2023年5月19日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・262

ディヴ・リーブマンが元気そうでなにより。そんな思いを持てるような、リーブマンがここ5年ほどの間に、様々な演奏フォーマット&内容のリーダー作を結構な数、リリースしている。頼もしい限りである。

Dave Liebman『Trust and Honesty』(写真左)。2022年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Dave Liebman (ss, ts), Ben Monder (g), John Hébert (b)。リーダーのリーブマン、この盤ではピアノもドラムも使わないトリオ形式を選択している。ほとんど馴染みの無い編成での演奏なので、ついつい触手が伸びる。

なぜピアノもドラムも使わなかったか。この盤を聴けば直ぐに判る。この盤、全曲バラード曲で占められた企画盤なのだ。バラード曲をリーブマンがソプラノ&テナー・サックスで、心ゆくまで吹きまくる。

サックスだけがフロント楽器を務めるワンホーンであれば、リズムを刻むのはドラムよりギターの方が良い。ベースラインをしっかりと押さえる必要があるのでアコースティック・ベースは必須。
 

Dave-liebmantrust-and-honesty

 
ということで、今回は敢えてピアノとドラムはオミットして、心ゆくまでリーブマンが吹きまくり、そのリーブマンの奏でるフレーズだけを愛でる。それが狙いの演奏形態。これがスバリ大当たり。とても聴き応えのあるバラード曲集になっている。

リーブマンはサックスのバーチュオーゾの一人なので、バラード表現にも長けたものがある。「Stella By Starlight」や「Come Rain or Come Shine」「Lover Man」等の有名なスタンダード曲もさることながら、ちょっと玄人好みのスタンダード曲「Moon and Sand」「Bye Bye Blackbird」「Blue in Green」の出来が素晴らしい。リーブマンのバラード表現を堪能出来る。

バックのリズム隊、ギターのモンダーとベースのエベールは、実に息の合ったリズム&ビートで、リーブマンのサックスをサポートし、鼓舞し、引き立てる。サックスがワン・ホーンのバラード曲集での「ギター+ベース」の変則リズム隊は「絶対にアリ」と強く思わせる、説得力のあるリズム隊である。

ジョン・コルトレーンの『バラード(ballads)』、マイケル・ブレッカーの『ニアネス・オブ・ユー(Nearness Of You)』に比肩する、とても優れた内容のリーブマンのバラード集。後世における「名盤」候補。しみじみ聴ける好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新

    ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年5月18日 (木曜日)

レジェンドだけど「元気なロン」

1950年代のハードバップ期から、ずっと第一線で活躍してきたレジェンド級のベーシストについて、振り返って見ると、ほとんどが鬼籍に入ってしまっている。2020年辺りで、現役でプレイしているレジェンド級のベーシストは「ロン・カーター(Ron Carter)」しか見当たら無くなってしまったようだ。

Ron Carter『Foursight - The Complete Stockholm Tapes』(写真左)。2018年11月17日、ストックホルムのジャズクラブ「Fasching」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b), Jimmy Greene (ts), Renee Rosnes (p), Payton Crossley (ds)。テナー・サックスがフロント1管の、シンプルな「ワンホーン・カルテット」編成。

ロン・カーターは、このライヴ盤の録音時点で81歳。溌剌としたアコースティック・ベースを奏でていて素晴らしい。とても81歳とは思えないパフォーマンス。

ロンは、自身のリーダー作紐解くと、1960年代はリーダー作はドルフィー、マルとの『Where?』のみ。マイルスの下で「限りなくフリーなモード・ジャズ」を志向し、ベースの音は、いかにもモードな演奏に完全対応した様な、間と音の拡がりを活かしたもので、聴けば、これはロンのベースと直ぐ判るほどの個性溢れるベースだった。

しかし、1970年代、マイルスの下を去って独立すると、ほどなくCTIレーベルに移籍。フュージョン・ジャズをメインに活動を継続する。リーダー作の制作については、リーダーとして、ロンの志向するジャズをセッションで具現化する部分はまずまず良好な内容だったのだが、ロンのベースの音自体がいただけない。アンプで電気的に増幅し弦高の低いブヨンブヨンとゴムが伸びたように間延びした、しかも、ピッチが外れたベースの音で、聴くのが辛いリーダー作も多々あった。
 

