2023年9月27日 (水曜日)

「CASIOPEA-P4」の2nd.盤

日本のフュージョン・ジャズ(和フュージョン・ジャズ)の名盤・好盤を聴き直していると、必ず、ぶち当たるフュージョン・ジャズのグループが2つある。ひとつは、1977年結成の「CACIOPEA(カシオペア)」、もうひとつは、1976年結成の「T-SQUARE(ティー・スクエア)」。和フュージョン・ジャズの老舗中の2つの老舗バンド。

その老舗バンドのひとつ、カシオペアは、バリバリ硬派な、思いっ切りハイ・テクニックな、疾走感と切れ味抜群のフュージョン・バンドだった。デビューは1977年。幾度かのメンバー変遷と2006年から2011年までの活動休止期間を経て、第1期〜第2期「CACIOPEA」、第3期「CASIOPEA 3rd」、第4期「CASIOPEA-P4」とバンド名をマイナーチェンジしながら、現在も活動中。

CASIOPEA-P4『New Beginning(Live at EX THEATER ROPPONGI Dec.11.2022)』(写真左)。2022年12月11日、EX THEATER ROPPONGIでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 大高清美 (key), 鳴瀬喜博 (b), 今井義頼(ds)。CASIOPEA-P4名義の2枚目のアルバムになる。

もともと、カシオペアは、フロント楽器がギターで、バックにリズム・セクションという編成で、長らくギター・サウンドが前面に押し出された「ギター・バンド」志向なフュージョン・ミュージックが身上だった。
 

Casiopeap4_new-beginning

 
が、CASIOPEA-P4になって、野呂のギターはそのままだが、大高のキーボードがフロントの一定の割合をコンスタントに担う様なサウンド構成に変化している。今回のこのライヴ盤は、そんなギター+キーボードが双頭フロントのバリバリ硬派な、思いっ切りハイ・テクニックな、疾走感と切れ味抜群のフュージョン・バンドのパフォーマンスが、CD2枚組の中にギッシリ詰まっている。

CASIOPEA-P4名義の初アルバム『NEW TOPICS』では、キーボードがかなり前面に出ていた印象があるが、このライヴ盤では、イーブン・イーブンの割合になっていて、バランスが取れている印象。

1970年代のプログレッシブ・ロック、もしくは、キーボードがメインのジャズ・ロックの様な音志向に変化はしたが、このライヴ盤を聴く限り、デビュー当時のバンドのキャッチ・フレーズである「スリル・スピード・スーパーテクニック」はしっかり踏襲されている。

逆に、キーボードが前面に出たことによって、アダルト・オリエンテッドな雰囲気が濃厚になって、大人のフュージョン・ジャズという雰囲気がとても魅力的。まだまだ、我が国における、最高峰のエレ・ジャズ・バンドの位置をキープしている。僕はこのCASIOPEA-P4の音を好ましく聴いた。
 
 

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2023年2月16日 (木曜日)

「CASIOPEA-P4」の1st.盤です

カシオペア。我が国発の老舗フュージョン・バンド。デビューは1977年。幾度かのメンバー変遷と2006年から2011年までの活動休止期間を経て、第1期〜第2期「CACIOPEA」、第3期「CASIOPEA 3rd」、第4期「CASIOPEA-P4」とバンド名をマイナーチェンジしながら、現在も活動中である。

現在は、2022年にレギュラー・サポートメンバーであった神保の脱退を受けて。7月に後任の新ドラマー・今井義頼が正式なメンバーで加入。それを機に、バンド名を「CASIOPEA-P4」に変更して活動中。振り返って見れば、ギターでリーダーの「野呂一生」は不変だが、他のメンバーは総入れ替えになっている。フロント楽器がギターで、バックにリズム・セクションという編成は変わらないが、サウンド的には大きく変化してきている。

