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2017年5月18日 (木曜日)

ながら聴きのジャズも良い・20

しばらく、サックスやトランペットがフロントのカルテットやクインテットなジャズを聴き続けてきたような気がした。ちょっと耳が疲れてきたとでも言うのでしょうか。そろそろ、サックスやトランペットをお休みして、一番大好きなピアノ・トリオの盤を聴きたくなった。

といっても、このところ、なんだか心身共に疲れ気味なので、ハードなピアノ・トリオよりは、マイルドで優しいピアノ・トリオが聴きたい。が、あまりにマイルドでイージー・リスニング的なカクテル・ピアノっぽいのは逆に「イライラ」するから敬遠したい。適度に芯があって、硬派ではあるがマイルドで優しいピアノ。ということで、選んだ盤がこれ。

Eddie Higgins『Portrait In Black and White』(写真左)。1996年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Higgins (p), Don Wilner (b), James Martin (ds)。

Eddie Higgins(エディ・ヒギンス)といえば、ヴィーナス・レコードのハウス・ピアニスト。マイルドで優しい雰囲気のピアノ・トリオ盤を多数リリースしている。中にはあまりにマイルドすぎて、イージー・リスニング的なカクテル・ピアノ風になってしまっている盤もある。しかし、エディ・ヒギンスのピアノって、意外と硬派でバップなピアノなんですね。

しかしながら、ヒギンスのピアノには突出した個性が見当たらない。つまり一聴して「ああ、これは誰それのピアノだ」と判る位の個性や特徴が希薄。流麗かつ耳当たりの良いアドリブ・フレーズなので、どうしても、イージー・リスニング的なカクテル・ピアノ風に解されることが多い。でも、まともにアルバムを聴くと判るのだが、ヒギンスのピアノは硬派でバップだ。
 

Portrait_in_black_and_white_1

 
1932年生まれなので、ハードバップ時代は新進気鋭の若手、1960年代から70年代は中堅のピアニストだったはずだが、1958年の初リーダー作から、この『Portrait In Black and White』が録音されて1996年まで38年の間に、わずか12枚のリーダー作を数えるだけなのだ。如何に地味なピアノ・スタイルの持ち主なのかが理解出来る。

この『Portrait In Black and White』辺りの盤が、そんな硬派でバップなヒギンスのピアノを感じることができる好盤だと思う。聴けば判るのだが、確かに突出した個性は無い。しかし、演奏全体の雰囲気より、総合力で勝負できるピアニストであることは確かである。どこがどうってことは無いんだが、トータルで、随所随所に聴きどころが散りばめられた、破綻の無い素性の良い流麗なピアノである。

そうなれば、演奏する曲の選曲も重要な要素になってくる。そういう面では、ヴィーナス・レコードと組んだのは大正解だった。日本人のジャズ者にターゲットを絞った選曲と音作りは大正解だった。その最初の成果がこの『Portrait In Black and White』である。この盤には、ヒギンスのピアノの個性、いわゆる総合力で勝負するジャズ・ピアノという個性が十分に理解出来る。

アルバム・ジャケットも後のヴィーナス盤の様な「エロエロ」したところは無く、なかなか雰囲気のあるジャケットで良し。エディ・ヒギンスって、イージー・リスニング的なカクテル・ピアノでしょ、と敬遠する向きには、是非とも聴いて貰いたい。意外と良いですよ。

 
 

震災から6年2ヶ月。決して忘れない。まだ6年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年5月 7日 (日曜日)

本日よりブログ再開しました。

ゴールデン・ウィークの間、欧州のとある国に高飛びしていました。

旅行の間は基本的にジャズに触れることはありません。往き帰りの長時間のフライト時、iPodを駆使してジャズを聴きまくって時間を潰した時代もありましたが、最近、海外の航空会社の旅客機も充実しつつあり、日本人向けの映画も何本か用意されていて、今回は専ら映画三昧。

