2024年6月 9日 (日曜日)

向井滋春 ”スペイシング・アウト”

向井滋春は、和ジャズを代表するトロンボーン奏者の一人。1976年に初リーダー作『For My Little Bird』でデビュー。当初は、コンテンポラリーな純ジャズがメイン。しかし、1979年、約1年間、NYに在住した折にフュージョン・ジャズに触発される。そして、いきなり、フュージョン・ジャズに転身する。

向井滋春『Spacing Out』(写真左)。1977年9月28日、日本コロムビア第1スタジオにて録音。ちなみにパーソネルは、向井滋春 (tb), 清水靖晃 (ts, ss), 元岡一英 (p), 大徳俊幸 (clavinet), 渡辺香津美 (g), 川端民生 (b), 古澤良治郎 (ds), 横山達治 (conga) による8人編成。渡辺香津美をはじめ、一癖も二癖もある、マニア好みの名うての名手達が集っている。

出てくる音は、コンテンポラリーな純ジャズ、コンテンポラリーなスピリチュアル・ジャズ。冒頭の組曲風の力作「Dawn~Turbulence(黎明~乱気流)」が、その代表的な演奏。和ジャズの代表的ジャズマンである、渡辺貞夫や日野皓正らも手に染めたコンテンポラリーなスピリチュアル・ジャズの世界。

しかし、どこかで聴いたことがある音世界。元岡のピアノの左手がガーンゴーンとハンマー打法を繰り出し、右手はモーダルなフレーズを流麗に弾き回す。これって、1970年代のマッコイ・タイナー風のスピリチュアル・ジャズな音世界。タイナーからファンクネスを差し引いた、シンプルで爽やかなハンマー奏法。そこに、骨太でオフェンシヴな向井のトロンボーンが、変幻自在に疾走する。
 

Spacing-out

 
和ジャズらしい、コンテンポラリーなスピリチュアル・ジャズ。マッコイ・タイナーのワールド・ミュージック志向のアフリカンでモーダルなスピリチュアル・ジャズから、アフリカ志向とファンクネスを引いた様な、モーダルなスピリチュアル・ジャズ。日本人でもこれくらいは出来る、って感じの熱演。

ところどころ、フュージョン・ジャズの萌芽的演奏も出てくる。向井の芯の入った力感溢れる、柔和で丸く流麗なトロンボーンが印象的な、ボッサ調の「Just Smile」。軽快で切れ味の良い渡辺香津美のギターが爽快なブラジリアン・フュージョン志向の「Cumulonimbus(入道雲)」、電気的に増幅したトロンボーンの音色がクロスオーバー志向な「Forcus Express」、クラヴィネットの音が、乾いたファンクネスを醸し出すタイトル曲「Spacing Out」。

いずれも、フュージョン・ジャズ志向な演奏だが、まず「ソフト&メロウ」していない。かなり真摯で硬派なコンテンポラリーな演奏がベースにあって、ボッサ調とか、ブラジリアンな演奏とか、ファンキーな演奏とか、どこかフュージョンっぽく感じるが、演奏自体は決して「甘く」ない。硬派なコンテンポラリーな純ジャズがベースなところが「良い」。

このアルバムは、様々なジャズの「融合」の要素をベースとした演奏がてんこ盛り。フュージョンっぽいが、根っこは「硬派なコンテンポラリーな純ジャズ」がベース。「硬派なコンテンポラリーな純ジャズ」時代の向井の最後のリーダー作である。
 
 

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2024年6月 8日 (土曜日)

向井滋春 ”ヒップ・クルーザー”

月刊誌「レコード・コレクターズ」2024年6月号の特集、「フュージョン・ベスト100 邦楽編」を眺めていて、向井滋春のアルバムが目に入った。懐かしい。和フュージョン全盛時、もともと、トロンボーンの音色が好きなこともあって、向井滋春のフュージョン盤はよく聴いた。意外とトロンボーンって、フュージョン・ジャズに向いているんですよね。

向井滋春『Hip Cruiser』(写真左)。1978年10月2~6日の録音。1979年のリリース。ちなみにパーソネルは、向井滋春(tb), 植松孝夫(ts), 元岡一英(p, el-p, key), 渡辺香津美, 橋本信二(g), 真鍋信一(b), 古澤良治郎(ds, perc), 山木秀夫(ds), 横山達治, 吉田和雄, 三島一洋(perc), ベラ・マリア(cho), 大貫妙子(cho)。「異業種」から、ブラジル人シンガーのベラ・マリア、Jポップ畑から大貫妙子がコーラスで参加しているのが目を引く。

