2022年6月22日 (水曜日)

CASIOPEA 3rdとしての音の変化

正統派フュージョン&バカテクのバンドであるカシオペア(CASIOPEA)。2006年にすべての活動を一旦休止。2012年にCASIOPEA 3rd(カシオペア・サード)として活動を再開。活動再開と同時に長年のオリジナル・メンバーであった、キーボード担当の向谷の脱退を受け、その後任として、大高清美の加入により現在の形態になる。ギターが野呂一生、ベースが鳴瀬喜博、キーボード大高清美、そしてドラムが神保彰(サポート)の4人編成。

フュージョンというよりは、ロック色が色濃くなり、ボンヤリ聴いていると「これってプログレッシブ・ロック」って思ってしまうほど。バカテクのプレグレ、という雰囲気。恐らく、大高のキーボードが、今回、さらに「キース・エマーソン」風になっているということ。成瀬と神保のリズム隊が、大高のキーボードに呼応して、ロックっぽくなっていること。それらが大きく作用している。

CASIOPEA 3rd & INSPIRITS『『4010』 Both Anniversary Gig』(写真左)。2017年12月24日、東京「EX THEATER ROPPONGI」にてのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 神保彰 (ds, サポート)。ISSEI NORO INSPIRITS と、CASIOPEA 3rd & INSPIRITS 両バンド・メンバーによる白熱のライヴを収録している。

2017年のライヴ音源。カシオペアとしては、2012年に「CASIOPEA 3rd」として再出発して、5年目のライヴ・パフォーマンス。直近のT-スクエアは、スムース・ジャズ化していったのだが、CASIOPEA 3rd は、ジャズ・ロック化していったようだ。
 

Casiopea-3rd-inspirits4010-both-annivers

 
このライヴ音源を聴いてビックリしたのが「CASIOPEA 3rdとしてのバンド・サウンドの変化」。CASIOPEA 3rd 結成当初の「バカテクのプレグレ」から、ポップなジャズ・ロック志向に変化しているように感じる。切れ味鋭い、バカテクな正統派フュージョン・ジャズとしてのカシオペアの面影はほぼ無くなっている。

大高のキーボードが前面に押し出される割合が増えているのが理由だろう。ポップなジャズ・ロック化が悪いといっているのではない。CASIOPEA 3rdとなって、再びサウンドが変化し、加えて「バカテク」という要素が後退、オリジナル「カシオペア」の音世界がほぼ払拭されたサウンドに変化した、ということである。長年の「カシオペア」者の方々の中には、この変化を「良しとしない」向きもあるだろうな。それほど、大きくサウンドは変化している。

サポートメンバーとして活動に帯同してた神保が、2022年5月28日のビルボードライブ大阪公演をもって卒業。新メンバーを補充して、CASIOPEA 3rd としての活動は継続するそうだが、新メンバーを迎えて更に、CASIOPEA 3rdとしての音世界は変化するだろう。

T-スクエアといい、カシオペアといい、時代の流れに伴う「変化」だから仕方が無いこととは言え、デビュー当時からずっと聴き親しんできた僕としては、このバンド・サウンドの変化について、どこか寂しい印象は拭えない。あの頃の音はアルバムで聴き返すしか無いんだろうなあ。
 
 

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2022年6月18日 (土曜日)

日本人独特のエレ・ファンク

SOIL &“PIMP”SESSIONS。「ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ」と読む。2001年、東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンが集まり、「ステージと観客の間の壁を壊す」という明確な目的のもと、結成された日本の6人組ジャズバンド。そんなSOIL &“PIMP”SESSIONSの新盤が出た。

SOIL &“PIMP”SESSIONS『LOST IN TOKYO』(写真左)。2022年6月、約2年半振りのオリジナル盤をリリース。バンドのホームでもあるビクター・スタジオ(Victor Studio 302st)で行われたスタジオ・セッションの記録。ちなみにパーソネルは、タブゾンビ (tp), 丈青 (p), 秋田ゴールドマン (b), みどりん (ds) 社長 (Agitator) 。

