2022年7月 5日 (火曜日)

ジョン・スコフィールドの凄み

ジョン・スコフィールド(John Scofield・愛称「ジョンスコ」)のギターがお気に入りである。初めて、ジョンスコを聴いたのが1979年。確か『John Scofield Live』だった。独特の捻れたエレギの音。間と音の伸びを活かした、音のスペースが絶妙なアドリブ展開。1回聴いただけで、ぞっこん、である。

当時のジャズ・ギターの世界の中でも、ジョンスコは、ジョン・アバークロンビーと双璧の「尖ってプログレッシヴ」なジャズ・ギタリストだった。

『John Scofield』(写真左)。2021年8月、ニューヨーク、カトナ、トップ・ストーリー・スタジオにての録音。キャリア初となるソロ・アルバムになる。ECMレーベルからのリリース。ECMレーベルからのリリースは、2020年の『スワロウ・テイルズ』に続き、本作が2枚目。

このジョンスコのソロ・パフォーマンス。独特の雰囲気が漂う、唯一無二な内容。リズム&ビートは、ジョンスコ好みのコードとリズムをループ・マシンに入れて、それを使用したもののみ。即興パフォーマンスのフレーズの流れの中に、ジョンスコ独特のグルーヴが存在する。

ジョンスコの強烈に個性的なエレギの音が、延々と流れる様に、浮遊する様に広がっていく。それでいて、決してマンネリに陥らない。常に新しいフレーズ、新しい響き、新しい音色が湧き出てきて、聴いていて、とても楽しめる。
 

John-scofield-solo-2022

 
この新盤に関するインタビューの中で、ジョンスコの印象的な言葉がある。「家で一人で演奏することで身についた繊細さがあると思う」。コロナ禍の影響が窺える。その中で「バンド演奏がなくなってしまって、弦楽器の美しさをピンポイントで表現するような、より繊細なアプローチに取って代わった」とある。

そのジョンスコの言葉通りのこの新盤の音世界。ジョンスコのエレギの個性はそのままに、とても繊細にフレーズを紡ぎ、とても繊細にピッキングの表情を変えていく。このテクニックの高さも特筆すべきもの。そして、捻れた独特のフレーズの中に、濃厚に横たわる歌心。

特に、この盤では、ジャズ・スタンダード曲が秀逸。数々のスタンダード曲を独自の解釈で演奏していて、これがどの曲も素晴らしい出来なのだ。「My Old Flame」では、ループ・マシンを止めて、ジョンスコのギターだけが鳴り響く。これが、また良い。それだけでは無い。ジョンスコ自身の作曲した楽曲も良好。ジョンスコのギターの個性と独自の解釈が冴えに冴える。

ジャズとは即興の音楽である。そんな言葉をこのジョンスコの新盤を聴いて、再認識する。ジョンスコはループ・マシーンと対話しながら「即興演奏の妙」を綿々と弾き進めていく。そして、その即興演奏のフレーズが常に新しい想像力に満ちている。ジョンスコのジャズ・ギタリストとして凄みを感じる。そんな新盤である。
 
 

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2022年7月 4日 (月曜日)

ギルの考えるビッグバンド・ジャズ

「音の魔術師」の異名を取った。伝説のアレンジャー、ギル・エヴァンス(ギル・エヴァンス)。アレンジのベースは「ビッグバンド」。しかし、そのビッグバンドの楽器の編成、音の重ね方、ユニゾン&ハーモニー、どれもがユニーク。他のビッグバンドには無い音が個性。そして、ソロイストの演奏スペースの広さ。アドリブ展開の自由度の高さが二つ目の個性。

『The Individualism of Gil Evans』(写真左)。1963年9月、1964年4月6日、5月25日、7月9日、10月29日の録音。パーソネルは、録音日によって大きく異なり、この盤は、ギル・エヴァンスのアレンジの妙を堪能するアルバムなので、ここでは割愛する。ちなみに邦題は『ギル・エヴァンスの個性と発展』。直訳は『ギル・エヴァンスの個人主義』。

