最近のトラックバック

2016年10月25日 (火曜日)

インパルス!の最初の一枚目

若い頃、ジャズ者初心者の頃から、インパルス!レコード(Impulse! Records)がなんとなく好きである。このレーベルは、かのフュージョン・ジャズの仕掛け人の一人、クリード・テイラーによって1960年に設立されたジャズレーベルである。

まず、ジャケットが良い。見開きのジャケットで、黒とオレンジ色で統一されたデザインが特徴的。紙の厚みもあって重厚、コーティングも上等で、その光沢がお洒落。そして音が良い。ブルーノート・レーベルの録音技師で有名な、ルディ・ヴァン・ゲルダーがサウンド・エンジニアをしている。インパルス!レコードの音には独特の個性がある。聴いていて「あっこれは、インパルス!やな」と判る。

アルバムの内容には、しっかりとした統一感がある。ジャズのその時点でのトレンドをしっかりと押さえ、旬の音を捉える。インパルス!のジャズの音はどれもが新しい。プロデュースがしっかりしているのだ。多くのアルバムはボブ・シールによりプロデュースされている。なるほど、ボブ・シールの仕業か。納得。

そんなインパルス!レコードのアルバムをカタログの順に聴き直している。まずは、Impulse! 9000 seriesからだろう。最初の1枚目(A-1)は、Kai Winding & J.J. Johnson『The Great Kai And J.J.』(写真左)。1960年10月、11月の録音になる。

ちなみにパーソネルは、J. J. Johnson, Kai Winding (tb), Bill Evans (p), Paul Chambers (tracks 1, 3, 6, 7) ; Tommy Williams (tracks 2, 4, 5 & 8-11) - (b), Roy Haynes (tracks 1, 3, 6, 7) ; Art Taylor (tracks 2, 4, 5 & 8-11) - (ds)。当時として、なかなか充実の布陣である。パーソネルの選定にも気を配っていることが感じ取れる。
 

The_great_kai_jj

 
カイ・ウィンディングとJ.J.ジョンソン、二人の一流トロンボーン奏者の双頭リーダー盤である。二人の一流トロンボーン奏者の双頭リーダー盤なので、競演バトルが繰り広げられるのか、と思いきや、そうはならない。録音年は1960年。ジャズが鑑賞音楽としてのポジションを獲得しつつある時代である。

この盤の音世界は、一言で言うと「お洒落で聴き流しに最適」。ほどよくアレンジされて、カイ・ウィンディングとJ.J.ジョンソン、二人の一流トロンボーン奏者のユニゾン&ハーモニー、チェイス、アドリブ交換、どれもがとても心地良い響きを持って展開される。アドリブ・フレーズですら流麗で、これも事前にアレンジされているのでは、と勘ぐってしまう位な「お洒落度合いの高さ」。

曲によっては、その流麗さにブレーキがかかって「オヨヨ」と前のめりになるが、これはアレンジ・ミスが原因で、二人の一流トロンボーン奏者の問題では無い。二人の一流トロンボーン奏者はどちらも、この盤ではご機嫌なプレイを聴かせてくれる。

ピアノにビル・エバンスの名が見えるが、この盤では特に目立ったプレイを展開している訳では無い。あまり個性を前面に押し出しておらず、平均点なピアノに落ち着く。逆に、ベース、ドラムは、曲によってそれぞれ二人のプレーヤーが分担しているが、いずれもなかなか粋なサポートを繰り出していて、聴いていて楽しい。

お洒落な聴き流しが最適なトロンボーン盤である。トロンボーンのほのぼのとした、伸びやかなトーンをベースに、聴いていて、なんか優しい、聴いていて、なんか心温まる音世界が実に心地良い。とにかく、当時としてアレンジが新しい。鑑賞音楽としてのジャズが根付いてきたんやなあ、ということが追体験できる好盤である。

 
 

