2024年3月14日 (木曜日)

テナーの名盤 『The Little Giant』

Johnny Griffin 『The Little Giant』(写真左)。1959年8月4, 5日の録音。リヴァーサイド・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Blue Mitchell (tp), Julian Priester (tb), Wynton Kelly (p), Sam Jones (b), Albert "Tootie" Heath (ds)。

リーダーのグリフィンのテナー、ミッチェルのトランペット、プリースターのトロンボーンの3管フロント、ケリー、ジョーンズ、ヒースの「ごきげん」リズム隊のセクステット編成。ジャケがとっても格好良し。

身長170センチという小柄な体型にも関わらず、骨太で悠然とした音、超絶技巧なテクニックで、高速フレーズを吹き上げることから付いたニックネームが「リトル・ジャイアント」。そのニックネームをそのまま、アルバムタイトルにした、ジョニー・グリフィン初期の名盤。

前作『Way Out!』では、グリフィンのテナー1管のワン・ホーン・カルテットで、グリフィンのテナーの個性が堪能できた訳だが、今回の『The Little Giant』では、トランペットとトロンボーンを従えた重厚な3管フロント。グリフィンのテナーが3管に溶け込むかと思いきや、音が大きくてブリリアントな分、3管フロントの中でもしっかりと目立っているからさすが「リトル・ジャイアント」である。

大きな音、切れ味の良いブリリアントなグリフィンのテナーに、高音域担当のトランペット、低音域担当のトロンボーンが絡んで、実に魅力的で重厚なユニゾン&ハーモニーが見事。アドリブ部についても、3つの音域の管楽器が入れ替わり立ち替わりアドリブに入るので、メリハリがあってバラエティーに富んでいて、聴き応えが十分。
 

Johnny-griffinthe-little-giant

 
当然、グリフィンのテナーは絶好調。トランペットとトロンボーンの2管を従えている分、いつも以上に力強く全力で大きな音で、グリフィン節をブイブイ言わせている。渋い、玄人好みのスタンダード曲中心の選曲の中、テクニック十分、歌心溢れる、スケールが大きいブロウを展開する。存在感抜群、素晴らしいテナーである。

ミッチェルのファンキー・トランペットが活き活きしている。グリフィンとの絡みも良好。グリフォンのテナーにファンクネスな雰囲気を供給する殊勲のトランペット。プリースターのトロンボーンの中低音が良い。3管フロントのユニゾン&ハーモニーの「底」をガッチリと押さえる、縁の下の力持ち的トロンボーン。

グリフィンの好調のテナーをはじめとする3管フロントをしっかりと支えているのが、ケリー、ジョーンズ、ヒースの「ごきげん」リズム隊。ケリーのハッピー・スインガーでファンキーなピアノ、重心の低い、演奏の底を押さえたサム・ジョーンズのベース、バンドのリズム&ビートを堅実にキープし、バンドのパフォーマンスを鼓舞するヒースのドラム。上質のハードバップを湛えた、「ごきげん」なリズム隊。

雑誌やジャズ盤紹介本などで、その扱いが小さく、ロリンズ、コルトレーンびいきの我が国のジャズ・シーンの中では、知名度の低い、人気イマイチのテナー奏者だが、この盤や前作『Way Out!』を聴けば判る、ロリンズやコルトレーンに負けずとも劣らない、魅力十分のテナー・タイタンである。
 
 

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2024年3月13日 (水曜日)

魅力のグリフィン 『Way Out!』

身長170センチという小柄な体型にも関わらず、骨太で悠然とした音、超絶技巧なテクニックで、高速フレーズを吹き上げることから付いたニックネームが「リトル・ジャイアント」。繊細な表現にも優れ、バラードを吹かせれば天下一品。そんなサックス奏者が「ジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)」。

Johnny Griffin 『Way Out!』(写真左)。1958年2月26–27日の録音。Riversideレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Kenny Drew (p), Wilbur Ware (b), Philly Joe Jones (ds)。リーダーのジョニー・グリフィンのテナーが1管フロントの「ワンホーン・カルテット」編成。