Individualism = 個人主義、については、個人の自立を重く見た、個人の権利や自由を尊重するスタンスの意。よく日本語訳にある「自分勝手な」という含意はない。後方の日本語訳に「個性」があるので、それを取って「個性と発展」の和訳を充てたのだろう。

しかし、この盤での、それまでの「ビッグバンド」に無い、ギル・エヴァンス独特の楽器編成、音の重ね方、ユニゾン&ハーモニー、演奏スペースの割り振り等を考えると、その唯一無二の個性ゆえに、「Individualism = 個人主義」の意の方が、すんなり入ってくる。従来のアレンジとはあまりにかけ離れた、あまりに個性的なアレンジではあるが、このギル・エヴァンスのアレンジも確実に「ジャズ・ビッグバンドのアレンジ」なのだ。
 

The-individualism-of-gil-evans_1

 
この盤で気をつけなければならないのは、CDの収録曲は9曲あるが、LP時代のオリジナル盤の収録曲は「The Barbara Song(1964/7/9)」「Las Vegas Tango(1964/4/6)」「Flute Song / Hotel Me(1963/9 + 1964/4/6)」「El Toreador(1963/9)」の4曲だけだということ。1963年9月、1964年4月6日、7月9日の録音から厳選されていて、5月25日と10月29日の録音からは採用されていない。

聴けば判るのだが、ギル・エヴァンスのアレンジの「Individualism = 個人主義」については、この4曲を聴けば良く理解出来る。それほど、この4曲は出来が良い。アレンジの優秀性と参加ミュージシャンのパフォーマンス、両者のバランスが取れた、絶妙な演奏の記録がこの4曲に詰まっている。楽器の編成、音の重ね方、ユニゾン&ハーモニー、いずれも、ギル・エヴァンスにしか為し得ない音世界である。

この盤は、ギル・エヴァンスのビッグバンドの楽器の編成、音の重ね方、ユニゾン&ハーモニーなど、彼のオーケストレーションの成熟を記録した名盤である。「ギル・エヴァンスの考えるビッグバンド・ジャズ」がこの盤に詰まっている。

アコースティック楽器を使用した「ギル・エヴァンスの考えるビッグバンド」としては、これ以上のアレンジは無いのだろう。この盤は、ギル・エヴァンスを理解する上で、絶対の「必聴盤」である。まずは、CDの2〜5曲目から、しっかりと聴いていただきたい。
 
 
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2022年7月 3日 (日曜日)

「音の魔術師」の初リーダー作

ビッグバンドについては、実はこの人のビッグバンドが一番のお気に入り。ギル・エヴァンス(Gil Evans)である。「音の魔術師」の異名を取った。伝説のアレンジャーである。生前は「清貧のアーティスト」だったそうで、その才能と実績に見合う収入は確保されていなかった、と聞く。しかし、彼のアレンジ&オーケストレーションは限りなくアーティスティック。

ギル・エヴァンスのアレンジについては、まず、各楽器のハーモニーの組み立て方、楽器の編成に独特なものがある。チューバやバス・クラリネット、フレンチ・ホルンなど、他のビッグバンドでは採用しない楽器(特に木管楽器)を取り入れて、ギル・エヴァンス独特のユニゾン&ハーモニーの響きを実現している。この「響き」が独特。

そして、ソロ楽器のアドリブ・スーペスをしっかり確保していること。このアドリブ・スペースの存在が、多人数のビッグバンドでありながら、演奏の自由度が高い、モーダルなアドリブ展開を可能にしている。つまり「即興演奏」を旨とする、ジャズとしてのビッグバンドが、ギル・エヴァンスのアレンジで実現しているのだ。

