2024年6月19日 (水曜日)

ラスト盤の『Out of the Loop』

ブレッカー兄弟が立ち上げ、エレ・ジャズ・ファンクの代表的バンドとして、一世を風靡した「ブレッカー・ブラザーズ」。1994年にて活動を停止、2007年には、弟のマイケルが骨髄異形性症候群から進行した白血病によって逝去。このマイケルの逝去によって、「ブレッカー・ブラザーズ」は永久に活動停止となった。

The Brecker Brothers『Out of the Loop』(写真左)。1992年4月〜8月の録音。ちなみにパーソネルは、Michael Brecker (sax,,EWI), Randy Brecker (tp, Flh), George Whitty (key), Dean Brown (g), James Genus (b), Steve Jordan (ds), Steve Thornton (perc) 辺りが主要メンバー。ここに、Chris Botti (key), Eliane Elias (key, vo), Larry Saltzman (g), Armand Sabal-Lecco (b), Shawn Pelton (ds), and more が、ゲストとして入っている。

ブレッカー・ブラザーズの実質上の最後のアルバムになる。1982年に一旦、活動を停止し、ソロ活動を展開。しかし、1990年初頭に活動を再開、1992年に『Return of the Brecker Brothers』をリリース。そして、次いでリリースしたのが、この『Out of the Loop』になる。

活動再開後のブレッカー・ブラザーズの音志向は「硬派な大人のファンキー・フュージョン」。この『Out of the Loop』では、前作のファンキー・フュージョンな雰囲気から、メインストリーム・ジャズ志向が強くなって、ファンキー・フュージョンというより、ライトでポップ、クロスオーバー志向の「コンテンポラリーなジャズ・ファンク」に深化している。
 

The-brecker-brothersout-of-the-loop

 
聴いていて面白いのは、ランディのトランペットが入ってくると、思わず、1980年代の、マイルスのカムバック後の「コンテンポラリーなジャズ・ファンク」を想起させる雰囲気にガラッと変わるところ。そこにマイケルのサックスが入ると、さらに、マイルスのカムバック後の「コンテンポラリーなジャズ・ファンク」な雰囲気がより濃厚になる。

と言っても、マイルスのカムバック後の「コンテンポラリーなジャズ・ファンク」は、硬派で純ジャズなエレ・ファンクなんだが、ブレッカー・ブラザーズの方は、1990年代仕様の、ライトでポップ、大衆的でクロスオーバー志向のエレ・ファンク。と言って、単純にフュージョン・ジャズでは括れない、コンテンポラリーで、メインストリーム志向のアレンジが実に硬派で正統派。

このアルバムは、最優秀コンテンポラリー・ジャズ・パフォーマンスと最優秀インストゥルメンタル作曲(African Skies)の2つのグラミー賞を獲得しているのも頷ける、洗練されたアーバンでポップな「コンテンポラリーなジャズ・ファンク」志向の内容。1970年代のブレッカー・ブラザーズの発展形。

ブレッカー兄弟って、マイルスが好きだったんやないのかなあ、とこのアルバムを聴いていて、ふと思った。マイルスの逝去が1991年9月28日。この『Out of the Loop』の録音が1992年4月〜8月の録音。ブレッカー兄弟として、マイルスライクな「コンテンポラリーなジャズ・ファンク」がやりたかったんやないかなあ。と僕は想像しています。
 
 

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2024年6月17日 (月曜日)

初代ジョンアバ4の幻の好盤『M』

初代「John Abercrombie Quartet」について、昨日の続きを。

ECMレーベルの総帥プロデューサー、マンフレッド・アイヒャーとリッチー・バイラークとの喧嘩の件、この双方が最終的に決別したのが、初代「John Abercrombie Quartet」の3枚目のアルバムの録音時のことであったらしい。

John Abercrombie Quartet 『M』(写真左)。1980年11月の録音。改めて、ちなみにパーソネルは、John Abercrombie (g, mandolin), Richie Beirach (p), George Mraz (b), Peter Donald (ds)。アイヒャーとバイラークの決定的喧嘩があった、いわくつきのセッションの記録。

