2022年1月10日 (月曜日)

ソニー・クラークの遺作盤です

ブルーノート・レーベルには「お抱えのジャズマン」が何人かいる。ほとんどブルーノート・レーベル専属に近い状態で、ブルーノートのカタログにその名前が、リーダーにサイドマンに結構な数が上がるジャズマンである。基本的に、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの「大のお気に入りジャズマン」である。

Sonny Clark『Leapin' and Lopin'』(写真左)。1961年11月13日の録音。ブルーノートの4091番。ちなみにパーソネルは、Sonny Clark (p), Tommy Turrentine (tp, except track 2), Charlie Rouse (ts, except track 2), Ike Quebec (ts, track 2 only), Butch Warren (b), Billy Higgins (ds)。基本は、トミタレのトランペット、ラウズのテナーのフロント2管のクインテット編成。

ソニー・クラーク(以降「ソニクラ」と略)は、アルフレッド・ライオンの「大のお気に入りジャズマン」の1人。本職のピアノもさることながら、どうも、ソニクラの書く曲が大好きだった節がある。それでも、31年の短い生涯の間のリーダー作11作のうち、9作がブルーノートからのリリースである。
 

Leapin-and-lopin

 
確かに、収録された全6曲中、3曲を占めるソニクラの曲は、突出してアーバンでブルージーで魅力的な曲ばかり。そんな「ジャジーでブルージー」な曲を、ソニクラの「流麗ではあるがファンクネス漂い、マイナーで哀愁感溢れる」黒いバップなピアノが奏でるのだ。むっちゃジャジーな雰囲気が堪らない。

この盤は、実はソニクラの遺作になる。この盤の録音の1年2ヶ月後、ソニクラは、ヘロインの過剰摂取により、帰らぬ人となる。恐らく、そんな事、当の本人は思ってもいなかったと思われる。なぜなら、この盤のソニクラのピアノは、モーダルで新しい響きを宿した、ハードバップなフレーズを連発していて、次のステップへ進化しようとする「意欲」が聴いてとれるのだ。

初リーダー作『Oakland, 1955』(Uptown)以外、今、聴くことの出来るソニクラのリーダー作は10枚。どれもが、ソニクラらしい、ブルーノートらしい音が詰まった秀作揃い。特に、この遺作の『Leapin' and Lopin'』については、ソニクラのジャズマンとしての「前進する姿」を捉えた好盤だと言える。それにしても享年31歳、実に惜しい早逝であった。
 
 
 
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2022年1月 6日 (木曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・12

ジャケットを見るだけで、これは名盤だな、と感じるアルバムがある。アルバムの1曲目を聴くだけで、これは名盤だな、と感じるアルバムがある。パーソネルを確認するだけで、これはきっと名演だろうな、と想像出来るアルバムがある。そんなアルバムは「ブルーノート・レーベル」に沢山ある。

Sonny Clark『Cool Struttin'』(写真左)。1958年1月5日の録音。ブルーノートの1588番。ちなみにパーソネルは、Sonny Clark (p), Jackie McLean (as), Art Farmer (tp), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。リーダーは、早逝の哀愁ファンキー・ピアノ、ソニー・クラークがリーダー。マクリーンのアルト・サックス、アート・ファーマーのトランペットがフロント2管のクインテット編成。

最初に、この盤は「モダン・ジャズ」を強烈に感じることの出来る名盤である。特にハードバップの良いところが「てんこ盛り」。フロント2管のユニゾン&ハーモニーの重ね方&響き、ソニクラのピアノに、ポルチェンのベース、フィリージョーのドラムが叩き出す、切れ味良い、躍動感溢れる、クールなファンキー・ビート。ソニクラの書く名曲のキャッチャーなマイナー調のメロディー。
 

Cool-sreuttin_1

 
このアルバムに収録されている全ての演奏が「モダン・ジャズ」と言い切って良いかと思う。とにかく、リーダーのソニクラの書く曲が絶品。マイナー基調でファンキーで流麗。印象的なメロディーとキャッチャーなフレーズ。そのソニクラの書く秀曲の間で演奏されるスタンダード曲の選曲も実に良い。アルバム全体を包む「マイナーでファンキーで小粋なハードバップ」な雰囲気が実に芳しい。