Ron-carterfoursight-the-complete-stockho

 
1990年代、ブルーノート・レーベルに移籍して以降、ベースの効くに耐えない音が改善され、アコースティック・ベースの弦と胴の骨太な「鳴り」を活かした、ピッチのずれもかなり改善された、まずまずのベース音に修正されて、やっとまともに、ロンのリーダー作を鑑賞する気になった。誰かに指摘されたのかなあ、特に21世紀に入ってからは、安定して端正でロンの個性溢れるアコベで活躍している。

さて、このストックホルムでのライヴ盤に話を戻すと、ロンのベースの音は良好。演奏全体の志向は、過去のモード・ジャズを踏襲しつつ、新しいアレンジや響きを散りばめた「軽めのネオ・ハードバップ」な演奏になっている。大向こうを張ったハッとするような新鮮さはあまり感じられないが、絶対に過去のコピー、過去の焼き直しなモード・ジャズでは無い、どこか現代のモード・ジャズの響きをしっかり湛えた演奏は、意外と聴き応えがある。

他のメンバー、特に、これまたベテラン女流ピアニスト、リニー・ロスネスのパフォーマンスが充実している。そう、ロスネス、モーダルなピアノ、弾きまくりである。とっても溌剌として元気なパフォーマンスにはビックリ。往年のロスネスがここにいる。

サックスのジミー・グリーン、ドラムのペイトン・クロスリーも、あまり馴染みのあるジャズマンでは無いにしろ、当ライヴ盤でのパフォーマンスは大健闘だろう。良い雰囲気、良い感じでのパフォーマンスは聴き応えがある。

選曲も奇をてらわず、と言って、皆がとても知っている「どスタンダード曲」に依存することもなく、ロンの自作曲も交えて、ちょっと小粋なスタンダード曲をチョイスしているところも良い感じ。

現代の「軽めのネオ・ハードバップ」盤として、なかなかの内容の好盤です。録音当時、81歳のロンが元気にプレイしているところも好感度アップ。レジェンド級ジャズマンのリーダー作として、一聴の価値アリ、ですね。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新

    ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年3月20日 (月曜日)

プレヴィンの晩年を愛でる。

小粋なジャズ盤、それも「ピアノ・トリオ」盤を探していると、必ず出会うピアニストがいる。アンドレ・プレヴィンなど、そんなピアニストの1人で、クラシックのピアニスト&指揮者、そして、ジャズ・ピアニストと「3足の草鞋を履く」音楽家だが、アレンジ能力にも優れ、スタンダード曲やミュージカル曲のジャズ・アレンジは、どれもが素晴らしい。

André Previn with Mundell Lowe & Ray Brown『Uptown』(写真左)。1990年8月22日の録音。ちなみにパーソネルは、André Previn (p), Mundell Lowe (g), Ray Brown (b)。アンドレ・プレヴィンがリーダー格、プレヴィンのピアノとロウのギター、ブラウンのベースという、オールド・スタイルのピアノ・トリオ。

通常、今では「ピアノ・トリオ」と言えば、ピアノ+ベース+ドラムの楽器編成が基本。これは、モダンジャズ・ピアノの開祖「バド・パウエル」が恒常的に採用した編成。それ以前は、ピアノ+ベース+ギターの楽器編成が「ピアノ・トリオ」の基本編成だった。このプレヴィンのリーダー作では、敢えてオールド・スタイルのピアノ・トリオ編成を採用して、3種の楽器に「フロント楽器」としての役割を担わせて、3人それぞれのインタープレイの妙が楽しめる内容になっている。
 

Andre-previn-with-mundell-lowe-ray-brown

 
それにしても、プレヴィンのピアノは上手いし、とってもジャジーだ。プレヴィンと言えば、クラシックのピアニスト&指揮者、そして、ジャズ・ピアニストと「3足の草鞋を履く」アーティストだが、ジャズ・ピアニストとしての能力はかなり高い。クラシック・ピアノ出身らしく「端正で歯切れが良く破綻の無い」ピアノが個性。しかも、ファンクネスは皆無なんだが、オフビートが効果的に効いていて、流麗に弾き回すフレーズがとてもジャジー。