この新盤は「東京」をテーマにしたコンセプチュアルな企画盤。思い入れのある街の地名などをもじったタイトルのもとに展開されるインスト楽曲がズラリと並ぶ。ジャズを基軸にしつつ、レアグルーブ、ジャズファンクからアシッドジャズまで、幅広く取り入れたバンド・サウンドが個性なのだが、この新盤では、ジャズに力点を置いて、純ジャズ基調のエレクトリック・ジャズといった風情。
 

Soil-pimp-sessionslost-in-tokyo

 
このバンド特有のグルーヴ感が堪らない。エレ・ジャズだからといって、フュージョン・ジャズ基調かと言えば、そうでは無い。この新盤を聴き進めて行くと、ふと「マイルス・デイヴィスのエレ・ジャズ」を想起する。マイルスのエレ・ジャズは重量級のど・ファンクだったが、この「ピンプ」のエレ・ジャズは、軽快で切れ味の良い、日本人独特のライトなファンクネスを湛えたビートが基本で、爽快で躍動感のあるグルーヴ感がぐいぐい迫ってくる。

独特のグルーヴ感に乗って、ダンサフルでキャッチャーな演奏がズラリと並ぶ。特に、このバンドの自作曲は旋律がキャッチャー。印象的な曲が多く、旋律がキャッチャーなだけに、途中、フリーに展開したり、アブストラクトにブレイクしても、聴いた後の「後味」は爽快であり、良いジャズ聴いたな〜、って印象に落ち着くのだ。

コンテンポラリーな現代のエレ・ファンクとして、聴き応えのある新盤。現代の和ジャズのレベルの高さを再認識する。意外と純ジャズ志向の演奏の流れが実に「硬派」に響いて、聴き応え満点。米国のエレ・ファンクとは全く異なる、日本人独特のエレ・ファンクというところがニクい。現代エレ・ファンクの優秀盤。
 
 

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2022年5月13日 (金曜日)

中山英二 meets Don Friedman

今年の5月の千葉県北西部地方は、例年になく天気が悪い。とにかくスカッと晴れない。「五月晴れ」というが、今年の5月はこのスカッと晴れ渡った「五月晴れ」にお目にかかったことが無い。今日も朝から雨。外に散歩に出ることも叶わず、家に留まることになる。そういう時は「ジャズ」を聴く。しとしと静かに降る雨を見ながら聴くジャズは「デュオ」が良い。

中山英二 meets Don Friedman『Conversation』(写真左)。1986年4月18日、東京での録音。ちなみにパーソネルは、Eiji Nakayama/中山英二 (b), Don Friedman (p)。伝説の日本人ベーシスト、中山英二と、硬質で切れ味の良い「ビル・エヴァンス」ライクなピアノ、ドン・フリードマンのデュオ演奏。フリードマンが、中山とのデュオで日本各地を回るというツアーのために来日。その折にレコーディングされたのが本作。リーダーは中山英二。

中山英二は、エルビン・ジョーンズ率いるリズムマシーンに参加したり、1991には「中山英二 ニューヨークカルテット」を結成したり、ローランド・ハナとデュオ活動をしたりと、かなりの実績のある日本人ベーシスト。当ヴァーチャル音楽喫茶『松和』のブログでも、2013年3月14日のブログで、中山のリーダー作『AYA'S SAMBA / アヤのサンバ』を取り上げている。
 

Meets-don-friedmanconversation

 
ピアノが前面に出て、バックでベースがしっかり支えると言ったデュオ演奏ではなく、ベースとピアノが対等に渡り合った、素晴らしいデュオ演奏である。中山英二のベースは、骨太でソリッド。ブンブン重低音を鳴り響かせて、メロディアスなフレーズを連発する。フリードマンのピアノも好調。硬質で切れ味良く、耽美的でリリカルな個性的なピアノをバンバン弾きまくる。

