミンガスのベースに、バイヤードのピアノ、リッチモンドのドラムで、このリズム・セクションをとってみても、強力かつ唯一無二。そこに、フロント2管、アルトの早逝の鬼才、ドルフィーに、骨太なモーダル・テナーのジョーダンが絡む。振り返って見れば、素晴らしくユニークで強力なクインテットだったことが良く判る。

この盤のライヴ演奏については「とにかく聴いて欲しい」の一言。ミンガス率いる強力リズム隊の強烈なリズム&ビートに乗って、鬼才ドルフィーのアルトが嘶き、フルートが空を舞い、バスクラがファンキーでアーバンな妖しい低音を振り撒く。ジョーダンのテナーが疾走し、モーダルなフレーズを叩き出す。とにかく、バンド全体の疾走感と自由度が半端ない。

ミンガス・バンドはどの時代のアルバムを聴いても、ミンガス・ミュージック独特の音が必ず存在し、ミンガス独特のベースラインが存在していて、その唯一無二な個性は填まったら「とことん癖になる」。特に、ミンガス・バンド在籍時のドルフィーはユニークで素晴らしいの一言。久し振りにミンガス・ミュージックの一端に触れた訳だが、久し振りに、とことん、ミンガス・ミュージックを聴き込みたいと思い始めた。
 
 
 
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2021年7月22日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・214

各老舗のジャズ・レーベルには「こんなジャズマンいたんや」と思う、知る人ぞ知る玄人好みのジャズマンがいる。最近、サヴォイ・レーベルについては、カタログを眺めながら、これは、と感じる盤を順番に楽しみながら聴き直しているのだが、サヴォイ・レーベルでの「知る人ぞ知る玄人好みのジャズマン」の1人が「レッド・ノーヴォ」。

改めて、レッド・ノーヴォ(Red Norvo)は、米国イリノイ州の出身、1908年の生まれ。スイング期に活躍、ビ・バップ期には40歳を過ぎて、この時点で中堅のジャズマンということになる。但し、リーダー作はハードバップ期に集中していて、幾つかのレーベルになかなかの秀作を残している。1960年代に入って、リーダー作はほとんど途絶え、1999年4月に鬼籍に入っている。

Red Norvo Trio『Move!』(写真左)。1951年の録音。サヴォイ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Red Norvo (via), Tal Farlow (g), Charles Mingus (b)。当時として先進的な、ドラムレス、ピアノレスのトリオ編成。録音担当は(マスタリングのみかも)、ルディ・ヴァン・ゲルダー、プロデューサーはオジー・カディナ。録音も良好、内容的にも、ビ・バップを抜けて、ハードバップ風の演奏になっている。
 

Move

 
まず、リーダーのレッド・ノーヴォの品のある、硬質な音ではあるが流麗なヴァイブの弾き回しに耳を奪われる。ファンクネスをドップリ振り撒くのでは無く、スッキリとしたファンクネスを仄かに漂わせながらの、品のある弾きっぷりは聴き応えがある。さすが、スイング期に活躍しただけはある。アドリブ・フレーズはどれもが「スインギー」。

サイドマンの2人のパフォーマンスも素晴らしい。タル・ファーロウのギターは先鋭的。かなり硬質なピッキングでプレグレッシヴに、アグレッシヴに弾きまくる。旋律の弾き回しも素晴らしいが、ドラムレスな分、リズム楽器としてのファーロウのバッキングも見事。チャールズ・ミンガスのベースも骨太でソリッドで、その存在感は頼もしい限り。

LPサイズ単品でのCDリイシューがしばらく途絶えて、入手が難しい時期が続いたが、最近では、音楽のサブスク・サイトなどで、この『Move!』の音源を含んだ『The Savoy Sessions: The Red Norvo Trio』(写真右)がアップされていて(CDでもリリースされている)、やっと気軽に聴くことが出来る環境になった。
 
 
 
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2021年2月27日 (土曜日)

