2022年8月12日 (金曜日)

Evans-Eubanks の素敵なデュオ

「小粋なジャズ」盤というのは、昔の、そう、ハードバップ時代のアルバムばかりが対象では無い。現代のメインストリーム・ジャズの新盤の中にも、聴き応えのある「小粋なジャズ」盤は、結構、耳にすることが出来る。ジャズの歴史100年の中で培われた「小粋なフレーズ」や「小粋な展開」を十分に踏まえて、新しいジャズを創造していることが良く判る。

Evans-Eubanks Experience『EEE』(写真左)。2022年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Orrin Evans (p), Kevin Eubanks (g)。今年47歳の中堅ピアニスト、オリン・エヴァンス。そして、今年64歳のベテラン・ギタリスト、ケヴィン・ユーバンクス。年齢差が17、フィラデルフィア繋がりのデュオ・パフォーマンス。

冒頭のジャズ・ファンクとボサノバのグルーヴが融合した様な、ユーバンクス作の「Novice Bounce」を聴けば、このデュオ・パフォーマンスがただものではないことが良く判るかと思う。時にダイナミックにメリハリのある展開を、そして、時にジェントルで流麗なギター。切れ味良く、硬質だがメロディアスなフレーズのピアノ。このギターとピアノが絶妙にユニゾンし、ハーモニーし、対峙する。上質のデュオ演奏。
 

Evanseubanks-experienceeee

 
バラード曲の「Dreams of Lovin' You」や「Dawn Marie」では、適度なテンションを保ちながら、息を吹きかける様な繊細さを伴ったユッタリとしたフレーズで、エヴァンスとユーバンクスが絶妙のインタープレイを繰り広げる。フレーズの拡がりと奥行き、そして、アップダウン。ピッタリと息の合った、スリリングで心地の良いデュオ・パフォーマンスは聴きどころ満載。

即興演奏がメインの「I Don't Know」は、ほとんどフリーでモーダルな掛け合いは実にスリリング。エヴァンスとユーバンクスのテクニックの高さを存分に活かしたインタープレイには、思わず息を吞むほどだ。音域の幅を十分に活かして、ブルージーな即興フレーズが次々に浮かんでは消えていく。このデュオの実力の高さを再認識する。

ジャズのデュオ演奏については、ジャズの歴史上、優れたパフォーマンスが多く存在するが、この2022年のエヴァンスとユーバンクスのデュオ演奏は、ジャズの歴史上の他の優れたパフォーマンスに匹敵する内容だと僕は思う。こういう優れた内容のデュオ盤が、さりげなくリリースされるとは、まだまだジャズは深化し続けている、ということを強く実感するのだ。 
 

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2022年5月29日 (日曜日)

パイプオルガンとテナーのデュオ

ジャズは楽器を限定しない。旋律が奏でられるか、リズム&ビートが取れるか、でジャズ演奏に適応する。よって、ジャズの楽器選定には、この演奏形態はこれ、とか、この演奏トレンドの時はこれ、などという楽器の限定は全く無い。2人でやるジャズ「デュオ」においても、楽器を限定することは無い。

岩崎良子 & 竹内直『Meditation for Organ & Tenor Saxophone』(写真左)。2021年の作品。ちなみにパーソネルは、岩崎良子 Ryoko Iwasaki (Pipe Org), 竹内直 Nao Takeuchi (ts)。世にも珍しい、パイプ・オルガンとテナー・サックスによるデュオ演奏である。

ジャズにおいて、パイプ・オルガンを弾いたジャズマンは、ソロ演奏としてキース・ジャレットがいるが、以外にジャズでパイプ・オルガンを採用した盤を僕は知らない。

そもそもパイプ・オルガンは、教会やクラシック・コンサートホールに設置されている訳で、可搬性は全く無い。どこでも弾けるオルガンでは無い、加えて、演奏テクニックの難度が高い。よって、ジャズにおいてはなかなか採用されない楽器である。

岩崎はジャズ・ピアニストとパイプ・オルガン奏者の「二足の草鞋」を履くベテラン・キーボード奏者。竹内は「日本のコルトレーン」と評価も高いベテラン・サックス奏者。還暦を過ぎたベテランのジャズ・ミュージシャンが、異色のデュオに挑戦している。なお、収録曲は以下の通り。
 

