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2018年2月16日 (金曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・44

実は「Impulse!レーベル」のアルバムもカタログ順にコレクションし続けてきて、なんとかカタログ順にずっと聴き続けることが出来るまでになった。インパルス! レーベルは、後のフュージョン・ジャズの仕掛け人と謳われた「クリード・テイラー」が、1960年に設立したジャズレーベルである。

コルトレーンの後期〜逝去するまで、そして、コルトレーンの影響を受けたフリー・ジャズのアルバムが有名だが、デューク・エリントン、カウント・ベイシー、ギル・エヴァンスといった、当時のジャズ・レジェンドのアルバムや、アレンジに長けたアルバムなど、正統派な純ジャズの小粋で内容のあるアルバムをリリースした、ジャズの歴史の中で、欠かすことの出来ないレーベルの1つです。

Ray Charles『Genius + Soul = Jazz』(写真左)。Original seriesのカタログ番号2番。1960年12月の録音。「ソウルの神様」Ray Charles(レイ・チャールズの Hammond B-3 オルガンとボーカルをメインに、バックにビッグバンドを従えた、実にゴージャズなアルバムである。
 
Genius_soul_jazz_2
 
ビッグバンドのアレンジは、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)とRalph Burns(ラルフ・バーンズ)とが、ほぼ均等に分担して担当している。特に、Q(クインシー・ジョーンズ)のアレンジ担当の曲は、明らかにQのアレンジと判る、とても個性的なもの。ビッグバンドに参加したメンバーは、それぞれ、名うての名手揃いで、実にパンチのある、メリハリの効いたビッグバンド・サウンドを聴かせてくれる。

そんなビッグバンド・サウンドに負けずに、しっかりバックに従えて、レイのオルガンがうねり歩く。ファンクネスだだ漏れ、こってこてソウルフルなレイのオルガン。これ、聴きものです。むっちゃ格好良いオルガンです。レイのボーカル曲はほとんど無く、この盤はレイのソウルフルなオルガンを聴き倒す盤である。

この盤も、Impulse!レーベルの特徴である見開きのジャケットで、黒とオレンジ色で統一されたデザインが特徴的。良い感じのデザインである。「Impulse!レーベル」は隅に置けないレーベル。他には無い、レイ・チャールズの「オルガン」に着目して、ビッグバンドをバックにした、とてもゴージャスなオルガン・ジャズ盤をものにした。

 
 

東日本大震災から6年11ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2018年2月 1日 (木曜日)

安心安定なオルガン・ジャズ

ブルーノート・レーベルは、オルガン・ジャズの宝庫である。知る人ぞ知る話なんだが、内容的に優れた盤が多く存在する。さすがはブルーノートで、こってこてファンキーなノリノリ・ジャズだけでは終わらない。どこか、インテリジェンス漂う、アーティスティックな部分がある。これによって、アルバム全体が引き締まり、飽きることが無い。これが良い。

そんなブルーノートのオルガン・ジャズの一枚がこれ。 Big John Patton『Let 'Em Roll』(写真左)。1965年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Big John Patton (org), Bobby Hutcherson (vib), Grant Green (g), Otis Finch (ds)。まだまだ、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンが関与している。アルバム全体がカッチリまとまっている。

ジョン・パットンのオルガンは「明らかにファンキーなハモンド・オルガン」な音。太くて丸く、くすんで伸びのある音色。ファンキーでソウルフルであるが、どこか抑制されていて、どこか品の良いところがある、整ったフレーズ。とっても適度でファンキーなオルガンである。破綻が無く、荒れたところが無いところが、実にブルーノートらしい。
 

Let_em_roll

 
そんなジョン・パットンのオルガンに、これまた、こってこてジャジーでファンキーなグラント・グリーンのギターが絡む。太いソリッドなシングル・トーンがオルガンのトーンに良く合う。ユニゾン&ハーモニーが実にファンキーで躍動的。太くて躍動感溢れるグラント・グリーンのギターは、オルガン・ジャズに良く似合う。ファンクネスが増幅される。