1週間ちょっとジャズから離れていたことになります。で、日本に戻ってきて、やっぱりジャズが聴きたい、ということになるんですが、いきなりヘビーなジャズは耳にもたれるので、まずはライトで軽快なジャズから耳慣らしです。

The Eddie Costa Quartet『Guys and Dolls Like Vibes』(写真左)。1958年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Costa (vib), Bill Evans (p), Wendell Marshall (b), Paul Motian (ds)。

白人バイブ奏者のエディ・コスタが1958年1月、ビル・エバンス、ポール・モチアンを迎えてCoralレーベルに録音したブロードウェイのミュージカル「ガイズ・アンド・ドールズ」の作品集。
 

Guys_and_dolls_like_vibes

 
ちなみに、エディ・コスタのヴァイブは白人らしい、粘りの無いシンプルな響きが個性。ながら聴きがしたくて、ライトな気分のジャズが欲しいなあ、という時に、ちょくちょく選盤する、好みのヴァイブ奏者です。1930年生まれ、1962年7月下旬にニューヨーク州のウェストサイド・ハイウェイにおいて自動車事故の為、31歳で夭折。早逝の為、リーダー作の数は少ないのですが、どれも内容が整っている好盤揃いです。

さて、この『Guys and Dolls Like Vibes』については、そのエディ・コスタのシンプルなヴァイブが心ゆくまで楽しめます。ミュージカルの挿入曲をベースにしているので、それぞれの楽曲の基本部分が整っていて、気持ち良く聴くことができます。コスタの単音がベースのシンプルなヴァイブが爽快です。

加えて、様々な方々が語っているように、ビル・エバンスのピアノも聴き応えがあります。さすがに「伴奏の名人」、エディ・コスタのヴァイブに合わせた、粘りの無いシンプルなアドリブ・ラインをメインに、バップ・ピアノっぽく弾き進めていくエバンス。職人ですね〜。エディ・コスタのヴァイブにぴったりと寄り添うようなエバンスのピアノ。良い感じです。

ウェンデル・マーシャルのベース、ポール・モチアンのドラムも目立たないですが、キッチリと決まっていて、良い仕事してます。肩肘張らず、ゆったりとした気分で「ながら聴き」に適した盤です。帰国後の耳慣らしがこれで完了。やっぱりジャズって良いですね。

 
 

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2017年4月27日 (木曜日)

ながら聴きのジャズも良い・19

ジャズの企画盤でよく採用されるのが「ミュージカルもの」。ジャズはミュージカルで流れる楽曲を、まとめてジャズ化する企画が多い。そんな「ミュージカルもの」の中でも、採用される機会が圧倒的に多いのが「My Fair Lady」と「West Side Story」。

どちらもミュージカルも収録された楽曲がとても美しくとても楽しい。名曲がてんこ盛りって感じで、丸ごとジャズ化したくなる。特に「West Side Story」は、レナード・バーンスタインが音楽を担当しているので、もともとジャズの要素を織り込んできてるので、圧倒的にジャズ化し易い。

アルト・サックスの使い手に「Richie Cole(リッチー・コール)」がいる。1948年生まれ。今年で69歳になる。もう大ベテラン。このリッチー・コールって、1970年代終盤に突如現れ出でて、老舗ジャズ雑誌で採り上げられて、褒めあげられたり貶されたり。ジャズ雑誌の一人芝居によって、時代の寵児となった「リッチー・コール」という印象がある。

テクニックに優れる速弾きが「軽薄」とされ、明朗な音色で吹き上げる様を捉えて「単調」と揶揄され、ビ・バップものをやればパーカーの物真似といじられ、バラードをやれば「深みがない」と切り捨てられる。とにかく散々な扱いだった。けど、僕は当時、ジャズ者初心者でしたが、このリッチー・コールのアルト、判り易くて好きでした。
 

