2023年11月 2日 (木曜日)

ジャム・バンドなジョンスコ再び

ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降、略して「ジョンスコ」)という、ほぼレジェンド級のギタリストって、フュージョン・テイストのコンテンポラリーなジャズから入って、ジャズ・ファンク、そして、ワールド・ミュージック志向なニュー・ジャズをやったり。個性的な、良い意味で「捻れた変態エレギ」を駆使して、新しいジャズ・ギターのイメージを拡げてきた。

John Scofield『Uncle John's Band』。2022年8月、米ニューヨーク州ラインベックのクラブハウス・スタジオでの録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Vicente Archer (b), Bill Stewart (ds)。円熟の「ジャム・バンド仕様」盤だった『Combo 66』(2018年4月録音)のパーソネルからピアノを抜いたトリオ編成。

デビュー当時から、メンストリーム・ジャズ、ジャズ・ファンク、ジャム・バンド、この3つの演奏トレンドを行ったり来たりして、数々の名作を送り出してきたが、今回の新盤の基本コンセプトは「ジャム・バンド」。収録された演奏曲を見ると、いやはかバラエティーに富んでいることおびただしい(笑)。こんな曲がジャズになるんや、と感心する選曲ばかりが並ぶ。これ、ほんとに凄い。全ての収録曲が見事に「コンテンポラリー・ジャズ」化されている。

1970年台のロック曲から「Mr. Tambourine Man」(Bob Dylan) から、ニール・ヤングの「Old Man」(Neil Young)、「Uncle John's Band」(Grateful Dead) 。ミュージカル曲は「Somewhere」(From West Side Story, Leonard Bernstein)。ジャズのスタンダード曲からミュージシャンズ・チューンについては「Budo」(Miles Davis)、「Stairway To The Stars」や「Ray's Idea」。そして、スウィング、ファンク、フォークなど様々な要素を取り入れたジョンスコのオリジナル曲。
 

John-scofielduncle-johns-band

 
トリオとしての演奏レベルが非常に高く、かつ流麗。今回はピアノレスだが、その効果が如実に現れている。リズム&ビートがシンプルになった分、ジョンスコの「捻れ」エレギの個性が浮かび上がる。そんなジョンスコの「捻れ」エレギが、印象的な即興フレーズを流麗に力強く弾き進めていく。

バックのリズム隊も秀逸。ジョンスコの「捻れ」エレギの個性が浮かび上がる様な、硬軟自在、変幻自在なリズム&ビートは聴き応え十分。ジョンスコとの相性も良く、フロントのジョンスコのエレギを引き立て、鼓舞する。このリズム隊があって、ジョンスコは流れるような力感溢れる即興フレーズを気持ちよく弾き進めることが出来るのだろう。

今回はCDにすると2枚組のボリューミーな意欲作。次から次へと演奏が進み、プレイバックして捨て曲がなかったのだろう。確かに全14曲、緩んだところ、マンネリなところは全く無い。ジャズ者の方々のみならず、ジャム・バンドのファンの方々にも訴求する優れたアルバム。

しかし、こういう内容のアルバムがECMレーベルから出るとはなあ。総帥プロデューサーのマンフレート・アイヒャーの許容範囲も広くなったもんだ、と感慨に耽る秋の夕暮れ、である。
 
 

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2023年9月23日 (土曜日)

ジョンスコ・ジャズの原点回帰

ジョンスコは自らの音作りについて、幾つかのスタイルの変換を経験している。スタイルの変換とはいっても、ジョンスコのギターの個性はそのままで、演奏の音志向を変換する方式なので、全く違和感の無いスタイルの変換ではある。

最初は「メンストリーム志向のエレ・ジャズ」から入って「ジョンスコ流ジャズ・ロック」、そして、1980年代前半〜中盤は「ジョンスコ・オリジナルなエレ・ファンク」にスタイルを変化させている。今日はその次のスタイルの変換のお話。

John Scofield『Flat Out』(写真左)。1988年12月の録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Don Grolnick (Hammond B-3 org), Anthony Cox (b), Johnny Vidacovich (ds, exc. 3,7,9), Terri Lyne Carrington (ds, track3,7,9)。この盤ではハモンド・オルガンを導入。ベテラン、ドン・グロルニックが担当。これは、ファンクネス増強を担うのか、と思わず身構える。

