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2018年6月17日 (日曜日)

サザンロック系のAORなエレギ

「ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事」という単行本を読みつつ、ポーカロのお仕事を追体験している。ジェフ・ポーカロは、ロックバンド、TOTOの元ドラマー。セッション・ミュージシャンとしても数多くのレコーディングに参加しており、AORからフュージョン・ロックまで、幅広いジャンルで活躍した。プロとしてのキャリアは20年余りにも拘らず参加作品は200作を超えているが、1992年8月5日、38歳の若さで早逝している。

そんなポーカロのお仕事を追うと、こんなアルバムあったんや、とか、ああ懐かしいアルバムやなあ、とか、とても興味深いアルバムに沢山出会う。ポーカルって、AORやフュージョン・ロックにおいて、重要なアルバムやヒットアルバムに結構、名を連ねている。このアルバムもポーカルのドラムなんや、と改めてビックリするアルバムの何と多いことか。

『Les Dudek』(写真左)。1976年のリリース。当時の日本盤のキャッチコピーは「デュアン・オールマンの生まれ変わり」。確かに、サザンロック風のエレギで、デュアンより、スッキリ明るい音色で、ブルース・ギターの香りは残ってはいるが、アーバンで端正なAOR系のエレギという雰囲気。伸びやかで良く唄うギターで、フュージョン・ジャズの耳にしっかりとフィットします。
 

Les_dudek

 
Les Dudek=レス・デューデックとは、米国の東海岸ロード・アイランド出身のギタリスト。オールマンズのアルバム『Brothers & Sisters』に参加、「Ramblin' Man」ではディッキー・ベッツと共にギターを弾き、「Jessica」ではアコギを担当。ああ、あのアコギ、デューデックだったのね、とビックリ。その後、ボズ・スキャッグスのバックバンドやスティーヴ・ミラー・バンドでギターを担当、僕は、ボズの『Silk Degrees』のパーソネルでその名を知りました。

さて、アルバム『Les Dudek』に戻ると、スライド・ギターも心地良く、ライトなサザン・ロック風のテイストがなんとも粋である。1970年代のサザン・ロック者からすると、このギターは「アリ」ですね。ドラムのポーカロも得意のシャッフル・ビートを叩きつつ、サザン・ロック風のリズミカルで躍動感のあるパーカッシヴなドラミングも織り交ぜて、かなり高度なお仕事をこなしていて素晴らしいです。

このアルバムの存在、「ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事」という単行本で再発見するまで、すっかり忘れていました。聴き直してみて、ああ懐かしい、1970年代後半のサザン・ロック系のAORな雰囲気がとても芳しい。そして、思い出した。ジャケットのゴールドのレスポールのネックの先にとまるオウムの存在を(笑)。不思議なジャケットですが、AORからフュージョン・ロックの好盤です。ジャズの合間の耳休めにピッタリ。

 
 

東日本大震災から7年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2018年6月10日 (日曜日)

スワンプ・ロックの始まりです

「ジャズの合間の耳休め」盤には、あまりジャズからかけ離れた音楽を聴くのはちょっと憚られる。ジャズの合間の耳休めに聴く盤としては、米国ルーツ・ミュージック系のアルバムが良い、と書いた。ここ「バーチャル音楽喫茶・松和」では、1970年代ロックも守備範囲になっているのだが、1970年代のロックの中で、米国ルーツ・ロックと呼ばれるものは何か。

いの一番に浮かぶのは、1960年代末期に発生し、1970年代中盤まで流行した「スワンプ・ロック(Swamp Rock)」だろう。そもそも「スワンプ」とは「アメリカ南部の湿地帯」を指す言葉。さまざまな南部の音楽をミックスしたロックが「スワンプ」。ゴスペルやブルース、それにカントリーやリズム&ブルースといった南部産の音楽をロックに取り込んだものが「スワンプ」。

このスワンプ・ロックは、ブルース・ロックやサイケデリック・ロックに相対するように、1960年代末期に出現した。このスワンプ・ロックを真っ先に体現したバンドが「デラニー&ボニー」。この「デラニー&ボニー」の演奏は、当時、英国のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた。例えば、エリック・クラプトンやジョージ・ハリスンがスワンプ・ロックに鞍替えしている位である。
 

