2020年12月 1日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・193

ブルーノート・レーベルの素晴らしいところは色々あるが、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオン自らが自らの耳で、それまで無名だった優秀なジャズマンを見出して、リーダー作を録音させていたところが一番感じ入る。他のレーベルは優秀なのかどうかも判らず、売れるかどうかも判らないので見向きもしない(笑)。

そんな優秀ではあるが無名だったジャズマンを、ブルーノートはその才能を見出して、リーダー作を録音させたり、サイドマンとして、他のリーダー作に参加させていたりする。ブルーノートのお陰で、ハードバップ時代、人気ジャズマン以外にも優れたジャズマンは沢山いて、ジャズというのは演奏家のレベルで見ても、かなり裾野の広い音楽ジャンルだったことが良く判るのだ。

Clifford Jordan『Blowing In From Chicago』(写真左)。1957年3月3日の録音。ブルーノートの1549番。ちなみにパーソネルは、Clifford Jordan, John Gilmore (ts), Horace Silver (p), Curly Russell (b), Art Blakey (ds)。ブルースの街シカゴからニューヨークにやって来たクリフォード・ジョーダンとジョン・ギルモア、テナー・サックス2管がフロントの変則クインテット編成。
 
 
Blowing-in-from-chicago  
 
 
ホレス・シルヴァーが見出したそうだ。「シカゴに凄いテナーマンがいたぜ」とライオンに耳打ち。それでは、とブルーノートがリーダー作の録音をセットアップ。シルヴァー=ラッセル=ブレイキーの黒々としたリズム・セクションを用意し、素晴らしいセッションが実現した。無骨でバキバキゴツゴツと硬派なハードバップ、そして、マイナー・ブルース。

テクニックがどう、とか、フレーズの創造性がどう、とか、この盤を聴く時にはそんなものは「野暮」というもんだ。ハードバップの良いところがこの盤に詰まっている。ジャズっぽい、力強くブルージーなテナー2管の音がとても心地良い。そして、ブルース・ナンバーには、ニューヨークではない、どこかシカゴ・ジャズの雰囲気が漂う。

こういう盤を録音し、その音源が残っているから、ブルーノート・レーベルはジャズの老舗レーベルとしてリスペクトされ続けているのだ。ハードバップの宝の山であるブルーノートの1500番台の中でも、今でも有名盤では無いが、これはひときわ「ブルーノートらしい」1枚だと思っている。
 
 
 

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2020年11月28日 (土曜日)

シェップが「バラード曲」を吹く

ヴィーナス・レコードは日本発のジャズ・レーベル。「昔の名前で出ています」的な、昔、第一線で活躍していたジャズ・ミュージシャンを再発見して、スタンダード曲をメインに演奏させるという、「従来の日本人好みの純ジャズ」的なアルバム作りをするレーベル。こんなミュージシャンにスタンダード曲をやらせるのか、なんていう「違和感満載」なプロデュースが賛否両論を巻き起こしている。

Archie Shepp Quartet『True Ballads』(写真左)。1996年12月7日、NYの「Clinton Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Archie Shepp (ts), John Hicks (p), George Mraz (b), Idris Muhammad (ds)。リーダーのアーチー・シェップのみならず、バックのリズム・セクションも、ベースのムラーツを除いて、その名を確認すると「昔の名前で出ています」的な、昔、第一線で活躍していたジャズ・ミュージシャンの再発見である。

スピリチュアル・ジャズ、そして、ジャズ・ファンクがメインのシェップに、スタンダード曲をやらせるのもどうかと思うが、加えて、バラード曲をやらせるなんて、かなり「違和感満載」なプロデュースである。しかも、ギャラが良いのか、シェップ自身がそんなオファーを受けて、スタンダード&バラード曲を神妙に吹き上げるのだから、これはこれで「違和感満載」(笑)。
 
 
True-ballads-archie-shepp  
 
 
収録曲を見渡しても、バリバリというか、まあ、「ど」の付く位のスタンダードなバラード曲がズラリ、である。そんなバラード曲を情感タップリに吹き上げていくシェップ。シェップの昔を知る我々としては「違和感満載」である(笑)。しかし、その演奏内容は素晴らしいもの。シェップって、実はメインストリーム志向のハードバップが一番合っていたりして。それほどまでの、極上のバラード、極上のテナー・サックスである。