それでいて、お互いにお互いの音をしっかり聴きつつ、それぞれの個性を前面に押し出したインタープレイを展開するのだから、意外と迫力がある。ピアノとベースのデュオ演奏で、この盤の様な、ベースとピアノが対等な立場に立ったインタープレイの応酬といった内容はあまり無いので、最初は聴いて耳新しくて「おおっ」と思う。しかし、じっくり聴いていると、ベースとピアノが対等な立場に立っている分、デュオ演奏として、その内容はとても「濃い」。

中山のベースを再評価するのに良い機会となるデュオ盤。フリードマンのピアノも申し分無い。このデュオは「即席」ではなく、1986年~90年の間に、4年間、6回のツアーを行い、加えて、この『Conversation』の翌年に、2枚のスタジオ録音盤を残している。とても息の合った、相性の良いデュオ。フリードマンは2016年に鬼籍に入っているので、このデュオの再会セッションの機会が潰えているのがとても残念である。
 
 

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2022年4月30日 (土曜日)

スクエアの転換点となった重要盤

フュージョン・ジャズ全盛時、日本のフュージョン・ジャズ・バンドについては、カシオペアとこのスクエアが2大人気バンド。カシオペアがバカテクでクロスオーバー・ジャズ志向のフュージョンな音世界がウリ、スクエアは、ポップ&ロック志向の親しみ易いフュージョン・サウンドな音世界がウリ。どちらも甲乙付けがたく、TPOに応じて聴き分けていた様な気がする。

THE SQUARE『Rockoon』(写真左)。1980年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、安藤正容 (g), 伊東たけし (sax), 久米大作 (key), 中村裕二 (b), 青山純 (ds), 仙波清彦/せんバきヨひコ (perc), 古原正人 (vo)。キーボードが宮城純子から久米大作、ドラムがマイケル河合から青山純に交代。メンバーチェンジを経た7人の新体制で録音されたアルバム。

このアルバム『Rockoon』は、ポップ&ロック志向の親しみ易いフュージョン・サウンドに磨きがかかった、スクエアならではの音世界。米国西海岸のフュージョン志向な音作りから、ポップ&ロックの音の要素に軸足を移した「過渡的な内容」。印象的なボーカル曲が3曲もあり、そのボーカル曲の存在も、ポップ&ロックの音の要素を強調するのに一役買っている。
 

The-squarerockoon

 
冒頭のタイトル曲「Rockoon」を聴けば、確かにそれまでの前3作とは音の作りが全く異なるのが判る。ほとんど「AORなロック」である。TotoやJourneyを想起する様な、エレギ中心のハードなAOR風。英語の歌詞がつけられた「Really Love」「Come Back」「It's Happening Again」、3曲のボーカル曲の存在がそのイメージを加速させる。この盤にだけ参加した、青山純のドラミングが、この「ポップ&ロックの音の要素に軸足を移す」のに大きく貢献している。

3曲目「Tomorrow's Affair」の日本語タイトルは「トゥモロー」。TBS系列ドラマ『突然の明日』のテーマ曲。T-SQUARE名義のオーケストラ・アレンジ盤『Harmony』では、当曲のオーケストラとの共演を聴くことが出来る。雄大な音拡がりと高揚感が素晴らしい、スローテンポの曲であるが、キャッチャーでポップなフレーズは、いまにもスクエアらしい。

いわゆる「脱・米国西海岸フュージョン」。この『Rockoon』を契機に、スクエアは「日本独自のフュージョン」を推し進めていくことになる。カシオペアは「米国西海岸フュージョンから国際化フュージョン」を推し進めていく訳で、ここで、カシオペアとスクエアは、音の志向が全く異なるバンドとなったのだった。
 
 

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2022年4月20日 (水曜日)