ちょっとネタバレ的になるのだが、どうも、リーダーのジョン・アバークロンビー(以下「ジョンアバ」と略)の失恋がきっかけらしい。ジョンアバの失恋ショックはかなり重症で、まともなパフォーマンスが出せない。そこで、バイラークやムラーツがアップテンポで軽快な曲を持ち寄ってセッションをしたところ、ジョンアバ、元気を取り戻し、なかなかの内容の演奏が出来たそう。

しかし、その演奏内容、切れ味の良い、趣味の良いダイナミズムを伴った、アグレッシヴでテンポの良い内容で、ECM独特の深いエコーがかかって無かったら、ECMレーベルのアルバムだとは思えない。深いエコーがなければ、これって米国ジャズって感じの演奏もあったりで、ECMレーベルの総帥プロデューサー、アイヒャーには、酷くお気に召さなかったらしい。

アイヒャーいわく「ECMに米国ジャズはいらない」。バイラークいわく「これも我々のジャズだ。たまには良いだろう」。しかし、当時のアイヒャーには、自らの信じる音志向に関する反論に対する許容量が足らない。これで決定的に決別、となったらしい。

そのいわくつくのセッションの記録が、この『M』に収録されている。確かに冒頭の「Boat Song」のジョンアバの暗ばくたる、幽霊の様に漂う様な、暗いエレギの音はヤバい。
 

John-abercrombie-quartet-m

 
前述のエピソードを知らなければ、これって、ちょっと暗めのECMの耽美的な幽玄な演奏だ、という評価で落ち着くのだろうが、実際はジョンアバの失恋のショックはかなり酷かったことが、この「暗〜い」サスティーン満載のジョンアバの暗ばくなるエレギを聴けば良く判る。

2曲目以降のバイラークとムラーツの自作曲は、確かに印象がガラッと変わる。前述の「切れ味の良い、趣味の良いダイナミズムを伴った、アグレッシヴでテンポの良い」演奏で、どう聴いてもECMっぽく無い。しかし、これが良い。コンテンポラリーな純ジャズという面持ちで、有機的な変幻自在なインタープレイ、自由の高いモーダルな即興展開、そして、出て来るパフォーマンスは基本的に「多弁」。

主にバイラークの個性の一つ「多弁でモーダル」が、演奏全体を牽引しているのだが、ジョンアバのギターも、ムラーつのベースも、ドナルドのドラムも、実に気持ちよさそうに、演奏を楽しんでいる様がよく判る。初代「John Abercrombie Quartet」の「陽」の部分のベスト・パフォーマンスがここに記録されている。

ECMレーベルの総帥プロデューサー、アイヒャーは、このバイラークの「多弁でモーダル」な個性ばかりで無く、ピアニストとしての存在をも否定し、バイラークの参加したECMのアルバムを全て廃盤にした訳だが、この『M』については、今の耳で聴くと、かなりレベルの高いコンテンポラリーな純ジャズが展開されていて、演奏の精度と純度が高い分、この初代「John Abercrombie Quartet」の「陽」の部分の演奏も、十分に「欧州ジャズ」であり、異色のECMジャズとして捉えても違和感が無い。

結局、この『M』のセッションでのアイヒャーとバイラークの喧嘩がもとで、初代「John Abercrombie Quartet」のレコーディングはこの『M』で打ち止めとなる。しかも、バイラークとの喧嘩のとばっちりで、この初代「John Abercrombie Quartet」のオリジナル・アルバムは未だに廃盤状態。アイヒャーも罪作りなことをしたもんだ、と思う。でも、この『M』というアルバム、初代「John Abercrombie Quartet」の好盤の一枚であることは間違いない。

ちなみに、この『M』は、オリジナル・アルバム仕様としては未だ廃盤状態だが、サブスク・サイトやCDで『The First Quartet』と題して、この初代「John Abercrombie Quartet」の全音源が、ECMからリリースされているので、このボックス盤から聴くことができる。
 
 

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2024年6月15日 (土曜日)

『View with a Room』の続編

ジュリアン・ラージの『View with a Room』は傑作だった。ラージとフリゼールのギター2本の絡みが素晴らしく、官能的な「くすんだ音色」と「前のめりでアグレッシブなフレーズ」というラージのギターの独特な個性全開。

