2018年10月 3日 (水曜日)

ミンガスは「ながら」に向かない

昔から「ながら族」であった。中学の頃から、音楽を聴きながら勉強すると能率が上がった。学生の頃は音楽を聴きながら、本や論文を読むと能率が上がった。この「ながら」の音楽については向き不向きがある。基本的にフュージョン・ジャズは向くが純ジャズは向かない。音楽の良し悪しとは比例しない。逆に良い音楽の方が「ながら」に向く。

逆に「ながら」に絶対に向かない音楽もある。ジャズで言えば、チャールズ・ミンガスの諸作は絶対に「ながら」に向かない。しっかりとステレオの前に陣取り、スピーカーに対峙して、しっかり聴き込むことが必要になる。ミンガスの音楽はそういう類のものである。アルバムや演奏には必ずテーマがあり、そのテーマについてジャズの演奏で語るように表現する。それがミンガスの音楽である。

つまり、ミンガスの音楽を楽しむということは、ミンガスによる様々な音の表現を楽しむことであり、ミンガスの作曲能力と演奏におけるリーダーシップを愛でることである。それには「ながら」は向かない。よって、ジャズを聴き始めてミンガスの音楽に出会って以来、ミンガスのリーダー作は「ながら」で聴いたことが無い。
 

The_clown_mingus  

 
Charles Mingus『The Clown』(写真左)。1957年2月と3月の録音。ちなみにパーソネルは、    Charles Mingus (b), Shafi Hadi (as, ts), Jimmy Knepper (tb), Wade Legge (p), Dannie Richmond (ds), Jean Shepherd (narration)。演奏についてはクインテット構成。たった5人でこれだけ分厚くて濃厚な音を出すのだから、ミンガスのアレンジ能力も素晴らしいものがある。

傑作である。全曲、ミンガスの作曲なので統一感が抜群。全編に渡って、ミンガスの重量感溢れるベースが大活躍。ミンガスのベーシストとしての実力と個性を確認するのにも好適なアルバムでもある。冒頭の有名な「ハイチ人の戦闘の歌」を聴けば、このアルバムの音世界の傾向が如実に判る。フロント2管とドラムも攻撃的で重量感抜群。加えて、タイトル曲の「道化師」などはナレーション入りで、現代ジャズのトレンドを50年以上も先取りしている。

ミンガスの音楽は「新しい」。現代ジャズの世界にもダイレクトに通用する、先進的なフレーズや仕掛けが施されていて、聴くとその内容の先進性に驚く。ミンガスのアルバムを聴く度に「ジャズはアートである」という感覚を噛みしめる。1957年時点で既にフリー・ジャズの片鱗も聴かせてくれており、ミンガスの音楽が如何に先取性に溢れていたか、を再認識する。ミンガスの音楽は「ながら」に向かない。しっかりと対峙して聴くべし。

 
 

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2018年7月29日 (日曜日)

「ネオ・スピリチュアル」の先駆

ベーシストがリーダーのアルバムを聴くのが好きだ。ベーシストがリーダーのアルバムは面白い。ベーシストがリーダーのアルバムには2つの傾向がある。ひとつはベースの演奏自体が非常に特徴的な場合で、その特徴的な演奏内容を全面に押し出したスタイル。もうひとつは、ベーシストが卓越した作曲能力、編曲能力を有する場合で、この作曲能力、編曲能力にスポットを当てて、リーダー・アルバムを演出するケースである。

ベーシストがリーダー作で面白いのは後者で、この後者の代表的ベーシストが「チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)」。ジャズ・ベーシストの伝説のレジェンドであり、卓越したコンポーザー・バンドリーダーである。この「コンポーザー・バンドリーダー」の部分がミンガスの場合、突出していて、聴きどころのあるリーダー作を多くリリースしている。どれもが独創的で全くマンネリが感じられない。非常に優れた成果ばかりである。

『Mingus Mingus Mingus Mingus Mingus』(写真左)。1963年1月&9月の録音。最近、久し振りに聴き直したミンガスのリーダー作である。ビッグバンド構成&アレンジの楽曲がメインで、心ゆくまで、ミンガス・ミュージックを堪能することが出来る。ミンガスの音楽は重心が低く、4ビートが基調であるが、フリー一歩手前で留まりながらも自由度は限りなく高い。フレーズの展開も多彩で、バリエーション豊か。マンネリズムなど無縁である。
 

Mingus_mingus_mingus

 
収録曲を見渡すと「当時の新曲ばかりやなあ」と思うが、演奏を聴くと「あれっ」と思う。この盤、実はタイトル違いの再演の曲が多く収録されている。アレンジの焼き直し、アドリブ展開の洗い替えがメインなので、オリジナルの演奏に比べて、確実にバージョンアップされており、それが理由でこの盤、聴いていてかなりの充実度を感じる。

