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2014年11月 7日 (金曜日)

ハード・バップ成立の時と場所

ジャズ評論家の行方均さんが、『A Night At Birdland With Art Blakey Quintet』の演奏を捉えて、「もしハード・バップ誕生の時と場所というものが世の中にあるとしたら、本作の録音された1954年2月21日深夜のバードランドをおいて他にない」とした。
 
よって、ジャズ入門本やジャズ雑誌などでは、ハードバップの誕生の時期の演奏と言えば『バードランドの夜』となる。ブルーノートの1521番と1522番である。

しかし、どうして、僕はこちらのライブ盤も『バードランドの夜』に負けてないぞ、と思っている。そのライブ盤とは、『The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1&2』(写真)。ブルーノートの1507番と1508番。1955年11月23日、ニューヨークのライブ・スポット、カフェ・ボヘミアでのライブ音源になる。

ちなみにパーソネルは、Kenny Dorham (tp), Hank Mobley (ts), Horace Silver (p), Doug Watkins (b), Art Blakey (ds)。ピアノのホレス・シルバーとドラムのアート・ブレイキーは『バードランドの夜』と変わらない。ベースがダグ・ワトキンスに代わり、ペットのケニー・ドーハムとテナーのハンク・モブレーがフロントの2管を張る。

この『カフェ・ボヘミア』の演奏の充実した内容、演奏のレベルの高さを聴けば、もしかしたら、「もしハード・バップ誕生の時と場所というものが世の中にあるとしたら、本作の録音された1955年11月23日のカフェ・ボヘミアをおいて他にない」となっても、不思議は無いと思う。

演奏全体を見渡して、それぞれのジャズメンの力量と演奏レベルのバランスが実に良くとれていて、それぞれの楽曲の演奏内容がかなりのレベルで充実している。『バードランドの夜』の個々の演奏と比べて、僕はこの『カフェ・ボヘミア』の演奏の方が、演奏全体のまとまりとしては上位に来ると感じている。
 

At_the_cafe_bohemia

 
まず、ケニー・ドーハムのトランペットが絶好調である。僕は、このライブ盤を聴いて、このトランペットはケニー・ドーハムだとは思わなかった。芯のある豊 かでふくよかな音色、よれることの無い確かなテクニック、端正で疾走感のある速くて正確な運指。これって、ドーハム一世一代の名演である。
 
そして、テナーのハンク・モブレーも絶好調である。力強く滑らかなブロウ。ポジティブで誠実なテクニック、端正で疾走感のある速くて正確な運指。これがモブレーか、と一瞬、耳を疑う、モブレーに失礼なんだが、らしからぬブロウ(笑)。それほどまでに、第一線をゆくテナー。これがモブレーの真骨頂なのだ、と改めて感心する。

ホレス・シルバーも何時になく好調。ブルージーなフレーズを連発。確かなテクニック、正確な運指。濃厚に漂うファンクネス。ダグ・ワトキンスのベースは太くて伸びやか。あまり話題にならないワトキンスのベースだが、どうして、このベースは当時のベースとしてはかなりモダンである。

アート・ブレイキーのドラミングを聴けば、『バードランドの夜』は『カフェ・ボヘミア』の1年7ヶ月も前の演奏なんだ、ということを再認識する。『カフェ・ボヘミア』でのブレイキーのドラミングは確実に進化している。『カフェ・ボヘミア』では、確信を持って「ハードバップな」ドラミングを披露する。揺るぎないブレイキーのハードバップ・ドラミング。

『バードランドの夜』を「ハード・バップ誕生の時と場所」とするなら、この『カフェ・ボヘミア』は「ハード・バップ成立の時と場所」とでも形容しようか。この『カフェ・ボヘミア』で、ハードバップは成立し、その演奏スタイルが確立された。そして、ハードバップが要求する演奏レベルもここにサンプルとして提示されたのである。

しかし、『バードランドの夜』といい、この『カフェ・ボヘミア』といい、ブルーノート・レーベルは本当に良いライブ録音をする。さすがは、アルフレッド・ライオン。その慧眼の成せる技である。

 
 

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2014年10月21日 (火曜日)

ハードバップの夜明けである。

『A Night At Birdland With Art Blakey Quintet』の Vol. 1と Vol. 2(写真)。ブルーノートの1521番と1522番。パーソネルは、Clifford Brown (tp), Lou Donaldson (as), Horace Silver (p), Curly Russell (b), Art Blakey (ds)。1954年2月、ジャズクラブ、バードランドでのライブ録音。