『Gil Evans & Ten』(写真左)。1957年9月9 & 27日、10月10日の録音。ギル・エヴァンスの初リーダー作。ちなみにパーソネルは、Gil Evans (p), Steve Lacy (ss), Jack Koven (tp), Jimmy Cleveland (tb), Bart Varsalona (b-tb), Willie Ruff (French horn), Lee Konitz (as), John Carisi (tp (1)), Louis Mucci (tp (2–7)), Dave Kurtzer (bassoon), Jo Jones (ds (1)), Nick Stabulas (ds (2–7)), Paul Chambers (b)。
 

Gil-evans-ten

 
パーソネルを見れば、楽器編成のユニークさが良く判る。まず、他のビッグバンドでは採用されない、ベース・トロンボーン、フレンチ・ホルン、バズーンの存在が目を引く。そして、このユニークな楽器編成が、ギル・エヴァンスのアレンジ独特の音の響きを現出している。そして、その音の響きが重なって、ギル・エヴァンス楽団独特のユニゾン&ハーモニーが実現している。このギル・エヴァンス楽団の音の響きのユニークさは1曲聴けば直ぐに判る個性的なものなのだ。

ちなみにギル・エヴァンスは、この盤以前に、Claude Thornhill Orchestraの『クールの誕生』のアレンジ、そして、マイルス・デイヴィスとのコラボ作品である『Miles Ahead』のアレンジで、既に独自のアレンジ&オーケストレーションを確立しており、この盤はギル・エヴァンスの初リーダー作ではあるが、その完成度は高い。ギル・エヴァンスのアレンジ&オーケストレーションの原点を堪能出来る。

実はこの盤、タイトルやジャケが二転三転してややこしい。まず、オリジナルは1957年にPrestigeレーベルから『Gil Evans & Ten』としてリリースされた。しかし、1959年、何故かジャケットとタイトルを変えて、Prestigeの傍系レーベル New Jazzから『Big Stuff』として再プレス。1973年には、ジャケットを『Gil Evans & Ten』に戻し、タイトルは『Big Stuff』のまま、Prestigeレーベルから再リリースされている。ここでは、オリジナルの『Gil Evans & Ten』のジャケットとタイトルを引用している。

ギル・エヴァンスの「音の魔術師」たる所以を知るには、この初リーダー作は避けて通れない。ジャズのアレンジの極意を感じるには「マスト」の名盤である。
 
 

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2022年7月 2日 (土曜日)

ウィスパー・ヴォイスの妖精

暑い。とにかく暑い。酷暑である。この3日間、日中、外出するのは憚れる。夜になっても熱帯夜の連続。エアコンが無ければ、とうの昔に干上がっている(笑)。来週月曜日以降は、台風の影響で天気が悪化し、陽射しが滞るので、酷暑は一旦回避出来るとのこと。ほんまかいな、とも思うが、台風の影響が出てくることは間違い無い。

これだけ暑くて湿度が高くなると、エアコンの効いている部屋の中とは言え、熱気溢れるジャズや、難度の高いジャズは聴くのがしんどくなる。フリー・ジャズや激しいスピリチュアル・ジャズなど以ての外。リラックスして聴けるボサノバ・ジャズや、ライトなジャズ・ボーカル、爽やかなフュージョン・ジャズが良い。

『Blossom Dearie』(写真左)。1956年9月11–12日の録音。ちなみにパーソネルは、Blossom Dearie (p, vo), Herb Ellis (g), Ray Brown (b), Jo Jones (ds)。誰が呼んだか、良い意味で「元祖かまととシンガー」(笑)、ウィスパー・ヴォイスの妖精、ブロッサム・ディアリーのデビュー盤である。
 
ブロッサム・ディアリーは、米国のジャズ・シンガーであり、ピアニスト。「ビ・バップのベティ・ブープ(アニメの架空の少女キャラクター)」と評される、キュートでチャーミングな歌唱が個性。
 

Blossom-dearie_1

 
従来の女性ジャズ・ボーカルは、しっかりと音の座った、少し太めの中音域中心の力強い歌声が主流だった。もちろん、歌唱テクニックは相当に高い。パワフルな声量と圧倒的な歌唱力がメインだったが、ディアリーの歌声はその「正反対」。硬派なジャズ・ボーカル者の方々からすると、「認めたくない」ボーカリストの類だろう。

