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2018年8月26日 (日曜日)

絶頂期クルセイダーズのライブ盤

しかし、今年の夏は「酷暑」である。これだけ蒸し暑い日が続く夏は記憶が無い。いつもなら、午前中、朝8時〜10時の間とか夕方5時以降、1時間程度の散歩が可能なはずなんだが、今年はこれらの時間帯では「身の危険」を感じる蒸し暑さ。散歩どころの騒ぎでは無い。よって、今年の夏は完全に運動不足である。よって「痩せない」(笑)。

昨日から、フュージョン・ジャズ全盛時代の夏に、酷暑に耐えながら聴き親しんだアルバムを幾枚か、聴き直している。今日は、The Crusaders『Live in Japan』。1981年のリリース。邦題『音楽会』。1981年1月18日、東京NHKホールでの日本ツアー最終日の演奏を収録。ちなみにパーソネルは、Barry Finnerty and Roland Bautista (g), Rafael Cruz (perc), Alphonso Johnson (b), Wilton Felder (ts), Joe Sample (key), Stix Hooper (ds)。

当時、人気絶頂のクルセイダーズの来日ライブ盤。確かこのライブ音源についてはライブ盤の発売前にFM放送でオンエアされたので、ばっちりエアチェックをして良く聴いていました。レコードとしてライブ盤が1981年にリリースされた時には、演奏が結構編集カットされていて、唖然とした記憶があります。
 

The_crusaders_live_in_japan

 
そのCDについては、1993年にリイシューされ、LP時代に惜しげも無くカットされた、それぞれのソロの部分も復元され、完全盤・世界初CD化と相成った訳で、なんだかホッとした思い出があります。イントロダクションでのメンバー紹介など、時代を感じさせる部分も多々ありますが、意外と録音はまとまっていて、クルセイダーズのファンクネス溢れる躍動感が何とか捉えられています。

冒頭がジョー・サンプルのソロ盤からの「虹の楽園(Rainbow Seeker)」なのが「意味深」。冒頭からなかなか熱い演奏で、さすが、当時人気絶頂だったのが良く判る演奏です。クルセイダーズ独特の粘りのあるファンクネスでは無く、スマートなファンクネスとクールなオフビートがメインで、往年のクルセイダーズ者からすると「オヨヨ」と肩すかしを食らう感じがします。

このライブ盤、選曲と演奏全体の雰囲気からすると、クルセイダーズのライブ盤というよりは、ジョー・サンプルのソロ・ライブ盤と誤解してしまうほど、ジョー・サンプルの音のカラーが色濃く出ています。それが原因の「スマートなファンクネスとクールなオフビート」。絶頂期のクルセイダーズのライブ盤としては、ちょっと不完全燃焼気味。LPではソロが結構切り刻まれているので、このライブ盤についてはCDがマストでしょう。

 
 

東日本大震災から7年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2018年7月 1日 (日曜日)

ジョー・サンプルの隠れ好盤

当時のジャズ雑誌、ジャズ紹介本については、フュージョン・ブームが去った後、フュージョン・ジャズで活躍したミュージシャンに対して、意外と冷たい取り扱いだった様な記憶がある。ADLIB(アドリブ)誌のみが良心的な評論を継続していたが、2010年5月号で休刊になって以来、1980年代後半以降のフュージョン・ジャズの名盤については、結構、取り上げ方が弱い。

Joe Sample『Spellbound』(写真左)。フュージョン・キーボードのレジェンド、ジョー・サンプルの1989年作品。全10曲中、4曲がボーカル入りだが、演奏はメリハリの効いたフュージョン。マーカス・ミラーとオマー・ハキムのリズム隊が「要」。サンプル節満載。聴き心地満点の好盤である。

これが、である。ジャズ雑誌、ジャズ紹介本では、ほとんど採り上げられたところを見たことが無い。ジョー・サンプルと言えば、フュージョン・ジャズ・ブームを牽引したバンド、クルセイダーズのリーダー格で、そのキーボードをメインとしたフュージョン・ジャズは、特にソロ・アルバムにて、その個性を露わにしつつ、その内容のレベルの高さと濃さは、フュージョン・ジャズの最高峰の好例としてもてはやされた。
 

