2020年7月 6日 (月曜日)

聴いて楽しい「ファーガソン」

ジャズという音楽は表現の幅が広くて、聴く者と対峙する様なアーティスティックな演奏もあれば、聴いていて単純に楽しいポップでエンターテイメントな演奏もある。ビッグバンド・ジャズも同様で、そのアレンジやソロ・パフォーマンスの内容について、アートな側面を押しだしたものもあれば、とにかく聴いて楽しい、ビッグバンドの魅力がダイレクトに伝わるエンターテイメント名な演奏もある。

Maynard Ferguson『Carnival』(写真)。1978年の作品。ハイノート・ヒッター(非常に高い音域を正確に演奏すること)で知られた、カナダ出身のジャズ・トランペット奏者、メイナード・ファーガソンの人気盤。

メイナード・ファガーソンについては、我が国では『アメリカ横断ウルトラクイズ』のテーマだった「スター・トレックのテーマ」や、シルヴェスター・スタローンの名画「ロッキー」のテーマ曲のトランペットで有名ではあるが、人気はイマイチ。

しかしながら、海外では、世界中のトランペット・プレイヤーから熱狂的に支持されているレジェンド。ファーガソンは40年以上もの間、ジャズ・トランペットにおける最高の巨匠のひとりとして尊敬を受けてきている。我が国での人気の無さはどうにも理解に苦しむ。「ハイノート」がはしたない、などという見当違いの評価もあるのだから困ったものである。
 
 
Carnival-maynard-ferguson  
 
 
さて、この『Carnival』の内容に戻る。冒頭の「M.F. Carnival」のダイナミズム溢れる、めくるめく展開に耳を奪われる。そして、次の曲は、EW&Fのヒット曲「Fantasy」のカヴァー。とにかく楽しい、判り易いアレンジが良い。続く「Theme from Battlestar Galactica」は、なんと、超人『ハルク・ホーガン』のテーマ曲ですね。1980年代、新日本プロレス時代の使用曲。「イチバァーン!」と叫ぶ決めポーズああ懐かしい。

ポップなカヴァー曲が目を引くが、大スタンダード曲も演奏されているのだから、もう何が何やら判らない(笑)。しかし「Stella by Starlight」のアレンジが凄い。ビッグバンドの能力を最大限に引き出すかの様な、目まぐるしく変化するリズム&ビート。そして「Over the Rainbow」。これもアレンジが素晴らしい。ソフト&メロウな「フュージョン・ビッグバンド」的アレンジ。時代に即したアレンジ。素晴らしい。

そして、僕の一番のお気に入りは「Birdland」。Weather Reportの名曲中の名曲。原曲のファンキー度を活かしつつ、エレギの存在のお陰で「ブラス・ロック風」。ドライブ感とグルーヴ感抜群で圧倒的な迫力。このビッグバンド仕様の「Birdland」は聴きものである。

当時の人気曲からスタンダード曲まで、ごった煮の選曲なんだが、一貫性のある格好良いアレンジとファーガソンの圧倒的迫力のトランペットがこの盤を実に楽しい内容のビッグバンド・ジャズに仕立て上げている。とにかく聴いていて楽しいのなんのって。こういうビッグバンド・ジャズがあっても良い。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況
 

 ★ AORの風に吹かれて    【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・『You’re Only Lonely』 1979

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・Zep『永遠の詩 (狂熱のライヴ)』

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  ・太田裕美『手作りの画集』

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2020年6月29日 (月曜日)

躍動的な北欧ジャズ・ピアノ

今年の夏は「とても梅雨らしい」。雨が降れば降ったで思い切り降るし、晴れ間が出たら出たで思い切り蒸し暑い。この蒸し暑さが我慢ならない訳で、ジャズを聴く分にも、この蒸し暑さではまともに聴く気にならない。それでもジャズは聴きたい訳で、この蒸し暑さの中でも、ある程度、気持ち良く聴けるジャズは何か、と考える。