Accept_no_substitute  

 
そんな「デラニー&ボニー」の代表的な好盤が、Delaney & Bonnie『Accept No Substitute』(写真)。1969年5月のリリース。邦題は「オリジナル・デラニー&ボニー」。ゴスペルやソウル、R&B、カントリーなどの音楽要素を柔軟に取り込んだ、南部ロックの傑作として名高いアルバム。加えて、ソング・ライティングとアレンジに長けており、捨て曲なしの好盤である。

バックバンドのメンバーを見ていくと、レオン・ラッセル、カール・レイドル、ボビー・ウィットロック、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ジム・プライス、ジェリー・マギー、リタ・クーリッジとお決まりのメンバー。このメンバーでツアーに出たら、そこにエリック・クラプトン、ディブ・メイスン、はてはジョージ・ハリスンまでが参加するという、夢の様な話。

特に、ボニーのソウルフルな歌唱は特筆すべきもので、とても白人の歌声とは思えない、ファンクネス溢れ、シンプルでソウルフルな歌唱である。コーラス・アレンジも秀逸で、ゴスペルの要素を非常に巧く取り込んでいる。この1969年作の『Accept No Substitute』が実質的にスワンプ・ロックの始まりだと言えます。有名な家族写真風のジャケも秀逸で、アルバムの中の音の雰囲気をダイレクトに聴き手に伝えてくれます。

 
 

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2017年12月 3日 (日曜日)

リトル・フィートのセカンド盤

シンプルな手触りのするファースト盤。米国南部のルーツ・ミュージックの要素、1960年代後半、米国西海岸で流行だったサイケデリック・ミュージックの要素など、様々なジャンルの音楽のエッセンスを取り込み、得意のロックンロール仕様に仕立て上げた、と言う感じの、ごった煮感満載の、ちょっと荒っぽい感じのするアルバムでデビューを飾った「リトル・フィート」。

そんなリトル・フィートが、バンドの音楽性をほぼ固めたセカンド盤が、Little Feat『Sailin' Shoes』(写真)。1972年のリリース。このセカンド盤『セイリン・シューズ』は、ファーストアルバムのごった煮感を整理して、カントリーはカントリーらしく、 ブルースはブルースらしくやっていて、全体的に整然として、ちょっと綺麗な感じする。

完全に開き直っていない感じがなんとももどかしいのだが、当時のウエストコースト・ロックの視点から見ると、ドゥービー・ブラザースをさらにラフにしたような、男気満点で決して迎合しない、タイトな演奏が良い感じ。前作のごった煮感を整理して、生々しさやブルース色には欠けるが、多彩な音作りとキャッチーさを増した楽曲を収録している。
 

Sailin_shoes  

 
ソング・ライティングも手慣れてきて、キャッチャーなフレーズを持った曲が取り揃いつつあり、 とにかく聴き所満載なアルバムです。リトル・フィート入門アルバムには最適では無いでしょうか。しかし、このアルバムも商業的には全く不振だったそうです。評論家には絶賛されたらしいんですが。う〜ん、判るような気がするなあ。売れるには、まだ渋すぎる。

このセカンド盤から採用された、ネオン・パークの作なるジャケットが印象的である。実は高校時代(1975年かな)、初めて、このセカンド盤のジャケットを見た瞬間、購入意欲が一気に減退した(笑)。当時は高校生、このセンスが理解できなくても仕方が無い。今では、お気に入りのデザインの一枚である。

しかし、このセカンド盤も商業的成功に恵まれないまま、一旦、2枚のアルバムをリリースして解散状態になってしまうのだから、当時のリトル・フィートは運が無かった。しかし、ブルース、ブギウギ、ロックンロールとアメリカン・ルーツ・ミュージックと呼ばれるものなら、なんでも吸収し消化していく貪欲さと西海岸ロック独特の開放感は、そのままでは終わらなかった。再起して、次作で傑作をものにするのだ。

 
 

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2017年11月29日 (水曜日)

リトル・フィートのファースト盤

米国西海岸のいわゆる「ウエストコースト・ロック」は奥が深くて面白い。イーグルスなどに代表されるような「カルフォルニアの爽やか青い空」を想起させる、爽やか系のフォーク・ロックや、カントリー・ロックばかりと思いきや、「なんでこれが西海岸で」と悩んでしまうようなジャンルもあったりする。