ギターのマンデル・ロウのギターも小粋なバッキング。プレヴィンのピアノとの相性がとても良いみたいで、音がぶつかったり重なったりすることが無い。ロウの職人芸的ギターもこの盤の聴きもの。当然ながら、レイ・ブラウンのベースは素晴らしい。ジャズ・ベースのレジェンド中のレジェンドなんだが、この盤でのブラウンのベースは演奏全体のリズム&ビートをしっかり掌握しコントロールしている。安心安定のブラウンのブンブン・ベースはこれまた聴き応え十分。

選曲も一捻りしていてユニーク。全13曲中、ハロルド・アーレンの曲が6曲、デューク・エリントン関連の曲が6曲と、2つの系統のスタンダード曲で固めていて、不思議な統一感がある。この盤を録音した時、プレヴィンは61歳。大ベテランの域に入ったプレヴィンは、若かりし頃の様に弾き過ぎること無く、余裕ある滋味溢れる流麗で躍動感のあるピアノを弾きまくっている。プレヴィンの晩年を愛でるべき好盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

  ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から12年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年3月 7日 (火曜日)

時には「古き良きジャズの音」

ゴリゴリのモード・ジャズや静的スピリチュアルなニュー・ジャズなど、バリバリ硬派なメインストリーム志向の純ジャズ盤を聴き続けていると、演奏のテンションが基本的に高いが故、時々、息抜きをしたくなる。

息抜きをしたくなると、スイング時代からのジャズ演奏の雰囲気を継承した、ビ・バップでもなく、硬派でストイックなハードバップでもない、純粋に「古き良きジャズの音」をキープした中間派ジャズが聴きたくなる。

Pee Wee Russell & Buck Clayton『Swingville Volume 8/ Swingin'』(写真左)。1960年3月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Pee Wee Russell (cl), Buck Clayton (tp), Tommy Flanagan (p), Wendell Marshall (b), Osie Johnson (ds)。プレスティッジの傍系レーベル、Swingvilleからのリリース。

Swingvilleは「トラッド・ジャズ」のレーベル。ディキシーやスイングジャズの名手たち、エリントンやベイシーのバンドでスターだった人たちの演奏を聴くことが出来る、「古き良きジャズの音」をキープした盤をリリースしていたレーベルである。

リーダーの1人、Pee Wee Russell(ピー・ウィー・ラッセル)は、1906年生まれ、米国ミズーリ州出身の、ディキシーランド・ジャズからスイング・ジャズ、後に「中間派」ジャズの代表的クラリネット奏者。
 

Pee-wee-russell-buck-claytonswingville-v

 
さて、アルバムの内容に戻る。ピー・ウィー・ラッセルのクラリネットと、バック・クレイトンのトランペットがフロント2管のクインテット編成なんだが、メンバーは基本的に中間派ジャズのジャズマンが集結している。が、1人だけ、あの「名盤請負人」と名を馳せたトミー・フラガナンがピアノを担当している。

演奏の雰囲気は、一言で言うと「心地良く寛いだ雰囲気のモダン・スイング」。ラッセルのクラリネットの、流麗で小粋でこぶしの利いたフレーズがホンワカ心地良く、クレイトンの張りのあるブリリアントなトランペットが心地良く響く。典型的な「中間派」ジャズな演奏で、特にスイング・ジャズ風の音作りが実に「ジャズらしい」。

そして、この「中間派」ジャズの演奏の中で、フラナガンのピアノが「キラリ」と光るフレーズを連発する。このフラナガンのピアノの存在が、この「中間派」ジャズにモダンな響きを宿らせて、このオールド・スタイルな、ノスタルジックな「中間派」ジャズの演奏を、意外と新しいイメージで聴かせている。「名盤請負人」フラナガン、侮りが足し、である。

こういう、ジャズらしいジャズ盤、というのも時には良い。息抜きをしたくなった時、難しいことは考えずに「古き良きジャズの音」に身を委ねる。至福の時である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

  ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年2月23日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・258