Pee Wee Marquette(ピー・ウィー・マーケット)の高音けたたましいアナウンスで始まる。これからやって来るハードバップ時代の「始まり」を高らかに宣言しているような、このピー・ウィーのアナウンスが良い。そして、出てくる演奏が「Split Kick」。これがまあ、すんごく格好良い演奏。

出来れば、この『A Night At Birdland With Art Blakey Quintet』の Vol. 1と Vol. 2は連続して聴いてもらいたい。ピー・ウィーのアナウンスが要所要所に挿入されていて、まるでライブ演奏を目の前にして聴いている感覚になる。演奏のバリエーションも豊かで、2枚のアルバムを連続して聴いても飽きることが無い。

さて、ハードバップは、曲のコードをより細かく分けたり、テンポの速くして演奏をより複雑にしたり、演奏のニュアンス、バリエーション豊かにして、演奏の表現力を豊かにした、いわゆる「聴かせること」そして「アーティスティックなこと」を前面に押し出したジャズ演奏のスタイル。ジャズとして、一番ジャズらしいスタイルである。

この『A Night At Birdland With Art Blakey Quintet』には、そんなハードバップの要素がぎっしり詰め込まれている。しかも、このアルバムはライブ録音盤である。つまり、1954年には、皆が皆では無いにしろ、このハードバップ的な演奏がライブで行われていたのである。当時のジャズの演奏レベルの高さというものを改めて感じる。
 

Art_blakey_live_at_birdland_2

 
ハードバップは演奏の表現力の幅とバリエーションが広くなるので、当然、ミュージシャンとしての高い演奏能力が要求される。そんじょそこらのジャズメンではハードバップに追従出来ないということになる。当然、プロのジャズメンとしての選別も進む。ハードバップ時代を生き抜いたジャズメンは、皆、演奏能力については相当に高いものがある。 

行方均さんが、この『A Night At Birdland With Art Blakey Quintet』の演奏を捉えて、「もしハード・バップ誕生の時と場所というものが世の中にあるとしたら、本作の録音された'54年2月21日深夜のバードランドをおいて他にない」と表現されているが、確かにそう思う。

このアルバムからハードバップが始まったというのはちょっと誇大広告風だが、確かに、このアルバム以前の年代のジャズ盤については、ハードバップ的な、ハードバップの萌芽を聴くことができるものはあるが、この『A Night At Birdland With Art Blakey Quintet』ほど、徹頭徹尾、ハードバップとしての演奏が成立しているアルバムは無い。

職人録音師、ルディ・バン・ゲルダーのお陰で、1954年のライブ録音の割に音が良く、それぞれの楽器の演奏のニュアンスやテクニックがダイレクトに伝わってきて、ジャズの持つアーティスティックな面が体験できるところもこのアルバムの素晴らしいところ。

ジャズを聴き始めて、いきなりこのアルバムに飛びつくのは、ちょっと無謀だとは思うのですが、ジャズを聴き始めて、ジャズが心地良くなって、これからずっとジャズを聴いて行こうと思い立った時に、このハードバップの夜明け的な名盤を聴いて欲しいな、と思います。ジャズの表現力、芸術性、即興性に改めて感じ入って下さい。

 
 

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2014年9月30日 (火曜日)

僕は「旗のシルバー」と呼ぶ

ブルーノート・レーベルには、ブルーノート御用達の「ハウス・ミュージシャン」が幾人かいる。ピアノのホレス・シルバーも、そんなブルーノート付きのジャズメンの一人。長年、デビュー当時から、ブルーノート・レーベルからリーダー作をリリースし続けた。

そんなホレス・シルバーの個性を、ブルーノートのオーナー&プロデューサーのアルフレッド・ライオンは十分に理解し、ブルーノートからリリースするアルバムは全て、その時点その時点でのホレス・シルバーの個性を最大限に表現されていて、どれもが聴き応え十分である。

例えば、Horace Silver『The Stylings Of Silver』(写真左)。ブルーノートの1562番。国連ビルの前でのポーズをとった、当時としては珍しいカラー写真のジャケットを見ても、ライオンがどれだけ、ホレス・シルバーを買っていたかが判るというもの。加えて、ホレス・シルバーの人気のほどが判るというもの。

ブルーノートのアルバムについては、そのタイトルがその内容をズバリ表しているものが多く、このアルバムのタイトル「The Stylings Of Silver」もそんな秀逸なタイトルのひとつ。「シルバーのスタイル(型)」。確かに、このアルバムには、ホレス・シルバーの個性がギッシリと詰まっていて、ホレス・シルバーのピアノ、アレンジ、作曲センスがしっかりと理解出来る内容となっている。
 