「バンクシア・トリオ」の2nd.盤

雑誌Jazz Lifeの「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事に載っている2021年度の新盤を順番に聴き進めているのだが、最近の傾向として、和ジャズの充実度が高くなっている。10年ほど前は、女性ジャズ・ミュージシャンの新盤ばかりがもてはやされ、なんとなくバランスが悪かったのだが、最近はそのバランスの悪さも是正され、和ジャズ全体のレベルアップが顕著になってきた。

Takashi Sugawa Banksia Trio『Ancient Blue』(写真左)。2021年の作品。ちなみにパーソネルは、須川崇志 Takashi Sugawa (ac-b, el-b, cello), 林 正樹 Masaki Hayashi (p), 石若 駿 Shun Ishiwaka (ds, perc) = 須川崇志 バンクシア・トリオ。日本人ベーシストの中堅、須川崇志が率いる「バンクシア・トリオ」のセカンド盤になる。(ファースト盤『Time Remembered』については、2020年1月28日のブログ参照

出てくる音は、従来の米国のネオ・ハードバップでも無ければ、ネオ・モードでも無い。どちらかと言えば、現在のECMレーベルから出てくる「現代のニュー・ジャズ」に近い響きである。ECMレーベルの音作りのコンセプトである『沈黙の次に美しい音』 では無いが、即興演奏がメインのピアノ、ベース、ドラム、それぞれが対等の立場に立った、自由度の高いインタープレイ。
 

Ancient-blue_takashi-sugawa-banksia-trio

 
トリオを編成する各人の高い演奏テクニックが前提になる自由度の高い、それでいて、しっかりとした構成度の高いインタープレイ。ポジティヴで骨太で多彩な表現力が魅力の須川崇志のベース。知的でリリカル、響きが豊かな林正樹のピアノ。イマージネーション豊か、変幻自在、硬軟自在な石若駿のドラム。この演奏力の高い3者が織りなすアンサンブル。非常にレベルの高い演奏に思わず引き込まれる。

思えば、このトリオを構成する3人が同等に「バンクシア・トリオ」独特の音をクリエイトしているのだろう。テンションが適度に効いていて、決して「甘く」無い。流れる様ではあるが「麗しく」は無い。黄昏時の仄かな陽射しの様な、ブルージーで耽美的でリリカル、そして、どこか寂寞感とミステリアスな雰囲気が漂う欧州ジャズ的な響き=「Blueな響き」と僕は解釈している。

このところ、ECMレーベルの最近の新盤を聴いていたのだが、このバンクシア・トリオの演奏は、ECMがプロデュースする、現代のコンテンポラリーな純ジャズに勝るとも劣らない、現代のメインストリーム系純ジャズの先端を行く演奏になっている。こういう演奏が「和ジャズ」の範疇からリリースされることに、ちょっとだけ「誇り」を感じる。
 
 

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2022年4月 1日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・233

去る3月8日、我が国のレジェンド級ベーシストの鈴木勲さんが、新型コロナウイルス感染症による肺炎のため川崎市の病院で逝去された。享年89歳。渡辺貞夫さんのグループなどで演奏。ドラマーのアート・ブレイキーに見込まれて渡米し共演。他にもセロニアス・モンク、エラ・フィッツジェラルドら著名ミュージシャンと共演した実績がある、我が国のジャズ・レジェンドであった。

僕がジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半、鈴木勲さんは既に帰国し、TBM(スリー・ブラインド・マイス)からリーダー作を多数リリースしていて、僕にとって、日本のジャズ・ベーシストといえば、鈴木勲さんだった。とにかく、鈴木さんのベースは骨太でブンブン鳴る。リズミカルでグルーヴ感溢れるベースラインは、聴いていると自然と体が揺れるほどだった。