1. The Thrill Is Gone ( R. Henderson )
2. The Shadow Of Your Smile ( J. Mandel )
3. Everything Must Change ( B. Ighner )
4. Here's That Rainy Day ( J. Van. Heusen )
5. La Rosita ( P. Dupont )
6. Nature Boy ( E. Ahbez )
7. Yesterdays ( J. Kern )
8. Violets For Your Furs ( M. Dennis )

バックのリズム・セクションも大健闘。ベースのムラーツだけは、当時、現役バリバリな存在だったので心配は無い。ピアノのヒックスなんて大丈夫か、と思ったりもしたが、神妙にリリカルで明確なタッチを駆使して、シェップのバラード・テナーをしっかりとサポートしていて立派。ドラムのムハンマドも堅実なドラミングで「まだまだやれるやん」。ヴィーナスお得意の「意外性と違和感満載」な好盤の一枚である。
 
 
 

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2020年11月26日 (木曜日)

ルエケならではのジャズ・ギター

Lionel Loueke(リオーネル・ルエケ)。ベナン共和国の出身。ジャズ・ギタリスト兼ボーカリスト。1973年生まれなので、今年で47歳。ジャズで言うと「中堅ジャズマン」。1999年、バークリー音楽院に奨学生として入学。ハービー・ハンコックの秘蔵っ子としてメジャーな存在になり、初リーダー作は、2004年の『Incantation』。ルエケのギターは変幻自在。スキャットを交えた彼独特の奏法は唯一無二。

Lionel Loueke『HH』(写真左)。今年10月のリリース。リオーネル・ルエケの超個性的なソロ・ギター演奏集(一部多重録音あり)。タイトルの「HH」は、Herbie Hancockの頭文字か、若しくはHead Huntersの意味か。この盤は、丸々、師匠のハービー・ハンコックの楽曲をカヴァー、若しくは、彼に捧げたルエケのオリジナル曲で固められている。

ルエケのギターは「7弦ギター」。実にユニークな音がする。その7弦ギターで、ハービー・ハンコックの有名曲の馴染み深いリフを見事に表現している。リフを表現しつつ、その流れの中でアドリブを展開していく様は見事という他は無い。音色は流麗で流れようなものでは無い。弦に指を軽く叩き付けたり、指で弾いたり、躍動感溢れる独特のフレーズが個性的。
 
 
Hh_lionel-loueke  
 
 
ハービー・ハンコックの楽曲の選曲も良く、1曲目「Hang Up Your Hang Ups」、4曲目「Actual Proof」、6曲目「Butterfly」、8曲目「Watermelon Man」、11曲目「Rockit」などなど、ハンコックの曲に特徴をよく表した楽曲が選ばれている。そんなハンコックの楽曲をルエケのユニークなギターが、切れ味良いファンクネスを湛えた鋭いタッチで、新しい解釈を施していく。

ルエケのオリジナル曲もユニークだ。10曲目「Voyage Maiden」と13曲目「Homage to HH」の2曲がルエケのオリジナル曲。「Voyage Maiden」は、明らかにハンコックの名曲「Maiden Voyage(処女航海)」をもじったタイトルだろう。リズム&ビートは原曲からもろに引用されていて、途中、ボサノヴァの雰囲気が漂うユニークな展開。「裏メイデン・ヴォヤージュ」と形容して良いくらいの秀作だ。

数曲でスキャット&ヴォイスも披露しているが、「Homage to HH」では不思議な言語で唄っている。アフリカ南部のター語やナマ語、コサ語などに特徴的なクリック音(舌打ちに近い発音の子音)を用いているらしく、これもまた実にユニークな個性。全編に渡って、今までに聴いたことの無い、ルエケならではの「ジャズ・ギター」が聴ける。ソロ・ギター盤なので、彼の個性が心ゆくまで堪能出来る。
 
 
 

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2020年11月15日 (日曜日)

ジャム・セッションのスミス盤

ブルーノート・レーベルの看板ジャズマンの1人、オルガニストのジミー・スミス(Jimmy Smith)。ブルーノートの1500番台においては、なんと「13枚」ものリーダー作をリリースしている。全体の13%。ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンのジミー・スミスjへの入れ込みよう、凄いですね。