Meditation-for-organ-tenor-saxophone

 
1.Goldbers Variations 【J.S.バッハ】
2.Wise one 【J.コルトレーン】
3.前奏曲とフーガイ短調 【J.S.バッハ】
4.My favorite things 【R・ロジャース】
5.Veni Emmanuel (久しく待ちにし) 【聖歌】
6.Naima 【J.コルトレーン】
7.Greensleeves 【聖歌】
8.Affter The Rain 【J.コルトレーン】
9.いと高きところにいます神にのみ栄光あれ 【J.Sバッハ】
10.Crescent 【J.コルトレーン】
11.Meditation for Organ 【A.ハイラー】
12.Amazing Grace 【聖歌】
 

バッハのジャズ化、聖歌のジャズ化、コルトレーンゆかりの曲のカヴァーがメイン。いずれも「スピリチュアルな」響きが独特な楽曲ばかり。パイプ・オルガンの雄壮で大らかな響きと、肉声の如く、エモーショナルな旋律を吹き上げるテナー・サックスの響きが思いのほかマッチして、スピリチュアルな雰囲気を増幅し、敬虔な雰囲気を醸し出す。

デュオ演奏をするのに、パイプ・オルガンである必然性は無いが、パイプ・オルガンもジャズに十分適応する楽器であることが良く判る。そして、管楽器との相性も良く、意外と「イケてる」デュオ演奏である。
 
 

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2022年5月15日 (日曜日)

全く無名のギター・デュオ盤

ジャズの特質の1つが「即興演奏」。そして「インタープレイ」。3人で演奏する「トリオ」、4人で演奏するのは「カルテット」、5人でえんそうするのが「クインテット」。大人数になればなるほど、演奏家それぞれの即興演奏の特徴、インタープレイの妙が判り難くなる。そう、即興演奏の特徴、インタープレイの妙が一番判り易い演奏フォーマットが「デュオ」。2人でジャズ演奏する形態である。

ジャズ演奏って、基本的に何でもアリ、なんで、使用する楽器も何でもアリ。デュオ演奏だって、この組合せが定番といった楽器の組合せは無い。2人でジャズ演奏するので、双方、違った楽器の方が良いかと思いきや、そうでも無い。

例えば「ピアノとギター」はどちらも旋律も弾けるしコードも弾ける、という似たような特徴を持つため、音がぶつかりやすい。逆に、同じ楽器でデュオをすると、演奏はし易いのだが、同じ楽器が故に演奏が単調になりやすい。

Joachim Schoenecker & Peter Bernstein『Dialogues』(写真)。2010年の作品。ちなみにパーソネルは、Joachim Schoenecker, Peter Bernstein (g)。ギタリスト同士のデュオ演奏になる。ピーター・バースタインは、1967年、米国NY生まれ。ヨアヒム・シューネッカーは、1966年、ドイツ生まれ。同年代の中堅ギタリスト同士のデュオになる。
 

Joachim-schoenecker-peter-bernsteindialo

 
ギター2本、つまり同じ楽器のデュオなので、まず、下手をすると演奏方法自体がぶつかる可能性がある。これは決め事を事前に申し合わせて、事前回避することが出来る。

逆に「同じ楽器が故に演奏が単調になりやすい」部分については、デュオ演奏する双方のギター・テクニックに依存する。演奏表現の引き出しが少ないと単調になる。しかし、この2人の同年代の中堅ギタリストについては、この「テクニックと表現の引き出し」については全く問題が無い。

収録曲を見渡すと「Gone With The Wind」「How Deep Is The Ocean」「Stella by Starlight」などのハードバップ時代の定番曲とオリジナル曲を織り交ぜた構成で、バップ定盤曲では、2人のギタリストのスタンダード曲の解釈とアレンジの妙を感じることが出来、オリジナル曲については、2人のギタリストの演奏テクニックを堪能することが出来る。