フォーキーで、どこか懐かしい、哀愁感漂う米国ルーツ・ミュージックの音要素を融合して、ジャズのフォーマットに乗せる「アメリカーナ」でジャジーな音世界は見事だった。

Julian Lage『The Layers』(写真左)。2023年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Julian Lage (g), Jorge Roeder (b), Dave King (ds) と『View with a Room』同様のトリオに、Bill Frisell (g) が、全6曲中、5曲にゲスト参加している。

全6曲収録のミニ・アルバム仕様(収録時間は約24分)なので、じっくり聴かずに置いておいた訳だが、先日、ジャケを見て、このミニ・アルバムって、『View with a Room』との類似性があるのかな、と思いながら、じっくり聴き直してみた。

出てくる音世界は、明らかに『View with a Room』との類似性が高い。調べてみたら、『View with a Room』と同一セッションでの演奏集で、いわゆる『View with a Room』のアウトテイク集。というか、演奏内容は『View with a Room』の収録曲と全く引けを取らないので、アウトテイクというよりは、『View with a Room』に入りきらなかった曲集、いわゆる「続編」と言った方がしっくりくる。
 

Julian-lagethe-layers

 
収録された曲は、どれもが『View with a Room』同様、フリゼールと合わせて、ジャズをはじめ、ロック、ブルース、カントリーなど、米国ルーツ・ミュージックの音要素を引用されていて、ラージ独特の音世界が展開されている。

フォーキーで、どこか懐かしい感じ、哀愁感漂う米国ルーツ・ミュージックの音要素を融合して、ジャズのフォーマットに乗せる。エレギの音はブルース・ロックやサザン・ロックの響きを湛えていて、「アメリカーナ」な雰囲気をより濃厚にさせる。この盤の「アメリカーナ」でジャジーな音世界。

ラージもインタビューで、このミニ・アルバム『The Layers』について、以下の様に述べている。「この作品は『View with a Room』の前日譚のようなもの。ビルとのデュオ、ホルヘとのデュオ、より広がりのある楽曲、デイヴとホルヘの素晴らしいリズムとオーケストレーションのセンスなど、前作の試金石となる音楽の種をすべて含んでいる」。

この『The Layers』の方が、『View with a Room』に比べて、アコギの割合が多い。その分、やや内省的で哀愁感漂う、ジェントルな雰囲気の演奏が多く印象的。

『View with a Room』と「ニコイチ」で聴いた方がしっくりくる『The Layers』。その音世界は傑作『View with a Room』と同様、「アメリカーナ」でジャジーな音世界は見事という他ない。
 
 

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2024年6月13日 (木曜日)

ジョンアバの「ギター・シンセ」

ジョン・アバークロンビー(以降「ジョンアバ」と略)のギターの音世界が好きで、1970年代から、ずっとジョンアバのアルバムを追いかけている。

欧州ジャズらしい、彼しか出せない叙情的なサスティーン・サウンドが、とにかく気持ち良い。特に、ECMレーベルでの、ECM独特の深いエコーに乗ったジョンアバのギターシンセには、聴くたびに惚れ惚れである。

John Abercrombie『Current Events』(写真左)。1985年9月の録音。ちなみにパーソネルは、John Abercrombie (g, g-synthesizer), Marc Johnson (b), Peter Erskine (ds)。ジョン・アバークロンビー(以降「ジョンアバ」と略)のギターがフロントのピアノレス・トリオ。

ベースにニュー・ジャズ志向ベースの名手マーク・ジョンソン、ドラムには、これまたコンテンポラリー・ジャズ志向ドラマーのピーター・アースキン。バックのリズム隊は磐石。そんな磐石なリズム隊をバックに、ジョンアバが気持ちよさそうに、個性的なギターを弾きまくる。
 

John-abercrombiecurrent-events

 
ジョンアバは「ギター・シンセ」の名手でもある。1970年代から、ギター・シンセに手を染めて、ずっとギター・シンセの技を磨いてきた。そして、この『Current Events』では、そのギター・シンセの技が「極み」に達した感のある、素晴らしいパフォーマンスが記録されている。

ジョンアバのギター・シンセの音がメインのこのアルバム、全体の雰囲気は「プログレッシヴ・ロック(プログレ)」志向。もともと「プログレ」は英国を中心とした欧州ロックの十八番。そのプログレの雰囲気をジャズに融合させて、「プログレッシヴ・ジャズ」とでも呼べそうな、コンテンポラリーなクロスオーバー&ジャズ・ロックな音世界を現出している。