ディアリーの歌声はキュートであり、可愛らしい子供のような、チャーミングを絵に描いたような独特の歌声が特徴。聴いていて爽やかであり、温和であり、心地良くジャジー。

ややもすれば、歌唱の「凄み」に欠けるところがあるディアリーのボーカルだが、その「凄み」の部分をバックの一流ジャズマン達がしっかりと補い、ディアリーのキュートなボーカルの良いところを前面に押し出し、ディアリーのボーカルのキュートな雰囲気によって、甘きに流れそうな演奏全体のイメージを、キッチリと引き締めている。

ディアリーのキュートで個性的なボーカルと控えめだがツボを押さえたピアノ、そして、バックのリズム隊の演奏の水準の高さによって、この盤はライトでリラクゼーション溢れる、爽やかで聴いていて心地良いボーカル・アルバムに仕上がっている。酷暑の夏に聴くに相応しい、女性ボーカルの優秀作だと思う。
 
 

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2022年7月 1日 (金曜日)

Miles Davis『Bitches Brew』

エレクトリック・マイルス、マイルス・デイヴィスのエレ・ジャズ時代のアルバムを順に聴き直している。今の耳で聴き直してみると、10〜15年前には聴こえなかった音や見逃していた音が聴けたりして、意外と面白い。

現代ジャズでは、エレクトリック・ジャズは、ジャズの1ジャンルとして認められていて、意外とエレ・ジャズをやるジャズマンは結構いる。その現代のエレ・ジャズの担い手は、皆、エレ・マイルスの音世界をしっかりと踏まえつつ、自らのエレ・ジャズを表現している。立派である。

Miles Davis『Bitches Brew』(写真左)。1969年8月の録音。ちなみに、パーソネルは、Miles Davis (tp), Bennie Maupin (bcl), Wayne Shorter (ss), Chick Corea, Joe Zawinul (el-p), John McLaughlin (g), Dave Holland (b), Harvey Brooks (el-b), Jack DeJohnette (ds), Lenny White (ds), Don Alias (cga), Jim Riley (shaker)。当時のジャズの先端を行く一流どころがズラリと顔を並べている。

この盤はマイルスのリーダー作の歴史の中で、「大名盤」の扱いを受けていて、今更、その詳細を語るのは憚られる。書籍やネット記事に多くの評論が載っているので、一般的な評論については、そちらを参照されたい。ここでは、僕の個人的な、主観的な印象を語らせていただく。

前作『In a Silent Way』で、「エレ・マイルス」の方法論、エレ・ジャズの基本は「ビート」、という方法論を確立した訳だが、この盤ではその方法論に則り、当時、米国で流行していた「サイケデリック・ロック」や「プログレッシブ・ロック初期」の音を「エレクトリック・ジャズ」でやることが音のコンセプト。サイケやプログレをやるには、ビートの幻想的な広がりや揺らぎが必要なので、どうしても電気楽器の力が必要になる。
 

Miles-davisbitches-brew

 
マイルスの場合、必要に応じた電気楽器の導入しているので、電気楽器の活用が前提のジャズでは無く、ジャズとして表現したい音世界に電子楽器が不可欠だっただけなのだろう。マイルスの音楽に「コマーシャル」な側面は無い。録音当時、どんな音がヒップでクールか、だけを考えて、それに応じて、参加ジャズマンを選定し、必要な楽器を厳選している。

この『Bitches Brew』は、今の耳で聴くと、突拍子も無いエレ・ジャズでは無く、必要に応じて電気楽器を導入した、限りなく自由度の高いモード・ジャズ、言い換えると、当時のメインストリーム志向のコンテンポラリーな純ジャズだといえる。クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの原点がこの盤にある、とする評論もあるが、違う様な気がする。