鈴木勲『Blow Up』(写真左)。1973年3月29, 30日の録音。ちなみにパーソネルは、鈴木勲(b), ジョージ大塚(ds), 水橋孝(b), 菅野邦彦(p, Fender Rhodes)。ベーシスト鈴木勲がリーダーのトリオ盤。1973年度 スイング・ジャーナル ジャズ・ディスク大賞 日本ジャズ賞を受賞。ピアノ・トリオ編成と、水橋のベースを加えて、ダブル・ベース+ピアノ+ドラムの変則カルテット編成。 


Blow-up_isao-suzuki

 
冒頭の「Aqua Marine」、出だしから鈴木勲のボウイングが炸裂する。日本人ベーシストらしい、ピッチのしっかりあった、ストレートな、変な揺らぎの無いボウイングの音色。途中、フリーにブレイクしたりするが、基本はメンストリームなモード・ジャズ。菅野のフェンダー・ローズの独特な音色が実に良い。ジョージ大塚の抑制された、緩急自在なドラミングが良い。

2曲目の「Everything Happens To me」では軽快なスイング感が良いし。タイトル曲「Blow Up」は水橋孝を加え、超絶アップ・テンポでのダブルベースの迫力が凄い。もはや、モードというよりは「ファンク」である。

そして、この盤、とても音が良い。ベーシストのリーダー作らしく、鈴木勲のベースの音がとても生々しく捉えられている。3曲目「 I Can't Get Started(言い出しかねて)」での、鈴木勲のチェロのピチカートなど、凄く生々しく録音されている。

1970年代前半の日本の純ジャズ、演奏の成熟度、余裕度という点では、まだまだ発展途上かなとも思うが、ファンクネス希薄な、切れ味の良い、適度にテンションを張ったモーダルな演奏のレベルは高い。録音も良く、ジャケットも良い。演奏良し、録音良し、ジャケ良しの3拍子揃った日本ジャズの名盤の一枚です。
 
 

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2022年3月12日 (土曜日)

川崎燎の硬派なエレ・ジャズ盤

1970年代以降に活躍した、我が国出身のジャズ・ギタリストと言えば、渡辺香津美、増尾好秋、それから・・・。渡辺、増尾ときて、後が続かないのだが、僕は「川崎燎(かわさき りょう)」の名前を覚えている。

川崎燎は学生時代から、プロのジャズ・ギタリストとして活躍。1973年、単身にて米国に渡り、ニューヨークを拠点に活動を展開。ギル・エヴァンス・オーケストラ、エルヴィン・ジョーンズ、チコ・ハミルトン、テッド・カーソンといった有名ジャズマンのバンドに起用され、アルバム&ツアーに活躍。僕がジャズを本格的に聴き始めた、1970年代の終わり頃には、結構、人気のクロスオーバー系のギタリストだった記憶がある。

しかし、それ以降、川崎の名前はフェードアウトし、そう言えばどこへいったのか、と思っていたら、ジャズ・バレエの音楽監督を依頼されたことがきっかけで、バルト三国のエストニアに移住、首都タリンをベースに活動しているとのこと。あまりリーダー作を出しているほうでは無いので、川崎のエレギに触れる機会が少ないのが残念な現状である。

川崎燎『Nature's Revenge』(写真)。1978年3月の録音。ちなみにパーソネルは、川崎燎 (g), Dave Liebman (ts, ss), Alex Blake (el-b). Buddy Williams (ds, perc)。川崎のギターとディヴ・リーヴマンのサックスがフロントのピアノレス・カルテット編成。川崎燎の、独MPSレーベルに吹き込まれた優秀盤である。

録音された時期がフュージョン全盛期なので、フュージョン・ジャズかな、とも思ったんだが、録音したレーベルがバリバリ硬派なジャズ・レーベル「MPS」なので、そんなことは無いか、と思って聴いたら、やっぱり、硬派でコンテンポラリーな純ジャズ志向のエレクトリック・ジャズだった。
 