例えば、 冒頭の「II B.S.」は『The Clown』収録の「Haitian Fight Song」。5曲目の「Better Get Hit in Yo' Soul」は『Mingus Ah Um』収録の「Better Git It In Your Soul」。6曲目の「Theme for Lester Young」は同じく『Mingus Ah Um』収録の「Goodbye Pork Pie Hat」。7曲目の「Hora Decubitus」が『Blues & Roots』収録の「E's Flat Ah's Flat Too」。いずれもアレンジ、演奏内容共に、オリジナルの演奏を凌駕している。聴き応え満点である。

今の耳で聴くと、ラップの様なボイスの活用あり、ゴスペルを応用したファンクネス溢れるユニゾン&ハーモニーあり、最近流行の「ネオ・スピリチュアル」なジャズの雰囲気が漂っている。この盤の録音は1963年。今を去ること約55年前に、キャッチャーで構築美溢れる「ネオ・スピリチュアル」なジャズの先駆的な音が残されていたとは。ミンガスの先進性に改めて敬意を表した次第。好盤です。

 
 

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2014年9月 3日 (水曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・33

涼しくなった。もう猛暑に戻ることは無いだろう。涼しい風が吹くと、ハードなビッグバンド・ジャズを聴いても汗をかかなくなる。汗をかきながら聴くビッグバンド・ジャズは辛い。

チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)のビッグバンド・ジャズは僕は大好きなのだが、このミンガスのビッグバンド・ジャズでどうしても聴きたいアルバムがあった。1989年にリリースされた『Epitaph』(写真左)。縁が無いのか、なかなか手に入らず、やっとのことで中古盤で手に入れた。

ミンガスが逝去したのは、1979年1月5日。それから10年。未亡人(スー・ミンガス: Sue Mingus)は遺作の組曲をまとめ上げ、リンカーン・センターでガンサー・シュラーの指揮で発表。その時のライブ音源がこの『Epitaph』。CD2枚組の大作である。

リンカーン・センターでの演奏なので、ビッグバンドに参加しているメンバーもハンパでは無い。トランペットに、ランディ・ブレッカー、ウィントン・マルサリス、ルー・ソロフの名前が見える。アルトにボビー・ワトソン、テナーにジョージ・アダムス、ピアノにジョン・ヒックス、ローランド・ハナ。それから、ギターにジョン・アバークロンビー、ドラムにビクター・ルイス。

1989年6月の録音で、当時のジャズの最先端をいく若手から中堅メンバーを中心に、ビッグバンドが組まれていて、その出てくる音といったら、これまた半端ではない。迫力満点、疾走感満点、力感のあるぶ厚いサウンド。硬質・硬派な、ミンガス・ジャズにピッタリのサウンド。
 

Mingus_epitaph

 
CD2枚組のボリュームながら、収録されたどの曲もどの演奏も、ミンガス・ミュージックそのもの。ミンガスは鬼籍に入っているので、当然、このパフォーマンスには登場しない。しかし、あたかもミンガスがベースを演奏しつつ、ミンガスが指揮をしているかの様な、圧倒的なミンガス節が素晴らしい。この演奏にはミンガスはいない。しかし、この圧倒的なミンガスの存在感はどうだろう。

ミンガスの作曲家としての優秀性が、ミンガス無くして、ミンガスを強烈に感じさせるのだ。米国ルーツ・ミュージックを様々な形で融合し、フリーやモーダルなど自由度溢れる展開も積極的に織り交ぜ、ジャズの基本であるブルージー&ジャジーな基本ラインを核に、圧倒的な構築力で、複雑ではあるが聴き易さも追求した、唯一無二のミンガス節を表現している。

そして、そのミンガス・ミュージックを、当時のジャズの最先端をいく若手から中堅メンバーが、テクニックの全てを尽くして展開していく。ミンガスの楽譜って、結構、難しいらしい。

あの歴代のトランペッターの中で一番のテクニシャンであるウイントン・マルサリスですら、この『Epitaph』の初演では、トランペット・パートの複雑で演奏者泣かせのフレーズが故に、根負けして弱音を吐いたそうだ。そんな複雑なミンガス・ミュージックではあるが、聴く方に回ると意外と判り易く、聴き心地もなかなか良いのだから面白い。

