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2017年9月24日 (日曜日)

カントリー・ロック最高峰バンド

さて、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の当ブログは、土日は「70年代ロック・Jポップ」の日。先週から、ジャズの合間に耳休めに良く聴く「カントリー・ロック」を掘り下げている。今日は、カントリー・ロック最大の売上を誇るバンド「Eagles(イーグルス)」について語りたい。

イーグルスは1971年にデビューした米国のカントリー・ロックを代表するバンド。トータルセールスは1億2000万枚を超えるそうで、カントリー・ロックの中で、一番、商業的成功を収めたバンドであろう。カントリー・ロック色が強かった時期は、1971年の結成時から、1974年のサード盤『オン・ザ・ボーダー』までとされる。

音楽的には、グラム・パーソンズの様に、カントリー・ミュージックをそのままロックに置き換えたというよりは、フォーク・ロックをベースにカントリー・ミュージックの要素を融合させたアプローチで、パーソンズの場合、カントリーとロックが対等な感じなんですが、イーグルスの場合は、カントリーとロックの比率が「3:7」の割合で、ロック色が強いのが特徴。
 

Their_greatest_hits_19711975

 
初期の頃の音は、バンジョー、スティール・ギター、マンドリンのサウンドを効果的に取り入れていて、この部分が「カントリー・ロック」の雰囲気を色濃いものにしていた。そんなカントリー・ロック期のイーグルスを手っ取り早く感じることが出来る、優れものなベスト盤がある。Eagles『Their Greatest Hits 1971-1975』(写真左)である。

ちょうどイーグルスがカントリ−・ロックから入って、ロック色が強くなるまでの期間を網羅しているベスト盤。カントリー・ロックなイーグルスがヒット曲やキャッチャーな曲を通して、手っ取り早く体感出来る。バーズやパーソンズよりもフォーク・ロック色が強いことが良く判る。よりロック・ファンに訴求する音作りで、イーグルスは一躍、人気バンドとなった。

イーグルスのベスト盤はその後、オールタイム・ベストなども幾つか発売されてはいるが、カントリー・ロックを代表するバンドとしてのイーグルスを体感出来るベスト盤としては、この『Their Greatest Hits 1971-1975』が最適だろう。何を隠そう、この僕も、このグレイテスト・ヒットを聴いて、プログレから米国ルーツ・ロックへ宗旨替えをした。それは1976年3月、早春の出来事であった。

 
 

東日本大震災から6年6ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年9月 3日 (日曜日)

現在の米国西海岸ロックの好盤

涼しくなった。台風の影響なんだが、北から北東の風が吹き込んで、北にある涼しい空気が一気に、ここ千葉県北西部地方に流れ込んだ。一昨日など、一気に10月上旬の気温になって、慌てて、夏のジャケットを着込んでの通勤になった。そして、この土日も異様に涼しい9月上旬の週末になっている。涼しいし湿度が低いので、とにかく爽やか。

週末の土日。我がバーチャル音楽喫茶『松和』の当ブログは「70年代ロック・Jポップ」の日。今日などは爽やかな空気の上に、久し振りの快晴の朝。それだけ陽光麗しく、風が爽やかな日となれば「米国西海岸ロック」が聴きたくなる。僕はこの「米国西海岸ロック」の大ファンである。

米国西海岸ロックとは、特に1970年代、米国西海岸、ロスアンゼルス、サンフランシスコを中心に流行ったロックのこと。カントリー&ウエスタンやフォークなど、米国ルーツ・ミュージックをベースに、爽やかなコーラス、高テクニックの演奏が個性のロックである。代表的なグループ、ミュージシャンとしては、イーグルス、ドゥービー・ブラザース、ジャクソン・ブラウン、J.D.サウザーなどが挙げられる。

1970年代がピークではあったが、今でも米国西海岸ロックは生き残っている。若手によるフォロワーもいるし、1970年代に活躍したバンドのメンバーがソロになって、今でも活動を続けているケースもある。今日は、この後者のケースをご紹介する。
 

Leap_of_faith

 
昨年のことにはなるが、イーグルス(Eagles)のベーシスト、ティモシー・B・シュミット(Timothy B. Schmit)が7年ぶりの新ソロ・アルバム『Leap of Faith』(写真左)を9月にリリースした。ロサンゼルスにある自身のスタジオでレコーディングとのことで、いや〜、あの米国西海岸ロックの雄、イーグルスのベーシストのソロ盤のリリース。何だか嬉しいでは無いか。