Jan Lundgren Trio『For Listeners Only』(写真左)。2000年12月11ー13日、コペンハーゲンでの録音。ちなみにパーソネルは、Jan Lundgren (p), Mattias Svensson (b), Rasmus Kihlberg (ds)。リーダーのヤン・ラングレンはスウェーデンのピアニスト。 マティアス・スベンソンは同じく、スウェーデンのベーシスト。ラスムス・キルベリはやはり同じく、スウェーデンのドラマー。そう、このトリオは純スウェーデン出身のピアノ・トリオである。
 
北欧ジャズは耽美的で透明度が高く、テクニックは高度、歌心が豊かで流麗、静謐でクールな音世界が特徴。1950年代から北欧ジャズは発展してきたが、北欧ジャズの凄いところは、この「北欧ジャズならではの特徴」が1950年代に出現して以降、現代まで、ずっと継続され、年を経る毎に「進化」し「深化」していること。
 
 
For-listeners-only  
 
 
やはり梅雨の蒸し暑い中、北欧ジャズとボサノバ・ジャズだけが気持ち良く聴けるジャズかな。このヤン・ラングレンのトリオは北欧ジャズの特徴をしっかりと引き継いでいて、申し分ない展開である。しかしながら、このトリオ演奏が個性的なところがとても健康的な「躍動感」と「メジャーな響き」。
 
北欧ジャズの特徴として「静謐なバラード」や「ヒーリング音楽の様な怜悧な響き」があるのだが、このトリオ演奏には、その代わりに、北欧ジャズらしからぬ躍動感がある。リズム&ビートが明確で、アドリブ・フレーズに「暖かい響き」が満ちている。「夏の北欧のジャズ」という雰囲気が、実に耳に心地良く響く。
 
こってこての北欧ジャズで固めるのでは無く、米国のコンテンポラリーな純ジャズの雰囲気やスムース・ジャズの雰囲気も取り込んで、北欧ジャズをベースにしながら、インターナショナルな雰囲気の「ネオ・ハードバップ」なピアノ・トリオ演奏に仕立て上げている。リリース当時、人気盤であったことも頷ける。肩肘はらずに、リラックスして気持ち良く聴けるピアノ・トリオである。
 
 
 

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2020年6月19日 (金曜日)

ジャズのシンガーソングライター

ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の新作が出た。4年振り、2016年の『Day Breaks』以来のオリジナル・フルアルバムになる。昨年の『Begin Again』は全編28分のミニアルバムだった。しかも当面の間は、バンドプロジェクト、ガールズ・バンドの「プスンブーツ」の活動に専念すると思っていたので、今回は「ビックリぽん」である。

ノラ・ジョーンズは、2002年、デビューアルバム『Come Away with Me』で大ブレイク。しかし、このデビュー盤がリリースされた当時は、この盤については「これはジャズか?」と揶揄され、「ボーカルだけが目立つ」と散々な評価もあった。ジャズの老舗レベール「ブルーノート」からのリリースだから、やむなくジャズ盤としている、なんてことも言われた。しかし、この盤は世界的には2,500万枚を売り上げた。

ノラのボーカルだけが目立つからジャズでは無い、というのは暴論だろう。ノラ・ジョーンズは、ジャズで初のシンガーソングライターである。自作自演の曲で固めたジャジーなボーカル。そりゃあ目立つだろう。もともとジャズ・ボーカルというものは極力「小作自演」を避けてきた。コンポーザーでは無く、シンガーに徹してきたところがある。シンガーとは「声」が楽器。他の楽器と同列なので、ボーカルだけが突出して目立つことは無い。
 
Pick-me-up-off-the-floor  
 
Norah Jones『Pick Me Up off the Floor』(写真左)。今年6月のリリース。全て、ノラ・ジョーンズの自作自演(11曲中4作は共作)。ノラ自身はピアノを弾き、そして唄う。他のメンバーについては、彼女と親交が深いドラマー、ブライアン・ブレイドとのセッションをベースにしているものの、メンバーは固定せず、ジョン・パティトゥッチ(b)、ネイト・スミス(ds)など、総勢20名以上の名うてのジャズマンが立ち代わり登場する。