West_side_story_richie_cole

 
Richie Cole『West Side Story』(写真左)。1996年3月の録音。ヴィーナス・レコードからのリリース。しかし、なかなか目の付け所の良い企画盤だ。明朗な音色でハイテクニックでアルト・サックスを吹き上げるリッチ・コールが「ウエストサイド物語」をやる。これってなかなか良い企画じゃないのか。

アルバムを聴けば、その意を強くする。リッチー・コールのアルト・サックスは明朗で切れ味抜群。ウエストサイド物語に収録された様々な魅力的な楽曲をしっかりとジャズ化し、しっかりとジャズとして吹き上げていく。とにかく判り易い。よって聴いていてとっても楽しい。明るくて楽しいのだから、もう「無敵」である。

バックのジャズメン達も好演している。アレンジも良好。そう言えば、この盤でのリッチー・コールのアルト・サックスのプレイはオーソドックスでハイテクニックで明朗なもの。良い感じのアルト・サックスである。でも、これって、1970年代終盤当時のリッチー・コールの音と変わらないと思うのだが。 

我が国ではあまり話題にならない、というか全く話題にならない、リッチー・コールの『ウエストサイド物語』ですが、どうして、かなり良い内容ですよ。判り易くて聴き易い。この『ウエストサイド物語』、そう言えば、ジャズ喫茶での流し聴きに最適ですね。そう言えば、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では「ながら聴き盤」としてヘビロテでした(笑)。

 
 

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2017年4月21日 (金曜日)

ながら聴きのジャズも良い・18

やっと4月の中旬らしい気候に落ち着いた感がある。寒くも無く暑くも無い。ちょうど良い塩梅の気候。何かしながらの音楽。ながら聴きに良い季節である。この季節、僕は本を読みながらのジャズの「ながら聴き」が好み。ちょっとだけ窓を開けて、微かな春風の流を感じながらの「ながら聴き」。

僕は「ながら聴き」のジャズについては、フュージョン・ジャズのアルバムを選盤することが多い。爽やかでシンプルで明るいフュージョン・ジャズが「ながら聴き」にピッタリ。そんな盤ってあるのか。あるんですよね、これが(笑)。落ち着いた大人のフュージョン・ジャズが良いですね。あまり「はっちゃき」なのは耳についていけない。

Jim Beard『Song of the Sun』(写真左)。1990年の作品。新生CTIレーベルからのリリース。リーダーのジム・ビアードは、1980年代後半〜1990年代のN.Y.ジャズ・シーンで最も注目すべきキーボード奏者の一人。基本はジャズ。ジャズに軸足を置きながらのモーダルなキーボード・プレイが特徴。
 

Song_of_the_sun1

 
アルバムを聴き通すとこのアルバムの雰囲気に思わず「ニヤリ」とする。1970年代から1980年代を駆け抜けた伝説のフュージョン・バンド「ウェザー・リポート」の後期の音をスッキリとシンプルにした、判り易い「ウェザー・リポート」といった雰囲気。とりわけ、ビアードのキーボード・プレイは秀逸で、バラエティーに富んでいて、とても楽しめる。

パーソネルを見渡すと、うへへ〜と思わず笑みが漏れる。サックスにMichael Brecker、Bob Mintzer、Wayne Shorter、Lenny Pickettを使い分ける。ベースはVictor Bailey、Anthony Jackson、Batundi Panoを使い分け。ドラムにDennis Chambersの名前が見える。ハーモニカにはToots Thielemans。これって、フュージョン全盛時代の主要ジャズメンばかりである。

アルバムに収録された演奏は、ビアードの優れた編曲で整えられたシンプルで破綻の無いもの。あまりに整然としていて、ファンクネスに欠けるところがちょっと惜しい。それでも、アルバム全体の音世界は、小粋で成熟した上質のフュージョン・ジャズ。時は1990年、遅れてきたフュージョン・ジャズの好盤としてお勧め。特に「ながら聴き」にピッタリである。

