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2017年6月13日 (火曜日)

旬の女性ボーカル兼トランペット

我が千葉県北西部地方、今朝は涼しかった。というか「肌寒かった」。まず半袖では外は歩けない。夏のジャケットは必須。空はドンヨリと梅雨空。今年の梅雨は雨が降らない、梅雨に入った途端、雨が降らないと梅雨の悪口ばっかり言っていたら、今日は朝から雨模様。夕方、会社から最寄りの駅までの間は、ちょっと強めのまとまった雨にどぎまぎ。

しかし、思いっきりドンヨリした曇り空である。心なしか気持ちまでドンヨリしてきた。ので、そんなドンヨリした気持ちを好転させる様な、キュートで爽やかなジャズ盤を探す。こういう時は女性ボーカルに限る。ライトでアーバンで清楚な女性ボーカルが良い。

Andrea Motis 『Emotional Dance』(写真左)。今年2月、ジャズの老舗レーベルのひとつ「impulse!」からのリリースである。Andrea Motis=アンドレア・モティスと読む。彼女はボーカルのみならず、トランペットも担当する。女性ジャズメンには珍しい、ボーカルが出来るトランペッターである。スペイン出身。

ボーカルが上手いトランペッターといえば、サッチモ、そしてチェット・ベーカーが真っ先に浮かぶ。ネット記事を読むと、この有りバムのリーダー、アンドレアはサッチモとチェットがアイドルとのこと。ほっほ〜、故に、トランペットを吹きながら唄うって訳ね。なるほど。
 

Emotional_dance

 
まず、彼女のボーカルが良い。ライトで爽やかなスムース・ジャズ系のボーカル。アーバンな雰囲気が濃いが声質がキュートなので、若々しい都会の昼下がり、ってな感じの聴き易いボーカル。加えて、スペイン出身だからなのか、とってもキュートで可愛らしいところが見え隠れするボーカルである。本格的なジャズ・ボーカルを愛でる方々には「許せん」ボーカルかもしれませんが、僕はこういうキュートで爽やかな可愛い女性ボーカルが大好きです。

加えて、彼女のトランペットの素性が良い。意外と硬派で純ジャズっぽいトランペットのインストゥルメンタルが実に良い雰囲気。テクニックもまずます、破綻は無く、歯切れが良い。歌心を湛えたアドリブ・フレーズ流麗に吹き回せる力量は確かなもの。ボーカルで癒された後、トランペットで活を入れられる。うんうん、良い感じ良い感じ(笑)。

ライトなメインストリーム・ジャズ系のボーカル&トランペット。一粒で二度美味しい、と言う形容がピッタリのアンドレアのパフォーマンスです。アンドレアって、女性チェット・ベイカーなんて言われているようですね。身体も小柄で表情はまだあどけない。しかし、唄えば情感タップリ、トランペットを吹けば意外とパワフル。注目の女性ボーカリスト兼トランペッターです。

 
 

東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年6月11日 (日曜日)

ネオ・ハードバップでパーカー曲

ドラマーがリーダーのアルバムはいつ聴いても興味深い。リーダーのドラマーが、バンド演奏の大本をしっかり握って、演奏全体の雰囲気やテンポをガッチリとコントロールし、アルバム全体の演奏の内容を決定付けていく。バックのリズム・セクションの真ん中にドッカリと座って、フロントの楽器をコントロールし煽る。

ドラマーがリーダーのアルバムは、その時代その時期のジャズ演奏のトレンドをしっかり反映したものが多い。成果を上げてきたリーダーとして有名なドラマーは、といえば、まずは、アート・ブレイキー、そして、マックス・ローチ、トニー・ウィリアムス、そして、今回、ご紹介する、ロイ・ヘインズ(写真右)。

ロイ・ヘインズはリーダーとして目立ってグイグイ引っ張るタイプでは無い。演奏全体の方針を明快にした後、前に出ず、後ろにドッカリ控えて、ドラミングで引っ張るタイプだ。そして、ロイ・ヘインズもドラミングには個性が溢れている。演奏を暫く聴いていると、直ぐにロイ・ヘインズと判る、明確に個性のあるドラミングである。

Roy Haynes『Birds of a Feather - A Tribute to Charlie Parker』(写真左)。2001年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Roy Haynes (da), Dave Holland (b), Roy Hargrove (tp), Kenny Garrett (sax), Dave Kikoski (p)。そんなロイ・ヘインズの「チャーリー・パーカー・トリビュート」な企画盤である。
 