ブレーメンのミンガス 1975年

ブレーメンのミンガス、昨日の続きである。1964年、主力のエリック・ドルフィーが抜けて以来、しばらくの間、ミンガス・バンドは勢いを徐々に失う。時期的にポップスやロックの時代になったのに合わせて、ジャズがポピュラー音楽の中でマイナーな存在に落ちていった時期でもあったので、ストレート・アヘッドなジャズを旨とするミンガス・バンドとしては辛い時期だったと思う。

しかし、1974年の夏以降、テナー・サックスのジョージ・アダムス(George Adams), ピアノのDon Pullen(ドン・ピューレン)が加入して、ドルフィーを加えていた時代以来、久方ぶりに超強力メンバーをそろえたクインテット編成が成立。ドルフィーとはまた違った、ポジティブでスピリチュアルなアダムスのテナーが強力で、多弁で重量感のあるピューレンのピアノと相まって、極上のミンガス・ミュージックを再現している。

『Charles Mingus @ Bremen 1964 & 1975』(写真左)。チャールズ・ミンガス 1964年と1975年のブレーメン公演のライヴ音源。CD4枚組でのリリース。

CD1とCD2が「1964年4月16日、Sendesaal Radio Bremen’s Studio」での音源。CD3とCD4が「1975年7月9日 Post-Aula Auditorium Recorded by Radio Bremen」の音源。オリジナル・テープからリマスタリングした初の公式リリースである。
 
Charles-mingus-bremen-1975  
 
今日は、CD3とCD4、1975年7月9日の録音分について語りたい。ちなみにパーソネルは、Jack Walrath (tp), George Adams (ts, vo), Don Pullen (p), Charles Mingus (b), Dannie Richmond (ds)。先にご紹介した、テナーにアダムス、ピアノにピューレンを加えたクインテット編成。トランペットのジャック・ウォラスはそこそこリーダー作も出しているベテランだが、我が国ではほとんど無名。しかし、アダムスとの2管フロントは強力。

アダムスのテナーがエネルギッシュで、ストレートで切れ味良く、スピリチュアルなブロウが、ミンガス・ミュージックにピッタリ。ウォラスのトランペットも同傾向で、この2管フロントの迫力は凄まじいばかり。

ミンガスは強力な2管フロントを得て、安心して充実したうねる様な、鋼の様な、重低音ベースを弾き続ける。このミンガスのベースの迫力も凄まじいばかり。ピューレンの多弁で重量感のあるピアノとリッチモンドの覇気溢れるポリリズミックなドラミングが、これまた2管フロントを支え鼓舞していく。

演奏の適度なテンションとグループ・サウンドとしてのまとまりの面を踏まえると、演奏の充実度は1964年に勝るとも劣らない。ミンガスはこの録音の4年後、1979年1月5日に56歳の若さで逝去する。しかし、この1975年のクインテットの輝きは永遠に音源として残っている。
 
 

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  ・『TOTO』(宇宙の騎士) 1977

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  ・Yes Songs Side A & Side B

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  ・そしてタツローはメジャーになる
 
  
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2021年2月26日 (金曜日)

ブレーメンのミンガス 1964年

ハードバップからモード・ジャズ、硬派な純ジャズ路線が魅力の「ミンガス・ミュージック」。ジャズ・ベーシストのレジェンド、チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)率いるバンドが奏でる純ジャズは、どこまでも「ストレート・アヘッド」。1950年代からミンガスが亡くなる1970年代終盤まで、ミンガス・バンドの奏でるジャズは「ストレート・アヘッド」。

『Charles Mingus @ Bremen 1964 & 1975』(写真左)。チャールズ・ミンガス 1964年と1975年のブレーメン公演のライヴ音源。CD4枚組でのリリース。

CD1とCD2が「1964年4月16日、Sendesaal Radio Bremen’s Studio」での音源。CD3とCD4が「1975年7月9日 Post-Aula Auditorium Recorded by Radio Bremen」の音源。オリジナル・テープからリマスタリングした初の公式リリースである。

