最近のトラックバック

2018年10月 1日 (月曜日)

ヒルの個性が渦巻いている

ブルーノート・レーベルの総帥、アルフレッド・ライオンがプロデューサーとして最後に発掘した才能が「アンドリュー・ヒル(Andrew Hill)」。ライオンはヒルの才能にぞっこんで、1963年から1965年の間に、なんと7枚ものリーダー作をリリースさせている。平均して5ヶ月に1枚のペース。新人にしては破格の扱いであった。

そのライオンが惚れ込んだヒルの才能は「かなり変な展開をするピアノ」。セロニアス・モンクの再来の様に、あらぬ方向へ飛んだり跳ねたりする。それでも、モンクの様に予知不可能なものではない。予想できる範囲の中で飛んだり跳ねたりする。だから、モンクのピアノより聴き易く慣れ易い。加えて「捻れる」。しかし、モンクの様にゴツゴツ「捻れない」。幾何学模様的にスイングするように「捻れる」。

予知不可能、再現不可能。これって、典型的な「即興音楽の妙」。アンドリュー・ヒルのピアノは面白い。そして、一期一会な「即興」の意味が即座に理解出来る。ジャズの典型的な例の1つがこのアンドリュー・ヒルのピアノである。ヒルの飛んだり跳ねたりするピアノの展開は、ブルーノート・レーベルに残した初期のアルバムを順に聴けば、たちどころに良く判る。
 

Smoke_stack  

 
Andrew Hill『Smoke Stack』(写真左)。1963年12月13日の録音。BNの4160番。リリースは1966年。ちなみにパーソネルは、Andrew Hill (p), Richard Davis, Eddie Khan (b), Roy Haynes (ds)。デビュー盤『Black Fire』はテナーがフロントのカルテット構成だったが、この盤ではベーシストは使い分けてはいるものの、ピアノ・トリオ編成である。

ピアノ・トリオ編成なので、ピアニストの個性が良く判る。デビュー盤の『Black Fire』よりも、アンドリュー・ヒルのピアノの個性がとても良く判る盤になっている。ヒルの「予知不可能、再現不可能」なピアノの展開を向こうに回して、デイヴィスのベースとヘインズのドラムはびくともしない。自由度の高い、間を活かしたリズム&ビートの供給で、ヒルのピアノを自由に展開させている。

ヒルのピアノの個性を確認するには『Black Fire』よりも、この『Smoke Stack』の方が適している。それでも当時リリースに選ばれたのは『Black Fire』。ヒルのピアノが『Smoke Stack』よりも『Black Fire』の方が先のリリース選ばれている。恐らく『Black Fire』の方は常識的な響きをしているからだろう。逆に『Smoke Stack』では、ヒルのピアノは結構「変態」している。ヒルのピアノの個性を正確に掴むには『Smoke Stack』だろう。ヒルの個性が渦巻いている。

 
 

東日本大震災から7年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年1月 5日 (金曜日)

アンドリュー・ヒルの個性

さて、ジャズのアルバムの中で、まだまだ聴き込んでいないジャズメンが何人かいる、と書きつつ、昨日は「ジョーヘン(Joe Henderson)」の初リーダー盤を聴いた。ということで、今日は「ジョーヘン」つながりで、アンドリュー・ヒルである。アンドリュー・ヒルの実質、初リーダー盤を聴く。

Andrew Hill『Black Fire』(写真左)。1963年11月の録音。ブルーノートの4151番。ちなみにパーソネルは、Andrew Hill (p), Joe Henderson (sax), Richard Davis (b), Roy Haynes (ds)。ジョーヘンをフロントに据えた、サックス・ワンホーン・カルテット。リチャード・デイヴィスのベース、ロイ・ヘインズの中堅どころのリズム隊が頼もしい。

改めて、アンドリュー・ヒルの実質、初リーダー作。この盤の前に1枚、リーダー作があるらしいが、1960年という3年も前に出した盤なので、このブルーノート盤が実質上の初リーダー作と捉えて良いだろう。さすがはブルーノート、この盤では、アンドリュー・ヒルのピアノの個性がしっかりと捉えられている。
 

Black_fire

 
かなり変な展開をするピアノである。セロニアス・モンクほどではないが、あらぬ方向へ飛んだり跳ねたりする、そして捻れる。しかし、モンクの様にゴツゴツしていない。「流麗に」あらぬ方向に飛んだり跳ねたりする、そして捻れる。これって、典型的な「即興音楽の妙」。アンドリュー・ヒルのピアノは面白い。そして、一期一会な即興の意味が即座に理解出来る。

ヒルの飛んだり跳ねたりするピアノの展開を目の当たりにしても、デイヴィスのベースとヘインズのドラムはびくともしない。がっちりと受け止めて、自由度の高い、間を活かしたリズム&ビートの供給で、ヒルのピアノに更なる自由を与えている。そして、自らの初リーダー作から5ヶ月しか経っていないのに、ジョーヘンのサックスはリラックス・モードで、素敵に捻れている。ヒルのピアノに呼応する様に、余裕も持って「流麗に」捻れている。

アルバム・ジャケットのデザインも素敵。アンドリュー・ヒルのピアノの個性もてんこ盛り。典型的なモーダルなジャズで、限りなく自由度の高い純ジャズな演奏はとても魅力的。あらぬ方向へ飛んだり跳ねたりする、そして捻れるヒルのフレーズを聴いていると、ジャズは即興の音楽、という言葉を思い出す。聴いて楽しい好盤です。

 
 