しかし、アルバム全編に渡って不思議な統一感がある。ピアノ・トリオをベースとしているが、やはり目立つのはノラの歌声。凄い存在感と説得力のあるボーカル。唄われる曲の雰囲気は穏やかでスピリチュアルなものばかり。しかし、ノラのボーカルが唄われる内容に合わせて、トーンや表現が変わる。これがまた見事に「変わる」ので、全編、音的にも不思議な統一感に支配されているにも関わらず、飽きが来ることは全く無い。

ノラの音世界は「ジャズ・ボーカルとシンガーソングライターとの融合」。自作自演なのだ。ボーカルだけが目立つのは当たり前。しかも、自作自演だからこそ、不思議な統一感が存在し、存在感と説得力が増すのだ。この盤を聴いて思う。従来のイメージを前提にした「これはジャズなのか、ジャズではないのか」の評価は不要だな。今回のノラの新作も「良い音楽」だと評価している。心地良いボーカルと演奏が蕩々と流れていく。
 
 
 

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 ★ AORの風に吹かれて    【更新しました】 2020.06.12更新。

  ・『Bobby Caldwell』 1978

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2020.06.12更新。

  ・Led Zeppelin Ⅲ (1970)

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.06.12更新。

  ・太田裕美『心が風邪をひいた日』
 

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2020年6月12日 (金曜日)

「梅雨の時期」に聴きたくなる

アジマス(Azimuth)は、英国のジャズ・トリオ。トランペット奏者のケニー・ホイーラー、ボーカリストのノーマ・ウィンストン、ウィンストンの夫でピアニストのジョン・テイラーというトリオ構成。3人とも英国出身。「バップ命」の英国出身のジャズ系ミュージシャンが、ECMレーベルで「ニュー・ジャズ」をやるのだから面白い。

Azimuth with Ralph Towner『Départ』(写真)。1979年12月の録音。ECM 1163番。改めてパーソネルは、John Taylor (Pp, org), iNorma Winstone (voice), Kenny Wheeler (flh, tp), Ralph Towner (12-String and Classical Guitar)。アジマスのメンバー3人に、ECMのお抱えギタリストの一人、ラルフ・タウナーが客演したアルバムになる。

アジマスの音世界は「即興演奏をベースとしたアンビエント志向のニュー・ジャズ」。明らかにECMレーベル好みのニュー・ジャズな音世界で、従来のビートの効いたジャズとは全く異なる、即興演奏をメインとした、まるで印象派の絵画を見るような、カラフルな音を駆使したインタープレイ。ビート感は希薄だが、アドリブ展開など、インプロビゼーションの基本は「モード・ジャズ」だろう。
 
 
Depart  
 
 
クールなホイーラーのトランペットとテイラーのピアノ、そして、そこに流れるウィンストンの「女性スキャット」は、現代の「クールなスピリチュアル・ジャズ」に直結するもの。静的なエモーショナルは「ニュー・ジャズ」に相応しい。が、展開のバリエーションが少ないので、複数枚アルバムをリリースすると、その内容としては「金太郎飴」的なマンネリズムに陥り易い。

そこで工夫を凝らしたのが、この「with Ralph Towner」。タウナーのギターは、このアジマスの音世界に繋がる、クールで静的でエモーショナルなギター。アジマスの音世界にピッタリ合う。この盤を聴いていても違和感が全く無い。しかし、従来のアジマスのピアノ、トーンペット、ボイスの展開に、タウナーのギターが入るだけで、その内容はガラッと変わる。

タウナーのどこかクラシック風の、欧州のニュー・ジャズ志向の明快なタウナーのギターの音に導かれて、後にジャズの演奏トレンドの1つとなる、上質の「スムース・ジャズ」の世界に昇華している。ECMレーベルの総帥アイヒヤーのプロデュースの賜であろう。

クールで静的、透明感+清涼感のある音世界は、今の「梅雨の時期」に聴きたくなるジャズの代表格。冷たいアイスコーヒー片手に聴いてます。
 
 
 

