2014年10月19日 (日曜日)

突然に The Band のライブ音源

僕が敬愛して止まない「The Band(ザ・バンド)」。米国ルーツ・ロックの伝説的バンドである。オリジナル・メンバーとしては、1967年から1976年にかけて活動。1983年にロビー・ロバートソン以外のメンバーにて再結成。1999年まで活動した。

ザ・バンドの、ロックをベースに、カントリー・ミュージック、フォーク、R&B、ゴスペルといった米校ルーツ・ミュージックの要素を反映させた音楽性は、まさに米国ルーツ・ロックの源とも言える。オリジナル・メンバーでのバンドの解散が1976年なので、今年で既に38年が経過したことになる。が、今でも色褪せない音世界は、米国ルーツ・ロックの範でもある。

今年、そんなザ・バンドのライブ音源が突如としてリリースされた。The Band『Carter Baron Amphitheater, Washington DC, July 17th 1976』(写真左)である。邦題は『ライヴ・イン・ワシントン1976』。1976年7月17日にワシントンのCarter Barron Amphitheatreで行われたコンサートの模様を収録したものである。

1975年、傑作『Northern Lights - Southern Cross(邦題:南十字星)』をリリースしたザ・バンドではあるが、この傑作はギター担当のロビー・ロバートソンの意向が前面に出たアルバムで、グループ・サウンドとしての「和」は失われていた。それでも、このアルバムは傑作で、1975年、ロックの曲がり角的な時代に、ザ・バンドの存在を再認識させた。

しかし、リリース後のツアーが、リチャード・マニュエルの交通事故による怪我でキャンセルになり、翌1976年6月にツアーを開始したもののメンバー間の関係悪化などで、満足いくツアーが行うことが出来なかった。この不調だったツアーがオリジナル・メンバーでのバンドの解散の直接原因となった。そんな曰く付くのツアーのライブ音源である。
 

The_band_washington_dc_live

 
今まで眠っていたライブ音源である。過度な期待は禁物と思いつつ聴いてみたが、やはり、既にリリースされているライブ音源である『ロック・オブ・エイジス』やボブ・ディランとの『偉大なる復活』での単独のライブパートに比べると、一段落ちる内容。

まず、演奏が荒い。シンプルではありながら、緻密でハイテクニックな演奏がザ・バンドの特徴なのだが、さすがにこのライブ音源の音は荒い。バンド全体のアンサンブルもざらざらしていて、ぴったり息の合ったバンド演奏という感じでは無い。メンバーそれぞれのパフォーマンスは可も無く不可も無くというレベルだろうか。

収録された曲も、前年にリリースされた『Northern Lights - Southern Cross』からの曲は当たり前として、その他の曲は、1968年リリースのファーストアルバム『Music From Big Pink』と1969年リリースのセカンドアルバム『The Band』からの曲がほとんどを占める。

この演奏された曲の選曲からも、当時のザ・バンドの厭世観漂うマンネリ状態、バンドの中の不協和音が見てとれる。ポジティブなクリエイティブ感覚が潰えれば、バンドの活力は萎え、バンドのポテンシャルは急低下する。そんな状態に陥りつつあるザ・バンドの状態が演奏の向こうに見えるようだ。

まあ38年を経てのリリースなので、過度な期待は出来る無い様では無い。まず、ザ・バンドを知らない、若きロック者の方々には、このザ・バンドのライブ盤はお勧め出来ない。ザ・バンドの演奏力がこんなものか、と思われたくないのである。ザ・バンドのマニアにとっても、一度は聴いてみる価値はあるものの、恐らく、愛聴盤にはならないだろうと思われる。

ザ・バンド者にとって、38年経って、なんとも悩ましいライブ音源をリリースしたものである。それでも、ゲットしてしまうんだなあ。ザ・バンドの音楽に惚れた弱みである(笑)。

 
 

震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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2011年6月26日 (日曜日)

ザ・バンドの「1st.アルバム」

ザ・バンド(The Band)。1970年代ロックのグループを見渡してみて、あまり、メジャーなバンドではない。特に、日本では知る人ぞ知る、玄人好みのロック・バンドである。しかし、その音楽性ゆえ、1970年代以降のロック・ミュージシャンからは一目置かれ、リスペクトの対象となっているバンドで、いわゆる「ミュージシャンズ・ミュージシャン」である。

そんなザ・バンドのファースト・アルバム『Music From Big Pink』(写真左)は、サイケデリック真っ盛りの1968年リリースの、ロックの歴史にその名を残す「伝説の大名盤」である。

