2022年10月31日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・254

ジャズの裾野は広い。一昨日、ご紹介した様な、最新のジャズ・エレクトロニカもあれば、ハードバップ時代の隠れ名盤もある。どちらも、聴いて楽しい「ジャズ」であり、どちらも、個人的嗜好においては好き嫌いはあるだろうが、客観的に見て、優劣を付けることの出来ない。歴史上、どちらも内容の優れた「ジャズ」である。

Eddie "Lockjaw" Davis & Johnny Griffin『The Tenor Scene』(写真左)。1961年1月6日、NYのミントンズ・プレイハウスでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Eddie "Lockjaw" Davis (ts), Johnny Griffin (ts), Junior Mance (p), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)。

豪快なテキサス・テナーのスタイリストの一人、エディー・ロックジョー・デイヴィスと、テナー・リトル・ジャイアント、ジョニー・グリフィンとの2管フロントのクインテット編成。

このライヴ盤、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の推薦盤に、そのタイトルが挙がることが無いのだが、聴けば、何と実にハードバップらしい、ハードバップの良いところ満載の隠れ好盤である。1961年のライヴ録音なんだが、内容的には、完璧なまでのハードバップな演奏が展開されていて、聴いていて、バリバリにジャズを実感出来て、とても楽しい。
 

Eddie-22lockjaw22-davis-johnny-griffinth

 
テキサス・テナー・スタイルのロックジョー、リトル・ジャイアントと呼ばれたグリフィン、二人の豪快なテナーがなんとも素敵な響き。そして、この豪快な二人のテナーの「ユニゾン&ハーモニー」そして「テナー・バトル」が凄く良い雰囲気。

これぞ、ハードバップ時代のテナー、って感じの、豪快で迫力抜群、大らかでテクニカル、歌心溢れエモーショナル豊かなテナー。良い。難しい理屈抜きに直感的に「良い」。

バックのリズム・セクションも好調で良い感じ。特に、ピアノのジュニア・マンスが、躍動的でファンキーなピアノをガンガンに弾きまくっている。さすがライヴやなあ。マンスがこれだけバリバリ弾きまくるとは思わなかった。このマンスのピアノに煽られて、鼓舞されて、ロックジョーとグリフィンがテナーを更に吹きまくる。熱気溢れるライヴである。

このライヴ盤、ジャズを聴き始めて、20年目に出会った。ジャズの裾野は広い。長くジャズ盤を探索し、聴けば聴くほど、小粋な盤、隠れ好盤に出会う。そして、それが30年になり、40年になり、ジャズ盤の探索は終わりが無い。全く、ジャズの裾野は広い。いつまた、小粋な盤、隠れ好盤に出会うか判らない。よって、ジャズ盤の探索は止められない。
 
 

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2022年10月17日 (月曜日)

粋なオールド・スタイル・テナー

スイング時代からビ・バップを経験すること無く、中間派を経由して、ハードバップ期に至るまでの期間、三大テナーマンとして君臨したのが、コールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスター、レスター・ヤング。この3人は、ロリンズとコルトレーンが新しいスタイルのモダン・テナーを流行らせるまで、テナー・サックスの吹奏スタイルを代表する3人だった。

今では「オールド・スタイル」と形容される、テナー・サックスの吹奏スタイルで、濃厚なビブラート、音のしゃくり、様々な装飾音、サブトーンの多用などが特徴。吹奏のテンポはスロー〜ミッドテンポで、高速フレーズは基本的に吹かない。この「三大テナーマン」は、この「オールド・スタイル」な吹奏で一世を風靡したのだ。

『Coleman Hawkins Encounters Ben Webster』(写真左)。1957年10月16日、LAでの録音。ちなみにパーソネルは、Coleman Hawkins, Ben Webster (ts), Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b), Alvin Stoller (ds)。そんな三大テナーマンのうちの2人、コールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスターが共演した素敵なアルバム。