今日は、CD1とCD2、1964年4月16日の録音分について語りたい。ちなみにパーソネルは、Johnny Coles (tp). Eric Dolphy (as, fl, b-cl), Clifford Jordan (ts), Jaki Byard (p), Charles Mingus (b), Dannie Richmond (ds)。ミンガスとドルフィーとの最後の共演となった1964年の欧州ツアーでの一コマ。このツアーを終えて欧州に留まったドルフィーは、そのわずか 2ヶ月後に糖尿病の悪化で急逝してしまった。
 
 
Charles-mingus-bremen-1964
 
 
この音源は凄い。当時のミンガス・バンドの最高の演奏が詰まっている。特にエリック・ドルフィーが飛び抜けて凄いパフォーマンスを繰り広げている。一聴してすぐに判る、ドルフィー独特の「不思議に捻れた」フレーズ、エモーショナルでスピリチュアルな、それでいて耳につかない情感溢れるブロウ、エネルギッシュで爽快感溢れるアドリブ展開。この盤のドルフィーは絶好調。

もちろんミンガスのうねる様な、鋼の様な、重低音ベースも素晴らしい。取り分け、ソロをとる時の、ダンディズム溢れる、硬派で無頼漢な超弩級の重低音ベースはミンガスならではのもの。これだけ太くて重い重低音ベースはミンガスのものが一番だろう。それでいて、耳につかず、しっかりとフロントのブロウを支え鼓舞するのだから凄い。

ドルフィーの熱演とミンガスの鼓舞に応える様に、コールズのトランペット、ジョーダンのテナーも好演につぐ好演。ドルフィートのフロント3管はど迫力のユニゾン&ハーモニー。そして、リズム隊のバイアードのピアノ、リッチモンドのドラムもミンガス・ミュージックのリズム&ビートを適切に叩き出す。

今の耳で聴いても、この1964年のミンガス・セクステットは凄い。マイルスの1960年代黄金のクインテットに比肩するパフォーマンスだと思う。何故か我が国では人気が低いミンガスだが、そのパフォーマンスに「凡盤・捨て盤」はない。今回の公式リリース盤も素晴らしい内容。4枚組のちょっと重めのボリュームだが、聴き始めたら、あっと言う間の3時間弱、一気に聴き切ってしまう。好盤です。
 
 

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2018年10月 3日 (水曜日)

ミンガスは「ながら」に向かない

昔から「ながら族」であった。中学の頃から、音楽を聴きながら勉強すると能率が上がった。学生の頃は音楽を聴きながら、本や論文を読むと能率が上がった。この「ながら」の音楽については向き不向きがある。基本的にフュージョン・ジャズは向くが純ジャズは向かない。音楽の良し悪しとは比例しない。逆に良い音楽の方が「ながら」に向く。

逆に「ながら」に絶対に向かない音楽もある。ジャズで言えば、チャールズ・ミンガスの諸作は絶対に「ながら」に向かない。しっかりとステレオの前に陣取り、スピーカーに対峙して、しっかり聴き込むことが必要になる。ミンガスの音楽はそういう類のものである。アルバムや演奏には必ずテーマがあり、そのテーマについてジャズの演奏で語るように表現する。それがミンガスの音楽である。

つまり、ミンガスの音楽を楽しむということは、ミンガスによる様々な音の表現を楽しむことであり、ミンガスの作曲能力と演奏におけるリーダーシップを愛でることである。それには「ながら」は向かない。よって、ジャズを聴き始めてミンガスの音楽に出会って以来、ミンガスのリーダー作は「ながら」で聴いたことが無い。
 

The_clown_mingus  

 
Charles Mingus『The Clown』(写真左)。1957年2月と3月の録音。ちなみにパーソネルは、    Charles Mingus (b), Shafi Hadi (as, ts), Jimmy Knepper (tb), Wade Legge (p), Dannie Richmond (ds), Jean Shepherd (narration)。演奏についてはクインテット構成。たった5人でこれだけ分厚くて濃厚な音を出すのだから、ミンガスのアレンジ能力も素晴らしいものがある。