純ジャズ、メインストリーム路線を突っ走っていた向井が、フュージョン路線に転身、フュージョン・ジャズ全開の好盤。和ジャズの、それも、メインストリームな純ジャズで活躍していた名うての名手達が、こぞって参加して、ご機嫌なフュージョン・ジャズをやっている。これがまあ、やっぱり上手い。一流は何をやらせても一流、である。

ラテン・フュージョン&ブラジル・フュージョンがメインの充実の和フュージョン。こうやって聴いていると、和ジャズのジャズマンって、ラテン・ミュージックや、ブラジル・ミュージックに対する適応度がかなり高いことが判る。
 

Hip-cruiser

 
リズム&ビートにも違和感が無く、ちょっと「ダル」なフレーズも難なくこなす。しかし、どこか「生真面目」な雰囲気が漂っていて、ラテンをやっても、ブラジルをやっても、演奏自体が俗っぽくならない。

ちゃんと一本筋の通ったジャズ、と言う一線はしっかり確保していて、ユニゾン&ハーモニー、そして、アドリブ展開、どれをとっても、演奏の底に「ジャズ」がいる。これが「和フュージョン」らしいところ、日本人のフュージョン・ジャズの面目躍如である。

ブラジリアン・メロウなタイトル曲「Hip Cruiser」、ブラジル人シンガーのベラ・マリアのボイスがバッチリ効いたブラジリアン・ジャズ・サンバなチューン「Nimuoro Neima」、ばっちりハマったブレイクがむっちゃカッコ良い「Manipura」。ライトなノリのディスコ・フュージョン「 V-1 Funk」、大貫妙子がスキャットで参加したクロスオーヴァーなフュージョン曲「Coral Eyes」など、格好良くキマッたラテン・フュージョン&ブラジル・フュージョンな演奏がてんこ盛り。

和フュージョンだから、と敬遠することなかれ。演奏のクオリティーは高く、十分にジャズ鑑賞の耳に耐える。テクニック確か、適度に脱力した、ブリリアントでラウンドで柔らかい、向井のトロンボーンの響きが、ラテン・フュージョン&ブラジル・フュージョンにバッチリ合っている。和フュージョン・ジャズの好盤です。

ちなみに、表ジャケ(写真左)は平凡なデザイン。しかし、裏ジャケ(写真右)は「斬新?」なデザイン。どういう発想でこんな裏ジャケになったんだか .....(笑)。
 
 

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2024年5月17日 (金曜日)

A&Mの ”カイとJ.J.” の名演

「K. and J.J. 」とは、ジャズ・トロンボーンの名手の二人、J.J.ジョンソンとカイ・ウィンディング。ハードバップ時代には「KAI & J.J.」というユニットを組んで、聴き心地の良いファンキー・ジャズの好盤を連発していた。その「KAI & J.J.」の再結成風のA&M盤。単なる「懐メロ同窓会」的雰囲気で終わるのではないか、という危惧を覚える。

K. and J.J. 『Israel』(写真左)。1968年2, 3, 4月の録音。A&Mレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、J. J. Johnson, Kai Winding (tb), Herbie Hancock (p), Ross Tompkins (p, harpsichord), Eric Gale, Bucky Pizzarelli (g), Ron Carter, Richard Davis (b), Grady Tate (ds) がメイン・メンバー。ここにハープ入りの管楽器メインのジャズオケがバックに入っている。

が、聴いてみると、まず、カイとJ.J.のトロンボーンが「イケる」。しっかりとしたテクニックで、しっかりとしたブロウで、しっかりとしたピッチでトロンボーンを吹きまくっている。トロンボーンのブラスの鳴りがスピーカーから伝わってくるほどのブリリアントなトロンボーンの響き。このカイとJ.J.の好調な「本気トロンボーン」の吹奏を聴くだけで、この盤は「懐メロ同窓会」的な企画盤で無いことが判る。

もともと、A&Mレコードの音作りが「上質なイージーリスニング志向のジャズ」を目指しているだけあって、この盤でも、特に、ハープ入りの管楽器メインのジャズオケのアレンジが優れている。陳腐なところは全く無い。とても良く練られた、ドン・セベスキーのアレンジである。
 

K-and-jjisrael

 
演奏自体のアレンジも良い。収録曲を見渡せば、「"My Funny Valentine」「Django」などの人気スタンダード曲あり、「Israel」「Am I Blue」「St. James Infirmary」などの渋いスタンダード曲あり、どちらも、一捻りしたアレンジが優秀で、「上質なイージーリスニング志向のジャズ」として、絶大な効果を発揮している。

「上質なイージーリスニング志向のジャズ」を目指しているからと言って、演奏自体が聴き心地優先の甘々な演奏では全く無い。それぞれの楽器のパフォーマンスは、とても充実している。それぞれの楽器担当の「本気」を感じる。