この『Epitaph』は、ミンガスがそこに居ないが故に、ミンガス・ミュージックの本質と個性を十二分に教えてくれる。そして、当時のジャズの最先端をいく若手から中堅メンバーを中心に構成されたCharles Mingus Big Bandの凄みのある演奏は、ミンガス・ミュージックの本質を存分に追体験させてくれる。

 
 

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2014年6月18日 (水曜日)

ビ・バップのコンサートの記録

ジャズ者初心者の頃に聴いたアルバムの中で、何回聴いても、全く理解出来ない、全く馴染まないアルバムが幾枚かあった。特に、困るのは、ジャズ入門本に推薦盤として堂々と載っているアルバムで、この何回聴いても良さが判らない、という状態。

ジャズ者初心者の頃は、まず、ジャズ入門本の評論の内容については全く疑うことは無い。ジャズ入門本の評論は絶対である。自分の耳が悪いのではないか、感性が悪いのではないか、果ては、ジャズは自分に向いていないのではないか、まで思ってしまう(笑)。

そんな、ジャズ者初心者の頃、何回聴いても、全く理解出来なかったアルバムの一枚が、『The Quintet : Jazz At Massey Hall』(写真左)。1953年5月15日、カナダのトロントにあるマッセイ・ホールで行われたコンサートのライブ音源である。ちなみにパーソナルは、Charlie Parker (as), Dizzy Gillespie (tp), Bud Powell (p), Max Roach (ds), Charles Mingus (b)。

いやはや、錚々たるメンバー、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちがズラリ。ジャズにとって、1953年と言えば微妙な年。1940年代後半からジャズのトレンドとなった「ビ・バップ」という演奏スタイルから、鑑賞芸術のスタイル「ハード・バップ」という演奏スタイルへの過渡期。ちなみに、このライブ盤の演奏は「ビ・バップ」の演奏スタイルである。

ジャズ入門本では、このライブ盤は「ビ・バップ」を語る上で必須のアルバムとされ、当時のライブ会場での条件・環境は最悪だったとは言え、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏はそれぞれ優秀なものとされ、このライブ盤はジャズ者のアルバム・コレクションとしては必要不可欠なアルバムとして紹介されていた。

で、ジャズ者初心者ほやほや、ジャズを聴き始めて2年目で、この『Jazz At Massey Hall』を購入した。そして聴いた。そして、さっぱり理解出来なかった。思いっきり自信を無くした(笑)。懐かしい思い出である。

当時、所有していたステレオ装置の粗末も手伝って、ただただ喧しいだけのジャズと感じた。特に、ディジー・ガレスピーのトラペットが五月蠅い。ハイノート、ハイトーンが大の得意でテクニック抜群なのは判るが、これだけ頻繁に長くハイノート、ハイトーンなブログを繰り広げられたら、聴く側からすると思いっきり「耳に付く」。そして疲れる。
 

Jazz_at_massey_hall_2

 
録音のバランスも良くない。バド・パウエルのピアノとチャールズ・ミンガスのベースの録音レベルが低い。はっきり言って聴き取り難い。ガレスピーのトランペットの録音レベルが異様に高い。五月蠅い。マックス・ローチのドラムの音はナロウ。ライブ感に欠ける。パーカーのアルトだけがまずまずの録音レベル。このバランスはいただけない。

肝心のビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏レベルはと言えば、全員が「まずまず」。可も無く不可も無く、という演奏レベル。当時のライブ会場での条件・環境が最悪だったこともあって、ビ・バップ演奏の肝であるテンションは高く無い。ビ・バップのジャム・セッション特有の「鬼気迫る」テンションの高い、疾走感抜群のアドリブ展開は無い。

まあ、このライブ盤は、錚々たるメンバー、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちが一堂に会した「一期一会」なライブ・コンサートの貴重な記録として価値があるということ。今になって思うのは、確かに、この5人が一堂に会して演奏するなんてことは、他のセッションやコンサートでは無い。確かに記録としては貴重だ。

今の耳で聴いても、ガレスピーのトランペットは五月蠅い(笑)。ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏レベルは全員が「まずまず」。可も無く不可も無く、という演奏レベルは変わらない。録音のバランスも悪い。やっぱり、このライブ盤を、ジャズ者のアルバム・コレクションとしては必要不可欠なアルバムとして紹介するのには無理がある、というか無責任だ。

ただ、ジャズ者中堅のレベルになってきたら、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちが一堂に会した「一期一会」なライブ・コンサートの貴重な記録として、一度は聴いてみて欲しいライブ盤ではあります。当時のビ・バップのライブの雰囲気が味わえるところポイント。