お待たせしました。やっとこさ、ブログを再開しました。よろしくお願いします。

さて、ジャズ・ライフ誌の「Disc Grand Prix 年間グランプリ」には、2022年度にリリースされた新盤の中に、過去の未発表音源が入っていたりするから、チェックは念入りに怠り無く、である。以前は「コルトレーンもの」や「マイルスもの」が多かったが、最近は、そのレジェンド級ジャズマンについてもバラエティーに富んできて、探索するのが楽しい。                                       

The Oscar Peterson Trio『On A Clear Day - Live in Zurich, 1971』(写真左)。1971年11月24日、スイスのチューリッヒ、Kongresshausでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Louis Hayes (ds)。ラジオ・チューリッヒの放送用の未発表ライヴ音源の初アルバム化である。

ジャケットがいかにもブートらしくて、初めて、このジャケットを見た時は触手が伸びなかった。しかし、ネット情報でトリオのメンバー名を確認して、即ゲットを決意。史上最高のジャズピアノ・マイスターのピーターソン、そして、デンマークの至宝ベーシストのペデルセン、堅実実直なレジェンド級ドラム職人のヘイズ。このトリオ編成は素晴らしい。

というか、僕は「ピーターソン者」。ピーターソンがお気に入りピアニストの1人で、好きなランクの上位に位置する。しかし、このピーターソン、ペデルセン、ヘイズのトリオ編成って、聞いたことが無かった。で、ネットで調査してたら、この今回のライヴ音源が唯一だったらしい。でしょうね。でも、ピーターソンのピアノにペデルセンのベースって、絶対良いよな。そこに、ヘイズの堅実実直なドラムがビートの底を支えるのだ。絶対、内容は良いに決まっている。
 

The-oscar-peterson-trioon-a-clear-day-li

 
で、聴いてみると、やっぱり良いですね。ドライブ感抜群・スイング感抜群・歌心満載のピーターソンのピアノに対等に相対出来るベーシストはなかなか見当たらないのだが、テクニック最高・高速ライン弾き・唄う様なピッツィカートのペデルソンのベースがバッチリ合う。

どちらも高速フレーズを弾きこなすのだが、この2人は決して「うるさくならない」。相手の音を良く聴いて、音がぶつからない様に、相手をしっかりサポートする様に弾きこなしている。素晴らしい。

ヘイズのドラミングも実に良い。ピーターソンとペデルセンが高速フレーズを弾きまくるバックで、演奏全体のリズム&ビートをしっかりと支え、しっかりとリードしている。この堅実実直なヘイズのドラミングがあってこそ、ピーターソンもペデルセンもバリバリ弾きこなせるというもの。

全編、熱演につぐ熱演で、その熱気は聴衆の熱気と共に、様々な音でしっかりと伝わってくる。特に聴衆の盛り上がりは相当なもので、1971年とは言え、さすが欧州。流行に流されず、メインストーリム指向の純ジャズの優れた演奏に正しく反応する感性は素晴らしい。

良いライヴ音源です。こういう未発表音源が、しかも、オスカー・ピーターソンの一期一会トリオの音源が、ラジオの放送音源から作成されたことはとても素晴らしい出来事だったと思います。聴き応えのあるピアノ・トリオの演奏。実際のライヴで聴きたかったですね。

 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

  ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年2月11日 (土曜日)

ベツレヘムならではの企画盤

ベツレヘム・レーベルのハードバップなインストの優秀盤は、他のレーベルに比べて、ちょっとユニーク。米国東海岸ジャズと西海岸ジャズの要素がほどよく融合して、独特の雰囲気のハードバップが成立している。例えば、この企画盤に詰まってる音は、ベツレヘムならではの音作りになっていて、とても面白い。

『Winner's Circle』(写真)。1957年9月,10月の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

奇数曲(1957年9月録音)ー Art Farmer (tp), Rolf Kühn (cl), Eddie Costa (vib), Kenny Burrell (g), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds)。

偶数曲(1957年9月録音)ー Donald Byrd (tp), Frank Rehak (tb), Gene Quill (as, 2.のみ), John Coltrane (ts), Al Cohn (bs), Eddie Costa (p), Freddie Green (g, 2.のみ), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds, track:2 を除く), Philie Jo Jones (ds, track:2 only)。