冒頭の「Tears Of Rage」の前奏を聴いて、これは今までのロック・アルバムとは違うという、とんでもない「違和感」を感じる。この「違和感」を喜びと感じるか、感じないかで、ザ・バンドに対する評価が決まるような気がする。

ワウ・ワウ・ペダルやテープ・ループを全く用いず、オルガンやフィドル、マンドリンが前面に出てくる、「アメリカン・ルーツ・ミュージック」の融合の様な、伝統的な音の作り。シンプルで、無骨なようで繊細、緻密なようで良い意味で「スカスカ」、ドスンと腹に染み入るような重心の低いリズム。どれもが素晴らしい、奇跡的な内容のアルバムです。

ロビー・ロバートソン、ベーシストのリック・ダンコ、ピアニストのリチャード・マニュエルが全11曲を提供していて、どの曲も素晴らしい出来だ。ホントに、どれも甲乙付けがたい素晴らしい曲、素晴らしい演奏内容である。これって、ロック界ではこれって結構、奇跡的な事ではないか。

どこから見ても、偏りの無い、バランスの取れたアルバムとなっている。中でも、マニュエルは2曲でヴォーカルを担当する他、もの悲しいオープニング「Tears of Rage」をボブ・ディランと共作している。このバランスの良さが、このアルバムを「完全無欠」で「類い希な」伝説的アルバムにしている。

シンプルで、渋くて、落ち着いていて、トラディショナルで、それでいて古くなく、演奏テクニックは抜群で、歌心があって、スピード感もあり、バラードは情感タップリ。当時「これがロックなのか」と唸りに唸ったのを覚えている。
 

Music_from_big_pink

 
そりゃあそうで、後で知ったことなんだが、このザ・バンドって、当時から、ミュージシャンズ・ミュージシャンだったそうで、今でも若手ロック・バンドの連中からも「リスペクトの対象」であり続けているいる、凄いバンドなのだ。

米国人1人+カナダ人4人という構成ながら、彼らは米国人以上に「古き良き米国」を理解していた。その楽曲とサウンドはアメリカのルーツを掘り下げたものであった。彼らの唄い上げる世界は実に落ち着いていて優しい、今や失われてしまった「古き良き米国」の姿そのもの。

彼らの音は「アメリカン・ルーツ・ミュージック」の数々の要素を演奏のベースとしているが、1970年代において、完全な「アメリカン・ルーツ・ロック」を表現していたバンドは、この「ザ・バンド」だけである。そういう意味では、最近トレンドとなって来た「アメリカン・ルーツ・ロック」の源と言えるだろう。

ザ・バンドの音楽は「アメリカン・ルーツ・ミュージック」を融合させた「アメリカン・ルーツ・ロック」と言えるものであり、当時スワンプと呼ばれた米国南部指向のロックとは明らかに一線を画した、唯一無二のオリジナリティー溢れるサウンドは、ザ・バンドだけのものであり、だからこそ、今でも、若手ロック・ミュージシャンから目標とされる「伝説のロック・バンド」であり「アメリカン・ロックの最高峰」であり続けている。

ミュージシャンズ・ミュージシャンとして、今なお、多くのロック・アーティストからリスペクトの念を持って扱われている「ザ・バンド」。カナダ人4人とアメリカ人1人が見た、感じた「米国の原風景」がアルバムの中に散りばめられています。

このファースト・アルバムを体験して、それまでの音楽的な価値観が変わっちゃった人、結構、いるんじゃないかと思います(僕もそうです)。嗜好が合えば「とことん聴き込んでしまう」そんなアルバムですね。

有名な話では、クリームで過激なロック・インプロビゼーションをやっていたエリック・クラプトンがこのファースト・アルバムを聴いた途端、今までの自分を捨てて、スワンプ一辺倒に鞍替えしたという逸話があります。とにかく、スワンプやサザン・ロック、1970年代クラプトンが好きな人は、一度、聴いてみて下さい。きっと気に入るというか、「こんなロックがあったんや」と、ちょっとした衝撃を受けると思います。

 

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2011年4月 2日 (土曜日)

70年代米国ルーツロックの終焉

The Bandは僕に大のお気に入り。70年代ロックで好きなバンドを挙げろ、と言われたら、1に「The Band」、2に「Led Zeppelin」、3に「King Crimson」かな。それほど、The Bandが好きで、今でも、自分でロック/バンドをやるなら、The Bandの様なバンドをやりたいと思っているほどだ。