グリフィン30歳の時の録音。デビュー当時は荒削りなところも合って、その荒削りで豪快なブロウが魅力だったグリフィン。この盤では荒削りなところが円熟味に変わって、豪快だが硬軟自在&緩急自在の骨太なブロウが最大の聴きどころとなっている。初リーダー作が28歳の時だったので、2年間で急速に成長したことになる。そんなグリフィンの歌心溢れる、魅力的なブロウが堪能できる。
 

Johnny-griffin-way-out

 
グリフィンのテナーは、超絶技巧なテクニックを持ちながら、それをひけらかすことなく、ミドル・テンポの余裕のある落ち着いた吹き回しが個性。実に奥ゆかしい。本当にテナーをテナーらしく鳴らす、とでも表現したら良いだろうか。グリフィンのテナーは音が良い。それでも、4曲目の「Cherokee」ではスピード感のある吹き回しで「ブイブイ」言わせている。

バックのリズム・セクションの音も良い。ドリューが重心の低い、黒くファンキーなピアノを弾き回す。重厚なタッチで、グリフィンの豪快テナーに負けずに、ガンガンにサポートし鼓舞する。フリージョーのドラミングもグリフィンのテナーの個性に合った叩き回しで、いかにもハードバップな雰囲気を濃厚に醸し出している。そして、そんな典型的なハードバップな演奏に「新しい何か」を付加しているのが、ウエアの「ちょっと新しい響きとフレーズ」を宿したベース。

典型的なハードバップだが、グリフィンのテナーの吹き回しと、リズム隊の新鮮なサポートと相まって、「どこか新しい」響きのするハードバップ演奏が展開されている。とても良くまとまったハードバップ盤。しかし、近代的建造物をあしらった意味不明のジャケが良くないのか、我が国ではあまりこの盤は話題に上がらない。実に惜しいことで、この盤、再評価されて然るべき、ハードバップの好盤の一枚である。
 
 

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2024年3月 6日 (水曜日)

好盤、Elvin Jones 『Elvin!』

僕は長年、この盤がエルヴィン・ジョーンズの初リーダー作だと思っていた。この盤より先に『Keepin' Up with the Joneses』で、The Jones Brothers名義で、エルヴィンが共同リーダーとして、初リーダー作をリリースしていたのを知ったのは、21世紀に入ってから。

ただし、この盤はエルヴィンの単独リーダー名義で、エルヴィンのドラムが全面に出ていて、エルヴィンのドラミングが堪能できる内容なので、こちらが初リーダー作としても良いくらいだ。

Elvin Jones『Elvin!』(写真左)。1961年7月11日, 1961年12月27日, 1962年1月3日の録音。リヴァーサイド・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、 Thad Jones (cor), Frank Wess (fl), Frank Foster (ts), Hank Jones (p), Art Davis (b), Elvin Jones (ds)。

サドのコルネット、ウエスのフルート、フォスターのテナーのフロント3管、ハンクのピアノ、デイヴィスのベース、エルヴィンのドラムのリズム隊、総勢6名のセクステット編成。サド、ハンク、エルヴィンの「ジョーンズ3兄弟」揃い踏み。この盤はエルヴィンがリーダー。ジョーンズ3兄弟プラス3の重厚な6人編成。録音日は3つに跨った「寄せ集め」盤の様に見える。

が、セクステットのメンバーは変わらないので、3セッションに跨った選曲だが、演奏内容に違和感は無いし、トーンはしっかり合っている。この辺は、リヴァーサイド・レーベルのプロデュースの優れたところだろう。
 

Elvin-joneselvin  

 
冒頭「Lady Luck」の前奏から、エルヴィンのドラミングが炸裂する。豪放磊落、ちょっとラフでダイナミックでメリハリのバッチリ効いた、重心の低いオフビートなドラミング。

まだ後年のポリリズミックなドラミングでは無いが、独特のスイング感&グルーヴ感が心地良い。そんな魅力あるエルヴィンのドラミングがアルバム全編に渡って堪能できる。

アート・デイヴィスの軽快でスインギーなベースがピッタリと寄り添って、エルヴィン独特のスイング感&グルーヴ感を増幅する。

そんなエルヴィンのドラミングに乗って、フォスターが豊かなニュアンスのテナーを、ウエスがエモーショナルで流麗なフルートを、サドが朗々とブリリアントなコルネットを吹き上げる。

小気味良くスインぎーな「Lady Luck」、フロントがオリエンタルな雰囲気を紡ぎ出す「Shadowland」、エルヴィンのブラシが小粋な「Pretty Brown」など、好演奏が目白押し。