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  ・『Another Page』 1983

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  ・Led Zeppelin Ⅱ (1969)

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  ・チューリップ 『TULIP BEST』
  ・チューリップ『Take Off -離陸-』
 
 
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2020年6月 3日 (水曜日)

故きを温ねて新しきを知る。

思いっきし蒸し暑い千葉県北西部地方。日が射したらモワッと体感気温30度越え。日が陰っても、涼しい風は湿気を帯びて、汗をかいた皮膚にまとわり付く。今日はどうしても外出しなければならない所用があり、となり駅までウォーキングがてら歩いたのだが、10分も歩くとジワッと汗ばんでくる。さすが6月。もう感じる季節は「夏」である。

これだけ蒸し暑くなってくると、聴きたくなるジャズは「爽やかな」「涼感感じる」ジャズになる。例えば「ボサノバ・ジャズ」。例えば「スムース・ジャズ」。ボサノバ・ジャズやスムース・ジャズを馬鹿にしてはいけない。確かに中には「これは一体なんなんだ」な内容の駄盤もある。しかし、これは純ジャズでも同じこと。ボサノバ・ジャズやスムース・ジャズにも、テクニック優秀、内容もある、純ジャズの好盤に相当するものも多々ある。

George Benson『That's Right』(写真左)。1995年、ミネアポリス、ニューヨーク、ロンドンにて録音。メインのプロデューサーは「売れる盤請負人」Tommy LiPuma。パーソネルについては、ザーッと見渡しても、知らない名前ばかり。つまりは旧来のモダン・ジャズ畑、フュージョン・ジャズ畑のメンバーは全く見当たらない。純粋に、スムース・ジャズ畑のメンバーばかりで固めている。ワーナーブラザーズを離れたベンソンのGRPレコード第一弾。
 
 
Thats-right  
 
 
もともとは「格好良く弾きまくって、ちょっと歌う」ギタリスト(これが凄く良かった)だったのだが、1980年代から1990年代前半の間、「歌う」ギタリストというか、ほぼボーカリストになってしまったベンソン。まあ、歌が上手すぎるから仕方の無いことだが、これではジャズ・ミュージシャンとは言い難い。しかし、この盤については「格好良く弾きまくって、ちょっと歌う」ギタリストが還って来た。久し振りだ、弾きまくるベンソン。さすがに上手い、ファンキー、グルーヴィーである。

打ち込みビートもあるにはあるが、これだけベンソンがジャジーなギターを弾きまくってくれれば、ギターのグルーヴが優先して、あんまり気にならない。そして、これだけベンソンがギターを弾きまくれば、ベンソンの「ちょっと歌う」ボーカルが逆に引き立つから不思議だ。この辺のプロデュースの妙、さすが、トミー・リピューマである。

当時として最新のスムース・ジャズと懐かしの70年代後期の「格好良く弾きまくって、ちょっと歌う」ベンソンを同居させた快心作だと思う。全体のプロデュースをトミー・リピューマが担い、リッキー・ピーターソン、インコグニートのブルーイのプロデュースで個々の曲作りをする。このプロデューサー陣の会心盤。「故きを温ねて新しきを知る」的なベンソンが格好良い。録音当時、52歳のベンソン。とんでもない中堅ギタリストである。
 
 
 

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2020年5月27日 (水曜日)

軽快なフュージョン・ファンク

ハードバップの主だったジャズマンは、1960年代の「ジャズの多様化の時代」を様々な工夫とテクニックで乗り切った。しかし、商業ロックの台頭により、ジャズはポップスのメイン・ステージから滑り落ちることとなる。そして、1970年代はロックとの融合を図った「クロスオーバー・ジャズ」、そして、その発展形の「フュージョン・ジャズ」の隆盛に対して、適応できたジャズマンと出来なかったジャズマンに分かれていった。