傑作である。全曲、ミンガスの作曲なので統一感が抜群。全編に渡って、ミンガスの重量感溢れるベースが大活躍。ミンガスのベーシストとしての実力と個性を確認するのにも好適なアルバムでもある。冒頭の有名な「ハイチ人の戦闘の歌」を聴けば、このアルバムの音世界の傾向が如実に判る。フロント2管とドラムも攻撃的で重量感抜群。加えて、タイトル曲の「道化師」などはナレーション入りで、現代ジャズのトレンドを50年以上も先取りしている。

ミンガスの音楽は「新しい」。現代ジャズの世界にもダイレクトに通用する、先進的なフレーズや仕掛けが施されていて、聴くとその内容の先進性に驚く。ミンガスのアルバムを聴く度に「ジャズはアートである」という感覚を噛みしめる。1957年時点で既にフリー・ジャズの片鱗も聴かせてくれており、ミンガスの音楽が如何に先取性に溢れていたか、を再認識する。ミンガスの音楽は「ながら」に向かない。しっかりと対峙して聴くべし。

 
 

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2018年7月29日 (日曜日)

「ネオ・スピリチュアル」の先駆

ベーシストがリーダーのアルバムを聴くのが好きだ。ベーシストがリーダーのアルバムは面白い。ベーシストがリーダーのアルバムには2つの傾向がある。ひとつはベースの演奏自体が非常に特徴的な場合で、その特徴的な演奏内容を全面に押し出したスタイル。もうひとつは、ベーシストが卓越した作曲能力、編曲能力を有する場合で、この作曲能力、編曲能力にスポットを当てて、リーダー・アルバムを演出するケースである。

ベーシストがリーダー作で面白いのは後者で、この後者の代表的ベーシストが「チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)」。ジャズ・ベーシストの伝説のレジェンドであり、卓越したコンポーザー・バンドリーダーである。この「コンポーザー・バンドリーダー」の部分がミンガスの場合、突出していて、聴きどころのあるリーダー作を多くリリースしている。どれもが独創的で全くマンネリが感じられない。非常に優れた成果ばかりである。

『Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus』(写真左)。1963年1月&9月の録音。最近、久し振りに聴き直したミンガスのリーダー作である。ビッグバンド構成&アレンジの楽曲がメインで、心ゆくまで、ミンガス・ミュージックを堪能することが出来る。ミンガスの音楽は重心が低く、4ビートが基調であるが、フリー一歩手前で留まりながらも自由度は限りなく高い。フレーズの展開も多彩で、バリエーション豊か。マンネリズムなど無縁である。
 

Mingus_mingus_mingus

 
収録曲を見渡すと「当時の新曲ばかりやなあ」と思うが、演奏を聴くと「あれっ」と思う。この盤、実はタイトル違いの再演の曲が多く収録されている。アレンジの焼き直し、アドリブ展開の洗い替えがメインなので、オリジナルの演奏に比べて、確実にバージョンアップされており、それが理由でこの盤、聴いていてかなりの充実度を感じる。

例えば、 冒頭の「II B.S.」は『The Clown』収録の「Haitian Fight Song」。5曲目の「Better Get Hit in Yo' Soul」は『Mingus Ah Um』収録の「Better Git It In Your Soul」。6曲目の「Theme for Lester Young」は同じく『Mingus Ah Um』収録の「Goodbye Pork Pie Hat」。7曲目の「Hora Decubitus」が『Blues & Roots』収録の「E's Flat Ah's Flat Too」。いずれもアレンジ、演奏内容共に、オリジナルの演奏を凌駕している。聴き応え満点である。

今の耳で聴くと、ラップの様なボイスの活用あり、ゴスペルを応用したファンクネス溢れるユニゾン&ハーモニーあり、最近流行の「ネオ・スピリチュアル」なジャズの雰囲気が漂っている。この盤の録音は1963年。今を去ること約55年前に、キャッチャーで構築美溢れる「ネオ・スピリチュアル」なジャズの先駆的な音が残されていたとは。ミンガスの先進性に改めて敬意を表した次第。好盤です。

