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2018年11月14日 (水曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・64

ジャズのアルバムって「出会い」だよな、と思うことがある。ジャズを聴き始めた頃は、ジャズ本紹介本やジャズ雑誌のジャズ盤紹介記事を頼りにアルバムを入手していくのだが、それにも限りが出てくる。今度はジャズ・レーベルのカタログを見渡しながら、そのパーソネルを吟味して「これは」という盤を入手する。これが当たったときは、思いっきり嬉しくなる。

James Clay『A Double Dose of Soul』(写真)。1960年10月11日の録音。リバーサイド・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、James Clay (ts, fl), Nat Adderley (cor), Victor Feldman (vib), Gene Harris (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。パーソネルを見渡して、リバーサイド盤とくれば、これはきっと良いジャズが聴けるのでは、と期待感が膨らむ。

この盤は、ジャズ・レーベルのカタログを見渡しながら、そのパーソネルを吟味して選んだ盤になる。まず、ジャズ本紹介本やジャズ雑誌のジャズ盤紹介記事にこの盤のタイトルが挙がることは無い。それでも、このパーソネル、いわゆる東西混合の名うての名手揃いで、どんな音が出てくるのか、聴く前からワクワクする。
 

A_double_dose_of_soul  

 
こういう盤は1曲目から裏切られることは無い。1曲目の「New Delhi」、渋い渋い演奏。リーダーのクレイのフルートがむっちゃジャジー。ああ、ええ音やなあ、と溜息が出る。1曲目がこれだけジャジーだと残りの曲は決して期待を裏切らない。続く「Remember you」のクレイのスインギーなフルートとフェルドマンのヴァイブとの絡みは絶品。3曲目の「Come Rain or Come Shine」のクレイの黒いテナーもグッド。バックを司る、ハリスのピアノ、ジョーンズのベース、ヘイズのドラム、渋い渋いリズム・セクションも良い音出してます。

ハリスのピアノはソウルフルでリズミック。クレイのテキサス・テナー&フルートとの相性はバッチリ。過度に粘らず、ファンクネスも適度、フロント楽器が結構黒いので、このリズム・セクションの堅実な軽快さは実にバランスが良い。そうそう忘れてはならない、ナットのコルネットも良い味出してます。クレイのテナーとの対比、クレイのフルートとの相性が良い方向に出ていて、コルネットでの参加が正解。

ジェームス・クレイは、1935年ダラスの生まれなので、いわゆる「テキサス・テナー」の遣い手。ハードにブロウするイメージだが、持ち替えたフルートも絶品。この盤を聴くまで、その存在を全く知らなかった。この盤を聴き直して、ジャズのアルバムって「出会い」だよな、とつくづく思います。

 
 

東日本大震災から7年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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2018年7月31日 (火曜日)

ゴルソン・ハーモニーを楽しむ

ジャズにはアレンジも大事な要素である。ジャズメンが一堂に会しての最低限のルールだけでアドリブ演奏をしまくるジャム・セッションも聴いていて面白いが、演奏の出来にバラツキがあるのが難点。それぞれの演奏が同一レベルで、お互いの演奏が上手くかみ合えば良いが、纏まりが悪ければ聴くに堪えないか、聴いていて退屈になる。

逆にアレンジがしっかりしておれば、テーマ部も聴き応えがあり、アドリブ部もバックの伴奏をアレンジすることで、ある程度の統一感が生まれる。優れたアレンジはジャズの演奏の内容を整え、安定させる働きがある。ジャズの世界ではアレンジャーとして優れたジャズメンが結構な人数いる。クインシー・ジョーンズ、ベニー・ゴルソン、ギル・エヴァンス、デヴィッド・マシューズなどなど、通常のジャズメンでもアレンジをやらせたら超一品というのも多数。

僕がこのジャズのアレンジを一番最初の意識したのが「ゴルソン・ハーモニー」。Art Blakey & The Jazz Messengers『Moanin'』を聴いて、テーマ部のユニゾン&ハーモニーの響きが独特で「これは一体なんなんだ」と思った。そして、ライナーノーツを読んで、これが、ベニー・ゴルソンの独特のアレンジの個性で「ゴルソン・ハーモニー」と呼ばれることを知った。
 

The_modern_touch  

 
Benny Golson『The Modern Touch』(写真左)。1957年12月の録音。リバーサイド・レーベル RLP 12-256。成熟したハードバップ盤がメインの「リバーサイド200番台」の真ん中辺り。ハードバップ時代真っ只中の「こってこてのハードバップ」。ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Kenny Dorham (tp), J. J. Johnson (tb), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Max Roach (ds)。

フロント3管のセクステット構成。このフロント3管がミソで、ゴルソン・ハーモニーが一番美しく響くフロント構成である。さすがにこの盤は、ベニー・ゴルゾンのリーダー作だけあって、随所に「ゴルソン・ハーモニー」が仕掛けられている。しかも、こってこてではなく、あっさりと仕掛けられている。さすが「ゴルソン・ハーモニー」の本家本元だけあって、「ゴルソン・ハーモニー」が一番アーティスティックに響く術を良く知っている。その「術」がこの盤で心ゆくまで堪能出来る。

この盤、何故かは判らないが、我が国では意外と知られていなくて、ジャズ盤紹介本に載ることはまず無い。ゴルソンのテナーの評判が悪いからかなあ。ユルユルの締まりの無いテナーという形容をした大御所ジャズ評論家の方がいて、ゴルソンのテナーについてはケチョンケチョンだったなあ。でもご心配なく。それは誤解です。ゴルソンのテナーを優秀です。この盤のテナーを聴けば良く判ります。「ゴルソン・ハーモニー」と共に、硬派なゴルソンのテナーもお楽しみ下さい。

 
 

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