冒頭の「Clint」が圧巻のパフォーマンス。ジョンアバのギター・シンセが乱舞する16ビートの、プログレ志向のコンテンポラリーなクロスオーバー・ジャズ。マーク・ジョンソンの重低音ベースもソリッドに響き、アースキンの変則拍子ドラミングが凄い。続く「Alice In Wonderland」の美しいジョンアバのギター・ワークがこれまた見事。

米国ジャズでは全く聴くことの出来ない、欧州ジャズ&ECMレーベルならではの「プログレッシヴ・ジャズ」とでも呼べそうな、コンテンポラリーなクロスオーバー&ジャズ・ロック。ジョンアバのギター&ギターシンセのベスト・プレイの一つがぎっしり詰まった名盤です。
 
 

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2024年6月10日 (月曜日)

セクステットのための抒情組曲

チック・コリアのピアノとゲイリー・バートンのヴァイブは凄く相性が良い。ジャズ特有のファンキー色を限りなく押さえ、ブルージーでマイナーな展開を限りなく押さえ、硬質でクラシカルな響きを前面に押し出し、現代音楽の様なアブストラクトな面を覗かせながら、メロディアスで流麗なフレーズを展開する。楽器は違えど、音の性質は同類の二人。

Chick Corea & Gary Burton『Lyric Suite For Sextet』(写真左)。1982年9月の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Gary Burton (vib), ここに「弦楽四重奏団」がバックにつく。ECMレーベルらしい、即興演奏をベースにした、欧州ジャズらしい、透明度の高いリリカルな「ニュー・ジャズ」志向のデュオ演奏。

邦題が「セクステットのための抒情組曲」。これがいけない。バックに「弦楽四重奏団」がついているので、余計にクラシック音楽の匂いがプンプンする。僕も最初、このアルバムがリリースされた時には、コリア&バートンのデュオはクラシックに手を染めたのか、と思った。よって、リリース当時はこのアルバムを聴くことは無かった。

が、リリース後10年。やっと聴いたら、あらまあ、しっかりと、コリア&バートンの「ニュー・ジャズ」志向のデュオ演奏が展開されている。
 

Chick-corea-gary-burtonlyric-suite-for-s

 
「弦楽四重奏団」は、コリア&バートンのデュオ演奏をさらに引き立てる、優れたアレンジによるサポートの役割を担っている。この「弦楽四重奏団」のサポートが非常に優れていて、コリア&バートンのデュオ・パフォーマンスを更なる高みに誘っている。

パート1〜7まで、7つのパートに分かれた「組曲」風の収録曲も、クラシック音楽を想起させて、これもいけない。しかし、何か確固たるテーマを持った、一連の曲の連続という風でも無い。

チックの手になる、バートンとのデュオを前提とした秀曲の数々。どう聴いても、クラシックの「組曲」を想起するものではないだろう。透明度の高いリリカルな「ニュー・ジャズ」志向のデュオ演奏を引き立てる秀曲揃い。

ECMレーベルだからこそ成し得た、即興演奏をベースにした、欧州ジャズらしい、透明度の高いリリカルな「ニュー・ジャズ」志向のコリア&バートンの優れたデュオ演奏。

欧州ジャズらしい、というところに、「クラシック」っぽい響きを感じるかもしれないが、このデュオ演奏は、ECMレーベルの「ニュー・ジャズ」のジャンル内の優れたパフォーマンスの記録。意外と好盤です。
 
 

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2024年6月 9日 (日曜日)

向井滋春 ”スペイシング・アウト”

向井滋春は、和ジャズを代表するトロンボーン奏者の一人。1976年に初リーダー作『For My Little Bird』でデビュー。当初は、コンテンポラリーな純ジャズがメイン。しかし、1979年、約1年間、NYに在住した折にフュージョン・ジャズに触発される。そして、いきなり、フュージョン・ジャズに転身する。

向井滋春『Spacing Out』(写真左)。1977年9月28日、日本コロムビア第1スタジオにて録音。ちなみにパーソネルは、向井滋春 (tb), 清水靖晃 (ts, ss), 元岡一英 (p), 大徳俊幸 (clavinet), 渡辺香津美 (g), 川端民生 (b), 古澤良治郎 (ds), 横山達治 (conga) による8人編成。渡辺香津美をはじめ、一癖も二癖もある、マニア好みの名うての名手達が集っている。