CASIOPEA-P4『NEW TOPICS』(写真左)。2022年の作品。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 今井義頼 (ds)。結成45周年。25年振りにドラムに正規メンバー、今井義頼を迎え、第4期「CASIOPEA-P4」としての初のスタジオ録音盤。デビュー当時のキャッチコピーである「スリル・スピード・スーパーテクニック」をそのまま継続している様な、スピード感と高テクニック溢れるフュージョン盤である。
 

Casiopeap4new-topics

 
デビュー当時から、フロント楽器がギターで、バックにリズム・セクションという編成で、長らくギター・サウンドが前面に押し出された「ギター・バンド」志向なフュージョン・ミュージックが身上だった様な記憶がある。が、第3期「CASIOPEA 3rd」で、キーボードが大高清美に代わってから、バンド・サウンドの中で、キーボードがフロント楽器の役割を果たす割合が増加、この第4期「CASIOPEA-P4」に至って、キーボードがフロントの一定の割合をコンスタントに担う様なサウンド構成に変化している。

1970年代のプログレッシブ・ロック、もしくは、キーボードがメインのジャズ・ロックの様な音志向になっていて、デビュー当時のキャッチコピーである「スリル・スピード・スーパーテクニック」はしっかり踏襲されているが、ギターとキーボードが半々でフロントを担って、サウンド的には、ギターによる鋭角で切れ味の良い音世界が、マイルドで流麗で爽快感のある音世界に変化して来た様に感じる。

1970年代からのギター小僧からすると「何だこの変化は」だが、1970年代からのキーボード小僧からすると「これは良いぞ」な感じのサウンドなのだ。デビュー当時からの「カシオペア者」の方々からすると賛否両論なんだろうな。それでも、この「CASIOPEA-P4」の音は、我が国のエレ・ジャズ・バンドの最高峰のポジションを維持しているし、グローバルなレベルで見ても、現役ばりばりの「Yellowjackets」などに比肩する、レベルの高いエレ・ジャズ・バンドの位置をキープしている。流石である。
 
 

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2022年6月22日 (水曜日)

CASIOPEA 3rdとしての音の変化

正統派フュージョン&バカテクのバンドであるカシオペア(CASIOPEA)。2006年にすべての活動を一旦休止。2012年にCASIOPEA 3rd(カシオペア・サード)として活動を再開。活動再開と同時に長年のオリジナル・メンバーであった、キーボード担当の向谷の脱退を受け、その後任として、大高清美の加入により現在の形態になる。ギターが野呂一生、ベースが鳴瀬喜博、キーボード大高清美、そしてドラムが神保彰(サポート)の4人編成。

フュージョンというよりは、ロック色が色濃くなり、ボンヤリ聴いていると「これってプログレッシブ・ロック」って思ってしまうほど。バカテクのプレグレ、という雰囲気。恐らく、大高のキーボードが、今回、さらに「キース・エマーソン」風になっているということ。成瀬と神保のリズム隊が、大高のキーボードに呼応して、ロックっぽくなっていること。それらが大きく作用している。

CASIOPEA 3rd & INSPIRITS『『4010』 Both Anniversary Gig』(写真左)。2017年12月24日、東京「EX THEATER ROPPONGI」にてのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 神保彰 (ds, サポート)。ISSEI NORO INSPIRITS と、CASIOPEA 3rd & INSPIRITS 両バンド・メンバーによる白熱のライヴを収録している。

2017年のライヴ音源。カシオペアとしては、2012年に「CASIOPEA 3rd」として再出発して、5年目のライヴ・パフォーマンス。直近のT-スクエアは、スムース・ジャズ化していったのだが、CASIOPEA 3rd は、ジャズ・ロック化していったようだ。
 

Casiopea-3rd-inspirits4010-both-annivers

 
このライヴ音源を聴いてビックリしたのが「CASIOPEA 3rdとしてのバンド・サウンドの変化」。CASIOPEA 3rd 結成当初の「バカテクのプレグレ」から、ポップなジャズ・ロック志向に変化しているように感じる。切れ味鋭い、バカテクな正統派フュージョン・ジャズとしてのカシオペアの面影はほぼ無くなっている。