Winner's Circle。競馬用語では「勝ち馬表彰式場」。直訳だと「勝者の輪」。この盤の制作経緯を読むと、ダウンビート誌が1957年に発表した批評家の投票結果を基にメンバー選定して録音に臨んだ企画盤とのこと。

ただし、各楽器毎の一位のジャズマンばかりが選ばれている訳では無い。この盤でその存在がクローズアップされるジョン・コルトレーンはテナー・サックス部門で2位。ベース部門では、オスカー・ペティフォードが1位。ペティフォードは全8曲に参加していて、この企画盤、ペティフォード名義でも良かったのでは、とも思う。

冒頭「Lazy Afternoon」の演奏を聴けば、米国西海岸ジャズか、と思うだろう。エディ・コスタの硬質で透明感溢れるヴァイブのフレーズが心地良い。アート・ファーマーもトランペットもリリカルで流麗。ケニー・バレルのギターは漆黒アーバンでファンキーな響き。アレンジもシンプルで秀逸。しっかりアレンジされた、聴かせるジャズ。米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚である。
 

Winners-circle  

 
2曲目の「Not So Sleepy」は、フロント楽器の担当が東海岸のメンバーがメイン。でも、出てくる音は、どちらかと言えば、西海岸ジャズの雰囲気濃厚。お目当てのコルトレーンは、ゆったりしたミッドテンポに乗って、演奏の西海岸ジャズの雰囲気に似使わない、ゴツゴツとした硬いフレーズに終始する。

この盤でのコルトレーンは8曲中の4曲のみ参加、かつ、フロント4管構成の1つなので出番は極めて少ない。大凡は「普通の何の変哲も無いフレーズ」を吹いていく。この盤でのコルトレーンは発展途上と聴いた。聴きどころは殆ど無い。が、LP時代、日本のレコード会社は、この企画盤をコルトレーン名義として発売している。呆れた商業主義である(笑)。

それでも、コルトレーン以外のメンバーは、西海岸ジャズの雰囲気に乗って、情感豊かでリリカルなフレーズを紡ぎ上げている。演奏全体の雰囲気は良い。

以降、ラストの「Turtle Walk」まで、ミッドテンポが中心の、米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚な演奏が続く。演奏自体はハードバップ。アレンジ良し演奏良し、聴かせるジャズ、聴いて楽しいジャズが小粋に展開されている。

「Winner's Circle(勝者の輪)」なんてタイトルが付いているので、批評家の投票結果の上位者が集まって、丁々発止とバトルを繰り広げるジャム・セッション集かと思ったら、米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚な、しっかりアレンジされた、聴かせるジャズが展開されているので、初めはちょっと面食らう。

米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、東海岸と西海岸、どちらに偏ることも無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしていたベツレヘム・レーベルならではの優秀盤といえるだろう。ベツレヘムのハードバップはユニークなものが多い。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

   ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年2月 7日 (火曜日)

アップル・レコードのMJQ・2

ビートルズで有名なAppleレコード。レジェンドなカルテット、モダン・ジャズ・カルテット(The Modern Jazz Quartet・MJQと略)は、この「場違い」なAppleレコードに2枚のアルバムを残している。

その経緯は僕は知らないが、昔、Appleレコードのカタログを眺めていた時、MJQのアルバムを見つけた時は思わず「え〜っ」と声を上げた。なんで、純ジャズ最高のグループの音源が、Appleレコードからリリースされていたのか。謎である。

The Modern Jazz Quartet『Space』(写真)。 1969年、ロンドンの「Trident Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p, harpsichord), Percy Heath (b), Connie Kay (ds) の鉄壁のカルテット。Appleレコードでの2枚目のリリースになる。

アルバム・タイトルを見て「?」。収録曲のタイトルを見て、冒頭の2曲が「金星からの訪問者」「火星からの訪問者」。どうも宇宙を意識した企画曲っぽい。録音年の1969年と言えば、アポロ計画、月面着陸など、世界の人々が宇宙へと想いを馳せた時代。