米国南部の泥臭くワイルドなサザン・ロック風の「リトル・フィート」や「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」など、アメリカン・ルーツ・ミュージックをベースにしたロックも、また、ここ西海岸を拠点にしていたのだから面白い。リトル・フィートは、ロサンジェルスを拠点にしながら、ニューオーリンズR&B、ブルース、カントリー、ジャズなど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響を色濃く押し出しているサウンドが特長。

そして、セカンドアルバム以降に採用された「ネオン・パーク」の個性的なイラストを採用したジャケット・デザインが印象的。商業的に恵まれませんでしたが、僕にとっては大のお気に入りバンドです。1969年に結成されて以来、1979年、ローウェル・ジョージの死と共に一旦、活動を停止しましたが、1988年、突如復活。幾度かのメンバー・チェンジを経て、未だ現役バンドなのは驚きです。
 

Little_feat

 
そんなリトル・フィートのデビュー盤が『Little Feat』(写真左)。リトル・フィートは、ロサンジェルスでフランク・ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションのメンバーだったローウェル・ジョージ(スライド・ギターとヴォーカルを担当)、ロイ・エストラーダ(ベース)を中心に結成された。このファースト盤は、1971年のリリースになる。

ジャケットを見ていただいてお判りのとおり、シンプルな手触りのするファーストアルバムである。米国南部のルーツ・ミュージックの要素、1960年代後半、米国西海岸で流行だったサイケデリック・ミュージックの要素など、様々なジャンルの音楽のエッセンスを取り込み、得意のロックンロール仕様に仕立て上げた、と言う感じの、ごった煮感満載の、ちょっと荒っぽい感じのするアルバム。

リトル・フィートのファンの間の評価は真っ二つ、賛否両論みたいですが、僕は好きですね〜。リトル・フィートのルーツとなっている音楽ジャンルがはっきりと判るし、荒っぽく、完成度の低い楽曲の中にも、後のリトル・フィートの個性が確認出来て、実に楽しい。商業的には全く不振だったようだが、そりゃそうだろう、このアルバムの内容だったらね。渋すぎるし、時代が早すぎた。

 
 

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2017年11月23日 (木曜日)

デレク&ドミノスの隠れライブ盤

「クリーム」での演奏バトルとバンド内の人間関係に疲れ、当時のスーパーバンド「ブラインド・フェイス」では、何と無く乗りきれないまま、1枚のアルバムを残したまま、半年でバンドを解散。新天地を求め米国に渡り、デラニー&ボニーのツアーに客演として参加、その音楽性に痛く感じ入り、スワンプ・ロックに走ったクラプトン。

そして、その世話になったデラニー&ボニーのバンドから主要メンバーをごっそり引き抜いて「デレク&ドミノス」を結成。スワンプ&米国ルーツ・ロックの名盤『Layla and Other Assorted Love Songs』(1970年)をものにした。しかし、ジョージ・ハリソンの嫁はん、パティ・ボイドへの横恋慕が昂じて、麻薬と酒に溺れ、一旦、引退状態に陥る。

そんな中でリリースされたライブ盤が『Derek & the Dominos In Concert』(写真)。1970年10月23&24日、Fillmore Eastでのライブ公演の様子を記録したライブ音源。しかし、発売は1973年1月。クラプトンが麻薬と酒に溺れ、引退状態となっていた頃のことである。『Layla』の後、長い期間、アルバムのリリースが無いので、その穴埋めとしてりりーすされた感が強い。

そういうリリースの背景なのであれば、内容的にはイマイチなのでは、という懸念が頭をもたげる。実際、リアルタイムでは、このライブ盤を手にすることは無かった。手にしたのは1990年代後半。で、内容的に問題があるかと言えば、長時間に渡るドラムソロに閉口する以外は、当時のデレク&ドミノスについては、スワンプ&米国ルーツ・ロックを代表するバンドであったことが良く判る。
 

Derek_the_dominos_in_concert

 
クラプトンが充実している。ものこの頃は麻薬と酒で結構問題があった時期だと思われるが、そんなことは微塵も感じさえ無いプレイは見事である。バンド全体のサウンドもしっかりと統率され整っており、先に述べた「長時間のドラムソロ」を除けば、結構、聴き応えのあるライブ盤である。選曲もなかなか粋で、メンバーそれぞれの力量とグループ・サウンドのレベルの高さが十分に窺い知れる。