Birds_of_a_feather

 
このアルバムのタイトルから、ビ・バップな演奏を展開するかと思いきや、パーカーゆかりの楽曲の魅力をしっかり活かしつつ、アレンジは「ネオ・ハードバップ」。2001年当時の最先端を行く演奏内容である。とにかくモダンで新しい響きに満ちている。

まあ確かに、ビ・バップなブロウを基調とするロイ・ハーグローブ、オールラウンドなピアニストであるデヴィット・キコスキー、ベテラン・ベーシストのディブ・ホランド、そして、純ジャズ復古の頃から中心メンバーとして活躍してきたケニー・ギャレット。この面子からすると「ネオ・ハードバップ」が一番得意とするところなのだろう。

しかし、このアルバムの目玉はやはりリーダーのロイ・ヘインズ。この録音時は76歳、それでいて昔のドラミングのスタイルを引き摺ること無く、他のメンバーの最も得意とする「ネオ・ハードバップ」に適応するどころか、アルバム全体でリードすらしているところが凄い。曲はビ・バップ時代の名曲だが、演奏は当時先端の「ネオ・ハードバップ」。

アルバムのジャケット写真が、このアルバムの内容の雰囲気を的確に伝えてくれているように感じます。参加メンバーそれぞれに実力通りの充実した演奏を繰り広げていますし、とりわけ、リーダーのロイ・ヘインズのドラミングが良い。ロイ・ヘインズのリーダー作に外れ無し。この盤も例外ではありません。 

 
 

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2017年6月 4日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・106

この盤は確実に「ジャケ買い」であった。このジャケットを見た時は、この盤の素性は全く知らない。ただ、このジャケットにグッと心を掴まれた。このトランペッターは誰だ。ジャケットの文字を見たら、トム・ハレルとある。トム・ハレルの名前は知っている。あと、サイドメンの名前が連なる。総合力勝負のピアニストのケニー・バロンの名が見える。

「これはイケるに違いない」。で、即ポチである。そのアルバムとは、Tom Harrell『Moon Alley』(写真左)。1985年12月の録音。意外と古い録音。ちょうど、純ジャズ復古の時代、老舗のジャズ・レーベルが復活し、純ジャズが復権していった頃。なるほど。その時代が故にパーソナルがふるっている。

ちなみにパーソネルは、Tom Harrell (tp, flh), Kenny Garrett (as, fl), Kenny Barron (p), Ray Drummond (b), Ralph Peterson (ds)。いやいや、今の目でみれば錚々たるメンバーではないか。新しい響きのアルトはケニー・ギャレット。切れ味の良い、躍動感としなやかさが共存した、新しい感覚のリズム&ビートが魅力のドラモンドのベースとピーターソンのドラム。
 

Moon_alley1

 
そして、サイドメンの絶品は、総合力勝負のピアニスト、ケニー・バロン。伴奏の職人、バロンの流麗で洒脱なバッキングは、耳に好印象を残してくれる。高テクニックを擁しながらもグッと押さえて、程良い音数で印象的にフレーズを紡ぎ上げつつ、フロントのトランペットとアルトを推し上げる。

しかしながら、リーダーなので当然ではあるが、トム・ハレルのトランペットが素晴らしく良い。力強く躍動感溢れ、紡ぎ出すフレーズは流麗そのもの。トランペットそのものが実に魅力的に鳴っている。日本ではあまり名前が通っていないが、ハレルのトランペットは一級品。切れ味良く、エッジは程良く心地良く立っていて、聴いていてとっても心地良い。

基本はネオ・ハードバップ。コードとモードを程良くブレンドしつつ、躍動感溢れる、雄弁なソロを繰り出していく。リズム・セクションも強力。こういうネオ・ハードバップの好盤をつい最近まで知らなかった。いやはや、ジャズは奥が深い、ジャズは裾野が広い。いや〜、ほんとジャズって良いですね。

 
 

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2017年6月 3日 (土曜日)

ピーター・アースキンの新作2枚

1970年代から1980年代にかけて、フュージョン・ジャズ〜コンテンポラリー・ジャズを演る最高なバンドがあった。ウェザー・リポート(Weather Report=以下WRと略す)である。そのWRの最盛期、黄金時代とされるのが、1978年から1981年まで。その時のメンバーが、Wayne Shorter (sax), Joe Zawinul (key), Jaco Pastorius (b), Peter Erskine (ds)。

