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2016年8月11日 (木曜日)

CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』

CASIOPEA(カシオペア)は、1979年にデビューして以来、僕のお気に入りのフュージョン・バンドである。ちょうど、僕がジャズを本格的に聴き始めてほどない頃、このCASIOPEAに出会った。

エレクトリック、バカテク、ダイナミックな展開。そして、なによりフレーズが印象的。バカテクのプログレ集団の様でもあり、フュージョン・ジャズの中でソフト&メロウな雰囲気へ容易に走らない、エレクトリック・フュージョンにおける硬派で骨太な存在として、僕のお気に入りのフュージョン・バンドとなった。

あれから幾年幾星霜。2006年にすべての活動を一旦休止。2012年にCASIOPEA 3rd(カシオペア・サード)として活動を再開。活動再開と同時に長年のオリジナル・メンバーであった、キーボード担当の向谷の脱退を受け、その後任として、大高清美の加入により現在の形態になる。ギターが野呂一生、ベースが鳴瀬喜博、キーボード大高清美、そしてドラムが神保彰(サポート)の4人編成。

このCASIOPEA 3rdが好調である。そして、今年も早々と新作が届けられた。CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』(写真左)。7月27日発売のCASIOPEA 3rd、3作目にあたるアルバムになる。
 

Casiopea_3rd_ibuki

 
冒頭の「ME・ZA・ME」を聴けば、このCASIOPEA 3rdの音の個性が、3作目のアルバムにして確立された感がある。大高清美のキーボードが全面的にフィーチャーされて、野呂一生のギターと対等にフロントを張る。大高清美のキーボードが大活躍。そこに野呂一生のエレギがガッチリと絡む。

大高清美のキーボードが全面に押し出されて、重心の低い、分厚くてドッシリ安定感のある、新しい「カシオペア・サウンド」が確立されている。加えて、4人のメンバーのテクニックが優秀が故に、演奏全体の切れ味が抜群で、ダレたところが全く無い。まあ、これは、もともとの「CASIOPEAの伝統の音」ではある。

そして、この新作で特筆すべきことであるが、楽曲自体の出来とアレンジが秀逸なので、耳が疲れることは無い。分厚くてドッシリ安定感のある、流麗で聴き易さのある楽曲が素晴らしい。特に、大高清美の提供曲は出来が良い。コンポーザーとしての能力も高い。野呂一生の曲の出来の良さは「言わずもがな」で、大高の提供曲によって、バンド全体の音の幅がダイナミックに広がっている。

疾走感と爽快感が素晴らしく、このCASIOPEA 3rdの様なフュージョン・ジャズのサウンドは他の国では聴くことが出来ない。日本発オリジナルなCASIOPEA 3rdの音である。

 
 

震災から5年5ヶ月。決して忘れない。まだ5年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2016年8月 5日 (金曜日)

カシオペアの傑作フュージョン

CASIOPEA『Eyes of The Mind』で、明確に音が変化したカシオペア。腰のしっかりと座った、太くて逞しいリズム&ビートに乗った、余裕あるAOR系のフュージョン・ジャズ。ハーヴィー・メイソンのプロデュースの賜であった。 これだけ音の変化したカシオペア。次作はどうなるのか。当時、興味津々であった。

その次作が、CASIOPEA『Cross Point』(写真左)。1981年10月のリリース。この盤は、ハーヴィー・メイソンを日本に呼んで、リズム・トラックのプロデュースを依頼した作品。前作『Eyes of The Mind』で得た「それまでと違うビート感」を日本のレコーディングでも出したい、というのが動機らしい。

で、リリース当時、聴いてみたら、ちょっと違うんですよね。リズム&ビートの部分の雰囲気が。なんか違う。当時、確か、そんな記事を「ADLIB」誌で読んで聴き比べましたね〜。具体的にどう違うんだ、と。そして、聴いたら明らかに音の乾き方というか、抜け方というか、『Eyes of The Mind』がドライで、『Cross Point』がウェットな雰囲気に感じるんですよね。面白いなあ、と単純に思いました。