 
 

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2014年9月 3日 (水曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・33

涼しくなった。もう猛暑に戻ることは無いだろう。涼しい風が吹くと、ハードなビッグバンド・ジャズを聴いても汗をかかなくなる。汗をかきながら聴くビッグバンド・ジャズは辛い。

チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)のビッグバンド・ジャズは僕は大好きなのだが、このミンガスのビッグバンド・ジャズでどうしても聴きたいアルバムがあった。1989年にリリースされた『Epitaph』(写真左)。縁が無いのか、なかなか手に入らず、やっとのことで中古盤で手に入れた。

ミンガスが逝去したのは、1979年1月5日。それから10年。未亡人(スー・ミンガス: Sue Mingus)は遺作の組曲をまとめ上げ、リンカーン・センターでガンサー・シュラーの指揮で発表。その時のライブ音源がこの『Epitaph』。CD2枚組の大作である。

リンカーン・センターでの演奏なので、ビッグバンドに参加しているメンバーもハンパでは無い。トランペットに、ランディ・ブレッカー、ウィントン・マルサリス、ルー・ソロフの名前が見える。アルトにボビー・ワトソン、テナーにジョージ・アダムス、ピアノにジョン・ヒックス、ローランド・ハナ。それから、ギターにジョン・アバークロンビー、ドラムにビクター・ルイス。

1989年6月の録音で、当時のジャズの最先端をいく若手から中堅メンバーを中心に、ビッグバンドが組まれていて、その出てくる音といったら、これまた半端ではない。迫力満点、疾走感満点、力感のあるぶ厚いサウンド。硬質・硬派な、ミンガス・ジャズにピッタリのサウンド。
 

Mingus_epitaph

 
CD2枚組のボリュームながら、収録されたどの曲もどの演奏も、ミンガス・ミュージックそのもの。ミンガスは鬼籍に入っているので、当然、このパフォーマンスには登場しない。しかし、あたかもミンガスがベースを演奏しつつ、ミンガスが指揮をしているかの様な、圧倒的なミンガス節が素晴らしい。この演奏にはミンガスはいない。しかし、この圧倒的なミンガスの存在感はどうだろう。

ミンガスの作曲家としての優秀性が、ミンガス無くして、ミンガスを強烈に感じさせるのだ。米国ルーツ・ミュージックを様々な形で融合し、フリーやモーダルなど自由度溢れる展開も積極的に織り交ぜ、ジャズの基本であるブルージー&ジャジーな基本ラインを核に、圧倒的な構築力で、複雑ではあるが聴き易さも追求した、唯一無二のミンガス節を表現している。

そして、そのミンガス・ミュージックを、当時のジャズの最先端をいく若手から中堅メンバーが、テクニックの全てを尽くして展開していく。ミンガスの楽譜って、結構、難しいらしい。

あの歴代のトランペッターの中で一番のテクニシャンであるウイントン・マルサリスですら、この『Epitaph』の初演では、トランペット・パートの複雑で演奏者泣かせのフレーズが故に、根負けして弱音を吐いたそうだ。そんな複雑なミンガス・ミュージックではあるが、聴く方に回ると意外と判り易く、聴き心地もなかなか良いのだから面白い。

この『Epitaph』は、ミンガスがそこに居ないが故に、ミンガス・ミュージックの本質と個性を十二分に教えてくれる。そして、当時のジャズの最先端をいく若手から中堅メンバーを中心に構成されたCharles Mingus Big Bandの凄みのある演奏は、ミンガス・ミュージックの本質を存分に追体験させてくれる。

 
 

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2014年6月18日 (水曜日)

ビ・バップのコンサートの記録

ジャズ者初心者の頃に聴いたアルバムの中で、何回聴いても、全く理解出来ない、全く馴染まないアルバムが幾枚かあった。特に、困るのは、ジャズ入門本に推薦盤として堂々と載っているアルバムで、この何回聴いても良さが判らない、という状態。