The Bandは、70年代ロックの中では異質な存在で、確かに、70年代初頭に頭角を現した「スワンプ・ロック」との関連性については良く問われるが、僕はThe Bandは「スワンプ」では無いと思っている。The Bandは「スワンプ・ロック」以上に米国ルーツ・ミュージックの取り込みが多く、その米国ルーツ・ミュージックの要素を上手くロックのイディオムに収斂している。そういう意味で、The Bandは、現代の米国ルーツ・ロックの源と位置づけた方がしっくりくる。

そんな米国ルーツロックの源、The Bandは、オリジナルメンバーとしての活動は1976年で終えている。その「解散コンサート」が、1976年11月25日、サンフランシスコのウィンターランドで催された。そのタイトルは「Last Waltz」。

その解散コンサートの様子を押さえたライブ盤が、1978年4月にリリースされた。当時LP2枚組だった。途中、このLP2枚組の収録曲にボートラを加えたCDバージョンが発売されたりしたが、現時点で正式リリースとしての決定盤が『The Last Waltz (2002 album)』(写真左)。

巷ではコンプリート盤とされるが、実際は「コンプリート盤」では無い(何曲かの欠け落ちがある)。それでも、LPオリジナルのバージョンからすると、24曲もの未発表曲及び、リハーサルなどの音源をプラスした、CD4枚組のボックス・セット仕様に加えて、初出し写真満載の80頁ブックレット付きという構成なので、The Band者としては、垂涎ものの決定盤である。
 
The_last_waltz

 
この「Last Waltz」は、ゲストミュージシャンが豪華絢爛ではあるが、LPバージョンでは、ゲスト毎に1曲のライブ・パフォーマンスを原則として収録されていたので、はっきり言って「食い足りない」印象は強くあった。まあ、本当の意味でのコンプリート盤では無いが、この、CD4枚組のボックス・セット仕様の 『The Last Waltz (2002 album)』は、The Bandの解散コンサート「Last Waltz」の決定版だろう。

この『The Last Waltz (2002 album)』の内容については、ネットの中で語りに語られているので、検索エンジンを駆使して、その内容の素晴らしさを確認して頂きたい。
 
簡単にその内容に触れると、このThe Band の解散コンサート「The Last Waltz」は、70年代の米国ルーツ・ロック&フォーク・ロックを総括する一大イベントだった。錚々たるゲスト・ミュージシャンが名を連ね、演奏を披露している。どのミュージシャンもどの演奏も70年代という時代を彩るものばかりで、米国ルーツ・ロックのファンは狂喜乱舞状態になること請け合い。

僕がThe Bandのファンになった時、The Bandは解散宣言をし、結局、The Bandとはリアルタイムな時期を過ごしたことは無かった。そして、The Band解散後に出てきた、The Bandのライブ・パフォーアンスの決定版。僕が70年代ロックの中で一番お気に入りのバンドは、唯一、リアルタイムで過ごしたことのないThe Bandだったんですよね〜。ちなみに、僕にとっては、実に印象深いライブ盤で、The Bandのライブバンドとしての力量が遺憾なく発揮されていて、The Bandに対して、心の底から忠誠心を感じましたね〜。
 
ラスト・ライヴが「豪華ゲストを招いてのイベントライヴ」。米国ルーツ・ロックの源The Bandにとっては、豪華すぎるほどの設定ではあるが、ゲストの演奏が、それぞれ全て、The Band仕様のルーツ・ロックな雰囲気になっているのには、改めて驚いた。それだけ、The Bandの演奏は、米国ルーツ・ロックとしての個性が強く、影響力が強かったということだろう。米国ルーツ・ロックを語るに、The Bandは決して外せない。
 
 
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2011年1月20日 (木曜日)

荒ぶるワイルドな「The Band」

我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」。秋から冬にかけてのブームは「The Band」。
  
事の発端は、高校3年生の晩秋に遡る。文化祭の後、好きな女の子に振られ、受験勉強の拠り所を無くした松和のマスターは、やけになって持てる小遣いを叩いて、LPを2枚買う。一枚は、なぜか、オフコースの「Song Is Love」。そして、もう一枚は「The Best Of The Band」。これがまあ、どちらも僕にとっては「大当たり」。
 
特に、The Bandには感じ入った。こんなロックがあったのかと思った。それまでは、プログレ小僧であり、ゼップ小僧であり、サザンロック野郎だった。が、ここで、生まれて初めて、米国ルーツ・ロックに出会い、これぞ、自分の感性にピッタリ合ったロック・バンドだと確信した。その確信は、今でも変わらない。
 