 
 

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2017年2月12日 (日曜日)

ながら聴きのジャズも良い・17

あっけらんかんとしたスムース・ジャズ。それでいて、基本的なテクニックはしっかり押さえていて、明らかに「イージーリスニング」とは一線を画する。しかし、その端麗な容姿から「際物」扱いされることもしばしば。

でも、それは失礼だろう。自ら楽器を演奏する経験があるのなら、そういう的外れな「揶揄」は出来ない。そう、彼女のサックスのテクニックは確かなものであり、演奏される内容はしっかりとした「スムース・ジャズ」である。端麗な容姿とは切り離して楽しみたい。

小林香織『MELODY』(写真左)。2016年の作品。デビュー盤から一貫して、あっけらかんとしたスムース・ジャズである。テクニック的にも速いパッセージを吹きまくることは無い。いわゆるハード・バッパーな吹き回しは全く無い。その曲が持つメロディを判り易く吹き、判り易くアドリブ展開する。

収録された曲を見渡せば、この盤が「洋楽カヴァー・アルバム」であることに気付く。どういう基準で選曲したのかは不明だけれど、なかなか粋な選曲に思わずニンマリする。
 

Kaori_kobayashi_melody

 
エリック・クラプトンの「Tears In Heaven」、ボズ・スギャッグスの「We’re All Alone」、シカゴの「Saturday In The Park」など、70年代ロックのマニアの我々の心を擽る選曲から、テイラー・スイフトのヒット曲「Shake It Off」、ホール&オーツ「I Can’t Go For That」など、ちょっと小粋な選曲に目を惹かれる。

小林香織のサックスは「音が良い」。ブラスが良く鳴っていると形容したら良いのか、とにかく、サックスが良い音で鳴っている。この盤はサックスの音がとても良く録れている。バックの演奏も解像度良く、躍動感良く録れている。難しいことは全くやっていないが、演奏される音世界が耳に心地良い。

クレジットを見れば、あの「さかなクン」がバリサクで参加している。1曲目の「Shake It Off」なんだけど、これがまずまず良い雰囲気。小林との掛け合いでソロがなかなか良い。これは話題の1曲ですね。

難しいこと言わずに、雰囲気で聴く「スムース・ジャズ」盤です。カヴァーされた洋楽曲の旋律がキャッチャーなものばかりなので、聴き心地が良い。ながら聴きに良い雰囲気のアルバムです。

 
 

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2017年2月 3日 (金曜日)

ながら聴きのジャズも良い・16

ジャズ・トラペッターって、何故か「ラテン・ジャズ」をやりたがる。常にではないのだが、ジャズ・トランペッターとして、第一線で活躍している間、どこかで必ず「ラテン・ジャズ」をやる。トランペットという楽器が「ラテン音楽」にフィットする、という感覚があるんだろう。

ジャズ・トランペッターで「ラテン・ジャズ」をやりたがる代表格が「ディジー・ガレスピー」。お祭り男と呼ばれるほど、ライブでその真価を発揮する。そして、ライブでよくやる演奏が「ラテン・ジャズ」。ハイノートをバッチリ決めながら、ラテンのリズムに乗って、バリバリに吹きまくる。ラテン・ジャズはダンサフル。

逆に僕はこのトランペッターがラテン・ジャズに手を染めるとは思わなかった。そのトランペッターとは「Brian Lynch(ブライアン・リンチ)」。1956年イリノイ州生まれ。今年で61歳になる。現在ニューヨークで活躍するジャズ・トランペット奏者。端正で流麗でメロディックなアドリブ・ソロが個性。音はふくよかで切れ味が良い。非常にアーティスティックなトランペットを吹く。

