最近のトラックバック

2018年1月11日 (木曜日)

ジョーヘンのリーダー作第2弾

初リーダー作『Page One』でのジョーヘンは固かった。吹いている様は「コルトレーン」に似ていた。ジョーヘンの特性である「ちょっと捻れた、素朴でジャジーな」テナーがあまり現れなかった。ピアノのタイナーとの相性が悪かったのだろうか。タイナーがバックでピアノを弾くと、フロントのテナーは「コルトレーン」になってしまうのか。

こぢんまりした素朴でジャジーな「コルトレーン」。これではジョーヘンが、ちょっと可哀相である。ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンは「これではいけない」と考えたのかどうか、間髪を入れず、ジョーヘンのリーダー作第2弾を録音する。Joe Henderson『Our Thing』(写真左)。1963年9月の録音。ブルーノートの4152番。

ちなみにパーソネルは、Joe Henderson (ts), Kenny Dorham (tp), Andrew Hill (p), Eddie Khan (b), Pete La Roca (ds)。初リーダー作『Page One』の録音が1963年6月。それから僅か3ヶ月後の録音である。ピアノは、若き鬼才アンドリュー・ヒルに交代。ドラムは、初リーダー作で相性の良かったドラムのラロカとフロントのパートナー、トランペットのドーハムは留任。
 

Our_thing

 
冒頭の「Teeter Totter」を聴けば、リラックスしたジョーヘンのブロウを感じることが出来る。初リーダー作『Page One』とは全く別人の、自然体のジョーヘンが、肩の力の抜けた、素朴でジャジーな個性的テナーを吹き上げていく。まだ、後の個性である「ちょっと捻れた」ところはまだまだ遠慮がちだが、ところどころ変則でモーダルなアドリブ・フレーズは独特の個性である。

そして、へぇ〜っと感心するのが、ケニー・ドーハムのトランペット。溌剌としていて淀みが無い。拠れるところも無く、端正にブリリアントに吹き切る。素朴で力の抜けたジョーヘンのテナーとは対照的な音の力強さで、逆にジョーヘンのテナーを支え、惹き立たせていく。このフロント二人の相性は抜群。ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンの慧眼恐るべしである。

ジャズ盤の紹介本では、マイナー調の佳曲「Blue Bossa」の存在ゆえ、初リーダー作『Page One』が優先されることがほとんど。リーダー作第2弾の『Our Thing』が採り上げられることは、あまり無いのだが、ジョーヘンの初期の個性を確認するのなら、この『Our Thing』の方が適している。

 
 

東日本大震災から6年10ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2018年1月 4日 (木曜日)

ジョーヘンの初リーダー盤

ジャズのアルバムの中で、まだまだ聴き込んでいないジャズメンが何人かいるのに気がつきました。例えば、ボビー・ハッチャーソンやホレス・パーラン、アンドリュー・ヒル、ジョー・ヘンダーソンなど、聴いてはいますが、今一度、聴き直す機会の少なかったジャズメン達です。そんな中から、新春のトップバッターは「ジョー・ヘンダーソン」。

Joe Henderson、略して「ジョーヘン」。若い頃から今に至るまで「ジョーヘン」で通してます(笑)。1937年4月生まれ。2001年6月に惜しくも鬼籍に入りました。64歳。早過ぎる逝去でした。初リーダー作が1963年、26歳の時でしたから、ちょっと遅咲きでしょうか。ハードバップ後期から頭角を現し、1960年代前半での初リーダー作ですから、新主流派の範疇のテナーマンです。

その初リーダー作が、Joe Henderson『Page One』(写真左)。1963年6月の録音。ブルーノートの4140番。ちなみにパーソネルは、Kenny Dorham (tp), Joe Henderson (ts), McCoy Tyner (p), Butch Warren (b), Pete La Roca (ds)。トランペットのケニー・ドーハムだけがビ・バップ時代からのベテラン。他の4人は新主流派の若手。

この盤、冒頭の「Blue Bossa」の存在が何かとクローズアップされることがほとんど。このマイナー調のボサノバ曲が、1960年代のジャズ者の心を揺さぶったのか、当時から、この曲が良い、この曲が良いという評論ばかり。ケニー・ドーハムが、ハード・バップとボサノヴァのミックスで作曲したものとされている。でも、そんなに良い曲かしらん。
 

Page_one  

 
親しみ易いマイナー調の旋律は聴きやすいが、1970年代以降、リアルでジャズを聴いてきた僕達の世代からすると、以前の日本の演歌を聴くような感じがする。聴き易く親しみ易いマイナー調の旋律なんやけど、ちょっと古くて野暮ったいなあ、という感じなのだ。この「Blue Bossa」の存在よりも、演奏全体の新主流派一歩手前の趣味の良いハードバップな雰囲気が魅力。

主役のジョーヘンのテナーは「す〜っ」と伸びる、ビブラート無しのストレートなブロウが特徴で、ちょっと聴いてだけでは「コルトレーンか」と思う。しかし、ブロウの勢いが弱いというか「優しい」。優しく「す〜っ」と伸びる、ビブラート無しのストレートなブロウなのだ。決して、コルトレーンの様にダイナミックに雄々しくテナーを吹き上げない。ジョーヘンは、優しくジェントルにテナーを吹く。

モーダルなタイナーのピアノ、太く堅実なウォーレンのベース、堅実でポリリズミックなラロカのドラムは、いかにも新主流派のリズム・セクション。タイナーのピアノがあまりに個性的で、特にバラード曲では「これって、コルトレーンの伝説のカルテットの音か」と錯覚してしまうほど。それでいて、ジョーヘンのブローはまだ「捻れて」はいない。ハードバップゆずりのストレートなブロウに終始している。