最近、このThe Bandについては、ファースト・アルバムの『Music From Big Pink』とセカンド・アルバムの『The Band(Brown Album)』だけが、やけに名盤として紹介され、後のアルバムは、あまり採りあげられないのに不満を覚えている。
 
このサード・アルバムの『Stage Fright』(写真)だって名盤なんだぞ〜(笑)。
 
1970年発表作品。観客のいない空席のホールで録音するというユニークな発想で作られたアルバム。確かに、演奏の録音のエコーが普通のスタジオでのエコーでは無い。ホールの広さが感じられる自然なエコーなのだ。よって、演奏の雰囲気は結構「生々しい」。
 
前の2作に比べて、演奏は少し荒く、ワイルドになっている。丁寧に作られた、というよりは、ライブの勢いで、ほとんど一発録りで録られたような程良い荒さが、このアルバムの最大の特徴です。僕はこのワイルドなThe Bandも大好きなんですね〜。
 
Stage_fright
 
米国ルーツ・ロックの雰囲気は、このアルバムにも、ギッシリ詰まっています。というか、前の2作に比べて、米国ルーツ・ロックの雰囲気は強い。これだけの米国ルーツ・ロックのアルバムは現代でもありません。米国ルーツ・ロックの世界の中で、如何にThe Bandが優れていたかが判ります。
 
フィドルが歌い、フォーキーなアコギは魅力的に響き、歩く速さがゆったりとして魅力的な、重心の低いリズムセクションが心地良いビートを供給する。オルガンの響きも豊か。そこに、ロックなピッキング・ハーモニクスを駆使したエレギが雄叫びをあげ、魅惑的な若年寄風のボーカルが絡みまくる。 
 
『Stage Fright』とは、日本語に訳すと「ステージ恐怖症」。当時、ソング・ライティングを担当していたロビー・ロバートソンは、前の2作の成功がプレッシャーになって、曲が書けなくて困った、なんてことを言っていたが本当だろうか。
 
「Time To Kill」「All La Glory」「The Shape I'm In」「The W.S. Walcott Medicine Show」「Daniel And The Sacred Harp」そして「Stage Fright」と名曲、名演が目白押し。ほんまにロバートソンって、スランプやったんかいな、と思ってしまう。まあ、ロバートソンは策士やからなあ。自分の虚言で、架空の伝説を創っている雰囲気がプンプンするので、ロバートソンの発言は信用できん(笑)。
 
僕は、特に「Stage Fright」という楽曲にぞっこんで、この「Stage Fright」こそが、The Band のベスト・チューンと信じて止みません。リチャード・マニュエルのヴォーカルが男らしく、とにかく格好良い。加えて、ガース・ハドソンのウネウネ・キーボードが絶品。これって癖になります(笑)。冒頭の「Strawberry Wine」でのレボン・ヘルムのボーカルも良い。
 
つまり、このサード・アルバムの『Stage Fright』も名盤ということです。前の2作で、The Bandを好きになった方は、この『Stage Fright』も絶対に聴いて下さい。『Music From Big Pink』と『The Band(Brown Album)』、そして『Stage Fright』の3枚を聴き通せば、The Band者初心者の仲間入りができます(笑)。
  
  
 
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2009年11月16日 (月曜日)

米国ルーツロックの大御所

う〜ん寒くなってきた。立冬過ぎて、寒い空気が少しずつ流れ込んでくる。一雨毎に寒い空気が流れ込んでくるようなこの季節。もの淋しい時期は過ぎ去って、もうすぐ冬がやってくる。

立冬に 湯割り焼酎 相応しく

さて、唐突であるが、僕はアメリカン・ルーツロックが大好きである。アメリカン・ルーツ・ミュージック、ブルースやフォーク、カントリー&ウエスタン、ゴスペルなどをベースとしたロックが大好きである。

アメリカン・ルーツ・ロックの雄といえば「ザ・バンド」。ザ・バンドは、1967年から1976年にアメリカで活動したロック・バンド。オリジナル・メンバーは、カナダ人4人(ロビー・ロバートソン、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソン、リック・ダンコ)とアメリカ人1人(リヴォン・ヘルム)。

ロックにカントリー、フォーク、R&Bといったアメリカン・ルーツ・ミュージックの要素を色濃く反映させた音楽性は非常に高く、ミュージシャンズ・ミュージシャンとして今なお多くのアーティストから尊敬を集めている。ザ・バンドについては、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」の「My Favorite Rocks」のコーナー、『アメリカンロックの最高峰/ザ・バンド』(左をクリック)を参照されたい。
 