この盤の音世界は、当時の(現代でもだが)メインストリームな純ジャズであり、必要が故に電気楽器を導入しているだけ。電気楽器の導入が前提でロックビートを採用したクロスオーバー・ジャズや、聴き心地の良い、ソフト&メロウでソウルフルなフュージョン・ジャズとは、音作りの志向が全く異なる。

この盤でも、マイルスは、ジャズの原点である「即興音楽の可能性」について執拗に追求しているだけで、音のコンセプトに関して、「サイケデリック・ロック」や「プログレッシブ・ロック初期」の音の要素を引用しているに過ぎない。そうして、出来上がった音世界が、限りなく自由度の高いコンテンポラリーな純ジャズであり、サイケやプログレを彷彿とさせるポリリズミックで変則拍子なビートの採用だったのだ。

エレ・マイルスの基本は「ジャズ」。この盤も今の耳で聴くと、しっかりと「メインストリームなジャズ」であり、クロスオーバーでも無ければ、フュージョンでも無い。この盤に表現されているのは、サイケでプログレなビートに乗った「即興演奏を旨とするジャズ」である。
 
 

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2022年6月30日 (木曜日)

真夏のヘビロテ・ピアニスト

暑い。暑すぎる。酷暑である。ここ千葉県北西部地方で、気温36〜7℃。朝の9時あたりで30℃を越える。もう朝から真夏日。外へ出ることは出来ない。身の危険を感じる。しかし、この猛暑の夏になると聴きたくなるジャズがあるから面白い。Dollar Brand(Abdullah Ibrahim)である。彼の「アフリカン・ネイティヴ」なジャズの音世界が無性に聴きたくなる。

Dollar Brand(Abdullah Ibrahim)『Zimbabwe』(写真左)。1983年5月29日、独ルートヴィヒスブルクの「Tonstudio Bauer」での録音。ちなみにパーソネルは、Dollar Brand /Abdullah Ibrahim (p, ss), Carlos Ward (as, fl), Essiet Okun Essiet (b), Don Mumford (ds)。アフリカ回帰なレジェンド・ピアニスト、アブドゥーラ・イブラヒム(ダラー・ブランド)の好盤である。

ジャズはアフリカン・アメリカンが育んだ音楽であるが、アブドゥーラ・イブラヒム(ダラー・ブランド)は、そんなジャズを生み出したアフリカン・アメリカンのルーツであるアフリカの「ルーツ音楽」をベースにジャズを展開したユニークなピアニスト。この盤でも、そんな「アフリカン・ネイティヴ」な雰囲気の音世界がてんこ盛り。これが、猛暑の夏の雰囲気に合うんですね〜(僕だけかなあ)。
 

Dollar-brandabdullah-ibrahimzimbabwe

 
アフリカの土着音楽の響き、哀愁感と郷愁感がない交ぜになった、パーカッシヴでエスニックな音世界。このユニークな音世界を彷彿とさせるフレーズを、ハイテクニックなピアノで紡ぎ上げて、モーダルなジャズに昇華している。そして、イブラヒム自らのソプラノ・サックスや、カルロス・ワードのアルト・サックスやフルートの音色が、そんな「アフリカン・ネイティヴ」な雰囲気を増幅している。

この盤の良さは「適度な余裕」。ロックで言うと「レイドバック」しているところ。「アフリカン・ネイティヴ」な雰囲気だからといって、過度のストイックにならず、どこかポップさを宿して、「くつろいだ、リラックスした」ホンワカなアフリカの土着音楽の響きがとても良い。聴いていて、スッとリラックスしていく感じがとても素敵だ。

もともとの名前が「Dollar Brand(ダラー・ブランド)」。1970年前後に、イスラム教に改宗し「Abdullah Ibrahim(アブドゥーラ・イブラヒム)」に改名したので、ダラー・ブランド=アブドゥーラ・イブラヒム、同一人物である。僕は、イブラヒムの「アフリカン・ネイティヴ」な雰囲気の音世界が大好き。特に、真夏に良く聴く「真夏のヘビロテ・ピアニスト」である。
 