冒頭の「My Hat」を聴くと、ああ、このアルバムは間違い無く「米国西海岸ロック」なアルバムなんだなあ、と感じる。良い音だ。切れ味の良いフォーキーなロック・ビート、爽やかなコーラス、伸びと哀愁感のあるスチール・ギターの響き。明らかに西海岸ロックである。

どんどん聴き進めて行くと、カントリー&ウエスタン風だけでは無い、R&B、そして少しのレゲエ風な曲もあって、現代の「米国西海岸ロック」な内容に思わず聴き惚れてしまう。60歳代最後の年に出された音とは思えない。曲にもボーカルにも、渋さと深さが備わったとは言え、衰えは感じられない。

イーグルスの音を、そのまま洗練して「スティーリー・ダン」風に仕立て上げた様な音作りにも感じるし、1970年代、西海岸で活躍したフォーク・ロック・グループ「ポコ」の音を今風にした様でも音作りは実に魅力的である。いや〜、ティモシー・B・シュミット健在ってことが嬉しいねえ。現在の米国西海岸ロックの好盤です。

 
 

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2017年4月12日 (水曜日)

米国西海岸ロックの一つの頂点

ジャズを聴き続けると、ちょっと耳が疲れてしまう時がある。特にハードなジャズ、例えばフリージャズや自由度の限り無く高いモーダルなジャズなどを5〜6枚聴き続けると、ちょっと耳を休めたくなる時がある。そんな時には「ジャズの合間の耳休め盤」と称して、大概、70年代ロックを聴くことにしている。

選盤は大体、ジャズのアルバムを聴く合間の「ジャズの合間の耳休め盤」なので、ジャズの雰囲気をそこはかとなく宿したフュージョンっぽい盤であるとか、インスト中心のプログレッシブ・ロック盤になる。あと、米国ルーツ・ロックもよく選ぶ。米国西海岸ロックなんかも、この米国ルーツ・ロックの一種として選盤する。

今日の「ジャズの合間の耳休め盤」は、Eagles『On the Border』(写真左)。イーグルスが1974年に発表した3枚目のオリジナル盤である。僕がこの盤に出会ったのは1976年。高校の中で、米国西海岸ロックを聴く人間ってまだまだ少ない時代で、通な連中と一目置かれたり、変な奴らとして距離を置かれたり(笑)。
 

On_the_border_4

 
さて、この『On the Border』、イーグルスの音楽性の全てがバランス良く詰まった好盤である。もともと、イーグルスは、カントリー&フォーク・ロックを軸としたサウンドが「売り」。しかしながら、カントリー&フォーク・ロックに傾いたバンド・サウンドについて、もう少しハードな楽曲を織り交ぜて、音楽性の全体バランスを「ほど良く」取ろうとした。その成果がこのアルバムである。

米国西海岸ロックの一つの頂点の様なアルバム内容で、イーグルスのアルバムの中では、僕はこの『On the Border』と次作『One of These Nights』をよく聴く。ライトで爽やか感のあるカントリー・ロックから、ちょっと重厚でヘビーなハード・ロックまで、実にバランスの良い楽曲が並んでいる。これが実に良い。これが実に聴き応えがある。

ハードな楽曲とフォーキーな楽曲が相まって、ジャズの合間の耳休めに程良い塩梅。そして、ラストはかの名曲「Best of My Love(我が愛の至上)」。イーグルス・サウンドの軸となっていたカントリー&フォーク・ロックをベースとした名バラード。これは絶品で、思わずウットリしながら、この盤を聴き終えて「ジャズの合間の耳休め」は完了するのだ。

 
 

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2011年6月 5日 (日曜日)

「イーグルス」の終焉モニュメント

イーグルスと言えば、米国西海岸ロックの代表的バンドのひとつ。一般的には、イーグルスと言えば、やはり『Hotel California』というアルバムを連想される方が大多数だろう。

このアルバムは非常に罪作りなアルバムで、ロックの限界と終焉を示したアルバムとして位置づけられている。しかし、このアルバムは、耳障りの良い、脳天気な「フォーク・ロックな音」から、AORを意識した、ハードでアーバンな音を内包した「大人のロック」に転身しようとしたアルバムであり、歌詞の内容があまりに「大人」だった為に、伝説のロック・アルバムとして祭り上げられた「きらい」がある。