そして、この盤において「インテリジェンス漂う、アーティスティックな部分」の担い手は、ヴァイブのボビー・ハッチャーソン。ハッチャーソンのヴァイブは思索的で知的。オルガンやギターのホットな躍動感の中に、スッと切れ込むヴァイブのクールな躍動感が実にアーティスティック。ハッチャーソンのヴァイブが、アルバムに詰まったホットなファンクネスをクールダウンさせ、芳しいインテリジェンスを漂わせる。

徹底したオフビートのフィンチのドラムもこの盤の雰囲気にピッタリ。無理に煽ることなく、堅実に的確にビートを供給する。赤が基調のとってもファンキーなジャケット・デザインもこの盤の「ウリ」。破綻なく、適度なファンネスを漂わせ、どこか、インテリジェンス漂う、アーティスティックなオルガン・ジャズ。安心安定の一枚です。

 
 

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2018年1月31日 (水曜日)

端正で堅実なオルガン・ジャズ

ブルーノート・レーベルのRVGリマスター盤のリイシューが始まって以来、オルガン・ジャズのアルバムが手に入り出した。実は、ブルーノート・レーベルはオルガン・ジャズの宝庫で、かのジャズ・オルガンの第一人者、Jimmy Smith(ジミー・スミス)を見出し、スターに仕立て上げたレーベルがブルーノートである。総帥アルフレッド・ライオンの慧眼の成せる技である。

ブルーノート・レーベルのアルバム入手し易くなる、ということは、ブルーノート・レーベルのオルガン・ジャズのアルバムの入手もし易くなるということ。ジミー・スミスを始めとして、ブルーノート・レーベルのお抱えジャズ・オルガニスト達のアルバムを次々と入手し、聴き漁った。幸せな時代であった。

そんな中、Freddie Roach(フレディー・ローチ)のアルバムにも出会う。ローチは1931年生まれのジャズ・オルガニスト。1980年に鬼籍に入っているので、49歳の若さでこの世を去ったことになる。ローチのオルガンは「変な癖が無く、端正で堅実」。ギミックを入れたり、変に音を捻ったりはしない。実に「ハモンド・オルガン」らしい音を出す。
 

Down_to_earth

 
このリーダー盤を聴けば、それが良く判る。Freddie Roach『Down to Earth』(写真左)。1962年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Freddie Roach (org), Percy France (ts), Kenny Burrell (g), Clarence Johnston (ds)。ギターのケニー・バレルが入っているが、基本的にローチのオルガンをメインにフィーチャーした「ジャズ・オルガン」盤である。

ローチは端正で堅実なオルガンを奔放に弾きまくる。端正で堅実なので、フレーズの展開に破綻を感じたり、ふらつきやつっかえを感じることもない。実に安心して聴けるオルガンである。逆に言えば、安全な弾き回しが中心なので、整い過ぎてスリルに欠ける部分もあるにはある。それでも、これだけ端正で堅実な弾き回しで、自由奔放にアドリブ・フレーズを展開する様は圧巻である。

「ハモンド・オルガン」らしい、くすんだ伸びのある音は、とてもファンキー。ローチの端正で堅実なオルガンと収録された曲の良さが楽しめる、アーシーなオルガン・ジャズの魅力満載の好盤。「変な癖が無く、端正で堅実」なオルガンなので聴き易い。ジャズ者初心者の方々にとっての「オルガン・ジャズ」入門盤にも良さそうです。

 
 

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2018年1月30日 (火曜日)

ベビーフェイスはお気に入り

オルガンの音が好きである。もともと、子供の頃、クラシック・ピアノを習っていたので、アコピの音はとても馴染みがあって好きなんだが、オルガンの音は、僕にとっては別格。ピアノ教室に置いてあった、ハモンド・オルガンの音は特にお気に入り。なんて言ったら良いのか、オルガンのくすんだような伸びのある、ゴスペルチックでファンキーな音色は、聴いていてワクワクする。