出てくる音は、コンテンポラリーな純ジャズ、コンテンポラリーなスピリチュアル・ジャズ。冒頭の組曲風の力作「Dawn~Turbulence(黎明~乱気流)」が、その代表的な演奏。和ジャズの代表的ジャズマンである、渡辺貞夫や日野皓正らも手に染めたコンテンポラリーなスピリチュアル・ジャズの世界。

しかし、どこかで聴いたことがある音世界。元岡のピアノの左手がガーンゴーンとハンマー打法を繰り出し、右手はモーダルなフレーズを流麗に弾き回す。これって、1970年代のマッコイ・タイナー風のスピリチュアル・ジャズな音世界。タイナーからファンクネスを差し引いた、シンプルで爽やかなハンマー奏法。そこに、骨太でオフェンシヴな向井のトロンボーンが、変幻自在に疾走する。
 

Spacing-out

 
和ジャズらしい、コンテンポラリーなスピリチュアル・ジャズ。マッコイ・タイナーのワールド・ミュージック志向のアフリカンでモーダルなスピリチュアル・ジャズから、アフリカ志向とファンクネスを引いた様な、モーダルなスピリチュアル・ジャズ。日本人でもこれくらいは出来る、って感じの熱演。

ところどころ、フュージョン・ジャズの萌芽的演奏も出てくる。向井の芯の入った力感溢れる、柔和で丸く流麗なトロンボーンが印象的な、ボッサ調の「Just Smile」。軽快で切れ味の良い渡辺香津美のギターが爽快なブラジリアン・フュージョン志向の「Cumulonimbus(入道雲)」、電気的に増幅したトロンボーンの音色がクロスオーバー志向な「Forcus Express」、クラヴィネットの音が、乾いたファンクネスを醸し出すタイトル曲「Spacing Out」。

いずれも、フュージョン・ジャズ志向な演奏だが、まず「ソフト&メロウ」していない。かなり真摯で硬派なコンテンポラリーな演奏がベースにあって、ボッサ調とか、ブラジリアンな演奏とか、ファンキーな演奏とか、どこかフュージョンっぽく感じるが、演奏自体は決して「甘く」ない。硬派なコンテンポラリーな純ジャズがベースなところが「良い」。

このアルバムは、様々なジャズの「融合」の要素をベースとした演奏がてんこ盛り。フュージョンっぽいが、根っこは「硬派なコンテンポラリーな純ジャズ」がベース。「硬派なコンテンポラリーな純ジャズ」時代の向井の最後のリーダー作である。
 
 

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2024年6月 1日 (土曜日)

ケントのアステア・トリビュート

ジャズ・インストを聴き続けた合間、耳休めに女性ジャズ・ボーカルを聴くことが多い。

もともとジャズ・ボーカルは得意では無い。流石に、レジェンド級の、低めの声で唸るような、こぶし豊かな、日本で言う「演歌系」のような本格派の女性ボーカルは得意では無い。聴くには聴くが、申し訳ないが、ジャズ・ボーカルの勉強の為に聴くことがほとんどで、ジャズ・インストの合間の「耳休め」に聴くことは無い。

合間の「耳休め」は、ナチュラルな歌い方で、ちょっとコケティッシュで、ちょっとキュートで、それでいて仄かに色気漂う女性ボーカルに限る。それも、どっぷり「ジャズ」していなくて、ちょっとポップでアーバンなボーカルが良い。

今晩は「ステイシー・ケント」。米ニュージャージー州出身、英ロンドンを拠点に活躍しながら、2007年ブルーノート・レコードと契約、国際レベルで活躍している。今晩は遡って、2000年3月リリースの彼女の4枚目のリーダー作を聴く。

Stacey Kent 『Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire』(写真左)。2000年の作品。ちなみにパーソネルは、Stacey Kent (vo, arr), Jim Tomlinson (cl, as, ts, arr, producer), David Newton (p), Colin Oxley (g), Simon Thorpe (b), Steve Brown (ds), Simon Woolf (arr)。伝説の「史上最高のポピュラーミュージックダンサー」、ダンサー兼歌手のフレッド・アステアのトリビュート盤である。
 