「ホテル・カルフォルニア」という曲が、シングル・カットされたのは、当初、日本の話で(歌詞が英語で、歌詞の内容がよく判らないまま、曲の雰囲気だけを重視する日本ならではの仕業だけど・・・・)、アルバムがリリースされてから半年も後の話。遅れて、米国でもシングル・カットされて、これが大ヒットとなる訳だけど、歌詞の内容からして、はたして、イーグルスにとって、米国にとってよかったことなのか、今でも疑問を感じる。

まあ、日本では、英語の歌詞が判らないから、そんなことお構いなしで、ガンガン売れたが、なんだか、こんなところに日本の音楽産業の貧しさと卑しさが見え隠れして、当時、なんだか、いや〜な感じを抱いたのを覚えている。

恐らく、イーグルスのメンバーからすると、恐らく、ロックの限界と終焉を示そうとして作ったアルバムでは無かったと思うが、これが、メンバーの意図しないところで、伝説のロック・アルバムとして祭り上げられ、その売上たるや莫大なものになる。当然、世の中から、次のアルバムに過大な期待がかかる。

相当なプレッシャーだったと思う。『Hotel California』後、3年間の時間が経過して、やっとリリースされたアルバムが『The Long Run』(写真左)。このアルバムはひどかった。アルバムのA面に針を落とした瞬間から「???」。
 
The_long_run
 
ゆるゆるなギター、中途半端なリズム、贅肉だらけのコーラス。当時、人間って豊かになるとこうなるのか、と唖然としたものだが、豊かになったから、ということでは無く、バンドとして音作りの方向性が見いだせなくなった、ということだろう。

とにかく、この『The Long Run』がリリースされた1979年、1960年代後半から積み上げられてきた「ロック」というジャンルは、既に、その精神、方向性を見失い、崩壊していたのだろう。とにかく、いいところを見いだそうとしても、それを上回る問題点が見えてしまうわけで、当時、大いに評価に困ったものだ。

『The Long Run』に収録された楽曲を見渡しても、ほどんど、本来のイーグルスらしいナンバーは無い。カリフォルニアを感じられる米国西海岸ロックの爽快感、疾走感は全く感じられない。ダークでアーバンなAORならではの官能美だけが見え隠れする楽曲が多い。この『The Long Run』での音作りは、もはや従来からのイーグルスの音ではない。

といって、新しいイーグルスの音として、何かが新しく生まれている訳では無い。イーグルスにとって、このアルバムがオリジナル・アルバムの最後、というのが、痛いほど感じる事が出来る、気怠く退廃的な雰囲気が充満している。さすがに、そこそこの完成度は維持しているんだが、イーグルスのアルバムとしては評価するのは、かなり苦しい内容だ。1979年という時代のイーグルスとしての歴史的事実としての価値はあるとは思うが・・・。

そんな中でも、「I Can't Tell You Why」「Heartache Tonight」の2曲は、アーバンなAORとして秀逸なナンバーだとは思う。そして、物悲しいのはラストの「The Sad Cafe」。「The Sad Cafe」とは、ロスはハリウッドのライブ・ハウス「トルバドール」のこと。イーグルスが、米国西海岸ロックが生まれ育った「ホームグラウンド」の終焉を悲しく歌い上げている。

その後、イーグルスは、これまた、ひどい内容のライブ・アルバムをリリースし、文字どおり、「ひとりでズッコケて、ひとりで解散していった」のである。82年5月正式に解散が発表される。
  
 
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がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。

 

2010年1月31日 (日曜日)

懐かしの「Timothy B. Schmit」

70年代アメリカン・ロックの一大潮流であった「ウエストコースト・ロック(西海岸ロック)」。カリフォルニアの爽やかな太陽と風を想起させる、ロック・カントリー風の爽やかなノリと、粋な兄ちゃん達の小粋なロック・ソングが特徴的。そして、美しいハーモニーが特徴の「ヴォーカル・ハーモニー」のフィーチャー。

久しぶりに、Timothy B. Schmitの『Playin It Cool』(写真左)を聴いて、懐かしの米国西海岸ロックに浸っている。このアルバムは、1984年のリリースなので、70年代ロックの範疇からは外れるのだが、その内容は、バッチリ70年代ロック、米国西海岸ロックの範疇に引っ掛かっている。

