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2018年4月24日 (火曜日)

黒人の米国ルーツ音楽の融合

ふとしたタイミングで耳にした、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ・愛称「Q」)の『Sounds...and Stuff Like That!!』(アルバム紹介はここをクリック)。時は1978年、僕は当時20歳、大学に入って最初の年。これも、ふとした切っ掛けで見つけた、大学近くの「秘密の喫茶店」で聴かせて貰った。衝撃的だった。その衝撃は今でもはっきり覚えている。

おおよそ、黒人の「米国ルーツ・ミュージック」、ジャズ、R&B、ゴスペル、ソウル、R&Rなど、それぞれの音楽要素がごった煮に融合されて、ひとつの魅力的な音世界を形成している。いわゆる「フュージョン・ミュージック」の集大成である。ここまで見事に、黒人の「米国ルーツ・ミュージック」を融合し、アレンジし尽くした成果を僕は初めて聴いた気がした。

そして、時は1981年3月。「Q」は新作をリリースする。Quincy Jones『The Dude』(写真左)。前作『Sounds...and Stuff Like That!!』の音世界、いわゆる、黒人の「米国ルーツ・ミュージック」を融合し、アレンジし尽くした「フュージョン・ミュージック」を更に洗練した、いわゆる「フュージョン・ミュージック」の完成形に出会った気がした。よくよく聴けばソフト&メロウなAORの要素も織り交ぜ、1980年当時、ジャズの世界で聴けば「最先端をいく音」であった。
 

The_dude  

 
しかし、正直に言えば、冒頭の「Ai No Corrida」の曲名を見た時、これ何語、と思った。英語では無いよな、なんて思いながら、LPに針を降ろした。格好良い、シャッフルな前奏で始まり、むっちゃR&Bなボーカル、わわっこれは、と思った瞬間、サビが訪れて「アイ ノ コリ〜ダ ・・・・」ときた。そして、ライナーノーツで邦題を確認する。「愛のコリーダ」。うわっ日本語か、よりによって「愛のコリーダ」か。とっても気恥ずかしい思いがした。暫く、苦手だった(笑)。

しかし、米国のリスナーからすると、片言の日本語でサビを歌うのは「クール」な感じなんだろうから仕方が無い。そう、この冒頭の「愛のコリーダ」で気恥ずかしがっている場合では無い。2曲目のタイトル曲以降、ラストの「Turn On the Action」まで、ノンストップで、目眩く「米国ルーツ・ミュージック」の融合の音世界。前作より、ソフト&メロウなAORの要素が効いて、クールでマイルドな雰囲気が加味されているところがニクい。

特に、パティ・オースチンの歌唱がむっちゃ格好良い。さすが「Q」、アレンジは完璧、プロデュースもツボを押さえた音作りが見事。この「Q」の音世界については、当時のフュージョン・ジャズの世界の中では最高峰な内容であり、繰り返し聴くにつけ、思わずひれ伏したくなるような内容であった。さすが「Q」、永遠の僕の「アイドル」である。

 
 

東日本大震災から7年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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2013年7月25日 (木曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・21

夏の夜はボサノバ・ジャズ。今日はビッグバンド仕様で、Quincy Jones『Big Band Bossa Nova』(写真左)。

1950年代、デビュー時より、アレンジャーとして名を馳せたビッグ・ネーム「クインシー・ジョーンズ」。このジャズ・アレンジャーの大御所が、ボサノバ・ブームで沸き立つ1962年に録音した、ビッグバンド・ジャズの隠れた「ウラ名盤」が、この『Big Band Bossa Nova』。

収録された曲名を見渡すと、ボサノバあり、サンバあり、映画音楽ありで、決して、ボサノバ・ジャズのオンパレードでは無いのだが、当時、ボサノバの大ブームの中では、納得のアルバム名と言える(笑)。

さて、冒頭の1曲目を聴くと、なんだか、どこかで聴きなれたフレーズが。なんや、1970年代後半、僕達が学生の頃 、深夜放送で、テレビで聴き慣れた、大阪モード学園のコマーシャルに使われていた曲ではないか。ふふっ、ちょっとマイナーな話題で申し訳ない(笑)。