Natures-revenge

 
加えて「MPS」はドイツのレーベル、演奏の雰囲気は「欧州的」。日本人ジャズらしく、ファンクネス薄めでアーティスティックな雰囲気を色濃く持つ秀作である。

川崎のギターは「ペンタトニックを基調とした」個性的なフレーズが魅力。個性的な音は一度聴いたら忘れられない位に独特。激しいアブストラクトに傾くフレーズは「大人しいジミヘン」、ソフト&メロウなフュージョン風の演奏は「ファンクネスを薄めたベンソン若しくはウエス」、8ビートで疾走する演奏は「和風ラリカル」。それでいて、仄かに捻れて音が濁るところが、如何にもジャズらしい。

バックのメンバーも好演に次ぐ好演なんだが、やはり、特に、デイヴ・リーヴマンのサックスが冴え渡っている。とにかく良い音で鳴っている。ストレートに伸びたブロウ、テクニックに優れた速吹き、情感溢れるバラード演奏。この盤でのリーヴマンは絶好調。スラップなブレイクのエレベも端正でソリッドなベース音が心地良く、タイトでロック・テイストなウィリアムスのドラミングも見事である。

さすが欧州はドイツの硬派なジャズ・レーベル「MPS」での録音、当時流行の「ソフト&メロウ」な聴き心地の良いフュージョンな演奏に留まっていないのが素晴らしい。内容的には、コンテンポラリーな純ジャズ志向のエレクトリック・ジャズ。

欧州ジャスの環境がそうさせるのだろう、ファンクネス薄めで、乾いたグルーヴ感が気持ち良い、上質のオフビートが印象的。日本人によるコンテンポラリーな純ジャズ志向のエレ・ジャズの秀作として、一聴をお勧めしたい好盤です。
 
 

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  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

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  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

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  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

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2022年3月11日 (金曜日)

増尾好秋『Masuo Live』を聴く

最近、増尾好秋のリーダー作をちょくちょく聴いている。増尾好秋といえば、僕はジャズを本格的に聴き始めた頃、1970年代後半では、既に、日本発、世界に通用するフュージョン・ギタリストとして、渡辺香津美と並んで我が国では「人気ギタリスト」的な存在だった。

増尾はコンテンポラリーな純ジャズ志向のジャズ・ギターから入っている。とあるコンテストにて、渡辺貞夫に認められ、1968年1月、渡辺貞夫のバック・ギタリストとして初レコーディングを経験している。ソニー・ロリンズのバック・バンドにパーマネント・メンバーとしても活動。

しかし、1970年代後半には、キングレコード傘下のフュージョン・レーベル、エレクトリック・バードの第一号アーティストとして契約。1980年代前半までは、フュージョンのギタリストとして人気を博した。1990年代辺りから、コンテンポラリーな純ジャズ志向な音世界に戻ったが、1980年代後半以降、しばらくプロデューサー業に集中していた。

この「プロデューサー業」に集中していた時期、特に1990年代から2008年までが良く無かったのか、2010年代は増尾はミュージシャン活動に100%戻っているが、世間では「増尾って誰?」という感じで、ベテラン・ジャズ者の方々の中には「ああ、増尾って、明るくハッピーなエレギを弾くフュージョン野郎ね」などと、偏った意見を述べたりする方もいるから困ったものだ。
 

Masuo-live_1

 
増尾好秋『Masuo Live』(写真)。1980年2月9日、東京厚生年金会館でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Yoshiaki Masuo, Motoaki Masuo (el-g), Victor Bruce Godsey (el-p, org), T.M. Stevens (el-b), Robbie Gonzales (ds), Shirley (perc, syn)。

フュージョン時代の増尾好秋のライヴ盤であるが、この内容を聴けば、先の「明るくハッピーなエレギを弾くフュージョン野郎ね」は、ちょっと的外れな評価と言わざるを得ない。凄くパワフルで疾走感溢れる、ガッツリ硬派でノリノリ、とびきりハイテクニックなエレギにビックリする。