確かに凄いオルガニストのジミー・スミス。当時、圧倒的な超絶技巧でジャズ界の話題を独占、彼のリーダー作の多くはトリオの演奏で占められており、オルガン・ギター・ドラムと言うトリオ・フォーマットがここで完成され、他の追従を許さない、独特なオルガン・ジャズを確立したと言える。

そんなジミー・スミスであるが、トリオ演奏の傍らで、ブルーノート・レーベルのオールスター・メンバーによるジャム・セッション作品も残している。ジミー・スミスのオルガンは、右手の旋律フレーズが流麗ではあるが、ダイナミックで攻撃的で押しが強い。トリオ作ではその強烈なオルガンが前面に押し出されてくるので、聴いていてちょっと疲れることがある。それを緩和してくれるのが、このオールスター・メンバーによるジャム・セッション作品。
  
 
A-date-with-jimmy-smith  
 
 
『A Date with Jimmy Smith Vol.1, Vol.2』(写真)。1957年11月11〜13日、NYのManhattan Towersでの録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Donald Byrd (tp), Lou Donaldson (as), Hank Mobley (ts), Eddie McFadden (g), Art Blakey (ds), Donald Bailey (ds)。スタジオ録音。錚々たるメンバーでのジャム・セッション。ドラムだけ、ブレイキーとベイリーが分担している。

ソロ楽器としてフロント3管+ギターがいるので、スミスのオルガンはトリオ演奏より上品で温和。攻撃的なフレーズの連続を封印して、他のフロント楽器のフレーズの雰囲気を踏襲して、スミスの個性はしっかりと出ているが、とても聴き易いジャズ・オルガンを弾いているところがこの2枚の盤の特色。とてもリラックスして楽しげにオルガンを弾くスミスが目に浮かぶようだ。

バード、モブレー、ドナルドソン、ブレイキー等、当時のブルーノート・レーベルを代表するメンバーが大集合、それぞれが入魂のプレイを繰り広げている。特にドナルド・バードのトランペットがブリリアントに鳴り響き、マクファーデンのギターも味わい深く小粋。スミスとドナルドソンの魅力的なデュオ演奏も良い感じ。リラックスして聴けるジミー・スミス盤としてお勧めの好盤2枚です。
 
 
 

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2020年11月12日 (木曜日)

コルトレーンのスタンダード集

プレスティッジ契約時に数多くの録音を行なったコルトレーンだが、彼のキャリアの中で、このプレスティッジ時代のコルトレーンが、一番「ジャズ」らしかったのではないかと思う。この後、レギュラー・カルテットを持って、フリーでエモーショナルな演奏を行ったインパルス時代のアルバムがジャズ入門書などで絶賛されて推薦盤となっているが、僕はちょっと違和感を感じる。

コルトレーンのフリーでエモーショナルな演奏は、構えて聴く類ものであって、リラックスして聴けるものでは無い。ましてや、ジャズ者初心者向けでは無いし、ジャズ入門書に載せるのにも注意がいる。決して、コルトレーンのフリーでエモーショナルな演奏が悪いとは言っていない。僕は、今ではこのスタイルのコルトレーンも好きだ。

でも、ジャズ者初心者の頃は、はっきり言うと「嫌いだった」。ジャズ者初心者の耳には、やかましくてメチャクチャに聴こえる。到底、音楽とは思えなかった。ましてや、何が何やら判らない。確かに「ジャズとしての即興演奏」の究極の姿のひとつ、というのは今では判るが、我々ジャズ者が通常聴くジャズ、初心者向けのジャズは「ジャズ」らしく、リラックスして素直に聴けるのが良い。

やはり「ジャズ」らしいコルトレーンは、インパルスの時代よりプレシティッジの時代に軍配が上がる。プレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作には駄作は無い。というか、リーダー作ばかりで無く、サイドマンとしてプレスティッジに録音したコルトレーンのテナー・サックスには外れが無い。
 
 
Standard-coltrane  
 
 
プレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作の難点はプレスティッジらしく「酷いジャケット」(笑)。アルバム・ジャケットは平凡で酷いデザインばかりだけど、このプレスティッジ時代のコルトレーンは、このデザイン・センスの欠片も無いジャケットに騙されてはいけない。