Dirt_farmer

 
さて、そのザ・バンドの唯一の米国人、ドラマーのリヴォン・ヘルムの『Dirt Farmer』(写真左)を手に入れた。久しぶりのリヴォン・ヘルムである。ザ・バンド解散後、リヴォン・ヘルムは、RCOオール・スターズを結成し、ソロ活動を展開。しかし、1996年、ヘルムは喉頭ガンと診断され、以後歌うことは困難になり、その治療費の為、金銭的にも苦しんだが、その後、奇跡的とも言える回復を見せ、この『Dirt Farmer』では元気な歌声を聴かせてくれている。

とにかく、冒頭の「False Hearted Lover Blues」から徹頭徹尾、米国ルーツロック満載である。印象的なフィドルの音、マンドリンの音、C&Wな雰囲気をプンプンさせながら、アコースティック・ギターをフィーチャーしてフォーキーな雰囲気をプンプンさせながら、しかも、ビートはR&B基調。いいぞ、いいぞ。リヴォン・ヘルムの世界を満足いくまで聴かせてくれる。

収録された全13曲は、いずれも古いトラディショナルな曲ばかりがズラリと並ぶ。娘のエイミー・ヘルムを加えた二人の女性シンガーも、絶妙のバックコーラスで、リヴォン・ヘルムのボーカルを盛り立てる。実に良い雰囲気だ。しかも、13曲それぞれがアレンジ良く、メリハリが効いていて飽きない、というか実に楽しい。

良いですよ〜。所謂、アメリカン・ルーツ・ミュージック、ブルースやフォーク、カントリー&ウエスタン、ゴスペルなどが好きな方々には絶対のお勧めです。また、ザ・バンドのファンの方々にも絶対お勧め。ザ・バンドの往年の世界がここにあります。現代の音で、ザ・バンドの伝説の米国ルーツロックの世界が、リヴォン・ヘルム流に再現されています。

しかも、本盤は音が非常に良い。録音もグッド。リヴォン・ヘルムの考える「米国ルーツロック」が心ゆくまで味わえます。なお、このアルバムは、2008年のグラミー賞(Grammy Award)のベスト・トラディショナル・フォーク・アルバム(Best Traditional Folk Album)を受賞しました。

米国ルーツロックの大御所、リヴォン・ヘルムの米国ルーツロックの名盤。晩秋の夜長、現代の米国ルーツロックの名盤を愛でる。至福の時である。
 
 
 
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2009年5月29日 (金曜日)

やっとリマスター再発じゃ〜・1

LPからCDへ。1980年代前半、いきなりCDが出現。LPが徐々にCDにリプレイスされていく。スペックからして、CDはLPと比べて、音が悪いのはなんとなく判っていた。でも、世の中の流れは変わらない。1990年代、LPは駆逐され、CDのみのリリースになる。

問題は、LPで既にリリースされたアルバムをCD化する時。リマスタリングという作業が必要になるんだが、これが「鬼門」。簡単に言うと、アナログ音源をデジタル音源に置き換える作業なんだが、これが簡単なようで、実に難しい、困難を伴う作業なのだ。

簡単に言うと、滑らかなアナログ波長を、デコボコのあるデジタル波長に変える。リマスタリング機材の性能とリマスタリングの塩梅が、デジタル化の良し悪しを決める。単に「変換すれば良い」ってものではない。でも、CDが普及し始めた頃、このことに気づいていたレコード会社と気づいていないレコード会社があったのは残念だった。

CD化されて、その音の悪さに辟易するアルバムが多々あった。これではLPの方が音が良い、というか、やっぱりLPは音が良い、とその意を新たにするアルバムが多々あった。その音の悪さを感じるアルバムが、CBSソニー、Epicソニーという、ソニー系のレコード会社に多くあったことは、「技術のソニー」の信奉者であった僕にとってはショックだった。

その「音の悪さ」にビックリしたアルバムの一枚が、ボブ・ディラン&ザ・バンド『偉大なる復活』(写真左)。2006年10月12日のブログ(左をクリック)でご紹介しているが、このアルバムが、CD化されたのは良いが「音が悪い」。
 