ジャズ者初心者の頃は、まず、ジャズ入門本の評論の内容については全く疑うことは無い。ジャズ入門本の評論は絶対である。自分の耳が悪いのではないか、感性が悪いのではないか、果ては、ジャズは自分に向いていないのではないか、まで思ってしまう(笑)。

そんな、ジャズ者初心者の頃、何回聴いても、全く理解出来なかったアルバムの一枚が、『The Quintet : Jazz At Massey Hall』(写真左)。1953年5月15日、カナダのトロントにあるマッセイ・ホールで行われたコンサートのライブ音源である。ちなみにパーソナルは、Charlie Parker (as), Dizzy Gillespie (tp), Bud Powell (p), Max Roach (ds), Charles Mingus (b)。

いやはや、錚々たるメンバー、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちがズラリ。ジャズにとって、1953年と言えば微妙な年。1940年代後半からジャズのトレンドとなった「ビ・バップ」という演奏スタイルから、鑑賞芸術のスタイル「ハード・バップ」という演奏スタイルへの過渡期。ちなみに、このライブ盤の演奏は「ビ・バップ」の演奏スタイルである。

ジャズ入門本では、このライブ盤は「ビ・バップ」を語る上で必須のアルバムとされ、当時のライブ会場での条件・環境は最悪だったとは言え、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏はそれぞれ優秀なものとされ、このライブ盤はジャズ者のアルバム・コレクションとしては必要不可欠なアルバムとして紹介されていた。

で、ジャズ者初心者ほやほや、ジャズを聴き始めて2年目で、この『Jazz At Massey Hall』を購入した。そして聴いた。そして、さっぱり理解出来なかった。思いっきり自信を無くした(笑)。懐かしい思い出である。

当時、所有していたステレオ装置の粗末も手伝って、ただただ喧しいだけのジャズと感じた。特に、ディジー・ガレスピーのトラペットが五月蠅い。ハイノート、ハイトーンが大の得意でテクニック抜群なのは判るが、これだけ頻繁に長くハイノート、ハイトーンなブログを繰り広げられたら、聴く側からすると思いっきり「耳に付く」。そして疲れる。
 

Jazz_at_massey_hall_2

 
録音のバランスも良くない。バド・パウエルのピアノとチャールズ・ミンガスのベースの録音レベルが低い。はっきり言って聴き取り難い。ガレスピーのトランペットの録音レベルが異様に高い。五月蠅い。マックス・ローチのドラムの音はナロウ。ライブ感に欠ける。パーカーのアルトだけがまずまずの録音レベル。このバランスはいただけない。

肝心のビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏レベルはと言えば、全員が「まずまず」。可も無く不可も無く、という演奏レベル。当時のライブ会場での条件・環境が最悪だったこともあって、ビ・バップ演奏の肝であるテンションは高く無い。ビ・バップのジャム・セッション特有の「鬼気迫る」テンションの高い、疾走感抜群のアドリブ展開は無い。

まあ、このライブ盤は、錚々たるメンバー、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちが一堂に会した「一期一会」なライブ・コンサートの貴重な記録として価値があるということ。今になって思うのは、確かに、この5人が一堂に会して演奏するなんてことは、他のセッションやコンサートでは無い。確かに記録としては貴重だ。

今の耳で聴いても、ガレスピーのトランペットは五月蠅い(笑)。ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏レベルは全員が「まずまず」。可も無く不可も無く、という演奏レベルは変わらない。録音のバランスも悪い。やっぱり、このライブ盤を、ジャズ者のアルバム・コレクションとしては必要不可欠なアルバムとして紹介するのには無理がある、というか無責任だ。

ただ、ジャズ者中堅のレベルになってきたら、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちが一堂に会した「一期一会」なライブ・コンサートの貴重な記録として、一度は聴いてみて欲しいライブ盤ではあります。当時のビ・バップのライブの雰囲気が味わえるところポイント。

ただ、ビ・バップというジャズ演奏のスタイルを感じるアルバムとしては、他にもっと聴き易く、内容のあるアルバムは沢山あります。この『Jazz At Massey Hall』は、単にビ・バップ時代の貴重なコンサートの記録、ジャズ・レジェンドとして留めておくのが良いでしょう。