残念なのは『Layla』をレコーディングしたときの客演メンバーであり、かつ重要メンバーの一人であったデュアン・オールマンがこのライブには参加していないこと。『Layla』を聴き込んだ耳には、このライブ盤はちょっと音が淋しい。ちなみにこのライブ時点のパーソネルは、Eric Clapton (g)、Carl Radle (b)、Bobby Whitlock (key)、Jim Gordon (ds) の4人。逆に4人でこの迫力のあるパフォーマンスを引き出しているのだから、これはこれで充実のライブ盤である。

1994年には『Live at the Fillmore』と題して、「Why Does Love Got to Be So Sad」「Let It Rain」「Tell the Truth」「Nobody Knows You When You're Down and Out」「Little Wing」「Key to the Highway」「Crossroads」 の7曲を追加して、リニューアル、リイシューされている。

しかし、アルバム全体の所要時間が2時間とかなりの長さになった。聴くのに骨が折れる。それに比べて、この「In Concert」は所要時間1時間半。LP2枚組の鑑賞時間。じっとして聴くにはちょうど良い長さである。実際に僕は、この『In Concert』の方を愛聴している。

 
 

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2017年10月18日 (水曜日)

懐かしき良き「オールマンズ」

土日を「70年代ロック」や「70年代Jポップ」の記事をアップしよう、と思い立ったのだが、どうにも無理がある。「70年代ロック」や「70年代Jポップ」のアルバムを聴きたい欲求が、ウィーク・デーに来たりする。そうすると、やはり聴いた感覚がはっきりとしているうちにブログにアップしたいなあ、と思ったりする。ということで、曜日に囚われず、書きたいテーマでブログをアップするということで・・・。

さて、秋になると、The Allman Brothers Band(略して「オールマンズ」)が聴きたくなる。「オールマンズとの出会い」が秋だったので、秋になると「オールマンズ」を聴きたくなるのだろう。昔々、高校時代、1975年の秋のこと。かの映画研究部の部室で「レイラはええ、凄い」と熱く語っていたら、同級生のロック少女から「じゃあ、これ聴いてみ」と渡されたアルバムが、当時のオールマンズの新作『Win, Lose or Draw』。これが「良かった」。思わず、サザン・ロックに走った。

が、他のオールマンズのアルバムを購入する「軍資金」が無い。ということで、毎日、この『Win, Lose or Draw』を聴いていたら、先代部長Nさんが、見るに見かねて、かの伝説のライブ盤『At Fillmore East』を貸してくれた。本当に有り難い先輩であった。そして、『Win, Lose or Draw』と『At Fillmore East』を取っ替え引っ替え聴いていたら、先輩Muさんが「これもええで」とこのアルバムを貸してくれた。本当に有り難い先輩であった。

そのアルバムとは『Eat a Peach』(写真左)。1972年の作品。本作のレコーディングが終了する前の1971年10月29日、デュアン・オールマンがオートバイの事故で死去。この盤は、デュアン・オールマンの追悼盤である。スタジオ録音の新曲6曲と、1971年のライブ音源を収録した変則的な内容だが、この「変則的な内容」こそがこの盤を特別なものにしている。
 

Eat_a_peach

 
スタジオ録音の全6曲のうち、デュアン存命時にスタジオ録音されたのは「Stand Back」「Blue Sky」「Little Martha」の3曲。典型的なサザン・ロックなナンバーで、いかにも「オールマンズ謹製」という感じの佳曲である。デュアンのスライド・ギターが印象的。もはや完成された感のある、デュアン独特のフレーズ。

そして、デュアン亡き後、残されたメンバー5人によってレコーディングされたのが、「Ain't Wastin' Time No More」「Les Brers in A Minor」「Melissa」の3曲。悲しみを振り払うかのような、一体感溢れる演奏には、思わず目頭が熱くなる。特に冒頭の「Ain't Wastin' Time No More」=「時はもう無駄に出来ない」に残されたメンバーの決意を感じる。

そして、この盤を特別にしているのが、デュアン存命時にフィルモア・イーストで行われたライブの音源の存在。「マウンテン・ジャム 」「One Way Out」「Trouble No More」の3曲。オールマンズをサザン・ロックのみならず、ロックの世界の中で特別な存在にしているのが、この「ライブ・パフォーマンス」の素晴らしさ。