当然、ジャズでもオルガンのジャズが良いのだが、僕がジャズを聴き始めた1970年代後半、オルガンがメインの純ジャズ盤はなかなか手に入らなかった。まだ、ジャズ盤専門店に通うなんて技は知らないから、普通のレコード屋では、まず見当たらない。オルガン・ジャズのアルバムが手に入り出したのは、ブルーノートのRVGリマスター盤のリイシューが始まってからである。

そのブルーノートのRVGリマスター盤のリイシューが始まって、真っ先に入手したオルガン・ジャズ盤が、Baby Face Willette『Face to Face』(写真左)。1961年1月30日の録音。ちなみにパーソネルは、Baby Face Willette (org), Grant Green (g), Fred Jackson (ts), Ben Dixon (ds)。いや〜異色のパーソネル。ブルーノートならではですね。
 

Face_to_face

 
僕は、この攻撃的でストイックなオルガンの音色が大好き。ファンクネスを前面に押し出しながらも聴き手に迎合せず、攻めのオルガンを貫き通すベビーフェイスは「僕のお気に入り」。オルガンの音色もストレートで切れ味良く、甘さは無い。ダンディズム溢れる、硬派で雄々しいオルガンのフレーズは聴いていて爽快感抜群。

サイドメンも好演に次ぐ好演。豪快なR&B系テナー、フレッド・ジャクソンの参加が珍しい。ストレートにダイナミックにテナーを吹き上げる。テクニックとか二の次、テナーらしい豪快な吹きっぷりが楽しい。そして、パキパキ、シングルトーンなファンキー・ギター、グラント・グリーンが良い。ベビーフェイスのオルガンとの相性が抜群。双方の魅力的な音色が相乗効果を生み出して、爽やかなファンクネスを創出している。

ベン・ディクソンのドラムも演奏全体のリズム&ビートを一手に引き受け、ダイナミックなオルガン、テナー、ギターを鼓舞しまくる。ブルーノート・レーベルならでは、鏡絵の様なロゴタイプが粋なアルバム・ジャケットも、とってもお洒落。オルガン・ジャズ盤の好盤であり、入門盤でもある。僕のオルガン・ジャズの愛聴盤です。

 
 

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2017年12月17日 (日曜日)

あっさりとしたオルガンの音色

この人のオルガンは非常に特徴がある。従来のジャズ・オルガンにあるものが全く備わっていない。いわゆる「どファンキー」なニュアンスが全く感じられず、レスリー・スピーカーを駆使した、ぐわーっと迫り来るオルガン独特の迫力も無い。あっさりとしたオルガンの音色が実に個性的。

そのオルガニストとは、ラリー・ヤング(Larry Young)。若いジャズ者の方々には全く馴染みの無い名前であろう。それもそのはずで、ラリー・ヤングは、1940年10月生まれなんだが、1978年3月、37歳で鬼籍に入っている。今から、もう40年も前のことになる。それでも、プレスティッジとブルーノートを中心に、十数枚のリーダー作を残してくれているので、彼のユニークなオルガンを追体験することが出来る。

そんなラリー・ヤングのあっさりオルガンを追体験できるアルバムが、Larry Young『Unity』(写真左)。1965年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Larry Young (org), Woody Shaw (tp), Joe Henderson (ts), Elvin Jones (ds)。ショウのトラペットとヘンダーソンのテナーを2管フロントに据えたオルガン・ジャズである。
 

Unity

 
ラリー・ヤングのオルガンは「オルガン界のコルトレーン」と形容される。しかし、この盤では、フロントにショウとヘンダーソンを迎え、ヤングは伴奏に徹している感がある。しかも、ドラムにはあのポリリズムの巨匠、エルヴィン御大が据わっているので、ダイナミズムは御大に任せている。つまり、この盤では、ヤングの新しい感覚の「オルガンの伴奏」が聴けるのだ。