この盤のホーキンスとウエブスターのテナーを聴けば、オールド・スタイルと呼ばれる吹奏スタイルが良く判る。モダンだのモードだの全く眼中に無し。そこにあるのは「ジャズ・テナーの基本」。粋なジャズ・テナーである。

音が基本的に大きい。表現力は半端なく、歌心は豊か。吹奏テクニックはレベルが高く、ビブラート、しゃくり、装飾、サブトーン、どのテクニックも難なくこなす。そんな「ジャズ・テナーの基本」がこの盤に詰まっている。

吹奏のテンポもスロー〜ミッドテンポで固められ、2人のテナーを楽しむ、2人のテナーをじっくり聴く、いわゆる「聴かせるジャズ」が展開される。アドリブ・フレーズもバリエーション豊か。たまに「引用」などもかましながら、粋なジャズ・テナーを展開していく。
 

Coleman-hawkins-encounters-ben-webster_1

 
ヴァーヴは大手レーベルなので、実験的、先進的なジャズを追求すること無く、一般大衆に向けた「聴き心地の良いジャズ」をプロデュースする傾向にある。それが、この盤にバッチリ反映されている。

1つ間違えば「イージーリスニング的な軽音楽」に陥りそうなオールド・スタイルの吹奏だが、ホーキンスとウエブスターの卓越したテクニックと豊かな歌心を兼ね備えたテナーが聴き応え満点で、最後までじっくりと聴き込んでしまう。まるで唄うが如くのテナーで、一流のジャズ・ボーカルを聴き込んでいる錯覚に陥る様な、そんな感じがとても心地良い。

リズム・セクションの要、ドラムにアルヴィン・ストーラーを起用しているのも合点がいく。ストーラーは、フランク・シナトラをはじめ、シンガー御用達ドラマー。フロント2管、まるで唄うが如くのホーキンスとウエブスターのテナーをしっかりとサポートし、しっかりと鼓舞している。

バックに控えるリズム・セクションもふるっていて、当時、ヴァーヴ専属だった、ピアノの達人のピーターソン、燻し銀ギターのエリス、ベース職人ブラウンの、当時の「オスカー・ピーターソン。トリオをまるまる起用している。さすが、当時の大手ジャズ・レーベルのヴァーヴ。リズム・セクションにも一流どころをしっかりと起用して、全く手を抜かない。

1957年、ハードバップ成熟期の中での、オールド・スタイルのテナー盤。内容としてどうだろう、当時の流行だったモードやファンキーに迎合していないか、不安だったが、それは全くの杞憂であった。モダンやモード、ファンキーなど全く眼中に無し。自分達のスタイルである「オールド・スタイル」そのままに、モダンなジャズを展開している。いやはや豪気である。
 
 

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2022年9月28日 (水曜日)

歌伴上手なシアリングである

やっと涼しくなってきた。日中、陽射しが強い日はまだまだ蒸し暑かったが、今日は強い北風が日中から吹いて、カラッとした秋らしい好天となった。涼しくなってくると、夜、ジャズ・ボーカルを聴く気になってくる。しかし、ベッタベタ、重厚で本格的なジャズ・ボーカルは苦手なので、健康的で明るいキュートな歌声を探すことになる。

The George Shearing Quintet with Nancy Wilson『Swingin's Mutual』(写真左)。1960年6ー7月、1961年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Nancy Wilson (vo), George Shearing (p), Dick Garcia (g), Warren Chiasson (vib), Ralph Peña (b), Vernel Fournier (ds), Armando Peraza (perc)。ナンシー・ウィルソンのボーカルとジョージ・シアリング・クインテットとの共演である。

小粋なジャズ盤を探索していて、ストックしておいた盤の中に、ボーカル盤は無いか、と探したら、この盤が最初に目に付いた。ナンシー・ウィルソンか。1960年、キャノンボール・アダレイの後押しでメジャー・デビュー。後に米国の国民的スターになったウィルソンの24歳の時、デビュー盤からの3作目。

