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2017年5月26日 (金曜日)

ファンタジーのビル・エバンス

毎日、ピアノ・トリオに耳を傾けている。ピアノ・トリオを聴き続けていると、結局、この二人のトリオ演奏に辿り着く。一人は「Bud Powell(バド・パウエル)」、もう一人は「Bill Evans(ビル・エバンス)」。どちらも、ピアノ・トリオを語る上で、絶対に外せない二人である。今日はその外せない二人のうちの一人「Bill Evans(ビル・エバンス)」のトリオ演奏を聴く。

このブログでずっとエバンスの聴き直しを進めて来たんだが、他意は無いんだけど、しばらく滞っている。ちょうど、そうファンタジー・レーベルの時代の入り口で停滞していることに気がついた。これは大変、即、再開である。

Bill Evans『Since We Met』(写真左)と『Re: Person I Knew』(写真右)。どちらも、January 11 & 12, 1974年1月11, 12日、ニューヨークのヴィレッジバンガードでのライブ録音。『Since We Met』は1976年の正式リリース、『Re: Person I Knew』は1981年のリリースで、エバンス逝去後の追悼盤としてリリースされた「落ち穂拾い」盤。

そういう意味で、この『Since We Met』と『Re: Person I Knew』は2枚合わせて聴かれるべき、兄弟盤である。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Eddie Gómez (b), Marty Morell (ds)。安定性抜群の魅力のトリオである。
 

Since_we_met_re_person_i_knew

 
聴けば判るのだが、徹頭徹尾、ビル・エバンスのピアノである。冒頭のタイトル曲「Since We Met」の前奏を聴くだけで、これはビル・エバンスのピアノと直ぐ判る。躍動感溢れる明確なタッチと、独特のヴォイシングで流麗かつ芯のあるアドリブ・フレーズを聴かせてくれる。リズム&ビートも躍動感溢れ、エバンス独特のスイング感が心地良い。

ファンタジー・レーベルのビル・エバンスは、あまりに流麗で完成度が高いが故、なかなかピアノ・トリオの紹介本や初回記事に上がることは少ないのだが、どうして、その内容は一級品。ベースのゴメス、ドラムのモレロも安定のバッキング。安定と堅実のインタープレイも心地良く、このライブ盤2枚の人気が低いのがよく理解出来ない。

ジャズとして受けの良い、ダイナミックでハイテクニックのアドリブ展開、一聴するだけで判る突出した個性という大仕掛けの展開が乏しいのが受けの悪い理由かな。でも、ジャズ者ベテランのエバンス者は、こういうほのぼのとした流麗で完成度の高い、安心安定のピアノ・トリオが意外とお気に入りなのだ。

他のジャズ者の方々に知られることなく、一人でそっと聴いて、そっと愛でる、それが楽しい。そんなファンタジー・レーベル時代の冒頭を飾るエバンスのライブ盤である。

 
 

震災から6年2ヶ月。決して忘れない。まだ6年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年5月25日 (木曜日)

ながら聴きのジャズも良い・21

朝から天気の悪い日。朝からポツポツ景気の悪い、弱い雨が降ってきて、梅雨の季節がもうすぐそこまで来ている気配が濃厚。まだまだ、ピアノ・トリオを欲する日が続く。今日は、デトロイトが生んだジャズ・レジェンドの一人、ローランド・ハナのトリオ作を選択。

ローランド・ハナ(Sir Roland Hanna)は1932年生まれだから、生きていれば85歳。2002年に惜しくも逝去している。享年70歳。ハナのリーダー作って、実は僕にとってはあまり強い印象が無くて、今まで、しっかり聴き込んだアルバムは10枚に満たない。よって、ハナって寡作なんやなあ、なんて誤解していたんだが、ディスコグラフィーを見るとかなりの多作。