The_stylings_of_silver

 
1957年5月の録音。Art Farmer (tp), Hank Mobley (ts), Horace Silver (p), Teddy Kotick (b), Louis Hayes (ds)。まだ、シルバーがパーマネントなグループを持つ前、シルバーの曲、ピアノ、アレンジに合ったミュージシャンを選んで、セッションに臨んでいる。

どの曲もどの曲も、判り易い切れ味の良いテーマ、軽快にスイングするお洒落な4ビート、クールに畳みかけるようなファンクネス。 ユニゾン&ハーモニーは、どこから聴いてもそれと直ぐ判る、クールでお洒落なシルバー節。激しさとは無縁のクールで印象的なアレンジ。

フロントを張る、柔らかでメロディアスなファーマーのトランペットとモブレーのテナーが、シルバーのピアノをバックに、心地良く気持ち良く響く。シルバーの曲にアレンジに、このファーマーのトランペットとモブレーのテナーが良く合う。プロデューサーのアルフレッド・ライオンの慧眼恐るべし、である。

いろいろなニュアンスや表情の曲が並んでいて、聴いていてとても楽しい。ハードバップの良い部分ばかりが詰まっていて、ハードバップ入門としてもこのアルバムはお勧めである。

国連ビルの階段に佇むシルバーが実に格好良い。万国旗のハタメキ加減、少しくすんだレトロなカラーの色調、むっちゃクールでお洒落である。このジャケットの印象とピッタリの演奏の数々。僕は、このアルバムに敬意を払って「旗のシルバー」と呼ぶ。

 
 

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2014年9月 6日 (土曜日)

僕は「ベンチのシルバー」と呼ぶ

アート・ブレイキー(Art Blakey)と共に「The Jazz Messengers」を立ち上げたホレス・シルバー(Horace Silver)。立ち上げ当時のネーミングは「Horace Silver And The Jazz Messengers」。シルバーがリーダーだった。

その後、宗教上の理由とかで、ブレイキーと袂を分かつことになる。ブレイキーに「The Jazz Messengers」の名前のみを譲り、他のメンバーはシルバーに付いた。その後、ブレイキーについては低迷状態が続く。逆に、シルバーはハードバップ初期の代表的名盤の一枚をリリースし、順風満帆な音楽活動を展開する。

そのハードバップ初期の代表的名盤の一枚が、Horace Silver『6 Pieces of Silver』(写真左)。ブルーノート1539番。コートに身を固めたシルバーがベンチに座り新聞を読む写真も格好良いジャケットが印象的。僕は勝手に「ベンチのシルバー」と呼ぶ。

1956年11月の録音。ちなみに主要なパーソネルは、Horace Silver (p), Donald Byrd (tp), Hank Mobley (ts), Doug Watkins (b), Louis Hayes (ds)。「Horace Silver And The Jazz Messengers」から、ドラムのアート・ブレイキーを抜いて、ルイ・ヘイズに代えただけの布陣。

しかし、このルイ・ヘイズへのドラマー交代で、グループのサウンドはガラッと変わっている。野太いタイトなダグ・ワトキンスのベースと合わせたリズム&ビートは、カッチリとまとまったシャープな印象。シルバーのピアノには、こんな輪郭のクッキリとした、タイトでシャープなリズム&ビートが良い。
 

6_pieces_of_silver

 
このアルバムでは、ラストの「For Heaven's Sake」以外、収録7曲中6曲をシルバーが手がけている。それでもってタイトルが『6 Pieces of Silver』。1曲目の「Cool Eyes」からハードバップな展開が印象的。それぞれがしっかりとソロを取り、そのソロもイマージネーション溢れるアドリブ・フレーズ満載。そして、曲の旋律から滲み出るシルバーのファンクネス。

2曲目の「Shirl」が、この新生ホレス・シルバー・クインテットを象徴する演奏。ホレス・シルヴァーのピアノから始まるバラード曲で、ドラムのルイス・ヘイズと歩調を合わせるようにシルバーのピアノに追従し、ダグ・ワトキンスのベースが演奏の底を締める。ホーンセクションは参加しないピアノ・トリオ作品で、この表現が新しく、このクインテットの特徴的な音でもある。