演奏上の工夫も、どれもが「モダン・ジャズ」らしい。ユニゾン&ハーモニーとチェイスの合わせ技、切れ味の良いベースとドラムの効果的ソロ、ピアノ伴奏の印象的なコンピング、どれもがハードバップで培われた演奏上のテクニックなんだが、これらが実に良いタイミングで、要所要所に散りばめられていて、聴いていてとても楽しい。聴いていて「ジャズってええなあ」って思う。

最後にジャケットも本当に「秀逸」。この『Cool Struttin'』のジャケについては、語り尽くされた感があるが、とにかく「ジャズ」している。白黒基調の。妙齢の女性のスラッとした足だけのジャケ写、そして、絶妙なバランスで配置されるタイポグラフィー。この盤に詰まっている音が、このジャケットを通して聴こえてくる様だ。大名盤である。
 
 
 
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2021年3月 4日 (木曜日)

ブルーノート色満載のバップ好盤

ブルーノート・レーベルには、他のレーベルにはいない、ブルーノート・レーベルのカラーに合った独特のジャズマンがいたりする。中にはブルーノートから他のレーベルに移ったジャズマンもいるが、ブルーノートに残したリーダー作が一番輝いていたりするのだ。

Louis Smith『Smithville』(写真左)。1958年3月30日の録音。ブルーノートの1594番。ちなみにパーソネルは、Louis Smith (tp), Charlie Rouse (ts), Sonny Clark (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。演奏全体の雰囲気は明らかに「ハードバップ」。ハードバップの美味しいところが全てこの盤に詰まっているような盤である。

リーダーのトランペッターのルイ・スミス、そして、渋い玄人好みのテナーマンのチャーリー・ラウズの2管フロント。バックに、哀愁のピアニストのソニー・クラーク、ファースト・コールなベーシストのポルチェン、職人ドラマーのテイラーの鉄壁のリズム・セクション。

まず、演奏全体の「音」がブルーノート一直線。ルディ・バン・ゲルダーの手による「ブルーノート・サウンド」が明確にこの盤に反映されている。音の響き、空間の拡がりと奥行き、楽器の存在感、どれもが明確な「ブルーノート・サウンド」。特に、ルイ・スミスのトランペットの音が凄く良い。
 
Smithville  
 
ブルーノートで最初に出されたリーダー作『Here Comes Louis Smith』は、厳密にはブルーノートで制作された作品では無い(トランジション・レーベルでの録音音源を買い取ってのリリース)。実はルイ・スミスのとって、この盤がブルーノート・レーベルでの初リーダー作になる。

ブルーノートの総帥でプロデューサーのアルフレッド・ライオンはルイ・スミスのバップな資質を見抜いていたのだろう。そう言えば、演奏メンバー全員、バップが基本のジャズマンで、演奏のすべてに「バップな雰囲気」が蔓延している。特に、ルイ・スミスのトランペットが「唄うが如く」のバップなパフォーマンスで魅了する。

バックのリズム・セクションも明らかに「バップ」。特に、ソニー・クラークのピアノが絶好調。個性である哀愁感あふれるマイナーな響きを宿しつつ、躍動感溢れる「バップなピアノ」でフロント2管を鼓舞する。職人ドラマー、アート・テイラーのバップ調のドラミングも見事である。

シンプルではあるが、とても渋いジャケット・デザインもブルーノートならではのもの。意外とこの盤、ジャズ盤紹介本などで採り上げられることが少ない盤だが、中身は圧倒的にハードバップしていて、ブルーノートしている。ジャズ者全ての方々にお勧めの「ブルーノート好盤」の一枚である。
 
 
 

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2021年2月22日 (月曜日)