ナンシーのボーカルは、パワフルで軽快、スイング感溢れ、情感豊かに可憐に歌い上げる、エレガントなボーカル。癖が無く、「こぶし」も回らず、ストレートな歌唱。これが良いのですね。癖を前面に出して、ビブラート豊かに「こぶし」を回して唄う、ジャズ・ボーカルはちょっと苦手です。
 

George-shearing-with-nancy-wilsonswingin

 
そして、バックに控えるのが、ジョージ・シアリング率いるクインテット。シアリングは1912年生まれ。クール・ジャズの第一人者として活躍した盲目のピアニスト。スイングから中間派、そして、ハードバップとジャズの数々のスタイルを弾きこなした職人的ピアニストである。

シアリングのピアノには「癖」がない。端正で流麗、緩急自在で揺らぎは無い。元祖「総合力勝負」のピアニストだと思うのだが、この歯切れの良いタッチでの端正さと流麗さが個性といえば個性。アドリブも端正で癖が無い。この元祖「総合力勝負」なピアニストは歌伴にも優れている。この盤でも「歌伴上手」なシアリングのピアノが、全編に渡って、とても印象的に響いている。

冒頭には、僕の大好きなスタンダード曲「On Green Dolphin Street」が入っているから、更に良い。この曲、演奏するにも唄うにも難曲の類だと思うんだが、ナンシーは全く揺らぐこと無く、しっかりビートに乗って、端正に流麗にメリハリをバッチリ効かせて唄い上げていく。この1曲だけでもこの盤は「買い」ですね(笑)。

ナンシーの魅力的でキュートな歌唱、スインギーで端正で流麗なシアリングの歌伴。聴きどころ満載で一気に聴き切ってしまう。スッキリとした味わい深いボーカル盤。シアリングのピアノを楽しむにも恰好の「小粋なジャズ盤」である。
 
 

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2022年9月22日 (木曜日)

宗教的な(religious)ジャズ

Mary Lou Williams(メアリー・ルー・ウィリアムス)。米国や欧州では、他のレジェンド級のジャズメンへの楽曲提供やアレンジャーとしての協力、そして、何より、ジャズ・ピアノの代表的奏者の1人として知られる「一流ピアニスト」でありながら、我が国では「さっぱり」というジャズ・ミュージシャンの1人だろう。

僕がジャズを本格的に聴き始めた40数年前、ジャズ盤紹介本には彼女の名前は無かった。僕が彼女の名前を知ったのは、ネットの時代が本格的になった21世紀に入ってからである。

濃厚なグルーヴ感とゴスペル感、どこか敬虔な雰囲気漂うフレーズ。いわゆる「宗教的な(religious)ジャズ」の先駆けであり、ジャズ・ミサの先駆けなんだが、この辺りが我が国のジャズ評論家、ベテランジャズ者の方々に敬遠されたのかもしれない。でもなあ、コルトレーンをはじめとするスピリチュアルなジャズって、どれもが「宗教性」濃厚なんだけどなあ。コルトレーンの『至上の愛』が大絶賛で、メアリー・ルー・ウィリアムスが「さっぱり」な理由が未だに判らない。

しかし、僕は好きである。アメリカン・アフリカンのブラック・テイスト濃厚な「宗教的な(religious)ジャズ」の響きがとても良い。ソウルフルでファンキーなフレーズは、クワイヤーで唄えそうなゴスペルチックな雰囲気。しかも、ピアニストとして、確かなテクニックと端正な弾き回し。硬派なモダンジャズ・ピアノとしても優れた味わい。
 

Mary-lou-williamszoning

 
Mary Lou Williams『Zoning』(写真)。1974年1月~3月の録音。Mary Lou Williams (p, arr), Zita Carno (p), Bob Cranshaw, Milton Suggs (b), Mickey Roker (ds), Tony Waters (congas)。シンプルだが、グルーヴ感濃厚。不思議に少し捻れたソウルフルなフレーズで、スピリチュアル感を増幅させた「宗教的な(religious)ジャズ」盤である。