特に、ドノヴァンの楽曲「霧のマウンテン」を下敷きにしたジャム・セッション「マウンテン・ジャム」は絶品。このライブ音源は、ロックのジャンルでの「インスト曲の凄さ、圧倒的迫力」を誇る。これだけのインスト・パフォーマンスをロックは表現出来る。ジャズに比肩するアドリブ展開の創造力。今でも聴いていてゾクゾクする。

後で本人達二人から聞かされたのだが、僕があまりに「サザン・ロックは良い、良い」と言い続けるものだから、先輩二人ともサザン・ロックが聴きたくなって、N先輩の『At Fillmore East』も、Mu先輩の『Eat a Peach』も、わざわざ新たに購入したものだった。1975年の冬、先輩二人と映研の部室で「オールマンズ」を良く聴いたなあ。懐かしき良き想い出である。本当に有り難い先輩であった。

 
 

東日本大震災から6年7ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年4月17日 (月曜日)

米国ルーツ・ロックの実力派

1975年の晩秋のことである。当時、僕は高校2年生。エリック・クラプトン率いる、デレク・アンド・ドミノスの『レイラ』に出会って、スワンプ・ロックを知った。ほどなく、オールマンズを知り、サザン・ロックを知った。それ以来である。当時、プログレ小僧だった僕は、180度方向転換して、米国ルーツ・ロックに走ることになった。

米国ルーツ・ロックの中でも、ブルースが基調の泥臭くワイルドなサザン・ロック、米国南西部の雰囲気が色濃いカントリー・ロックが大好きで、そんな中、ゴスペルなど教会音楽の要素を織り込んだものも良い。当然、ジャズの要素やフュージョンの要素を取り込んだお洒落なルーツ・ロックも良い。

The Marshall Tucker Band(マーシャル・タッカー・バンド、略してMTB)というバンドがある。彼らはアメリカ南部のサウスカロライナで1971年にバンドを結成、彼らが練習に使っていた部屋のオーナーの名前をとって、マーシャル・タッカー・バンドと名付けた。

このバンドの音楽性は非常に多様で、カントリー・ロックをはじめとして、野太いギターのロック・サウンドを下地にしたブルースものもいける、ファンク、ソウル風味の取り込みも巧みで、シャレた味わいのソウル、ジャズのフレーズを用いた即興演奏をやったり、米国ルーツ・ロックのデパートの様なバンドです。そんなMTBをストレートに味わえるのがこのLP2枚組だろう。
 

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The Marshall Tucker Band『Where We All Belong』(写真)。邦題「アメリカン・ロックの鼓動」。この邦題の意味するところは理解に苦しむ。1974年のMTBのサード・アルバム。スタジオ録音とライブ録音の構成で当時はLP2枚組。

スタジオ録音では、ブルーグラスの父チャーリー・ダニエルズを迎え、カントリー・ロックをメインに、ジャジーなインスト中心の演奏があったり、爽やかで軽やかな米国ルーツ・ロックが展開されます。1曲目「This Ol' Cowboy」から「.Low Down Ways」そして「In My Own Way」の流れが魅力。最高のカントリー・ロックです。

加えて、スタジオ録音だけでも聴きものなんですが、ライブ録音がこれまた素晴らしい。とりわけ「24 Hours At A Time」の14分に及ぶ熱演が素晴らしい。このインスト中心の演奏、そこはかとなく、ジャズ・フュージョンの香りもして、実に充実した演奏です。米国ルーツ・ロックの、米国南部のサザン・ロックの面目躍如ですね。

僕はオールマンズと併せて、このMTBも大好きで、高校時代から大学時代、はたまた今に至るまで、ジャズの合間の耳休めに時々、思い出した様に聴きます。MTBの持つバラエティー溢れる米国ルーツ・ロックが、ジャズの合間の耳休めにピッタリ。ジャズも米国ルーツ・ミュージックのひとつ。米国ルーツ・ロックとジャズとの相性はバッチリです。

 
 

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2016年8月25日 (木曜日)

米国ポップなレオン・ラッセル

今日は「ジャズの合間の耳休め」。米国ロックの、とあるスワンプなんだが、実は極めてポップな感覚を持つシンガー・ソング・ライターのお話。

レオン・ラッセル(Leon Russell)と言えば「スワンプ、若しくはサザン・ロック」という印象が強い。が、それは結構、偏った見方で、レオン・ラッセルはスワンプ・ロックやサザン・ロックもやる、という表現が正しいだろう。