震災から5年7ヶ月。決して忘れない。まだ5年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

その他のカテゴリー

AOR | jazz | Miles Reimaginedな好盤 | Pops | R&B | rock | Yellow Magic Orchestra | こんなアルバムあったんや | ながら聴きのジャズも良い | アキコ・グレース | アダムス=ピューレン4 | アラウンド・マイルス | アート・ブレイキー | アート・ペッパー | イエス | イスラエル・ジャズ | イタリアン・プログレ | インパルス!レコード | イーグルス | ウィントン・ケリー | ウィントン・マルサリス | ウェイン・ショーター | ウェザー・リポート | ウェス・モンゴメリー | ウエストコースト・ジャズ | エリック・クラプトン | エリック・ドルフィー | エルトン・ジョン | エンリコ・ピエラヌンツィ | オスカー・ピーターソン | オーネット・コールマン | カシオペア | キャノンボール&ナット・アダレイ | キース・ジャレット | クインシー・ジョーンズ | クイーン | クリスマスにピッタリの盤 | コンテンポラリーな純ジャズ | サザンロック | サンタナ | ザ・バンド | ジャケ買い「海外女性編」 | ジェフ・ベック | ジミ・ヘンドリックス | ジャキー・マクリーン | ジャズ | ジャズの合間の耳休め | ジャズロック | ジャズ・アルト | ジャズ・オルガン | ジャズ・ギター | ジャズ・テナー | ジャズ・トランペット | ジャズ・トロンボーン | ジャズ・ドラム | ジャズ・ピアノ | ジャズ・ボーカル | ジャズ・レジェンド | ジャズ喫茶で流したい | ジョニ・ミッチェル | ジョン・コルトレーン | ジョン・スコフィールド | ジョージ・ハリソン | スタン・ゲッツ | スティング | スティービー・ワンダー | セロニアス・モンク | ソウル・ミュージック | ソニー・ロリンズ | ソロ・ピアノ | タンジェリン・ドリーム | チック・コリア | チューリップ | デイブ・ブルーベック | デイヴィッド・サンボーン | デクスター・ゴードン | デュオ盤 | デューク・ジョーダン | デヴィッド・ボウイ | トミー・フラナガン | ハンプトン・ホーズ | ハービー・ハンコック | パット・メセニー | ビッグバンド・ジャズは楽し | ビル・エバンス | ビートルズ | ビートルズのカヴァー集 | ピアノ・トリオの代表的名盤 | フィル・ウッズ | フェンダー・ローズを愛でる | フュージョン・ジャズの優秀盤 | フリー | フリー・ジャズ | ブラッド・メルドー | ブランフォード・マルサリス | ブルース・スプリングスティーン | ブルーノート | ブレッカー・ブラザース | プレスティッジ・レーベル | プログレッシブ・ロックの名盤 | ベーシストのリーダー作 | ホレス・シルバー | ボサノバ・ジャズ | ボビー・ハッチャーソン | ボブ・ジェームス | ポップス | ポール・サイモン | ポール・マッカートニー | マイケル・ブレッカー | マイルス・デイヴィス | マッコイ・タイナー | マンハッタン・ジャズ・クインテット | ミシェル・ペトルチアーニ | ミルト・ジャクソン | モダン・ジャズ・カルテット | ヤン・ハマー | ラリー・カールトン | リンダ・ロンシュタット | リー・リトナー | レイ・ブライアント | レジェンドなロック盤 | レッド・ガーランド | レッド・ツェッペリン | ロック | ロッド・スチュワート | ローランド・カーク | 上原ひろみ | 北欧ジャズ | 吉田拓郎 | 和ジャズの優れもの | 四人囃子 | 天文 | 天文関連のジャズ盤ジャケ | 太田裕美 | 寺井尚子 | 尾崎亜美 | 山下達郎 | 山中千尋 | 旅行・地域 | 日本のロック | 日本男子もここまで弾く | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 歌謡ロック | 渡辺貞夫 | 米国ルーツ・ロック | 荒井由実・松任谷由実 | 西海岸ロックの優れもの | 趣味 | 青春のかけら達・アーカイブ | 音楽 | 音楽喫茶『松和』の昼下がり | 高中正義 | 70年代のロック | 70年代のJポップ

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