そのWR黄金時代のドラマー、ピーター・アースキンがこのところ元気である。昨年初めに『DR.UM』をリリースしてから、とにかく元気。最近、このDR.UMバンドをベースとしたニューアルバムが2枚、立て続けにリリースされた。

一枚目は、Peter Erskine『Second Opinion』(写真左)。DR.UMの第2弾。ちなみにパーソナルは,Peter Erskine (ds), Benjamin Shepherd (b), John Beasley (key), Bob Sheppard (sax,fl)。サックス+フルートがフロントのカルテット構成。奏でる音はコンテンポラリーな純ジャズ。今のジャズを感じる。
 

Peter_erskine_scond_op_n_praise_of_  

 
二枚目は、Peter Erskine New Trio『In Praise of Shadows』(写真左)。こちらはトリオ編成。ちなみにパーソネルは、Peter Erskine (ds), Damian Erskine (b), Vardan Ovsepian (p), Artyom Manukyan (cello, tracks: 3,9)。2曲だけチェロが入るが、基本はピアノ・トリオ。陰影に富んだ音作りで魅了。新しい響きを感じる。

どちらのアルバムも聴いて感じるのは「WRの雰囲気」。WRの音の個性を現代のコンテンポラリーな純ジャズに置き換えて、リコンパイルしているような雰囲気。聴いていて、サックスやピアノのユニゾン&ハーモニーやアドリブ・フレーズに、どこかウェイン・ショーターとジョー・ザビヌルの音の影を感じるし、ベースの音には、どこかジャコ・パストリアスの響きを感じる。

曲作り、アレンジ共に書かれた感が強くて、人間の理屈で作り上げられた雰囲気がそこはかとなくするのが玉に瑕だが、個々の演奏の水準は高く、作り込まれた感が「俗っぽさ」に傾かず、端正な雰囲気に置き換わっているので、これはこれで「セーフ」。現代のコンテンポラリーな純ジャズを感じることの出来る新作として、一聴はしたい新作である。

 
 

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2017年5月21日 (日曜日)

このドラマーは僕にとって初顔

ピアノ・トリオが聴きたい耳になって、今度は最近作を聴きたくなる。今のピアノ・トリオの状況はどうなんだろう。と、ジャズ雑誌のディスク・レビュー欄を1年間ぐらい振り返ってみる。さすがに知らない名前が多くなったなあ、と感じる。でも、ということは、まだまだジャズは深化しているということ。喜ばしいことではある。

今日の選盤はこれ。Gerry Gibbs & Thrasher People『Weather or Not』(写真左)。今年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Hans Glawischnig (b), Gerry Gibbs (ds, per), Alex Collins (p, org)。日本ではほとんど馴染みの無い、ドラマーのジェリー・ギブスがリーダーのピアノ・トリオ盤。

CD2枚組の構成。1枚目は「The Music Of Weather Report」。ウェザー・リポートのカヴァー12曲を収録。2枚目は「The Music Of Gerry Gibbs (The Life Suite 1981-2016) 」。リーダーのドラマ−、ジェリー・ギブスのオリジナル曲集。 この1枚目のウェザー・リポートのカヴァー集が良い。かなりの「聴きもの」になっている。
 

Weather_or_not_1

 
曲目を見渡すと、ウェザー・リポート4枚目の『Mysterious Traveller』から9枚目『Mr. Gone』まで、いわゆるウェザー・リポート黄金時代の名曲が選ばれている。特に面白いのは『Mr. Gone』から3曲選曲されていること。『Mr. Gone』と言えば、僕は大好きだったが、一般的にはリリース当時はあまり評判の芳しく無かった盤。やっと『Mr. Gone』が再評価されつつあるのか、と嬉しくなる。

とにかくアレンジが素晴らしい。ウェザー・リポートの特徴を上手くピアノ・トリオに置き換えているところがニクい。冒頭の「Teen Town」を聴けばそれが良く判る。ジャコのエレベ高速フレーズをピアノで再現。決して、オリジナルと「タイマン」で勝負することは無い。アレンジの妙で勝負する。これ、なかなか粋ですよ。

2枚目のギブスの自作曲集については、メインストリームな純ジャズを踏襲したコンテンポラリーな内容は、ギブスの作曲の才が優れたものであることを証明している。ギブスのドラミングはピーター・アースキンばりの今様のもの。いやいや、なかなか粋なドラマーである。他のアルバムも聴きたくなった。

 
 

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2017年5月19日 (金曜日)