John Colrtane『Standard Coltrane』(写真左)。1958年7月11日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Wilbur Harden (tp, flh), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。このアルバムは、1958年7月11日の全8曲のセッションから、4曲を選曲したスタンダード・ソング集。取り上げられている曲も、実にマニアックで充実している。難点と言えば、曲数がちょっと少ないだけである。

コルトレーン・ジャズの発展途上段階のアルバムではあるが、そのとても優れた内容に改めて感服。これ、インパルス時代の「バラード」より内容が良いのではないか。ストレートにしっかりとした音で吹くテナー・サックス。そして、耳に付かない、適度な長さの高速早弾き「シーツ・オブ・サウンド」のテクニック。歌うように感情の抑揚をくっきり付けて、時には優しく時には激しく、聴いていて、全く飽きの来ないその構成力。

インパルス時代のコルトレーンも優れている。でも、プレスティッジ時代の隠れ好盤にもスポットライトを当てて欲しい。ジャケットの稚拙さとインパルス時代盲信主義だけで見過ごしてしまうには、あまりに惜しい。リラックスして聴きたい時のコルトレーンは「インパルス時代よりプレスティッジ時代を」ですね。
 
 
 

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2020年11月11日 (水曜日)

ミスマッチのようで実は相性抜群

ジャズって面白いもので、演奏者の組み合わせを見て、そのそれぞれの演奏スタイルを思い浮かべて、どう考えてもミスマッチで「こんな組み合わせは聴きたく無いな、聴いたってロクなことは無い」と思うことがたまにある。が、意外と実はそんな組み合わせにこそ「組み合わせの妙」的な好盤が生まれることがある。ジャズには先入観って危険。まずは自分の耳で聴いてみることが大事である。

『Kenny Burrell & John Coltrane』(写真左)。1958年3月7日の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell (g), John Coltrane (ts), Tommy Flanagan (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。素敵なメンバーでのクインテット構成。特にリズム・セクションに「名盤請負人」トミフラのピアノと「燻し銀ドラマー」のコブが配置されているところがミソ。まあ、プレスティッジからのリリースなので、この素敵なメンバー構成も偶然なんだろうけど(笑)。

さて、このプレスティッジの企画盤『ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン』って、シーツ・オブ・サウンドが「ウリ」のエモーショナルで切れ味の良いコルトレーンのテナーと、夜の雰囲気が良く似合うブルージーな漆黒ギターのバレル、どう考えたって「合う訳が無い」と思うのだが、これが実は「合う」んですよね。
 
 
Kenny-burrell__john-coltrane
 
 
出だしの1曲目「Freight Trane」は「あ〜やっぱり合わないな」なんて、コルトレーンとバレルのミスマッチの予感を実際に確認して、直感は当たっていた、とほくそ笑んだりする。が、2曲目の「I Never Knew」、3曲目の「Lyresto」と聴き進めていくと、「ん〜っ」と思い始める。コルトレーンがバレルに合わせ始めるのだ。シーツ・オブ・サウンドで吹きまくるコルトレーンでは無く、ブルージーなバレルの漆黒ギターに合わせて、歌心溢れるブルージーなテナーに変身し始めるのだ。

そして、4曲目の優しいバラード曲「Why Was I Born?」。この演奏、コルトレーンとバレルのデュオなのだが「これが絶品」。ブルージーで黒くて優しくて骨のあるバレルの漆黒ギターの伴奏に乗って、コルトレーンが、それはそれは歌心溢れる優しいテナーを奏でる。すると、代わって、黒くて優しくて骨のあるバレルの漆黒ギターが「しっとり」と語りかける。この演奏を聴くだけの為に、このアルバムを手に入れても良い位の名演である。

こんな時、ジャズって柔軟な音楽だなって、改めて感心する。昔、ジャズ盤紹介本で、この盤ってミスマッチの極致の様に書かれていた記憶があるが、パーソネルを見ただけで評価したのではないだろうか。ようは「如何に相手の音をしっかり聴いて、最適の音でしっかり返すか」である。つまりはバレルとコルトレーン、ミスマッチのようで実は相性抜群。なんだかジャズの世界って、人間の男女の仲に良く似ている。
 