ただ、ビ・バップというジャズ演奏のスタイルを感じるアルバムとしては、他にもっと聴き易く、内容のあるアルバムは沢山あります。この『Jazz At Massey Hall』は、単にビ・バップ時代の貴重なコンサートの記録、ジャズ・レジェンドとして留めておくのが良いでしょう。

 
 

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2013年2月15日 (金曜日)

ジョニの考えるジャズ

ジャズは融合の音楽。様々なジャンルの音楽と融合(Fusion)してきた。ボサノバと融合し、ソウルミュージックと融合し、ロックと融合し、ワールドミュージックと融合し、その都度、新たな音楽を生み出してきた。

そんな融合の音楽であるジャズ。このコラボレーションも「融合」の賜。怒れる伝説のベーシスト、チャールズ・ミンガスと、米国西海岸フォークロックのシンガーソングライター、歌姫のジョニ・ミッチェル。このミンガスとジョニのコラボ。融合の音楽のジャズが、米国西海岸フォークロックと融合して、素敵な化学反応を起こしている。

そのアルバムの名はスバリ『Mingus(ミンガス)』(写真左)。1979年のリリース。ミンガスは既に病床にあり、声と歌のみの参加となっている。でも、その存在感は抜群。ミンガスの見守る中、ジョニを始めとする曲者達が自分達なりの「ミンガス・ミュージック」を奏でる。

参加ミュージシャンを列挙する。Joni Mitchell (ac-g, key, vo), Charles Mingus (vo), Wayne Shorter (sax), Herbie Hancock (key, ac-p), Jaco Pastorius (b, Brass Arr), Peter Erskine (ds), Don Alias (congas), Emil Richards (per)。いやはや、凄い面子。曲者揃いである。

特に、このアルバムで大活躍しているのが、ベースのジャコ。当時、ジョニと「良い仲」だったこともあって、ジャコのベースは実に気合いが入っていて、鬼気迫るものがある。凄いアコベである。フロント楽器であるウェインのサックスが霞むほどだ。ジャコのアコベの代表作として挙げても良い位、素晴らしいジャコのパフォーマンスが聴ける。そうそう、ブラス・アレンジもジャコである。
  

Joni_michell_mingus

ジョニも負けてはいない。パーカッシブなアコギの演奏は、これまた鬼気迫るものがあって、実にテンション高く切れ味鋭い、一種、妖気漂う凄まじいパフォーマンス。ボーカルも情感こもりまくりで、いわゆる「絶唱」である。

1980年代以降、米国西海岸の女性シンガーソングライター達がジャズ・ボーカルに挑戦したアルバムをリリースしているが、いずれも、ジャズ・スタンダード曲をジャズのフォーマットをバックに、ジャズ・ボーカリストの様に歌うというもの。それなりの成果を出しているところが素晴らしいが、つまりはジャズ・ボ

しかし、この『Mingus(ミンガス)』でのジョニ・ミッチェルは違う。モーダルなメインストリーム・ジャズの即興演奏をバックに、ジョニの曲をジョニの歌い方で歌う。ジョニの弾き方でアコギを弾く。そうして、出来上がった音楽が「唯一無二」な、それまで聴いたことの無いフュージョン・ジャズ。ジョニでしか為し得ない音世界。

このアルバムを聴くと、ジョニ・ミッチェルの考えるジャズ、というものを体感できる。ジョニが考え、ジョニが感じ、ジョニが表現したジャズ。ジョニ・ミッチェルから、このアルバムを見てみると、ジャズの懐の深さ、ジャズの柔軟さ、ジャズの革新さを感じ取る事ができる。

ジャズという音楽ジャンルがジョニの内部に化学反応を起こし、それに触発されたジャコが凄いエレベを弾きまくる。そしてハービーがエレピをアコピを弾きまくる。そして、アースキンとアライアスが叩きまくる。凄まじいリズム・セクション。ジャズメン同士ではこのグルーブは出ないだろう。ジョニとの他流試合の成果。

ジャズとは融合の音楽であり、ジャズとは即興の音楽である。そんなことを改めて再認識させられる、実に希有な傑作アルバムである。 

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。
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2011年9月24日 (土曜日)

ミンガス楽団の傑作ライブです

ジャズを聴き馴れた頃、ジャズを聴き始めて10年位経った頃だっただろうか、突如として、チャーリー・ミンガスに開眼した(笑)。

雰囲気的になんだか難解な印象で、しかもバリバリ硬派な純ジャズ。時々、フリー・ジャズ的な雰囲気も時々不意を突くように入る。不協和音前提のユニゾン&ハーモニーは十八番中の十八番。振り返れば、実にジャズらしいジャズのひとつだと思うんだが、ジャズを聴き始めた頃は、このミンガス・ミュージックは実に「敷居が高い」。