が、聴けば、その予想については完全に「肩すかし」。『Electric Outlet』から始まり、『Blue Matter』『Pick Hits Live』『Loud Jazz』の3枚の「ジョンスコ・ファンク全盛期」にて、ジョンスコ・オリジナルなエレ・ファンクを確立。さて、次はどうするのかな、と思ったら、エレギのボリュームを上げ、音色の出し方を工夫して、それまでのエレギのファンク度合いを2倍にも3倍にも引き上げたジョンスコの「ファンキー捻れギター」そのままに、ジャズの原点回帰にチャレンジ。
 

John-scofieldflat-out

 
ファンクネスはそのままだが、ファンク度は後退、アコースティック路線へと大きく変換。冒頭3曲はスタンダード曲を演奏。これも新鮮。それまではオリジナル曲がメイン、スタンダード曲はほとんど採用しなかったので、この冒頭スタンダード曲の「3連発」にはビックリした。

確実に、メインストリームな純ジャズ志向に戻りつつある雰囲気濃厚。1988年2月のジョンのコメントに「ファンク路線もそろそろ満足のいくところまできた。この次は、もう少しアコースティックなムードのジャズをプレイしたいと思っている」と発言している。その発言そのものズバリのリーダー作がこの『Flat Out』ということになる。いわゆる「ジョンスコ・ジャズ」の原点回帰である。

大きく分けて、ニューオリンズ・ジャズ志向とストレート・アヘッドな純ジャズ志向で固められた本作。ただし、ジョンスコのギター、ジョンスコの「ファンキー捻れギター」はそのままなのが「安定度抜群」。あくまで、演奏の志向を転換しただけで、ジャズ・ギターのテイストまでは絶対に変えない、というジョンスコの矜持を強烈に感じる。

実際にこの次のリーダー作『Time on My Hands』では、ストイックで硬派なメインストリームな純ジャズ志向で固めた音世界を展開することになる。そういう意味では、この『Flat Out』では、ジョンスコの「3つ目の転換点」を記録したエポック・メイキングなリーダー作、という位置づけになる。
 
 

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2023年9月17日 (日曜日)

ジョンスコのエレ・ファンク。

マイルスの下で活躍するにつれ、エレ・マイルスの洗礼を思いっ切り受けて、ジョン・スコフィールド(以降、略して「ジョンスコ」)の音志向はジャズ・ファンクへ傾倒する。

ただし、マイルスのエレ・ファンクを、そのまま真似するとマイルス御大に怒られること必至。ジョンスコは、マイルスのエレ・ファンクをベースに、ジョンスコ・オリジナルなエレ・ファンクを追求することになる。

マイルスの楽器はトランペット。マイルスのエレ・ファンクの肝はベースとドラム。ベースとドラムが重量級のファンク・ビートを醸し出して、その上にマイルスのトランペットが飛翔する。トランペットの音は基本的に切れ味良く大きい。ブリリアントでメリハリがある音で、トランペットの音は、ベースとドラムが重量級のファンク・ビートに負けない。

ジョンスコの楽器はエレギ。ギターの音は基本的に弦を弾いて出すので、トランペットに比べて音が細い。マイルスのエレ・ファンクの肝だったベースとドラムをそのまま活かすと、主役のエレギの音が負けてしまう。重量級のベースとドラムの音が目立ってしまう。

ジョンスコのエレ・ファンクへのチャレンジの証し、『Electric Outlet』と『Still Warm』『Blue Matter』の3枚で、どうも、ベースとドラムの重量級のファンク・ビートを活かす方向は、エレギが主役のジョンスコのエレ・ファンクには無理があることが判った。

John Scofield『Loud Jazz』(写真左)。1987年12月の録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Robert Aries (key), George Duke (key), Gary Grainger (b), Dennis Chambers (ds), Don Alias (perc)。
 

John-scofieldloud-jazz

 
タイトルは直訳すると「騒々しいジャズ」なんだが、この盤、フュージョン&スムース志向のエレ・ファンクが特徴の盤である。決して「騒々しい」ジャズでは無い。

『Blue Matter』で目立ちに目立ったデニチェンのドラムとグレンジャーのベースが、温和に後ろに下がって、スムースなファンク・ビートを醸し出す。そして、ジョンスコのエレ・ファンクの肝となったのは、ジョンスコ自身のエレギ。ジョンスコ自身のエレギのボリュームを上げ、音色の出し方を工夫して、それまでのエレギのファンク度合いを2倍にも3倍にも引き上げた。