 
 

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2020年11月10日 (火曜日)

逆「ジャケ買い」のトレーン

プレスティッジって、ブルーノートと並んで、ジャズ・レーベルの老舗中の老舗なんだが、プレスティッジほど、いい加減なレーベルはないのではないか。内容、質については、そのセッションの偶発性、演奏するジャズマンのパフォーマンスに因るところが大きく、アルバムによってバラツキがある。

そして、手当たり次第に暇そうなジャズメンに声をかけ、スタジオで繰り広げるジャム・セッション〜リハーサル無しの一発勝負の録音。録音時期の整合性を無視した、フィーリングだけを頼りにした「寄せ集め的なアルバム編集」。ブルーノートとは正反対のレーベル運営。

そんなプレスティッジだが、ジョン・コルトレーンについては「プレスティッジのコルトレーン」を愛聴している。ハードバップのマナーに則ったコルトレーンのテナー・サックスはそれはそれは極上のもの。テクニックも申し分無く、この頃のコルトレーンは、高速のシーツ・オブ・サウンドを多発することなく、エモーショナルな雄叫びは全く無く、素直でバップなブロウを心ゆくまで堪能出来る。

John Coltrane『Lush Life』(写真左)。1〜3曲目が1957年8月の録音で、4曲目が1958年1月の録音、5曲目が1957年5月の録音。そして、パーソネルは、1〜3曲目が、John Coltrane (ts), Earl May (b), Art Taylor (ds)。4曲目が、John Coltrane (ts), Donald Byrd (tp), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Louis Hayes (ds)。5曲目が、John Coltrane (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Albert Heath (ds)。プレスティッジらしく、収録されたセッションはバラバラである。

加えて、このアルバム、プレスティッジのアルバムらしく、ジャケットがイマイチ。コルトレーンの写真は良いとして、この「LUSH LiFE JOhN COLTRaNE」という、いい加減なロゴはなんなんだ。
 
 
Lush-life  
 
 
このアルバム・ジャケット、LPサイズだと、結構、ドン引きする。このジャケットでは購入意欲が湧かないなあ。CDのサイズになって、やっとなんとか我慢して購入できるレベル(笑)。

しかしながら、このアルバム、ハードバップ時代のコルトレーンの「隠れ好盤」だと思う。冒頭の「LIke Someone In Love」なんぞ、ピアノレスの演奏でコルトレーンのテナー・サックスが心ゆくまで堪能できる代物。真っすぐで力強い音色、それでいて、どこかエッジが丸い、少し優しい響きのするコルトレーンのテナー。この時代のコルトレーンが、一番、彼の素晴らしいテナーをシンプルに堪能できる。

表題曲の「Lush Life」も絶品。この頃のコルトレーンって、バラードを吹かせるとピカイチ。13分56秒と長尺な演奏だが、コルトレーンのテナーは、聴き手を飽きさせない。素晴らしいテクニックと表現力。是非、一度は聴いていただきたい名演である。

このアルバムでのコルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」は、早弾きされても喧しくなく、耳につかない。適度な早さと長さの「シーツ・オブ・サウンド」は、そのエモーショナルな雰囲気が良い方向に出ていて心地良い。

40歳過ぎるまで、この『Lush Life』っていうアルバムはジャケットにドン引きして、なかなか手に入れるには至らなかった。が、40歳過ぎて、思い切って入手して何度も聴き返してみると、あら不思議、「思い切って手に入れて良かった」と心から思える、「ジャケ買い」とは正反対の、逆「ジャケ買い」隠れ好盤である。人は見かけによらず、と言うが、このアルバムは「見かけによらず」である。
 
 
 

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2020年11月 6日 (金曜日)

モブレーの作曲の才能の高さ

ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンの価値基準は、ジャズというジャンルの音楽を「総合芸術」として捉えていたところにあるんじゃなかろうか、思っている。

ブルーノート・レーベル、特に1500番台、4000〜4200番台にかけて「駄盤無し」と言われる。確かに「駄盤無し」なのだが、初めて聴いた時に「ライオンって、どうしてこの音源をアルバム化したんやろ」と思うものがある。逆に「当時、お蔵入り」した音源については、どれもが「なんでお蔵入りしたんやろ」と思うものばかりである。