Stacey-kent-let-yourself-go-celebrating-

 
全曲、楽曲がかつてのミュージカル映画からのものなので、そもそも曲が良い。そこに、しっかりとしたアレンジが施され、その整ったお膳立ての中で、ステイシー・ケントが、ナチュラルにポップにキュートに、本格派ボーカルを聴かせてくれる。

彼女の透き通ったピュアな声、完璧なフレージング、そしてエレガントなスウィング感、実にムーディーにスインギーに、フレッド・アステアにまつわる秀曲を唄い上げる様に、どっぷりと「癒される」。

バックの伴奏が、これまた良い。正統派な純ジャズ志向のバッキング。デヴィッド・ニュートンのピアノ、コリン・オクスリーのギターが良い音を出している。この伴奏上手なピアノとギターが素敵なバッキングをしている。思わず聴き惚れる。サイモン・ソープのベースとスティーヴ・ブラウンのドラムの正確で味のあるリズム&ビートは、ケントのボーカルに、小粋な躍動感を供給する。

そして、ケントのボーカルに寄り添う様に、語りかける様に、ケントの夫君、ジム・トムリンソンがリード楽器を吹き上げる。このトムリンソンのサックスが良い。小粋で絶妙の伴奏リード楽器。ケントのボーカルの良き相棒、リード楽器で唄いかけるトムリンソンの名演が光る。

良い雰囲気の女性ボーカル盤。バックの純ジャズ志向の演奏だけでも、十分にジャズを楽しめる。そんな優れた純ジャズ志向の演奏をバックに、ケントがナチュラルにポップにキュートに、本格派ジャズ・ボーカルを聴かせてくれる。 採用した楽曲の良さも相まって、極上の「癒し」の女性ボーカル。ジャケも趣味が良い。現代の女性ボーカルの名盤の一枚。
 
 

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2024年5月31日 (金曜日)

ラージの傑作『Speak To Me』

現代のジャズ・シーンにおいては、ギタリスト人材が豊富に感じる。そんな中でも、突出した存在の一人が、ジュリアン・ラージ。数々の有望新人を発掘してきた、ヴァイブのゲイリー・バートンが新たに発掘した天才ギタリストである。

音の志向は、現代のコンテンポラリーなジャズ・ギターで、パット・メセニーの様な「ネイチャーな響き」もあり、ジョンスコに「くすんで捻れる」ところもあり、過去のレジェンド級のコンテンポラリーなジャズ・ギタリストのスタイルを踏襲しつつ、他のジャンルのエレギの音も積極的に融合して、ワン・アンド・オンリーな個性を確立している。

Julian Lage『Speak To Me』(写真左)。2024年3月、ブルーノート・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Julian Lage (g), Levon Henry (ts, cl, alto-cl), Patrick Warren (p, key), Kris Davis (p), Jorge Roede (b, vib), David King (ds)。ジュリアン・ラージのブルーノート・レコードからの4作目。

前作の『The Layers』は、全6曲のEPだったのだが、今回は、しっかり、全13曲のフル・アルバム。今回も、ホルヘ・ローダー (b)とデイヴ・キング (ds)とのレギュラー・トリオを中心に、適材適所のゲストを招聘している。プロデューサーは、アメリカーナ・ブームの立役者、ジョー・ヘンリー。
 

Julian-lagespeak-to-me

 
今回は、ラージがエレギよりもアコギの方を多く弾いている。郷愁を誘う様な、フォーキーなアコギの音が良い。これまでの「アメリカーナ路線」のジャズ・インプロビゼーションの音志向が、より濃厚になっている。ジョー・ヘンリーがプロデュースの効果なのか、どこか、サザン・ロック的な響きが色濃く漂っているのが良い。

加えて、エレギの音やフレーズの弾き回しに、ロック・ギターの雰囲気が漂う。そう、ジェフ・ベックのギターの弾き回しとか、ブリティッシュ・ロックの中のブルース・ロックの様な雰囲気。

ジャズが「演奏のど真ん中」にいるが、そこに、ロック、ブルース、カントリー、そして、フォーク、ゴスペル、オールド・タイムなどの米国ルーツ・ミュージックの音要素が引用〜融合されていて、「演奏のど真ん中」のジャズと絶妙のバランスを醸し出しつつ、レージ独特の「アメリカーナ」な音世界を展開している。