好調ベニー・グリーンを感じる

ピアノ・トリオが聴きたい。一昨日辺りから、その欲求がかなり高まってきた。恐らく、心身が疲れてきているのだろう。昔から、心身が疲れてくると、ピアノ・トリオが聴きたくなる。特に、バリバリ弾きまくるピアノ・トリオが良い。

Benny Green『Happiness! Live at Kuumbwa』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Benny Green (p), David Wong (b), Rodney Green (ds)。 2016年6月のライブ録音。場所は、カリフォルニア州サンタ・クルーズにあるクンブワ・ジャズ・センター。リーダーでありピアニストであるベニー・グリーンのホーム・グラウンドである。

僕はベニー・グリーンのピアノが好きだ。1963年4月生まれ。今年で54歳になる。基本はバップ・ピアノ。ビ・バップな雰囲気で、テクニック溢れ、強いタッチでバリバリ弾きまくる。加えて、1963年生まれなので、ジャズの演奏傾向として、モードな演奏が得意。バリバリ、バップなピアノでモードな演奏を弾きまくる。これが爽快なのだ。

さすがにベニー・グリーンのホーム・グラウンドである「クンブワ」。雰囲気が凄く良い。冒頭のグリーンのMCに対する反応なんて、ほんと良い感じ。そんな良い感じのライブ会場で、ベニー・グリーンのトリオはのっけからリラックスした演奏を繰り広げる。
 

Happiness_benny_green

 
このリラックス度合いが絶妙で、バップなピアノはテクニックが高ければ高いほど、鬼気迫る感じで緊張を強いられがちだが、このグリーンのピアノは違う。程良くリラックスしているので、緊張を強いられることは無い。逆に、心地良いテンションが聴く耳を和ませてくれる。

前作の『Live in Santa Cruz』(2015年12月26日のブログ・左をクリック)とはうって変り、今回の新作ライブ盤はスタンダード・ナンバーが中心。

これがなかなか聴きもの。ホレス・シルヴァー、フレディ・ハバード、シダー・ウォルトン、サド・ジョーンズ、デューク・ピアソン、ウェス・モンゴメリーといった、ジャズ・レジェンド達の知る人ぞ知る、渋い佳曲が並ぶ。

好調ベニー・グリーンをビンビンに感じます。デヴィッド・ウォンのベース、ロドニー・グリーンのドラムも好調。実に良い雰囲気のピアノ・トリオのライブ盤です。好盤です。

 
 

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2017年5月17日 (水曜日)

夜の静寂にクールなジャズ・1

ジャズには、汗が飛び散らんばかりに熱気を帯びて吹きまくる演奏もあれば、その反対に、グッとムーディーにそしてアーバンなムードを湛えたクールな演奏もある。夜、寝る前の一時、夜の静寂の中、耳を傾けるジャズは後者の「クールな演奏」のジャズが良い。心からリラックス出来て、寝付きが良くなる。

Charlie Haden『Nocturne』(写真左)。2000年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Gonzalo Rubalcaba (p), Ignacio Berroa (ds) のピアノ・トリオを中心に、Joe LovanoとDavid SanchezのサックスとFederico Britos Ruizのバイオリンが客演し、加えて、2曲目の「Noche de Ronda (Night of Wandering)」にのみ、Pat Methenyのアコギが単独で参加する。

アルバム・タイトルの「Nocturne」とは「夜想曲」のこと。「夜想曲」とは「夜の情緒を表現しようとする曲」のこと。そんな「夜想曲」な曲想、曲調の曲をズラリ11曲、収録している。落ち着いたリズム&ビートに乗って、趣味良くムーディーにアーバンな雰囲気を醸し出しつつ、限りなくクールな演奏を繰り広げる。

「夜想曲」の演奏の底をしっかりと支えて、曲全体のとりまとめをするのは、リーダーであるベースの哲人、チャーリー・ヘイデン。骨太でゴリッとした安定のベースはヘイデンならではのもの。このアルバムでは、ヘイデンのベースがとっても良い音で録れてます。聴いていて惚れ惚れしますね〜。ジャズ・ベース、ここに極まれり、です。
 

Nocturne_1

 
そして、このアルバムの最大のハイライトは、ゴンサロ・ルバルカバのピアノ。ラテンチックな躍動感溢れるピアノが得意なゴンサロなんですが、このアルバムでは、実にリリカルな、それでいて音の芯が太く、音のエッジが程良くラウンドしている、どっしりとした重心の低いピアノで聴かせてくれる。全編に渡って、ゴンサロのピアノ、聴きものです。