Spellbound_1  

 
が、フュージョン・ジャズのブームが去って以降、このジョー・サンプルのリーダー作について、採り上げられることは希である。ジョー・サンプルについては、クルセイダーズの諸作と同時並行してリリースされたソロ盤で終わり、って感じで、どうしてそういった偏った見方になるのか理解に苦しむ。例えば、この1989年作の『Spellbound』を聴けば、それが良く判る。

アーバン系フュージョン・ジャズの好盤の一枚と思う。スムース・ジャズに偏りつつ、演奏の全体の雰囲気はあくまでフュージョン・ジャズ、という風情の内容にグッときます。その風情を支えているのが、マーカス・ミラーとオマー・ハキムのリズム隊。しっかりと上質のフュージョンAORなリズム&ビートを叩きだし、スムース・ジャズに傾くジョーサンプルのキーボードを鼓舞します。

軽快なファンクネスをしっかりと残しつつ、聴き易いライトな、シティ系のフュージョンAORな演奏内容は古さを感じさせません。アル・ジャロウとマイケル・フランクスのヴォーカル曲はスムース・ジャズ調、インスト曲は明らかにフュージョン・ジャズ。とにかく爽やかでキャッチャー。録音もデジタル臭く無くグッド。ジョー・サンプルのキーボード・ワークも見事。好盤です。

 
 

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2018年4月19日 (木曜日)

独特のうねるようなビート。

ボブ・ジェームスも良いが、ファンクネスたっぷりなフュージョン・ジャズを追求するなら、クルセイダーズ(The Crusaders)は絶対に外せない。クルセイダーズは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (ts), Joe Sample (p), Stix Hooper (ds) の4人が結成したグループである。

もともと、彼らはジャズ・クルセイダーズとして10年間活動していた。しかし、1971年、グループ名を「クルセイダーズ」に変更。理由は「ジャズの冠がついているとラジオのDJがレコードを敬遠するきらいがあるから」。なるほど。で、クルセイダーズと改名してから、音世界が変わったのか、として聴いてみる。

そこでこの盤を聴く。『Crusaders 1』(写真)。1972年のリリース。改名して1年後、タイトルからして、新生「クルセイダーズ」の第1弾の様に見えるが、実は本作は名義変更後の第2弾のアルバム。リリース当時、LP2枚組の大作。本作は商業的に成功したようで、苦節12年の快挙。継続は力なり、ですね。
 

Crusaders_1  

 
しかし、1972年という時代のリリースである。基本はソウル・ミュージックとジャズのクロスオーバーではあるが、例えば、冒頭の「That's How I Feel」のへヴィーなベースとワウ・ギターなど、サイケデリック・ジャズの面影やスピリチュアル・ジャズの影響が聴かれる。ところどころ、この辺が、ちょっと「垢抜けない感じ」がする所以。

ジョー・サンプルのキーボードとこの盤ではまだ客演しているラリー・カールトンのギターは明らかに、従来のジャズからクロスオーバーへステップアップして、新しい音世界に入っていく。逆に、ウィントン・フェルダーのテナーとウェイン・ヘンダーソンのトロンボーンはまだ「新主流派」のフレーズを継承し、従来の音世界に留まっている。決して悪く無い、この2面性がこの頃のクルセイダーズの面白いところ。

しかし、クルセイダーズ独特のうねるようなビートはもうこの盤にしっかりとある。しばらく聴いていると、確実にクルセイダーズの演奏と判るほどの「うねるビート」。これが「クルセイダーズ者」には堪らない。このジャズには無い「うねるビート」はファンクネス満点で、とても心地良い。これがクルセイダーズの真骨頂。

 
 

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2017年7月 5日 (水曜日)

クルセイダーズ黄金期の音世界

昨日、ジャズ・クルセイダーズの話を書いた訳だが、後のザ・クルセイダーズのアルバムを久しく耳にしていないことに気がついた。では、ザ・クルセイダーズの最初のピークはどのアルバムの辺りなのか。うむむ、やはりパーソネルの充実度合いによるな。

The Crusaders『Those Southern Knights』(写真左)。邦題『南から来た十字軍』。すっごい邦題である(笑)。そう言えば、ジャケットもジャズらしからず、意外とすっごい(笑)。1976年のリリース。ちなみにパーソネルは、Joe Sample (key), Wilton Felder (sax), Wayne Henderson (tb), Stix Hooper (ds), Larry Carlton (g), Robert "pops" Popwell (b)。