Ramsey Lewis『Tequila Mockingbird』(写真左)。1977年、 Columbia Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルを見渡すと、主だったところでは、Ramsey Lewis (p, elp, harpsichord, syn), Ron Harris, Verdin White (b), Keith Howard, Leon Ndugu Chancler, Fred White (ds), Byron Gregory, Al McKay, Johnny Graham (g), Derf Reklaw Raheem, Philip Bailey, Victor Feldman (perc) 辺りかな。ここにファンキーで洒落たホーンセクションが加わる。

Ramsey Lewis(ラムゼイ・ルイス)は、1960年代、ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズで鳴らしたピアニスト。ジャズの大衆化に大いに貢献したのだが、商業ロックの台頭には対抗できなかった。しかし、1970年代のロックとの融合を図った「クロスオーバー・ジャズ」、そして、その発展形の「フュージョン・ジャズ」には、自らのファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズのイメージを変えること無く器用に適応し、人気ミュージシャンとして活躍していた。
 
 
Tequila-mockingbird
 
 
そんなラムゼイ・ルイスのフュージョン・ジャズの好盤がこの『Tequila Mockingbird』である。本盤のプロデュースは Bert deCoteauxと、EW&FのメンバーだったLarry Dunnが担当、フュージョン・ジャズの中でも、ファンク色の濃い「フュージョン・ファンク」志向の盤。但し、フュージョン・ファンクと言うが、そのリズム&ビートはライトなもの。軽快で明るいフュージョン・ファンクである。

ジャズ・ファンク〜フュージョンなダンス音楽の冒頭のタイトル曲「Tequila Mockingbird」が軽快で小粋。滑らかなフレーズが印象的な、2曲目「Wandering Rose」、そして続くは、絵に描いた様なフュージョン・ナンバー「Skippin'」、ラテンの濃厚な雰囲気満載の「Camino El Bueno」など、どの収録曲もジャズ・ファンクしていて、聴いていて思わず腰が動き、足でリズムを取ってしまう。

ソフト&メロウなフュージョン・ジャズとは趣が異なる、ラムゼイ・ルイスのフュージョン・ファンク。日本で流行のフュージョン・ジャズとは違った、趣味の良いライトで軽やかなファンクネス漂うフュージョン・ファンクは、我が国では受けなかった思い出がある。でも、僕はこの盤、好きなんだよな。可愛い鳥のイラストのジャケットも良い。実は、フュージョン・ジャズの隠れ好盤だと思っている。
 
 
 

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2020年5月25日 (月曜日)

ながら聴きマイ・フェア・レディ

My Fair Lady(マイ・フェア・レディ)は有名なミュージカル。オードリ・ヘップバーン主演で映画化もされているので、日本でもかなり有名なミュージカルである。このミュージカルの挿入歌はジャズ化に向いているようで、結構な数、ジャズ化カヴァーされている。一番有名なのが、シェリー・マンのバージョン。ピアノのアンドレ・プレヴィン、ベースのルロイ・ヴィネガーとのピアノ・トリオでの名演である。

地味ではあるが、ジャズ・ピアノのレジェンド、オスカー・ピーターソンも、ベースのレイ・ブラウン、ドラムのジーン・ガメイジとのピアノ・トリオでの好盤である。が、何故か人気が無い。恐らくドラムの差だろう。

Billy Taylor『My Fair Lady Loves Jazz』(写真左)。1957年1ー2月の録音。ちなみにパーソネルは、Billy Taylor (p), Ernie Royal (tp), Don Elliott (tp, mellophone, vibes, bongos), Jimmy Cleveland (tb), Jim Buffington (French horn), Don Butterfield, Jay McAllister (tuba), Anthony Ortega (as, ts), Charlie Fowlkes (bs, b-cl), Al Casamenti (g), Earl May (b), Ed Thigpen (ds)。

このビリー・テイラーの「マイ・フェア・レディ」は、テイラーのトリオをメインにはしているが、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)が、アレンジと指揮を担当。ビッグバンドの伴奏をバックにしていて、アルバム全体の印象は、ビッグバンド仕様の「マイ・フェア・レディ」。このクインシーのアレンジが絶妙で、アルバム全体に思いっ切り効いている。
 