不思議に「ねじれた」というか、ちょっと外れた、というか、とにかく一聴するだけで「ジョンスコ」と判る、とても個性的なエレギに、スムースなファンクネスを纏わせて、ジョンスコのエレ・ファンクを確立させている。

ジョンスコのエレ・ファンクのファンクネスは、ジョンスコのエレギが醸し出し、バックのリズム隊がそのファンクネスを支え、演奏全体に振り撒く。エレギがメインの、エレギがフロントに据わった、フュージョンでスムースなエレ・ファンクが爽やかである。

この盤にて、マイルスのエレ・ファンクをベースに、ジョンスコ・オリジナルなエレ・ファンクを確立する。ジョンスコのエレ・ファンクのファンクネスは、ジョンスコ自身のエレギが醸し出す。リズム隊はそれを支え、演奏全体に伝播する。これがジョンスコのエレ・ファンクの基本。そして、その底には、マイルスのエレ・ファンクのエッセンスが流れている。
 
 

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2023年9月 9日 (土曜日)

ジョンスコのエレ・ジャズの発展

心地良く捻れた、プログレッシヴなジャズ・ギタリスト、ジョン・スコフィールド(以降、ジョンスコと略)。1982年にマイルス・デイヴィスのバンドに参加。3年の在籍の間に『Star People』『Decoy』『You're Under Arrest』という、1980年代マイルスの傑作盤のパーソネルに名を連ねた。

このマイルス・バンドへの参加が切っ掛けで、ジョンスコのエレ・ジャズは「ファンク色」が強くなった。軽めの切れ味の良いファンクネス。エレギのエフェクトのかけ方も工夫が凝らされていて、この「ファンク色」を効果的に醸し出すエフェクトが大活躍。このエフェクトと従来からの「心地良く捻れたエレギ」のフレーズとが相まって、ジョンスコならでは、のファンク色が成立している。

John Scofield『Blue Matter』(写真左)。1986年9月の録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Mitchel Forman (key), Hiram Bullock (el-g), Gary Grainger (b), Dennis Chambers (ds), Don Alias (perc)。

マイルス・バンドの経験から、ジャズ・ファンクの肝は「ドラムとベースにある」と確信したのか、この盤では、当時、若手ドラマーの最精鋭、デニス・チェンバース(略してデニチェン)を、チョッパー・ベースの雄、ベースのゲイリー・グレンジャーを招聘している。
 

John-scofieldblue-matter

 
まず、このデニチェンの「ファンク」なドラミングがバッシバッシ効いている。ジョンスコの心地良く捻れた、プログレッシヴなエレギとタイマンが張れるほど、デニチェンのオフビートの重量級ドラミングが効きに効いて、この『Blue Matter』は、ジョンスコのエレ・ジャズの中でも、一番「ファンク色」が濃厚なアルバムに仕上がっている。

加えて、ゲイリー・グレンジャーのチョッパー・ベースが大暴れする曲では、デニチェンのドラムで色濃くなった「ファンク色」が、さらに濃厚に、1980年代当時の「デジタルチックなエレ・ファンク」の音志向が強烈に響いてくる。

このデニチェンのドラムとグレンジャーのエレベが、この盤での「ジョンスコのエレ・ジャズ」の音世界を創出している。が、このリズム隊が余りに強烈過ぎて、ジョンスコのエレ・ジャズの肝である「ファンク色」が、どこかよそ行き、他人行儀に聴こえてしまうのが、この盤の「玉に瑕」なところ。

この『Blue Matter』、ジョンスコのエレ・ジャズの中でも、一番「ファンク色」が濃厚なアルバムに仕上がっているが、ジョンスコのエレ・ジャズの最終形では無い。発展途上、最高に「ファンク色」が濃くなったところで、ジョンスコは、ジョンスコ志向のエレジャズを確立すべく、調整に入る。その成果は次作『Loud Jazz』にある、と僕は睨んでいる。
 
 

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2023年9月 6日 (水曜日)

ジョンスコのエレ・ジャズの基礎

心地良く捻れた、プログレッシヴなジャズ・ギタリスト、ジョン・スコフィールド(以降、ジョンスコと略)。そんなジョンスコの1980年代のリーダー作の落ち穂拾い。当ブログで、まだ記事化されていないリーダー作を順に聴き直している。すると、1980年代って、ジョンスコにとって、エポックメイキングな年代だったことが良く判る。