決して前に出ることの無い、あっさりとしたオルガンなんだが、ソロ・パートに入ると、コルトレーンばりの「シーツ・オブ・サウンド」で弾きまくる。この弾きまくりを聴くと「オルガン界のコルトレーン」の形容に合点がいく。そして、伴奏に回った時のあっさりとした、それでいてしっかりツボを押さえたオルガンはスマートで、実に趣味の良いもの。

あっさりとしたオルガンの音色は、従来のジャズ・オルガンの音からすると、あきらかに対極にある音。それが、ラリー・ヤングのオルガンの個性。しかし、ソロ・パートに入ると、いきなり「オルガン界のコルトレーン」に変身し、「シーツ・オブ・サウンド」で弾きまくる。この人のオルガンは聴いていて面白い。他のアルバムも絶対に体験せねばならない。

 
 

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2017年12月13日 (水曜日)

明らかに新しいジャズ・オルガン

昨日に引き続き、この人のオルガンも、ほんのりファンキーなんだけど「軽快でスッキリ」している。逆に、アグレッシブで音の太い、ストレートな音がこの人の個性。従来のジャズ・オルガンの音からすると、あきらかに対極にある音。この人とは、サム・ヤヘル(Sam Yahel)。1970年生まれだから今年で47歳。バリバリの中堅オルガニスト。

『Yaya3』(写真左)というアルバムがある。Yaya3=ヤヤ・キューブド(cubedは数字の3乗)と読む。2002年の作品。ちなみにパーソネルは、Joshua Redman (ts), Sam Yahel (org), Brian Blade (ds)。ヤエルがNYのジャズ・クラブ「スモールズ」で行なっていたライヴにジョシュアが参加して、このプロジェクト=Yaya3 は立ち上がった。

このプロジェクト=Yaya3の実質的なリーダーは、サム・ヤヘル。そして、このヤヘルのオルガンが実に魅力的なのだ。こってこてのファンクネスはかなり希薄。つまり、オルガンの演奏スタイルは、ジャズ・オルガンの大御所、ジミー・スミスの様なものでは無く、オルガンのコルトレーンと呼ばれたラリー・ヤングに近い。軽快でスッキリ、アグレッシブで音の太い、ストレートな音。
 

Yaya3

 
ストイックなまでにアグレッシブなオルガンの音色は、ストレートなグルーブ感を生み出して、シャープにうねる。音の雰囲気とくすみは明らかにジャズのものであり、このアルバムでのヤヘルのオルガンは、ストレート・アヘッドな純ジャズ系のオルガンである。コマーシャルに走らず、あくまで硬派にモード・ジャズを極めていく。

そんなヤヘルのオルガンに、ジョシュアのテナーが魅力的に絡む。ジョシュアのテナーは、コルトレーンとロリンズを足して2で割って、ロリンズ寄りに個性を寄せた感じ。硬派でストレートではあるが歌心に富んだテナーは、他に有りそうで無い個性。それが、軽快でスッキリ、アグレッシブで音の太い、ストレートなヤヘルのオルガンに絡むのだ。新しいオルガン・ジャズの響きが芳しい。

そして、そんな二人を鼓舞する、ポリリズミックな千手観音ドラミングのブライアン・ブレイド。硬軟自在、緩急自在なドラミングが、旋律をアドリブ・ラインを自由度高く司るフロント二人を手厚くサポートする。そして、アルバムを聴き終えた後、耳に一番残っているのはヤヘルのオルガン。現代の、明らかに新しいジャズ・オルガンの音である。

 
 

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2017年12月12日 (火曜日)

軽快でスッキリしたオルガン奏者

ジャズ・オルガンが大好きである。もしかしたら、ピアノより好きかもしれない。ジャズにおいて、オルガンとは「こってこてファンキー・ジャズ」の必需品。特に、オルガンの音を「シュワシュワ」揺らす装置、レスリー・スピーカーなどを使って、ハモンド・オルガンを太い音で「グワ〜ッ」とやると、もうそこは漆黒ファンキーの世界。