クルセイダーズの黄金期、頂点のメンバー構成である。この盤で、ベーシストであるロバート "ポップス" パウエルが参入、ギターのラリー・カールトンも既にメンバーとして溶け込んでおり、加えて、オリジナル・メンバー4人揃い踏みの、クルセイダーズ史上、最高のメンバー構成。この盤の後、オリジナル・メンバーでトロンボーン担当のウエイン・ヘンダーソンが脱退してしまいます。
 

Those_southern_knights1

 
この盤に詰まっている音はと言えば、ファンクネスを湛えた「R&Bフュージョン」。R&Bなフレーズをベースにポップ・ロックの要素も積極的に取り込み、アーバンでソウルフルなフュージョン・ジャズに仕上がっている。インスト中心、テクニックも申し分無く、クルセイダーズ独特のグルーブ感溢れる演奏の数々。キャッチャーなフレーズも多く、聴いていて楽しいフュージョン盤である。

しかし、我が国では、R&Bと言えばボーカル中心であり、このクルセイダーズの様なインスト中心の「R&Bフュージョン」については実に「辛い」。この盤だって、今の耳で聴いても新鮮なファンクネス溢れる「R&Bフュージョン」なんだが、知る人ぞ知る、マニアな人向けの好盤に留まっているのがもどかしい。

この盤に詰まっている、クルセイダーズ独特の「うねり、ひねり、波打つ」グルーブ感が凄い。カールトンのエレギも切れ味抜群、新加入のロバート "ポップス" パウエルの躍動感溢れるエレベも素晴らしい。サンプルのキーボードは最高だし、フェルダーのサックスはファンクネスだだ漏れ、フーパーのノリの良いドラミングも見事。短期間ではあったが、クルセイダーズ黄金期の音がここにあります。

 
 

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2017年7月 4日 (火曜日)

熱気溢れるジャズ・ロックです

ソウル・ジャズ+R&Bのクロスオーバー・ミュージック、と問われれば、もうひとつ、頭に浮かぶバンド名がある。「ザ・クルセイダーズ」。ウェイン・ヘンダーソン (tb), ウィルトン・フェルダー (ts), ジョー・サンプル (key), スティックス・フーパー (ds) の4人が結成したグループである。

1971年にグループ名を「ザ・クルセイダーズ」と改名するまで、ジャズ・クルセイダーズ(The Jazz Crusaders)の名前で活動。1960年代中盤から後半に渡り、ソウル・ジャズ+ロックのクロスオーバーなバンドとして活躍。軽快なファンクネスを伴った演奏は聴き応えがある。が、我が国ではあまりメジャーな存在では無いのが残念である。

そんなジャズ・クルセイダーズの好ライブ盤がこれ。The Jazz Crusaders『Lighthouse '68』(写真左)。1967年11月10〜13日、LAのハモサビーチのライトハウスでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (ts), Joe Sample (p), Buster Williams (b), Stix Hooper (ds)。うん、確かに後の「クルセイダーズ」のメンバーである。
 

The_jazz_crusaders_lighthouse_68

 
熱気溢れるジャズ・ロックである。バンド演奏全体の雰囲気は、R&B的なノリとフレーズを意識したソウル・ジャズをベースとしたもので、ソウル・ジャズ+ロックのクロスオーバーな「ジャズ・ロック」という感じ。ファンクネスを前面に押し出しているので、硬派な純ジャズとロックとのクロスオーバーを基調とした「ジャズ・ロック」とは一線を画する。

8ビートだけではなく、4ビートでもスイングするところが、この「ジャズ・クルセイダーズ」がメインストリーム・ジャズを発祥とする「ジャズ・ロック」なバンドである証で、1960年代中盤から後半の時代からすると、このジャズ・クルセイダーズの演奏内容は明らかに個性的である。今の耳で振り返ると、メンストリームなソウル・ジャズとして良い、意外と硬派なメインストリーム・ジャズ志向の演奏が心地良い。

後の「クルセイダーズ」のファンクでアーバンなフュージョン・ジャズをイメージするのでは無い、あくまでジャズに軸足を残したソウル・ジャズ+ロックのクロスオーバーな「ジャズ・ロック」を志向するバンドで、その志向がズバリ演奏に表れている。非常に優れたジャズ・バンドであった証がこのライブ盤に溢れています。好ライブ盤です。