 
My-fair-lady  
 
 
もともとビリ−・テイラーのピアノは典雅で流麗。バップなピアノではあるが、メロディアスで、どこかイージーリスニング志向の響きがする。この流麗で粒立ちの良いピアノは、クインシーのゴージャズで流麗なアレンジとの相性が良い。違和感無く、テイラーのピアノが溶け込んでいる。「マイ・フェア・レディ」の挿入歌は、どれもメロディアスなものが多いので、このクインシーのアレンジがバッチリ合う。

冒頭の「Show Me」から「"I've Grown Accustomed to Her Face」を聴くと、ハードバップでスインギーなジャズ仕様というよりは、流麗でメロディアスなビッグバンド仕様という感じ。といって、ビッグバンドの音はあくまでシンプルで、ビリー・テイラーのピアノを惹き立てる役割に徹している。典雅で流麗なテイラーのピアノが殊更に映える。

このビッグバンドの伴奏、ちょっとユニークな音をしていて、チューバやフレンチ・ホルン、バス・クラリネットの音色を上手く活かしている。これがストリングスだったら、ちょっと俗っぽいイージーリスニング風のジャズになっていたのだが、ストリングスを採用しないところが、アレンジの職人、クインシーの面目躍如たるところ。このクインシーの独特のアレンジがこの盤を特別なものにしている。

でも、このビリー・テイラーの「マイ・フェア・レディ」も、我が国で人気が無いんだよな。実は僕も、21世紀に入って、インパルス・レコードのカタログを眺めていて、その存在に気がついたくらいだ。でも、ビッグバンド仕様のお洒落なイージーリスニング・ジャズ志向の「マイ・フェア・レディ」として聴きどころは満載。ながら聴きに向く、イージーリスニング・ジャズ志向の好盤だと思います。
 
 
 

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2020年5月18日 (月曜日)

ながら聴きのハモンド・オルガン

ジャズは何も米国と日本だけのものでは無い。1950年代から欧州各国でジャズは根付いていた。今でも、欧州各国を旅行すると、大きな都市にはジャズのライヴスポットがあることに気付く。また、普通の大きめのレストランでは、店の中でライブ演奏していたりする。

日本人の印象は以前から「欧州の音楽と言えばクラシック」だったが、これはとんでもない誤解である。もともと欧州各国は移民を受け入れている。様々な民族が寄せ集まっているので、様々な音楽のジャンルに対する許容範囲が広い。ジャズだって、1950年代後半から、英、仏、独、伊各国、はたまた北欧諸国で演奏されていた。

Rhoda Scott『Movin' Blues』(写真左)。2020年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Rhoda Scott (hammond B-3), Thomas Derouineau (ds)。米国出身、フランスで活躍するオルガニスト、ローダ・スコットが、リエージュで発見した若いドラマー、トーマス・ドゥルイソーとデュオで吹き込んだ最新作。

ネットの触れ込みでは「ハモンド・オルガンの女王」。が、僕はローダ・スコットの名前を知らなかった。シャーリー・スコットは知っている。でも、ローダは知らない。誰だこれ、と思って、以前刊行されたジャズ批評のオルガン特集を繰って、やっと理解した。

ローダ・スコットはもともとは米国のオルガニスト。1967年にフランスへ移住して以降、フランスが活動拠点となっている。経歴としてユニークなのは、クラシックを学び、さらにパリへ留学した折、あのナディア・ブーランジェ(最高水準にある音楽教師の一人)に師事したということ。そんな経歴の人がジャズ・オルガンをやるのだ。確かに、ローダのハモンドの響きはユニーク。
 
 
Movin-blues  
 
 
テクニックが端正かつ堅実。変な弾き回しの癖が無い。歯切れの良い、正確なピッチ。ハモンドの弾き回しながら、ジャジーではあるがファンクネスはほどんど感じられない。アドリブの展開がゴージャズでスケールが広い。まず米国では聴けないジャズ・オルガンである。欧州ならでは、とも言えるが、ジャジーな雰囲気濃厚なところは、欧州出身のジャズ・オルガンとは異なるところ。