イグナシオ・ベローアというパーカッショニストも実に良い。ゴンサロと同じキューバ出身とのこと、実にムーディーなパーカッションである。パットのアコギもむっちゃ雰囲気あるし、フェデリコ・ブリトス・ルイスのバイオリンもクールでムーディー。そうそう、ジョー・ロヴァーノとダヴィッド・サンチェスのテナーも凄く良い。

アルバム・タイトルが、ほんとにシックリ来る演奏です。こういうグッとムーディーにそしてアーバンなムードを湛えたクールな演奏ができるのもジャズなんですね。そんな演奏をガッチリとサポートし、まとめ上げているのが、チャーリー・ヘイデンのベース。

夜の静寂にピッタリのジャズです。ベースの哲人が、ピアノにゴンサロ、ドラムにベローアを従え、テナーやギター等を客演に「夜想曲」を奏でる。秀作です。

 
 

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2017年5月13日 (土曜日)

こんなアルバムあったんや・81

ジャズは昔から「異種格闘技」が得意である。ラテン音楽のリズムやフレーズを取り込んだり、ボサノバやサンバのリズムやフレーズを取り込んだり、果てはロックの要素を取り込み、R&Bと融合し、最終的には「クロスオーバー・ジャズ」や「フュージョン・ジャズ」というジャンルを確立したり、極言すると「ジャズは融合の音楽」である。

21世紀に入ると、この「融合」はバリエーションを広げ続け、こんな楽器とコラボしてジャズやんの、なんて組合せもある。例えば、2007年リリースのデュオ作品『The Enchantment』は、ピアノのレジェンド、チック・コリアのバンジョーのベラ・フレックとのデュオ作品。バンジョーですよ、カントリー&ウエスタンの花形楽器のバンジョーとピアノで即興演奏をする。この組合せにはビックリした。

ビックリしていたら、今回、こんなデュオが出てきた。ブルーグラス界(いわゆるカントリー&ウエスタンですね)を代表するChris Thileと、ジャズ・ピアニスの重鎮 Brad Mehldauの組合せ。パーソネルは、Chris Thile (mandolin, vo) & Brad Mehldau (p, vo)。クリス・シーリはマンドリンを弾き、ボーカルを担当する。そして、ブラッド・メルドーはピアノを弾き、ボーカルも担当している。
 

Chris_thile_brad_mehldau1

 
そのアルバムとは『Chris Thile & Brad Mehldau』(写真左)。今年の1月のリリース。ブルーグラスのマンドリンの弾き語りをどうやってジャズ・ベースのピアノとデュオ演奏するのか、と首を捻るのであるが、聴いてみると、クリス・シーリのマンドリンがしっかりとジャズのビートに適応して、ブルーグラス側がジャズに歩み寄っている風情。としつつ、ブラッド・メルドーはマンドリンの繊細な響きに寄り添うように、優しくインプロビゼーションする。

ボーカル曲も多く収録されており、純粋なジャズというよりはカントリー、ブルーグラス系も混ざったようなポップスの様な風情ですが、底に流れるリズム&ビートとコード進行がジャズの雰囲気をしっかりと残していて、良い感じのフュージョン・ジャズに仕上がっています。純ジャズのデュオではありませんが、融合の音楽としてのジャズの面目躍如的な内容です。

ジャズの「異種格闘技」としての成功例でしょう。さすが伴奏上手なブラッド・メルドー、マンデリンの繊細な音によく対応しています。美しい旋律、ビート感を強調したリズムの採用、そして、親しみのある旋律を持つ楽曲の選曲。聴いて楽しいポップなフュージョン・デュオ盤に仕上がっています。

 
 

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2017年5月12日 (金曜日)

現代ジャズの「深化」の成功例

「ジャズは死んだ」という評価は1970年代から始まった。しかし、僕は1970年代後半にジャズを聴き始めた。ジャズを聴き始めた頃、ジャズ界は空前の「フュージョン・ジャズ」のブーム。フュージョン・ジャズも沢山聴いた。でも「ジャズは死んだ」とは感じなかった。逆に「進化している」と感じた。

1950年代後半に大ブームとなった「ハードバップ」がジャズの全て、とする極端な意見もある。ジャズの進化は「コルトレーンの死と共に終わった」と言い切る人もいる。1970年代以降のフュージョン・ジャズはジャズじゃない、と切り捨てる人もいる。でも今、21世紀になってもジャズは世界中で多くの人に聴かれている。