パーソネルもしっかり選定されたエルヴィンの単独リーダー名義のアルバム。エルヴィンの独特のスイング感&グルーヴ感に乗った、ハードバップの成熟した演奏がとても心地良い。好盤です。
 
 

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2024年2月27日 (火曜日)

『Johnny Griffin Sextet』 です

1957年、ブルーノートより『 Introducing Johnny Griffin』をリリースし、初リーダー作デビュー。その後、ブルーノートに『A Blowin' Session』『The Congregation』の2枚の好盤を残したジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)。1958年、満を辞して、リヴァーサイド・レコードに移籍する。

『Johnny Griffin Sextet』(写真左)。1958年2月25日の録音。リヴァーサイド・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Pepper Adams (bs), Donald Byrd (tp), Kenny Drew (p), Wilbur Ware (b), Philly Joe Jones (ds)。

リーダーのグリフィンのテナー、アダムスのバリサク、バードのトランペットの3管フロント。バックのリズム隊は、ドリューのピアノ、ウエアのベース、フィリージョーのドラム。セクステット編成になる。

直訳すると「ジョニー・グリフィンの6重奏団」なんていう、味もしゃしゃらも無いタイトルなんだが、リヴァーサイド移籍第一弾のグリフィンのリーダー作である。

この時代、テナー、トランペットときたら、トロンボーンが定番の3管フロントなんだが、この盤ではトロンボーンでは無く、バリサクの入った3管フロント。グリフィンの骨太でデカい音のテナーとの相性を考慮したチョイスだと思われる。

リズム隊は、黒い重量感あるドリューのバップ・ピアノ、ダイナミックでオフェンシブなフィリー・ジョーのバップ・ドラム、そして、ちょっと捻れ感のある、プログレッシヴなウエアのバップ・ベース。
 

Johnny-griffin-sextet

 
セクステットのハードバップ演奏として、聴き慣れた感、「またか」感を回避すべく、フロント3管の楽器の組み合わせと、リズム隊の奏でるリズム&ビートの新鮮さに工夫の後が見える。オリン・キープニュースの深慮遠謀を感じる。

で、その内容だが、いやはや、素晴らしい内容のハードバップ。流麗で重厚感溢れる3管フロント。テクニック確かでブリリアントなバードのトランペット、重量感豊かに流麗に吹き回すペッパーのバリサクの効果的に響く。そこに、骨太でメロディアスなデカい音のグリフィンのテナーが前面に推し出てくる。この3管フロントがこの盤の最大の聴きもの。

リズム隊も良い音出している。ドリューの黒い重量感が心地良い、疾走感溢れるバップなピアノが、演奏全体に活力を供給する。ちょっと捻れた不思議な響きが新鮮なウエアのベースラインが、フロント3管の創造力を刺激する。そして、フィリー・ジョーのダイナミックなバップ・ドラミングが演奏全体を煽り、鼓舞する。

収録曲全5曲、どの演奏も充実したハードバップだが、特に、有名スタンダード曲の「What's New?」と「Woody 'n' You」が良い。3曲目の「Woody 'n' You」のみ、アダムスとバードが抜けて、グリフィンのワンホーン・カルテットの演奏になっていて、グリフィンのテナーの個性と特徴がよく判る。

これだけ充実した6重奏団のハードバップな演奏が詰まった優秀盤だが、我が国では、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で取り上げられることは殆ど無い。が、ジャケもなかなか「ジャズしてる」し、ジャケ良し内容良しの「隠れ名盤」だと、僕は評価している。今でも時々、ひっぱり出しては聴き直す、永遠のヘビロテ盤でもある。
 
 

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2023年11月25日 (土曜日)

ウエスの弾きっぷりが見事。

リヴァーサイド・レーベル時代のウエス・モンゴメリーのリーダー作に「はずれ」は無い。どのリーダー作でも、ウエスのギターは絶好調。加えて、総帥プロデューサーのオリン・キープニュースのサイドマンの人選がとても良く、ウエスはそんなパーソネルに恵まれて、心おきなく、ギターを弾きまくっている。