レオン・ラッセルはコンポーザーとしても有名。その風貌からなかなか想像出来ないが、なかなかポップな曲を書く。そして、自分で唄う。所謂「シンガー・ソング・ライター」である。例えば「A Song for You」「Delta Lady」「Time For Love」「This Masquerade」そして「Superstar」。ポップな名曲がズラリ。

レオン・ラッセル自身が唄うと、ちょっとスワンプっぽくなるものもあるが、基本的にはポップ。「A Song for You」「This Masquerade」そして「Superstar」などは、米国ポップの伝説的デュオ、カーペンターズがカバーして大ヒットさせているくらいだ。

そんなレオン・ラッセルのポップな面が前面に出ているアルバムが2枚。1972年の『Carney』(写真左)、1975年の『Will O' the Wisp』(写真右)の2枚。この2枚がレオン・ラッセルのポップな面がとても楽しいアルバムになっている。『Carney』には「This Masquerade」が収録されている。
 

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レオン・ラッセルの書く曲はメロディーラインが綺麗である。アレンジひとつで、歌い手ひとつで、ポップな曲に大変身するポテンシャルを持っている曲ばかりである。そんな曲がこのアルバムに詰まっている。アルバムとして、全米2位のヒットとなったのも頷ける出来だ。

『Will O' the Wisp』は、ヘレン・レディーがカバーしてヒットした「Bluebird」が収録されている。邦題には『鬼火』という、おどろおどろしいタイトルが付けられているが、内容的にはポップでサザン・ディープな内容で、レオン・ラッセルの好盤として申し分無い。

シンセサイザーの大幅な導入も僕には「アリ」で、ソウルやブルース、ジャズ、カントリーなど、このアルバムで聴かれるそれぞれの楽曲はポップで幅広い。この『Will O' the Wisp』は、1975年に聴き込んで以来、ずっと今日までお気に入りの一枚である。

レオン・ラッセルは、単に「スワンプ、若しくはサザン・ロック」な人では無い。ソウルやブルース、ジャズ、カントリーなど、幅広い音楽性を併せ持った、飛び切りポップなシンガー・ソング・ライターである。

 
 

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2016年6月26日 (日曜日)

ジャズの合間のルーツ・ロック

米国ルーツ・ロックが大好きである。もともと、高校1年生の時、プログレからロックに入ったが、2年生の終わりには、米国ルーツ・ロックの触手を伸ばしている。当時、サザン・ロックと呼ばれていたジャンルである。

一般的にはルーツ・ミュージックと呼ばれることが多くなった、いわゆるロックを形成する上で基礎となった米国のルーツ音楽(アメリカ黒人のブルース、ゴスペル、初期のジャズ、アメリカ白人のフォーク、カントリー)をベースとしたロックを僕は「米国ルーツ・ロック」と呼んでいる。1970年代前半は「スワンプ・ロック」と呼ばれた。

スワンプ・ロックは、デラニー&ボニーを筆頭に、エリック・クラプトンやジョージ・ハリソンが追従して、1970年代前半に話題を振り撒いた。が、米国ルーツ・ロックの雰囲気を完全に「売り物」にしたベタなアレンジで、どうにも心底、好きになれなかった。アレンジが不自然なんだよな〜。

高校2年生の終わり、これは、明らかに良質の米国ルーツ・ロックやなあ、と感心したのが、Leon Russell『Leon Russell and the Shelter People』(写真左)。1970年8月〜1971年1月にかけて、バックバンド、シェルター・ピープルを率いて行ったライブのピックアップ音源。
 

Leon_russell_and_the_shelter_people

 
米国ルーツ・ロックとしてのアルバムとしては、デビュー盤『Leon Russell』(2015年7月25日のブログ・左をクリック)が良いが、実は、このセカンド盤の当時LP2枚組ライブ盤の方が、米国ルーツ・ロックの色合いが濃い。しばらく、その存在を忘れていたんだが、昨年の暮れ辺りに思い出して、聴き直し始めた。