Brian Lynch『Madera Latino : A Latin Jazz Interpretation on the Music of Woody Shaw』(写真左)。そんなリンチが「ラテン・ジャズ」に手を染める。昨年のリリースになる。ウディ・ショウの音楽のラテン・ジャズ的解釈、とでも訳せば良いか。リズムと旋律は「ラテン音楽」。演奏スタイルは正統派、メインストリーム路線のモーダルな演奏。
 

Madera_latino

 
とってもアーティスティックな香りのする「ラテン・ジャズ」。ラテン・ジャズと聞くと、思わず「俗っぽい」コッテコテなラテンチックなリズムと旋律を思い浮かべる。聴いていて、ちょっと気恥ずかしくなる、あからさまにラテンチックな旋律とリズム。しかし、このブライアン・リンチのラテン・ジャズは違う。とってもアーティスティックな、とってもメインストリーム・ジャズな響きと旋律が特徴。

全11曲、トータル1時間50分と、結構なボリュームのアルバムなんだが、聴いていて意外と疲れないし飽きない。このアーティスティックな雰囲気を宿した、ということろが、聴き疲れと聴き飽きを防止している。しかし、これだけ生真面目にアーティスティックな側面を追求したラテン・ジャズを僕は他に知らない。

基本はラテン・ジャズなので、演奏される旋律は「馴染みやすく躍動感のある明るい雰囲気」。聴いていてしっかりとメロディ・ラインは追えるし、リズミカルなリズム&ビートは、しっかりと心にポジティブに響く。

意外と「ながら聴き」に適した「ラテン・ジャズ」である。しかし、結構、難しい高度なこと、やってるんですけどね。そう思わせないところが、リンチのトランペットの優れたところである。「ながら聴き」のヘビロテ盤。異色と言えば異色の盤ではあるが、意外とメインストリームな演奏がこれまた「好感触」。好盤です。

 
 

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2017年1月23日 (月曜日)

ながら聴きのジャズも良い・15

植田典子とは誰か。ネットのレビューからの転載になるが「1997年バークリー音楽大学卒業、1998年よりニューヨークを拠点に活動するジャズ・ベーシスト。現代のNYのファースト・コール・ベーシストの一人」とある。ふ〜ん、知らなかった。

しかし、この盤の音を聴くと合点がいく。むっちゃ魅力的な音が鳴り響くアコベである。ブンブンブンと胴と弦が唸りを上げる。それも、実に上品なベース音である。ネットのレビューには「哀愁とガッツ」とある。なるほど、女性ベーシストならではの音の響きが実に「典雅」。

植田典子トリオ『Debut』(写真左)。2015年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、植田典子 (b), テッド・ローゼンタール(p), クインシー・デイヴィス (ds)。正統なピアノ・トリオである。ジャケットもなかなか良い感じのデザインで、これまた正統なジャズ盤のイメージである。
 

Debut

 
これだけベースが正統な純ジャズ基調なのである。当然、ローゼンタールのピアノも、クインシー・デイヴィスのドラムも正統な純ジャズ路線ど真ん中である。現代のネオ・ハードバップな音世界を踏襲しながら、モードありコードあり、メインの旋律はあくまで「哀愁感溢れるマイナーな響き」。

このトリオの音は圧倒的に「絵に描いた様な純ジャズなピアノ・トリオ」。はたまた、このアルバムは「現代の純ジャズの教科書」の様なアルバムである。ピアノ・トリオの美味しいところが、アルバム一杯にガッツリと盛り込まれている。現代のジャズ・ピアノ・トリオとはこれ、と差し出したくなるような演奏内容である。

良いアルバムです。これだけ「現代の純ジャズの教科書」な内容だと、スピーカーに対峙して聴き込むというよりは、静かな部屋の中で、本でも読みながらの「ながら聴き」に最適なアルバムだと思います。ピアノ・トリオの音の響きがとっても素敵なアルバムです。

 
 

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2017年1月15日 (日曜日)