Bob_before_the_flood_6

 
紗がかかったように解像度の悪い音。低音はモコモコとしていて分離度が悪く、ディランのボーカルは抜けが悪い。ドラムの音も分離が悪くて、モッコリとした塊の様になって、全然リズミカルでない。ギターの音はとげとげしく、聴いていて痛い。良くこんなCDをリリースしたもんだ。自分たちで聴き直して見なかったのだろうか。音楽に対して、アルバムを作った音楽家達に、実に失礼な仕打ちである。

それでも、CDとして聴けるので、我慢して聴いていたんだが、もう一度、リマスタリングし直して、再発してくれないかなあ、と切に願っていた。その思いが、やっと今月叶えられた。しかも紙ジャケでの再発である。もう狂喜乱舞。嬉しいったら嬉しいな。

でも、紙ジャケの作りにはガッカリ。これはないやろう。紙ジャケの形をしていたら良い、ってもんじゃないやろう。かなり失望。でも、リマスタリングし直された音は「まずまずの及第点」。やっと最低限、CDとして鑑賞に耐える音になった。これについては、手放しでないまでも「喜ばしいこと」。

楽器毎の音の分離が良くなった。ロビー・ロバートソンのコキコキ・ギターも躍動感溢れる耳に心地良い雰囲気になった。レボン・ヘルムのドラム、特にバスドラの音がタイトになって、聴いていてとても楽しい。そして、リック・ダンゴのベースの低音が締まって、ベース・ラインが聴きとれるようになった。ガース・ハドソンの「うねうねシンセ」も、分離と粒立ちが良くなって、心地良く響く。

はぁ〜、やっと、最低限、鑑賞に耐えるCDに生まれ変わった。このアルバムは、僕の大のお気に入りだけに、本当によかった。やっと、リマスター再発じゃ〜。待っていて良かった。一時は、LPを買い直そうかと思ったくらい。もとのマスター音源に問題があるのか、LP時代の音にはまだ敵わないところがあるが、それでも、今回のリマスター再発は「聴ける」。ふふっ、暫くはヘビー・ローテーションやな。
 
 
 
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2008年4月11日 (金曜日)

ボブ・ディラン&ザ・バンド

朝から、霧雨。しかも風が強くて、傘が役に立たない、厄介な霧雨。この季節の霧雨は寒い千葉県北西部地方。春は何処へ行った。昼前から、一気に天気は回復して、眩しいばかりの日差しが照り始めたが、夜の帰宅の道では、ちょっと寒い風が吹いて、どうも春という感じがしない。

しばらくジャズが続いたので、ちょっと耳が他のジャンルを欲し始めた。今日は、ジャズを離れて、70年代ロックへ。アメリカン・ルーツ・ロックの世界へ一直線。ボブ・ディラン&ザ・バンドの『The Basement Tapes(邦題:地下室)』(写真左)と『Before The Flood(邦題:偉大なる復活)』を通して聴く。

僕は高校時代から、ザ・バンドが大好き。というか、ロックバンドの中で、一番好きなロック・バンドを挙げろ、と言われたら、迷わず「ザ・バンド」を挙げる。アメリカン・ルーツ・ロックをベースとした、ザ・バンドの演奏は、高校時代から、「心の友」的な存在だった。

『The Basement Tapes(邦題:地下室)』は、正式なスタジオ録音ではない。デモ音源である。雑多な演奏集。歌詞は下品でいい加減。演奏も遊び半分で適当。地下室でのプライベート録音なので音質も良くない。でも、アメリカン・ルーツ・ミュージックをベースとした、シンプルなロック。The Bandのファーストの、Music from Big Pinkのデモ音源である。The Bandのマニア向けのアルバムといえる。よって、一般のリスナーは手を出してはいけない(笑)。
 

Bob_dylan_the_band

 
演奏はラフで、一発録り。デモ音源なので、アレンジもいい加減。でも、そのラフさとシンプルさが、臨場感を増幅して、ライブを聴いているような錯覚を覚える。しかも、ラフな演奏なのに、とにかく上手い。渋い。アメリカン・ルーツ・ロックの基本を聴いているような、アメリカン・ルーツ・ロック大好き人間の僕としては、聴いていてワクワクしてくる。

続く『Before The Flood(邦題:偉大なる復活)』は、高校3年の12月の始めに購入して以来、ずっと愛聴盤。浪人確定的で、一人寂しい冬の日長、このアルバムを聴いて、どれだけ力づけられたことか。そして、一人孤独な戦いであった浪人時代、ながら勉強のお供に、かなりの頻度でなってもらったなあ。