これが増尾のエレギの本質かぁ、と心から感心する。ライヴでこそ、そのジャズマンの真価が分かる、というが、このライヴ盤の増尾がその好例である。「ソフト&メロウ」なフュージョン野郎はこのライヴにはいない。ガッツリ硬派でとことんパワフルなエレギであるが、弾きまくるフレーズに「歌心」がしっかり宿っているのが素晴らしい。

バックのメンバーも凄い。まず、T.M.スティーブンスのチョッパー・ベース(スラップ奏法)が冒頭から飛ばしまくる。ロビー・ゴンザレスのドラムも凄い。疾走感溢れる叩きまくり。それでいて五月蠅くない。ビクター・ブルース・ガッジーのキーボードも良い。全く「ソフト&メロウ」では無い、疾走感溢れ、歌心満載、増尾のエレギに挑みかかるような、意欲的なキーボード。

このライヴ盤、フュージョン・ジャズという切り口でのみ解釈するのには無理がある。途中、無調で静的なフリー・インプロビゼーションがあったり、アブストラクトにブレイクダウンしたりで、従来のメインストリーム系のエレ・ジャズが持つ要素も兼ね備えていて、このライヴ盤は、どちらかと言えば「コンテンポラリーな純ジャズ」志向のフュージョンと解釈した方が良い、と僕は思う。
 
 

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2022年3月10日 (木曜日)

増尾のネオ・ハードバップ志向盤

和ジャズの「隠れ優れもの盤」を探しては聴いている。和ジャズは、権利関係の問題なのか、なかなか音楽のサブスク・サイトに、一部を除いて、アルバム・データがアップされずにいて、なかなか気軽に聴くことが出来ない環境が長く続いていた様に思う。

最近、やっと、和ジャズについても、過去の音源含めて、少しずつ、サブスクにアップされつつあって、この機会に「隠れ優れもの盤」を見つけては楽しんでいる。

Yoshiaki Masuo(増尾好秋)『Are You Happy Now』(写真左)。1996年2月and 5月のNY「The Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Yoshiaki Masuo (g), Larry Goldings (org), Lenny White (ds)。増尾のギターがメイン、オルガン+ドラムのトリオ編成。

増尾については、1970年代のフュージョン・ジャズ全盛期の時代から、彼のギターは折につけ、リーダー作は聴いてきた。特に、フュージョン時代の増尾のアルバムについては、ちょうど僕がジャズを本格的に聴き始めた頃にも重なって、大学近くの喫茶店でよく聴かせてもらった記憶がある。

明るい明確なトーンで、ハッピーなフレーズを弾く増尾は爽やかで、その卓越したテクニックを基に、意外と硬派なフレーズを弾くところが、お気に入りだった。そんな増尾が1996年にオルガン+ドラムを引き連れて、トリオで録音した盤がこの『Are You Happy Now』である。
 

Are-you-happy-now_1

 
パーソネルを見ると、オルガンに、現在では押しも押されぬ、人気ジャズ・オルガニストの1人である、ラリー・ゴールディングスと、ドラムに、大ベテランのフュージョン系ドラマーのレニー・ホワイトの名前が目を引く。このパーソネルを見ると、その内容の充実が感じられて、聴く前から楽しみになる。

内容的には、コンテンポラリーな純ジャズ。フュージョン・ジャズでは無い。増尾のエレギが「ネオ・ハードバップ」志向のフレーズを連発していて聴き応えがある。そして、オルガンの若きゴールディングスが、増尾の明るい、ハッピーなエレギに呼応して、明朗でポジティヴなオルガン・パフォーマンスを披露している。

そんな明るくハッピーな「ネオ・ハードバップ」風のフロント(ギター+オルガン)のパフォーマンスを、レニー・ホワイトのドラミングが、安定したリズム&ビートを供給し、演奏全体のグルーヴをコントロールしている。意外と、このホワイトのドラミングが演奏全体に好影響を与えていて、アルバム全体の雰囲気を良い感じに「締めている」。