 

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2022年6月28日 (火曜日)

猛暑の日々にラテン・ジャズ

先日、梅雨が明けた関東地方。梅雨明けしたら、しばらく暑い日が続くと言うが、それにしても暑い。暑過ぎる。連日の真夏日。朝からエアコンが無ければ、家の中でも過ごせない。これだけ暑いと思考も鈍る。もはや難しいジャズは聴きたくない。聴いて良く判る、聴いて楽しいジャズが良い。

『The Latin Jazz Quintet』(写真)。1960~61年、NYにて録音。ちなみにパーソネルは、Eric Dolphy (fl, b-cl, sax), Felipe Diaz (vib), Bobby Rodriges (b), Artur Jenkins (p), Tommy Lopez (congas), Luis Ramirez (timbales)。こってこてポップなラテン・ジャズ。しかし、フロント管に、エリック・ドルフィーが参加している異色盤である。

パーソネルを見て「なんなんだ、この盤」と思った。ドルフィー以外、ほとんど知らないメンバーばかり。タイトルから「ラテン・ジャズ」をやっている盤。しかも、ドルフィーがラテン・ジャズをやる、とな? これは途方も無い「駄盤」か、意外と面白い「異色盤」かのどちらかだ。しかし、この最近の酷暑で、難しいジャズは嫌だ。ということで、この不思議なラテン・ジャズ盤を聴くことにした。
 

The-latin-jazz-quintet_1

 
ドルフィーは独特に捻れたサックスを封印して、メンバーの一員として、調和の取れたパフォーマンス。しかし、サックスの基本が相当しっかりしているのだろう、良い音出している。フルートもバスクラも良い音出している。ラテン・ジャズの独特の旋律を、とても良い音で、とても良いブロウで吹き上げている。ドルフィーの全く違った、しかし別の優れた側面を聴いた様な気がして、不思議な高揚感にかられる。

収録曲が面白い。ラテン・ジャズの演奏でありながら、収録曲はジャズ・スタンダード曲がメイン。ラテン・ジャズの企画盤なので、ラテン・ミュージックのヒット曲などを選曲するのが常套手段だが、この盤は違う。ラテン・ジャズの企画盤なのに、収録された演奏は、ジャズ・スタンダードをラテン・ジャズ風にアレンジしたものばかり。これが聴いていて面白い。難しいことを考えること無く、ラテン・ジャズ風にアレンジするとこうなるのか、とあっけらかんと感心するばかりである。

全体の雰囲気は「ラウンジ・サウンド」風なんだが、演奏の基本がしっかりしているので、意外と聴き応えのある「ラテン・ジャズ」に仕上がっているのだから面白い。猛暑の日々に、肩肘張らずにリラックスして楽しんで聴けるジャズ。こういうジャズもたまには良い。
 
 

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2022年6月27日 (月曜日)

マルティーノの初リーダー作

3日連続の真夏日。家にいても、エアコンをかけていても、動くと汗がジンワリ出てくる。精神的にも変に疲れてきた様な気がする。これだけ暑いとジャズを聴くどころでは無い。が、やっぱりジャズを聴いて、気分だけでもスカッとしたい。ちょうど最近「小粋なジャズ」を探しては聴いている。「小粋なジャズ」にはシンプルで爽快感溢れる盤が多く存在する。今の「酷暑の日」にピッタリだ。

これだけ暑くなると、まず、フリー・ジャズや、自由度の限りなく高いモーダルなジャズは、難度が高くて、この「酷暑の日々」には、絶対に向かない。1曲聴くだけで、額に汗が噴き出してくる。ガンガンにノリの良い「熱い演奏」のハードバップも駄目だ。1曲聴くと、目の前がクラクラしてくる(笑)。切れ味の良い、スインギーで聴き心地の良い、判り易いジャズが良い。聴いて楽しい「小粋なジャズ」が良い。