カイとJ.J.のトロンボーンのユニゾン&ハーモニー、そして、チェイス。これが、どの曲でもバッチリ効いている。とにかく、トロンボーン独特のユニゾン&ハーモニーが前面に出てくる。これがどれもが印象的に耳に響く。カイとJ.J.のトロンボーンのソロも良い。充実した本気な吹き回しで、ダレたところは微塵も無い。本気で聴かせるジャズ・トロンボーン。

ハンコックのピアノもそこはかとなくファンキーで、カイとJ.J.のトロンボーンを引き立てる。伴奏上手のハンコックの面目躍如。ゲイルとピザレリのギター隊のリフ、カッティング、バッキングが小粋でこれまたファンキー。トロンボーンの柔らかな音色との対比が良い。

ロン、ディヴィスのベースはハードパップなウォーキング・ベースで、テイトの小粋で趣味の良いドラミングで、「上質なイージーリスニング志向のジャズ」のリズム&ビート支えている。

ハードバップ時代の「KAI & J.J.」の再結成盤。どうなることやら、と思いきや、当時の流行のど真ん中、ハードバップでファンキーでモダン、ジャズオケ+エレ楽器入りの「上質なイージーリスニング志向のジャズ」が展開されていて立派。とりわけ、カイとJ.J.のトロンボーンの、新鮮な「ハードバップ志向の力演」が印象に残る。
 
 

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2024年1月16日 (火曜日)

これも好盤『The 45 Session』

中間派トロンボーンの代表格、ベニー・グリーン。リーダー作の多くをブルーノートからリリースしており、その内容はどれもが優れたもの。中間派、つまりはスイングとハードバップの間。スイングの雰囲気を残しつつ、ロング・レンジのアドリブ・ソロを展開する。

と言って、ハードバップの様に切れ味良く、丁々発止としたアグレッシブなソロでは無く、スイングの雰囲気を踏襲した、味のあるミドル・テンポの小粋で聴き心地の良いソロを展開する。ハードバップの様でハードバップでは無い。モダンの様でスイングの雰囲気が漂う。中間派の個性はいかにも「ジャズらしい」もので、一旦、ハマると病みつきになる。

Bennie Green『The 45 Session』(写真左)。1958年11月23日の録音。ちなみにパーソネルは、Bennie Green (tb), Eddie Williams (ts), Sonny Clark (p), Paul Chambers (b), Jerry Segal (ds), Babs Gonzales (vo)。ベニー・グリーンのトロンボーンとエディー・ウィリアムスのテナーがフロント2管のクインテット編成。1曲だけボーカルが入る。

不思議なタイトルが付いているが、この盤の収録曲については、当初、45 rpmシングルとしてリリースされる予定だった、とのことで、その由来から『The 45 Session』というタイトルになっている。

ちなみに、この盤の音源、1975年に日本のキングレコードから『Minor Revelation』のタイトルで、Blue Note世界初登場シリーズ第3期のうちの1枚としてリリースされている。
 

Bennie-greenthe-45-session

 
録音当時のブルーノートは、この中間派のベニー・グリーンのトロンボーンの個性の活かし方がとても上手い。「ホンワカしたトロンボーンならではの音色とスイング・スタイルを踏襲した、伝統的なフレーズと味のあるブルージーなプレイ」が独特の個性を十分に活かせる様な楽曲を選んで、のびのび演奏させている。

2曲目の「On the Street Where You Live(君住む街角)」が良い例で、この曲、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の有名な挿入歌なのだが、この曲の持つ美しいフレーズをゆったりとしたテンポで、味のあるホンワカ、ほのぼのとして暖かく優しいトロンボーンで唄い上げている。これ、なかなかほのぼのとしていていい感じ。トロンボーンならではの音色が、この曲の旋律に良く合っている。感心した。

7曲目の「Minor Revelation」はエキゾチックな趣も含んだマイナー調の雰囲気が心地良いのだが、この曲でもトロンボーンの音色が映える。フレーズの作りは中間派のスイングの雰囲気を踏襲した、味のあるミドル・テンポの小粋で聴き心地の良いもので、これも良い感じでトロンボーンが活躍している。自身作のブルース・ナンバー「Ain't Nothin' But The Blues」も同様。

このセッションでは、バリバリ、ハードバップなジャズマン、ピアノのソニー・クラーク、ベースにポール・チェンバースが入っているが、ベニー・グリーンのトロンボーンの個性を損なうハードバップな演奏は全くしていない。どころか、両者、中間派の演奏に寄り添っている感じで微笑ましい。

当初、45 rpmシングルとしてリリースされる予定だったセッションだが、曲毎に統一感があって、一枚のアルバムにまとめても違和感が無い。さすがである。この盤でも、ベニー・グリーンの中間派トロンボーンがとことん楽しめる。
 
 