恐らく、復刻される機会が少ないピアニストなんだと思う。彼はクラシック界の一流ピアニストにも匹敵する演奏技術の持ち主。いわゆる、昔のジャズ・ピアニストによくある、テクニック的にはやや難があるが、その強烈な癖のある響きや手癖が良い、っていう感じでは無い。つまり強烈な個性で印象に残るタイプでは無く、テクニック・歌心・スイング感など、総合力で聴かせるタイプのピアニストである。
 

The_piano_of_roland_hanna_easy_to_l

 
そんなハナの特徴がよく理解できるリーダー盤が『The Piano of Roland Hanna : Easy to Love』(写真左)。1959年9月25日録音。ちなみにパーソネルは、Roland Hanna (p), Ben Tucker (b), Roy Burnes (ds)。良い意味で「地味」で「渋い」メンバーが集結したピアノ・トリオ。

ハナのピアノは総合力で勝負するタイプ。卓抜したテクニックと強烈なスイング感、流麗で耳当たりの良いアドリブ・フレーズ。良く回る指と力強くダイナミックなタッチで、ガンガン弾きまくる。基本的には、ビ・バップなスタイル。モードなんて何処吹く風(笑)。バップなピアノを引っさげて、総合力で勝負する「端正で堅実なピアニスト」の面目躍如。

タッチが明確でスイング感が抜群なので「ながら聴き」に最適なピアノ・トリオ盤で、学生時代から結構「ながら聴き」の音源として重宝させていただいています。テクニック優秀なので、聴き心地、耳当たりが良い。これが「ながら聴き」にピッタリ。何気に、バックのベースとドラムも活躍していて、隅に置けないピアノ・トリオの好盤です。

 
 

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2017年5月24日 (水曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・59

ピアノ・トリオを欲する耳になって久しい。毎日、ピアノ・トリオに耳を傾けている。ピアノ・トリオを聴き続けていると、結局、この二人のトリオ演奏に辿り着く。一人は「Bud Powell(バド・パウエル)」、もう一人は「Bill Evans(ビル・エバンス)」。どちらも、ピアノ・トリオを語る上で、絶対に外せない二人である。

今日はその外せない二人のうちの一人「Bud Powell(バド・パウエル)」のトリオ演奏を聴く。モダン・ジャズ・ピアノの父とされるバド・パウエルについては、正式なアルバムから逝去後の発掘音源まで、相当数のアルバムがリリースされている。

ちなみに、パウエルの最盛期は1940年代後半から50年代初頭にかけてとされる。しかしながら、麻薬やアルコールなどの中毒に苦しみ、統合失調症を患う50年代中期以降にも意外な好盤があるのだ。1940年代後半から50年代初頭は「煌めく」ような鬼気迫るハイ・テクニック、ハイ・テンションな演奏。しかし、50年代中期以降は味わいのある、フレーズを聴かせる様な演奏がメイン。

例えばこれ。Bud Powell『Swingin' With Bud』(写真左)。1957年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Bud Powell (p), George Duvivier (b), Art Taylor (ds)。聴けば判るのだが、程良いテンションの下、パウエルの適度にリラックスした魅力的なプレイが聴ける。唸り声も控えめ、全編に渡って破綻するところが無い。恐らく、体調面が良い時期の録音だったんだろう。
 

Swingin_with_bud_1

 
選曲も良い感じで、リラックスした寛ぎの演奏とアップテンポの電光石火な演奏とが交互に出てきますが、まずは、このリラックスした寛ぎの演奏が良い。ハイ・テクニックに走ることは全く無く、テクニックは着実な面を前面に押し出して、フレーズが良く判る、タッチのしっかりとしたプレイが良い。

逆にアップテンポの曲は、この時期には珍しく破綻することは無く、指がもつれたりすることも無い。実にしっかりとしたハイ・テク ニックで弾きまくる。しかし、鬼気迫るハイテンションなものでは無い。良い感じでリラックスした堅実なもの。だから、パウエルの紡ぎ出す、魅惑的なアドリブ・フレーズがとってもよく判る。