Pat Martino『El Hombre』(写真左)。1967年5月1日の録音。Prestigeレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Pat Martino (g), Danny Turner (fl), Trudy Pitts (org), Mitch Fine (ds), Vance Anderson (bongos), Abdu Johnson (congas)。ボンゴとコンガ入り、リーダーのマルティーノのギターがメイン、管楽器にフルートを配し、オルガンを入れた6人編成。マルティーノ、弱冠22歳での初リーダ作の録音であった。
 

Pat-martinoel-hombre

 
遅れてきたバップ・ギタリスト、マルティーノの初リーダー作。そのマルティーノのギターが爽快。絶好調である。コンガとボンゴを入れてリズム隊を増強した「ファンキー・ジャズ」の範疇の演奏ではあるが、マルティーノのギターは、ストレートで変な捻りが皆無。少し骨太な音で、高速フレーズを弾き進めていく。このマルティーノのギター・パフォーマンスは爽快そのもの。

聴き手に迎合すること無く、硬派で真摯で男気溢れるハードバップな演奏をグイグイ引っ張っていく。飄々と速いフレーズを弾き進めていくので、聴き流している分には単純な弾き回しに聴こえるが、しっかり聴くと結構、複雑なことをやっている。ファンクネスはしっかり備わっているのだが、粘ること無く、黒くなること無く、乾いて、どちらかと言えば「白いファンキーなジャズ・ギター」が当時として新しい個性。

ハイテクニックで意外と複雑なことをやっているのに、切れ味の良い、スインギーで聴き心地の良い「判り易いジャズ」な、聴いて楽しい「小粋なジャズ」な、演奏に仕上げっているのに感心する。シンプルで切れ味が良くて骨太な、単旋律がメインのマルティーノのギター。迫力抜群、グイグイ耳に訴求するマルティーノのギター。爽快抜群で、聴いた後、スカッとします。
 
 

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2022年6月20日 (月曜日)

ブレイキーとモンクの相性の良さ

ジャズの過去の優秀盤については、長年の間に「定期的に選盤しては再度聴く」盤と「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤に分かれる。「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤については、だいたい、新装リイシューされるタイミングで、その存在を思い出し、おもむろに聴き直して、再び感動する、この繰り返しである。

『Art Blakey's Jazz Messengers with Thelonious Monk』(写真左)。1957年5月14–15日の録音。ちなみにパーソネルは、Thelonious Monk (p), Art Blakey (ds), Bill Hardman (tp), Johnny Griffin (ts), Spanky DeBrest (b)。ドラマーのアート・ブレイキーが率いるグループ、ジャズ・メッセンジャーズとピアノのセロニアス・モンクのコラボレーションの記録である。

この盤は20年ほど前に「Deluxe Edition」で入手、10年ほど前に聴いて、そのまま「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤になった盤である。今回、またまた「Deluxe Edition」で、CDリイシューされたタイミングで、その存在を思いだし、おもむろに聴き直した次第。もともと、アート・ブレイキーとセロニアス・モンクは相性が良く、その内容には期待が持てる盤ではある。

しかしながら、この時期のジャズ・メッセンジャーズは、ブルーノートとの長期契約を開始する寸前、1950年代の「低迷期の最後のメンバー編成」で、演奏内容に問題は無いのか、聴く前は不安になる。ジャズも知識が付くと、意外と聴く前に変な先入観を持つようになるから、十分に気をつけないといけない。
 

Art-blakeys-jazz-messengers-with-theloni

 
というのも、このジャズ・メッセンジャーズとセロニアス・モンクのコラボ盤、意外と骨太で硬派で内容の濃いハードバップがぎっしり詰まっているのだ。これには驚いた。もちろん、アート・ブレイキーとセロニアス・モンクは相性の良さは全編に渡って十分に感じられて、思わず、聴き込んでしまう。