1980年代は、1982年にマイルス・デイヴィスのバンドに参加。3年の在籍の間に『Star People』『Decoy』『You're Under Arrest』という、1980年代マイルスの傑作盤のパーソネルに名を連ねた。この途方も無い「マイルス体験」が、ジョンスコの個性に、更なる魅力的な個性を積み重ねることになる。

John Scofield『Electric Outlet』(写真左)。1984年4〜5月の録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g, b), Ray Anderson (tb), David Sanborn (sax), Pete Levin (key), Steve Jordan (ds)。エレ・ジャズにトロンボーンの参加がユニークな、クインテット(5人)編成。良く見ると、ジョンスコがベースを兼任、ジョンスコ自身による「打ち込み」である。

聴けば直ぐに判るが、マイルスのエレ・バンドに参加した影響がモロに出ているのが微笑ましい。心地良く捻れた、プログレッシヴなエレギのジョンスコ、1980年代はどの方向に、自らの音の志向を持って行くのか、興味津々だったが、ちょうど良いタイミングで、マイルス・バンドに参加したようで、マイルスからの影響がとても良い方向に反映されている。
 

John-scofieldelectric-outlet

 
まずは「ファンク色」が強くなった。軽めの切れ味の良いファンクネス。エレギのエフェクトのかけ方も工夫が凝らされていて、この「ファンク色」を効果的に醸し出すエフェクトが大活躍。このエフェクトと従来からの「心地良く捻れたエレギ」のフレーズとが相まって、ジョンスコならでは、のファンク色が成立している。

続いて「強力なグルーヴ感」の醸成。ベースがジョンスコの打ち込みにも関わらず、コンピューター&デジタル臭が希薄で、強烈なグルーヴ感が生み出されているのにはビックリ。エレ・マイルスの強烈なグルーヴ感の応用とでも表現出来る、マイルスほど重力級では無いが、ソリッドでうねるようなグルーヴ感を生み出すことに成功している。

そして、マイルスの曲の作り方&組立て方の応用がみられること。絶対的にジャズをベースにしつつ、ブルースあり、ロックあり、クロスオーバーあり、ソウルあり、バラードあり、シャッフルありの、他のジャンルの音楽志向を取り込み、ジャズ化するという、ジャズの得意とする「融合音楽」をエレ・ジャズの中で実現する。これはマイルスの薫陶の中で育まれたものだろう。

このリーダー作で、ジョンスコは、ジョンスコ独自のエレ・ジャズの基礎を確立している様に感じる。エレ・マイルスのサウンド志向は、ジョンスコの「心地良く捻れたプログレッシヴなジャズ・エレギ」という個性を、更に魅力的に発展させる作用があった。そして、ジョンスコはそのエレ・マイルスのサウンド志向をジョンスコ仕様としてコンパイルし、その最初の成果がこの『Electric Outlet』。ジョンスコの捻れギターが心地良く聴ける、ジョンスコの80年代の傑作の1枚。
 
 

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2023年6月 6日 (火曜日)

メインストリームなジョンスコ

ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降「ジョンスコ」と略)は、1970年代後半から1980年代初頭にかけては、エンヤ・レコードとアリスタ・レコードの2つのレーベルを股にかけて、単独リーダー作をリリースしている。大雑把に言えば、エンヤは「メインストリーム志向」、アリスタは「ジャズ・ロック志向」のアルバム作り。1980年代以降は「メインストリーム志向」に軸足を置いていく。

John Scofield『Out Like A Light』(写真)。1981年12月14日、ドイツ、ミュンヘンのクラブ・ハーモニーでのライヴ録音。Enjaレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Steve Swallow (b), Adam Nussbaum (ds)。スティーヴ・スワローのベース、アダム・ナスバウムのドラムとのギター・トリオをフィーチャーした3枚のアルバムのうちの最後の1枚。

1981年12月12〜14日の3日間、ジョンスコは、独ミュンヘンの「クラブ・ハーモニー」でライヴを行う。その中から12日と13日がアルバム『Shinola』になり、14日のライヴから5曲をセレクトしたのが本作になる。いわゆる前作『Shinola』の続編的位置づけのアルバムになる。