5曲目の「Senor Blues(セニョール・ブルース)」は名曲。ホレス・シルバーの音の個性がギッシリ詰まっている。ダンディズム溢れるペットとテナーの響き。底に流れる小粋なファンクネス。演奏全体のトーンは「アーバンなクール」。都会の夜のクールでアダルトな音の味わい。印象的なテーマの旋律。ハードバップ初期のヒット曲である。

ジャズとして、ハードバップとして、アーティスティックにまとめ上げられた良盤。さすがはブルーノート、さすがはアルフレッド・ライオン。ややもすれば猥雑となりがちな「ファンキーなハードバップ」を、しっかりとしたリハーサルとシルバーのペンの力で、ハードバップ初期の代表的名盤の一枚に仕立て上げられた。その手腕に脱帽である。

 
 

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2014年7月 1日 (火曜日)

続「追悼、ホレス・シルバー」

去る2014年6月18日、ファンクネス溢れるバップなピアノが個性のピアニスト、ジャズ・レジェンドの一人、ホレス・シルバーが逝去した。ジャズを聴き始めて今年で37年目。ジャズ者初心者の時代から、ホレスのピアノを聴き親しんで来た自分にとっては、とても悲しい出来事であった。

そこで、最近は、何かにつけ「追悼、ホレス・シルバー」として、ホレス・シルバーゆかりのアルバムを物色しては聴いている。今日は、Dee Dee Bridgewater『Love And Peace: A Tribute To Horace Silver』(写真左)。僕の大好きな女性ジャズ・ボーカリスト、ディー・ディー・ブリッジウォーター(略してディーディー)のホレス・シルバー・トリビュートなアルバムである。

1994年12月の録音。1995年9月のリリース。バック・ミュージシャンは知らない顔ばかり。それでも極上のファンキー・ジャズ・ボーカルが展開されている。「Nica's Dream」と「Song for My Father」の2曲で、ホレス・シルバー御大自身がピアノを弾いて居る。加えて「Filthy McNasty」と「The Jody Grind」では、ジャズ・レジェンド、オルガンのジミー・スミスが参加している。

ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater)は、1950年5月生まれ。今年で64歳、このホレス・トリビュートのアルバムを録音した時は44歳。ジャズ・ボーカリストとして成熟し始めた、一番、良い時期の録音になる。テネシー州メンフィス出身。土地柄から、随分若い頃から、ジャズを歌い始めていたらしい。ボーカリストとしてのキャリアのスタートは1972年。
 

Deedee_love_and_peace

 
僕は、このディーディーのボーカルがお気に入り。ジャズ者初心者の頃、1979年頃からずっとお気に入り。歌って踊れる女性ジャズ・ボーカリストとしての彼女が大のお気に入りだった。が、当時、ジャズ者の先輩からは「際物」呼ばわりされて憤慨したのを覚えている。そう言えば、女性ジャズ・ボーカリストって、立ちつくして歌うのが標準のスタイルだったなあ。つまり、歌って踊るなんて、以ての外だったらしい(笑)。

でも、僕はディーディーのボーカルが好き。ファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルに、ダンサフルなリズム&ビート。ディーディーのボーカルは、1970年代の若かりし頃より、エネルギッシュでファンキーだった。正統派の純ジャズなボーカルというよりは、フュージョンでコンテンポラリーなジャズ・ボーカルの類である。

そんなディーディーが歌いまくる、ホレス・シルバー・トリビュートな曲曲曲。ディーディーのファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルが、ホレスのファンクネス溢れる楽曲にピッタリ。むっちゃ雰囲気の良いボーカルがてんこ盛りです。

ホレスの手なる曲は、どれもがノリが良くて、ファンキー。ディーディーのボーカルはダイナミックでパワフル。ホレスの曲のファンクネスとディーディーのパワフルな歌唱との相性がとても良く、ディーディー自身、思いっきりノリノリのボーカルを全編に渡って聴かせてくれます。

全13曲、あっと言う間に聴き終えてしまいます。これぞ、現代の、コンテンポラリーなジャズ・ボーカルと言えましょう。ホレスの楽曲に歌詞を付けて唄ったボーカル・アルバムとしては白眉の出来です。「追悼、ホレス・シルバー」として格好のアルバムですね。良いアルバムです。

 
 

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2014年6月29日 (日曜日)

「追悼、ホレス・シルバー」です

ホレス・シルバーが鬼籍に入りました。2014年6月18日に逝去、85歳。ホレス・シルバーは、コネチカット州ノーウォーク出身のジャズ・ピアニスト。ファンクネス溢れるバップなピアノが個性のピアニストでした。最近、活動の情報が伝わって来なかったので、ちょっと心配していた矢先の訃報だった。