ソニクラのお蔵入り音源・1

僕のお気に入りのジャズ・ピアニストの1人、ソニー・クラーク(Sonny Clark)。1931年7月、米国ペンシルベニア州生まれ、1963年1月、NYにて死去。31歳での「早逝のピアニスト」。それでも、リーダー作はブルーノート・レーベルを中心に10数枚、サイドマン参加でのアルバムは50数枚とかなりの枚数になる。

1955年から逝去する前年1962年の7年の間に、参加アルバムが60数枚、年平均8枚程度、録音していたのだから、当時の「ファースト・コール」ぶりが偲ばれる。そんな当時の人気ピアニスト、ソニー・クラークのリーダー作の中で、録音されてアルバム番号まで確定していながら、お蔵入りになったアルバムが幾枚かある。

まずは、『Sonny Clark Quintets』(写真左)。1957年12月8日、1958年1月5日の2セッションからの録音。

ちなみにパーソネルは、Sonny Clark (p), Paul Chambers (b) は共通。1957年12月8日のセッションは、Clifford Jordan (ts), Kenny Burrell (g), Pete LaRoca (ds)、1958年1月5日のセッションは、Art Farmer (tp), Jackie McLean (as), Philly Joe Jones (ds) が加わったクインテット編成。

このパーソネルを見て、1958年1月5日の録音(1〜2曲目)って、かの名盤『Cool Struttin'』と同一日、同一メンバーでの録音ではないか、と思われた方は、優れた「ブルーノート者」である。
 
 
Sonny-clark-quintets
 
 
そう、この1曲目「Royal Flush」と2曲目「Lover」は『Cool Struttin'』と同一日、同一メンバーでの録音である。演奏の雰囲気、音の傾向が『Cool Struttin'』そのもの。名演の類である。この盤、この2曲を聴くだけでも価値がある。

かたや、1957年12月の録音は、質実剛健テナーのジョーダンと、漆黒のアーバン・ギターのバレルがフロントを張る変則クインテットだが、ここでのクラークのピアノも絶好調。

クラークは1956〜57年が絶好調で、その絶好調期の最後を飾ったのが、1958年1月5日のセッション。当時、お蔵入りになって2曲は、『Cool Struttin'』がLPであったが故に、収録時間的にあぶれたと思われる(CDでは『Cool Struttin'』のボートラで追加されている)。

逆に、1957年12月8日のセッションの3曲は、このパーソネルでのセッションが、後にも先にもこの日だけだったので、結果、この3曲はアルバムに収録されないまま、放置されたと思われる。このセッションについては、運がなかった、気の毒な3曲だろう。

それでも、1976年に目出度くリリースされたのだから良かった。ジャケットのデザインも良好、ここにクラークの写真が小粋にあしらわれていた、と思うのは僕だけだろうか。
 

 

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2020年12月29日 (火曜日)

ソニー・クラークの初リーダー作

ジャズを本格的に聴き始めた頃から、このピアニストはずっとお気に入りである。振り返れば、ジャズ者初心者にしてはとても渋いチョイスである。

そもそも、ジャズピアノを聴き始めたら、先ずは「ビル・エヴァンス」から入って、「バド・パウエル」「セロニアス・モンク」に仰け反り、次のお気に入りのピアニストを捜し求めて、ジャズ・ピアノの森を彷徨うものなんだが、例の「秘密の喫茶店」のお陰でそうはならなかった。感謝している。

そのピアニストとは「ソニー・クラーク」。1931年、米国ペンシルベニア生まれ、1961年、31歳の若さで逝去している。ジャズ・ピアノストとしての主な活動期間としては、1954年〜1961年の僅か7年間。それでもブルーノートを中心に、10枚以上のリーダー作をリリースした。サイドマンとしても幾多のセッションに参加している。

彼のピアノは「哀愁の黒いピアノ」。タッチは明確、流麗なフレーズと「間」を上手く織り交ぜ、そこはかとなく哀愁感漂い、仄かに感じるファンクネスが個性。この「哀愁感」と仄かな「ファンクネス」が堪らなく良い。テクニックも確かなもので破綻は全く無い。コンポーザーとしての才能もあり、結構、良い曲を残している。