 
 

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2015年7月23日 (木曜日)

「金太郎飴」的な心地良さです

僕は1970年代後半のフュージョン・ジャズの流行真っ只中をリアルタイムで体験している。ちょうど高校生から大学生の時代。特に大学生の時代は、AORと併せて、フュージョン・ジャズは我々音楽好きとしては必須のアイテムだった。

楽器としては僕は子供の頃からピアノが大好き。オルガンもシンセも大好きで、キーボードは全てお気に入り。フュージョン・ジャズにおいても、まず、しっかりと聴き進めて行ったのは、キーボード奏者がメインのアルバム。

フュージョン専門のお気に入りのキーボード奏者は、ボブ・ジェームス、デイブ・グルーシン、そしてジョー・サンプル。この3人、後には純ジャズにも手を染めるが、1970年代後半のフュージョン・ジャズの大ブームの頃は、フュージョン専門のキーボード奏者としてブイブイ言わせていた(笑)。

さて、その「御三家」の一人、ジョー・サンプルのアルバムを久し振りに聴いた。Joe Sample『The Pecan Tree』(写真左)。2002年のリリース。ホーンを入れずに、従来のジョー・サンプル的なアルバムに戻ったアルバム。確かに、このアルバムには、フュージョン・ジャズ時代に聴き込んだサンプル節が満載です。

独特の間と余裕あるテンポで訥々と思いっきりファンキーに弾き進めるフレーズは、サンプル独特の個性。キーボードのソロをちょっと聴き進めただけで、ジョー・サンプルと判る個性的な弾き回し。そして、バックのファンクネス溢れる、ジョー・サンプルがプロデュースの独特な響きを持つ、クールなリズム&ビート。
 

The_pecan_tree

 
そして、アルバム収録11曲中、4曲がボーカル入り。このボーカル入りの楽曲を織り交ぜるのは、後期クルセイダーズ的なアルバムの作り方。懐かしいですね。でも、いずれもこのボーカル入りの楽曲の出来が素晴らしい。ボーカリストの個性にピッタリ合った楽曲を用意し、アレンジを施す。センスの良いジョー・サンプルの仕業ですね。

3曲目「No One But Myself To Blame」でのLizz Wrightのストレートな歌声、同じくLizz Wrightが高らかに歌い上げていくのが感動的な5曲目の「Fool's Gold」。Haward Hewettも負けてはいない。ファンクネス溢れるブラコン風の7曲目の「In A Heartbeat」、浪々と熱唱する9曲目「With These Hands」、いずれも良い出来です。

ジョー・サンプルのキーボードって不思議なんですが、基本的にはどのアルバムも同じ弾き方、フレーズなんですよね。つまり「金太郎飴」的なアルバムばかり。でも飽きない。飽きないどころか、アルバム毎になぜか判らないが、ジョー・サンプルの「金太郎飴」的個性にグッと気持ちを掴まれるのだ。

僕は、ジョー・サンプルのキーボードのフレーズが持つ、趣味の良いクールな溢れんばかりのファンクネスが「鉄板」ではないかと思っている。このジョー・サンプル独特のファンクネスがあれば、とにかく、どのアルバムでも「金太郎飴」的な心地良さを感じ取ることが出来る。

この『The Pecan Tree』というアルバム、「金太郎飴」的な心地良さ満載です。独特の間と余裕あるテンポで訥々と思いっきりファンキーに弾き進めるフレーズ、そして、バックのファンクネス溢れるクールなリズム&ビート。どこから聴いても「ジョー・サンプル」。でも、こんなジョー・サンプル的なアルバムが実に心地良い。

 
 

震災から4年4ヶ月。決して忘れない。まだ4年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2013年10月24日 (木曜日)

明るく心が温まるようなジャズ

今朝の気温は、まだ10月というのに晩秋終わりの様な薄ら寒さ。思わず、冬服を引きずり出して着ました。今の僕には冷えは大敵ですからねえ。

しかし、これだけ天気が悪いと心まで暗くなります。どんより鉛色の空。薄ら寒い風。スカッと晴れる日が少ない。「天高く馬肥ゆる秋」はどこへ行った、と嘆きたくなるような天気の悪さ。しかも寒い。せめて音楽だけでも、明るく心が温まるようなジャズを聴こう、ということで、今日はフュージョン系のジャズ・ボーカルを選んでみました。