もともとハモンド・オルガンの音って、協会のゴスペルの伴奏をする楽器というイメージがあって、その音そのものが「ファンキー」なんですよね。フット・ペダルでベース・ラインを押さえる演奏家も多く、このベース音が、これまた太い低音鳴り響き、ブンブンいう音がやっぱり「ファンキー」なのだ。

しかし、この人のジャズ・オルガンは、ファンキーなんだけど「軽快でスッキリ」している。ファンクネス度合いもベッタベタなファンクネスというよりは、ライトなファンクネス。オーバー・ファンクな音世界が苦手なジャズ者の方々が一目置く存在。その名は「シャーリー・スコット(Shirley Scott)」。ジャズ界では稀少の女性のオルガン奏者である。

Shirley Scott『On A Clear Day』(写真左)。1966年1月の録音。"Queen of the Organ"と呼ばれたシャーリー・スコットのリーダー盤。ちなみにパーソネルは、Shirley Scott (org), Ron Carter (b), Jimmy Cobb (ds)。シャーリー・スコットは、ベースは本職のベーシストに任せて、オルガンで旋律を弾くタイプ。
 

On_a_clear_day

 
ベースを本職のベーシストに任せているので、ベース・ラインが柔軟でバリエーション豊か。演奏全体に音の陰影と緩急をしっかりと与えている。ベースの生音というのは、結構、切れ味良くスピード感があるので、耳にもたれない。所謂オーバー・ファンクに陥ることは無い。ここがシャーリーのオルガンの「ミソ」で、ベースを本職のベーシストに任せることで、オルガンの演奏自体が、ァンキーなんだけど「軽快でスッキリ」するのだ。

ジミー・コブのドラミングも見事。オルガンのアドリブ・フレーズって、音が伸びるので、ピアノの様に歯切れ良く、間が空くことが少ない。そういう連続した音の羅列を、鼓舞するが如く、刺激するが如く、歯切れの良い硬軟自在なドラミングは、シャーリーのファンキーなんだけど「軽快でスッキリ」なオルガンに相性抜群である。

選曲もスタンダード中心で、ライトな感覚のシャーリーのオルガンがしっかりと馴染む。シャーリーの軽快なオルガンが、軽快なスイング感を供給してくれる。決して、オーバー・ファンクに偏って耳にもたれることは無い。ファンキーなんだけど「軽快でスッキリ」したオルガンだからこそ、ボサノバの名曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Corcovado」をカバーすることだって出来るのだ。

 
 

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2017年8月18日 (金曜日)

現代のソウル・ジャズを発見

1960年代初め、流行りだした「ファンキー・ジャズ」。1960年代後半、このファンキー・ジャズのファンクネスが爽やかに強調されて「ソウル・ジャズ」に昇華する。モータウン・ミュージックが一般的になって「ソウル・ミュージック」と呼ばれ、後に「R&B」という音楽ジャンルが確立する。ソウル・ジャズとソウル・ミュージック。切っても切れない仲である。

ということで、ソウル・ジャズと言えば、1960年代後半の産物。1970年前後からはクロスオーバー・ジャズが出現して、ソウル・ジャズの要素は「クロスオーバー」や「フュージョン」の名の下に収斂されていった。今や「ソウル・ジャズ」は絶滅種であって、改めて「ソウル・ジャズ」を看板に掲げて演奏するジャズは無いだろう、と思っていた。しかし、である。Apple Musicを徘徊していて「あった」。

Chris Hazelton's Boogaloo 7『Soul Jazz Fridays』(写真左)。2016年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Chris Hazelton (Org), Nick Howell - (tp, tb), Nick Rowland (as, ts), Brett Jackson (bs), Matt Hopper (g), Danny Rojas (ds), Pat Conway (congas, perc)。オルガンあり、コンガあり、バリサクあり。ソウル・ジャズを構成するキーとなる楽器がしっかりと配置されている。
 