さすがに21世紀になって、革新的な演奏方式やアプローチが出てくる可能性は少なくなってきたように思う。しかし、旧来の演奏方式、例えば「ハードバップ」や「モード・ジャズ」などを深く掘り下げたり、新たな演奏バリエーションを生み出すこと、また、他の音楽ジャンルとの融合、いわゆるフュージョンの裾野を広げること、など、まだまだジャズは「深化」していると感じる。
 

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Greg Osby『Symbols of Light』(写真左)。2001年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Greg Osby (sax), Scott Colley (b), Nioka Workman (cello), Marlon Browden (ds, perc), Jason Moran (p), Judith Insell-Stack (viola), Christian Howes, Marlene Rice-Shaw (vln)。パーソネルを見れば判るが、サックスのワンホーン・カルテットに弦楽四重奏が絡む。

結構「キワモノ」の編成であるが、この盤は「成功例」。サックスのワンホーン・カルテットのジャズに弦楽四重奏が違和感無く溶け込んでいる。新たな演奏バリエーションの成功例である。弦楽四重奏のメインはクラシックであり、ジャズにクラシックの要素をしっかりと溶け込ませている。いわゆる、フュージョンの裾野を広げているのだ。

アルバムの演奏を聴けばヒシヒシと感じるのだが、アレンジが行き届いている。適当にワンホーン・カルテットと弦楽四重奏を合わせている訳では無い。実に良く考えてアレンジされている様がとても良く伝わってくる。これだけ優れたアレンジを施しているとは、オズビー恐るべしである。結果、新しいジャズの響きを生み出している。これぞ、ジャズの「深化」である。

 
 

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2017年4月28日 (金曜日)

ジャケットに惚れて入手した盤

実はこの盤はジャケットに惚れて入手した。イラストっぽいジャズメン達も良し、タイポグラフィーも良し。とにかくデザインが良い。とてもジャズっぽい。見た瞬間に「これは」と思った。ジャズ盤のジャケットって、こんなデザイン的に優れたものが多い。

ジャケットのデザインが優れたジャズ盤の内容に外れは無い。この盤もその格言に外れることは無い。1996年当時の優れた内容のネオ・ハードバップ。パーソネルを見渡すと、オールスター・ジャムセッションか、と思うんだが、どうして、しっかりとアレンジされた、一期一会のまさにジャズらしい演奏がぎっしりと詰まっている。これには感心した。

そのジャズ盤とは、Jerry Bergonzi & Bobby Watson『Together Again For The First Time』(写真左)。1996年の作品。ちなみにパーソネルは、Jerry Bergonzi (ts), Bobby Watson (as/ss), Kenny Barron (p), David Finck (b on 1-4,6,9), Curtis Lundy (b on 5,7,8), Victor Lewis (ds)。

バーガンジィーのテナー、ワトソンのアルト&ソプラノの2管フロントのクインテット構成。全編に渡って、バーガンジィーのテナーとワトソンのアルト&ソプラノの2管による応酬は聴き応え十分。破綻無く、とても端正で流麗。アドリブフレーズは歌心満載で聴いていてウキウキする。
 

Together_again_for_the_first_time1

 
そうそう、ジェリー・バーガンジーとは、いわゆるボストン派テナー・サックスの重鎮。圧倒的なテクニックと鮮やかなアドリブ・フレーズが個性。1947年生まれなので、今年で70歳になる。この盤の録音時は49歳。ベテランの域に達しつつある充実の頃。

バックのリズム・セクションも良い。ピアノがケニー・バロン、これがまあ、端正で堅実なバッキングを繰り広げている。この盤の安定はバロンのピアノによるところが大きいのでは。そして、ビクター・ルイスのドラミングが素敵だ。凄くハードバップしている。この盤の爽快感とスピード感はルイスのドラミングによるところが大きい。

1996年の時代に、これだけ内容のあるネオ・ハードバップな演奏が繰り広げられていたとは改めて感心した。ジャズって確実に進化していたんですね。しっかりとアレンジされた、一期一会のまさにジャズらしい演奏は、その爽快感とスピード感がゆえ、1950年代のハードバップには無いものです。1996年の時代だからこそ為し得た、ジャズの成果だと感じます。

ジャケットに惚れて入手して、その盤聴いて感心する。ジャズ盤をずっとコレクションして聴き続けてきて、なんだか幸せだなあ、と思う瞬間です。

 
 

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