そんな時代背景に影響を受けて、この2曲のコンセプト曲を作ったのだろうか。聴いてみると、非常にアーティスティックで創造的な、そして、こかクラシック&プログレ的な、理路整然とした組曲の様な音世界。
 

The-modern-jazz-quartetspace

 
そんなガッチリと組み込まれたアレンジの中を、ファンクネスを封印した、無機質な響きの浮遊感溢れる流麗なミルトのヴァイブが飛翔する。そして、ジャジーな響きとは無縁の冷たくメタリックなタッチのルイスのピアノ。ジャズをしっかりと知る者が聴けば、思わず仰け反る、成熟したMJQだから為し得るコンセプト曲。

しかし、この宇宙を想起するコンセプト曲2曲の後に「Here's That Rainy Day」「Dilemma」と有名なジャズ・スタンダード曲が続き、ラストに長尺の「Concierto de Aranjuez(アランフェス協奏曲)」。

この如何にも純ジャズらしい有名曲3曲が素晴らしい出来。この3曲は「いつものMJQ」で、1969年の音楽の時代背景をバックに、高速でテクニカルで、珍しくファンクネス微少な「MJQらしい演奏」を聴くことが出来る。

冒頭2曲の宇宙的なコンセプトがメインなのか、後半の有名スタンダード曲の1969年的な解釈がメインなのか、よく判らないプロデュース。中途半端な印象は拭えない盤ではあるが、MJQの演奏内容は相当に高度で素晴らしい。アルバムが表現しかったコンセプトなどという難しいことは考えずに、高度でテクニカルな、成熟したMJQを楽しむのに好適。

MJQの推薦盤に全くタイトルが上がらない、かつ、不可思議でジャズらしくないジャケなので、触手がなかなか伸びないとは思うが、とりわけ、MJQ者の方々には一度は聴いて欲しい良好盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

   ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年2月 5日 (日曜日)

アップル・レコードのMJQ・1

モダン・ジャズ・カルテット(The Modern Jazz Quartet・MJQと略)のアルバムの落ち穂拾いだが、マイナーな盤は結構、スルーしていることが良く判った。もともとCD廃盤になっていたものや、そもそもCDリイシューされていなかったものがあって、そんな廃盤状態の盤が、ここ2〜3年で、サブスク・サイトにアップされてきたので、初めて聴く機会に恵まれたものもある。

The Modern Jazz Quartet『Plastic Dreams』(写真左)。1971年5月24日の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p, harpsichord), Percy Heath (b), Connie Kay (ds), Joe Newman, Snooky Young (tp (tracks 4-6)), Garnett Brown (tb (tracks 4-6)), Jimmy Buffington (French horn (tracks 4-6)), Don Butterfield (tuba (tracks 4-6))。

この盤は、MJQの盤というか、ジャズ盤として珍しい、ビートルズで有名なAppleレコードからのリリース。Appleレコードって、ビートルズのアルバムだけでは無く、ロックやシンガーソングライターの渋めのミュージシャンのアルバムを扱っていたのだが、こってこて本格的メインストリーム・ジャズのMJQまで扱っているのを知ったのは、ほんに10年位前。
 

The-modern-jazz-quartetplastic-dreams

 
この盤では「成熟仕切った」MJQのパフォーマンスを確認することが出来る。冒頭からの3曲、「Walkin' Stomp」「Dancing」「Plastic Dreams」では、成熟しきって、これ以上の「伸びしろ」は無いのでは無いかと思われるくらいの流麗で完璧な演奏。「Plastic Dreams」では、ジョン・ルイスはハープシコードを取り入れて、演奏に変化を付けている。MJQ独特の「良い意味でのスノッブな雰囲気」が増幅されているところが、実にMJQらしい。

後半の3曲「Variations on a Christmas Theme」「Trav'lin」「Piazza Navona」では、トランペット、ホルン、チューバの管が入った、MJQとしては珍しい演奏内容になっている。ただ、MJQはもともと4人のパフォーマンスの最高の表現が出来るグループなので、管のバッキングはあまり必要が無い、どころか、MJQのパフォーマンスを楽しむのに、ちょっと邪魔だなと思う位だから、この管入りは蛇足だろう。それでも「Trav'lin'」のミルトとルイスのアドリブ・ソロの流れは絶妙で惚れ惚れする。