『Hank Mobley And His All Stars』(写真左)。1957年1月13日、お馴染みVan Gelder Studioでの録音。ブルーノートの1544番。ちなみにパーソネルは、Hank Mobley (ts), Milt Jackson (vib), Horace Silver (p), Doug Watkins (b), Art Blakey (ds)。

フロントにヴァイブのミルト・ジャクソンを加え、リズム・セクションにホレス・シルヴァーのピアノを加えた、確かに、当時のブルーノートの「オールスターズ」である。この人選、このアルバムを聴き終えた後で、なるほどなあ、と感心することになる。

ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、テナーのハンク・モブレーを「買っていた」。特に、1957年はハンク・モブレー使いまくり。全部で4枚のリーダー作を作らせ、他のリーダーのセッションにも、参加させまくり、である。その「こころ」は何処にあったのか。

この盤はブルーノートにおいて、モブレーにとって2枚目のリーダー作。収録曲はモブレーの自作曲で固めている。当時27歳の若手だったモブレー。そんな若手の自作曲で固めたリーダー作に、ミルトやホレスなど、当時、ハードバップのスター・ジャズメンを参加させている。聴く前はその真意が分からなかった。
 
 
Hank-mobley-and-his-all-stars_20201106174401
 
 
ハンク・モブレーは好不調の波が激しい。どうもセッションのメンバーによるところ、つまり相性が強く出る感じなのだ。この盤では、モブレーのテナーは萎縮している訳では無いが(指はしっかり動いている)「神妙で大人しい」。どうも周りを固めたメンバーが、モブレーにとって「気さくに相対できる相手」では無かったようである。加えて、自作曲をこのメンバーで演奏して貰うことに「恐縮」していたのではないか。

逆に、モブレー以外のメンバーは溌剌と演奏している。特にミルト・ジャクソンのヴァイブ、ホレス・シルヴァーのピアノは絶好調。モブレーの自作曲の中で、喜々として素敵なアドリブ・パフォーマンスを展開している。これって、恐らくモブレーの自作曲の出来が素晴らしいのだと思う。曲の出来によって、アドリブの質は変わる。ジャズとはそういうものなんだが、この盤がそれを証明しているようだ。

スタンダード曲を一曲も入れずに、モブレーの自作曲で固めた、アルフレッド・ライオンの真意。恐らく、ライオンはモブレーの作曲の才能を、テナーのプレイ以上に「買って」いたのではないだろうか。だからこそ、リーダーのモブレーが「慎重で大人しい」プレイに終始して、サイドマンのプレイの方が目立つセッションにも拘わらず、この音源をアルバム化したのではないかと感じている。

モブレーのテナー・プレイに着目していたのならば、この盤は「お蔵入り」では無かったか。しかし、ライオンはモブレーの作曲の才能を「買って」いた。だから敢えてこの音源をアルバム化した。そして、サイドマンの溌剌としたアドリブ・パフォーマンスがそれを証明している。この盤は「モブレーの作曲の才能の高さ」を確認する盤だと理解している。

モブレーが控えめに「得意げに」楽譜を差し出している、このアルバムのジャケ写もそれを物語っているようだ。
 
 
 
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2020年11月 5日 (木曜日)

ヴィンスのタッチが小気味良い

Vince Guaraldi(ヴィンス・ガラルディ)。『スヌーピー』の音楽の作曲者。チャーリー・ブラウンとピーナッツの仲間たちの、可愛く楽しいサウンド・トラックを数々手掛けてきたジャズ・ピアニスト。初リーダー作『Vince Guaraldi Trio』では、ヴィンスのピアノは暖かく柔らかいタッチが個性で、そのユニークな将来の片鱗を聴かせてくれた。

Vince Guaraldi『In Person』(写真左)。1962年12月4日、カリフォルニアの「The Trident Jazz Club」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Vince Guaraldi (p), Eddie Duran (g), Fred Marshall (b), Colin Bailey (ds), Benny Valarde (güiro)。ヴィンスのピアノ・トリオに、ギターと南米の打楽器「ギロ」が入ったクインテット構成。