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2024年1月15日 (月曜日)

中間派の名演『Walking Down』

トロンボーンのホンワカした丸いフレーズと力感のある低音のブリリアントな響きが好きだ。ビ・バップからハードバップ畑には、J.J.ジョンソン、カーティス・フラーらがいる。また、スイング・ジャズからハードバップ手前まで進化した「中間派」には、ベニー・グリーンがいる。

特に、中間派のベニー・グリーンについては、ホンワカしたトロンボーンならではの音色とスイング・スタイルを踏襲した伝統的なフレーズと味のあるブルージーなプレイが独特の個性。そんな個性をしっかりと表出しつつ、ハードバップには無い、小粋で味のあるスインギーなフレーズを吹きまくる。この朴訥としたスインギーなトロンボーンがとても素敵なのだ。

Bennie Green『Walking Down』(写真左)。1956年6月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Bennie Green (tb), Eric Dixon (ts), Lloyd Mayers (p), Sonny Wellesley (b), Bill English (ds)。ベニー・グリーンのトロンボーンとエリック・ディクソンのテナーがフロント2管のクイテット編成。
 
ブルーノートでのリーダー作が好盤のベニー・グリーンだが、プレスティッジにも良い内容のリーダー作を残している。この盤はそんな中の一枚。この盤は、中間派のベニー・グリーンのトロンボーンとエリック・ディクソンのテナーを心ゆくまで愛でることの出来る好盤である。
 

Bennie-greenwalking-down

 
ベニー・グリーンのトロンボーンは、味のあるホンワカ、ほのぼのとして暖かく優しいフレーズが個性なのだが、この盤では、意外にダンディズム溢れる硬派で切れ味の良いトロンボーンを聴かせてくれる。しかし、そのフレーズはハードバップっぽくない。スイングっぽく、ハードバップ一歩手前、いわゆる「中間派」のフレーズ。

ベイシー楽団のエリック・ディクソンがテナーを担当しているが、このディクソンのテナーがとても良い。思う存分、テナーを吹きまくっている様で、彼のテナーはダンディズム溢れ硬派で切れ味の良いテナー。このディクソンのテナーに呼応して、ベニー・グリーンのトロンボーンが、ダンディズム溢れる硬派で切れ味の良いトロンボーンに変身している様なのだ。

と言って、ダンディズム溢れる硬派で切れ味の良いベニー・グリーンのトロンボーンが悪い訳で無い。要所要所では、持ち味の「ホンワカしたトロンボーンならではの音色とスイング・スタイルを踏襲した伝統的なフレーズと味のあるブルージーなプレイ」をしっかり散りばめ、表現の幅を広げている。

リズム隊は無名に近いが、意外と良い音を出している。スイングでもハードバップでも無い、その間の「中間派」のブルージーで小粋なフレーズの数々。ビ・バップでもハードバップでも無い「中間派」の名演。これもジャズ、である。
 
 

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2023年8月 3日 (木曜日)

欧州フリー・ジャズの入門盤

Enjaレーベルは、欧州フリー・ジャズに造詣が深い。共同設立者のホルスト・ウェーバーは、アパレル時代に日本の企業と仕事をしており日本のジャズにも精通していた為、日本のジャズ・ミュージシャンの作品も多く手がけ、日本でのライヴ録音も行っている。

1970年代、欧州フリー・ジャズに強いレーベルは、Enja(エンヤ)しか無かったと記憶する。「欧州フリー・ジャズを聴くなら、Enjaを聴け」が、僕が学生時代の合い言葉(笑)。

Albert Mangelsdorff『Live in Tokyo』(写真)。1971年2月15日、東京「新宿DUG」でのライヴ録音。ENJAちなみにパーソネルは、Albert Mangelsdorff (tb), Heinz Sauer (ts), Günter Lenz (b), Ralf Hübner (ds)。欧州ドイツのトロンボーンの鬼才、アルベルト・マンゲルスドルフとハインツ・ザウアーのテナーの2管フロント。ピアノレスのカルテット編成。

フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れたインプロのことで、この「束縛」から逃れておれば、調性音楽でも「フリー・ジャズ」として成立する。

本能の赴くまま、激情に駆られて、個人的に自由に吹きまくる、という米国でよくあるフリー・ジャズは、音楽として鑑賞するにはちょっと辛いものが多々ある。フリー・ジャズは、あくまで音楽として鑑賞することが出来る程度のものであって欲しい。

このマンゲルスドルフ・カルテットのフリー・ジャズは、音楽として鑑賞できる優れもの。確かにアブストラクトに展開するところもあるし、自由な吹きまくりテナーの咆哮もある。
 