そうか、あれが、かのクインシー・ジョーンズ御大の「Soul Bossa Nova」だったのだ。ということは、僕達は、クインシー・ジョーンズの名曲をそれとは知らず、コマーシャル・ソングとして、耳タコになるくらい聴いていたことになる。
 

Big_band_bossa_nova

 
閑話休題。さて、このクインシー・ジョーンズの「ウラ名盤」を改めて聴いてみると、これがなかなかいける。 流行を追ったビッグバンド・ジャズは、結構、流行を追ったが故に、音が古くなるのが早いのだが、さすがはクインシー・ジョーンズ御大、ビッグバンドの音が、古くさそうで古くない。

いわゆる「アレンジの妙」とも言える音作りで、今の耳にもグッと踏みとどまった音世界となっている。その他の曲では「Desafinado」や「Samba De Una Nota So (One Note Samba)」など、アントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲を取り上げ、ラテンの音の中に、クインシー・ジョーンズならではの、ブラックネス、ファンクネスを混ぜ込むアレンジ手法は「さすが」と言うほか無い。

ビッグバンド・ジャズは、迫力があるけどちょっとうるさい、といって敬遠される方もいるが、このアルバムはちょっと違う。当然、音に迫力はあるが、耳には意外と心地良い。

そして、僕は、ボサノバやサンバなど、ラテンの曲調の中に紛れ込んだ映画音楽の名曲、かの名画「マイ・ フェア・レディ」の挿入歌「On The Street Where You Live(君住む街角)」のお洒落で疾走感溢れ、心地良い迫力のアレンジが、密かにお気に入りだったりする。

 
 

大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2010年10月 8日 (金曜日)

フュージョン・ジャズの大名盤

1970年代を席巻した「フュージョン」。単なる「流行」と見なされていたが、どうしてどうして、現代の「スムース・ジャズ」の源として、ジャズの歴史の中に、一つの演奏フォーマットのジャンルを形成した。

その「フュージョン・ジャズ」の中で、今では「名盤」と呼ばれるアルバムが多々ある。が、そんな数ある名盤の中でも、このアルバムは「大名盤」と言って良いだろう。Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)の『 Sounds...Stuff Like That』(写真左)。

これは「とてつもない大名盤」である。まず、参加ミュージシャンが凄い。主だったミュージシャンだけでも、Steve Gadd (ds), Anthony Jackson (b),  Eric Gale (g),  Richard Tee (key), Ralph Macdonald (per), David T Walker (g), Wah Wah Watson (g), Herbie Hancock (key),  Tom Scott (as), Nickolas Ashford (vo), Valerie Simpson (vo), Luther Vandross (vo), Patti Austin (vo), Chaka Khan (vo)。いやはや凄い。クインシーに対する信頼の高さの証明だろうが、ギャラの総額を考えると、いやはや凄い。当時のフュージョン・シーンの有名どころがズラリである。

これだけのメンバーを集めたからと言って、素晴らしい演奏が繰り広げられる訳では無い。アレンジ、プロデュースがしっかりしていないと、単なるオールスター・ジャムセッションとなって、メンバーは凄いが演奏は「?」って感じにもなりかねない。事実、そんな「凡百なオールスター・セッション」が、フュージョン時代には多々あったことも事実。それが、フュージョン・ジャズというジャンルの価値を貶めたことも事実。

しかし、クインシーである。クインシー・ジョーンズである。そんな懸念、心配は御無用である。このアルバムは、クインシーのアレンジ、プロデュースが「大爆発」。とにかく、アレンジが凄い。流石である。
 

Qjones_stuff

 
冒頭の表題曲「Stuff Like That」のイントロのフェンダー・ローズの響きを、そしてそれに続くボーカル・コーラスの「どファンキーさ」を感じたら、もうそれだけで「たまらない」。このアルバムは、1978年のリリース。僕はジャズ者駆け出しの初心者。それでも、このアルバムは1回聴いただけで、凄いアルバムだということが判った。それほど、判り易く凄いフュージョン演奏が満載。収録されたどの曲も素晴らしい。というか、素晴らしいという表現だけに留まらない、もう「凄い」と言った方が良い内容。