Randy Crawford & Joe Sample with Steve Gadd & Nicklas Sample 『Live』(写真左)。Randy Crawford(ランディ・クロフォード)が、Joe Sample(ジョー・サンプル)のトリオを従えて、2008年10月から12月にかけて行った欧州ツアーのベスト・テイクを収めたライブ盤になります。

ちなみにパーソネルは、Randy Crawford (vo), Joe Sample (p), Steve Gadd (ds), Nicklas Sample (b)。ベースのニクルス・サンプルは、ジョー・サンプルの息子。ボーカルのランディ・クロフォードは、クルセイダーズの「Street Life」での熱唱がしっかりと記憶に残っています。

コンテンポラリーなフュージョン・ジャズをベースにしたジャズ・ボーカルで、ダイナミックな演奏をバックに熱気溢れるもの。エネルギッシュでポジティブな雰囲気は実に魅力的。聴き進むにつれて、聴いている方も心からノリノリになります。
 

Joe_sample_randy_crawford_live

 
クルセイダーズの「Street Life」の熱唱を振り返ると、クロフォードのボーカルは粘っこくファンキーなボーカルという印象が強かったのですが、このライブ盤でのクロフォードのボーカルは、確かに粘っこくファンキーなものですが、良い意味で枯れた味わいが出て、併せて深みが伴って、なかなかに聴き応えがあります。

クルセイダーズの「Street Life」のリリースが1979年、このライブ盤が2008年。クルセイダーズの「Street Life」からこのライブ盤まで29年、約30年の年月が流れたことになります。この年月が良い意味で、クロフォードのボーカルを熟成させていたのでしょうか。余裕のあるボーカルで良い味出しています。 

ジョー・サンプル、スティーブ・ガッド、ニクルス・サンプルのリズム・セクションも、なかなか味のあるバッキングを醸し出していて、実に粋なリズム・セクションだ。ジョー・サンプルのピアノはなんとなく歌伴をイメージ出来たんだが、スティーブ・ガッドがこんなに歌伴に相応しいドラミングをするとは思わなかった。

さすがは、スティーブ・ガッドである。純ジャズなトラディショナルなジャズ・ボーカルでは無い、ちょっとポップでコンテンポラリーなジャズ・ボーカルに仕立て上げているのは、ガッドのドラミングの成せる技。

内容的には再演曲が多めで聴いていて楽しい。ダイナミックな演奏をバックに熱気溢れるものですが、内容的には意外と渋くて落ち着いたものです。そもそもは秋のスカッと晴れた日にかけたくなるようなライブ盤です。

 
 

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2012年8月31日 (金曜日)

コッテコテなクルセイダーズ

今を去ること30〜40年ほど前。1970年代後半から1980年代前半がフュージョン・ジャズの全盛期であった。

この時代は、僕が大学生になって、ジャズ者になって、ジャズ者初心者駆け出しの頃。純ジャズは何かと難易度が高くて、純ジャズにチャレンジして耳が疲れてきたら、フュージョン・ジャズに走って、耳を和ませていた(笑)。

そんなフュージョン・ジャズのお気に入りのバンドの一つが「The Crusaders(ザ・クルセイダーズ)」。フュージョン・ジャズ全盛の頃、ザ・クルセイダーズのアルバムは聴きに聴いた。

もともとはテキサス州のハイスクールで同級生だったウェイン・ヘンダーソン(tb)、ウィルトン・フェルダー(ts)、ジョー・サンプル(key)、スティックス・フーパー(ds) の4人が結成したグループがベース。何度かグループ名をチェンジして、1971年にグループ名を「ザ・クルセイダーズ」とした。

1971年〜1976年、このオリジナル・メンバー4人に加えて、最初期から準メンバーとして参加しており、1974年に正式メンバーとなっていたラリー・カールトン(g)が加わった時代が、ザ・クルセイダーズの最も充実した活動期だった。

ザ・クルセイダーズのフュージョンの特徴は、スマートで素性の良いファンキー・フュージョンであるというところ。特に、ファンキーとは言え、コッテコテでは無い、非常に洗練されてスマートなファンクネスが、ザ・クルセイダーズの特徴。アレンジも端正で素性が良く、決して破綻することの無い、緻密でありながら豪快に展開する演奏は、かなり聴き応えのあるものだ。
 