さて、この盤であるが、オルガンはフット・ペダルでベースラインを弾けるので、ベースレスというのはよくあるが、ドラムとオルガンだけのデュオというのはあまり聴いた事が無い。シンプルな構成なので、演奏のバリエーションが乏しくなり、飽きが来る危険性があるので、ギターを入れたり管を入れたりするのだが、ドラムとのデュオというのは珍しい。

オルガンとドラムのデュオなので、演奏内容はシンプルになる。長いソロは必要無いので、いきおい1曲の演奏時間は4〜5分程度とポップス曲なみの短さになる。全部で12曲収録されているので、飽きが来るかなあ、と思ったが、ローダのオルガンのテクニックが優秀なので、ドゥルイソーの多彩なドラミングのおかげと併せて、なんとか全編聴き通すことが出来る。

ローダ・スコットは1938年生まれ。今年で82歳になる。ちょっと長時間のアドリブの弾き回しには体力的に無理があるかな。それでも、シンプルではあるが弾き回しは流麗、メリハリも効いていて、聴き流しのジャズとしては有効なアルバムである。我が「バーチャル音楽喫茶・松和」では、構えて聴き込むのでは無く、何かしながらの「ながら聴きのジャズ」として、この盤、現在、ヘビロテ中である。
 
 
 

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  ・『Another Page』 1983

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  ・レッド・ツェッペリン Ⅰ

 ★ 松和の「青春のかけら達」   2020.04.22更新。

  ・チューリップ 『TULIP BEST』
  ・チューリップ『Take Off -離陸-』
 
 
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2020年5月17日 (日曜日)

CTIにも純ジャズ好盤がある

1970年代後半は、フュージョン・ジャズの全盛期だったと記憶するが、振り返って見ると、ジャズの全てがフュージョン・ジャズ一色に染まった訳では無い。例えば、フュージョン・ジャズの主力レーベルであるCTIレーベル。当時は電気楽器を使っているだけで、8ビートを採用しているだけで「コマーシャルなフュージョン」のレッテルを貼られていたのだが、今の耳で聴き直して見ると、イジーリスニング・ジャズっぽいが、コンテンポラリーな純ジャズな盤が結構あるのだ。

Art Farmer『Big Blues』(写真)。1978年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (flh), Jim Hall (g), Michael Moore (b), Steve Gadd (ds), Mike Mainieri (vib), David Matthews (arr)。フュージョン・ジャズの主力レーベルであるCTIレーベルからのリリース。ファーマーのトランペット、ホールのギターがフロントを張り、お洒落にヴァイブを加えた、ピアノレスなクインテット編成。実にユニークな編成である。

ハードバップ時代からの強者、トランペットのアート・ファーマーとギターのジム・ホール。フュージョン・ジャズの申し子、ドラムのスティーヴ・ガッドとヴァイブのマイク・マイニエリ。新旧の強者がガッチリ組んだ、コンテンポラリーな純ジャズの好盤である。そもそも、この面子で、どうやって「ソフト&メロウなフュージョン・ジャズ」をやるんだ、とも思う。
 
 
Big-blues  
 
 
聴いてみると、ファーマーのトランペットは絶対にバップだし、ホールのギターはアグレッシブではあるが、基本はメインストリーム。しかし、ファーマーのトラペットはマイルドでウォーム。ホールのギターはムーディー。明らかにフュージョン・ジャズな雰囲気に音は合わせているのだが、このハードバップ時代からの強者2人は基本的にスタイルは変えていない。変えていないどころか、以前からのスタイルで溌剌とプレイしている。良い音を出しているのだ。

このハードバップ時代からの強者2人の個性に、バックのフュージョン・ジャズの申し子、ドラムのスティーヴ・ガッドとヴァイブのマイク・マイニエリがしっかりと合わせている。ガッドのドラムは縦ノリだが、4ビート基調のドラミング。8ビートも縦ノリでスインギー。マイニエリのヴァイブはファンキー・ジャズの雰囲気を色濃く振り撒いていて、これまたスインギー。どう聴いてもフュージョン・ジャズの「ノリ」では無い。