パウエルはビ・バップの祖の一人とされるので、パウエルの持ち味は、「煌めく」ような鬼気迫るハイ・テクニック、ハイ・テンションな演奏だ、とされることが多いが、この盤でのアドリブ・フレーズの流麗さを鑑みると、意外と味わいのある、フレーズを聴かせる様な演奏がパウエルの本質ではないのか、と思ったりする。

排気量の大きい車がゆったりと悠然とした速度で走るかの様な、実に余裕度の高い、ビ・バップなピアノです。「オブリヴィアン」「ショウナフ」「ソルト・ピーナッツ」等、パウエル十八番の演奏も聴き応えがあります。バド・パウエルが、かの有名盤『クレオパトラの夢』の前年に残した隠れ好盤です。

 
 

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2017年5月20日 (土曜日)

こんなアルバムあったんや・82

ピアノ・トリオを欲する耳になって1週間ほどが経つ。ピアノ・トリオって聞くと、響きの良い趣味の良い耳当たりの良い演奏を思い浮かべる人が多いが、ピアノ・トリオって、そんなに単純なものではない。バリバリ尖った、ジャズ者初心者の方々が聴くと、椅子から転げ落ちてしまう位の硬派な演奏もある。

そういうバリバリ尖った硬派な演奏内容のピアノ・トリオって思いを巡らした頭に浮かんだアルバムがこれである。Connie Crothers『Perception』(写真左)。1974年の録音。ちなみにパーソネルは、Connie Crothers (p), Joe Solomon (b), Roger Mancuso (ds)。リーダーのコニー・クローザースの初リーダー作になります。

このアルバムに出会ったのは、今からかれこれ5年ほど前。それでも、リーダーのコニー・クローザース以下、ドラマーもベーシストも知らない人であった。さすがは「SteepleChaseレーベル」である。侮れない。こんな女性ピアニストがいたんや。聴けば判るが、思いっきり尖って、思いっきり硬派なジャズ・ピアノを弾きまくる「奇才」である。

この人のピアノを聴いて、真っ先に頭に浮かぶピアニストが「レニー・トリスターノ」。調べたら、そもそも、リーダーのピアニスト、コニー・クローザーズはレニー・トリスターノの第2世代の子弟であったそうだ。そうでしょうね。このアルバムのピアノを聴けば絶対にそう推測しますよね。しかし、トリスターノのフォロワーであるピアニストの存在は、現代においては珍しいと言えば珍しい。
 

Connie_crothers_perception

 
加えて、よくよく聴いていると、モンクのピアノの雰囲気も入っている。間を活かしたタイム感覚はトリスターノというよりはモンクですね。トリスターノ+モンクの雰囲気で、限りなくフリーに近いメインストリームなジャズ・ピアノを展開します。

時にアブストラクトにブレイクダウンする部分もあり、ジャズ・ピアノに響きの良い趣味の良い耳当たりの良い演奏を求める向きには「ちょっと」という内容です。しかし、ジャズ・ピアノ好きには、これはこれで堪らない。聴き始めるとついつい耳を傾け、最後まで一気に聴き切ってしまいます。

ピアノ・ソロとトリオ演奏の2つの演奏形式が収録されていますが、ピアノ・ソロの方に、コニー・クローザースの個性がより露わに表現されていると思います。この盤が1970年代にリリースされた故、あまり着目されなかったのが実に惜しい。ジャズ・ピアノのスタイリストの一人として貴重な存在であったと思います。

ただ、彼女のディスコグラフィーを見直すと、このリーダー作から2012年まで、2〜3年に1枚の割合でリーダー作をリリースしていたようなので、米国ではある程度、評価されていたのかな、と安心しました。ちなみに、コニー・クローザースは惜しくも昨年8月に逝去しました。享年75歳でした。

 
 

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2017年5月19日 (金曜日)

好調ベニー・グリーンを感じる

ピアノ・トリオが聴きたい。一昨日辺りから、その欲求がかなり高まってきた。恐らく、心身が疲れてきているのだろう。昔から、心身が疲れてくると、ピアノ・トリオが聴きたくなる。特に、バリバリ弾きまくるピアノ・トリオが良い。