Chain_reaction

 
そんなザ・クルセイダーズの充実期のアルバムの中で、僕が一番に推すの盤が『Chain Reaction』(写真左)。1975年のリリースになる。非常に洗練されてスマートなファンクネスをプンプンと漂わせながら、緻密でありながら豪快に展開するグルーブは、ザ・クルセイダーズ独特の個性。

冒頭の「Creole」のファンクネス溢れる前奏、そして、カールトンES-335の「一本弾き」の音を聴くだけで、ドップリとザ・クルセイダーズのファンキー・フュージョンの世界に浸かってしまう。

フェルダーの豪快でファンキーな「泣きのサックス」、フーパーのグルーブ感溢れる「リズム&ビート」。サンプルの緻密で洗練された「ファンキー・キーボード」。重量感溢れるヘンダーソンの輝く様なブラスの響きが極上の「コッテコテなトロンボーン」。そして、カールトンのES-335での「絶妙なカッティング」。

この『Chain Reaction』には、ザ・クルセイダーズのフュージョンの特徴である、スマートで素性の良いファンキー・フュージョンがギッシリと詰まっている。ファンクネス度合いが一番強い、ノリノリでコッテコテなクルセイダーズを愛でるなら、このアルバムがイチ押しです。

アルバム・ジャケットのデザインがちょっと単純なので損をしているが、フュージョン者の方々であれば、このアルバムは聴いて損はありません。というか、ファンキー・フュージョンの代表作として、フュージョン・ジャズの推薦盤として、マスト・アイテムではないでしょうか。

このアルバムでのクルセイダーズのうねるようなグループ感は極上です。ジャズロックの名盤の一枚としてノミネートしても良いかとも思います。

 
 

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2012年2月29日 (水曜日)

ジャズ・ロックなクルセイダーズ

The Crusaders(クルセイダーズ)は、今でも僕の大のお気に入りである。当初は、ジャズ・クルセイダーズと名乗り、1961年に『フリーダム・サウンド』でデビュー。以来、バンド名やメンバーを変えつつ、40年以上継続する、今や老舗のフュージョン・バンドである。

そんなクルセイダーズが、1974年にリリースしたライブ盤がある。The Crusaders Live at The Roxy、タイトルは『Scratch』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (ts), Joe Sample (key), Stix Hooper (ds), Larry Carlton (g), Max Bennett (b)。蒼々たるメンバーである。

1974年と言えば、クロスオーバー・ジャズ全盛時代。ファンク色の強いバンドやジャズメンは、時代のトレンドとして、洗練された「ジャズ・ロック」を追求することが多い。

ここでのクルセイダーズもその例に漏れず、洗練された「ジャズ・ロック」を追求する。冒頭のタイトル曲「Scratch」から、スティックス・フーパーのファンクネス溢れるドラムが「ジャズ・ロック」的リズムを供給する。心地良いファンクネス。純ジャズとは明らかに異なる、ロック的なリズム&ビート。思わず身体が揺れる。

そして、このアルバムのハイライトが2曲目の「Eleanor Rigby」。ビートルズの名曲だが、1974年のその時点で、ビートルズのカバーっていかがなものか、と思うが、このカバー演奏のインプロビゼーションの展開を聴くと、この「Eleanor Rigby」は、単なる素材にしか過ぎないのが判る。
 

Crusaders_scratch

 
インプロビゼーション部の展開を聴いていると、別に主題が「Eleanor Rigby」で無くても全く問題無い。「Eleanor Rigby」は、ジャズ・ロックな展開の「単なる切っ掛け」。

しかし、この「Eleanor Rigby」のインプロビゼーション部の展開は凄い。ウィルトン、ウェイン、ジョーの順番でソロを取っていくが、これがまあ「凄い」。バッキングのラリカルとベネットもファンキーで格好良い。特に、ウェインのトロンボーンが限りなくファンキーで良い。

3曲目の「Hard Times」は、クロスオーバー・ジャズの次のトレンド、フュージョン・ジャズの兆しを感じる演奏。ソフト&メロウな雰囲気を醸し出しながら、洗練されたファンクネスを創出していく。雰囲気のあるソフト&メロウな演奏。ジョー・サンプルのフェンダーローズが良い雰囲気だ。続く「So Far Away」、ラストの「Way Back Home」も、どちらかと言えば、ソフト&メロウなファンク・フュージョン的な演奏。 