彼女は1910年生まれ。早熟の天才としてその名を轟かせ、スイング時代からの著名なレジェンド・ジャズメンとの交流がてんこ盛り。そんな様々なジャズマンとの交流が彼女の豊かな感性を育んでいる。そんな豊かな感性を活かした、ソウルフルでファンクネス漂う、切れ味の良いフレーズがこの盤に溢れている。

ピアノ、エレキベース、ドラム+パーカッションという、変則ピアノ・トリオなんだが、エレキの音とパーカッションの音とロッカーのちょっと捻れたドラミングが、これまたスピリチュアル感の増幅に貢献していて、「宗教的な(religious)ジャズ」テイストがコッテリと漂って来る。これが良い。

通常のモーダルなジャズとは、かなり異なる、敬虔さすら感じる音の響きが「宗教的な(religious)ジャズ」の真骨頂。ゴスペルチックな音の重ね方も良い。メアリー・ルー・ウィリアムスの個性全開の優秀盤である。
 
 

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2022年9月21日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・250

米国や欧州では一流の人気ジャズマンとされるが、我が国では「さっぱり」というジャズマンが結構いる。昔は海外レーベルのアルバムは、日本のレコード会社が契約して、日本のレコード会社経由で、我が国で流通していた。日本のレコード会社と契約した海外レーベルの人気ジャズマンのリーダー作は良いが、契約していない海外レーベルの人気ジャズマンのリーダー作は、我が国では全く流通しないということになる。

これでは、日本のレコード会社と契約していないと、海外レーベルのレコードは手に入らない、ということになるのだから、何だか閉鎖的な話である。ネットの時代になって、CDやデジタル音源が日本のレコード会社抜きに、ダイレクトに購入出来る様になって、そんな閉鎖的な話はほとんど聞かなくなった。逆に我が国で売れる見込みが無いと扱わない、という日本のレコード会社の企業姿勢が、日本のレコード会社の存在意義を矮小化している。

Tom Harrell『Oak Tree』(写真左)。2020年11月24, 25日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Tom Harrell (tp, flh), Luis Perdomo (p, Fender Rhodes), Ugonna Okegwo (b), Adam Cruz (ds)。米国では「現代屈指のトランペッター&フリューゲル奏者」とされるトム・ハレルのリーダー作。ハレルのワンホーン・カルテット盤になる。

リーダーのトム・ハレルであるが、現代屈指のトランペッター&フリューゲル奏者とされるが、我が国ではほとんど無名に近いのではないか。ハレルは1946年6月生まれなので、今年で76歳の大ベテラン、レジェンド級のトランペッターである。
 

Tom-harrelloak-tree

 
リーダー作も30枚以上、参加セッションは数知れず。米国では、これだけ人気の一流トランペッターなのだが、我が国では「さっぱり」である。僕は21世紀には入るまで、トム・ハレルの名前を知らなかった。

さて、このハレルの新作、聴けば、ハレルのトランペットの成熟度合い、伸びのあるストレートな音色、流麗で歌心溢れるアドリブ・フレーズ、味わい深い「間」を活かした吹き回し。確かに、大ベテラン、レジェンド級のトランペッターであることが良く判る。このトランペットは良い。もっと広く、ジャズ者の皆さんに聴いて貰いたい気持ちで一杯である。

ビ・バップ、アフロ・キューバン、クラシック志向、心地よいスムース・ジャズなど、幅広いスタイルのジャズを展開してきたが、この盤では、じっくりと落ち着いた、モーダルな「ネオ・ハードバップ」。印象的なユニゾン&ハーモニー、スムースなアドリブ・フレーズ、柔らかく落ち着いた力強い吹き回し、暖かい安らぎを感じる音世界。この新作でのハレルのトランペット、本当に良い味出してます。

ピアノのルイス・ペルドモ、ベースのウゴナ・オケグォ、ドラマーのアダム・クルーズ、この精鋭リズム隊、これまた、味わい深いリズム隊で、ハレルの暖かい安らぎのあるトランペット&フリューゲルホーンを、緩急自在、変幻自在、硬軟自在にサポートする。このリズム隊あってのハレルのトランペットである。実に良いリズム隊だ。