Benny Green『Happiness! Live at Kuumbwa』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Benny Green (p), David Wong (b), Rodney Green (ds)。 2016年6月のライブ録音。場所は、カリフォルニア州サンタ・クルーズにあるクンブワ・ジャズ・センター。リーダーでありピアニストであるベニー・グリーンのホーム・グラウンドである。

僕はベニー・グリーンのピアノが好きだ。1963年4月生まれ。今年で54歳になる。基本はバップ・ピアノ。ビ・バップな雰囲気で、テクニック溢れ、強いタッチでバリバリ弾きまくる。加えて、1963年生まれなので、ジャズの演奏傾向として、モードな演奏が得意。バリバリ、バップなピアノでモードな演奏を弾きまくる。これが爽快なのだ。

さすがにベニー・グリーンのホーム・グラウンドである「クンブワ」。雰囲気が凄く良い。冒頭のグリーンのMCに対する反応なんて、ほんと良い感じ。そんな良い感じのライブ会場で、ベニー・グリーンのトリオはのっけからリラックスした演奏を繰り広げる。
 

Happiness_benny_green

 
このリラックス度合いが絶妙で、バップなピアノはテクニックが高ければ高いほど、鬼気迫る感じで緊張を強いられがちだが、このグリーンのピアノは違う。程良くリラックスしているので、緊張を強いられることは無い。逆に、心地良いテンションが聴く耳を和ませてくれる。

前作の『Live in Santa Cruz』(2015年12月26日のブログ・左をクリック)とはうって変り、今回の新作ライブ盤はスタンダード・ナンバーが中心。

これがなかなか聴きもの。ホレス・シルヴァー、フレディ・ハバード、シダー・ウォルトン、サド・ジョーンズ、デューク・ピアソン、ウェス・モンゴメリーといった、ジャズ・レジェンド達の知る人ぞ知る、渋い佳曲が並ぶ。

好調ベニー・グリーンをビンビンに感じます。デヴィッド・ウォンのベース、ロドニー・グリーンのドラムも好調。実に良い雰囲気のピアノ・トリオのライブ盤です。好盤です。

 
 

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2017年5月18日 (木曜日)

ながら聴きのジャズも良い・20

しばらく、サックスやトランペットがフロントのカルテットやクインテットなジャズを聴き続けてきたような気がした。ちょっと耳が疲れてきたとでも言うのでしょうか。そろそろ、サックスやトランペットをお休みして、一番大好きなピアノ・トリオの盤を聴きたくなった。

といっても、このところ、なんだか心身共に疲れ気味なので、ハードなピアノ・トリオよりは、マイルドで優しいピアノ・トリオが聴きたい。が、あまりにマイルドでイージー・リスニング的なカクテル・ピアノっぽいのは逆に「イライラ」するから敬遠したい。適度に芯があって、硬派ではあるがマイルドで優しいピアノ。ということで、選んだ盤がこれ。

Eddie Higgins『Portrait In Black and White』(写真左)。1996年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Higgins (p), Don Wilner (b), James Martin (ds)。

Eddie Higgins(エディ・ヒギンス)といえば、ヴィーナス・レコードのハウス・ピアニスト。マイルドで優しい雰囲気のピアノ・トリオ盤を多数リリースしている。中にはあまりにマイルドすぎて、イージー・リスニング的なカクテル・ピアノ風になってしまっている盤もある。しかし、エディ・ヒギンスのピアノって、意外と硬派でバップなピアノなんですね。

しかしながら、ヒギンスのピアノには突出した個性が見当たらない。つまり一聴して「ああ、これは誰それのピアノだ」と判る位の個性や特徴が希薄。流麗かつ耳当たりの良いアドリブ・フレーズなので、どうしても、イージー・リスニング的なカクテル・ピアノ風に解されることが多い。でも、まともにアルバムを聴くと判るのだが、ヒギンスのピアノは硬派でバップだ。
 