当然、ジョンスコの印象は『Shinola』と同じ感じになる。ジョンスコのエレギは、従来のジャズ・ギターとは全く異なる音色とフレーズ。心地良く「捻れた」ジャズ・ギター。時には「変態ギター」と崇め奉られる、ワン・アンド・オンリーな音とフレーズ。そして、しっかりとジャズを踏まえた「ヘビメタ」エレギ。おおよそ、ジャズ・ギターらしくない、といって、ロック・ギターのコピーではない、ジョンスコ独特のエレギがこのライヴ盤で堪能出来る。
 

John-scofieldout-like-a-light

 
加えて、スワローのエレベとの相性も抜群。ジャズ・ギターらしくないジョンスコのギターを、ロック志向、クロスオーバー志向に傾ける事無く、しっかりとメインストリームな純ジャズ志向に留めているのは、スワローのエレベのフレーズ。自由度の高いモーダルで変幻自在なスワローのエレベは、しっかりと硬派にメインストリーム志向している。そのエレベに絡んで、ジョンスコのエレギが飛翔する。

ナスバウムのドラミングも見事。心地良く「捻れた」、自由度の高いモーダルなエレギとエレベのリズム&ビートをしっかりと支えているのはナスバウムのドラミング。良い意味で変態チックなエレベとエレギの邪魔にならず、しっかりとタイムリーに「リズム&ビート」をキープしサポートしているのはナスバウムのドラミングだと感じる。

このライヴ盤を録音した翌年、ジョンスコは、マイルスの下へ馳せ参じることになる。アルバム『スター・ピープル』(1983年), 『デコイ』(1984年), 『ユア・アンダー・アレスト』(1985年) に参加、マイルス・デイヴィス・グループのメンバーとして、1985年夏のツアーまで同行する。このライヴ盤のジョンスコを聴けば、マイルスがジョンスコのギターを重用したのが良く判る。

加えて、ジョンスコは、このライヴ盤をもって、Enjaレーベルからも離れることになる。マイルスの下で、マイルス流のエレ・ジャズ・ファンクに触れ、ジョンスコ流のファンクネスを身につけていく。ジョンスコのデビュー以来の初期の時代は、このライヴ盤がひとつの節目となって、次の時代へと移行する。
 
 

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2023年6月 2日 (金曜日)

ジャズ・ロック、時々純ジャズ

ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降「ジョンスコ」と略)の1970年代〜80年代のリーダー作の落ち穂拾い。1970年代後半から1980年代初頭にかけては、エンヤ・レコードとアリスタ・レコードの2つのレーベルを股にかけて、単独リーダー作をリリースしている。大雑把に言えば、エンヤは「メインストリーム志向」、アリスタは「ジャズ・ロック志向」のアルバム作りになっている。

John Scofield『Bar Talk』(写真左)。 1980年8月の録音。アリスタ・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Steve Swallow (b), Adam Nussbaum (ds)。前作『Who's Who?』から、キーボード、パーカッション、管楽器も抜いて、とってもシンプルなギター・トリオな編成。

アリスタ・レコードからのリリースなので、ジャズ・ロック志向の演奏を踏襲しているが、シンプルなギター・トリオになった分、演奏の硬派度合いが増している。ただ、ジョンスコの紡ぎ出すフレーズは、シュッとしたデコボコ流麗、ちょっと捻れたフレーズで、1980年代半ば以降のジャズ・ファンクな雰囲気や、相当に捻れた良い意味での「変態捻れフレーズ」は全く無い。
 

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まだまだ、フュージョン、若しくは、ジャズ・ロック志向のジョンスコではあるが、どこか硬派な「メインストリーム志向」の雰囲気、響きが見え隠れする。どうしてかなあ、とジックリ聴き耳を立ててみたら、スワローのベース・ラインが、意外と「尖っている」。ナスバウムのドラミングも、どちらかと言えば「コンテンポラリーな純ジャズ」な叩きっぷり。

このリズム隊の叩き出す雰囲気、フレーズが、ジャズ・ロック志向のジョンスコのエレギに「メインストリーム志向」の響きを醸し出させているのだ。なるほど、と思う。アリスタ・レコード配下でのリーダー作において、スワローのベース、ナスバウムのドラムを採用したこと自体がユニークといえばユニーク。ジョンスコのセルフ・プロデュースの度合いが高かったのかなあ。とにかく、アリスタに、スティーヴ・スワロー、そして、アダム・ナスバウムは似合わない(笑)。