そういう音のニュアンスの違いはあったんですが、『Cross Point』単体で聴けば、カシオペアとして、実にバランスの取れた演奏が印象的です。さを前面に押し出した「イケイケ」のカシオペアと腰のしっかりと座った、太くて逞しいリズム&ビートに乗った、余裕あるAOR系のフュージョン・ジャズのカシオペアの割合が「3対7」くらい。
 

Cross_point

 
つまり、エフェクターやシンセの大量導入で彩りある音で埋め尽くす「イケイケ」のカシオペアとくて逞しいリズム&ビートに乗った、余裕あるAOR系のフュージョンのカシオペアのミックス度合いが絶妙なんですね。野呂・向谷・神保・桜井の4人の演奏のバランスも絶妙で、バンドとしての音がガッチリと固定されたアルバムだと僕は感じています。

以前のブログ記事で「カシオペア者(カシオペア・ファン)に大歓迎された、エフェクターやシンセの大量導入で彩りある音で埋め尽くされたアルバム『Make Up City』。そして、今回の『Eyes of The Mind』は『Make Up City』とは、全く対極にある音。この二極性がカシオペアの音作りの個性として定着していく。」と書きましたが、この『Eyes of The Mind』の音の完成形が『Cross Point』だと思います。

改めて聴き直してみても、良い音だしてますよね。日本を代表するフュージョン・バンドとしても全く異論の無い音が、このアルバムに充満しています。カシオペア者の皆さんからも評価の高いアルバムなのも頷けます。日本フュージョン・ジャズの代表的アルバムの一枚です。

 
 

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2016年7月26日 (火曜日)

明確に音が変化したカシオペア

カシオペアは、僕がジャズを聴き初めて程なくデビューしたので、今までずっと親近感を覚えてきたバンドである。特に、純日本というところが更に良い。デビューアルバムからずっと聴き続けて来たバンドである。

このアルバムは、僕にとってカシオペアが「永遠のお気に入り」のバンドに昇格した記念すべきアルバムである。そのアルバムとは、CASIOPEA『Eyes of The Mind』(写真左)。1981年4月のリリースになる。改めて、カシオペアのメンバーは、野呂一生 (el-g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds)。

このアルバムを初めて聴いた時、明らかに音が変わったと思った。ベースラインが太くなったというか、リズム&ビートが太くなったというか、とにかく演奏のベースが「太く逞しく」なった。そこにバカテクの野呂のギターと向谷のキーボードが躍動する。

しかし、バカテク優先の「かっ飛び」フレーズでは無い。太く逞しいビートに乗って、余裕あるスケールの大きいフレーズが展開されるのだ。しかも、録音が良いので直ぐに気がつくのだが、音が「乾いていてシンプル」。あれ〜なんでかな〜、なんて思いつつライナーノーツを読んで、ようやく合点がいった。

このアルバム、ロスの録音で、しかも、プロデュースがハーヴィー・メイソン。ハーヴィー・メイソンと言えば、フュージョン・ジャズのファースト・コール・ドラマー。このドラマーのプロデュースが、それまでのカシオペアの演奏を更なる高みに引き上げた。その最初の成果がこのアルバムである。
 

Eyes_of_the_mind

 
腰のしっかりと座った演奏が素晴らしい。上質のフュージョン・ジャズ、とりわけ、AOR系のフュージョン・ジャズと形容して良いであろう、太くて逞しいリズム&ビートに乗った、余裕あるバカテクな展開が素晴らしい。

聴いていて面白いのは、このカシオペアのフュージョン・ジャズって、その演奏レベルは、本場米国のフュージョン・ジャズの演奏レベルと比肩出来る、内容のあるテクニックに優れた内容なので、もしかしたら米国の有名なフュージョン・バンドの演奏か、と間違いそうなんだが、実は絶対に間違わない。どこか日本人的な雰囲気が漂う演奏なのだ。

とにかく、米国フュージョン・ジャズとは一線を画する個性的な演奏の数々。若さを前面に押し出した「イケイケ」のカシオペアも魅力的だが、この腰のしっかりと座った、太くて逞しいリズム&ビートに乗った、余裕あるAOR系のフュージョン・ジャズの展開がとっても素敵である。