Timothy B. Schmitは、米国西海岸ロック伝説のバンド「ポコ」を経て、1977年、イーグルスに引き抜かれました。ランディー・マイズナーの後任という、ポコへの参加と同じ事情なのは、何か因縁めいたものを感じますね〜。1979年発表のイーグルスの『The Long Run』で、Timothy B. Schmitは、かの名曲「I Can't Tell You Why」を提供しています。でも、その後、イーグルスはあえなく一旦解散。

Timothy B. Schmitはソロに転身せざるを得なくなるわけですが、そのTimothy B. Schmitが、1984年に発表した初のソロ・アルバムが、この『Playin It Cool』。アップテンポなポップス調のナンバーからハードなナンバー、そして、スローなバラードまで、マルチ・タレントぶりを発揮していて、Timothy B. Schmitのボーカルも覇気が溢れ、なかなかの内容のアルバムに仕上がっています。
 

Tb_schmit_playin_it_cool_2

 
リズムは完全に80年代ロック&ポップスで蔓延した、デジタル&打ち込み風で違和感があり、エコーもたっぷりかかっていて、どうもAORの影を追っているようで具合が悪いんだが、それぞれの楽曲の根幹は、70年代米国西海岸ロックにあって、そこを焦点に絞ると、このTimothy B. Schmitの『Playin It Cool』はなかなかに味わいがある。

70年代米国西海岸ロックのテイストを引きずった「80年代AOR的なサウンド」とでも表現したら良いのでしょうか。しっかりと引きずっている70年代米国西海岸ロックのテイストが、僕にとっては魅力的に響きます。

「So Much In Love」「Voices」「Take a Good Look Around You」「Tell Me What You Dream」なんて良い感じですよね〜。特に、「Take a Good Look Around You」「Tell Me What You Dream」の2曲は、70年代米国西海岸ロックのテイストを引きずった「80年代AOR的なサウンド」という表現にピッタリでは無いでしょうか。う〜ん良い感じです。タップリとかかったエコーとデジタル&打ち込み風のリズムは、ちょっと馴染めないんですが・・・(笑)。

イーグルスの再結成の際、ベーシストはランディ・マイズナーでないと、という評価もありましたが、「One of These Nights」や「Hotel California」などのハードなギター中心の曲のバックで、根太で粘りのあるベース・ラインに関しては、Timothy B. Schmit のベースの方がシックリきます。イーグルスの全キャリアの楽曲を広く押さえるベースとしては、Timothy B. Schmitのベースも十分「あり」だと思います。

僕は、1970年代ど真ん中ではない、1980年代に入ってからのソロ・アルバムに、Timothy B. Schmitの個性を感じます。1970年代の米国西海岸ロックを更に洗練した音楽性と彼の弾くベースは、まだまだ過小評価されているではないでしょうか。しかしまあ、レトロなジャケット・デザインだこと・・・(笑)。 
 
 
 
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2009年8月12日 (水曜日)

特集・夏の思い出のアルバム・3

さて「特集・夏の思い出のアルバム」特集の三日目。今日は高校3年生の夏である。大学受験の年、受験勉強に勤しむべき夏に、なぜか、これまた映画を作っている松和のマスター(笑)。今度は、映研では無い、3年のクラスの文化祭向けの映画である。

日本昔ばなしの実写版という設定。15分もの3本というボリューム。大変なことを請け負ったと思った。でも、すすんで請け負った訳では無い。映研出身なので映画の作り方は知っている。でも、映画はそんなに簡単に出来るものでは無い。チームワークの産物である。一旦は反対した。それでも何とかお願い、と迫ってくる。クラス全員が協力するなら、という条件を出した。受験の年である。全員一致で賛成ということはあるまい、と思っていた。しかし、クラス全員一致で賛成、クラス全員が協力ということに相成った。

アマチュアの映画製作という作業は、詰まるところ、監督に何から何まで負担が集中する作業である。クラスメイトはそんなことは知る由もない。担任の先生に何度も確認された。「大学受験やぞ。お前、それでええんか。今からでも遅くないぞ。先生から皆に翻意をお願いしてもええぞ」とまで、本当に親身に心配して頂いた。「ええんです。やります。浪人覚悟でやります。皆がやるって言ってるんです。ここで降りる訳にはいかない」。格好良い啖呵を切った。それでも先生達は親身になって心配してくれた。いろいろと裏で、僕たちの映画作りに協力して下さった。