クインテットとは言っても、演奏を聴くと、どちらかと言えば、ヴィンス・トリオにギターとパーカッションが客演したイメージが強い。「ギロ」とは、ヒョウタンの内側をくりぬき外側に刻みを入れて棒でこすったり叩いたりして演奏する打楽器(wikipediaより)である。西海岸ジャズらしく、珍しい楽器構成を基にアレンジをふるって「聴かせるジャズ、楽しませるジャズ」を展開している。
 
 
In-person-vince-guaraldi  
 
 
収録曲を見渡すと、まず「ボサノバ曲」が目につく。セルジオ・リカルドの「Zelao」、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Outra Vez」、カルロス・リラの「Forgive Me If I'm Late」、アントニオ・マリアの「The Love Of A Rose」等、正統派なボサノヴァ曲を中心に、ヴィンスのエレガントなピアノが小気味良いフレーズを弾き紡いでいく。

その他の収録曲では、アフロ・キューバンあり、ジャズ・スタンダード曲あり、アレンジのテクニックを駆使して、趣味の良い、硬質ではあるが流麗なヴィンスのピアノが堪能出来る。特に「On Green Dolphin Street」や「Jitterbug Waltz」については、ヴィンスの暖かく柔らかいタッチのエレガントなピアノがバッチリ填まっている。

米国西海岸ジャズの「個性と雰囲気」を色濃く反映したジャズ・ピアノ盤である。この盤、拍手がカットされているのでスタジオ録音盤と間違えやすいのだが、この盤はしっかりライブ盤である。それが証拠に、ヴィンスの明確なタッチが小気味良く、演奏全体が活き活きしている。ジャズ・ピアノ盤の隠れ好盤としてお勧め。
 
 
 

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2020年11月 4日 (水曜日)

ニュー・ジャズ志向の新進ギター

昨日、テリエ・リピダルのギターについて語った折、このリピダルの様な、幽玄で浮遊感のある、かつ切れ味良く、適度に捻れたフレーズを多用した「ニュー・ジャズ」志向の音が特徴の、次世代を担う若手のジャズ系ギタリストはいるのか、と思い立った。端正なネオ・ハードバップ志向の若手ギタリストは何人かの名前が浮かぶのだが、どうなんだろう。

Nir Felder『Ⅱ』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Nir Felder (g), Matt Penman (b), Jimmy MacBride (ds)。シンプルなギター・トリオ編成になる。エレギをフロントに据えてはいるが、アコースティックギターやバンジョー、シンセサイザーなどが多重録音されて、アルバムに詰まっている音は意外に分厚い。加えて、録音後のポストプロダクションに時間をかけている分、音の完成度はかなり高い。

このリーダーのギタリスト、ニア・フェルダー(Nir Felder)は、1982年生まれ。今年で38歳、まだまだ若手である。米国ニューヨーク州出身、2005年にバークリー音楽大学を卒業、数多くのネオ・ハードバップ、ニュー・ジャズ系のミュージシャンとの共演を重ね、ロック・ミュージックから多大な影響を受けた、かなり独創的なギタープレイで徐々にその名を売っている。
 
 
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使用ギターは、ジャズとしては珍しいフェンダーのストラトキャスター。逆にストラトでないと出せない音、幽玄で浮遊感のある、かつ切れ味良く、適度に捻れたフレーズを個性とする若手ギタリストである。リピダルなど、先達の「ニュー・ジャズ」志向のギタリストと異なるのは、リズム&ビートへの乗りが明確で、浮遊感のある音でも空間を漂う様な音では無い。

しっかりと、リズム&ビートに乗った、ロックっぽいところがファルダー独特の個性と言える。古き良き米国の景色に誘い込むようなギターのアルペジオ、エレクトロニクスを多用したロック・テイストなフレーズ、ディストーション溢れる音で浮遊感と捻れを孕みつつ切れ味の良い、エレ・ジャズ志向の即興パフォーマンス。

新しい感覚の、ニュー・ジャズ志向のギター・トリオ・サウンドがこの盤に詰まっている。2014年にリリースしたファースト盤『Golden Agen』から6年の歳月を経て完成した新盤であるが、フェルダーのギタリストとしての個性の確立を確認出来、次の展開を大いに期待させてくれる好盤に仕上がっている。ポストロックの如き先鋭性とジャズの即興の融合。フェルダーの次作が待ち遠しい。
 
 
 

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