Portrait_in_black_and_white_1

 
1932年生まれなので、ハードバップ時代は新進気鋭の若手、1960年代から70年代は中堅のピアニストだったはずだが、1958年の初リーダー作から、この『Portrait In Black and White』が録音されて1996年まで38年の間に、わずか12枚のリーダー作を数えるだけなのだ。如何に地味なピアノ・スタイルの持ち主なのかが理解出来る。

この『Portrait In Black and White』辺りの盤が、そんな硬派でバップなヒギンスのピアノを感じることができる好盤だと思う。聴けば判るのだが、確かに突出した個性は無い。しかし、演奏全体の雰囲気より、総合力で勝負できるピアニストであることは確かである。どこがどうってことは無いんだが、トータルで、随所随所に聴きどころが散りばめられた、破綻の無い素性の良い流麗なピアノである。

そうなれば、演奏する曲の選曲も重要な要素になってくる。そういう面では、ヴィーナス・レコードと組んだのは大正解だった。日本人のジャズ者にターゲットを絞った選曲と音作りは大正解だった。その最初の成果がこの『Portrait In Black and White』である。この盤には、ヒギンスのピアノの個性、いわゆる総合力で勝負するジャズ・ピアノという個性が十分に理解出来る。

アルバム・ジャケットも後のヴィーナス盤の様な「エロエロ」したところは無く、なかなか雰囲気のあるジャケットで良し。エディ・ヒギンスって、イージー・リスニング的なカクテル・ピアノでしょ、と敬遠する向きには、是非とも聴いて貰いたい。意外と良いですよ。

 
 

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2017年4月16日 (日曜日)

こんなアルバムあったんや・79

あまたあるジャズ・レーベル、それぞれのレーベルによって個性があって面白い。例えば、ジャズ・レーベルの中でも「やっつけ仕事」で有名なPrestigeレーベル。ジャズメンに手当たり次第に声をかけ、全てをジャズメンに任せての「一発録り」。そうやって録音した音源を適当に集めてアルバムにして発売する。

よって、アルバムによっては、録音日が異なったり、パーソネルが異なったりで、演奏内容や録音音質にバラツキがあったりで何かと評判が悪い。演奏は全てジャズメン任せになっているので、録音内容についてレーベルとしての統一感は殆ど無い。

それでも、手当たり次第に録音をしてアルバム化していったので、音源の数としては莫大なものになり、ジャズ演奏の記録として貴重なものになっている。今では、Bluenoteレーベル、Riversideレーベルと並んで「モダン・ジャズの3大レーベル」と呼ばれているくらいである。

そんな玉石混交としたPrestigeレーベルのアルバムの中には、これは、と目を見張る様な、いや「耳」を見張る様な内容のアルバムに出くわすことがある。そんなところが、このPrestigeレーベルの面白いところで、このレーベルのアルバムはカタログの順番に聴き進めていくのが面白い。
 

Jug_dodo1
 

このアルバムなんか、たまたまダウンロード・サイトを徘徊していて、見つけたアルバムで、レーベルを見れば、あれまあPrestigeレーベルのアルバムではないか。それでは、と聴いてみて「目から鱗」。とっても良い内容のハードバップ盤なのだ。正に典型的なハードバップな演奏が繰り広げられている。実に魅力的な盤である。

Dodo Marmarosa & Gene Ammons『Jug & Dodo』(写真)。May 4, 1962年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Gene Ammons (ts), Dodo Marmarosa (p), Sam Jones (b), Marshall Thompson (ds)。オールド・スタイルのテナーマン、ジーン・アモンズと伝説のバップ・ピアニスト、ドド・マーマローサの出会いの記録が貴重である。

バップなマーマローサの端正なピアノに、オールド・スタイルで唄う様なジーン・アモンズの豪快なテナーの共演が実に良い塩梅である。テクニックとか奏法とか、小難しいことは全く関係無し、それぞれの素材になる曲をベースに魅力的なアドリブを展開していく。ただそれだけなんだけど、この盤には聴いて楽しいハードバップな演奏がギッシリ詰まっている。