Wes Montgomery『So Much Guitar!』(写真左)。1961年8月4日の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Ray Barretto (conga), Lex Humphries (ds)。ウエス・モンゴメリーの6枚目のリーダー作。米国ではウエスの最高の録音の1つとされる。パーソネルのメンバーの人選も申し分ない。

しかし、まあ(笑)、思いっきり弾きまくるウエスである。鬼気迫る雰囲気ではない、軽やかに爽やかに疾走するように、超絶技巧なギターを弾きまくるウエス。

これが良い。収録された曲の選曲がふるっている。全8曲中、ウエスの自作曲が2曲のみ。他の6曲は渋めのスタンダード曲。意外とひと捻りもふた捻りもある、癖のあるスタンダード曲で、これは弾き甲斐があるだろう。

一本弾きからお得意のオクターブ奏法、そしてコード弾きまで、ウエスの持つテクニックを余すことなく駆使して、ウエスしか弾けないギターで、渋めのスタンダード曲を味わい深く聴かせてくれる。
 

Wes-montgomeryso-much-guitar  

 
あまりに軽くかっ飛んだ弾き回しなので、ジャズ・ギター初心者は、何が何だか判らなくなるかも(笑)。それでも、この弾き回しは凄いのはよく判るかと思います。

バックのリズム隊+コンガの叩き出すリズム&ビートは小粋で典雅。ハンク・ジョーンズのファンクネス漂う典雅なバップ・ピアノが効いている。伴奏上手、奥ゆかしく典雅にバッキングするハンクのピアノは、フロントのウエスにピッタリ。

ギターとピアノ、一本弾きからお得意のオクターブ奏法、そしてコード弾きまで全部できる楽器同士なので、音がぶつかったりするのだが、ハンクのテクニックが優れているのか、決して、音がぶつからないのには感心する。

この盤、米国ではウエスの最高の録音の1つとされるが、我が国では「コンガ入り」が良く無いのか、あまりこの盤を「名盤」として紹介される機会は僅少。

が、この「コンガ」の存在が、この盤のシリアスでハードな面を緩和し、若干、ポップな雰囲気を添加していて、効果抜群と僕は聴いている。

ウエス初期の名盤の一つとして、しっかりと聴いてもらいたいリーダー作。成熟し完成し切ったウエスのギターの弾きっぷりが見事です。
 
 

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2023年9月18日 (月曜日)

充実の『アフリカン・ワルツ』

リヴァーサイド・レーベルのキャノンボール・アダレイは、自らの個性を前面に出し、活き活きとしたパフォーマンスを発揮し、数々の傑作をものにしている。ひとえに、リヴァーサイドの総帥プロデューサーのオリン・キープニュースの賜物である、と僕は思っている。キャノンボールは本当に良いレーベルに巡り会えた。

Cannonball Adderley『African Waltz』(写真左)。1961年2, 5月の録音。リヴァーサイド・レーベルからのリリース。ビッグバンドをバックにしたキャノンボール・アダレイの企画盤。

ちなみにパーソネルは、Cannonball Adderley (as), Nat Adderley, Joe Newman, Ernie Royal, Clark Terry, Nick Travis (tp), immy Cleveland, George Matthews, Arnett Sparrow, Melba Liston (tb), Bob Brookmeyer (valve-tb), aul Faulise (b-tb), Don Butterfield (tuba), George Dorsey (as, fl), Oliver Nelson (ts, fl), Jerome Richardson (ts, fl, piccolo), Arthur Clarke (bs), Wynton Kelly (p), Sam Jones (b), Charlie Persip, Louis Hayes (ds), Michael Olatunji (congas, bongos), Ray Barretto (congas),

要所要所に一流ジャズマンを配置した、内容のあるスキルフルなビッグバンドをバックにした、充実の企画盤。ビッグバンドをバックにしたキャノンボールと言えば、エマーシー時代の「ウケ狙いのイージーリスニング・ジャズ」を想起して、ちょっと眉をひそめるのだが、この盤を聴けば、それは杞憂であったことにホッとする。
 

Cannonball-adderleyafrican-waltz

 
アレンジが良い。アーニー・ウィルキンスのアレンジとのことだが、1960年代のジャズ黄金期の「録音の為のビッグバンド」といった音作りがとても良い。ウィントン・ケリーのピアノ、サム・ジョーンズのベース、チャーリー・パーシップとルイス・ヘイズのドラム、この1960年代ならではのリズム・セクションが、当時の最先端のハードバップらしいリズム&ビートを供給する。これが意外と洒脱なのだ。