AppleレコードからリリースされたMJQの異色盤ではあるが、内容は充実している。というか、ほとんど成熟しきった流麗さは、イージーリスニング・ジャズの域を超え、そのテンションたっぷり、テクニック最高な演奏は、聴いていて、ちょっと耳にもたれるくらい。この盤の3年後、一旦、活動を停止するのも理解出来る位の、相当高い成熟度がちょっと「もたれ気味」だが、一筋縄ではいかない、内容充実の優秀盤であるには違いない。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

   ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年2月 4日 (土曜日)

MJQのモントルー・ライヴ '82

僕の大好きな伝説のカルテット、モダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet・MJQと略)のアルバムの落ち穂拾いをしている。主だったアルバムは、このブログの初期に記事をアップしているのだが、まだまだ聴き方も未熟で、リライトしたいアルバムもある。改めて、ディスコグラフィーと照らし併せてみて、まだ10枚程度、記事にしていないアルバムがあるみたいで、せっせと聴き直している。

The Modern Jazz Quartet『Together Again! - Live At the Montreux Jazz Festival '82』(写真左)。1982年7月25日、スイスのモントルー・ジャズ・フェスでのライヴ録音。Pabloレーベルからのリリース。ちなみに不動のパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。4人のメンバー全員が鬼籍に入ってしまっていて、名実共に「伝説のカルテット」である。

このライヴ盤は、MJQが1974年に一旦解散し、その後、1981年に日本ツアーのために再会〜再結成した後、翌年のモントルー・ジャズ・フェスに出演した時のライヴ録音。時代はフュージョン・ジャズ全盛期でありながら、MJQの再結成はジャズ者の方々に好意的に受け入れられた様で、ジャズ・フェスの観客の反応も熱気溢れるもの。

再結成を好意的に受け入れられた状況をしっかりと受け止めて、MJQの演奏は、いつに増して熱が入っている。フュージョン・ジャズ全盛期の影響なのか、演奏のスピードがちょっと速くて、疾走感溢れる弾き回しが凄い。
 

The-modern-jazz-quartettogether-again-li

 
特に、ミルト・ジャクソンのヴァイブは気合い十分で、とにかく高速フレーズを弾きまくる弾きまくる。ジョン・ルイスのピアノは至って冷静で、ミルトの暴走を未然に防いでいる様だ。

恐らく、MJQの歴史上で、一番、高速な演奏だと思うが、リズム隊のパーシー・ヒースのベースとコニー・ケイのドラムが、その高速演奏についていくどころか、リードしているのには驚いた。やはり、このMJQの4人、演奏テクニックは抜群なのだ。4人が一体となって疾走感溢れる、流麗で味わい深い演奏を繰り広げている。

収録された曲は全て、MJQが演奏しなれた、定番曲がズラリと並ぶ。それでも、アレンジは少しずつ、1980年代前半に合わせて、洒落てシュッとしたものにリアレンジされていて、ジョン・ルイスのアレンジ力の高さを改めて感じた次第。

あまり話題に上がらない、MJQのアルバムの中でも注目されないライヴ盤だが、その時代の雰囲気を反映していて、これはこれで「アリ」の好ライヴ盤だと思います。MJQのライヴ盤で「いの一番」に聴くライヴ盤ではありませんが、他の有名なライヴ盤を聴いた後に聴くと、MJQの演奏力の奥の深さを感じることが出来ます。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

   ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2023年1月22日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・257

最近、ジャズ・フルートのアルバムを聴き直している。フルートって楽器、基本的にはジャズに向かないと、ずっと思ってきた。それでも、ジャズ者初心者の頃、『Opus de Jazz』のフルートを聴いて「フルートの音ってファンキーやな〜」と感じ入ったりして、フルートって、吹き手によってはジャズに向くのかな、と思って以来、幾年月。しばらく、ジャズ・フルートに拘ること無く、ジャズ盤を聴いてきた。