テンションの張った、丁々発止と「即興演奏とインタープレイ」を繰り広げる、白熱のデュオ演奏だが、その音は優しく、心地良くスイングする。双方のギタリストの出すフレージングが実に小粋で飽きが来ない。全く無名のデュオ盤ではあるが、この盤に詰まっているギター2本のデュオ演奏は『Dialogues』というタイトル通り、二本のギターで楽しんで対話している様な「ハイレベル」なもの。好盤です。
 
 

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2022年5月13日 (金曜日)

中山英二 meets Don Friedman

今年の5月の千葉県北西部地方は、例年になく天気が悪い。とにかくスカッと晴れない。「五月晴れ」というが、今年の5月はこのスカッと晴れ渡った「五月晴れ」にお目にかかったことが無い。今日も朝から雨。外に散歩に出ることも叶わず、家に留まることになる。そういう時は「ジャズ」を聴く。しとしと静かに降る雨を見ながら聴くジャズは「デュオ」が良い。

中山英二 meets Don Friedman『Conversation』(写真左)。1986年4月18日、東京での録音。ちなみにパーソネルは、Eiji Nakayama/中山英二 (b), Don Friedman (p)。伝説の日本人ベーシスト、中山英二と、硬質で切れ味の良い「ビル・エヴァンス」ライクなピアノ、ドン・フリードマンのデュオ演奏。フリードマンが、中山とのデュオで日本各地を回るというツアーのために来日。その折にレコーディングされたのが本作。リーダーは中山英二。

中山英二は、エルビン・ジョーンズ率いるリズムマシーンに参加したり、1991には「中山英二 ニューヨークカルテット」を結成したり、ローランド・ハナとデュオ活動をしたりと、かなりの実績のある日本人ベーシスト。当ヴァーチャル音楽喫茶『松和』のブログでも、2013年3月14日のブログで、中山のリーダー作『AYA'S SAMBA / アヤのサンバ』を取り上げている。
 

Meets-don-friedmanconversation

 
ピアノが前面に出て、バックでベースがしっかり支えると言ったデュオ演奏ではなく、ベースとピアノが対等に渡り合った、素晴らしいデュオ演奏である。中山英二のベースは、骨太でソリッド。ブンブン重低音を鳴り響かせて、メロディアスなフレーズを連発する。フリードマンのピアノも好調。硬質で切れ味良く、耽美的でリリカルな個性的なピアノをバンバン弾きまくる。

それでいて、お互いにお互いの音をしっかり聴きつつ、それぞれの個性を前面に押し出したインタープレイを展開するのだから、意外と迫力がある。ピアノとベースのデュオ演奏で、この盤の様な、ベースとピアノが対等な立場に立ったインタープレイの応酬といった内容はあまり無いので、最初は聴いて耳新しくて「おおっ」と思う。しかし、じっくり聴いていると、ベースとピアノが対等な立場に立っている分、デュオ演奏として、その内容はとても「濃い」。

中山のベースを再評価するのに良い機会となるデュオ盤。フリードマンのピアノも申し分無い。このデュオは「即席」ではなく、1986年~90年の間に、4年間、6回のツアーを行い、加えて、この『Conversation』の翌年に、2枚のスタジオ録音盤を残している。とても息の合った、相性の良いデュオ。フリードマンは2016年に鬼籍に入っているので、このデュオの再会セッションの機会が潰えているのがとても残念である。
 
 

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2022年4月27日 (水曜日)

ジョアンと川崎の小粋なデュオ盤

最近、ジョアン・ブラッキーンのソロ・ピアノ盤を聴いたこともあって、ジョアンのリーダー作を幾つか聴き直した。振り返ってみれば、ジョアンのピアノって、意外と自分のお気に入りやったんやなあ、ということが判った。意外と枚数を聴いている。そして、そのアルバム探しの中で、まだ聴いたことの無いアルバムに出くわした。

Joanne Brackeen & 川崎燎『Trinkets and Things』(写真)。1978年8月13日の録音。日本でのLP発売時のタイトルが「フェア・ウェザー」。ちなみにパーソネルは、Joanne Brackeen (p), Ryo Kawasaki/川崎燎 (g)。ジョアンと川崎とのデュオ盤になる。