そういう意味で、このアルバムは、カシオペア者(カシオペア・ファン)のなかで評価が分かれる作品であろうかと思う。しかし、どっちの顔もカシオペアだと思う。この余裕あるAOR系のフュージョン・ジャズの展開を自家薬籠中のものとしたことで、カシオペアのバンドとしてのスケールはグッと一段も二段も広がった。

カシオペア者(カシオペア・ファン)に大歓迎された、エフェクターやシンセの大量導入で彩りある音で埋め尽くされたアルバム『Make Up City』。そして、今回の『Eyes of The Mind』は『Make Up City』とは、全く対極にある音。この二極性がカシオペアの音作りの個性として定着していく。

 
 

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2016年3月 1日 (火曜日)

カシオペア・サウンドの基準

1980年4月にリリースされた驚愕ライブ盤『Thunder Live』で、メジャーな存在となったCASIOPEA。野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds) の最強の4人で、1980年11月にスタジオ録音盤をリリースする。日本フュージョンの名盤の一枚に数えられるほどの、これがまあ、素晴らしい出来のアルバムとなった。

CASIOPEA『Make Up City』(写真左)。カシオペアの通算4枚目のアルバムである。日本フュージョン・ジャズの到達点の一枚。冒頭の「Gypsy Wind」からラストの「Twinkle Wing」まで、とてもバランスのとれた優れた楽曲がズラリと並ぶ。そう、このアルバム、収録曲が粒ぞろい。

演奏のレベルはそれはもう最高のもの。野呂・向井・櫻井・神保の伝説の4人の演奏である。しかし、前作の『Thunder Live』までのテクニック第一の圧倒的演奏力でグイグイ押していく様な演奏では無い。テクニックを出しつつも適度に余裕を持った演奏が実に頼もしい。この余裕を持った演奏がこのアルバムの1番の聴きもの。

そして、このアルバムの音の特色は「シンセ・サウンド」と「デジタル・サウンド」。シンセ・サウンドの方は、シンセサイザーのマニピュレーターとして松武秀樹が全面参加して、その実力をいかんなく発揮している。デジタル・サウンドの方は、当時開発されたばかりの3M社の32トラックのデジタルテープレコーダーが使用されている。
 

Make_up_city1

 
当時の触れ込みは「日本初のデジタルレコーディングのアルバム」。但し、デジタル録音の欠点を補うためのアナログ処理は施されている。それでも、音のクリアさは特筆ものだった。自分のチープなステレオ・セットが1グレードアップした様な感じだったなあ。 

この『Make Up City』は、カシオペアの最初の基準となるアルバムです。デビュー盤から、メンバー・チェンジを経つつ、突き詰めてきたカシオペア・サウンドの最初の基準です。以降、アルバムをリリースする都度、このアルバムは『Make Up City』と比べて云々、などと評価される様になります。これって、カシオペア者として良く判るなあ(笑)。

日本のフュージョンもここまでやるんだ、とリリース当時、嬉しくなりました。近未来都市を連想させるイラストが素敵なジャケットも良好で、当時ヘビロテの一枚でした。今でも、ハードな純ジャズの合間の耳休めに、たまに聴いてはうっとりしています。良いフュージョン盤です。

そうそう、このアルバムのタイトル『Make Up City』って、ちょっと違和感を感じますよね。意訳すると「街を掃除しろ」。変なタイトルやなあ、と思っていたら、とある雑誌のインタビューで、カシオペアのメンバーいわく、「街を創りだす」という意味をこめてつけたとのこと。ちょっとそれちゃうやん、と思わず雑誌の記事に向かって突っ込みを入れたことを昨日のことの様に覚えています(笑)。

 
 

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2016年2月14日 (日曜日)

カシオペア『Thunder Live』

1979年にファースト盤、セカンド盤と立て続けにリリースして、我々の度肝を抜いたカシオペア。そのバカテクな演奏力、キャッチャーな曲を提供するソングライティング力、どれを取っても今までに無い実力の高さだった。

が、大学時代、僕の周りにはそのカシオペアの登場に乗りきれないフュージョン者のやからも多くいた。日本人のみで構成された、それもまだまだ実績に乏しい若手ばかりで構成されたバンドの存在自体にどうも乗りきれないらしい。「スタジオ録音のアルバムだけでは判断できへんよな」が彼らの口癖だった。