Soul_jazz_fridays  

 
そして、なんとタイトル自身が「ソウル・ジャズ」の看板を掲げている。もうジャズの世界では絶滅種としていた「ソウル・ジャズ」がリアルタイムで演奏されている。「ソウル・ジャズ」が現代のジャズの世界で生き存えているのだ。うへ〜、と喜びつつ、ついつい「ポチッ」とゲット。そして、この盤を聴くと、この盤に「今」のジャズをベースとして、「今」のソウル・ジャズがギッシリと詰まっている。

まさに「現代のソウル・ジャズ」が疾走する。そして、今時のジャズにしては珍しいのだが、バンド名にもあるブーガルーの曲調を強調したナンバーが意外と格好良い。漂うファンクネスも、1960年代後半の粘りのあるファンクネスでは無く、この盤に漂うファンクネスは爽快感抜群。爽やかなファンクネスを撒き散らして、ブーガルーが練り歩く。まったくクールでファンクな盤である。

Chris Hazelton's Boogaloo 7=クリス・ハザルトンズ・ブーガルー・セヴン、現代のジャズにおいて、ファンキー・ジャズの救世主的存在ですね。クールでダンサフル。聴いて楽しい、思わず身体が揺れ、思わず踊り出す。そんな楽しいソウル・ジャズな盤です。ジャケット・デザインもクール。意外とこの盤、我がバーチャル音楽喫茶『松和』でヘビロテになってます (^_^)v。

 
 

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2017年2月10日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・100

このアルバムは良い。聴いていてとても楽しい。しかも、聴いていて、双方のテクニックが優れていて、双方のアドリブ感覚が素晴らしい、ということが良く判る。ジャズって、聴いていて楽しいことがとっても大事。そういう意味では、このアルバムはジャズとして「満点」である。

Eddy Louiss & Michel Petrucciani『Conférence De Presse... L'Intégrale』(写真左)。  Eddy Louiss (org), Michel Petrucciani (p)。1995年、フランスは Dreyfus Jazz からのリリース。ありそうでなかなか無いオルガンとピアノのデュオ。

オルガンとピアノ。どちらも鍵盤楽器。鍵盤楽器同志がデュオをやったら、変に被ったらデュオの良さがすっ飛んでしまう。テクニックが優秀で、アドリブ展開での反応が優れていないと上手くいかない。そういう意味で、アドリブ展開の反応がとびきり優れているオルガン奏者って、なかなかいない。

Eddy Louiss(エディ・ルイス)は、フランスのオルガン奏者。僕はこのデュオ盤で、エディ・ルイスの存在を知った。テクニック優秀、オルガンの奏法として、かなりプログレッシブなオルガニストである。オーソドックスな奏法からアブストラクトな奏法まで、幅広くオールマイティーに弾きまくる、実に優れたオルガン奏者である。
 

Conference_de_presse

 
そんなエディ・ルイスが、ジャズ・ピアノの巨匠、ミシェル・ペトルチアーニとデュオを組んで、丁々発止とやりあう、ほんと、聴いていてとても楽しいデュオ盤である。ボリューム的にCD2枚組の分厚さ。トータル2時間ちょっとの収録時間なのだが、全く飽きない。聴き始めて、あっと言う間の2時間ちょっとである。

ピアノは打楽器と旋律楽器の両方を兼ねることが出来、ピアノだけで「ひとりオーケストラ」が出来る位の幅広い表現が可能な唯一の楽器なのだが、ペトルチアーニのピアノは、そのピアノの特性を最大限引き出し最大限の表現を見せつける。硬質なタッチに卓越したテクニック。耽美的でありつつダイナミズム満載。僕の大のお気に入りのピアニストの一人である。