フュージョン畑のドラムのガッド、ヴァイブのマイニエリ、ベースのムーアが、コンテンポラリーな純ジャズに適応する。CTIレーベルには、こういった「70年代のコンテンポラリーな純ジャズ」の好盤が散見されるが、今までなかなか注目を浴びることは無かった。しかし、最近、リイシューが相次ぐ様になり、1970年代後半、ジャズの全てがフュージョン・ジャズ一色に染まった訳では無かったことが明確になった。つまり「純ジャズ」は死んではいなかったのである。
 
 
 

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Never_giveup_4
 

2020年4月26日 (日曜日)

寺井尚子の新盤『Flourish』

日本のジャズ・バイオリンの名手、寺井尚子が新しいアルバムを出した。寺井尚子といえば、1998年に初リーダー作『Thinking Of You』をリリース。それまでのジャズ・バイオリンはスインギーで隙間の無い流麗なフレーズが特徴であったが、寺井のジャズ・バイオリンは「ビ・バップ」の奏法をバイオリンに置き換えたもので、その新鮮な響きに驚いた。

そんな「ビ・バップ」な奏法をベースに好盤を連発。メインストリーム・ジャズ系のジャズ・バイオリンとして、僕も初リーダー作以来、ずっと新しいリーダー作が出る度に追いかけたものだ。が、初のベスト盤『Naoko Terai Best』のリリース以降、アルバムの内容は旧来の「スインギーで隙間の無い流麗なフレーズ」がメインの奏法を前面に押し出した、イージーリスニング・ジャズ志向のアルバムが主流になった。

それ以来、メインストリーム・ジャズ志向の演奏が少なくなるにつれ、まあ、ジャズ・バイオリンのトレンドを追いかける意味で、何枚かのリーダー作は聴いてはいるが、寺井尚子のアルバムからは徐々に遠のいていった。が、今回の新盤は、『セ・ラ・ヴィ』(2013年)以来、7年ぶりのカルテット編成での録音、という。それでは、ということで、今回は気合いを入れて聴いた。
 
 
Flourish
 
 
寺井尚子『Flourish(フローリッシュ)』(写真左)。2020年1月27日、28日の録音。ちなみにパーソネルは、寺井尚子 (vln), 北島直樹 (p), 古野光昭 (b), 荒山諒 (ds)。寺井尚子のバイオリン1本をフロントに据えたカルテット構成。イメージ的にはワンホーン・カルテットと同じと考えて良い。寺井尚子のバイオリンの個性が一番判り易い演奏フォーマットである。

ただし、選曲を見ると、まだまだイージーリスニング・ジャズ志向の選曲傾向にあるので、実はあんまり期待せずに聴いたのだが、いわゆるモダン・ジャズの基本的な演奏フォーマットである「カルテット」構成での演奏というだけで、メインストリーム・ジャズ志向の雰囲気が濃厚になるのだから面白い。

カルテット構成の演奏で、旧来の「スインギーで隙間の無い流麗なフレーズ」がメインの奏法を前面に押し出すと、アドリブ展開が間延びする。それを避けようとすると、いきおい「メインストリーム・ジャズ志向のビ・バップ」な奏法を活用せざるを得ない。そんなところかと感じた。イージーリスニング志向の甘いフレーズの曲についても、フレーズにしっかりと芯が入った演奏になっていて、意外と硬派な内容になっている。

それでも、この盤はまだ全面的に「ビ・バップ」な奏法に回帰した訳では無い。硬派なメインストリーム志向の「イージーリスニング・ジャズ」的アルバムであると思う。ただ、イージーリスニング臭さと甘さがかなり緩和されていて、「ながら聴き」には最適な内容かな、と思いつつ聴き耳を立てている。
 
 
 

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  ・『Down Two Then Left』 1977
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