最近のトラックバック

2016年5月12日 (木曜日)

ボウイの『★(Blackstar)』

David Bowie(デヴィッド・ボウイ)の26枚目にして最後のスタジオアルバム『★』(写真左)。タイトルは「★」。面白いタイトルである。ボウイらしさが溢れている。

読みようが無いと困るのだが、今回のこのアルバムのタイトルトラックであり、2015年の11月に先行発売されたシングルが「★(Blackstar)」となっているので、「★」の読み方は「ブラックスター」で世界統一されている。

前作『The Next Day』は秀作だった。『Ziggy Stardust』を中心とする黄金時代の音世界が戻って来て、ポップ&グラムな音世界は「さすがボウイ」と見直さざるを得なかった。この前作『The Next Day』の出来の素晴らしさから、次作については相当な期待を持っていた。

そこにこれである。『★』(Blackstar)」である。この盤は、ジャジーな雰囲気に満たされている。それもそのはず、ジャズ・ビッグバンドであるマリア・シュナイダー・オーケストラのメンバーが参加している。この「マリア・シュナイダー・オーケストラ」からのメンバー参入というところが、ジャズ者の僕としては「グッと」くる。
 

Blackstar

 
この『★』ではジャジーな雰囲気をベースに、「ベルリン三部作時代」を思わせるような、曇り空の様な、くすんだ鉛色の陰影が全体を支配する。この「ベルリン三部作時代」はシンセサイザーを使ったアンビエントな音世界であったが、この『★』については、ジャジーな音を使ったアンビエントな音世界であり、これが実に魅力的である。

この『★』は、前作『The Next Day』と併せて、ボウイの傑作の一枚と断言できる。というか、この2枚を併せて、ボウイの1970年代の黄金時代を、現代の環境に合わせた表現方式で再構築している。この再構築のセンスが抜群なのだ。

加えて、このアルバムのアートワークも特筆ものである。「Heathen」「Reality」そして「The Next Day」でボウイと組んだジョナサン・バーンブルックが担当、真っ白な背景の上に大きな黒い星が真ん中に飾られ、そして星の部分部分のパーツによって「B O W I E」と表されたと思われるものによって構成されている。このデザインは洗練されてして実にシャープだ。

このアルバム『★』は、ボウイの69回目の誕生日である1月8日にリリースされた。ボウイの完全復活として話題になったのもつかの間、その2日後、ボウイはあの世へ旅だった。『★』はボウイにとって最後のスタジオアルバムとなってしまった。
 
 
 
震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2016年5月11日 (水曜日)

ボウイの『Ziggy Stardust』

2016年に入って早々、1月10日、衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。「デヴィッド・ボウイ、18か月の闘病の末、肝ガンにより死去」。あの「グラム・ロックのヒーロー」デヴィッド・ボウイがあの世に旅立った。ショックである。

デヴィッド・ボウイの音に出会ったのは高校時代。1974年の冬になる。映研の先代部長Nさんが部室に持ち込んだ一枚のアルバム。このアルバムの内容が当時、プログレ小僧だった僕の耳に衝撃的に響いた。これって何?

David Bowie『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mar』(写真左)。邦題『ジギー・スターダスト』。1972年リリースのボウイの名作中の名作である。

タイトルについては「ジギー・スターダスト&ザ・スパイダーズ・フロム・マーズの栄枯盛衰」が日本語訳としては適切とされる。しかし、発売当時は「屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」という訳の判らん直訳な邦題で僕達を混乱させた(笑)。ただ、この訳の判らん直訳な邦題の方が、この盤を聴いたイメージとピッタリだったのが面白い。

Wikipediaを紐解くと「自らが異星からやってきた架空のスーパースター「ジギー」となり、ロック・スターとしての成功からその没落までを描く物語を、アルバムに収録された曲で構成している作品である」とされる。完璧なコンセプトアルバムである。そういう意味では、このアルバムはグラム・ロックと言うよりは、プログレッシブ・ロックとした方が座りが良い。

さて、僕がデヴィッド・ボウイの音に出会ったのは1974年。「グラム・ロックのヒーロー」とは言え、日本ではポピュラーな存在では無かった。一部のマニアックなロック小僧に受けてはいたが、皆が皆、ボウイを聴いていたのでは無い。逆にボウイを聴いている、ボウイは良い、とすると「変人」のレッテルを貼られる始末(笑)。
 

Ziggy_stardust

 
この完璧なコンセプトアルバムの素晴らしさは、雑誌でネットで語り尽くされているので、ここでは書かない。ただ一言「聴くべし」である。恐らく、2度と再現出来ないであろう、奇跡の様な素晴らしい音が響きが、このアルバムにぎっしりと詰まっている。

映研の先代部長Nさんと僕との間では、このデヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』は絶対的存在だった。映研の他の部員はボウイを特別視することは無かった。しかし、先代部長と僕は違った。この『ジギー・スターダスト』のコンセプトは、一応、映画の監督を担う「インテリな夢想家」にとって好奇心と自尊心を限りなく擽る、マニアックなものなのだ。