ホーン隊は逆に、実に「俗っぽい」。どこから聴いても、下世話なスイングの雰囲気を引き継いだ、どこから聴いても、モダン・ジャズらしい、大衆受けするユニゾン&ハーモニー。新しさは無いが、ジャズ黄金期のブラスの響き、ブリリアントな音の輝きが「どジャズ」していて、とても良い。

そんなビッグバンドをバックに、キャノンボール・アダレイの初のシングルヒット曲「African Waltz」が展開される。これがまた実に良い。ただ、この「African Waltz」は、アドリブ・パートが無くて、ジャズの曲調を借りたビッグバンドをベースとしたイージーリスニング志向の演奏。それでも、曲自体が良くて、音的にもアフリカ色が散りばめられていて良い感じ。

他の曲も、スタンダード曲、若しくは、ミュージシャンズ・チューンがほとんどだが、演奏自体のレベルは良好。さすが、メンバーがメンバーだけに、それぞれのアドリブ・パートや要所要所のユニゾン&ハーモニーは聴き応え十分。

エマーシー時代とは一線を画した、リヴァーサイドでの内容のあるスキルフルなビッグバンドをバックにした、充実の企画盤。本当に、キャノンボールって、リヴァーサイドに移籍して良かったなあ、とこの盤を聴く度に、つくづく思うのだ。
 
 

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2023年9月15日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・266

キャノンボール・アダレイは、ファンキーで明るいアルト・サックスが身上。しかし、デビューから暫くは、エマーシー・レーベルの下、明るい明確なアルト・サックスをメインに、ストリングスやジャズオケをバックにした、大衆受け狙いの「イージーリスニング・ジャズ」志向のリーダー作を連発。

リヴァーサイド・レーベルに移籍して、ハードバップなジャズにやっと立ち戻ったが、ファンキー・ジャズには未だ至らす。しかし、1959年の『The Cannonball Adderley Quintet in San Francisco』で一気にファンキー・ジャズ志向に大転換。以降、暫く、キャノンボール・アダレイは、ファンキー・ジャズ一直線で、売れっ子人気ジャズマンの仲間入り。

Cannonball Adderley『Them Dirty Blues』(写真左)。1960年2月1日はNY、1960年3月29日はシカゴでの録音。ちなみにパーソネルは、Cannonball Adderley (as), Nat Adderley (cornet), Bobby Timmons (p, tracks 5–9) , Barry Harris (p, tracks 1–4), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。

ピアノをバップなピアニストであるバリー・ハリスとファンキーなピアニストであるボビー・ティモンスとで使い分けているが、編成の基本はアダレイ兄弟がフロント2管のクインテット編成。こってこてバップなピアニストのハリスが、とってもファンキーなピアノを弾いている。こってこてファンキーなティモンズのピアノよりファンキーなのでは、と思う位、ファンキーなハリスのピアノが効いている。
 

Cannonball-adderleythem-dirty-blues  

 
ナット・アダレイのファンキー・チューンの名曲、冒頭の「Work Song」が突出して良い出来。コール・アンド・レスポンスでゴスペルチックなテーマ、展開部は徹底的にファンキーなフレーズで埋め尽くす。根明でストレートなキャノンボールのアルト・サックスと、根明でブリリアントなナットのトランペットが映えに映える。

ちなみに、CDリイシュー盤では、バリー・ハリスがピアノを弾いているテイクと、ボビー・ティモンズがピアノを弾いているテイクとを聴き比べることが出来る。聴き比べると判るのは、LP時代、正式に採用されたのは、バリー・ハリスがピアノを弾いたテイク。ハリスがこってこてファンキーに切れ味良く、ファンキーなバップ・ピアノよろしく、フロントのアダレイ兄弟をバッキングしている。うん、やはり、これはハリスのテイクの方が良い。

2曲目以降もファンキー・ジャズ志向の演奏がてんこ盛り。ハリスのファンキー・ピアノが目立っているが、ティモンズのソウルフルなファンキー・ピアノが良い味を出している。