ホレスのピアノは、叩き出すフレーズというフレーズにファンクネスを湛え、ホレスのピアノはファンキーそのもの。ファンキーなピアノとは如何なるものか、と問われれば、僕は、このホレスの代表作を2〜3枚、聴いて貰うことにしています。

そんなホレスが遂に鬼籍に入ってしまいました。残念です。最近、生存するジャズ・レジェンドが次々と鬼籍に入っていくので、ちょっと精神的に参ってしまいますよね。元気に演奏していた、若いことから馴れ親しんでいたジャズ・レジェンドが鬼籍に入るのを見届けるのは辛いものがあります。

さて、そんなホレス・シルバーを追悼するに相応しいアルバムは、と思い、色々とCD棚を物色してみました。ブルーノート時代のハードバップなリーダー作は当然なんですが、僕は、このアルバムのホレスのプレイが好きで、今回、追悼・ホレス・シルバーとしては、この1997年リリースの『A Prescription For The Blues』(写真左)を選択しました。

この『A Prescription For The Blues』は、邦題は『ブルースに処方箋』。1997年5月の録音になります。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Randy Brecker (tp), Michael Brecker (ts), Ron Carter (b), Louis Hayes (ds)。
 

Hrace_silver_prescription_for_the_b

 
ホレスに、ベースのロン、ドラムのヘイズというベテランというか、ジャズ・レジェンド級のピアノ・トリオをリズム・セクションに、ランディとマイケルのブレッカー兄弟がフロントを張るという魅力的な布陣です。

アルバム全体の雰囲気は、ファンクネス溢れるハードバップ大会。まず、ホレスとロン、ヘイズのピアノ・トリオのファンクネス溢れる展開がアルバム全体の雰囲気をガッチリと固める。そして、ブレッカー兄弟の登場である。これだけ、ファンキー・ハードバップな雰囲気で固められているのだ。ブレッカー兄弟もそれに応えなければならない。

いやいや、素晴らしいですね。ランディのペット、マイケルのテナー、どちらも思いっきりハードバップしています。しかも、これだけファンクネスを漂わせたアドリブが展開できるなんて、ちょっとした驚きです。器用というより才能でしょう。実に懐の深い演奏を繰り広げていて良い雰囲気です。

そう言えば、ブレッカー兄弟って、若いころ、彼らはホレスのバンドに在籍していたことを思い出しました。道理でファンキー・ジャズにフィットするはずです。納得。

このアルバムでの、ホレス御大のプレイについては申し分ありません。1997年と言えば、1928年生まれのホレスは69歳。レジェンドの域に達したホレスのプレイはもはや揺るぎはありません。ファンクネス抜群のバップなピアノを叩き出して行きます。

ホレスのピアノは、ファンクネス溢れるバップなピアノが個性。これは意外と唯一無二。実に個性溢れるファンキー・ピアニストでした。多くのリーダー作を残してくれているので、彼のファンキー・ピアノを愛でるには事欠きませんが、彼の元気な姿を見ることが出来無くなると思うと、やはりちょっと寂しいですね。合掌。

 
 

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2008年6月25日 (水曜日)

このシルバーは上級者向け....

昨日、ブルーノートの1518番、ファンキー・ジャズの原点と言われる『Horace Silver and the Jazz Messengers』をご紹介しました。実は、ブルーノートの1520番に同じジャケット写真で、赤いシルバーのアルバムがある(1518番は青のシルバーでしたね)。

そのアルバムとは『Horace Silver Trio And Art Blakey-Sabu』(写真左)。1952年、1953年にそれぞれ録音されたアルバムです。昨日ご紹介した1518番は、1954年、1955年の録音ですから、カタログ番号が後でも、今回ご紹介する『Horace Silver Trio And Art Blakey-Sabu』の方が古い録音になります。

さて、このアルバム、ピアノのホレス・シルバーとドラムのアート・ブレイキー、そして曲によってベースが変わり、コンガのサブーが加わる変則ピアノ・トリオ編成。ファンキー・ピアノでならしたシルバーのピアノ・トリオですから、変則編成とはいえ、期待が高まるのですが、これがそうではない。