しかし、ジャズを聴き始めて10年位経った頃だったか、ある日突然、ミンガス・ミュージックがなんとなく理解できるようになり、不意を突くようなフリー・ジャズ的な雰囲気も、不協和音前提のユニゾン&ハーモニーも全く気にならなくなったどころか、ミンガスのアルバムを聴くにつけ、ミンガス・ミュージックには不可欠で、それらを心待ちにするようになったのだから不思議。

そんなこんなで、その頃出会って、今でもちょくちょく気軽に聴くミンガスのライブ盤が『Charles Mingus In Europe Vol.1』(写真左)。1964年4月26日、西ドイツ(当時)でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Johnny Coles (tp), Eric Dolphy (as, bcl, fl), Clifford Jordan (ts), Jaki Byard (p), Charles Mingus (b), Dannie Richmond (ds)。
 
Mingus_in_europe_1
 
今から思えば「黄金のメンバー」である。渋いペットが身上のジョニー・コールズが、ミンガス楽団のフロントの一角を占めていたのにはちょっとビックリ。しかし、エリック・ドルフィーとクリフォード・ジョーダンの2管は超弩級のフロント・サックスであり、これは「無敵」ですね。ピアノに、オールラウンド・プレイヤーであるジャッキー・バイアードが座り、ドラムには、永遠のミンガスのパートナー、ダニー・リッチモンドが控える。

この「黄金のメンバー」で、かの有名な「Fables Of Faubus(フォーバス知事の寓話)」のライブ・バージョンが聴けるのが嬉しい。『Presents Charles Mingus』で聴くことの出来る、オリジナルの「Fables Of Faubus」は、スタジオ録音だけに整い過ぎて、ちょっと温和しめの演奏が不満と言えば不満。やっぱり「Fables Of Faubus」はライブ・バージョンが良い。躍動感溢れ、ドラスティックな展開が凄い。

2曲目の「I Can't Get Started (Starting)」のドルフィーのフルートの美しいことといったら。ミンガスとのデュオ。何度聴いても聴き耳を立ててしまいます。そして、ラストの「Meditations」は「ミンガス楽団のショーケース」の様な、リレー方式のインプロビゼーションの嵐。メンバーそれぞれの個性が非常に良く判って楽しい。ジャズのインプロビゼーションってこんな感じ、って言いたくなるような「絵に描いた様な」アドリブの嵐。

いや〜、今、聴いても凄いライブ盤ですね。ジャズを聴き始めて、最初の頃は苦労もしたけれど、なんとか、こんな素晴らしいジャズが聴くことが出来る様になって良かったなあ、って心から思います。
 
 

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2011年4月17日 (日曜日)

硬派なジャズの最右翼

ジャズにもいろいろある。心地良い柔らかさの演奏もあれば、突き刺さるような激しい演奏もある。ジャズはクラシックと比べて、音の強弱、音の硬軟の差が激しい。つまりは、メリハリが付いていて、このメリハリの付け具合こそが、ジャズの個性のひとつであったりする。

演奏する音の硬さ、という面では、チャールス・ミンガスが最右翼だろう。怒れるベーシストとして有名なチャールズ・ミンガスだが、その演奏の硬さときたら、音の端々から「パキパキ、ポキポキ」と音がしそうなくらい。本人のベースの音からして、ブンブン、ビンビンと、超硬質な重低音を響き渡らせている。

そのベースの超弩級の超硬質な重低音に乗って、ドラムが呼応し、ピアノが乱舞し、サックスが鳴り響くのだ。当然のこと、それぞれの楽器の音は、自然と硬質になる。

そんなチャールズ・ミンガスの影響で、「超硬質な演奏」になったセッションを記録した一枚が『East Coasting』(写真左)。1957年8月のセッション。オハイオ州シンシナティで録音されている。ちなみにパーソネルは、Clarence Shaw (tp) Jimmy Knepper (tb) Curtis Porter (as, ts) Bill Evans (p) Charles Mingus (b) Dannie Richmond (ds)。

やっぱり、ドラムはダニー・リッチモンドなんやね。ミンガスの超弩級の超硬質な重低音ベースを気にすることなく、自分のドラムを叩き続けることができる貴重な存在。頼もしきリッチモンドである。そして、他のメンバーを見渡すとだな・・・、う〜ん知らん名前ばかりが並ぶ。でも、なんと、ピアノにビル・エバンスの名がある。このビル・エバンスって、そうあのビル・エバンスです。現代ピアノ・トリオの祖。