7月、期末試験が終わって、皆が協力して書いてくれたシナリオを手直ししながら思った。これは、3本とも完成させなければならぬ。これだけ一生懸命書いてくれたシナリオ、一本たりともカットは出来ない。もう受験勉強どころではない(笑)。夏休み返上で、絵コンテ作りとロケハンである。映研の後輩を冷やかしながら、シナリオを読みながら、各シーンの絵コンテ作り。そして、その背景のイメージにあった、ロケ地探し。映研の後輩の自転車を借りて、2万5千分の1の地図を片手に、広く高校の周りを行ったり来たり。

シナリオを手直ししながら、絵コンテを描きながら、映研の部室で聴いたロックのアルバムが、イーグルスの『呪われた夜(One of These Nights)』(写真左)である。
 

One_of_these_night

 
僕はこのアルバムで、イーグルスを知った。アルバムを買う余裕など無い。FMのエアチェックをかき集めて、一枚のアルバムに仕上げた(笑)。1曲目の「One of These Nights」を聴く度に今でもワクワクする。ハードでソリッドな、加えて印象的なコーラス。これがウエストコースト・ロックの雄、イーグルスの音か〜、と感心した。続く2曲目の同じトーンの「Too Many Hands」もハードな演奏、印象的なコーラス。英国ロックとは違う「疾走感と爽快感」。

しかし、である。次の3曲目が、実に素晴らしい名曲なのだ。イーグルス紹介の類いには決して出てこない曲だが、僕はこの曲が、イーグルスらしい、イーグルスの傑作曲のひとつだと思っている。その曲名は「Hollywood Waltz」。これが本当に良い曲、良い演奏なのだ。前奏のスチールギターの音。間奏で出てくるマンドリンのフォーキーな響き。エンディングで聴かせるドン・ヘンリーのシンバルワーク。たった4分2秒の演奏なのだが、ウエストコースト・ロックの雰囲気をドップリと聴かせてくれる。

4曲目の「Journey of the Sorcerer」は意欲的なインスト・ナンバー。バンジョーの音色が印象深い。当時、これはイーグルスらしく無いとか、やり過ぎとか揶揄されたが、僕はそうは思わない。劇的な展開の演奏の中に、そこはかとなく漂うウエストコースト・ロックの香り。砂漠地帯の風景、大都市の風景、サンフランシスコ湾の青い海。そんなカリフォルニアの風景が思い浮かぶ。

そして、この『呪われた夜』のハイライトは、やはりLP時代のB面、「Lyin' Eyes」〜「Take It to the Limit」〜「Visions」の3曲。いずれも名曲名演。この3曲の中でどれが一番のお気に入りか。僕は、絶対に「Take It to the Limit」である。歌詞、曲共に大好き。特に、この青臭い歌詞が良い(笑)。今でも、こういう風に「青臭く」ありたい、と常々思っている(笑)。

この「Lyin' Eyes」〜「Take It to the Limit」〜「Visions」のメドレーの様に流れるハイライトが終わると、叙情的で落ち着いた「After the Thrill Is Gone」と「I Wish You Peace」が待っている。ほんとにしみじみとする良い曲である。

『ホテル・カリフォルニア』が最高傑作に挙げる70年代ロック者の方々が多いが、僕は絶対にこの『呪われた夜』である。このアルバムこそが、イーグルスの最高傑作に相応しい。

このアルバムを聴くと、今でも高校3年生の夏を思い出す。もう絶対に現役合格は無理やなあ、と思いながらも、なんとか、この日本昔ばなしの実写版を完成させるべく、本当に映画は出来るのかという辛いプレッシャーと戦いながら、良い映画にしなければと思いながら、シナリオに手を入れ、絵コンテを描き、一人でロケハンした夏。振り返ると、何かしんみりしてしまう、甘酸っぱい香りがする高校3年の夏。その高校3年生の夏の思い出は、このイーグルスの『呪われた夜』と共にある。
 
 
 
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2008年7月26日 (土曜日)

通なウエストコースト・ロック

夏のロックは、どうしても耳当たりの良いウエストコースト・ロックに偏りがち。しかも、イーグルスやドゥービー・ブラザースなど、有名どころのアルバムは、サウンドやアレンジがゴージャスで、酷暑の夏には「トゥー・マッチ」。