ライブであるが、演奏内容は濃く、充実している。とにかく上手い、渋い。ディランはノリノリ、加えて、ディランのバックでは、いつもは冷静な演奏に終始するザ・バンドがノリにのっている。ロビー・ロバートソンのコキコキギターは熱く燃え、ガース・ハドソンのシンセサイザーは唸りを上げる。リック・ダンゴのベースはブンブン野性的な低音を響かせ、リチャード・マニュエルのキーボードは躍動感溢れて、レボン・ヘルムのドラムは小粋に叩きまくる。

ザ・バンドらしくない、大衆に迎合した俗っぽいロックな演奏だ、なんて評価もあるが、何をすましているんだ、と言いたい。この『Before The Flood(邦題:偉大なる復活)』での、ザ・バンドの演奏は、彼らのピークを記録していると僕は思う。

ボブ・ディラン&ザ・バンドの『The Basement Tapes(邦題:地下室)』(写真左)と『Before The Flood(邦題:偉大なる復活)』を通して聴いて、気分転換、心がリラックス。ちょっとマニアックなアルバム選択なので、ほんと、一般のリスナーの方々にはお勧めできないが、70年代ロックのコアなファンには、一度は聴いていただきたい名盤である。
 
 
 
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2007年11月 1日 (木曜日)

The Band の「最高のライブ盤」

今日から11月。月日の経つのは早いもの。2ヶ月前まで暑い暑いと言っていたのに、もう朝はちょっと肌寒い陽気となった。日本の季節の移り変わりというのは、改めて思えば早いもの。春夏秋冬と四季があるのは、日本の良さであるが、月日の過ぎ去る早さを感じ、季節の移り変わりの早さに、歳の取る早さを否が応でも感じ取り、侘びしく、切なく、寂しい気持ちになる。日本人の無常観はこの辺から来るのかもしれない。

さて、一昨日、昨日、クリフォード・ブラウンの「ウイズ・ストリングス」を聴いて、胸一杯、お腹一杯。クリフォード渾身の、それは崇高な演奏ゆえ、『With Strings』の全12曲を聴き終え、やはり、少し疲れを覚えた。昨日の夕方から、耳直しに、70年代ロック中心の音楽生活。耳直しには、お気に入りのロックが一番良い。

お気に入りのロックと言えば、ザ・バンドである。ザ・バンドが一番。一昨日、昨日と、ザ・バンドのライブ・アルバムをハシゴする。ハシゴをするが、僕にとってのザ・バンドの最高のライブ・アルバムは、ボブ・ディランとの「偉大なる復活(Before The Flood)」(写真左)である。

ザ・バンドのライブ・アルバムは、3つある。ひとつは、ザ・バンド単独名義の「ロック・オブ・エイジス」。LP当時は2枚組。最新のCDは2枚組で、LP未収録の演奏を含めて、ほぼコンプリートな内容。続いては、今日、ご紹介している、ボブ・ディラン名義でバックを務めた「偉大なる復活」。そして、ザ・バンドの解散コンサート、大勢のゲストを交えた「ラスト・ワルツ」。
 
 
Bob_dylan_before_the_flood
 
 
「ロック・オブ・エイジス」は、ザ・バンド単独名義で、ザ・バンドのライブ演奏を目一杯、堪能できる。が、僕にとっては、ちょっと演奏のテンポとリズムが緩やかで、演奏にもちょっと覇気が感じられないところが気になる。ガース・ハドソンのクネクネ・キーボードも控えめで、ロビー・ロバートソンのコキコキ・ギターも温和しい。ちょっと間延びした感じが、LP未収録の演奏を含めて、ほぼコンプリートな内容となったCDには、ちょっと辛い。

「ラスト・ワルツ」については、ザ・バンドの演奏については、申し分ないんだけれど、大勢のゲストの演奏については、ザ・バンドの影が薄く、個性と実績のあるゲストについては、完全にゲスト達の世界が繰り広げられ、アルバム全体を通して、ザ・バンド半分、その他半分という感じになり、ちょっと不完全燃焼的な雰囲気が漂う。もっと、ザ・バンドの演奏があればなあ、と思う。

でも、「偉大なる復活」は違う。もともと、ボブ・ディランのバック・バンドを務めていたザ・バンドである。ボブ・ディランのバックでも、ザ・バンドの存在感は抜群。ザ・バンドのバックで、ディランも更にグレードアップ。大迫力のディランが聴ける。