Albert-mangelsdorfflive-in-tokyo  
 

が、それらはほんの少し、演奏全体のスパイス的なもの。この盤の演奏は、しっかりと秩序を守ったフリー・ジャズ。ビートは最低限ではあるが「ある」。その最低限のビートの下で、真の即興を志向し、それを実行している。

欧州のフリー・ジャズ、ドイツのフリー・ジャズやなあ、と思う。フリー・ジャズというか、自由度の相当高い即興演奏かな、とも思う。さすが欧州ジャズ。現代音楽志向の展開、現代音楽のジャズ化、現代音楽志向の即興演奏、そんな雰囲気。

マンゲルスドルフのトロンボーンも、ザウアーのテナーも、激情に駆られて熱くはならない。クールに熱い、静的な感情の高ぶりを、現代音楽志向の即興演奏で表現。どこか客観的に「醒めた」視点を持って、客観的に自らのフリーな即興演奏を愛でながら展開するような「クールに熱い」フリー・ジャズ。

我が国では、フリー・ジャズと言えば、オーネット・コールマン志向、いわゆる「通常のモダン・ジャズがやらないことをやる」フリー・ジャズ。若しくは、コルトレーン志向の「本能の赴くまま、激情に駆られて、個人的に自由に吹きまくる」フリー・ジャズ、いわゆる米国のフリー・ジャズがもてはやされてきた。

が、意外とフリー・ジャズと言えば、欧州ジャズ、ドイツ・ジャズなのでは、と思わせてくれる、マンゲスドルフの秀逸な「欧州フリー・ジャズ」の記録である。このライヴ盤を聴けば、欧州のフリー・ジャズの雰囲気を的確に掴めると思う。欧州フリー・ジャズの入門盤的位置づけのライヴ盤。
 
 

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 ★ まだまだロックキッズ    【New】 2022.12.06 更新

    ・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

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2023年7月13日 (木曜日)

ブルーノートの新主流派ジャズ

ブルーノートの4100番台は、カタログ番号順に聴き進めて行くと面白い。ジャズの多様化の時代にアルバムをリリースしているので、1960年代前半の様々なスタイルのジャズ、様々な志向のジャズが記録されていて、バラエティーに富んでいる。

成熟したハードバップももちろん、ファンキー・ジャズあり、ソウル・ジャズあり、モード・ジャズもあるし、フリー・ジャズもあるし、オルガン・ジャズもあるし、ギター・ジャズもある。ブルーノートの優れたところは「偏り」が無いこと。その時点でのジャズのスタイル、トレンドをしっかり網羅している。それもどれもが水準以上のレベルで、である。さすがブルーノート、といったところか。

Grachan Moncur III『Some Other Stuff』(写真左)。1964年7月6日の録音。ブルーノートの4177番。ちなみにパーソネルは、Grachan Moncur III (tb), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), Cecil McBee (b), Tony Williams (ds)。

パーソネルを見れば、いやはや錚々たるジャズマン達の名が並ぶ。録音当時、新主流派でブイブイ言わせていた強者ども達である。これはもう、新主流派ジャズの極み、モード・ジャズ、もしくは、フリー・ジャズな内容なんだろうなと予想がつく。逆にこのメンバーで、こってこてのハードバップをやられたら、それはそれで面白いけど。

で、この盤の内容はと言えば、一言で言うと「自由度のかなり高いモード・ジャズ、時々フリー・ジャズ」という感じ。

実は僕はこの盤を初めて聴いた時は「フリー・ジャズ」だと思った。トロンボーンでフリー・ジャズをやるんや、と思った。が、今の耳で聴き直すと、これは「モード・ジャズ」がベース。しかも、かなり自由度の高い、フリー一歩手前のモード・ジャズをガンガンやっている。そして、ところどころで「口直し風」に、フリー・ジャズに展開する。

この盤の録音時期、モード・ジャズをやると、どうしても、始まりと終わりは従来の成熟したハードバップに戻ることが多いのだが、この盤は徹底的にモード・ジャズで推し進め、さらにところどころで、当時、最先端のジャズの志向のひとつ、フリー・ジャズに展開して、進化するジャズを的確に表現する。さすが、新主流派のメンバーで固めたクインテットでのパフォーマンスである。緩んだところが全く無い。切れ味良く、理路整然とモーダルに展開している。
 

Grachan-moncur-iiisome-other-stuff

 
グラチャン・モンカー3世のトロンボーンとショーターのテナーの2管が実に良い味を出している。ボワンと拡がりのある音色のトロンボーンと、縦に横に奥行きと拡がりのあるテナーの相性がバッチリ。モーダルなトロンボーンの音色に、ショーターのウネウネ、コズミックな拡がりテナーがとてもマッチしている。