どういう経緯でデュオ演奏をするに至ったかが判らないが、録音当時、エルヴィン・ジョーンズやギル・エヴァンスとのコラボで知られる川崎と、ジャズ・メッセンジャーズ唯一の女性メンバーだったジョアン・ブラッキーンの邂逅の記録である。

ジョアンは録音当時40歳、川崎は31歳。どちらも中堅に差し掛かる、一番、ジャズ演奏家としてノリに乗った時期のデュオ盤なので、内容はしっかりしている。演奏テクニックについて、かなり高度なものをもっている両者なので、デュオでのインタープレイの応酬は聴き応え十分。スリリングな一面あり、双方ピッタリ寄り添うような一面あり、硬軟自在、変幻自在、丁々発止のやり取りは聴いていて爽快です。
 

Trinkets-and-things_1

 
ジョアンが弾きまくる。川崎とのデュオなので、捻ったところやユーモア溢れる展開はちょっと控えめ。逆に、モーダルでオリジナリティー溢れるフレーズをバリバリ弾きまくる。思い切りのあるエネルギッシュなフレーズはまさに「男勝り」。こういう、ジョアンの様なピアノを聴くと「痛快」である。ジャズの世界では男も女も関係無いなあ、と改めて思う。あるのは「クールでヒップな」演奏なのかどうか、だけ。

川崎も弾きまくる。川崎のギターの音源については、あまり数が無いので、なかなかじっくりと聴き込む事が出来ないのだが、この盤は違う。川崎のギターの音をテクニックを十分に聴くことが出来る。アコギもエレギもとにかく上手い。速弾きも難なくこなし、アドリブ・フレーズは歌心満点。しっかりとしたテンションの中、流麗なフレーズをガンガン弾きまくる。しかし、上手い。渡辺香津美と比べても劣らない、素晴らしいギターである。

バリバリ弾きまくるジョアンとガンガン弾きまくる川崎。どちらも高速フレーズをバンバン出しまくるのだが、どちらもお互いの音をしっかり聴きながら、瞬時に応答フレーズを返し、高速なユニゾン&ハーモニーを展開する。音がぶつかることが無く、バックに回った時のリズム&ビートも小洒落に供給する。

意外と言っては失礼だが、内容充実のピアノ&ギターのデュオ盤。今まで聴いたことが無かった分、新しい気分で聴けたが、特に、川崎燎が、こんなに格好良く素敵なギターを弾きまくるとは思わなかった。小粋なデュオ盤に出会ったと感謝している。
 
 

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2022年4月 9日 (土曜日)

コンテンポラリーなデュオ演奏

Denny Zeitlin(デニー・ザイトリン)。「医師とジャズ・ピアニスト」という二足の草鞋を履く異色の人物。しかも、医師は医師でも精神科医。これは異色中の異色な存在。本業である精神科医の仕事をこなす傍ら、プロのピアニストとしての活動も続けてきたザイトリン。しかも双方の仕事において、それぞれ一流の域に達していたと言うのだから凄い。ザイトリンは1938年の生まれ。今年で84歳になる。もはやベテラン中のベテラン、伝説の域である。

ザイトリンのタッチは深く、しっかりと端正に弾きまくる様はエバンス・ライクな個性なんだが、アドリブ・フレーズが全く異なる。アドリブ・フレーズが流麗では無いというかメロディアスでは無い。ザイトリンのアドリブ・フレーズはゴツゴツしていて変幻自在。柔軟性が高く、幾何学模様の様なカクカクしたフレーズ。セロニアス・モンクの様な、ちょっとアウトドライブする突飛なフレーズ。エバンスのアドリブ・フレーズは流麗だが、ザイトリンのアドリブ・フレーズは幾何学模様。

Denny Zeitlin & George Marsh『Telepathy』(写真左)。2021年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、Denny Zeitlin(p, hardware & virtual, synth, key), George Marsh(ds, perc)。ザイトリンとマーシュのデュオ演奏。そんなデュオ演奏について、2014年〜2019年に録音された音源を集めた盤。2人が共演した「The Moment (2015) 」『Expedition (2017)』に続く3作目のアルバムになる。
 