アルバム・タイトルが『Oak Tree』=「樫の木」。英語圏では「逆境に耐える十字架の木であったり、男性的な力と聖木として崇められていることが多い」とのこと。なんか、この新作のハレルの「柔らかく落ち着いた力強い吹き回し」に通じる、実に良いタイトルですね。ジャケットも不思議と雰囲気があって良い感じ。ハレルの晩年の代表作としても良い佳作だと思います。
 
 

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2022年8月24日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・247

アラン・ブロードベントはジャズ・ピアニスト。1947年生まれ、ニュージーランド、オークランド出身。今年で75歳のレジェンド級のピアニスト。

どこかで聴いたことがある名前やな、と思って調べてみたら、ナタリー コールのアルバム『Unforgettable... with Love』のレコーディングに参加していたピアニストであり、チャーリー・ヘイデンのアルバム『Quartet West』にピアニストとして参加、ポール・マッカートニーのアルバム『Kisses on the Bottom』には、オーケストラのアレンジャー&指揮者として参加している。

Alan Broadbent Trio『New York Notes』(写真左)。2018年4月と11月の録音。ちなみにパーソネルは、Alan Broadbent (p), Harvie S (Harvie Swartz) (b), Billy Mintz (ds)。リーダーは、ピアノのアラン・ブロードベント。リーダー作は生涯20作を優に超えているいるが、この盤は、そんなブロードベントの最新作。73歳での録音になる。

本作はブロードベントの自宅にあるプライベート・スタジオ(RVS Studio)で、2018年に録音された音源とのこと。ベースのハービー S は、ボストンのバークリー音楽大学時代からの友人。ドラムのビリー・ミンツは、LA時代に一緒にプレイしていた気心知れたドラマー。演奏を聴けば判るが、トリオの3者、息がピッタリ合った、素敵なインタープレイを聴かせてくれる。
 

Alan-broadbent-trionew-york-notes

 
トリオ演奏の雰囲気は、現代のバップなピアノ。ネオ・バップ・ピアノとでも形容出来る、コンテンポラリーなバップ・ピアノである。バップ・ピアノと言えば、バド・パウエルから始まり、トミー・フラナガンやケニー・ドリュー、デューク・ジョーダンらの名前が浮かぶが、そんな旧来のバップ・ピアノとは、音の切れ味、音の透明度、フレーズ展開のテクニック、どれもが全く異なる。異なるというか、全ての面で深化している。

冒頭の「Clifford Notes」は、タイトル通り、伝説の早逝の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンに捧げた曲。軽快な4ビートのトリオ演奏がまさに「バップ」。続く「Minority」は、ジジ・グライスの曲だが、どこかで聴いたことが、と思って記憶を辿ったら、ビル・エヴァンスの初期の名盤『Everybody Digs Bill Evans』のオープニングを飾った曲。ライトでエヴァンス風のバップ・ピアノが映える。

バラード曲の「 I Fall in Love Too Easily」や「On a Misty Night」も、バップ・ピアノのマナーで弾き進めるが、実に「流麗」で「端正」。まるで唄うが如くのフレーズの連続で、弾きまくるだけでは無い、歌心をしっかり忍ばせた、ブロードベントならではのバップ・ピアノ・バラードを聴かせてくれる。

こういう現代のバップ・ピアノ・トリオの好盤があるとは知らなかった。ネットでのレコメンド情報さまさまである。ちょっとバップなピアノ・トリオを聴きたい、と思った時に、意外と繰り返し手にするトリオ盤になっている。
 
 

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2022年7月17日 (日曜日)

エロール・ガーナーのソロ盤

最近、天候が不安定な千葉県北西部地方。梅雨明けしたのは良いが、その後、1週間ほど酷暑の日が続いたと思ったら、一転、2週間前の土曜日辺りから、ほどんど晴れない、雨模様の日々、そして、いきなりゲリラ豪雨と、特にこの2週間、戻り梅雨のような状態になって鬱陶しい。おまけに天気予報が当たらない。その日になっても予報が当たらないなんて、どんな予報システムをしているのやら。