つまりは、スタジオ録音であれば、何度も録り直しが出来る、編集で良いところばかりを集めることも出来る、酷いことに「吹き替えだって可能やろ」なんてことも言い出す始末。皆、若いくせに頭が硬いにもほどがある(笑)。

そんな頭の硬いやから達を思いっきり黙らせたライブ盤がこれ。CASIOPEA『Thunder Live』(写真左)。1980年4月のリリース。このライブ盤、全6曲の登場は、カシオペアというバンドに疑義を募らせていたフュージョン者の口を塞がせた、痛快な内容のライブ盤である。

ドラムが神保彰に変わった最初のアルバムでもあり、初期カシオペアの代表的なナンバーが勢ぞろいした全6曲。このライブ盤は、とにかく生々しいカシオペアの演奏を体感することが出来る。初期カシオペアの個性、「スリル、スピード、テクニック」というデビュー当時のキャッチコピーさながら、高度な演奏力で押し切っていくような、若さ溢れるポジティブな演奏の数々。
 

Casiopea_thunder_live

 
ネットの評論でも皆一様に「カシオペアのライブ盤の中でもピカイチの名盤。これを聴かずにカシオペアは語れない」と表現していますが、確かにこのライブ盤の内容は凄い。1980年当時、このライブ盤を初めて聴き終えた時、その内容に唖然として言葉が出なかったことを昨日のことの様に覚えています。

このライブ盤を聴いて、そして、このライブ盤でカシオペアが完全にメジャーな存在になった状況を感じながら、カシオペアをデビュー盤からずっと聴き続けてきたことを自慢に思いましたね〜。このライブ盤のリリース当時、いきつけの喫茶店で、ほぼ毎日流してました。カシオペアが我々の仲間内でもメジャーな存在となった瞬間でした。

ちなみに1980年のリリース当時のジャケットは相当酷いデザイン(写真右)。でも懐かしいなあ。1980年のリリース当時、この趣味の悪いジャケットには「ひき」ました。どう考えたらこうなるのか。さすがにこのジャケット・デザインは不評だった様で、現在のジャケットに差し替えられています。

今では何の変哲も無いシンプルで地味なジャケット(写真左)ですが、この地味なジャケットに騙されてはいけません。キャッチーなメロディーの数々も素晴らしい、初期カシオペアの代表的名盤です。これがライブ盤とは驚愕の内容でっせ(笑)。

 
 

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2016年2月13日 (土曜日)

カシオペア『Super Flight』

日本人発のフュージョン・バンドと言えば、まずは「カシオペア」を思い出す。ギターの野呂一生、キーボードの向谷実、ベースの桜井哲夫、ドラムの佐々木隆のドラム,。この4人の繰り出すバカテク+疾走感溢れるフュージョン・ジャズに僕達は狂喜乱舞した。日本人の日本人による日本人の為のフュージョン・ジャズ。カシオペアは当時、僕達のヒーローでしたね〜。

デビュー盤『CASIOPEA』が1979年5月のリリースであったが、その半年後に早々とセカンド盤『Super Flight』(写真左)をリリースしたカシオペア。バカテク疾走のハード路線のデビュー盤に比べて、このセカンド盤は、聴き易くキャッチーなフレーズ満載のメロディアス&ポップ路線のアルバムとなった。

当時、JALの『 アイ・ラブ・ニューヨーク 』キャンペーンCMとのタイアップ・ソングだったスティーヴ・カルメンが作曲した楽曲のカバー「I love New York」を収録したアルバムで、この曲のヒットでフュージョン・ジャズのブームにも乗り、カシオペアはメジャーな存在になりました。

確かにこのスティーヴ・カルメンが作曲した楽曲のカバー「I love New York」のキャッチャーな出来は今でも感心しますが、他の収録曲もかなりの出来で、アルバム全曲聴き応え満載の好盤に仕上がっています。9曲中7曲までが野呂一生の作で、野呂一生のワンバンドな感じがするんですが、それはとんでもない誤解です。
 