Telepathy_denny-zeitlin-george-marsh

 
パーカッションやドラムセット、アコースティック・ピアノや多くのキーボード、シンセサイザー、コンピューター等の電子機器を使用した、コンテンポラリーな「ニュー・ジャズ」志向のデュオ演奏は、新しい響き、新鮮な響きが満載。アコースティックに拘らない、21世紀の現時点での「楽器」を駆使した、新しい響きのデュオ演奏は聴き応えがある。アルバムの宣伝キャッチには「即興エレクトロ・ミュージック」とあるが、確かに「言い得て妙」である。

電子楽器を駆使した即興デュオが素晴らしい。特に、マーシュのドラム&パーカッションがデュオ演奏のリズム&ビートを積極的にコントロールしている。そのリズム&ビートの上をザイトリンのキーボードが様々な表現をもって即興展開する。アドリブ・フレーズが幾何学模様に展開するところなどは圧巻ですらある。シンセサイザーをはじめとするキーボード系の電子楽器が、これほどの表現力を持っているとは、改めて感心した。ザイトリンの電子楽器に関する理解力が相当に深いのだろう。

緩んだところや冗長なところが全く無い、適度にテンションを張った、切れ味の良い即興デュオ演奏である。スピード感も適度にあって、収録曲14曲があっという間。デュオ演奏なので、お互いに出す技やフレーズが枯渇して、曲が進むにつれ、マンネリに陥ることがあるが、このデュオ演奏にはそれが全く無い。イマージネーション豊かで多彩な技を備えた極上のデュオ演奏である。
 
 

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2022年1月31日 (月曜日)

エリントンとブラウンのデュオ盤

パブロ・レーベルには、ハードバップ時代に「ありそうで無かった」メンバーのカップリングが多数ある。加わて、この人がこんな編成の演奏するの、とビックリする企画ものもある。フュージョン全盛期の1970年代に活発に活動したレーベルで、メインストリーム系のジャズ・レーベルからすれば「逆風」の時代ではあるが、純ジャズ・ベースの内容の濃いアルバムも多数リリースしているから立派。

Duke Ellington & Ray Brown『This One's for Blanton』(写真)。1972年12月5日の録音。パーソネルは、Duke Ellington (p), Ray Brown (b)。全編に渡って、ジャズ界きっての巨匠、デューク・エリントンとジャズ・ベースの「ヴァーチュオーソ」の1人、レイ・ブラウンとのデュオ演奏である。この組合せ、パブロ・レーベルでないと成立しないだろう。総帥プロデューサーのノーマン・グランツに感謝、である。

ジャズ界きっての巨匠、デューク・エリントンであるが、最晩年の1971〜73年の間、パブロ・レーベルに、自分のオーケストラを離れ、単独のピアニストとして、5枚のリーダー作を録音している。あまり注目されていないようだが、どのアルバムもピアニスト・エリントンの個性を十分に反映していて、聴き応えのあるものばかり。
 

This_ones_for_blanton

 
このレイ・ブラウンとのデュオ盤も内容は非常に濃い。パーカッシブで硬質なタッチで、音間に「黒いファンクネス」が漂い、ブルージーな右手の「スクエアに流麗な」旋律、という、エリントンのピアノの個性が手に取るように判る。加えて、レイ・ブラウンが、いかに「ヴァーチュオーゾ(卓越した技巧をもつ演奏家)」レベルのベーシストであったかが、手に取るように判る。

エリントンのピアノについては、音数は比較的少なく、バリバリ弾きまくる訳でもない。スクエアにスイングしつつ、間を活かした、流麗で「タメ」のあるアドリブ・フレーズは唯一無二。どこから聴いても「エリントン」な、どこから聴いても「エリントン」と判る個性的なピアノが、ブラウンの卓越したベース・ラインに乗って、乱舞する様はいつ聴いても鳥肌の立つ思い。

エリントンの唯一無二な個性的なピアノを、もっと聴きたかったなあ、と強く思わせる、素敵な内容のデュオ盤。出しゃばらず、エリントン御大を素晴らしいテクニックのアコースティック・ベースでサポートするレイ・ブラウンも素敵。それまでありそうで無かったパブロのデュオ盤。ジャケットもまずまずで、おすすめの名盤です。
 
 
 