鬱陶しい不安定な日に加えて、湿度が異常に高くて、不快指数MAX。ここまでくると、エアコンの効いた部屋の中でも、難しいジャズは聴けない。パッと聴いてパッと判って楽しめる、シンプルなジャズが良い。ピアノ・ソロやピアノ・トリオ、そして、爽快感溢れるハードバップなジャム・セッション。聴いて心地良く疲れるフリー・ジャズなどは控えたくなる。

Erroll Garner『Afternoon of An Elf』(写真)。1955年3月14日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Erroll Garner (p)。孤高のスライド・ピアノの名手、エロール・ガーナーのピアノ・ソロ盤。聴かせるジャズ・ピアノ。エンタテインメント性バリバリのジャズ・ピアノのソロ・パフォーマンスが満載である。
 

Erroll-garnerafternoon-of-an-elf

 
エロール・ガーナーとは、1921年生まれ。1977年1月没。左手のベースラインをメインに、メロディを弾く右手は自由自在にタイム感を後ろにずらす「ビハインド・ザ・ビート」が特徴。エロール・ガーナーは、生涯楽譜が全く読めなかったとのことだが、ジャズも場合、それは全く関係無い。ジャズとは「感性」の音楽である。二度と同じフレーズが無い、究極の即興演奏が、このソロ・ピアノ盤に詰まっている。

難解なところは全く無い。オープンで大らかでハッピー・スインガーなガーナーの面目躍如。スイング・ジャズを踏まえたスインギーなフレーズ、当時の流行の弾き方だったブギウギ・ピアノで大立ち回り、スライド・ピアノで歌心満点な弾き回しを披露する。ピアノ・ソロだけに、ガーナーのピアノの個性にだけ集中出来るのが良い。「ビハインド・ザ・ビート」が心地良く耳に響く。

妖しい魅力を持った、打楽器的ピアノ・エンタテインメント。独創性溢れる究極の即興演奏。これが難しく響かず、判り易く心地良く聴くことが出来る「聴かせる」ピアノ・ソロ。エンタテインメント性バリバリのピアノ・ソロ。ガーナーのピアノは「ブレ」が無い。聴いて爽快な「ビハインド・ザ・ビート」。パッと聴いてパッと判って楽しめる、シンプルなピアノは個性濃厚である。
 
 

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2022年7月16日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・243

先々週の土曜日より、梅雨が戻った様な、イマイチの天気がずっと続いている千葉県北西部地方。一昨日からは定期的にゲリラ豪雨に見舞われて、ゴーッという雨の音にビックリしたりする。天気が悪いのに加えて、湿度が異常に高い。少し、家事で動いたら、汗が噴き出てくる。こういう時、気持ちがスカッとするジャズを聴きたくなる。

Roy Eldridge, Dizzy Gillespie, Harry Edison『Tour De Force』(写真左)。1955年11月2日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Roy Eldridge (tp), Dizzy Gillespie (tp), Harry 'Sweets' Edison (tp), Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Herb Ellis (g), Buddy Rich (ds)。録音当時の人気トランペッター3人が共演した、ノーマン・グランツ監修の、Verveお得意のジャム・セッション盤。

フロント3管が全てトランペット。ロイ・エルドリッジはサッチモの演奏手法を継承、スイング時代に活躍したスター・プレイヤー。ハリー・エディソンはベイシー楽団の人気トランペッターで、「Sweets」の愛称の通り、甘い音色と分かり易いフレーズが身上。そして、ディジー・ガレスピーは、魅力的なハイノート・ヒッターであり、流麗で歌心溢れる豊かな表現力が魅力のビ・バップを創成したイノベーター。
 