このアルバムは、シルバーの初の自己名義アルバム。しかも、録音年は1952ー53年。まだ、ファンキー・ジャズの言葉は無い。冒頭の一曲目「Safari」を聴けばビックリ。ファンキー・ジャズどころか、最初聴いた時は、バド・パウエルが弾いているのかと思った。1952ー53年のジャズ界。ジャズ・ピアノについては、まだまだバド・パウエルの影響が大きかったんだろう。
 

Horace_blakey_sabu

 
このアルバムでのシルバーは、バド・パウエルによく似ていて、まだ、彼特有の個性が前面に出ていない。左手の使い方が、ちょっとパウエルとは違うかな、くらい。楽曲は全てビ・バップ調。しかし、ブレイキーのドラムは違う、ビ・バップのドラミングとは明らかに違う。ハード・バップにつながるドラミングをこのアルバムで既に自分のものにしているのは立派。

加えて、このアルバム、4曲目「Message from Kenya」で、ブレイキーのドラムとサブーのコンガのデュオが展開される。出だし、いきなりサブーの雄叫び。ビックリである。加えて、またまたビックリなのが、10曲目「Nothing But the Soul」。ここでは、ブレイキーのドラムソロが展開される。この2曲でのブレイキーのドラミングは凄い。でも、このアルバムって、ホレス・シルバー名義のトリオアルバムじゃなかったっけ。

このアルバムは、何をテーマにとりまとめたのか? プロデューサーのアルフレッド・ライオンに訊いてみたい。よく判らん。でも、1952ー53年のジャズ・シーンが、このアルバムを透して見えるようで、ジャズの歴史、スタイルの歴史に興味のある方には、実に面白い聴きものだと思います。決してジャズ初心者向けのアルバムではありません。どちらかと言えば、上級者向けかと思います。

ちなみに、このアルバムの1952年の録音は、当初は、ルー・ドナルドソン(as)のリーダー・セッションの予定だったのが、ドナルドソンが都合で来られず、やむなくリズム隊だけで録音することになったそうです。その時、シルバーはオリジナル曲を持ち合わせており、この録音になった次第。シルバーのリーダー・デビュー録音はひょんなことから生まれたんですね〜。

ということで、ビートルズのベスト盤「青盤」「赤盤」のように、このシルバーの「青盤」と「赤盤」は、必ずしも対で所有しなくても良いと思われます(笑)。「青盤」はジャズ初心者の方々にお勧め、「赤盤」はジャズ上級者の方々にお勧め、って感じですね。
 
 
 
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2008年6月24日 (火曜日)

Mr.ファンキー「Horace Silver」

「脳の疲れ」を取るには、音楽が良い。僕にとっては、柔らかで優しい、それでいて、ちょっぴり心地良い刺激のあるジャズが良い。そして、なんとなく疲れが取れてきたら、今度は、ジャズの王道、典型的なハード・バップの演奏を聴くのが良い。それも、判りやすくて、ノリの良い、ミッド・テンポのファンキー・ジャズが良い。

典型的なハード・バップ&ファンキー・ジャズ。多くあるハード・バップの名盤、その中の一枚が『Horace Silver and the Jazz Messengers』(写真左)、ブルーノートの1518番。このアルバムは、ファンキー・ジャズの原点と言われる。パーソネルは、Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (d)。

録音した当時、1954年当時は「ファンキー・ジャズ」という言葉は無かったと思う。恐らく、当時、このアルバムの演奏は、ジャズの最先端、最も「クール」な演奏内容だったのだろう。ブルージーでありながら、決して暗くならず、マイナーでありながら、ポジティブな音の響き。黒人音楽独特の粘りと踊るようなビート感。この雰囲気が、当時一番「クール」な響きだったのだろう。

6曲目の「Hankerin'」がハンクの作曲以外、他の曲は全て、シルバーの作曲。この響きは、きっと作曲者のシルバーと録音メンバー達が、知恵を絞り、考えに考えて、工夫に工夫を重ねて、この響きになったんだろう。とにかく、音の重ね方、音の響き、音の雰囲気、音の回し方、どれをとっても、既に、後に「ファンキー・ジャズ」と呼ばれる特徴を十二分に備えている。
 

Horace_silver_jm

 
ファンキー・ジャズといえば、何となく、判りやすくて俗っぽい感じがするんだが、このアルバムでの演奏は、決して俗っぽくない。俗っぽいどころか、アーティスティックな香りすらする、高尚な世界。ジャズが芸術である、ということを思い出させてくれるような、素晴らしい演奏。どの曲も素晴らしい演奏。ハード・バップのショーケースである。