演奏全体の雰囲気は、一応、アリスタ配下、ジャズ・ロック志向が基本ですが、ところどころ、本来はエンヤでやっている「メインストリーム志向」の雰囲気、響きが見え隠れするところがこのアルバムの聴きどころかと思う。そういう意味では、前作の『Who's Who?』が異色盤だったのかも。とにかく、この『Bar Talk』、ジョンスコにとって、ちょっとユニークな内容のリーダー作に仕上がっています。
 
 

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「ジャズ・ロック」なジョンスコ

ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降「ジョンスコ」と略)の1970年代〜80年代のリーダー作の落ち穂拾い。初リーダー作の『John Scofield Live』(1977年11月録音, Enja)から『Flat Out』(1988年12月録音, Gramavision)まで、15枚のリーダー作の中で、6枚が当ブログで記事として扱っていない。これを順番に聞き直して、記事をアップしていこうと目論んでいる。

John Scofield『Who's Who?』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、John Scofield (el-g), Kenny Kirkland (key), Anthony Jackson (b), Steve Jordan (ds), Sammy Figueroa (perc)。3曲目「The Beatles」と6曲目「How the West Was Won」のみ、Dave Liebman (sax) 加わり、Eddie Gomez(b), Billy Hart (ds) にベースとドラムが代わっている。

ジョンスコのリーダー作の4作目。エレギの、ちょっと変態的な捻れ具合、独特にデコボコ流麗に流れるフレーズ、ジョンスコのエレギの個性はこの盤に満載。ジョンスコのエレギの音色、フレーズ作りの個性は完全に確立されている。冒頭の「Looks Like Meringue」のエレギのフレーズを聴けば、直ぐに「ジョンスコや!」と判るくらいに、ハッキリした個性。
 

John-scofieldwhos-who

 
この『Who's Who?』は、米国西海岸のアリスタ・レコードからのリリース。演奏全体の雰囲気は明らかにフュージョン・ジャズ寄り。と言っても、硬派なメインストリーム系のクロスオーバー・ジャズな雰囲気を色濃く残していて、フレーズがデコボコ流麗、捻れてはいるが、爽快感と疾走感が全面に押し出され、ジャズ・ファンクな味付けも見え隠れし始めて、メインストリーム志向のジャズロックといった雰囲気が意外と好感度大。

バックのリズム隊も良いサポートを醸し出していて、ベースのアンソニー・ジャクソンとドラムのスティーブ・ジョーダンのコンビネーションはとてもカッチリ整っていてきめ細やか、ジョンスコのブルージー&レイジーで豪胆なエレギのフレーズの弾き回しをがっちりサポートしている。タイトル曲の5曲目「Who's Who?」を聴けばそれが良く判る。

1980年代のジャズ・ファンクな音志向は、まだ始まったばっかりの、どちらかと言えば、シュッとしたデコボコ流麗、捻れたフレーズを弾きまくったフュージョン・ギターといった風情だが、メインストリーム志向の硬派な弾き回しは随所に聴くことが出来るところは、さすがジョンスコといったところ。まだ4作目のジョンスコのリーダー作。最終的な音の志向を目指して発展途上な音作りですが、これはこれで魅力的に響いていて良好。好盤です。
 
 

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2022年7月 5日 (火曜日)

ジョン・スコフィールドの凄み

ジョン・スコフィールド(John Scofield・愛称「ジョンスコ」)のギターがお気に入りである。初めて、ジョンスコを聴いたのが1979年。確か『John Scofield Live』だった。独特の捻れたエレギの音。間と音の伸びを活かした、音のスペースが絶妙なアドリブ展開。1回聴いただけで、ぞっこん、である。

当時のジャズ・ギターの世界の中でも、ジョンスコは、ジョン・アバークロンビーと双璧の「尖ってプログレッシヴ」なジャズ・ギタリストだった。

『John Scofield』(写真左)。2021年8月、ニューヨーク、カトナ、トップ・ストーリー・スタジオにての録音。キャリア初となるソロ・アルバムになる。ECMレーベルからのリリース。ECMレーベルからのリリースは、2020年の『スワロウ・テイルズ』に続き、本作が2枚目。

このジョンスコのソロ・パフォーマンス。独特の雰囲気が漂う、唯一無二な内容。リズム&ビートは、ジョンスコ好みのコードとリズムをループ・マシンに入れて、それを使用したもののみ。即興パフォーマンスのフレーズの流れの中に、ジョンスコ独特のグルーヴが存在する。