大高のキーボードが前面に押し出される割合が増えているのが理由だろう。ポップなジャズ・ロック化が悪いといっているのではない。CASIOPEA 3rdとなって、再びサウンドが変化し、加えて「バカテク」という要素が後退、オリジナル「カシオペア」の音世界がほぼ払拭されたサウンドに変化した、ということである。長年の「カシオペア」者の方々の中には、この変化を「良しとしない」向きもあるだろうな。それほど、大きくサウンドは変化している。

サポートメンバーとして活動に帯同してた神保が、2022年5月28日のビルボードライブ大阪公演をもって卒業。新メンバーを補充して、CASIOPEA 3rd としての活動は継続するそうだが、新メンバーを迎えて更に、CASIOPEA 3rdとしての音世界は変化するだろう。

T-スクエアといい、カシオペアといい、時代の流れに伴う「変化」だから仕方が無いこととは言え、デビュー当時からずっと聴き親しんできた僕としては、このバンド・サウンドの変化について、どこか寂しい印象は拭えない。あの頃の音はアルバムで聴き返すしか無いんだろうなあ。
 
 

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2019年9月13日 (金曜日)

カシオペアの40周年記念盤

我が国、日本でのフュージョン・バンドと言えば、CASIOPEA(カシオペア)とT-SQUARE(ティー・スクエア)が2大フュージョン・バンド。正統派フュージョン&バカテクのバンドであるカシオペア。ちょっとロックとイージーリスニングが入った、ポップで聴き易いT-SQUARE。この2大フュージョン・バンドは実力については甲乙付けがたく優秀。フュージョン者の中では人気は全く真っ二つに分かれていた。

そんなカシオペア、今では「Casiopea 3rd」とバンド名を変えて、現在も活動中。そして、今年、デビュー40周年記念盤をリリースした。Casiopea 3rd『PANSPERMIA』(写真左)。2019年7月の録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 神保彰 (ds)。野呂とサポート・メンバーではあるが、ドラムの神保の2人が以前からメンバー。他の2人は1990年以降の新メンバー。

アルバムタイトル「PANSPERMIA」=「パンスペルミア」と読む。宇宙からの微生物などが物体にくっついて地球にやって来て生命の根源となったという理論。このアルバムのサブタイトルは「宇宙からの贈りもの」。う〜ん、ジャズらしからぬタイトルやなあ。『スピード・スリル・テクニック』というキャッチフレーズのままに、スペーシーな感覚満載。
 

Panspermia

 
フュージョンというよりは、ロック色が色濃くなり、ボンヤリ聴いていると「これってプログレッシブ・ロック」って思ってしまうほど。バカテクのプレグレ、という雰囲気。恐らく、大高のキーボードが、今回、さらに「キース・エマーソン」風になっているということ。成瀬と神保のリズム隊が、大高のキーボードに呼応して、ロックっぽくなっていること。それらが大きく作用している。

そこに野呂のエレギが参入すると、バンドの音の雰囲気はぐっと「フュージョン・ジャズ」に寄る。野呂のエレギは唯一無二の個性。フュージョンでもなければロックでも無い。野呂独特の個性的な音。この野呂のエレギが他のメンバーによる「プログレ色」を中和し、従来のカシオペアの音に仕立てる。そんな役割を果たしている。そう、この盤での「カシオペアらしさ」は野呂のエレギに依存している。

出てくる音はとことんポジティヴ。特に大高のキーボードの進化は特筆に値する。そこに、ナルチョのチョッパー・ベースがブンブン鳴り響き、神保の千手観音ドラミングが炸裂する。そして「決め」は野呂のエレギ。「カシオペアの音」から深化した「Casiopea 3rdの音」。この盤の評価のポイントはこの「深化」を認めるか否かにあるだろう。
 