ハンコック、マクビー、トニーのリズム・セクションは素晴らしいの一言。モードにもフリーにも完全対応。ハンコックのピアノが、モンカー3世とショーターのモーダルな吹奏に合わせた、音の拡がりと活かしたバッキングをしているところが実に「ニクい」。トニーのドラミングも同様。叩きまくるドラミングを押さえて、音の拡がりを引き立てる自由度の高いドラミングを披露している。

そして、最後に面白いのがマクビーのベース。このメンバー構成だとベースはロン・カーターが来るかと思うんだが、ここまマクビーのベースで正解かと思う。

バンド・サウンド全体としては、モンカー3世とショーターのモーダルな吹奏に合わせた、音の拡がりと活かしたモード・ジャズなんだが、マクビーのベースは「ビートが立って」いて、演奏全体のリズム&ビートをしっかりとキープし、他のメンバーに指針を与えている様なのだ。

ロンのベースは拡がりのある音が身上なので、この盤でベースがロンだと、演奏全体が「音の拡がり」オンリーになって、「ビートの締まり」が希薄な演奏になる可能性が高い。それはそれで面白いかもしれないが、ジャズ演奏としてはちょっと冒険が過ぎる、とブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンは考えたのかもしれない。

そんなことをいろいろ考えながら聴ける、いろいろと示唆に富んだ「自由度のかなり高いモード・ジャズ、時々フリー・ジャズ」盤である。単純に流行のモード・ジャズをなぞるだけでは終わらない。さすがブルーノートだと思う。
 
 

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2023年5月24日 (水曜日)

フリー&モードのモンカーである

ブルーノートの4100番台は、1961年後半から1965年前半の録音がメイン。ハードバップが成熟し、ハードバップを基に、ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、モード・ジャズ、フリー・ジャズなど、ジャズの多様化の時代の真っ只中でのアルバムリリースを行っているのだが、フリー・ジャズについてもしっかりカバーしているのはさすがである。

Grachan Moncur III『Evolution』(写真左)。1963年11月21日の録音。ブルーノートの4153番。ちなみにパーソネルは、Grachan Moncur III (tb), Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Bobby Hutcherson (vib), Bob Cranshaw (b), Tony Williams (ds)。ブルーノート・レーベルのフリー&モード・ジャズ。グラチャン・モンカー3世の初リーダー作である。

グラチャン・モンカー3世は、1937年6月、NY生まれのトロンボーン奏者。ニューアークで育ち、1960年辺りから、プロのジャズマンとして活動を開始、基本的な演奏スタイルは、フリー&モード・ジャズとアヴァンギャルド・ジャズを得意とする。が、1970年代は健康上の問題と著作権紛争に悩まされ、1980年代以降は、アルバムの録音は殆ど途絶えている。

この盤は、グラチャン・モンカー3世の「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」を捉えた記録である。後のアヴァンギャルドなフリー・ジャズとは一線を画した、クールで理知的な、ほとんどフリー・ジャズに近いモーダルなパフォーマンスを展開している。
 

Grachan-moncur-iiievolution

 
しかも、彼の担当楽器はトロンボーン。トロンボーンの特性上、スライドを使っての速くてイレギュラーなフレーズを吹き回すのは大変な仕業だと思うのだが、モンカーは意外と検討していて、しっかりと吹き切っているのは立派。

フロントの相方には、リー・モーガンのトランペット、ジャキー・マクリーンのアルト・サックス。この二人については、ハードバップはもとより、「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」も得意の二人なので、モンカーのフロントの相方としては申し分無い。ピアノの代わりに入ったボビー・ハッチャーソンのヴァイブもアブストラクトの展開も難なくこなす。ドラムはフリー大好きなトニー・ウィリアムスだし、ベースもモーダルな展開を得意とするクランショウ。

メンバーの選定も、モンカーの得意とする「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」に、ばっちり応えるブルノート親派で固めて、駆け出しの初リーダー作だからといって、全く手を抜いていない、どころか、最高に近いメンバーを揃えているところは、さすが、ブルーノートの総帥ディレクター、アルフレッド・ライオンの成せる技である。

モンカーのトロンボーンも、トロンボーンという難度の高い楽器で、しっかりと「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」を展開し、バックの優れものメンバーに臆すること無く、当時のモンカーとしてなかなかのパフォーマンスを発揮している。モンカーは録音当時26歳。こういう将来有望な若手を発掘し、リーダー作の機会を与える。ここでも、さすがはブルーノートと感心してしまうのだ。
 
 

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2023年5月23日 (火曜日)

不思議なトロンボーンの企画盤 『Trombone By Three』

プレスティッジ・レーベルは、アルバムの編集方針が曖昧というか、気分次第でアルバム化している様で、同一セッションの演奏でも、切り売りして、あっちこっちのアルバムに雰囲気で入れたりして、1つのアルバムに複数のセッションが入っているなんてザラである。それぞれのジャズマンの力量や進化を推し量る上で、時系列で演奏が並んでいないのはちょっと困る。プレスティッジのアルバムを聴く時は、そのアルバムの「録音情報」は絶対に欠かせない。