シンプルで、爽やかって感じを求めると、有名どころの、それぞれのバンドメンバーのソロアルバムに行き着く。イーグルスのメンバーだった、ランディー・マイズナーのソロ・デビュー・アルバム(写真左)などは、夏になると、結構、CDのトレイに載る回数が多い。

ランディー・マイズナーには、自分の名前がタイトルになっているアルバムが2枚あって紛らわしいんだが、このソロ・デビュー・アルバムは、日本では『テイク・イット・トゥー・ザ・リミット』という邦題で発売されました。確か、1978年だったはず。

マイズナーのペンによる新曲はひとつも収められない、加えて、バック・メンバーも、有名人が一部参加しているものの、無名で演奏的に可もなく不可もない「普通のミュージシャン」が中心など、制作の準備は不十分だったらしく、評論家筋では、アルバム自体の評価はあまり芳しいものではありません。
 

R_meisner

 
でも、そんなに言うほど、バック・バンドの演奏も酷くなく、確かにテクニック的には普通ですが、どちらかといえばシンプルで聴きやすく、アマチュアっぽいんだけど、プロとして最低限のツボは押さえている感じが、僕は結構気に入っています。

4曲目のドリフターズがヒットさせたオールディーズ「Save The Last Dance For Me(ラスト・ダンスは私に)」にはちょっと引きますが(マイズナーはお気に入りらしい)、その他のひとつひとつの曲はなかなか良い感じです。僕にとっては、マイズナーのリード・ヴォーカルを全編にわたって楽しむことができるってことが嬉しいですね。

そして、このアルバムの最大の聴きものは、イーグルス時代のマイズナーの代表曲である「Take It To The Limit」の再演。イーグルスでの荘厳で壮大なアレンジは、ちょっと「トゥー・マッチ」なところがあって、体調不良の時に聴くと耳にもたれたものですが、ここでのヴァージョンはピアノとアコースティック・ギターだけをバックにしたシンプルなもの。マイズナーのヴォーカルも丁寧に感情を込めて歌っていて、しみじみ聴けます。飽きが来ない名演です。

アレンジ、演奏とも決してクオリティが高いとはいえないのですが、何か惹かれるものが、このアルバムの「そこかしこ」にあって、実に不思議な魅力を持ったソロ・アルバムです。
 
 
 
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2008年7月15日 (火曜日)

夏はウエストコースト・ロック

しばらくジャズの話題が続いた。「マスター、70年代ロックはどうなったんだい」なんて声が聞こえる。でも、この激しい蒸し暑さじゃあ、ハード・ロックや複雑なプログレは聴く気がおこらない。

おいおい、じゃあ夏は、バーチャル音楽喫茶『松和』の懐かしの70年代館は開店休業状態かい、っていう声が聞こえますが、いえいえ、そうではありません。ということで、今日は70年代ロックの話題である。

さすがに、これだけ集中してジャズを聴き続けたら、耳にもたれ始めた。ということで、耳休めには、やはり、70年代ロックである。暑い夏。夏のロックは、やっぱ、ウエストコースト・ロックでしょう。

夏になると聴きたくなる70年代ロック。ダントツは「イーグルス(Eagles)」である。イーグルスに出会ったのは、高校2年生の時であった。小学生の頃から、ゴスペルやカントリー&ウエスタンなど、アメリカン・ルーツ・ミュージック好きである。イーグルスの「Take It Easy」を初めて聴いた時、ああ、良いバンドだなあ、と思った。それ以来、イーグルスはウエストコースト・ロックの中でも、大のお気に入りである。

特に、好きなアルバムが『One Of These Nights』(写真左)である。4作目にして、初の全米ナンバー1を記録した大ヒットアルバム。このアルバムには、学生時代の思い出が一杯詰まっていて、今でも好きだし、今でも聴いては感動して、情緒不安定な時にはウルウルしてしまう(笑)。
 

One_of_these_nights

 
3曲目の「Hollywood Waltz」は大好きな曲で、イーグルスの楽曲の中では、全く話題に上がらない曲だが、僕はこの曲が大好きだ。イーグルズの楽曲の中でも5本の指に入る名曲だと思っている。このアメリカン・ルーツ・ミュージック満載のワルツはいつ聴いても良い。情緒的なスチールギター、郷愁を煽るマンドリンの調べ。印象的なボーカル。そして、イーグルスならではの爽快感溢れるコーラス。