現代コンテンポラリー・ジャズの「アメリカーナ」なインスト・パフォーマンス。純ジャズな雰囲気は薄まって、少しポップで、米国ルーツ・ミュージックの音作り。それでも、ジャジーな雰囲気はしっかり演奏の底を流れていて、アメリカーナ・ジャズとでも形容できそうな、レージ独特の音世界。

フォーキーで、どこか懐かしい感じ、哀愁感漂う米国ルーツ・ミュージックの音要素を融合して、ジャズのフォーマットに乗せる。エレギの音はブルース・ロックやサザン・ロックの響きを湛えていて、「アメリカーナ」な雰囲気をより濃厚にさせる。この盤の「アメリカーナ」でジャジーな音世界、僕は好きやなあ。傑作です。
 
 

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2024年5月30日 (木曜日)

ボブ・ジェームスの飽く無き深化

ボブ・ジェームスは、クロスオーバー〜フュージョン〜スムース・ジャズにおける、僕の一番のお気に入りアーティスト。10歳代半ばから、ずっとリアルタイムで、ボブ・ジェームスを聴き続けている。彼自身のキャリアは、60年を越える。フォープレイが解散状態に陥ってからは、自身のピアノ・トリオでの活動が目立っていた感がある。

Bob James『Jazz Hands』(写真左)。2023年10月のリリース。ボブ・ジェームス名義のスタジオ盤としては、2013年の『Alone: Kaleidoscope by Solo Piano』以来10年ぶりになる。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

Bob James (p), Ricky Peterson (Hammond B-3 org & Syn), Dave Koz, Andrey Chmut Tom Braxton (sax), David Marchione Sr., Will Patrick, Dwight Sills (g),Michael Palazzolo, Nathan Phillips (b), Carlos Camilo Perez (syn-b, drum programming), John Mahon (ds, perc), Ramon Yslas, Lenny Castro (perc), James Adkins, Jay Williams (ds),

演奏曲によって、適材適所なパーソネルで演奏されている様だが、ボブ・ジェームス作の楽曲、アレンジで固められているので、アルバム全体の一貫性は確保されていて、違和感は全く無い。

人選の基本方針は、昔のフュージョン・ジャズの手だれの名手を起用するより、現代のスムース・ジャズ畑とクラブ・シーンの優れたアーティストを選ぶ方向で人選している様だ。例外として、ディヴ・コズの様なビッグネームも参加しているのだが.... 。
 

Bob-jamesjazz-hands

 
豪華絢爛なパーソネルでのセッションの数々だが、それぞれのセッションの中心にいるのは、ピアノのボブ・ジェームスとアコースティック・ベースのマイケル・パラッツォーロ、ドラムのジェームス・アドキンスの「ボブ・ジェームス・トリオ」。そうすると、ジャジーなピアノ・トリオ+αのネオ・ハードバップな演奏を想起するのだが、ボブ・ジェームスの場合、単純にはそうはならない。

3曲目のタイトル曲「Jazz Hands」では、ラップもこなすR&Bシンガーでプロデューサー/サウンド・クリエイターのシーロー・グリーンを、8曲目の「That Bop」には、ヒップホップ・シーンの重鎮DJ・ジャジー・ジェフをフィーチャーしている。この音世界は、スムースなコンテンポラリー・ジャズとクラブ系ミュージックを融合させた様な音世界。単純なスムース・ジャズでは全く無い。曲のリズム&ビートに、ジャズ、ハウス、テクノ、トランス、ヒップ・ホップなどが見え隠れする。

ボブ・ジェームス自身のパフォーマンスも極上。今までのキャリアからくる、ボブ・ジェームスならではの手癖や決まりフレーズが出てきそうなものだが、音の重ね方、フレーズの展開など、今までのボブ・ジェームスにありそうで無かった、新しい響きのボブ・ジェームスの音が散りばめられている。それでも、アレンジの調子というか、展開というか、アレンジの個性がしっかり、ボブ・ジェームスしているところがニクい。

ボブ・ジェームスは、現在、84歳。これまでの輝かしいキャリアに安住することなく、新しいボブ・ジェームス・サウンドを生み出している様は尊敬に値する、と僕は思う。この盤には「深化」するレジェンド、ボブ・ジェームスがしっかりと「いる」。豪華絢爛なパーソネルのセッションだが、この盤の音の中心には、ボブ・ジェームスがしっかりと「いる」。
 