エバンスのピアノは、ダイナミックかつ耽美的。結構バリバリとメリハリ付けて弾くタイプだが、そのピアノの音は適度に心地良く丸い。が、この『East Coasting』のセッションでは、チャールズ・ミンガスの超弩級の超硬質な重低音ベースの影響と、リーダーのミンガスの演奏方針に従って、パキパキのピアノを弾き倒している。
 
East_coasting
 
演奏全体が、完全に硬派なジャズになっている。リーダーであるミンガスのリーダーシップの力量いかばかりなるか、という感じ。ミンガスの薫陶よろしく、メンバー全員が一心不乱に「硬派なジャズ」を演奏している。どの演奏もどの曲も「パキパキ、ポキポキ」と音がしそうな演奏である。

それでも、しっかりと演奏のツボは心得ているようで、ロマンティックな曲には、硬派な音の合間に、そこはかとなく優しさが漂うし、ハードボイルドな曲には、そこはかとなくクールなテンションが張り詰める。

冒頭の「Memories Of You」は、その最たる演奏。この曲、もともとロマンティックなバラードなんだが、ミンガスのリーダーシップの下では、「パキパキ、ポキポキ」と音がしそうな硬派なバラードに早変わり。ペットのミュートは切れ味鋭く、実に硬派な響きで、ロマンチックなテーマを吹き上げ、ピアノのエバンスも自らのスタイルを封印し、精一杯「パキパキ、ポキポキ」と音がしそうな硬派なピアノを、結構、滑らかに弾き綴っていきます。

意外とエバンスの柔軟性というか、良い意味での「いい加減さ」を強く感じます。まあ、プロってそういうもんでしょうね。自らの主張、スタイルを貫き通すだけが全てでは無い。時には周りに合わせる懐の深さもプロならではの「なせる技」でしょう。

硬派なジャズの最右翼は「チャールズ・ミンガス」のリーダー作。ミンガスの硬派なリーダーシップは、演奏するグループの人数が少なくなればなるほど、その「硬度」が増すようです。つまりは、ミンガスのリーダー作は、スモール・バンドからビッグ・バンドのサイズがちょうど良い、演奏の「硬度」となる、ってことですかな。ふふっ、お後がよろしいようで・・・。しかし、本当に適当なジャケット・デザインやなあ(笑)。 

 

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2011年1月24日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・17

デューク・エリントン(Duke Ellington・写真右)。ジャズのピアノ奏者、オーケストラリーダー。彼の率いるビッグバンドは、ビックバンドの最高峰として位置付けられる。マイルス・デイヴィスをして「あらゆるミュージシャンは、エリントンに感謝を捧げる日をもつべきだ」と言わしめた、ジャズ界最大の巨匠である。
 
「私の楽器はオーケストラだ」。作編曲家、ビッグバンドのリーダーとして君臨したデューク・エリントン。そんなデューク・エリントンが、残したピアノ・トリオがある。そのタイトルは『Money Jungle』(写真左)。1962年9月17日スタジオ録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), Charlie Mingus (b), Max Roach (ds)。
  
これがまあ、凄い内容のピアノ・トリオなのだ。録音年の1962年と言えば、ハードバップ全盛期を過ぎて、ファンキー・ジャズやモード・ジャズなど、ジャズ多様化の時代。何故そんな時代に、ジャズ界最大の巨匠がピアノ・トリオを録音したのかは良く判らない。何が動機で、エリントンはピアノ・トリオを録音しようとしたんだろうか。
 
先ず冒頭の「Money Jungle」を聴いて度肝を抜かれる。エリントンはビッグバンドの総帥である。エリントンのピアノに、キャッチャーなメロディーラインを持った旋律を期待するのであるが、これがとんでもない。パーカッシブで不協和音を駆使した、アブストラクトなピアノ・タッチに唖然とする。ガーン、ゴーン、ギョワーン。どこかで聴いたアブストラクトなタッチ。
 
最初聴いた時は、セロニアス・モンクかと思った。が、和音のハーモニーがモンクみたいにずれまくっていない。和音のハーモニーは不協和音とはいえ、しっかりと整合性の取れた和音を形成している。ハービー/ニコルスほど外れまくってはいないし、セシル・テイラーまではアブストラクトにフリーに走ってはいない。パーカッシブで不協和音を駆使した、アブストラクトなピアノ・タッチとは言え、そのインプロビゼーションは端正で整合性がとれている。誰やこれ、と訳が判らんかった。
 
デューク・エリントンのピアノだと知った時には、暫く信じられなかった。あの黒くジャジーで情念のこもったビッグバンド・ジャズを統率するデューク・エリントンである。なんでこんなにパーカッシブでアブストラクトなのか。
  