この『Them Dirty Blues』、スタジオ録音での、アダレイ兄弟のファンキー・ジャズ志向を決定付けたエポック・メイキングな盤という位置づけで、ファンキー・ジャズの名盤の1枚として良いのではないか。アルバムのどの曲を聴いても「ファンキー・ジャズ」。アダレイ兄弟の「ファンキー・ジャズ事始め」を、『The Cannonball Adderley Quintet in San Francisco』と併せて聴いて確かめたい。
 
 

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2023年9月12日 (火曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・99

ジュニア・マンスのピアノはファンキーでソウルフル、端正で明確なタッチが身上。ドライブ感溢れるグルーヴィーな、爽快感溢れる弾きっぷりは爽快感抜群。ビ・バップなピアノを洗練して、ハードバップに乗せたイメージで、高速弾きの曲についても、フレーズが洗練されているので、耳に付かないのが特徴。

Junior Mance『Happy Time』(写真左)。1962年6月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Junior Mance (p), Ron Carter (b), Mickey Roker (ds)。リヴァーサイドの傍系レーベル「Jazzland」からのリリース。ベースにレジェンド、ロン・カーター、ドラムにモーダルなドラマー、ミッキー・ローカー。

伸びるトーンと強靱なビート。当時、最先端をいくモーダルなリズム隊をバックにマンスが弾きまくる。といっても、マンスがモーダルなピアノを弾く訳では無い。バックのリズム隊のロンもローカーも、リズム&ビートの基本はハードバップ。逆に、1963年の録音年で、ロンとローカーがハードバップ志向のリズム&ビートを供給している様は珍しいと言えば珍しい。
 

Junior-mancehappy-time

 
端正で明確なタッチ、ドライブ感溢れる、グルーヴィーで爽快感溢れる弾きっぷりのマンスのピアノを引き立てる様な、伸びるトーンと強靱なビートを供給するこのリズム隊は素晴らしい。こんな素晴らしいリズム隊に恵まれて、マンスは当時としての「ベスト・パフォーマンス」を繰り広げる。

収録されたどの演奏も、マンスのパフォーマンスの良いところが前面に押し出されていて良い出来。乾いたブルース・フィーリングを湛えた、遅れてきたハードバップ・ピアノ・トリオの名盤といった面持ちで、聴いていてとても心地良く、マンスらしい愛嬌や軽妙さが見え隠れして、聴いていてとても楽しい。

マンスの代表的名盤の1枚として良い、優れた内容。ジャケットもシンプルで良好。それでも、マンスの人気については、我が国ではイマイチなのが残念。何がいけないのか、良く判らないが、少なくとも、初リーダー作『Junior』がマンスの最高作と評価している間はどうしようも無いかな。僕は思う。この『Happy Time』の内容は明らかに『Junior』の上を行く。
 
 

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2023年8月31日 (木曜日)

マンスの真の個性が満載な盤

ジュニア・マンスのピアノの真の個性とは何か、を追求している。初リーダー作『Junior』を聴き込み、そしてリーダー作2作目『The Soulful Piano of Junior Mance』を聴き込む。

『Junior』は大衆受けする売れる内容。イージーリスニング・ジャズ一歩手前の、聴き易い、典型的なピアノ・トリオ演奏。『The Soulful Piano of Junior Mance』は、すっきり爽やか、端正で明確な「ファンキー・ジャズ」。端正で明確なタッチ、コッテコテなファンクネスは無くて、スッキリ爽やかなグルーヴ感。さて、どちらがマンスのピアノの本質か。

Junior Mance『Big Chief!』(写真左)。1961年8月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Junior Mance (p), Jimmy Rowser (b), Paul Gussman (ds)。マンスの3枚目のリーダー作。お得意のトリオ作。

アタックの強い切れ味の良いタッチ。右手は多弁。しかし、五月蠅くは無い。「饒舌」一歩手前。ほど良い「多弁さ」。流麗で端正、破綻が無い。ファンクネスは軽め、爽やかでライトなブルージー感が個性。そんなマンスのピアノが溢れんばかりの3枚目のリーダー作である。

冒頭のタイトル曲「Big Chief!」はゴスペル風のブルースだが、決して、ファンクネス&ソウルはコッテコテでは無い。ピアノとベースのコール&レンポンスも印象的だが、決して、コッテコテのファンキー・ジャズにはならない。スッキリ爽やか、軽やかで端正なファンクネス&ソウル。
 