 

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2024年5月29日 (水曜日)

自在で多様性溢れるトリオ演奏

今までなら中堅どころだった、40〜50歳代の「ニューフェース」。ヴィジェイ・アイヤー(Vijay Iyer)もそんな「ニューフェース」の一人。

ヴィジェイ・アイヤーは、1971年10月生まれ。初リーダー作が1995年。アイヤーが24歳の頃。以降、アイヤーのリーダー作は、20枚以上を超える。が、我が国では、なかなか人気が出ない。僕は全く知らなかった。アイヤーの名前を知るようになったのは、2014年からはECMレーベルに移籍して、ECMからのリリースで、アルバム音源がサブスク・サイトにアップされ、ネットにも、アイヤーのニューリリースの記事が出だしてからである。

2014年といえば、アイヤーが43歳。ECMレーベルの前の、ACTレーベルの時でさえ、リーダー作をリリースしたのが2009年だから、アイヤーが38歳の頃。スティーヴ・キューン、キース・ジャレットなどの「耽美的でリリカルで現代音楽風なジャズ・ピアノ」の系譜をしっかりと受け継いだヴィジェイ・アイヤー、全くの遅咲きのピアニストである。

Vijay Iyer『Compassion』(写真左)。2022年5月、NYでの録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Vijay Iyer (p), Linda May Han Oh (b), Tyshawn Sorey (ds)。ECMでの2019年リリースの前作、トリオ作『Uneasy』と同じ面子でのトリオ編成。ヴィジェイ・アイヤー、51歳時の録音になる。

ピアノはヴィジェイ・アイヤーで米国出身、ベースにマレーシア出身のリンダ・メイ・ハン・オー(1984年生まれ)、ドラムスにニュージャージー出身のタイショーン・ソレイ(1980年生まれ)という国際色豊かなトリオ。ベースとドラミは、アイヤーと10歳以上離れている。それでも、リンダ・メイ・ハン・オーは録音当時、38歳、タイショーン・ソレイは録音当時、42歳。アイヤーが51歳だから、全く脂の乗り切った、中堅どころの名手のトリオ演奏になる。
 

Vijay-iyercompassion

 
ほぼ、レギューラー・トリオに近い演奏なので、聴いていて安心感がある。硬軟自在、変幻自在、緩急自在なインプロビゼーションが素晴らしい。打てば響く、丁々発止としたインタープレイも見事。そんなリズム隊をバックに、アイヤーは様々なニュアンス、様々なバリエーションのピアノを弾き進める。

アイヤーのピアノは耽美的でリリカルだが、その展開はダイナミックでメリハリがあるのが個性。このダイナミズム溢れる耽美的でリリカルなピアノで、様々な曲想の楽曲を自由自在に弾き回す。自作曲を弾きまくるキース・ジャレットに似ているか、とも思うんだが、キースよりも演奏が流麗で、音のエッジがキースよりラウンドしていて温かみがある。

フレーズを弾き回しや、右手の硬質なタッチは、その流麗さ、現代音楽に通じる切れ味は、キースというよりは、チック・コリアやミシェル・ペトルチアーニに近い。チックやペトのピアノからラテン・フレーヴァーとロマンチシズムを差し引いた感じ、とでも形容したら良いか。

スティービー・ワンダー作の名曲「Overjoyed」では、チックの残したピアノを弾いて、故チックに敬意を表している。「Maelstrom」「Tempest」「Panegyric」は、コロナ禍のパンデミックの犠牲者のイベントのために書かれた曲。リリカルで耽美的なモーダルな演奏もあれば、フリーでアヴァンギャルドな展開もあり、静的なスピリチュアルな響きもそこかしこに感じる。

ピアノ・トリオのパフォーマンスとしては、現代ジャズの最高峰の位置に近い、色彩豊かな、バリエーション豊かな演奏が素晴らしい。聴けば聴くほど、様々な感じ方、様々な発見があって、なかなか奥の深い、濃い内容が詰まった好トリオ盤。

ヴィジェイ・アイヤー、良いですね。そろそろ、キャリアを遡って、リーダー作を聴いてみたいと思っています。
 
 

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