6曲目の「Take It to the Limit」は、もっと好きな曲だ。勇壮なストリングスのアレンジ。印象的な歌詞。ランディ・マイズナーの名バラード。そして、このアルバムで、グループを去るバーニー・レドンによるアルバム最終曲「 I Wish You Peace」。胸がキュンと締め付けられる様な、情感溢れる、やさしい曲。

ふと高校3年生の夏を思い出す。学園祭向けの映画を作っていた頃。映画が出来るのかどうか、出来たとして皆の評価はどうなのか、そして、この映画を作り終えた後、僕には何が残るのか。結構なプレッシャーと孤独感の中、撮影の準備に、夏休みはほとんど毎日、学校に来て、映研の部室にこもっていた。演出の確認、シナリオの手直し、撮影アングルの検討、そんな孤独な作業のバックで、イーグルスの『One Of These Nights』が流れていた。

「Hollywood Waltz」「Take It to the Limit」「 I Wish You Peace」を聴くと、しみじみとしてしまう。夏の終わり、夏休みの終わり、綺麗な夕焼けを見ながら、一人で部室に残っていて、これらの曲がかかると、なぜか郷愁を感じ、寂寞感を感じて、不覚にもはらはらと涙した。そんなことを、今でも思い出すことがある。

しかし「One Of These Nights」の様なファンキーな曲もある。「Vision」の様なリズミックな曲もある。そして、極めつけは「Lyin' Eyes」。軽快なメロディーと重厚で美しいハーモニー。疾走感と爽快感溢れる、ウエストコースト・ロックを代表する名曲名演の一曲。これらのポジティブな曲を聴くと、郷愁と寂寞感を乗り越え、明日に向けてのやる気と克己心が芽生えるのだ。
 
 
 
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2008年6月28日 (土曜日)

懐かしきジョー・ウォルシュ

梅雨空が続いている。一日スッキリしない曇り空。しかも、じっとり高湿度。ちょっと動くと汗が噴き出てくる。というもの、4.5畳の納戸に蟻が上陸していることを嫁はんが突き止めてから、いきなりの大掃除状態に。いやはや、4.5畳の納戸は綺麗になりました。

昨日は、本業の仕事の方で、結構、テンションの高い仕事をしており、流石に、金曜日の夜、精神的な疲れはピークに達し、昨晩は早々に床に入って爆睡状態でした。よって、ブログはお休みしました m(_ _)m。

さて、これだけジメジメした梅雨空には、爽やかな音楽が良いですね。今日は土曜日。70年代ロックが聴きたい気分。爽やかなロックといえば、ウエストコースト。ウエストコースト・ロックのが聴きたい。そういえば、最近、ジョー・ウォルシュの『But Seriously, Folks...(邦題:ロスからの蒼い風)』を安く手に入れたっけ、ということで、今日はこれ。

ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh, 1947年生まれ)。1969年にハードロックバンド、ジェイムス・ギャングでデビュー、その後バーンストーム結成、ソロ活動後、1975年、イーグルスに加入。イーグルス解散後も、ソロ活動を継続している。1994年にイーグルスが再結成後はイーグルスを中心に活躍中。まあ、僕たちにとっては、やはり、イーグルスの最後のギタリストという印象が強いですね。
 

Joe_walsh_but_seriously

 
この『But Seriously, Folks...』は、そのジョー・ウォルシュの1978年のソロ・アルバム。本家イーグルスにとって、1978年と言えば、ウェストコースト・サウンドの到達点とも言える名作『Hotel California』のリリースと、ラスト・アルバム『The Long Run』のリリースの狭間にあたる。いわゆる、非常に微妙な時期のリリースだった訳だが、そんな悩ましい雰囲気は微塵も感じられない、爽快な内容のアルバムである。

イーグルスのメンバーも参加して、全面的にウォルシュをバックアップしており、この同一メンバーで作ったイーグルスのアルバムが、どうして、『The Long Run』の様な、なんだか良く判らない、散漫な内容のアルバムになったかが判らない。それくらい、このジョー・ウォルシュのソロ・アルバムは充実している。イーグルスのアルバム、と言って良いくらい、ジョー・ウォルシュのソロ・アルバムでありながら、イーグルスの良い部分が溢れています。

これぞ、ウエストコースト・ロックって感じがとても心地良く、演奏内容も充実していて、このアルバムは、ジョー・ウォルシュの代表作の一枚でしょう。どの曲も出来が良く、アレンジも良い。ウォルシュのこぶしの効いた歌い方が実に心地良い。