J J Johnson, Kai Winding, Benny Green『Trombone By Three』(写真左)。 プレスティッジのPRLP 7023番。タイトル通り、3人のトンボーン奏者がリーダーを務めるセッションをそれぞれ収録している。異なるセッションを1つのアルバムに収録するという、プレスティッジの荒技なんだが、何故、この様なカップリングにしたのか判らない。が、3人それぞれのトロンボーンの特性を一気に比較出来て、それそれのトロンボーンの個性が良く判る。

まずは、J J Johnson(JJ・ジョンソン、以降、略して「JJ」)。1949年5月26日の録音。ちなみにパーソネルは、J J Johnson (tb), Kenny Dorham (tp), Sonny Rollins (ts), John Lewis (p), Leonard Gaskin (b), Max Roach (ds)。JJのトロンボーンとドーハムのトランペット、そして、ロリンズのテナーの3管フロント。リズム隊は、ピアノにジョン・ルイス、ベースのガスキン、ドラムにマックス・ローチ。収録された演奏曲は「Elysee」「Opus V」「Hilo」「Fox Hunt」。CDでの1〜4曲目になる。

続いて、Kai Winding(カイ・ウインディング、以降、略して「カイ」)。1949年8月23日の録音。ちなみにパーソネルは、Kai Winding (tb), Brew Moore (ts), Gerry Mulligan (bs), George Wallington (p), Curly Russell (b), Roy Haynes (ds)。カイのトロンボーンとムーアのテナー、マリガンのバリサクの3管フロント。リズム隊は、ピアノにウォリントン、ベースにラッセル、ドラムにヘインズ。収録された演奏曲は「A Night On Bop Mountain」「Waterworks」「Broadway」「Sid's Bounce」CDでの7〜10曲目になる。

最後は、Benny Green(ベニー・グリーン、以降、略して「ベニグリ」)。1951年10月5日の録音。ちなみにパーソネルは、Bennie Green (tb), Eddie Davis, "Big Nick" (ts), Rudy Williams (bs), Teddy Brannon (p), Tommy Potter (b), Art Blakey (ds)。ベニグリのトロンボーン、デイヴィスのテナー、ウィリアムスのバリサクの3管フロント。リズム隊は、ピアノにブラノン、ベースにポッター、ドラムにブレイキー。収録された演奏曲は「Green Junction」「Flowing River」「Whirl-A-Licks」「Pennies From Heaven」。CDでの5,6,11,12曲目になる。
 

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録音年月日もバラバラ、録音は辛うじてNYでの録音だが、パーソネルは全て総替え。ただし、フロント3管+リズム・セクションのセクステット編成は3セッション共通。収録された演奏曲も平等に4曲ずつを収録。演奏編成と演奏曲が平等に割り当てられているので、不思議とアルバム全体で統一感がある。まるで、事前に周到に計画され実現した「3トロンボーンの比較盤」の様に聴こえるから、これまた不思議。

演奏編成が一緒なので、それぞれのトロンボーンの個性の比較がし易い。録音当時、1949年〜1951年は「ビ・バップ」の最終期であり、中間派と呼ばれるスイング・ジャズの発展形が流行していた時代。アレンジはシンプルで、フロント楽器のソロのスペースは平等に与えられておる。ビ・バップ、またはスイングのアレンジを基本的に踏襲しているので、アーティスティックな捻りは無い。トロンボーンのパフォーマンスに耳を傾けやすい演奏編成である。

ビ・バップ仕込みの切れ味の良い、テクニック確かなトロンボーンはJJ。バルブ・トロンボーンを駆使して、流麗なフレーズを吹き上げるカイ。そして、ゆったりとしたスイング・マナーで、ぼのぼのとしたトロンボーンが心地良いベニグリ。それぞれ4曲のみの収録だが、どの曲のトンボーン演奏も良好。個性豊かなトロンボーン3態である。

そして、それぞれ3セッションのサイドマンを見渡せば、当時のジャズ・シーンで活躍していた、錚々たるメンバーがバックを務めている。超有名どころとしては、トラペットのケニー・ドーハム、テナーのソニー・ロリンス、バリサクのジェリー・マリガン、ピアノのジョン・ルイス・ジョージ・ウォリントン、ドラムのマックス・ローチ・ロイ・ヘインズ・アート・ブレイキー等が名を連ねている。道理で、結構、ダイナミックで締まった演奏に仕上がっているのはその為か、と改めて感心する。