Money_jungle
  
しかし、2曲目の「LeFleurs Africaines [African Flower]」を聴くと、その印象がガラッと変わる。ベースとのデュオなのだが、これが打って変わって美しい。黒くジャジーで情念のこもった、それでいて独特の響きを持った和音の重なり。アブストラクトに傾きながらも、ギリギリのところで維持する印象的な旋律の調べ。
 
この『Money Jungle』というアルバム、僕がジャズ者初心者の頃、初心者向けのアルバムとして紹介されていたので、結構早い時期に手に入れたのだが、聴けば聴くほど、良く判らない、難物なアルバムだったことを思い出す。何十回と聴けば判るだろうと思って「一日一針」を続けたのだが、さっぱり判らない。30回ほど聴いて、投げ出したのを思い出す。
 
そして、それから20年ほど経って、ジャズ者中級者程度の経験を積んで、再度、この『Money Jungle』にチャレンジして、なんとなく感じたのは、このエリントンのピアノは、彼のビッグバンド・ミュージックの骨格だけを骨組みだけを取り出して、ピアノに置き換えたものじゃないのかなあ、ということ。
 
エリントンは、オーケストラの演奏のイメージをピアノ一台で表現し、このピアノ一台の旋律を通して、エリントンのイメージするビッグバンドの音をイメージすることが出来るのではないかと。それには、ミンガスのベースもローチのドラムも必要不可欠で、このエリントンのピアノ・トリオが、エリントン・ミュージックの最低構成単位なんだ、となんとなく感じる。
 
エリントンのパーカッシブで不協和音を駆使した、アブストラクトなピアノ・タッチは、セロニアス・モンクも真っ青。セロニアス・モンクやセシル・テイラーなどにも影響を与えたというが至極納得。
 
異色のピアノ・トリオではありますが、かのジャズ界最大の巨匠デューク・エリントンの希少なピアノ・トリオ盤です。ジャズ者としては絶対にどこかで聴くべきアルバムではあると思います。ただ、ジャズ者初心者の方々にはちょっと重荷かと。セロニアス・モンクやセシル・テイラーを聴きこなすことができるようになってからでも遅くは無いと思います。ジャズ者中級者向けでしょうか。
 
 
 
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2010年5月12日 (水曜日)

チャールズ・ミンガスの到達点・1

僕はチャールズ・ミンガス、この希有なベーシストの最高傑作は、1976年リリースの『Cumbia & Jazz Fusion』だと信じて疑わない(2009年7月12日のブログ参照・左をクリック)。

しかし、ミンガスは、この『Cumbia & Jazz Fusion』の後、3枚のアルバムを残している。チャールズ・ミンガスは亡くなるその時点まで、前進するアーティストであった。『Cumbia & Jazz Fusion』の後、この『Cumbia & Jazz Fusion』の成果を確固たるものにする為に、生前、後3枚のアルバムを作成した。その一枚が『Me Myself An Eye』(写真左)。1978年の録音。

このアルバムの録音時点で、ミンガスは車椅子に座っている。演奏はせず(できず)、自身のオーケストラを率いての「リーダー」という肩書だが、ミンガス・ミュージックは、あくまで前進している。その「前進」している音が、限りなく感動をさそうのだ。

1. Three Worlds of Drums
2. Devil Woman
3. Wednesday Night Prayer Meeting
4. Caroline Keikki Mingus

の4曲で構成されているが、どの曲も、ミンガス・ミュージックが色濃く反映されていて、出だしの3分位を聴くと、明らかにミンガス・ミュージックである、ということが明確に判る。
 

Mingus_memyselfaneye

 
テーマの作りが「制御された整然とした混沌」という、ミンガス・ミュージック独特な音で構成されている。感情のおもむくままの、垂れ流しのフリーキーな世界では無い。あくまで「制御された整然とした混沌」である。

一糸乱れぬアンサンブルと限りなく自由を与えられたアドリブ部と、そのコントラストが美しい。アンサンブルもアドリブも、良く耳を傾けると、かなり複雑なかなり高度な演奏を繰り広げている。力量のあるミュージシャンでないと対応できない、実に難解で、実に複雑なミンガス・ミュージックの「肝」である。

リーダーのミンガス自身がベーシストが故に「ビートとリズム」を重視した音作りは、今の耳にも「先進的」。ワールド・ミュージック的な要素もふんだんに取り入れている。1978年当時で、本質的に、真のフュージョン・ジャズを追求していたあたり、ジャズ界屈指のコンポーザー&アレンジャーであるミンガスの「矜持」をビンビンに感じる。