そして、ザ・バンドのコーナーは、凄いの一言。スピード感疾走感のあるザ・バンドのライブ演奏。ガース・ハドソンのクネクネ・キーボードが炸裂、バンドの音の厚みが増し、ロビー・ロバートソンのコキコキ・ギターがバンド演奏を煽り続ける。リック・ダンゴのベースも良く走り、レボン・ヘルムのドラムは、実にアメリカン・ルーツミュージック的。リチャード・マニュエルのボーカルは、その枯れた味わいが実に良い雰囲気を醸し出す。収録されている演奏は、どの曲も素晴らしい演奏で、僕は、ライブ演奏としては、「偉大なる復活」のザ・バンドのライブ演奏が一番好きだ。

今日、この「偉大なる復活」を通して聴いて、お耳直しは完了。季節は「ジャズの秋」。明日からまた、ジャズ三昧でいきますか。「偉大なる復活」を聴いて、「偉大なる復活」である(笑)。
 
 
 
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2006年7月29日 (土曜日)

アメリカン・ロックの最高峰

暑い。昨日の天気予報では、朝から曇り、午後から晴れ間がのぞく、って言ってたのに、またまた予報は外れて、朝からピーカンの暑い朝。おいおい、勘弁してよ。日差しが強い夏の朝は、我が家の寝室の窓は東に向いているので、とても暑くなる。よって、今日は休みなのに、7時過ぎには暑くて寝苦しくなって、起きてしまった。

今日は朝から、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」の更新準備をするべく、Macの前に座ったんだが暑い。PCって熱を発する代物なので、暑い日には「余計に暑くなる」困った代物なのだ。朝10時で、既に我が家の応接間は気温30度を超えている。暑い。風はあるのだが、暑いものは暑い。「懐かしの70年代館」の更新準備は、昼ご飯を食べて、今日は中止である。

The_best_of_the_bandこの「懐かしの70年代館」の更新準備って何かと言えば、「アメリカン・ロック」のコーナーが未だ「準備中」なのだが、そろそろ、このコーナーをオープンしないといけない。「アメリカン・ロック」の最初のバンドは、やはり、アメリカン・ロックの最高峰「ザ・バンド」でしょう、ということで、ザ・バンドのオリジナル・アルバムのジャケット画像を準備しつつ、コンテンツのひな型を作り始めた。

さて、僕とザ・バンドとの出会いは何時のことだったか、と昔の記憶をたどり始めた。あれは確か、1976年の秋だったと思う。高校3年生も残り僅か、高校3年生の文化祭にまで映画を作っちまったので、ほとんど受験勉強は出来ていない。なんだかとても寂しい秋も深まったある日、近くのレコード屋に立ち寄った。ここで、「The Best of The Band」と出会ったのだ。そして、なぜか、オフコースの当時の新譜「Song Is Love」と一緒に買って帰ったのを覚えている。

ザ・バンドって、雑誌ミュージック・ライフなんかの写真とか、紹介記事で見ていたので名前は知っていたが、どんな音楽を演奏する連中なのか全く知らなかった。それでも、クラプトンやオールマンを通じて、米国南部、いわゆるサザンロック、スワンプなど、アメリカン・ルーツ・ロックに近い音は知っていたので、なんとなく、イメージはあった。でも、どんな音がするのか判らんのに、よく2,300円も出して買ったもんだ。まあ、高校3年生の寂しすぎる秋に、茫然自失状態のまま、この「The Best of The Band」を手にしてしまったと思われる。このアルバムの収録曲は以下のとおり。

1. Up On Cripple Creek 2. The Shape I'm In 3. The Weight 
4. It Makes No Difference 5. Life Is A Carnival / 
6. Twilight 7. Don't Do It 8. Tears Of Rage 9. Stage Fright
10. Ophelia 11. The Night They Drove Old Dixie Down

しかしながら、これが聴いてみて「大ショック」たっだ。こんなにシンプルで、渋くて、落ち着いていて、トラディショナルで、それでいて古くなく、演奏テクニックは抜群で、歌心があって、スピード感もあり、バラードは情感タップリ。当時「これがロックなのか」と唸りに唸ったのを覚えている。そりゃあそうで、後で知ったことなんだが、このザ・バンドって、当時から、ミュージシャンズ・ミュージシャンだったそうで、今でも若手ロック・バンドの連中からも「リスペクトの対象」であり続けているいる、凄いバンドなのだ。

俗に言う「カルチャーショック」である。コペルニクス的転回であった。このベストアルバムを聴いて以来、渋〜いロックに走っていって、ついには、ジャズにのめり込んでいくのである。

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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
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