 
 
東日本大震災から8年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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2019年4月 8日 (月曜日)

幾つかの頂点の1つを捉えた好盤

1983年リリースの『Jive Jive』から、米国マーケット狙いに舵を切ったカシオペア。「日本人の、日本人による、日本人の為の」フュージョン・バンドだったカシオペアである。その音の傾向の変化に少し戸惑いながらも、何とか付いていっていた。個人的には、社会人になって、LPを買う資金はあって、LPは買うのだが、中々聴く時間がとれなくて、イライラしていた時期である。
 
Casiopea『HALLE』(写真左)。1985年9月のリリース。「HALLE」とは、当時話題となったハレー彗星に因んだタイトルだそうだ。といって、なにかハレー彗星に因んだ曲が散りばめられているのか、と言えば、そうじゃないので、今となっては良く判らないタイトルである。
 
2作ほど前から、米国マーケット狙いに音の路線を定めたカシオペアであるが、この『HALLE』でほぼその路線について成熟した感がある。ファンキー・ビートをメインとして、秀逸なテクニック最優先の演奏。凄まじい緊張感の中でのバカテクを前面の押しだした、超絶技巧なアドリブ・パフォーマンス。これがカシオペアの音だ、と信じている「カシオペア者」には圧倒的に受ける音世界である。
 
 
Halle-casiopea
 
  
確かに、テクニックをメインに聴くならば、これほどまでにバカテクのフュージョン・バンドは世界にそうそう無い。エレギもアタッチメントなどを含めて最新鋭のものだし、キーボードも特にシンセについては、当時の最先端の機材を駆使している。テクニック命のフュージョン小僧からすると、この胸の空くようなバカテク・バンドの音は憧れの的だっただろう。
 
ただ、1983年リリースの『Jive Jive』から数えて3作目の「米国マーケット狙い」路線の音世界については、ちょっと手練感が漂いだしたのも事実。この時点で米国マーケットへは切り込むことは出来ていなかった。しかし、カシオペアの演奏力という面から聴くと、この『HALLE』については、ほぼ頂点に達したように感じた。今もその感覚は変わらない。
 

 
この『HALLE』だけ「米国マーケット狙い」路線のアルバムの中で、ジャケット・デザインがふるっている。このジャケットは、白い大きな布が爽やかな風に乗って、心地良くたなびいているイメージ。そんなイメージが、このアルバムの中のカシオペアの音に重なる。バカテクだけど爽やかで明るい切れ味の良いフュージョン・ジャズ。カシオペアの幾つかの頂点の1つを捉えた好盤だと思う。
 
 
 
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2019年4月 7日 (日曜日)

カシオペアの米国マーケット狙い

カシオペアは日本発のフュージョン・バンドとして、1970年代後半にデビューし、主に日本でブレイクした。1980年に入った頃が最初の人気のピークで、その人気は凄まじいものだった。フュージョン・ジャズのバンドが、こんなにも日本の中で人気を獲得するとは夢にも思わなかった。
 
今から思えば、日本人の、日本人による、日本人の為のフュージョン・バンドだった訳で、我が国の中で人気を獲得するのは、基本的には当たり前のことであった。が、である。1980年代に入って、国内での人気絶頂の頃に、カシオペアは米国マーケットへの参入を目指すようになる。いわゆる「日本人ならでは」のフュージョン・バンドが米国マーケットへ切り込むのである。
 
当然、当時のバンドの音楽性を変化せざるを得なくなる。当時の米国はフュージョン・ブーム末期。今から思えば、その参入のタイミングは遅かったのではなかったか。R&Bの要素をふんだんに取り入れた、ボーカル入りのフュージョンが横行し、ファンクネスを司るビートは「録音におけるデジタル化」により、ペラペラになっていた。
 