東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

その他のカテゴリー

AOR | CTIレーベル | ECMレーベル | jazz | Miles Reimaginedな好盤 | Pops | R&B | rock | SteepleChaseレーベル | T-スクエア | The Great Jazz Trio | Yellow Magic Orchestra | こんなアルバムあったんや | ながら聴きのジャズも良い | アキコ・グレース | アダムス=ピューレン4 | アブドゥーラ・イブラヒム | アラウンド・マイルス | アル・ディ・メオラ | アンドリュー・ヒル | アート・ブレイキー | アート・ペッパー | イエス | イスラエル・ジャズ | イタリアン・ジャズ | イタリアン・プログレ | インパルス!レコード | イーグルス | ウィントン・ケリー | ウィントン・マルサリス | ウェイン・ショーター | ウェザー・リポート | ウェス・モンゴメリー | ウエストコースト・ジャズ | エリック・クラプトン | エリック・ドルフィー | エルトン・ジョン | エンリコ・ピエラヌンツィ | オスカー・ピーターソン | オーネット・コールマン | カシオペア | カーラ・ブレイ | キャノンボール&ナット・アダレイ | キャンディド・レーベル | キング・クリムゾン | キース・ジャレット | ギル・エバンス | クインシー・ジョーンズ | クイーン | クリスマスにピッタリの盤 | クロスオーバー・ジャズ | グラント・グリーン | グレイトフル・デッド | グローバー・ワシントンJr | ゲイリー・バートン | コンテンポラリーな純ジャズ | サイケデリック・ジャズ | サザンロック | サンタナ | ザ・クルセイダーズ | ザ・バンド | ジャケ買い「海外女性編」 | ジェフ・ベック | ジミ・ヘンドリックス | ジャキー・マクリーン | ジャコ・パストリアス | ジャズ | ジャズの合間の耳休め | ジャズロック | ジャズ・アルト | ジャズ・オルガン | ジャズ・ギター | ジャズ・テナー | ジャズ・トランペット | ジャズ・トロンボーン | ジャズ・ドラム | ジャズ・ピアノ | ジャズ・フルート | ジャズ・ボーカル | ジャズ・レジェンド | ジャズ・ヴァイオリン | ジャズ喫茶で流したい | ジョニ・ミッチェル | ジョン・コルトレーン | ジョン・スコフィールド | ジョン・レノン | ジョージ・ハリソン | ジョー・ヘンダーソン | スタン・ゲッツ | スティング | スティング+ポリス | スティービー・ワンダー | スピリチュアル・ジャズ | セロニアス・モンク | ソウル・ミュージック | ソニー・クラーク | ソニー・ロリンズ | ソロ・ピアノ | タンジェリン・ドリーム | チック・コリア | チューリップ | テテ・モントリュー | デイブ・ブルーベック | デイヴィッド・サンボーン | デクスター・ゴードン | デュオ盤 | デューク・ジョーダン | デヴィッド・ボウイ | トミー・フラナガン | トランペットの隠れ名盤 | ドゥービー・ブラザース | ドナルド・バード | ハンプトン・ホーズ | ハービー・ハンコック | バリトン・サックス | パット・メセニー | ビッグバンド・ジャズは楽し | ビル・エバンス | ビートルズ | ビートルズのカヴァー集 | ピアノ・トリオの代表的名盤 | ファンキー・ジャズ | フィニアス・ニューボーンJr | フィル・ウッズ | フェンダー・ローズを愛でる | フュージョン・ジャズの優秀盤 | フリー | フリー・ジャズ | フレディー・ハバード | ブッカー・リトル | ブラッド・メルドー | ブランフォード・マルサリス | ブルース・スプリングスティーン | ブルーノート | ブレッカー・ブラザース | プレスティッジ・レーベル | プログレッシブ・ロックの名盤 | ベーシストのリーダー作 | ホレス・シルバー | ホレス・パーラン | ボサノバ・ジャズ | ボビー・ハッチャーソン | ボブ・ジェームス | ポップス | ポール・サイモン | ポール・マッカートニー | マイケル・ブレッカー | マイルス・デイヴィス | マッコイ・タイナー | マル・ウォルドロン | マンハッタン・ジャズ・クインテット | マンハッタン・トランスファー | ミシェル・ペトルチアーニ | ミルト・ジャクソン | モダン・ジャズ・カルテット | ヤン・ハマー | ラテン・ジャズ | ラリー・カールトン | リトル・フィート | リバーサイド・レーベル | リンダ・ロンシュタット | リー・モーガン | リー・リトナー | レイ・ブライアント | レジェンドなロック盤 | レッド・ガーランド | レッド・ツェッペリン | ロック | ロッド・スチュワート | ローランド・カーク | ヴィーナス・レコード | 上原ひろみ | 北欧ジャズ | 吉田拓郎 | 和ジャズの優れもの | 四人囃子 | 夜の静寂にクールなジャズ | 天文 | 天文関連のジャズ盤ジャケ | 太田裕美 | 寺井尚子 | 尾崎亜美 | 山下達郎 | 山中千尋 | 旅行・地域 | 日本のロック | 日本男子もここまで弾く | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 欧州ジャズ | 歌謡ロック | 渡辺貞夫 | 渡辺香津美 | 米国ルーツ・ロック | 荒井由実・松任谷由実 | 西海岸ロックの優れもの | 趣味 | 青春のかけら達・アーカイブ | 音楽 | 音楽喫茶『松和』の昼下がり | 高中正義 | 70年代のロック | 70年代のJポップ

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