Super_flight

 
アルバム収録のどの曲も、メンバーそれぞれの演奏の個性がフィーチャーされていて素晴らしいテンションです。演奏テクニックの高さはファースト盤で証明済み。テクニックばかりでは無い、唄う様にフレーズを弾きまくる様は惚れ惚れします。こんなに日本のジャズ・ミュージシャンって美味かったんや〜、って改めて嬉しくなる様な素晴らしい演奏ばかり。

カシオペアの代表曲「ASAYAKE」が初収録されているところも、このアルバムのハイライトの一つ。この「ASAYAKE」という曲がまた良いんですよね〜。カシオペアの曲って、ジャジーな雰囲気が希薄なところが個性だと思っていて、この「ASAYAKE」って曲など、その良い例です。

日本人にしか書けない、日本人にしか演奏できない、乾いたファンネス、希薄なジャジー感、それでいて、テクニック抜群、歌心満載のフュージョン・ジャズがこのアルバムにてんこ盛りとなっています。1979年のリリースですが、今でも時々聴きたくなる、カシオペアの初期の代表盤の一枚です。

僕はやっぱり、このスティーヴ・カルメンが作曲した楽曲のカバー「I love New York」が好きですね〜。この「I love New York」については、2010年9月4日のブログ(左をクリック)で語っていますので、こちらもご一読下さいね。

 
 

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2016年2月 7日 (日曜日)

カシオペアのデビュー盤を聴く

1970年代後半、僕がジャズを聴き始めた頃はフュージョン・ジャズの大ブーム。猫も杓子もフュージョン・ジャズ。そんな中、和製フュージョン・ジャズ、つまり日本人ジャズメンによるフュージョン盤も大量生産された。

そんな中で、21世紀の今に生き残る和製フュージョン・バンドが2つある。ひとつはカシオペア、もう一つはT-スクエア。どちらも紆余曲折を経ながらも、今でも現役でバンド活動を続けている。今回、やっとカシオペアの初期の頃のアルバムのコレクションが整ったので、一気に聴き直しを始めた。

まずはやっぱりこの一枚だろう。『CASIOPEA』(写真)。1979年5月に発売された記念すべきカシオペアの1stアルバムである。結構、豪華な録音環境で、ホーン・セクションとして、David Sanborn、Randy Brecker、Michael Breckerらがゲスト参加している。全ての曲は野呂一生の作で固められている。

カシオペアはデビューから現在に至るまで、一貫して「ギター、ベース、キーボード、ドラム」の4人編成(カルテット)で活動。ギターがメインのカルテット構成、これが実に良い。音がシンプルで疾走感溢れ、個々の楽器の音の分離が良い。電気楽器メインとしたフュージョン・ジャズ系バンドの理想系だろう。
 

Casiopea_first  

 
さて、このファースト盤であるが、驚愕の「目眩くテクニック」が目白押し。1979年当時のフュージョン系バンドのファースト盤としては、かなりの完成度の高さを誇ります。とにかく、仕掛けに凝りに凝りまくり、凄まじいテクニックを誇示しまくっている。

当時、この凄まじいテクニックが鼻につくどころか、一聴するだけで驚愕し、こいつらどうなってるんや、と思わずヘビロテになり、改めて「これは凄いバンドが出現した」と唖然としたことを昨日のことの様に覚えている。

冒頭の「タイムリミット」のドラムとホーンセクションのリフを聴くだけでワクワクする。そしていきなり出てくるエレベのソロ。当時、エレベの最高峰とされたジャコ・パストリアスのソロとなんら遜色の無いエレベのソロに驚愕。そして、目眩くテクニックの嵐、弾き倒しまくるエレギに驚喜。趣味の良い、程良く抑制されたキーボードに信頼感を感じて、このバンドが和製なのに思わず疑いを持った。

とにかく全編、懐かしい楽曲ばかり。ジャズ者初心者の頃、大学時代、思いっきり聴きまくった和製フュージョン盤です。今の耳には、内容的に若さが故に未成熟なフュージョン・インストですが、その若さが良い。そして、日本人発の素晴らしいフュージョン・バンドの出現に、当時、思いっきり驚喜乱舞しました。懐かしい想い出です。

 
 

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