 
Down-upbeat  
 
 
Casiopea『Down Upbeat』(写真左)。1984年10月のリリース。カシオペアの12枚目のアルバム。ニューヨークのシークレットサウンドスタジオにおいて、わずか10日間のうちに録られたもので、この作品は「一発録り」で当時話題になった。飛び出してくるのはなんだか日本人離れしたファンキー・ビート。良くも悪くも米国マーケット狙いの音作りになっていた。
 
ファンキー・ビートをメインとして、秀逸なテクニック最優先の演奏。神業的でアクロバティックな演奏がてんこ盛りで、アルバム全てを聴き通した後はちょっと疲れる。この米国マーケット狙いの音世界は、当時のカシオペア人気の後押しの中で基本的に支持された。しかし、当時、僕としては、この路線はちょっと時機を逸しているのでは、という思いが強かったことを今でも覚えている。
 
米国マーケットのトレンドである、適度なファンクネスを包まれた、ソフト&メロウなフュージョン・ミュージックに対して、凄まじい緊張感の中でのバカテクを前面の押しだした、超絶技巧なアドリブ・パフォーマンス。マニアの方々には受けるんだが、一般人に対してはどうなんだろう。この後、このカシオペアの「米国マーケット狙い路線」については、バンドに対して様々な波紋を投げかけることになる。
 
 
 
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2019年1月19日 (土曜日)

カシオペア流ジャズ・ファンク

前作『Photographs』は従来のカシオペアの音の最初の「集大成」的な音作り。爽快感と疾走感溢れるバカテク・フュージョン集団という従来のカシオペアの音をしっかりと踏襲している。従来のカシオペアの音の最初の「集大成」的な音作りが堪らない。このアルバムのリリースから、我が国における「カシオペア人気」が高まっていった。

この『Photographs』というアルバムで、バンド結成から培ってきた音の集大成を実現した後、テクニック指向と言われる部分を抑えて、よりポップさを前面に出す方向を目指し始めた。今から振り返ってみると、このアルバム辺りから、米国マーケット狙いの音作りへ舵を切った様に感じる。いわゆる、バンドの音の志向がメンバーそれぞれの中で変わり始めた兆しが、このアルバムに散りばめられている。

Casiopea『Jive Jive』(写真)。カシオペアの10枚目のアルバム。1983年11月のリリース。ロンドンでのスタジオ録音。前作の『Photographs』とは音の傾向が変わっている。当時のロンドンは、シャカタクやメゾフォルテ等のブリティッシュ・ジャズファンクが盛り上がっており、どうもその「ロンドン録音」の影響がモロ出たと思われる。
 

Jive_jive  

 
このアルバムは「ジャズ・ファンク」なカシオペアの音が楽しめる。ホーンセクションの入った曲や女性ボーカル入りナンバーも数曲あり、このアルバムからカシオペアは「ジャズ・ファンク」な要素をバンド・サウンドに織り込み始めている。MIDI、ギターシンセ、シンセ・ドラムなどのエレクトロニカの導入もこのアルバムの特色である。

このアルバムでの骨太で重量感が加わった疾走感溢れる演奏は特筆もの。これまでになかったタイトで甘さを殺した演奏が、従来のカシオペアの音に新しい音の世界を導き入れています。メンバーそれぞれが、明らかに従来の演奏スタイルを変えて、新しいカシオペアの音世界、つまり「ジャズ・ファンク」への接近を試みている様に感じます。

今の耳で振り返ってみると、良くも悪くも、カシオペアとして新機軸を打ち出した感のあるアルバムです。最初のカシオペアの音で最初の全米進出を試み、この『Jive Jive』から試みた「ジャズ・ファンク」な音で再度、全米進出を試みる。そして、その後のメンバーの入れ替わりやサウンド面での変化を考えると、彼らにとって色んな意味でのターニングポイント的なアルバムだと思います。

 
 