まだまだ、ジョーヘンのテナーは固い。それでも、後に繋がる「優しく、す〜っと伸びる、ビブラート無しのストレートなブロウ」は、この初リーダー盤でしっかりと確認できる。ドーハムのトランペットだけが、旧来のハードバップの雰囲気を引き摺っていて、これはこれで個性的。ドーハムの存在が、他の4人の若手新主流派の音をグイグイ惹き立てるのだから、組合せの妙って面白い。

 
 

東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

その他のカテゴリー

AOR | ECMレーベル | jazz | Miles Reimaginedな好盤 | Pops | R&B | rock | The Great Jazz Trio | Yellow Magic Orchestra | こんなアルバムあったんや | ながら聴きのジャズも良い | アキコ・グレース | アダムス=ピューレン4 | アブドゥーラ・イブラヒム | アラウンド・マイルス | アンドリュー・ヒル | アート・ブレイキー | アート・ペッパー | イエス | イスラエル・ジャズ | イタリアン・ジャズ | イタリアン・プログレ | インパルス!レコード | イーグルス | ウィントン・ケリー | ウィントン・マルサリス | ウェイン・ショーター | ウェザー・リポート | ウェス・モンゴメリー | ウエストコースト・ジャズ | エリック・クラプトン | エリック・ドルフィー | エルトン・ジョン | エンリコ・ピエラヌンツィ | オスカー・ピーターソン | オーネット・コールマン | カシオペア | キャノンボール&ナット・アダレイ | キャンディド・レーベル | キング・クリムゾン | キース・ジャレット | ギル・エバンス | クインシー・ジョーンズ | クイーン | クリスマスにピッタリの盤 | グラント・グリーン | グレイトフル・デッド | ゲイリー・バートン | コンテンポラリーな純ジャズ | サイケデリック・ジャズ | サザンロック | サンタナ | ザ・クルセイダーズ | ザ・バンド | ジャケ買い「海外女性編」 | ジェフ・ベック | ジミ・ヘンドリックス | ジャキー・マクリーン | ジャズ | ジャズの合間の耳休め | ジャズロック | ジャズ・アルト | ジャズ・オルガン | ジャズ・ギター | ジャズ・テナー | ジャズ・トランペット | ジャズ・トロンボーン | ジャズ・ドラム | ジャズ・ピアノ | ジャズ・フルート | ジャズ・ボーカル | ジャズ・レジェンド | ジャズ・ヴァイオリン | ジャズ喫茶で流したい | ジョニ・ミッチェル | ジョン・コルトレーン | ジョン・スコフィールド | ジョン・レノン | ジョージ・ハリソン | ジョー・ヘンダーソン | スタン・ゲッツ | スティング | スティング+ポリス | スティービー・ワンダー | スピリチュアル・ジャズ | セロニアス・モンク | ソウル・ミュージック | ソニー・ロリンズ | ソロ・ピアノ | タンジェリン・ドリーム | チック・コリア | チューリップ | デイブ・ブルーベック | デイヴィッド・サンボーン | デクスター・ゴードン | デュオ盤 | デューク・ジョーダン | デヴィッド・ボウイ | トミー・フラナガン | トランペットの隠れ名盤 | ドゥービー・ブラザース | ハンプトン・ホーズ | ハービー・ハンコック | バリトン・サックス | パット・メセニー | ビッグバンド・ジャズは楽し | ビル・エバンス | ビートルズ | ビートルズのカヴァー集 | ピアノ・トリオの代表的名盤 | ファンキー・ジャズ | フィル・ウッズ | フェンダー・ローズを愛でる | フュージョン・ジャズの優秀盤 | フリー | フリー・ジャズ | フレディー・ハバード | ブッカー・リトル | ブラッド・メルドー | ブランフォード・マルサリス | ブルース・スプリングスティーン | ブルーノート | ブレッカー・ブラザース | プレスティッジ・レーベル | プログレッシブ・ロックの名盤 | ベーシストのリーダー作 | ホレス・シルバー | ボサノバ・ジャズ | ボビー・ハッチャーソン | ボブ・ジェームス | ポップス | ポール・サイモン | ポール・マッカートニー | マイケル・ブレッカー | マイルス・デイヴィス | マッコイ・タイナー | マンハッタン・ジャズ・クインテット | ミシェル・ペトルチアーニ | ミルト・ジャクソン | モダン・ジャズ・カルテット | ヤン・ハマー | ラテン・ジャズ | ラリー・カールトン | リトル・フィート | リンダ・ロンシュタット | リー・リトナー | レイ・ブライアント | レジェンドなロック盤 | レッド・ガーランド | レッド・ツェッペリン | ロック | ロッド・スチュワート | ローランド・カーク | ヴィーナス・レコード | 上原ひろみ | 北欧ジャズ | 吉田拓郎 | 和ジャズの優れもの | 四人囃子 | 夜の静寂にクールなジャズ | 天文 | 天文関連のジャズ盤ジャケ | 太田裕美 | 寺井尚子 | 尾崎亜美 | 山下達郎 | 山中千尋 | 旅行・地域 | 日本のロック | 日本男子もここまで弾く | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 欧州ジャズ | 歌謡ロック | 渡辺貞夫 | 米国ルーツ・ロック | 荒井由実・松任谷由実 | 西海岸ロックの優れもの | 趣味 | 青春のかけら達・アーカイブ | 音楽 | 音楽喫茶『松和』の昼下がり | 高中正義 | 70年代のロック | 70年代のJポップ

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2018年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