 
 

大震災から3年3ヶ月。決して忘れない。まだ3年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2013年2月15日 (金曜日)

ジョニの考えるジャズ

ジャズは融合の音楽。様々なジャンルの音楽と融合(Fusion)してきた。ボサノバと融合し、ソウルミュージックと融合し、ロックと融合し、ワールドミュージックと融合し、その都度、新たな音楽を生み出してきた。

そんな融合の音楽であるジャズ。このコラボレーションも「融合」の賜。怒れる伝説のベーシスト、チャールズ・ミンガスと、米国西海岸フォークロックのシンガーソングライター、歌姫のジョニ・ミッチェル。このミンガスとジョニのコラボ。融合の音楽のジャズが、米国西海岸フォークロックと融合して、素敵な化学反応を起こしている。

そのアルバムの名はスバリ『Mingus(ミンガス)』(写真左)。1979年のリリース。ミンガスは既に病床にあり、声と歌のみの参加となっている。でも、その存在感は抜群。ミンガスの見守る中、ジョニを始めとする曲者達が自分達なりの「ミンガス・ミュージック」を奏でる。

参加ミュージシャンを列挙する。Joni Mitchell (ac-g, key, vo), Charles Mingus (vo), Wayne Shorter (sax), Herbie Hancock (key, ac-p), Jaco Pastorius (b, Brass Arr), Peter Erskine (ds), Don Alias (congas), Emil Richards (per)。いやはや、凄い面子。曲者揃いである。

特に、このアルバムで大活躍しているのが、ベースのジャコ。当時、ジョニと「良い仲」だったこともあって、ジャコのベースは実に気合いが入っていて、鬼気迫るものがある。凄いアコベである。フロント楽器であるウェインのサックスが霞むほどだ。ジャコのアコベの代表作として挙げても良い位、素晴らしいジャコのパフォーマンスが聴ける。そうそう、ブラス・アレンジもジャコである。
  

Joni_michell_mingus

ジョニも負けてはいない。パーカッシブなアコギの演奏は、これまた鬼気迫るものがあって、実にテンション高く切れ味鋭い、一種、妖気漂う凄まじいパフォーマンス。ボーカルも情感こもりまくりで、いわゆる「絶唱」である。

1980年代以降、米国西海岸の女性シンガーソングライター達がジャズ・ボーカルに挑戦したアルバムをリリースしているが、いずれも、ジャズ・スタンダード曲をジャズのフォーマットをバックに、ジャズ・ボーカリストの様に歌うというもの。それなりの成果を出しているところが素晴らしいが、つまりはジャズ・ボ

しかし、この『Mingus(ミンガス)』でのジョニ・ミッチェルは違う。モーダルなメインストリーム・ジャズの即興演奏をバックに、ジョニの曲をジョニの歌い方で歌う。ジョニの弾き方でアコギを弾く。そうして、出来上がった音楽が「唯一無二」な、それまで聴いたことの無いフュージョン・ジャズ。ジョニでしか為し得ない音世界。

このアルバムを聴くと、ジョニ・ミッチェルの考えるジャズ、というものを体感できる。ジョニが考え、ジョニが感じ、ジョニが表現したジャズ。ジョニ・ミッチェルから、このアルバムを見てみると、ジャズの懐の深さ、ジャズの柔軟さ、ジャズの革新さを感じ取る事ができる。

ジャズという音楽ジャンルがジョニの内部に化学反応を起こし、それに触発されたジャコが凄いエレベを弾きまくる。そしてハービーがエレピをアコピを弾きまくる。そして、アースキンとアライアスが叩きまくる。凄まじいリズム・セクション。ジャズメン同士ではこのグルーブは出ないだろう。ジョニとの他流試合の成果。

ジャズとは融合の音楽であり、ジャズとは即興の音楽である。そんなことを改めて再認識させられる、実に希有な傑作アルバムである。 

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。
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