アルバムの編集方針もトロンボーン奏者のカップリングも、全く要領を得ない、プレスティッジの悪しき企画盤ではある。が、3人のトロンボーンのそれぞれの個性を楽しむことが出来ること。また、それぞれのセッションのサイドマンの演奏が好調で、それぞれ、ビ・バップ最後期、もしくは中間派の流行期のジャズ演奏として、意外と内容が充実していること。この2点から、このプレスティッジの不思議な企画盤は、意外とトロンボーンを楽しめる好盤として成立している。プレスティッジのアルバム編集方針の不思議である(笑)。
 
 
 
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2023年5月 9日 (火曜日)

現代トロンボーン盤の優秀盤

毎月、ジャズの新盤については、まめにチェックしている。そんな新盤の中で、Smoke Sessions Recordsは、コンスタントに良い内容のアルバムをリリースしていて、常々、感心している。

我が国にはその名がなかなか伝わってこない、実績のある中堅〜ベテランのジャズマンをリーダーにしたアルバムをメインにリリースしている。が、その内容は「昔の名前で出ています」的な旧来のハードバップな演奏を懐メロ風にやるのでは無く、しっかりと現在の「ネオ・ハードバップ」な演奏に果敢に取り組んでいて頼もしい。

Steve Davis『Bluesthetic』(写真左)。2022年2月8日、NYの「Seer Sound Studio C」での録音。Smoke Sessions Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルは、Steve Davis (tb), Peter Bernstein (g), Steve Nelson (vib), Geoffrey Keezer (p), Christian McBride (b), Willie Jones III (ds)。トロンボーン奏者、スティーヴ・デイヴィスがリーダーの、ギター、ヴァイブ入りのセクステット編成。

リーダーのスティーヴ・デイヴィス(Steve Davis)は、1967年4月生まれ。今年で56歳。米国出身のジャズ・トロンボーン奏者。僕は、この人の名前をどこかで見たことがある、と思って調べたら「1989年にジャズ・メッセンジャーズに参加した」とある。

そうそう、ジャズ・メッセンジャーズにいたのね。思い出しました。そうそう、ワンフォーオールのメンバーでもあったのも、思い出しました。初リーダー作が1994年。これまでにリーダー作は20枚程度と、1.5年に1枚程度、コンスタントにリリースしているのも立派。

もともとトロンボーンという楽器の性格上、フロント管の一翼を担っているとは言え、ソロの「映え方」は、トランペットやサックスに比べると、どうしても劣る。速いフレーズが得意でないこと、ハイトーンが出ないこと、しかし、丸みのあるホンワカした独特の音色はトロンボーンならではのもので、一旦、填まると癖になる。
 

Steve-davisbluesthetic_20230509212701

 
この盤は、そんなトロンボーンをフロント管に「1管」としている潔さ。トロンボーンのワンホーン盤は、僕はあまり知らない。トロンボーンについては、先ほど上げた楽器の性格上の問題があるので、トランペットやサックスを加えて、主旋律のユニゾン&ハーモニーをクッキリ浮かび出させる工夫をするのだが、この盤ではそれはしない。トロンボーンの「聴かせる」テクニックがポイントになる。

そういう点では、この盤でのスティーヴ・デイヴィスは素晴らしいパフォーマンスで、フロント1管を吹き切っている。まず、テクニックが素晴らしい。ある程度の速いフレーズをしっかり吹き切り、様々なニュアンスの音色を吹き分け、切れ味の良い躍動感溢れる吹き回し。トロンボーンだけで、管楽器が請け負うニュアンスのフレーズを全て出し揃えている。ほんと上手い。

そんな優れたトロンボーンを引き立てる様に、ギターとヴァイブがしっかりと絡む。優れたスティーヴ・デイヴィスのトロンボーンを更に前面に押し出し、印象的に引き立たせる、そんな役割を持ったギターとヴァイブのブッキングが、この盤の成功の一番の仕掛けだろう。アレンジも優れているが、ギターとヴァイブをフロント・バックに据えることで、こんなにトロンボーンの音色が引き立つとは思わなかった。

バックのリズム・セクションも良好。ジェフ・キーザーのピアノがとりわけ良好で、印象的なフレーズをバンバン弾き回している。ベースのマクブライドは、フロント管が丸みのあるホンワカした独特の音色のトロンボーンなので、ブンブン、しなりのある重厚なベースラインはやらない。トロンボーンの音色を損なわない、優しくクッキリとしたウォーキング・ベースでしっかりと支える。これには感心することしきり、である。

トロンボーンがメインのネオ・ハードバップ盤として、白眉の出来です。久し振りに、爽快で心地良いジャズ・トロンボーンを聴かせて貰いました。現代ジャズにおけるトロンボーンがメインの優秀盤の1枚として良い内容だと思います。
 
 

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