また、ベースレスのトリオ演奏なので、どうすんのかな、と思って聴き耳を立てていたら、ギターがソロを執る時はオルガンとドラムがベースラインをバッキング、オルガンがソロを撮る時はギターとドラムがベースラインをバッキングするというやり方で、ベースレスを全く感じさせない、かつ、アルバム全体のリズム&ビートがを軽快な雰囲気している。

軽快でハッピーなギター+オルガンのトリオ演奏である。テクニックも高度で、アルバム全体の内容も聴きどころが満載。増尾の「ネオ・ハードバップ」志向な「優れもの盤」だと思います。
 
 

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2022年3月 9日 (水曜日)

森園の「国際性」溢れる2nd.盤

3月に入って、やっと春らしくなってきた。昨日の様に急に冷え込む日もあるが、これも東日本以北のこと。東大寺二月堂の「お水取り」が終われば、大阪以西は「春」。関東以北は、春分の日を過ぎても雪の積もる日があるので、本格的な「春」については、4月上旬にならないとその実感が湧かない。

春になると、ジャズ盤の選盤志向も変わってくる。陽射しが強くなり、朝が早くなり、世の中がパッと明るくなった様な気分になる。気持ちがポジティヴになる。すると、ジャズ盤の選盤も、フュージョン・ジャズの好盤に手が伸びるようになる。ソフト&メロウな8ビートのフュージョン・ジャズは、春の陽気に良く似合う。

森園勝敏『Cool Alley』(写真左)。1979年の作品。我が国のフュージョン・レーベルだった、エレクトリック・バード・レーベル(キング傘下)からのリリース。

ちなみにパーソネルは、森園勝敏 (el-g, vo), 中村哲 (key), Larry Knechtel (ac-p), Harvey Newmark (b), Jim Keltner (ds), マック清水 (per), 中村裕美子 (vo), Chuck Findley, Ollie MitchellI (tp), George R. Bohanon (tb), Jackie Kelso (as)。当時、流行の「LA録音」になる。パーソネルを見渡すと、現地の優秀なスタジオ・ミュージシャンがガッチリとサポートしている。

我が国が世界に誇るプログレバンド「四人囃子」のギタリスト、森園勝敏のセカンド盤。1954年2月生まれの森園は当時25歳。しかし、この盤では、LAの現地ミュージシャンをバックに、堂々としたギター・プレイを聴かせてくれるから頼もしい。
 

Cool-alley

 
エンジニアのジェフ・サイクスは、森園のギター・プレイに「インターナショナルな」響きを感じた、という。つまり、森園のギターは、ワールド・ワイドに通用する、ということ。

この盤での森園のプレイを聴けばそれが良く判る。森園のギターでしか出せない音がてんこ盛り。唯一無二、オリジナリティー溢れる音色&フレーズ。バックがLAの現地ミュージシャンでほぼ固めている、

ということもあって、この盤は日本で制作された、いわゆる「メイド・イン・ジャパン」なフュージョン・ジャズでは無く、ワールド・ワイドに通用する、インターナショナルなフュージョン・ジャズが展開されている。

冒頭「Thunder God(雷神)」では、日本人には似つかわしくない、ラテンのリズムにシンセが唸るジャズ・ロックがバッチリ決まっている。ワールド・ワイドなテクニックを披露する3曲目「Stickshift」、, 女性ヴォーカルと自身のヴォーカルをフィーチャーした(これがまずまず決まっていてホッとする・笑)AORフュージョンの4曲目「Promise Me The Moon」など、当時の日本製フュージョン・ジャズにない演奏の数々に思わず耳を奪われる。

LA録音が良い方向に作用した好例。とりわけ、米国の有名エンジニアの協力の下、録音から最終的なマスター作りまで全てをLAで完了させたことが「大正解」だったと僕は思う。この盤には、ワールド・ワイドで、当時の「クール」なフュージョン・ジャズがぎっしり詰まっている。
 
 

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