Tour-de-force_1

 
バックのリズム・セクションは、ギター+ピアノ・トリオ。フロントのトランペットは3人共に、当時の人気トランペッターがズラリ、バックのリズム・セクションは、録音当時のピーターソン・トリオにドラムのバディ・リッチを加えた、豪華かつハイレベルなもの。

当然、演奏のレベルは高い。どのジャズマンのソロ・パフォーマンスであれ、聴いていて「おっ」と聴き耳を立ててしまうくらい、その演奏テクニックと歌心は充実している。特に、主役のトランペッター3人が好調で、次々とバトン・タッチされていくソロ・パフォーマンスと、丁々発止とやりあうアドリブ合戦は聴き応え満点。時に速いテンポの演奏については、聴いた後、スカッと爽快感を感じる。

当時のノーマン・グランツ・プロデュースお得意のバラード・メドレーが、これまた出来が良くて、参加メンバーそれぞれの高いレベルの歌心満載なソロ演奏を楽しむ事が出来る。とてもモダンなジャム・セッションで、単純にモダン・ジャズをあっけらかんと楽しむ事が出来る。録音も良くて、難しいことを考える事無く、リラックスして聴ける、聴いて気持ちがスカッとなるジャズ盤である。
 
 

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2022年7月13日 (水曜日)

チェットにとって超異色な作品

男性ジャズ・ボーカルについては、一に「フランク・シナトラ」、二に「チェット・ベイカー」、そして、三に「メル・トーメ」。この3人がずっとお気に入りである。シナトラは小学校の時代からラジオで聴き親しんでいたので「別格」なのだが、チェット・ベーカーは、ジャズを聴き初めてから、最初に好きになった男性ボーカリストである。

チェットの人生は「破天荒」そのもので、若かりし頃は天才プレイヤーで、ルックスも良く、女にモテモテだったチェット。しかし、麻薬と縁が切れなかった為、その麻薬癖がどんどん深刻になってゆき、1960年代から徐々に、チェットは第一線から消えていった。そして、1970年、マフィアから、トランペッターの命でもある「前歯」を抜かれるという仕置きをされるに至り、休業に至る。

しかし、 1974年に、ミュージシャン仲間や関係者の尽力により復活を果たし、シワシワのおじいちゃんとなってしまったチェットではあるが、そのシワと引き替えに、チェットは、演奏家としての「円熟味」を手に入れた。そして、フュージョン・ジャズにも進出し、CTIレーベルから、名盤『She Was Too Good To Me(邦題:枯葉)』をものにしている。

Chet Baker『You Can't Go Home Again』(写真左)。1977年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Chet Baker (tp), Hubert Laws (fl, piccolo), Paul Desmond (as), Michael Brecker (ts), John Campo (bassoon), Don Sebesky (arr, el-p), Kenny Barron (el-p), Richie Beirach (el-p, clavinet), John Scofield (g), Gene Bertoncini (ac-g), Ron Carter (b), Alphonso Johnson (el-b), Tony Williams (ds), Ralph MacDonald (perc), ここにストリングスが加わる。
 

Chet-bakeryou-cant-go-home-again

 
何だか、錚々たるメンバーである。パーソネルを見渡すと、この盤、フュージョン・ジャズ志向の盤ということが推察される。そして、冒頭の「Love for Sale」と、2曲目の「Un Poco Loco」(LP時代のA面)を聴くと、思わず「仰け反る」(笑)。「ど」が付くほどのジャズ・ファンクのビートにのって、スタンダードの名曲が演奏されるのだ。実にシュールな響きだが、意外とまとまっているのだからジャズは面白い。

こういうジャズ・ファンクが基調の演奏の中で、トニー・ウィリアムスのドラムは大暴れ。マイケルBもジョンスコの「イケイケ」のブロウ。そんな中、当のリーダーのチェットのトランペットは、悠然とした、リリカルで流麗な「チェット節」溢れるブロウを吹きまくるのだから、何が何だか判らない(笑)。それでも、チェットのリリカルなトランペットだけが前面に浮き出てくるのだからジャズは面白い。