トランペットのドーハムが溌剌としていて、テクニックも申し分無く、「ドーハムってこんなに巧かったっけ」と嬉しくなる。モブレーのテナーもダイナミックで、「モブレーってこんなに雄々しかったっけ」と嬉しくなる。シルバーのピアノは実にファンキーで、ブレイキーのドラムは申し分無い。おっとっと、ワトキンスのベースもファンキーだ。

このアルバムには、シルバー最初のヒット曲「The Preacher」が収録されている。テーマが実にキャッチャーで旋律が追いやすく、口ずさめる名旋律である。僕には、「線路は続くよどこまでも」と「権兵衛さんの赤ちゃんが風邪ひいた」とがミックスされたような旋律に聴こえて、実にユーモラス。ヒットしたのは良く判る。とにかく、判りやすくて、ノリの良い、絵に描いたようなファンキー・ジャズの名曲である。

この「The Preacher」について、エピソードをひとつ。ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、どうしてもこの「The Preacher」が、いまいち俗っぽくて好きになれない。もう少しアーティスティックであっても良いのではないか。それでも、この「The Preacher」はヒットした。当然、当時弱小レーベルだったブルーノートの台所が潤った。自転車操業が一息つき、腰を据えて、アルバムを作る環境が出来上がった。そういう意味では、「The Preacher」という曲は、ブルーノートからみれば、孝行息子的なヒット曲ということになる。

それでも、アルフレッド・ライオン、晩年、インタビューに応えて一言、「今でもあの曲(The Preacher)は、corny(新鮮味のない, 陳腐な、感傷的な, の意)だと思っている」。う〜ん、ジャズの歴史にその名を残す名プロデューサー、アルフレッド・ライオンの面目躍如である。
 
 
 
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2008年2月 9日 (土曜日)

50年眠っていた「掘り出し物」

朝から、外はどんより曇り空。しかも、しんしんと冷え込んでいる。今晩は雪の予報。先週に引き続きである。まだまだ、北側の屋根やマンションの屋上、北側の日陰などには、先週の雪がまだ残っているのになあ。今年の我が千葉県北西部地方は雪が多い。

ジャズ界では良くある話なんだが、演奏を録音しておいて、何らかの理由でその録音が発売されることなく、いわゆる「お蔵入り」となり、そのまま、紛失〜行き先不明状態となって、何十年後かに、なんらかの拍子に発見されて、日の目を見ることがある。

今回発売の、HORACE SILVER(ホレス・シルバー/p・写真右)の『LIVE AT NEWPORT '58』(写真左)も、その類である。1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ音源が、倉庫から奇跡的に極上音質で発掘されたのだ。

1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルと言えば、映画「真夏の夜のジャズ」の舞台となったジャズ・フェスティバルである。映画撮影の時に、同時に録音された音源なんだろうか。しかし、良く見つかったもんだ。しかし、ジャズの世界では、良くあるなあ、この歴史的発掘。まるで、考古学である(笑)
 

 Horace_silver_newport58

 
1950年代後半は、ホレス・シルバー・クインテット黄金期。しかも、僅かな期間しか在籍しなかったLouis Smith(ルイ・スミス/tp)を含むライブ音源は貴重。全4曲ホレスのオリジナルで、ライブならではの白熱した演奏が堪能できる。パーソネルは、LOUIS SMITH(tp), JUNIOR COOK(ジュニア・クック/ts), HORACE SILVER(p), GENE TAYLOR(ジーン・テイラー/b), LOUIS HAYES(ルイ・ヘイズ/ds)のクインテット構成。

最初の一曲目「TIPPIN'」の出だしは、ドラムス、ベース、テナー、ペット、ピアノ皆、バラバラ。「おいおい、ど〜なんの」って感じで、ギクシャクしながらヨタヨタ。でも、曲半ば位から、全体のアンサンブルが合い始め、ほっと一息。

こういう、50年ぶりに発掘された音源って、発売前の事前の触れ込みは凄いんだが、手に入れて聴いてみると「なんだりゃ」的なズッコケ盤もあるので注意が必要。最初の一曲目「TIPPIN'」の出だしのバラバラな演奏を聴いた瞬間は、カスを掴まされたのかと思った(笑)。録音のバランスも音質も良好で、なぜ、この音源が倉庫の中で、50年も眠っていたのかが判らん。