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2018年12月16日 (日曜日)

バカテク・ポップ路線の集大成

日本発のフュージョン・バンド「Casiopea(カシオペア)」。1980年代前半から中盤にかけてが、商業的に一番成功した時期である。メンバーは、野呂一生 (g), 櫻井哲夫 (b), 向谷実 (key), 神保彰 (ds)。音楽誌『ADLiB』での上々の評価、連載企画「ブラインド・フォールド・テスト」での海外有名フュージョン・プレイヤーの高い評価もあって、人気は不動のものとなっていく。

Casiopea『Photographs』(写真左)。1983年のリリース。このアルバムのリリースから、我が国における「カシオペア人気」が高まっていく。野呂がインド、向谷がヨーロッパ、桜井が南米、神保がアメリカへと武者修行の一人旅に出た後に制作されたアルバムで、その成果が反映された音作りがなされている、という評価もあるが、それは違うと思う。

しっかり聴いてみると判るが、あまりそれぞれの旅先の特色ある音が反映されている内容では無い。どちらかと言えばファンク色をやや強めながらも、爽快感と疾走感溢れるバカテク・フュージョン集団という従来のカシオペアの音をしっかりと踏襲している。従来のカシオペアの音の最初の「集大成」的な音作りが堪らない。
 

Photographs_casiopea  

 
強力なアドリブ・フレーズのフロント隊とタイトで堅実なリズム隊が上手くフィットして、メンバー全員のハイ・テクニックと相まって、カシオペア独特の音世界を創出している。野呂のスキャットや櫻井+野呂によるデュエットなど、従来のカシオペアからすると意外な遊び心もあり、メンバー全員の音作りに対する余裕を感じる。そんな余裕が良い方向に作用した好盤だろう。

特にこのアルバムに収録された曲を聴いていて感じるのは「アレンジの素晴らしさ」。この盤、どの曲もアレンジが優れている。アレンジのアイデアもなかなかのもので、聴いていてメリハリが効いていて飽きが来ることが無い。4人のメンバーが4者4様、それぞれの個性を発揮しつつ、台頭の立場で競い合っている、そんな感じの適度なテンションが心地良い。

いわゆるカシオペアの最大の個性である「バカテク・ポップ路線」の集大成。この後、カシオペアはファンク度を高め、米国マーケットを狙う様な音作りに変化していく。日本人の日本人による日本人の為のフュージョン・バンドのピークを捉えたアルバムとして評価出来る秀作です。

 
 
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2018年9月19日 (水曜日)

カシオペアの「最高の演奏」盤

Casiopea(カシオペア)は、日本発のフュージョン・バンド。1979年11月、セカンド盤の『Super FlightL』で出会って以来、ずっとリアルタイムで聴き続けている。爽快感溢れる、高テクニックで流麗なフレーズ、タイトでシャープなリズム&ビート。疾走感溢れる、カッ飛ぶバンド・サウンド。今でも大好きなフュージョン・ジャズ・バンドである。

Casiopea『Mint Jams』(写真)。1982年5月のリリース。カシオペアの7枚目のアルバム。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds)。この盤はライブ盤である。が、聴けば判るが、観客のノイズ(拍手や掛け声)がほとんど無い。非常に人工的なライブ盤である。しかしながら、この作りで聴くカシオペア・サウンドがいかにも「カシオペアらしい」。

「ライブの迫力とスタジオ録音の緻密さが一緒になった盤」がコンセプトで、アルバム制作のマテリアルとして、築地会館における2日間の単独ライブ音源が使用され、入念なリミックスが施されている。スタジオで一部、トリートメント処理はなされているが、オーバー・ダビングは一切無いとのこと。そして、観客のノイズを「Domino Line」と「Swear」の一部を除きカット。
 