しかし、後半(LP時代のB面)の「You Can't Go Home Again」〜「El Morro」はジャズ・ファンクはどこかへ雲散霧消、リリカルそのもの、コンテンポラリーな純ジャズ志向のフュージョンで迫ってくる。この後半の2曲は聴き応えがある。「El Morro」は、スパニッシュ志向の「哀愁旋律」路線であるが、チェットのリリカルなトランペットが実に良く映える。マイケル・ブレッカーのテナーも良好。

CDリイシュー時、なんと16曲が追加されて全20曲の重厚な内容になっているが、LP時代は前半の4曲のみ。この4曲のみが良くて、A面は良い意味で「ハチャメチャな」ジャズ・ファンク、B面は「リリカルな」純ジャズ志向のフュージョン・ジャズ。この対比が面白くて、LP時代は何度かジャズ喫茶で耳にした。とにかく,この盤は、チェットにとって超異色な作品。でも、フュージョン者の方々なら、意外と楽しく聴ける「小粋な好盤」だと思います。
 
 

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2022年7月11日 (月曜日)

『この素晴らしき世界』を聴く

今日は猛暑がぶり返した千葉県北西部地方。湿度も高くて、朝からグロッキー気味。これだけ暑いとシビアなジャズは聴けない。ボサノバ・ジャズも良いんだが、選盤としては「ありきたり」。最近、ネットを徘徊していて、この人のアルバムを見つけた。ルイ・アームストロング、愛称は「サッチモ」。久し振りに、サッチモのボーカルを聴きたくなった。

Louis Armstrong『What a wonderful world』(写真左)。1968年、NYとラスベガスでの録音。パーソネルは、Louis Armstrong (vo, tp), Tyree Glenn (tb), Joe Muranyi (cl), Marty Napoleon (p), Buddy Catlett (b), Danny Barcelona (ds)。伝説のトランペッター&ボーカリスト、ルイ・アームストロング(愛称:サッチモ)の大ベストセラー盤。

邦題『この素晴らしき世界』。ベタな話だが、冒頭のタイトル曲がダントツに良い。味のあるダミ声、ダミ声だが優しい響き、音程のしっかりとれたボーカル。ジャズを聴き始めた頃、僕はサッチモのボーカルが苦手だった。ダミ声がどうにも駄目で、暫く遠ざけていた。サッチモのボーカルが「良い」と感じたのは、40歳を過ぎる頃だったか。ジャズ・ボーカルに対する「耳」も肥えて、サッチモのボーカルの良さをダイレクトに感じることが出来た。
 

Louis-armstrongwhat-a-wonderful-world

 
さて、このタイトル曲『What a wonderful world(この素晴らしき世界)』、ポジティヴな哀愁感漂う伴奏に乗って、優しいダミ声、正統派なサッチモのボーカルが流れてくる。聴けばいつも、心がホッとし、気分が明るくなり、なんだか晴れ晴れする。聴くといつも思うんだが、サッチモのボーカルは説得力がある。声という「楽器」を聴いているが如く、である。

冒頭のタイトル曲ばかりがもてはやされるが、2曲目「Cabaret」以降、ラストの「Hellzapoppin'」まで、聴き応えのあるサッチモのボーカルとバックの小粋な伴奏が続く。どの曲も良くアレンジされ、サッチモのボーカルも好調、ダレた曲、平凡な出来の曲は全く無く、心地良いテンションの中、心ゆくまで、サッチモのボーカルを堪能することが出来る。

サッチモ入門盤としてお勧めの内容。久し振りに聴いて、改めて、その内容の良さに感心した。ちなみに愛称「サッチモ」の由来であるが、WIkipedia等によると、サッチモという愛称は「satchel mouth」(がま口のような口)というのをイギリス人記者が聞き違えたとする説と「Such a mouth!」(なんて口だ!)から来たとする説などがあるそうです。とにかく、ルイの印象的な「口」に関するニックネームみたいですね。お後がよろしいようで(笑)。
 
 

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