2015年8月25日 (火曜日)

ボス (Boss) と呼ばれるロッカー

我がバーチャル音楽喫茶『松和』、今週は、毎年8月後半のこの時期、恒例の「1970年代ロック祭り」。8月の後半になると、決まって学生時代の夏休みの後半〜終わりの雰囲気を思い出す。今年もこの季節は70年代ロックの大特集。今日は「ボス(Boss)」と呼ばれるロッカーの話題を・・・。

高校時代、我が映画研究部では、部員の誰かが持ち込み、部の中での流行となったロック・グループやロック・ミュージシャンがいる。僕の場合は、西海岸ロックの雄・イーグルスと和蘭のプログレバンド・フォーカス、そして、日本のプログレバンド・四人囃子を持ち込んだ。

長年「ボス(Boss)」と呼ばれるロッカーがいる。アメリカン・ロックを代表するレジェンド、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)である。僕がこの「ボス」と出会ったのは、高校2年生の冬。映研の部長を辞して、それでもフォーク・デュオをやり始めた関係上、部室に出入りしていた。部室でフォーク・デュオの練習をする為である。

ある日、部室に今まで耳にしたことの無いロックな音が鳴り響いていた。どうも、後輩のYが持ち込んだらしい。誰だ、これは。これが僕のブルース・スプリングスティーンとの出会いである。アルバムはあの名盤『明日なき暴走』(Born to Run)だった。

さて、そんな「ボス」であるが、僕が愛聴して止まない一枚がこのセカンド盤『The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle』(写真左)。邦題は『青春の叫び』。1973年のリリースだが、僕は1976年、高校3年生の夏、Yが夏合宿に持ち込んで、一緒に聴き込んだ思い出がある。
 

Bs_the_wild_the_innocent

 
冒頭の3曲を聴くと、ボスの音楽は「米国ルーツ・ロック」の流れを汲むものだと判る。ディキシーランド・ジャズっぽい前奏、フォーキーでC&Wな響きを持つ音、そして、思いっきりファンキーなブルース。どれもが、米国ルーツ・ミュージックを大本に持つ音。明らかにボスは「米国の」ロックンローラーである。

このセカンド盤のボーカルの唄い回しは確かに「第2のディラン」。確かにボブ・ディランに似ていることは似ているが、ディランほどに難解では無いし、複雑では無い。結構、シンプルで判り易いディランの様に唄い回す。もはや「第2のディラン」は当てはまらない。このセカンド盤には、ボスの個性の確立を聴き取ることが出来る。

後に、E・ストリート・バンドのメンバーとなるメンツがバックを務めている。さすがの充実度。 「米国ルーツ・ロック」をベースにロックンロール、R&B色の濃い、魅力的な楽曲を展開している。アグレッシブなロックンロールが前面に押し出されて、聴き応え満点。初期の彼の傑作と呼べるアルバムである。

Yが持ち込んだこのボスの『青春の叫び』と、僕が持ち込んだ四人囃子の『ゴールデン・ピクニックス』、そして、Wの持ち込んだ吉田拓郎の『明日に向かって走れ』、この3枚が鳴り響いていた1976年の夏合宿。

このボスの『青春の叫び』を聴くと、高校3年生の夏、信楽の玉桂寺の離れの縁側を思い出す。遠い日のとても印象深い思い出の一つである。

 
 

震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2014年3月24日 (月曜日)

アズベリー・パークからの挨拶

米国ルーツ・ロックが大のお気に入り。1975年の秋、Eric Clapton率いるDerek and the Dominosの『Layla and Other Assorted Love Songs』(邦題『愛しのレイラ』)を聴いて、スワンプなるロックの流行スタイルを意識して以来、米国のルーツ・ミュージックの要素を取り込んだロックがお気に入りである。

僕にとっては、ボブ・ディラン(Bob Dylan)からザ・バンド(The Band)の流れの米国ルーツ・ロックが一番のお気に入りでしょうか。このディランとザ・バンドの音世界は、様々な米国ルーツ・ミュージックの要素を巧みに取り入れつつ、しっかりと自分達の音楽に昇華させているところが良い。

このディランとザ・バンドの流れの米国ルーツ・ロックと来れば、僕の中では、その延長線上にこの人が来ます。この人とは、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)。1949年9月、アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれ。今年65歳になるんですね。愛称は「ボス(Boss)」。以降、ボスと呼ばせていただきます。

さて、ボスの音世界の原点を確認するには、先ずは1973年のボスのデビュー作『Greetings From Asbury Park, N.J. 』(写真左)。このアルバムを聴けば、ボスの個性の基本が良く判ります。

邦題は『アズベリー・パークからの挨拶』。思いっきり直訳ですね。これなら邦題はあえていらないのでは(笑)。ジャケットのデザインもイマイチ。これでは、ちょっとインパクトに欠けるので、なかなか高セールスには直結しません。全米60位。小ヒットと言ったレベルです。
 

Greeting_from_ap_nj

 
しかし、このアルバムは、後のボスの個性を愛でる上で、絶対に避けてはならないアルバムです。アルバム全体のアレンジの傾向はフォーク調。「第二のボブ・ディラン」のキャッチフレーズで売り出したので、ちょうどディランの『The Freewheelin' 』辺りを目指している雰囲気ですが、先ず、ディランのコピーになっていないところが良い。

歌詞が字余りの節回しはディラン譲りだが、フォーキーなアレンジには、その背後にしっかりとロックンロールな雰囲気が漂っており、シンプルでフォーク・ロックなディランの音世界とは一線を画している。しかし、アルバム全体の音のコンセプトは、明らかに米国ルーツ・ミュージックの要素を効果的に取り込んでいて、ディラン〜ザ・バンド譲りの「米国ルーツ・ロック」の流れに乗ったものだと言える。

フォーキーなアレンジにロックンロールな雰囲気とくれば、「第二のディラン」というよりは、僕には「第二のザ・バンド」という風に感じる。まだ、このファースト盤では目立たないが、後のボスを含めたThe E Street Bandの音世界は、明らかに「第二のザ・バンド」と呼ぶに相応しい米国ルーツ・ロックの雰囲気満載である。

この『Greetings From Asbury Park, N.J. 』はボスのデビュー作として、ボスの個性の原点として愛でるに相応しいアルバムだと思います。ボス自身はSSW扱いでデビューさせられたこと、アルバム全体の雰囲気がフォーキーなところが、あんまり気に入らないらしいのですが、客観的に見て、このアルバムはボスの音世界の原点でしょう。

高校2年の頃、後輩Yが映研に持ち込んだボスのアルバムの中にも、この『Greetings From Asbury Park, N.J. 』はしっかりとありました。懐かしいですね。その歌詞を和訳して、若さ故の「苛立ち・挫折・悲しみ」といった感情を共有しつつ、じっくりと耳を傾けてました。シンプルで米国ルーツ・ロックなファースト盤。なかなかの聴きものです。

 
 

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