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2021年11月 8日 (月曜日)

スティープルチェイスのフリー盤

ジャキー・マクリーン(Jackie McLean)は、前進するアルト・サックス奏者だった。ハードバップ前期に第一線に躍り出て、人気ジャズマンとして、多くのリーダー作、サイドマンとしての参加作を残した。そして、ジャズの演奏スタイルの深化と多様化の時代に入ると、ハードバップから、モード、フリーと、変化を恐れず、演奏スタイルを自らが変化させていった。

Jackie McLean & Michael Carvin『Antiquity』(写真左)。1974年8月16日、コペンハーゲンでの録音。Steeplechaseレーベルの SCS 1028番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as, p, vo, bamboo-fl, bells, temple block, perc), Michael Carvin (ds, vo, temple block, bells, bamboo-fl, kalimba, perc)。マクリーンとカルヴィンがマルチ奏者として、デュオ演奏に臨んでいる。

マイケル・カルヴィンは、米国ヒューストン出身のジャズ・ドラマー。1970年辺りから頭角を現した「遅れてきた」純ジャズなドラマー。そのパフォーマンスは、当時の先端を行く正統なジャズ・ドラミング。しかし、当時、ジャズは斜陽の「ポップス音楽」となっていて、その優秀なドラミングがほとんど話題にならなかったのは気の毒であった。
 

Antiquity

 
マクリーンとカルヴィンがマルチ奏者して演奏しているので、基本は多重録音。グループでの一発録りの「切れ味とスピード感」に欠けるのは仕方の無いこと。但し、どちらも演奏テクニックは極上の一流ミュージシャンなので、録音されたパフォーマンスは水準点以上。特に、マクリーンの本業のアルト・サックス、カルヴィンの本業のドラムについては、その演奏内容は申し分無い。

この盤に詰まっているジャズは「フリー・ジャズ」そして「スピリチュアル・ジャズ」。1960年代のマクリーンのフリー・ジャズへのチャレンジはお世辞にも成功しているとは思えない演奏もあったが、この盤では、既にフリー・ジャズは一定の成熟を迎えているので、その成功例を基に、マクリーン&カルヴィンはまずまずのフリー・ジャズを展開している。が、どこか「安全運転」風な感じがするのは、多重録音であるが故の弱点かもしれない。

2人のボーカルも入っていて、その雰囲気は「スピリチュアル・ジャズ」。まあ、これはご愛嬌。スティープルチェイスの「スピリチュアル・ジャズ」は、どこか寝ぼけたようなボーカルが入っていることが多くて、これについては、Nils Wintherのプロデュースには疑問符が付くなあ(笑)。欧州ジャズらしいといえば、欧州ジャズらしい安全運転の「フリー・ジャズ」。あまり尖っていない分、どこか物足りなさが残る。
 
 
 
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2021年10月27日 (水曜日)

ステイシー・ケントのデュオ新盤

最近、ジャズ・ボーカルの新盤がなかなか内容があって好調である。男女ともに充実した内容の新盤が相次いでリリースされていて、なかなかに楽しい今日この頃である。特に、内容的には、コンテンポラリーな純ジャズ的雰囲気で、旧来のボーカル盤には無い、現代のアレンジ、現代の唄いっぷりで、新鮮で小粋な出来になっている。

Stacey Kent『Songs From Other Places』(写真左)。2021年9月のリリース。ちなみにパーソネルは、Stacey Kent (vo), Art Hirahara (p)。1997年のレコード・デビュー以来、日本でも高い人気を誇る女性ヴォーカリスト、ステイシー・ケントの新盤になる。

ステイシー・ケント。米ニュージャージー州出身、英ロンドンを拠点に活躍しながら、2007年ブルーノート・レコードと契約、国際レベルで活躍している。そんなステイシー・ケントの新盤は、父親が日系2世、母親が日本人というサンフランシスコ出身の実力派、アート・ヒラハラのピアノ伴奏だけをバックに綴られたデュオ盤になる。
 