異色のウィズ・ストリングス盤

Ahmad Jamal『Jamal At the Penthouse』(写真左)。1959年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Ahmad Jamal(p), Israel Crosby(b), Vernell Fournier(ds), Joe Kennedy(cond,arr)。タイトルを見るとライブ盤と思ってしまうが、実は、Nola Penthouse Studiosでのスタジオ録音。

しかも、ジョー・ケネディー率いる15人のストリングスとの共演盤。いわゆる「アーマッド・ジャマル・ウィズ・ストリングス」という風情の企画盤。こういう「ウィズ・ストリングス盤」って、ストリングスのアレンジが陳腐だったり、時代を感じさせるものだったりすると、全く聴くに堪えないものになってしまうのですが、この盤はそういうことも無く、アーマッド・ジャマルのシンプルでスインギーなピアノもしっかりと捉えられています。

パーソネルを見渡すと、かの名盤『At the Pershing: But Not for Me』と同じベーシスト&ドラマー。この名盤がシカゴで録音された後、1年後のNY録音なので息もピッタリ。この名盤『But Not for Me』での、マイルス・デイヴィスも惚れ込んだ、「間」を活かし、弾く音を限りなく厳選し、シンプルな右手のフレーズと合いの手の様に入る左手のブロックコードが特徴のジャマルのピアノは継続され、それを的確にサポートするトリオ・サウンドは健在です。
 

Jamal_at_the_penthouse1

 
但し、先にも書いた様に、この盤は「ウィズ・ストリングス盤」なので、内容的にはムーディーで、良質なジャズのBGM、もしくは良質なラウンジ・ミュージック的な雰囲気が色濃く、ジャズ喫茶や自室のステレオで、盤に対峙してピアノ・トリオのサウンドをじっくりと聴き込むような盤ではありません。僕は「ながら聴き」に最適なジャズ企画盤として重宝しています。

「間」を活かし、弾く音を限りなく厳選したアーマッド・ジャマルの右手のフレーズ。その「間」を埋めるようにアレンジされたストリングス。この良くアレンジされたストリングスの存在が、この盤を「ながら聴き」に最適な「ウィズ・ストリングス盤」に仕立て上げています。この盤の録音された後、10年ほどの後の、ヴァーヴ時代のクリード・テイラーの「イージーリスニング・ジャズ」の繋がる音世界にホンワカ和みます。

盤に対峙してピアノ・トリオのサウンドをじっくりと聴き込むようなメインストリームな純ジャズも良いですが、日曜日の昼下がり、本を片手にちょっと微睡みながら「ながら聴き」する、こんな「ウィズ・ストリングス盤」も良い感じです。これもジャズ。僕は意外と愛聴しています。

 
 

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2016年12月23日 (金曜日)

ながら聴きのジャズも良い・14

暮れも押し詰まって、今日から3連休。3連休初日、ゆったりホッコリのんびり。こういう日は聴き流しのジャズが良い。あまり、ガッチガチに相対する様な、聴き込む様なジャズは疲れる。ゆったり休みたい日には「聴き流し」のジャズが良い。ゆったりノンビリ

最近の「聴き流し」ジャズのアルバムは、H ZETTRIO『PIANO CRAZE』(写真左)。今年のリリース。CRAZE=熱狂、夢中。タイトルは「ピアノ・熱狂」。ふむふむ。ジャケット・デザインもなかなか良い。お洒落なジャズ盤である。

H ZETTRIO=エイチゼットリオ、と読む。純日本のジャズ・ピアノ・トリオ。「大人も子どもも“笑って踊れる”」をテーマに掲げるピアノトリオ・バンドである。メンバー3名は、鼻を青・赤・銀に着色。ちなみにパーソネルは、H ZETT M (p), H ZETT NIRE (b), H ZETT KOU (ds)。リアルな姓名は伏せられている。
 