寒い映研の部室の中で、基本的に他の部員がいない時に二人でひっそりと聴いた。その「ひっそり」と聴くシチュエーションが、このボウイのアルバムにピッタリなのだ。知る人ぞ知る、マニアだけがその美しい音世界に浸ることが出来る、特別な存在。それがデヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』だった。

ボウイがこの世を去って4ヶ月。ようやく落ち着いてこのアルバムを聴くことが出来るまでに「心が落ち着いた」。今、このアルバムの音に耳を傾けてみると、やはり、このアルバムは奇跡の塊である。どうやってこの音が出したのか、どうやってこの曲を作ったのか、全くもって理解出来ない。その音その響きの全てが「プログレッシブ」であり「イノベーション」である。

しかしまあ、ジャケット・デザインも格好良く、このアルバムは何から何まで「名盤」である。ロックがアートとして成立している好例のひとつ。ボウイの冥福を改めて祈りたい。

 
 

震災から5年2ヶ月。決して忘れない。まだ5年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

その他のカテゴリー

AOR | jazz | Miles Reimaginedな好盤 | Pops | R&B | rock | Yellow Magic Orchestra | こんなアルバムあったんや | ながら聴きのジャズも良い | アキコ・グレース | アダムス=ピューレン4 | アラウンド・マイルス | アート・ブレイキー | アート・ペッパー | イエス | イスラエル・ジャズ | イタリアン・プログレ | インパルス!レコード | イーグルス | ウィントン・ケリー | ウィントン・マルサリス | ウェイン・ショーター | ウェザー・リポート | ウェス・モンゴメリー | ウエストコースト・ジャズ | エリック・クラプトン | エリック・ドルフィー | エルトン・ジョン | エンリコ・ピエラヌンツィ | オスカー・ピーターソン | オーネット・コールマン | カシオペア | キャノンボール&ナット・アダレイ | キース・ジャレット | クインシー・ジョーンズ | クイーン | クリスマスにピッタリの盤 | コンテンポラリーな純ジャズ | サザンロック | サンタナ | ザ・バンド | ジャケ買い「海外女性編」 | ジェフ・ベック | ジミ・ヘンドリックス | ジャキー・マクリーン | ジャズ | ジャズの合間の耳休め | ジャズロック | ジャズ・アルト | ジャズ・オルガン | ジャズ・ギター | ジャズ・テナー | ジャズ・トランペット | ジャズ・トロンボーン | ジャズ・ドラム | ジャズ・ピアノ | ジャズ・ボーカル | ジャズ・レジェンド | ジャズ喫茶で流したい | ジョニ・ミッチェル | ジョン・コルトレーン | ジョン・スコフィールド | ジョージ・ハリソン | スタン・ゲッツ | スティング | スティービー・ワンダー | セロニアス・モンク | ソウル・ミュージック | ソニー・ロリンズ | ソロ・ピアノ | タンジェリン・ドリーム | チック・コリア | チューリップ | デイブ・ブルーベック | デイヴィッド・サンボーン | デクスター・ゴードン | デュオ盤 | デューク・ジョーダン | デヴィッド・ボウイ | トミー・フラナガン | ハンプトン・ホーズ | ハービー・ハンコック | パット・メセニー | ビッグバンド・ジャズは楽し | ビル・エバンス | ビートルズ | ビートルズのカヴァー集 | ピアノ・トリオの代表的名盤 | フィル・ウッズ | フェンダー・ローズを愛でる | フュージョン・ジャズの優秀盤 | フリー | フリー・ジャズ | ブラッド・メルドー | ブランフォード・マルサリス | ブルース・スプリングスティーン | ブルーノート | ブレッカー・ブラザース | プレスティッジ・レーベル | プログレッシブ・ロックの名盤 | ベーシストのリーダー作 | ホレス・シルバー | ボサノバ・ジャズ | ボビー・ハッチャーソン | ボブ・ジェームス | ポップス | ポール・サイモン | ポール・マッカートニー | マイケル・ブレッカー | マイルス・デイヴィス | マッコイ・タイナー | マンハッタン・ジャズ・クインテット | ミシェル・ペトルチアーニ | ミルト・ジャクソン | モダン・ジャズ・カルテット | ヤン・ハマー | ラリー・カールトン | リンダ・ロンシュタット | リー・リトナー | レイ・ブライアント | レジェンドなロック盤 | レッド・ガーランド | レッド・ツェッペリン | ロック | ロッド・スチュワート | ローランド・カーク | 上原ひろみ | 北欧ジャズ | 吉田拓郎 | 和ジャズの優れもの | 四人囃子 | 天文 | 天文関連のジャズ盤ジャケ | 太田裕美 | 寺井尚子 | 尾崎亜美 | 山下達郎 | 山中千尋 | 旅行・地域 | 日本のロック | 日本男子もここまで弾く | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 歌謡ロック | 渡辺貞夫 | 米国ルーツ・ロック | 荒井由実・松任谷由実 | 西海岸ロックの優れもの | 趣味 | 青春のかけら達・アーカイブ | 音楽 | 音楽喫茶『松和』の昼下がり | 高中正義 | 70年代のロック | 70年代のJポップ

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