ペトルチアーニのピアノが、ピアノの表現方法の全てを出しつつ、思いっきり疾走する。左手でベースラインを小粋に紡ぎ、右手でリズム&ビートを叩き出す。遠慮の無い全てを出し尽くペトルチアーニのピアノ。そこにルイスのオルガンが、あっさりとしたファンクネスを滴らせながら、官能的に弾き進んで行く。相性抜群。インタープレイの息もピッタリ。魅惑的なユニゾン&ハーモニー。

飽きない。全く飽きない。あっと言う間の2時間ちょっと。この優れたデュオ盤を聴いて、フランスは Dreyfus Jazz を改めて見直す。ジャズ喫茶の空間にピッタリの乾いたファンクネスが素敵な一枚。ジャズ喫茶御用達の一枚。

 
 

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2017年1月28日 (土曜日)

なんとも魅力的なパーソネルです

ジャズ雑誌に掲載される2016年の「ディスク・グランプリ」の結果を見ていて、これは素敵だなあ、と思わせてくれるパーソネルを発見。これは素敵なパーソネルだ。レジェンドレベルのリーダーのアルバムに、中堅のジャズメンから現代の若手ジャズメンまでが集う。ジャズの歴史をしっかりと追うようなパーソネル。

Dr.Lonnie Smith『Evolution』(写真左)。昨年1月のリリース。宣伝の触れ込みは「伝説のオルガン奏者が、45年ぶりにBlue Noteレーベルに復帰!ロバート・グラスパー、ジョー・ロヴァーノをスペシャル・ゲストに迎えた新作をリリース」。まさに、そんな宣伝どおり、出てくる音は、ジャズの基本であるハードバップであったり、現代の先端を行くニュー・ジャズだったり。

白髭を蓄えた怪しげなターバン姿のオルガン奏者ロニー・スミス。ジャズ・オルガンのレジェンドである。パーソネルを整理すると以下の様になる。

Dr. Lonnie Smith (B3 organ, key), Robert Glasper (p)1, Joe Dyson (ds)1,2,3,5,7, Jonathan Blake (ds)1,2,3,4,5,6,7, John Ellis(ts, fl)1,2,3,5,7, Joe Lovano (ss, ts)2,3, Jonathan Kreisberg (g)1,2,3,4,5,6,7, Keyon Harrold (tp)1,2, Maurice Brown (tp)5。

ジャズのレジェンドからベテラン、中堅、若手まで、なんとも魅力的なパーソネルである。収録曲はスミス曲が5曲と、モンクの「Straight No Chaser」、リチャード・ロジャースの「My Favorite Things」で全7曲。スミス作の曲の出来が良い。スミス作の曲の出来の良さが、このリーダー作の内容を濃くしている。
 

Evolution1

 
ロニー・スミスのオルガンがメインのアルバムなので、ファンキーなオルガン・ジャズを思い浮かべるが、この最新作の内容はそうでは無い。このジャズのレジェンドからベテラン、中堅、若手まで、ジャズの歴史をしっかりと追うようなパーソネルが「それ」をさせないのだ。

フロント楽器は、ネオ・ハードバップからニュー・ジャズの路線を踏襲する。柔軟度を高める為のモード・ジャズの展開や、聴き易さを高めるためのハードバップ的なシンプルで判り易いユニゾン&ハーモニー。ロニー・スミスのオルガンは、しっかりとバックに回って、フロントの演奏を支える。

このバッキングに回った時のロニー・スミスのオルガンが実にプログレッシブ。ジャズのレジェンド的な存在でありながら、出てくる音は現代の最先端を行く先進的な音なのだ。今までに聴いたことの無い、ジャズ・オルガンでのバッキング。良いものを聴いたなあ、という気持ちを高めてくれる。

ファンクネスを撒き散らしながら、前面にこれでもかと押し出てくるジャズ・オルガンも良いが、このアルバムの様に、変幻自在でバッキングに回った時の先進的で小粋なジャズ・オルガンは新しい発見だ。ジャズ・オルガンの新しい音を聴かせてくれるこのアルバム、とっても気に入った。好盤です。 

 
 

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