フュージョンのボーカル入りというのは、ややもすれば「俗っぽく」なり過ぎるものが多いが、このアルバムは違う。ボーカルすらも「楽器」と化している。ボーカルが楽器と化して、バックの演奏と渾然一体となって、うねるようなグルーヴを生み出している。

2曲目の「I'm Gonna Miss You In The Morning(朝わたしはひとり)」を聴いて欲しい。なんと素晴らしい、ファンキーで情緒的なボーカルなんだろう。この演奏、このボーカルが、フュージョンなのか、R&Bなのか、ソウルなのか、もうそんなことは関係無い。ただただ素晴らしい演奏とボーカルがここにある。聴く僕たちは、ただただその音に耳を傾けるだけ。

そして、僕の大のお気に入りは、ラストの「Takin' It To The Streets」。米国西海岸ロックの雄、ドゥービー・ブラザースの名曲であるが、この曲、ドゥービーの演奏も、泥臭くてファンキーで疾走感溢れる素晴らしいものだが、クインシーのアレンジは、その本家ドゥービーの上をいく。洗練されたファンキーさ、そしてR&Bらしい黒さ、ソウルミュージックの爽やかさを加え、コーラス部分のゴスペル調のドライブ感。演奏が迫り来る迫力、演奏の凄い分厚さ。聴き終えた後、一瞬至福の時を迎える。

フュージョン・ジャズの大名盤である。フュージョン好きの方はもとより、音楽が好きな方は、このアルバムは是非聴いて欲しい。ジャンルなど関係無い、素晴らしい音楽がこのアルバムに詰まっています。 
 
 
 
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2008年8月 6日 (水曜日)

このアレンジャーは凄い

ジャズの楽しみは、それぞれの楽器のミュージシャンの演奏を楽しむ他に、ジャズの演奏をアレンジするいわゆる「アレンジャー」の編曲とその演奏を楽しむという切り口もある。

ジャズのアレンジャーで「このアレンジャーは凄い」と思った最初のアレンジャーは、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ・写真右)。1933年生まれで、1950年代から第一線で活躍を続け、グラミー賞をはじめとする音楽賞を多数受賞。ブラック・ミュージック界最大のプロデューサー&アレンジャーである。

クインシーのアレンジで、最初に感動したアルバムが、Quincy Jones『Walking in Space』(写真左)。1969年の作。時はフュージョン時代の前、まだ、フュージョンという言葉が無く、「クロスオーバー」と呼ばれた時代の、後のフュージョン・ジャズの先駆け的なアレンジ&演奏が聴ける。
 

Walking_in_space

 
どの曲も、とても参考になる、とてもクールなアレンジが施されており、実に聴きごたえのある内容。アメリカン・ルーツ・ミュージックをベースにアレンジが施されているが、アメリカン・ルーツ・ミュージックの中でも、ジャズをベースに、ブラック・ミュージックの中で、ジャズに近いところから、アレンジに取り込んでいる。ジャズをベースに、R&B、ファンク、ソウル・ミュージック、ゴスペルが渾然一体となっており、これぞ、アメリカン・ブラック・ミュージックという雰囲気に仕上がっている。

後のエレクトリック・ジャズ・ビッグ・バンドで使用される、楽器の重ね方、楽器の使い方、音色の使い方、リズムの使い方などのアイデアが、この『Walking in Space』には満載であり、このアルバムが、1970年代のフュージョン演奏、エレクトリック・ジャズ・ビッグ・バンドのアレンジに与えた影響は大きい。

一度聴いたら絶対に忘れない音やコーラスの重ね方、リズムの使い方、ブラスの使い方。クインシー・ジョーンズの個性が、このアルバムのあちらこちらで輝いている。ジャズ・アレンジャーの成果としては白眉の出来だと思います。
 
 
 
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