こんな盤が膨大なカタログの中に隠れているのだから、Prestigeレーベルは隅に置けない。ちなみにタイトルの「Jug」とは、ジーン・アモンズの愛称。LP時代のジャケット(写真左)を見ると「Jug(水差し)」と「Dodo(ドードー鳥)」のイラストがあしらわれている。これもPrestigeレーベルでは珍しい、小粋なジャケットである。

 
 

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2017年4月 8日 (土曜日)

典型的なハードバップな演奏

風邪をひいた。喉が腫れて咳が酷い。今日は一日「風邪の週末」。朝は内科へ整骨院へ。午後からはとにかく寝る。こうなってくると、なかなか薬も効かず、憂鬱な時間を過ごすことになる。

床に伏せりながらも、無音の状態は気分が塞ぐので、ジャズをBGMっぽく流しながらの寝床になる。こういう時は難しいジャズはいけない。判り易く聴き易い、典型的なハードバップな盤が良い。典型的なハードバップを耳に刺激を与えぬよう、心地良い音量で流すのだ。

今日の選盤は『Dizzy Atmosphere』(写真)。1957年2月の録音。パーソネルを見渡せば、このメンバー、親分のディジー・ガレスピー抜きの当時のガレスピー楽団。有名どころでは、Wynton Kelly (p), Lee Morgan (tp) らが参加している。演奏を聴けば判るが、ビッグバンドのアレンジを施した典型的なハードバップな演奏。
 

Dizzy_atmosphere_1

 
とりわけピアノのウィントン・ケリーが元気だ。コロコロと転がる様なフレーズを繰り出すハッピー・スインガーなんだが、そこはかとなく漂う哀愁感がたまらない、そんなケリーのピアノがこの盤には溢れている。

この盤ではホーン・セクションは皆元気である。そんな元気なホーン・セクションの中でも、とりわけリー・モーガンのトランペットが絶好調。バリバリに吹きまくる「鯔背なトランペッター」モーガン。ウィントン・ケリーの哀愁感漂うバッキングを受けて、とりわけブルージーに吹き上げるモーガンのトランペットは絶品。

この盤、僕がジャズを聴き始めた頃、LPで入手して、以来40年、聴き続けている好盤です。ビッグバンドのアレンジがメインの演奏なので、ハードバップでありながら、そこはかとなくスインギーな雰囲気や、ガレスピーが活躍したビ・バップなアドリブ展開があったりして、正統派なジャズの香りが漂う、それが魅力のエバーグリーンな好盤です。

 
 

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2017年4月 2日 (日曜日)

ガーランドの個性とスタイル

ジャズ・ピアノのレジェンドの一人、「左手のブロック・コード+右手のシングル・トーン」のシンプル・ピアノが身上のレッド・ガーランド。彼は、その個性とスタイルを生涯変えることは無かった。しかも駄作の類が無い。よって、彼のリーダー作については、どのアルバムを選択しても、それなりに彼の個性とスタイルを愛でることが出来る。

ちなみに、この「どのリーダー作をを聴いても同じ」というのは、レッド・ガーランドに対して失礼でもあるし、最高の賛辞でもある。そんな「どれを聴いても同じく」彼の個性とスタイルを愛でることが出来るリーダー作の中でも「とりわけこれは」と感じて、長年愛聴している盤が何枚かある。

『Red Garland's Piano』(写真左)。1956年12月と1957年3月の録音。早くもプレスティッジ・レーベルお得意の音源寄せ集め商法が垣間見える(笑)。それでもパーソネルは変わらない。Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。鉄壁のトリオ編成。骨太で安定感抜群のチェンバースのベース、多彩で安心感抜群のテイラーのドラムは最適なパートナーである。
 

Red_garlands_piano

 
真っ赤が基調のジャケットが印象的で、この盤は見た目にも映える。この盤は全曲、小粋な知る人ぞ知るスタンダード曲揃い。ガーランドは、こういう小粋なスタンダード曲をやらせると実に上手い。曲の持つ美しい旋律を崩すこと無く、印象的な右手のシングルトーンで紡ぎ上げ、アドリブになると左手のブロックコードを推進エンジンにして、高テクニックで弾き回す。