このライブ盤、前半は、収録された1974年のトレンドである洗練されたジャズ・ロックを追求し、後半は、これからのトレンドであるソフト&メロウなファンク・フュージョンを追求する。ここに、時代のトレンドを追求しつつ、次の時代のトレンドも見据える、常に進歩し前進する、ポジティブなクルセイダーズが、ここに記録されている。

 
 

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2011年5月25日 (水曜日)

都会な雰囲気のフュージョン

昨日、初夏のこのシーズン、あっけらかんとしたフュージョンが良い、と書いた。アレンジが良く、演奏テクニックがあって、歌心のあるヤツが良い。心がポジティブになって、口元が微かに緩むヤツ、それが良いと書いた。

初夏の雰囲気にピッタリ。特に雨に日にピッタリ。アルバム全編を通じて、これが実に僕の弱いところを突いてくれていて、実に心地良い。曲の全てが『アメリカ』を沸々と感じさせる、そんな、デビット・ベノワの『American Landscape』をご紹介した。

今日は、米国を感じされてはくれるが、ベノワのアルバムの様に、米国の自然や風景を感じさせてくれるのでは無く、米国のアーバンな、都会の雰囲気をビンビンに感じさせてくれるフュージョン・ジャズについて語らせて頂きたい。

ザ・クルセイダースというフュージョン・バンドがある。源は、1961年にデビューした、ウェイン・ヘンダーソン(tb), ウィルトン・フェルダー(ts), ジョー・サンプル(key), スティックス・フーパー(ds) の4人が結成したグループ「ジャズ・クルセイダーズ」を前身とする。僕は、その「ジャズ・クルセイダース」時代のファンキー・クロスオーバー・ジャズが気に入っている。

ここに『Old Socks New Shoes New Socks Old Shoes』(写真左)というアルバムがある。1970年、クロスオーバー・ジャズ全盛期、真っ只中でのリリースである。当然、このアルバムの全体的雰囲気は、徹頭徹尾、クロスオーバー・ジャズである。しかも、クルセイダーズ独特のファンキー感満載の、ファンキー・クロスオーバーである。これって、クロスオーバー全盛時代の中では珍しい存在。
 
 
Old_socks
 
 
冒頭の「Thank You Falettinme Be Mice Elf Again 」から、コテコテのファンキー・ジャズが展開される。ちょっと垢抜けて、ちょっとロックっぽく聴き易く、後のファンキー・フュージョンな「ザ・クルセイダース」を想起させてくれる、なかなか小粋なファンキー・クロスオーバーな演奏を聴かせてくれる。

まず、ジョー・サンプルのキーボードが洗練された音を出していて、とにかく小粋である。ここでのジョー・サンプルは、ソロ・アルバムの様に、生ピアノの音の響きを前面に押し出す様な個性の出し方では無く、バンドの音のコンセプトである「ファンキー・クロスオーバーな音」に合わせて、エレピ中心で、実にファンキーなキーボードの音を展開する。これが、まず耳に覚える「ジャズ・クルセイダース」独特の音世界である。

そこに、スティックス・フーパーの、これまた、コテコテファンキーなドラミングがバッキングする。このコテコテファンキーな、ジョー・サンプルのキーボードとスティックス・フーパーのドラミングが、「ジャズ・クルセイダース」時代のファンキーなグルーブ感の源泉。

当然、そんなコテコテファンキーなリズム・セクションに乗った、トロンボーンのウェイン・ヘンダーソンと、テナーのウィルトン・フェルダーが、やはり、コテコテファンキーな音に染まるのも無理は無い。コテコテファンキーとは言え、洗練された「コテコテファンキー」なので、耳にもたれない。どころか、爽快感漂う実に聴くに心地良いファンキー・クロスオーバーである。

アレンジも良好。まあ、ビートルズ・ナンバーの「Golden Slumbers」の首を傾げたくなるような凡庸なアレンジもあるにはあるが、アルバム全体としては良好。1970年のファンキー・クロスオーバーとしては良質の佳作である。初夏の雰囲気にピッタリ。初夏の昼下がりにお勧めです。

 

がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。

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