邦題の「ロスからの蒼い風」も良かった。特に「蒼い」の部分が当時、実に気に入っていて、よくいきつけの喫茶店で、友達に繰り返し語ったものだ。水中でご馳走を食べる感じの、色鮮やかなカヴァー・アートも良い感じ。

このアルバム、イーグルス・ファンはもとより、ウエストコースト・ロックのファンの方には、マストアイテムでしょう。US盤がリーズナブルな価格で出ています。今が買いかも...(笑)。
 
 
 
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2007年7月13日 (金曜日)

Take It To The Limit ・・・

先週の日曜から、「ザナドゥ」がマイ・ブームの松和のマスターです(笑)。やっと、1週間が終わった。なんだか、体調がすぐれず、それでいて、仕事の都合上、休むことも出来ない1週間で、ちょいと辛かった。別に、忙しい訳じゃなくて、どちらかと言えば暇なんだけど、出なけりゃならん打ち合わせが散在しててねえ。

さて、このところ、フュージョン、グラムロックと続いて、ちょっと耳が「もたれた」。シンプルなロックが聴きたくなった。シンプルなロックは無いか、と探していたら、やっぱ、シンプルなロックと言えば、ウエストコーストでしょう、と勝手に思って、ウエストコーストの棚を物色し出した。そして、これだ!と手に取ったのが、「Randy Meisner(ランディ・マイズナー)」(写真左)。

1978年、ランディ・マイズナーのファースト・ソロ・アルバム。ランディ・マイズナーと言えば、ウエストコースト・ロックの雄、イーグルスのオリジナル・メンバーの一人。1977年、イーグルスの中で居心地が悪くなったマイズナーは、若干の休養期間の後にソロ活動を開始する。そして、そのソロ・デビュー作が「ランディ・マイズナー」。日本では『テイク・イット・トゥー・ザ・リミット』という邦題で発売されたのを覚えている。
 
このアルバム、やっつけ作業だったらしく、制作の準備は不十分で、マイズナーによる新曲は一曲も無い。他人の作による曲と、以前マイズナーが発表した曲のセルフ・カバー、そして、純粋なカバー曲と、選曲についても、かなり中途半端。

バック・メンバーにしても、J.D.サウザー、バイロン・バーライン、デヴィッド・キャシディー、ヴィクター・フェルドマン、マーティー・ペイチといった名前の売れたミュージシャンが一部参加しているものの、中心となっているのは無名で可もなく不可もない人々。

それでも、僕は、このアルバムのシンプルさが大好き。全体を通じて、演奏のレベルは中庸、インパクトに欠ける面が見え隠れするけど、それぞれの曲自 体の出来は、なかなかです。そして、何よりも、爽やかさと切なさが同居したようなランディーのリード・ヴォーカルを全編にわたって楽しむことが出来るところが良い。
 

Randy_meisner
 
 
カバーは、意外にもR&Bが多い。マイズナーの好みなんだろうな。ドリフターズのヒットで有名な「Save The Last Dance For Me(ラストダンスは私に)」には、ニヤリ。エリック・クラプトンが取り上げたことでも知られる「Please Be With Me」はとてもいいカバーやねえ〜。ジミー・ソウルのヒット曲だった「If You Wanna Be Happy」も良い出来です。カバーだけでも結構楽しめる。

そして、このアルバムの極めつけは、イーグルス在籍時代、彼の代表曲として誉れも高い「Take It To The Limit」の再演。イーグルスでの、仰々しまでの、ストリングス分厚い、荘厳なアレンジとは打って変わって、このヴァージョンは、ピアノとアコースティック・ギターだけをバックにしたシンプルなもの。これが「たまらん」。すごく良い。マイズナーのボーカルも丁寧で、感情がこもっていて感動ものですよ〜。

So put me on a highway and show me a sign
and take it to the limit one more time.

「もう一度とことんまでやってやってみるんだ」というこの曲のメッセージ、僕は、昔むかし、浪人時代に、落ち込んだ時、辛くなった時、悲しくなった時、良くしんみりと聴きこんだものだ(イーグルスのバージョンだったけど)。
 
そんな「Take It To The Limit」、若い時は、その時の思い出(あまり良い思い出ではなかったりする)が蘇って来て、避けていたこともあるけれど、歳をとった今や、この曲は、正に愛聴曲である。
 
 
 
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