Songs-from-other-places_1

 
ピアノとボーカルのみというシンプルな編成だが、実に味わい深いボーカル盤に仕上がっている。ステイシー・ケントの個性である「独特の可憐な歌声とナチュラルな歌心」が、ピアノのみの伴奏という環境から、前面に押し出されている。とにかくキュートでナチュラルでシンプルな歌唱は聴いていて、心に沁みて、しみじみと耳を傾けてしまう。

選曲も良い。とりわけ、Fleetwood Mac『Landslide』、Paul Simon『American Tune』、The Beatles『Blackbird』など、ロック&ポップスの名曲のカヴァーが実に良い。ステイシー・ケントの唄いっぷりがバッチリ決まって、聴いていて心地良いことこの上無し、です。特に『American Tune』には、しみじみしてしまう。

ライヴで伴奏を担当する夫であるジム・トムリンソンは、今回、プロデュースに専念しているが、このプロデュースがバッチリ填まっている。コロナ禍という環境の中、自宅でのレコーディングが主とのこと。ピアノの音も人工っぽいのだけれど、これは録音環境の問題で仕方が無い。が、この盤、そんな音質云々は関係無く、聴き応えのあるコンテンポラリーな純ジャズ・ボーカル盤として仕上がっていて立派だ。
 
 
 
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2021年10月21日 (木曜日)

ベネット=ガガのデュオ第2弾

ジャズは「融合の音楽」ではあるが、異なる音楽ジャンルのミュージシャンがタッグを組んで、新しいジャズを創造する、っていう「異種格闘技ライクな人系の融合」は意外と少ない。1970年代のクロスオーバー&フュージョン・ジャズの流行期にも、ロックのミュージシャンとジャズのミュージシャンがタッグを組んで名盤を生み出した、というケースは、にわかに思い浮かばない。

7年前、Tony Bennett & Lady Gaga『Cheek To Cheek』がリリースされた時はビックリした。レディ・ガガといえば、過激で華やかなダンス・ポップの第一人者の1人。トニー・ベネットは、男性ジャズ・ボーカリストのレジェンド。そんな2人がタッグを組んで、ジャズ・ボーカルのデュエット盤を制作したのだ。売らんが為の「キワモノ」か、と思った。

が、これが実に出来が良かった。ガガのボーカルに本格的なジャズ風の側面があること、そして、レジェンド級のボーカリスト、トニー・ベネットが、異種格闘技風の女性ボーカルとのデュエットに完全適応したということ。異なる音楽ジャンルのクリエイティヴなボーカリストがタッグを組んで、予想もしなかった「化学反応」を引き起こしたのだ。

とにかく、この全く予想だにしなかったデュエットにはビックリ。そして、ダンス・ポップなボーカルが出てきたらどうしよう、と思っていたので、ガガの正統派なジャズ・ボーカルにビックリ。ガガのボーカルのポテンシャルに感心することしきり。
 

Love-for-sale-1

 
Tony Bennett & Lady Gaga『Love For Sale』(写真左)。2021年10月のリリース。前作『チーク・トゥ・チーク』より7年、トニー・ベネットとレディ・ガガが再度タッグを組み、2枚目となる共作ジャズ・アルバムをリリースした。それも、こってこて正統派ジャズ・ボーカルなデュエットである。本作は、コール・ポーターの音楽の世界をベネットとガガがデュエットでクリエイトしている。

ジャズ・ボーカルの曲として、手垢の付いた大スタンダード曲であるコール・ポーターの楽曲をチョイスするとは大胆な、と思ったのだが、聴いてみると、見事なデュエット歌唱で、コール・ポーターの楽曲を唄い上げていく。特にガガの歌唱は素晴らしい。前作よりも、余裕と深みのある唄いっぷりが実に「粋」である。

ベネットって何歳になったんや、と思って確認したら、1926年生まれなので、今年でなんと「95歳」。ガガはと言えば「35歳」。歳の差60歳。しかし、この歳の差60歳のデュエットは端正で正統派、躍動感と歌心に満ちている。どの曲がどう、というレベルでは無い。収録されたどの曲も小粋で素晴らしいデュエットである。

このデュエット盤を聴くと、音楽って年齢じゃないな、と改めて思う。歳の差60歳。音楽の才能とセンスの邂逅。ベネットもガガも音楽家として立派である。
 
 
 
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