ジョンスコの強烈に個性的なエレギの音が、延々と流れる様に、浮遊する様に広がっていく。それでいて、決してマンネリに陥らない。常に新しいフレーズ、新しい響き、新しい音色が湧き出てきて、聴いていて、とても楽しめる。
 

John-scofield-solo-2022

 
この新盤に関するインタビューの中で、ジョンスコの印象的な言葉がある。「家で一人で演奏することで身についた繊細さがあると思う」。コロナ禍の影響が窺える。その中で「バンド演奏がなくなってしまって、弦楽器の美しさをピンポイントで表現するような、より繊細なアプローチに取って代わった」とある。

そのジョンスコの言葉通りのこの新盤の音世界。ジョンスコのエレギの個性はそのままに、とても繊細にフレーズを紡ぎ、とても繊細にピッキングの表情を変えていく。このテクニックの高さも特筆すべきもの。そして、捻れた独特のフレーズの中に、濃厚に横たわる歌心。

特に、この盤では、ジャズ・スタンダード曲が秀逸。数々のスタンダード曲を独自の解釈で演奏していて、これがどの曲も素晴らしい出来なのだ。「My Old Flame」では、ループ・マシンを止めて、ジョンスコのギターだけが鳴り響く。これが、また良い。それだけでは無い。ジョンスコ自身の作曲した楽曲も良好。ジョンスコのギターの個性と独自の解釈が冴えに冴える。

ジャズとは即興の音楽である。そんな言葉をこのジョンスコの新盤を聴いて、再認識する。ジョンスコはループ・マシーンと対話しながら「即興演奏の妙」を綿々と弾き進めていく。そして、その即興演奏のフレーズが常に新しい想像力に満ちている。ジョンスコのジャズ・ギタリストとして凄みを感じる。そんな新盤である。
 
 

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2020年10月26日 (月曜日)

ジョンスコの4ビート・ジャズ

ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降、略して「ジョンスコ」)という、ほぼレジェンド級のギタリストって、フュージョン・テイストのコンテンポラリーなジャズから入って、ジャズ・ファンク、そして、ワールド・ミュージック志向なニュー・ジャズをやったり、個性的な、良い意味で「捻れた変態エレギ」を駆使して、新しいジャズ・ギターのイメージを拡げてきた。

ニュー・ジャズ志向の演奏も多々あるにも関わらず、今までに渡り歩いたジャズ・レーベルは、Enja(エンヤ)、Blue Note、Verve(ヴァーヴ)、EmArcy(エマーシー)などで、ECMレーベルでの録音が、2006年リリース(録音は2004年)の『Saudades』が初めてだったのは意外だった。そして、ニュー・ジャズの老舗レーベルで録音した盤が、意外や「メインストリーム志向」なアルバムだったとは驚いた。

John Scofield『Swallow Tales』(写真左)。2019年3月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Bill Stewart (ds), Steve Swallow (b)。キーボードレスのギター・トリオ編成。ドラムとベースのリズム隊は、レジェンド級の思索的なベーシスト、スワローと、変幻自在で柔軟なドラミングが身上のスチュワート。
 
 
Swallow-tales  
  
 
この盤のジョンスコは「メインストリーム志向」。パッキパキ硬派で4ビートが中心の「メインストリーム・ジャズ」を展開する。この盤でのジョンスコは不必要に「捻れない」。フレーズを伸ばすときに軽く捻るが、ジャズ・ファンクをやる時の様に大胆に捻れることは無い。エッジの丸い、芯の太いエレギの音色がフレーズの伸びの最後に捻れる。聴けば、やはり個性的な、唯一無二なギターである。

ニュー・ジャズっぽい、硬質で欧州的なベースを弾きまくるスワローが、意外とジョンスコとマッチするのだから、ジャズって面白い。そして、ジョンスコが4ビートなジャズをやる時、欠かさない存在になりつつある、ビル・スチュワートの4ビート・ドラミングも聴きもの。ポリリズミックな適度な手数のドラミングは新鮮な響きが満載だ。

アルバム全体の雰囲気が、ニュージャズ志向のECMレーベルぽくない音作りが意外に新鮮に響く。ジョンスコのエレギの志向に揺らぎが無いのがポイントで、その志向に応じて叩きまくスチュワートのドラミングもECMレーベルらしくなくて新鮮。そんなECMレーベルらしくないところに、ECMレーベルらしいスワローのベースが聴こえると何故かホッとするから不思議。実に聴き応えのあるECMレーベルの4ビート・ジャズである。
 
 
 

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