Sonny Clark『Dial "S" for Sonny』(写真左)。1957年7月21日の録音。ちなみにパーソネルは、Sonny Clark (p), Art Farmer (tp), Curtis Fuller (tb), Hank Mobley (ts), Wilbur Ware (b), Louis Hayes (ds)。全7曲中、6曲目の「Love Walked In」のみがトリオ演奏。他の6曲は「トランペット+トロンボーン+テナー・サックス」3管フロントのセクステット編成。
 
 
Dial-22s22-for-sonny
 
 
この盤はソニー・クラークの初リーダー作。タイトルは、ヒッチコックの映画「ダイアルMを廻せ!」(Dial "M" for Murder)のもじり。なかなかに「粋」なタイトル。ジャケット・デザインにも力が入っている。

さて、この盤の内容であるが、全7曲中、5曲がクラークのオリジナル曲で、彼の作曲の才を確認することが出来る。セクステットの演奏では、クラークの伴奏上手なところと印象的なアドリブ・フレーズが楽しめる。そして、1曲のみのトリオ演奏では、ソニー・クラークのピアノの個性の全てが確認出来る。

サイドマンの演奏も力が入っていて好演に次ぐ好演。上質なハードバップ演奏が心ゆくまで楽しめる。録音も良く、ブルーノート・レーベル独特の「音質」と「響き」がとってもハードバップらしくて良い。ソニー・クラーク入門盤としてお勧めの一枚である。

さて、今年の「ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ」は今日で最終回。今年も『松和』をご愛顧いただき、ありがとうございました。明日の12月30日から1月1日までの3日間、お休みをいただきます。来年は1月2日より再開予定です。

それでは皆様、良いお年を。
 
 
 

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  ・『Middle Man』 1980

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  ・ジョン・レノンの40回目の命日

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  ・僕達はタツローの源へ遡った

 

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2020年4月22日 (水曜日)

安心・安定の熟成されたテナー

ブルーノート・レーベルには、ほとほと感心する。よく、こんなジャズマンのパフォーマンスを記録していたもんだ、と思う盤がごまんとある。リーダー盤として記録されたジャズマンのほとんどが一流ジャズ・ミュージシャンに成長している。レーベルのカタログに載る盤のリーダーを任せるのである。外れたら目も当てられないのだが、ブルーノートには外れが無い。総帥のプロデューサー、アルフレッド・ライオンの慧眼の成せる技なんだろう。ほとほと感心する。

Clifford Jordan『Cliff Craft』(写真左)。1957年11月10日の録音。ブルーノートの1582番。ちなみにパーソネルは、Clifford Jordan (ts), Art Farmer (tp), Sonny Clark (p), George Tucker (b), Louis Hayes (ds)。

リーダーのテナー・サックス奏者、クリフォード・ジョーダンとトランペット担当のアート・ファーマーとの2管フロントのクインテット構成。バックのリズム・セクションは、哀愁のバップピアニスト、ソニー・クラークをメインに、職人肌のタッカーのベースとヘインズのドラムで「鉄壁のリズム隊」。

リーダーのクリフォード・ジョーダンは、1931年生まれ。惜しくも1993年3月に鬼籍に入っている(享年61歳)。この盤を録音した時、ジョーダンは26歳。少し歳はいっているが、まだまだ若手のジャズマンである。そんなジョーダンに、ブルーノートはリーダー作としての録音の機会を与えているのだ。しかも、共演ミュージシャンについても、申し分の無い、渋い玄人好みの人選で録音に臨んでいる。
 
 
Cliff-craft-cliff-jordan  
 
 
そして、その内容は「絵に描いた様なハードバップ」であり「典型的なブルーノートの音」。録音年は1957年、確かにハードバップ時代ど真ん中なんだが、それにしても、ハードバップの特徴・個性、そして「美味しいところ」がこの盤にギッシリと詰まっているのだ。テーマ部のユニゾン&ハーモニー、アドリブへの展開、アドリブの受け渡し、アドリブの節回し、どれをとっても「ハードバップ」である。