Junior-mancebig-chief

 
多弁な展開は意外と耳に付かない。タッチが明確なんだが硬質では無い。音のエッジが少しラウンドしている様な明確なタッチ。特に速いフレーズを弾き回す時、この個性が良い方向に作用している。この多弁な展開の弾き回しの個性はマンスならでは、だと思う。

逆にミッドテンポの曲の弾き回しもマンスならでは、の個性が光る。ミッドテンポの曲は、多弁なフレーズがちょうどフィットしていて、多弁なフレーズのエッジがほど良くラウンドしているので、多弁が多弁と感じ無い。

バラード曲の弾き回しもマンスならでは、の個性が光る。バラード演奏もバラードとしては少し多弁かもしれないが、ファンクネス&ソウルが爽やかな分、耳には爽やかさが残って、多弁でもフレーズが「もたれない」。

3枚目のリーダー作『Big Chief!』を聴き込んで、マンスの初リーダー作で代表作とされる『Junior』(Verve)は、マンスの本質を抑えて、イージーリスニング・ジャズ一歩手前の、聴き易いピアノ・トリオとしてまとめた異色作だったことが良く判る。『Big Chief!』にはマンスの真の個性が満載。マンスの真の個性を感じるには、まずは『Big Chief!』。
 
 

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2023年8月29日 (火曜日)

ジュニア・マンスの「良き個性」

ジュニア・マンス(Junior Mance)。1928年生まれ。2021年1月、92歳で逝去。活動期間は1959年の初リーダー作から、2015年の遺作まで、50年以上のキャリアを誇る。ファンキーでソウルフル、端正で明確なタッチのピアノが身上。ドライブ感溢れるグルーヴィーな、爽快感溢れる弾きっぷりは、僕のお気に入りのピアニストの1人でる。

『The Soulful Piano of Junior Mance』(写真左)。1960年10月25日の録音。ちなみにパーソネルは、Junior Mance (p), Ben Tucker (b), Bobby Thomas (ds)。リヴァーサイド・レーベルの傍系「Jazzland」からのリリース。ジュニア・マンスの2枚目のリーダー作である。

いきなり、大手ジャズ・レーベルのヴァーヴからリーダー作『Junior』をリリースしたマンス。大手レーベルのヴァーヴである。大衆受けする売れる内容のピアノ・トリオ演奏をプロデュースする。イージーリスニング・ジャズ一歩手前の、聴き易い、典型的なピアノ・トリオ演奏でまとめた。ピアノ・トリオ盤としては聴き易い、モダン・ジャズらしい内容だったが、マンスのピアノの個性を前面に押し出したものでは無かった。
 

The-soulful-piano-of-junior-mance

 
2枚目のリーダー作である当盤は、名プロデューサー、オリン・キープニュースのいるリヴァーサイドからのリリース。アルバム全体の内容は明確に「ファンキー・ジャズ」。それも、すっきり爽やか、端正で明確な「ファンキー・ジャズ」。リヴァーサイドに移って良かったなあ、という内容。端正で明確なタッチ、コッテコテなファンクネスは無くて、スッキリ爽やかなグルーヴ感。これが、マンスのピアノの個性なんだろう。

汗の飛び散る様なメリハリの効いたファンキー・ジャズでは無い。どこか気怠い雰囲気を漂わせた、落ち着いた端正で明確なファンキー・ジャズ。いわゆる「ブルージー」なのだ。その「ブルージー」な感覚を、この盤のタイトルは「ソウルフル」と形容しているみたい。ハードバップな弾き回しを踏襲しているので、基本的に右手は「多弁」。それでも、五月蠅くは無い。どこか端正で落ち着いているので、多弁が耳につくことは無い。どちらかといえば「心地良い」。

実に趣味の良いファンキー・ジャズなピアノである。小気味良いスイング感も特筆すべき個性だろう。メリハリ効いた、大向こうを張ったコッテコテなファンキー・ジャズなピアノも良いが、マンスの様な、落ち着いた端正で明確なファンキー・ジャズなピアノも良い。デューク・エリントンの言う「良い音楽」について、1つの個性、1つのスタイルに絞る必要はないだろう。良いものは良い、悪いものは悪い。僕はこのマンスのピアノが好きだ。
 
 

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