ガーランド・トリオの演奏は、よく「リラックスしている」と形容されるが、ゆったりとしたテンポで弾き進める曲が多いので、そういう形容になりがちだが、決して、心からリラックスして流すように弾いている訳では無いだろう。アドリブ部でのソロの交換のタイミングやテーマ部への戻りのタイミングなどでは、フッと緊張感がしっかりと漂う。この瞬間が聴いていて心地良い。

この盤は、レッド・ガーランドの2枚目のリーダー作。ビートに乗った左手のブロック・コード、その上で軽やかにメロディーを奏でる右手のシングル・トーン。そんな味とコクのあるガーランドのピアノを愛でるには、昨日ご紹介した初リーダー作と併せて聴くことをお勧めする。この2枚をもって、ガーランドの個性とスタイルを十分に感じ取ることが出来る。

 
 

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2017年4月 1日 (土曜日)

ガーランドの初リーダー作です

ジャズはいろいろな楽器、いろいろな編成、いろいろな演奏スタイルがあって、それぞれ特徴と個性があって聴いていて楽しいのだが、僕の場合、最後に戻ってくるのは、やっぱり「ピアノ・トリオ」なのだ。

ピアノの表現バリエーションが多彩で幅広であること、シンプルな構成であるが故にベースとドラムのリズム・セクションの詳細が判り易いこと、ピアノが僅かながら自分でも弾けること、この3点から、ジャズを聴き始めた頃から「ピアノ・トリオ」が大好きである。かれこれ40年、ピアノ・トリオを聴き続けていることになる。

ピアノ・トリオと言えば「レッド・ガーランド(Red Garland)」である。1923年生まれ1984年没。ジャズ・ピアノのレジェンドである。判りやすいジャズ・ピアノは、と問われれば、僕は、まず、レッド・ガーランドの名前を挙げる。ビートに乗った左手のブロック・コード、その上で軽やかにメロディーを奏でる右手のシングル・トーン。そんなシンプルな技で味とコクのあるジャズ・ピアノを聴かせてくれる。

ガーランドは、いつの時代も「自分のシンプルな演奏スタイル」を変えることはなかった。シンプルで判り易いが故に「金太郎飴的カクテル・ピアノ」と揶揄されることもあるが、「左手のブロック・コード+右手のシングル・トーン」は実に分かりやすく、実に聴きやすいのだ。
 

A_garland_of_red

 
そんなレッド・ガーランドの初リーダー作が『A Garland of Red』(写真左)。1956年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。鉄壁のトリオ編成。ガーランドのシンプルなジャズ・ピアノに、骨太で安定感抜群のチェンバースのベース、多彩で安心感抜群のテイラーのドラムは最適なパートナーである。

さて、この初リーダー作、まず選曲が抜群に良い。ラストの「Blue Red」以外、他はスタンダード曲が中心なのだが、ガーランドの「左手のブロック・コード+右手のシングル・トーン」のシンプル・ピアノが映える、小粋で判り易い旋律を持ったスタンダード曲が選曲されている。これが良い。ガーランドは自分のピアノの個性を良く理解している。

昔、判り易いことはジャズでは御法度とされた。判り易いジャズ・ピアノはカクテル・ピアノと揶揄された。しかし、このガーランドのピアノを聴いていると、決して安直でチープな演奏では無いことが判る。シンプルなピアノであるが故、いかにジャズとして聴かせるか。これにはとてもテクニックとイマージネーションが必要になる。

このガーランドの初リーダー作を聴いていると、これが「ジャズ・ピアノ・トリオ」の基本形のひとつだと確信する。ガーランドのプロフェッショナルな技を堪能することが出来る。これが初リーダー作だなんて、改めてビックリ。当時、ガーランドは33歳。遅いくらいの初リーダー作。落ち着き払ったガーランドのプレイには風格すら漂う。好盤です。

 
 

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