攻撃的でフリーキー、それでいて制御された構築美を誇るミンガス・ミュージックは、ここに極まれり、の感がある。単に感情にまかせてフリーキーに垂れ流す音楽を諫め、純ジャズとしての「行き方」を示した模範的演奏のひとつとして、是非とも再聴すべき、チャールズ・ミンガスの到達点、チャールズ・ミンガスの最後の成果である。

「制御された整然とした混沌」の世界は、まさにハードボイルド、まさに硬派な演奏である。決して甘くはないが、このミンガス・ミュージックの世界に、ジャズの良心が見え隠れする。ミンガス・ミュージックの面目躍如である。 
 
 
 
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2010年3月 6日 (土曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・5

チャールズ・ミンガス。ジャズ・ジャイアントの1人。ベーシスト、そしてコンポーザー&アレンジャー。特に、ビッグバンド系のコンポーザー&アレンジャーとして功績には輝かしいものがあると思っている。

ミンガス・ミュージックは、パンチの効いた分厚いアンサンブルとハーモニーが特徴。そして、インプロビゼーション部では、ソロイストの才能に委ねた、フリーキー&アブストラクトなアドリブを全面採用。参加ミュージシャンにとっては、その才能と個性、そしてテクニックについて全面的に信頼を置いたミンガス・オーケストラは、格好のアピールの舞台だったと想像される。

そんなミンガス・ミュージックの思想を継承し、現代にミンガス・ミュージックの真髄を伝えるビッグバンドがある。その名も「Mingus Big Band Orchestra」。「Mingus Big Band Orchestra」とは、1979年に亡くなったチャールズ・ミンガスの曲を演奏するため、彼の妻スー・ミンガスによって設立されたビッグバンドである。

パンチの効いた分厚いアンサンブルとハーモニーをベースに、強烈なグルーブと各プレイヤーの主張入り乱れるフリーバッキングが特徴。正に、ミンガス・ミュージックの忠実な継承者である。この「Mingus Big Band Orchestra」の成果を聴けば、ビッグバンドにおけるミンガス・ミュージックの個性と完成度の高さを追体験することが出来る。

その「Mingus Big Band Orchestra」は、グラミー賞に6回ノミネート。現在もニューヨークのジャズ・ライブハウス「Jazz Standard」にて演奏活動中とのこと。一度、生で聴いてみたいものだ。

さて、その「Mingus Big Band Orchestra」のアルバムの中で、僕のお気に入りは『Live In Tokyo At the Blue Note』(写真左)。「Mingus Big Band Orchestra」の、2005年の大晦日、ブルーノート東京ライブのCD化である。ライブ録音ということで、ビッグバンドの迫力あるパンチの効いた分厚いアンサンブルとハーモニーと、活き活きとしたソロイスト達のフリーキー&アブストラクトなアドリブが追体験できる。
 

Mingusbigb_tokyo

 
参加ミュージシャンは以下の通り。う〜ん、メンバーを見渡せば、錚々たるメンバーである。このメンバーで駄作は無いですよね。う〜ん、生で聴きたかったなあ〜。

Eddie Henderson - trumpet
Jack Walrath - trumpet
Alex Sipiagin - trumpet
Abraham Burton - alto saxophone
Craig Handy - alto saxophone, flute
Wayne Escoffery - tenor saxophone
Seamus Blake - tenor saxophone
Ronnie Cuber - baritone saxophone
Frank Lacy - trombone, vocal ku-umba
Conrad Herwig - trombone
Earl McIntyre - bass trombone, tuba
Dave Kikoski - piano
Kenny Davis - bass
Johnathan Blake - drums

このメンバーで、パンチの効いた、管楽器の分厚いアンサンブルとハーモニー。そして、活き活きとしたソロイスト達のフリーキー&アブストラクトな咆哮。リズムセクションんのタイトなリズムに、バンド全体の一糸乱れぬアンサンブル。ライブならではのスリリングな演奏が素晴らしい。

マンハッタンでいまだに絶大な人気を博す硬派ビッグバンドである「Mingus Big Band Orchestra」。日本での知名度はイマイチ。どうしてかなあ。素晴らしいビッグバンドだと思うのですが・・・。確かに従来から、ミンガス・ミュージックは、日本での受けはあまり芳しくないみたいですが、実に勿体ないことだなと思います。

ミンガス・ミュージックには、硬派な純ジャズのエッセンスが横溢してます。ジャズ初心者の方々には、ちょっと刺激が強いかもしれませんが、このビッグバンドの奏でる音楽は、紛れもなく、硬派な純ジャズのエッセンスを、正統に伝えてくれるもののひとつだと言えます。 
 
 
 
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