Mint_jams  

 
以上の様な経緯を経て、スタジオ録音の様な緻密さとライブ録音の様な演奏の迫力が両立した、素晴らしい内容のアルバムに仕上がっている。選曲もふるっていて、当時のベスト盤的な選曲で、特にライブ映えする楽曲がズラリと並んでいる。「Take Me」「Asayake」「Time Limit」「Domino Line」など、爽快感抜群。何から何まで「カシオペア・サウンド」である。

このライブ盤、音がとても良い。ライブ音源をベースにしているが、楽器の分離も良い。ギターの音は切れ味良く、キーボードの音は疾走感溢れ、ドラムの音はスピード感抜群。これだけ、楽器の音の分離が良い分、演奏全体のダイナミズムは半端ない。聴き始めたらあっと言う間の37分。収録された秀逸な楽曲と相まって、この盤、今でもお気に入りです。

アルバム・タイトルの『Mint Jams』、mint-condition (作りたての、真新しいの意) の「mint」と jam-session(ジャム・セッション)の「jam」を合わせた造語で「最高の演奏」を意味するとのこと。なるほど、この盤に詰まっている音を聴けば、その「最高の演奏」の意味するところが良く判る。カシオペアのベスト盤の位置づけとして、今でもお気に入り盤の一枚です。

 
 

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2018年9月12日 (水曜日)

カシオペアの高いポテンシャル

日本発のフュージョン・バンド、カシオペア(CASIOPEA)。カシオペアは、僕がジャズを聴き始めた頃、1979年にデビュー盤をリリース。それを聴いて一発で好きになって、リアルタイムでずっと聴き続けて来た。昨年辺りから、またまたカシオペアが聴きたくなって、順番にオリジナル盤を聴き直している。今は1980年代に入って1982年である。

CASIOPEA『4×4 FOUR BY FOUR』(写真)。1982年10月12日の録音。アルファ・レコード時代のカシオペア作品集の第2弾。カシオペアが、来日公演を行う直前だったリー・リトナーのグループと共演した、珍しい内容のアルバムである。カシオペアのメンバー4人とリトナー・グループのメンバー4人でのセッションだったので「4×4」というアルバム・タイトルになった。

ちなみにカシオペアのメンバーは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b, per), 神保彰 (ds)、リトナー・グループのメンバーは、 Lee Ritenour (g), Don Grusin (key), Nathan East (b), Harvey Mason (ds)。いやはや、リトナー・グループのメンバーは凄腕揃い。セッションするに相手に不足は無い、どころか、相手が凄すぎるのではないか、という不安がよぎるくらいの凄腕揃い。
 

Casiopea_44  

 
冒頭の「Mid-Manhattan」は聴けば、思わず「おおっ」と思う。凄腕揃いのリトナー・グループを向こうに回して、カシオペアのメンバーは全くひけを取らない演奏を繰り広げている。1982年当時、僕はこのアルバムを聴いて、この日本発のフュージョン・バンドは政界的に十分に通用するレベルなんだ、と確信した。それにしても「Mid-Manhattan」って良い曲ですよね。

2曲目の「亡き王女のためのパヴァーヌ」(Pavane -Pour Une Infante Dẻfunte-)が素晴らしい。2つの優秀なフュージョン・バンドを一体となって融合した演奏は官能的でかつ、実に印象的。リトナーと野呂の泣きのギターの共演は今の耳で聴いても惚れ惚れする。そうそう、メイソンと神保のダブル・ドラムを素晴らしい。弾け飛ぶようなビートはまさに爽快。

このレコーディング・セッションは「リハーサル無し、僅か9時間で演奏を終了」と当時、雑誌で読んだかと思う。当時、リハーサル無しにはビックリした。リハーサル無しでこれだけのクオリティーの演奏を叩き出せるとは、カシオペアというバンドの高いポテンシャルを再認識したアルバムであった。もう迷うことは無い、カシオペアについては解散するまでついていこう、この盤を聴いて、そう思った。

 
 

東日本大震災から7年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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