ジョーダンのテナーは「端正」「整然」「穏健」。テナーの音に乱れが無い。しっかり吹き切っている。そして、旋律の音の一つ一つを丁寧に紡ぎ上げる。例えば、ダブルタイムを殆ど吹かないし、婉曲的な節回しは無い。そして、そのブロウはしっかりと抑制されている。人の耳に聴き心地の良い音の大きさ、滑らかさでテナーを吹く。激情に任せた激しいブロウは皆無。26歳のプレイとは思えない、安心・安定の「熟成されたテナー」である。

バックのソニー・クラークのピアノも好調。良く鳴るフレーズをそこはかとないファンクネスを偲ばせて、ジョーダンのテナーにピッタリと寄り添っている。タッカーのベースとヘインズのドラムのリズム隊も、堅実に躍動的に、バンド・サウンド全体に対して、爽快なリズム&ビートを供給する。

クリフ・ジョーダンは地味な存在ではあるが、彼のリーダー作でのテナー・サックスのプレイは「端正」「整然」「穏健」。典型的なハードバップな演奏の中で、安心・安定の「熟成されたテナー」を聴かせてくれる。ジャズ者初心者の方々にもお勧めの「飽きの来ない好盤」です。
 
 
 
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2018年6月 4日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・121

トランペットという楽器は、この楽器の特徴なのだが、思い切り「ハイトーン」が出る楽器である。ハイテンポの曲だったりすると、気合いが入って、このハイトーンを吹きまくり、落ち着いて耳を傾けておれない状態に陥ることがある。それが判っていて構えて聴く分には「ハイトーン」も高度な技術なので、それはそれで楽しみなのだが、リラックスして聴くにはちょっと辛い。

Lee Morgan『Candy』(写真左)。1957年11月の録音と1958年2月の録音のミックス。BNの1590番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Sonny Clark (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。当時、弱冠20歳の鯔背なトランペッター、リー・モーガンのワンホーンの傑作盤である。純粋にトランペット吹きの名演として、この盤は十指に入る名演だろう。

モーガンは、決して気合いが入りすぎて、若しくは、感情をコントロール出来ずに、ハイトーンを連発することは無い。モーガンが奏でるハイトーンは、常に抑制されコントロールされている。ハイトーンばかりでは無い。持ち合わせた凄まじいばかりのテクニック、そのテクニックを良い方向に使って、硬軟自在、緩急自在、自由自在、縦横無尽に、様々な表現を聴かせてくれる。吹きすぎない、歌心優先のトランペット。良い意味で老成したトランペットである。
 
 
Candy
 
 
そういう意味で、この盤は万人に勧めることのできる、ジャズ・トランペットの傑作盤である。この盤でのモーガンのトランペットは力強く優しい。僕のお気に入りの一人、ケニー・クラークのピアノ・トリオをバックに、ワンホーンで朗々とトランペットを吹き上げるモーガンはとても素敵だ。ベース、ドラム共に、職人気質のワトキンスとテイラーで万全。4人(カルテット)一体となった演奏に惚れ惚れする。

3曲目のミュージシャンズ・チューンの「C.T.A.」を除いて、古い歌もののスタンダードで占められている。テーマのメロディも美しく、モーガンの歌心の神髄が聞けるのも嬉しい。この盤でのモーガンは絶好調。トランペットの一発録りにはつきものの「ミストーン」も無く、緩急も強弱も自由自在。日本の演歌でいう、いわゆる『こぶし』を回すような「小粋な節回し」を奏でながら、モーガンは爽快に疾走する。

軽く鼻歌を歌うがごとく、軽やかに、自由に、輝くように、モーガンのペットは唄う。アップテンポの曲も、スローなバラードも見事にこなして素晴らしいの一言。また、バックをつとめるピアノのソニー・クラークも、このアルバムを名盤としている要素の一つ。独特の間と、少しくすんだ、憂いをおびたようなシングル・トーンのクラーク節が、このアルバムをより素晴らしいものにしている。

 
 

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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
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  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
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