ブレイキーのモンクのパフォーマンスに対する鼓舞の仕方、タイミングが絶妙。モンクの変則フレーズにしっかりと変則ビートでクイックに反応する、ブレイキーのテクニックの凄さ。そんなブレイキーのドラミングをバックに、モンクは気持ちよさそうに独特の変則フレーズを弾き上げて行く。ブレイキーのドラミングをバックにした時のモンクの弾き進めるフレーズには全く淀みが無い。

低迷期のメンバーとされた、メッセンジャーズのメンバー、それぞれもパフォーマンス好調。グリフィンはモンクの変則フレーズに乗って、ごりごりハードバップなフレーズをブリブリ吹きまくり、変則フレーズのモンクのバッキングに関わらず、ハードマンのトランペットもモンクのフレーズにしっかり乗って、ブリリアントで流麗に吹きまくる。このフロント2管のパフォーマンスに緩んだところは全く無い。

10年前に聴き直して以降、「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤になっていた訳だが、今回、聴き直して、その内容の濃さにビックリした。以前はこの盤の何を聴いていたのやら。録音年は1957年、ハードバップ全盛期。この盤にもハードバップの良いところを十分に表現した、充実したパフォーマンスが記録されている。そして、改めて、ブレイキーとモンクの相性の良さを再認識した。ちなみに、このリイシュー盤、ボートラも充実していて捨て曲無し。良いリイシュー盤です。
 
 

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2022年6月19日 (日曜日)

カナダの「バップなジャズ新盤」

「小粋なジャズ」を探し漁っては聴いている毎日だが、「小粋なジャズ」は、何も以前リリースされた既発盤ばかりがその対象では無い。新盤の中にも「小粋なジャズ」は存在する。あまり馴染みの無いジャズマンの新盤をピックアップして、「小粋なジャズ」として当たった時は、とにかく気分が良い。

Cory Weeds『Just Coolin'』(写真左)。2021年9月15日、バンクーバーの「Will and Norah’s house」での録音。ちなみにパーソネルは、Cory Weeds (ts), Tilden Webb (p), John Lee (b), Jesse Cahill (ds)。CELLAR LIVE レーベル のオーナーであり、カナダを代表するサックス奏者、コリー・ウィーズの19枚目となるリーダ―・アルバム。

コーリー・ウィーズ(Cory Weeds)。19枚目となるリーダー盤なので、大ベテランの域のサックス奏者で、カナダを代表するサックス奏者とのことだが、僕は知らなかった。ネット上にも彼のバイオグラフィーについて、まとまったものは見当たらず、本当に、カナダを代表するサックス奏者なのか、とも思うが、この新盤から出てくるテナーは確かなもの。
 

Cory-weedsjust-coolin

 
もともとこの盤も「ジャケ買い」が切っ掛け。このジャケットのイラストに妙に惹かれた。リーダーの名前に馴染みは無かったものの、なんか良い音が出てきそうなジャケじゃないですか。思わず「ポチ」。出てくる音は、何も味付けも癖も無い、ストレートで端正なテナー・サックス。この盤、リーダーのウィーズのテナーがフロント一管の「ワンホーン・カルテット」なので、ウィーズのサックスがズバッと前面に出てくる。

ミッド・テンポのスインギーな演奏がメイン。ファンクネスは希薄、アーバンでジャジーなオールド・スタイルなハードバップをベースに、ウィーズのテナーが、クールにライトにスインギーにテナーを吹き上げていく。リズム隊は堅実にジャジーなビートを供給し、ウィーズのテナーをしっかりとサポートする。何の変哲も無い、味のある、小粋でバップな演奏なんだが、これが意外と小気味良い。

カナダ・バンクーバーの「フランキーズ・ジャズクラブ」でのギグの為に集まったカルテット。その素晴らしい演奏を聴いた友人がサポートを申し出て、当アルバムのリリースが実現したと言う。その演奏内容の確かさ、メンバーの演奏テクニックの高さから、カナダ・ジャズのレベルの高さを垣間見る想いだ。聴いて楽しい「小粋なジャズ盤」。現代のバップなジャズを楽しめる好盤です。
 
 

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