Piano_craze1

 
メロディー・ラインがキャッチャーで流麗。演奏の雰囲気はポップでジャジー。ダンサフルで明朗なサウンド・トーン。とにかく聴き易い。曲のタイトルを見ていて、なんとなく感じるのだが、それぞれの曲は明確なコンセプトがあって印象的。流れる様に、時にパッションに、気持ち良い、ポジティブな演奏が続く。

加えて、このピアノ・トリオ、演奏のポテンシャルが高い。テクニックのレベルが高い。聴いていて、アドリブ・フレーズなど「流麗」の一言。ではあるが、演奏のテンションは高い。アグレッシブである。ポップでジャジーではあるが「攻めるピアノ・トリオ」である。

今までのジャズの演奏トレンドや演奏スタイルとは全く無縁の、新しいジャズの演奏スタイル・演奏の雰囲気である。スムース・ジャズな要素も色濃く漂う。メリハリも効いてきて「聴き流し」のジャズに最適な内容である。こういうピアノ・トリオなサウンドが純日本のメンバーで創造される。素晴らしい成果である。

 
 

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2016年12月17日 (土曜日)

ながら聴きのジャズも良い・13

若い頃、このアルバムの情報を見た時、節奏の無い、売らんが為に大衆に迎合したヒット曲のカヴァー集と思い込み、ジャズとして聴く価値無し、とバッサリと切り捨ててしまいました。全く、見識の浅いことです。しかし、40歳半ばを過ぎて、このアルバムを初めて聴いた時、若い頃の浅はかな判断を恥じました。

Nina Simone『Here Comes The Sun』(写真左)。1971年のリリース。1960年代後半から1970年代初頭の楽曲のカヴァーが中心のポップなジャズ・ボーカル盤である。アレンジが優れていて、今の耳で聴いてもあまり古さを感じない。ニーナ・シモンの歌唱も正統なジャズ・ボーカルというよりは、さらりとしたポップなボーカルで聴き易い。

当時のヒット曲のカヴァー集ってよくよく考えると、そもそもジャズ・スタンダード曲って、当時のミュージカルや映画のテーマ曲のカヴァーがメインで、昔から、ジャズって、その時代その時代のヒット曲や流行曲をカヴァーし、スタンダード化しているんですね。それを思うと、このニーナ・シモンのカヴァー集って「アリ」ですよね。

収録曲を見渡せば、純粋な「ビートルズのカヴァー盤」では無いことが判る。しかし、冒頭のジョージ・ハリソンの名曲「Here Comes The Sun」の素晴らしい歌唱を、素晴らしいアレンジがとっても印象的で、それが故、この盤は「ビートルズのカヴァー盤」の一枚として挙げられることが多い。
 

Nina_simone_here_coms_the_sun

 
確かに、この冒頭「Here Comes The Sun」のニーナの歌唱は落ち着いてはいるが、しっかりと気持ちが入っていて、この楽曲の持つ魅力を最大限に引き出している。シンプルではあるが、純粋な「信じることへの喜び」「活かされていることへの穏やかな歓喜」が滲み出てくる。ジョージの「信仰」へのシンプルな想いが、ニーナの歌唱を通じて再認識する。「回向」という言葉がピッタリな歌唱。

2曲目以降は、今をときめくボブ・ディランの名曲「Just Like A Woman」、J.J.ウォーカーの「Mr. Bojangles」、ジェームス・テイラーの「Angel Of The Morning」、8. フランク・シナトラの大ヒット曲「My Way」など、当時のロックやポップスの名曲の数々をカヴァーしています。

このボーカル盤、さらりと聴き流すのに最適な内容で、そのアレンジ力、歌唱力には感心します。音楽というもの、まずは聴き易く判り易いのが大切な要素。そういう意味では、このニーナの当時のヒット曲のカヴァー集、良い感じだと思います。とにかく聴き易い。我がバーチャル音楽喫茶『松和』では「ながら聴き」のボーカル盤として重宝させていただいています。

 
 

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