米国ルーツ音楽の中でも、ゴスペル、ブルースの色合いが濃く出ており、バックコーラスとのコール・アンド・レスポンスで演奏に加速度をつけていく様な、その演奏アレンジが実に秀逸。ところどころ、カントリーな雰囲気を漂わせる演奏もあって、とても楽しい。バックのシェルター・ピープルの演奏自体もファンキー。

さすがに、ニック・デカロのストリングス・アレンジには時代を感じるが、これはこれで、当時の時代を反映した音として楽しめる。当時、日本で「ゴスペル・ロック」とも呼ばれた、レオン・ラッセルの米国ルーツ・ロックは、シンプルかつポップな音作りで、実に渋い。米国ルーツ・ロックって何、と問われれば、僕はこのライブ盤をまずCDプレイヤーのトレイに載せる。

しかし、意外や意外、レオン・ラッセルは3枚目以降、渋めのポップ・ロックの世界に傾倒していく。米国ルーツ・ロックがベースの音作りはこのライブ盤がピーク。米国ルーツ・ロックを極めるには、このライブ盤は外せない。

 
 

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2016年2月20日 (土曜日)

マーシャル・タッカー・バンド

今日は週末にて「ジャズの合間の耳休め」。1970年代ロックのジャンルの一つ、サザン・ロックの話題を。

さて、今を去ること40年前の高校時代、僕はサザン・ロックの洗礼を浴びている。以来、サザン・ロックについては、長年、密かに聴き続けている。サザン・ロックは米国ルーツ・ロックの中でも、米国南部で広まった、ブルース、カントリー、ジャズなどをサウンド基盤としながら、泥臭いワイルドな雰囲気を前面に押し出した音楽性が個性。

一番、有名で僕が1番に愛するバンドが、Allman Brothers Band(略して「オールマンズ」)。そして、僕が2番目に愛し続けているバンドが、The Marshall Tucker Band(略して「MTB」)。彼らはアメリカ南部のサウスカロライナで1971年にバンドを結成、彼らが練習に使っていた「部屋のオーナーの名前」をとって、マーシャル・タッカー・バンドと名付けた、とのこと。

このバンドの音が良い。1973年にオールマンズと同じキャプリコーン・レーベルと契約したMTBは、当然オールマンズの後釜として売り出され、ファースト・アルバムはたちまちゴールド・ディスクとなった(全米29位)。このファースト・アルバムが『The Marshall Tucker Band』(写真左)。南部の雄大な風景を描いたジャケが美しい。

邦題は『キャロライナの朝焼け』。「Can't You See」や「Take The Highway」のヒット曲が楽しい好盤である。音世界は明らかにサザン・ロック。オールマンズよりカントリー色が強くてポップな雰囲気が親しみ易い。ワイルドなギター・サウンドとボーカルを前面に押し出したサウンドはまさにサザン・ロックである。
 

Marshall_tucker_band_1

 
そして、このMTBのバンド・サウンドの魅力を余すことなく伝えてくれたのが、1975年リリースのサード盤の『Where We All Belong』(写真右)。邦題は『アメリカン・ロックの鼓動』。軽快でほのぼのとしたスタジオ録音と大迫力ライブ音源の2枚組。このダブル・アルバムで、MTBの音の個性、バンドの全貌が十分に理解出来ます。

このダブル・アルバムを聴くと、ワイルドなギター・サウンドとボーカルをメインにホーンとフィドルをフューチャー、そして、このバンドの個性のひとつであるジェリー・ユーバンクスによるフルートが加わる、というMTBの音の個性が確立されていることを感じます。

オールマンズにもひけをとらないワイルドなギター・サウンドとボーカル、そして、オールマンズよりも、のんびり、ほのぼのとしたカントリー色が強く、フルートが入っているところが独特の個性。インスト・ナンバーもテクニック優秀、疾走感やワイルド感も素晴らしい。特に「24 Hours at a Time」は14分弱の熱演。フュージョン・ジャズにもひけをとらないアレンジと展開が素敵です。 

オールマンズも良い。レイナード・スキナードも良い。でも、このマーシャル・タッカー・バンドも実に良い。サザン・ロックのマニアには必須のアイテム。なんせ、1970年代当時、日本では全く評価されない存在でしたからね〜。米国ルーツ・ロック好きには是非聴いてもらいたいバンドの一つです。

 
 

震災から4年11ヶ月。決して忘れない。まだ4年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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