もちろん、お約束の「セニョール・ブルース」も入っている。ヘイズのドラムが意外と鋭く切れ込んでシャープ、ホレスのバッキングは鉄壁、フロントの二人を支える。ジーンのベースは、しっかりとビートを刻む。これだけのリズム隊をバックにして、燃えないフロント(ここではトランペットとテナー)は無い。スミスのペットは事前の僕の予想を遙かに超えて素晴らしく、クックのテナーは相変わらず快調。これぞハード・バップ、と叫びたくなる熱演である。

収録曲数は4曲と最近のCDフォーマットを最大に活かした曲数からすると、ちょっと少なめですが、トータルで45分と、鑑賞するにはちょうど良いと思います。ハード・バップの好きな方には、お勧めです。ライブならではの雰囲気が体感できる、なかなかの佳作だと思います。
 
 
 
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2007年9月20日 (木曜日)

これがハード・バップの優等生

もう、9月20日だよね。でも、今日の東京は、夏真っ盛りという感じ。今年の真夏の時期の様に、湿気が高くなくて、いつもの夏ならこんな感じだったよね、って感じの一日。でも、もう、9月20日だよね。一ヶ月、後ろに季節がずれている感じ。よって、今日は、心地よく暑い一日。

さて、このところ、ロックを聴いて通勤していたので、そろそろ、ジャズの禁断症状がやってきた。朝は、ビートルズを聴いて会社にいったのが、帰りはもう我慢できない。ジャズだ。それも、バリバリのジャズだ。バリバリのジャズと言えば、ハード・バップだ。それも、絵に描いたような、優等生的な、ハード・バップの演奏が聴きたい。

選んだのは、 Art Blakey&Jazz Messengersの「At the Cafe Bohemia, Vol. 1&2」である。ブルーノートの1507番と1508番である。メンバーは、Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (ds)。1955年11月23日、ニューヨークのライブ・ハウス「カフェ・ボペミア」でのライブ録音である。

この2枚のライブアルバムには、絵に描いたような、優等生的なハードバップの演奏が詰まっている。ジャズ初心者の方に、ハード・バップとビ・バップの違いってなんですか、と訊かれることがある。そんな時、チャーリー・パーカーの「The Complete Savoy Sessions」や「Bird & Diz」を聴いてもらった後、このArt Blakey&Jazz Messengersの「At the Cafe Bohemia, Vol. 1&2」を聴いてもらうことにしている。
 

Jm_bohemia

 
「At the Cafe Bohemia, Vol. 1&2」を聴くと、ビ・バップ時代のアクロバティックな、テクニック優先のエキセントリックな演奏と比べて、演奏時間が長く、演奏の構成がしっかりしていて、ソロの豊かさ、リズムの多彩さ、コードの複雑さが顕著で、演奏の抑揚、強弱など、メリハリがよく効いていて、聴衆の「ジャズという音楽を鑑賞し、楽しむ」というニーズに応える、アーティスティックかつエンタテインメントな内容になっていることが良く判る。

ビ・バップの特徴は、演奏のテクニックを第1に、演奏時間が短く、エキセントリックな演奏。ハード・バップの特徴は、演奏を「鑑賞し、楽しむ」ことを第1に、如何に楽しく、心地よく、時にはエモーショナルに聴いて貰うか、に力点が移っている。よって、演奏の構成もさることながら、アレンジも重要な要素になっている。

「At the Cafe Bohemia, Vol. 1&2」では、この特徴が実に良く判る。そして、改めて再認識することもあって実に楽しい。Kenny Dorhamのトランペットが、こんなにエモーショナルで、ハイノートをヒットしつつ、速いテンポのソロも滑らかで、こんなに上手いトランペッターだったのかと改めて彼を見直したり、 Hank Mobleyが、吹っ切れたような、躍動感溢れるテナーを聴かせてくれて、あの少し優柔不断的なテナーはどこへいったのか、などと嬉しくなったり、再認識したりで実に楽しい。

Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (ds)のリズム・セクションの演奏は「言わずもがな」です。特に、Art Blakeyのドラムは、硬軟自在、緩急自在、フォービートあり、アフロあり、ナイアガラロールあり、カカカカカのドアノックあり、モダン・ジャズ・ドラムの最高レベルの演奏が聴けます。早逝したDoug Watkinsのテクニック豊かなベースが聴けるのも嬉しい。

1955年。ジャズにとっても古き良き時代。その古き良き時代の「絵に描いたような、まさに優等生的なハードバップの演奏」。こんな素晴らしい演奏をCDというフォーマットで、いつでも聴くことが出来る。まさに「音楽を聴く幸せ」とはこのことである。加えて、ジャケット・デザインも最高。言うこと無し。
 
 
 
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