ボブ・ジェームスの初期のリーダー作を聴き直していて、ヒューバート・ロウズのフルートって「やっぱ、ええなあ」と感じ良った。サックスのサブ楽器としてのフルートって、ジャズではよくあるが、さすが、サブ楽器だけあって、本格的なフロント楽器とは言い難い。では、ジャズ・フルートをメインにしている、フロント楽器として成立するジャズマンって、どれくらいいたのかなあ、と思って調べ始めて、ジャズ・フルートの好盤を聴き直す様になった。

Frank Wess『Opus in Swing』(写真左)。 1956年6月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Frank Wess (fl), Kenny Burrell, Freddie Green (g), Eddie Jones (b), Kenny Clarke (ds)。ジャケ・デザインを見たら直ぐに判る、サヴォイ・レーベルからのリリースである。1956年の録音であるが、アルバム全体の雰囲気は、ちょっとレトロな「スイング・ジャズ」。
 

Frank-wessopus-in-swing

 
しかし、このレトロな「スイング・ジャズ」がとても良い雰囲気。スイングするリズム隊に乗って、フランク・ウエスのフルートが唄う様に吹き進む。芯の入った、ストレートに力強く伸びたフルートのフレーズ。ウエスのフルートは、しっかりとフロント楽器として成立している。そして、ウエスのフルートは、どこか黒くてファンキー。ウエスのフルートにその黒いファンクネスが、そこはかとなく小粋に忍んでいるのが実に洒脱で、実にジャジー。

ソロ・ギターに、駆け出し新人自体のケニー・バレル、リズム・ギターに名手フレディー・グリーン。この二人のギターが抜群に聴いている。バレルのソロ・ギターはブルージーでファンキー、グリーンのリズム・ギターは小粋に躍動的でファンキー。この二人のギターが演奏全体のファンクネスな雰囲気を醸し出している。二人の小粋にファンキーなギターと、そこはかとなくファンキーなウエスのフルート。とっても「ジャズ」な演奏が小気味良い。

バリバリのハードバップでは無い、軽やかで耳に優しい「スイング・ジャズ」。しかし、ハードバップ・マナーなアレンジが、この「スイング・ジャズ」な演奏に古さを感じさせない。とても洒脱でモダンなジャズな演奏が、この盤に詰まっている。そして、この盤は、ジャズ・フルートが、やはり吹き手によって、フロント楽器として十分成立することを我々に教えてくれる。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新。

   ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

AOR Bethlehemレーベル Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル rock Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 こんなアルバムあったんや ながら聴きのジャズも良い アイク・ケベック アキコ・グレース アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラウンド・マイルス アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アンドリュー・ヒル アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イタリアン・プログレ インパルス!レコード イーグルス ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウディ・ショウ ウラ名盤 エスビョルン・スヴェンソン エディ・ハリス エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルトン・ジョン エルヴィン・ジョーンズ エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリスマスにピッタリの盤 クリフォード・ブラウン クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン コンテンポラリーな純ジャズ ゴンサロ・ルバルカバ サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド=メル楽団 サム・リヴァース サンタナ ザ・クルセイダーズ ザ・バンド ジャケ買い「海外女性編」 シェリー・マン シャイ・マエストロ ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャズ喫茶で流したい ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・レイジ ジョシュア・レッドマン ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ヘンダーソン スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トランペットの隠れ名盤 トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ナット・アダレイ ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・パウエル バリトン・サックス バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグバンド・ジャズは楽し ビッグ・ジョン・パットン ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビートルズ ビートルズのカヴァー集 ピアノ・トリオの代表的名盤 ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・ウッズ フェンダー・ローズを愛でる フュージョン・ジャズの優秀盤 フランク・ウエス フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・リトル ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザース プログレッシブ・ロックの名盤 ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボブ・ジェームス ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイケル・ブレッカー マイルス・デイヴィス マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・ジャズ・4 マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラルフ・タウナー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レジェンドなロック盤 レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー 上原ひろみ 僕なりの超名盤研究 北欧ジャズ 吉田拓郎 和ジャズの優れもの 和フュージョンの優秀盤 四人囃子 増尾好秋 夜の静寂にクールなジャズ 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 音楽喫茶『松和』の昼下がり 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー