最近のトラックバック

2017年8月 3日 (木曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・57

北欧ジャズは、昼下がりのジャズ喫茶に良く似合う。それも、昼ご飯時の喧噪が潮のように引いた、客も疎らになった静かな店内。そんな静かな店内に流れる北欧ジャズ。透明感のある音と独特な深いエコー。決して熱くならない、冷徹に盛り上がるクリスタルな表現。昼下がりもこの真夏の昼下がりが良い。エアコンの効いた客も疎らなジャズ喫茶の寂しさ漂う空間が良い。

Nikolaj Hess『Trio』(写真左)。2012年の作品。ちなみにパーソネルは、Nikolaj Hess (p), Tony Sherr (b), Kenny Wollensen (ds)。Nikolaj Hess=ニコライ・ヘスは、透明感のあるトーンとリリカルなフレーズが個性の北欧はデンマークのピアニスト。ロックやポップスの楽曲を積極的にカヴァーするのも特徴で、この盤でも、4曲目の「Masters At War」はボブ・ディランの作。

冒頭の「Make You Feel My Love」を聴くだけで、あ〜これは北欧ジャズやなあ、と判る。静謐感溢れる透明度の高い、エコーの効いた音世界。す〜っと余韻の伸びるピアノの音。切れ味の良い純度の高いシンバルの響き。リリカルでしっかりとビートの効いたドラム。3者対等なピアノ・トリオのインプロビゼーション。明らかにこの盤は「北欧ジャズ」。
 

Nikolaj_hess_trio

 
2曲目「Film」は打って変わって躍動感溢れるトリオ・インプロビゼーション。ダイナミックな展開ではあるが、それぞれの音は透明度の高い、切れ味の良い音。結構、自由度の高いアドリブ展開を繰り広げるが、決して破綻することは無い。ふらつくことも無い。整然と北欧ジャズらしい、スピリチュアル&エモーショナルのバランス取れた情感表現。

自由度の高い、モーダルなインプロビゼーションではあるが、全編に渡ってリズム&ビートが整っているが故、非常に聴き易く、飽きが来ない。モーダルなアドリブフレーズを耳で追っているうちに、一気に聴き切ってしまう。テクニック確かな、端正なトリオ演奏。メリハリと抑揚、緩急が効いたバリエーション豊かな展開。

北欧ジャズは、エアコンの効いた客も疎らな、独特の寂しさ漂う「昼下がりのジャズ喫茶」に良く似合う。透明感のある音と独特な深いエコー。静謐感溢れる透明度の高い、エコーの効いた音世界。思わず「微睡み」を誘われ、ついつい至福の時に身を委ねる。そんな北欧ジャズが朗々と流れる、そんなジャズ喫茶の昼下がりが僕は大好きだ。

 
 

東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

2017年7月28日 (金曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・56

この2日ほど、ここ千葉県北西部地方はとても涼しい。天気は良くないのだが、最高気温が25度程度なので涼しく感じる筈だ。当然、夜寝る時もエアコンは不要。送風で十分。雰囲気は「戻り梅雨」状態である。今日も最高気温は32度まで上がったが、それでも夕方から夜にかけて、風が吹いてとりあえず涼しい。

これだけ涼しいと、スピリチュアルで朗々としたバラードチックなジャズをゆったりと聴きたくなる。暑い夏には、どうにも朗々としたバラードチックなジャズは聴いていると、じんわりと汗ばんでくるようで、あんまし宜しくないんだが、この2〜3日の陽気はそうでも無い。で、そんな盤を物色する。

Dayna Stephens『Peace』(写真左)。2014年のリリース。僕は、この盤のジャケットに思いっきり惹かれた。明らかにこの盤は、スピリチュアルで朗々としたバラードチックなジャズがぎっしり詰まっていますよ、って面構えをしている(笑)。実はこの盤は、そんな「ジャケ買い」。で、聴いてビックリ、そのイメージ通りの演奏がぎっしり詰まっている。
 

Dayna_stephens_peace

 
Dayna Stephens(デイナ・ステファンズ)。ブルックリン生まれのサックス奏者。1978年生まれなので、今年で39歳。バリバリ中堅のテナー奏者である。朗々とテナーを鳴らす。ブリリアントなテナー。ブラスがブルブルと心地良く鳴る。そんなテナーで全編、バラードチックな演奏でギッシリと埋め尽くす。こんなにテナーが素敵に鳴るアルバムはそうそう無い。

ちなみにパーソネルは、Dayna Stephens (ts,ss,bs), Brad Mehldau (p), Julian Lage (g), Larry Grenadier (b), Eric Harland (ds)。この盤、聴いていて、とっても印象的なピアノが鳴っているんだが、なんとブラッド・メルドーだったんですね。なるほどなるほど。伴奏上手なメルドー。フロントのデイナを鼓舞し、しっかりと支える。ほんと充実した密度の濃い演奏の数々。

ジャズ喫茶の昼下がりの「ノンビリとした静寂」にピッタリのバラード集。スピリチュアルで朗々としたバラードチックなジャズ。そんなジャズを約50分間に渡って、聴き手を飽きさせずに聴かせるのだ。充実のバラード集。こんなに素敵に朗々となるテナー。そう言えば、今までに無いことに気が付いた。

 
 

東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

保存

2017年7月14日 (金曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・55

暑い。雨が降らない。完全に空梅雨状態の我が千葉県北西部地方。とにかく暑い。昼は猛暑日、夜は熱帯夜。まだ今日は7月は14日。通常なら梅雨空真っ只中。梅雨後期で、まとまった大雨なんかが降る時期である。が、空は雲はあれど晴れ渡り、とにかく蒸し暑い。

こんな猛暑の時には、ハードな純ジャズなんて以ての外である。暑くてバテる。確かに逆療法的に、思いっきりハードなバップ演奏を聴いて汗をダラダラ流してスッキリする、ってことも考えられなくもないが、もうすぐ還暦のこの歳でそのチャレンジは危険すぎる。加えてフリー・ジャスやスピリチュアル・ジャズも絶対駄目。バテて立ち上がれなくなる(笑)。

こういう猛暑の昼下がりは、エアコンの効いた部屋の中で、クールで洒脱なジャズを聴くのが良い。クールで洒脱とくれば「The Modern Jazz Quartet(以降略してMJQ)」。メンバーは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。伝説の4人。4人全員、鬼籍に入っている。恐らく、あの世でやっぱりMJQを結成している様な気がする。
 

Mjq_the_complete_last_concert

 
室内楽的な雰囲気が個性の「お洒落な」純ジャズなカルテットである。クラシックの手法を用いたアレンジや演奏時の衣装がタキシードであったり、ちょっとハイソサエティなジャズ・バンドである。それでいて、気取ったところは全く無く、クールにスイングするところや、そこはかとなく醸し出すファンクネスが、それはもう「お洒落」なジャズ・カルテットである。

そんなMJQの実力のほどはこのライブ盤で堪能出来る。The Modern Jazz Quartet『The Complete Last Concert』(写真左)。1974年11月25日、NYはエイヴリー・フィッシャー・ホールでの、タイトル通り、MJQの解散コンサートのライブ録音になる。これがもう圧巻な内容。4人の名手それぞれが弾きまくる叩きまくる。テンション高く、ラストに行くに従い、ブンブン思いっきり振れるが如くスイングしまくる。

熱いホットな演奏がてんこ盛りなんだが、決して汗はかかない。抑制の美、とでも形容したらよいのだろうか、途方も無くクールな演奏なのだ。とにかく演奏の質は途方も無く高い。爽やかさが半端ない。こんな猛暑の夏の昼下がり、エアコンの効いた涼しい部屋の中で聴くMJQ。至福の時、とっておきの「夏バテ防止法」である。

 
 

東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

保存

2017年6月12日 (月曜日)

素晴らしき日本のジャズである

今年の6月は涼しい。というか、今日などは朝夕は「肌寒い」。通勤の往き帰り、外を歩く時は夏の上着がかかせない。この4〜5年は、6月に入ったら蒸し暑い真夏日が出現したりで、梅雨入りでもう暑いなあ、という気候が続いた記憶がある。が、今年は涼しい。そう言えば、僕が学生の頃の梅雨入りの頃って、こういう涼しい日が続いていたような思い出が甦って来た。

これだけ涼しいとジャズも聴き易い。フリー・ジャズや自由度の高いモードなジャズも聴き易い。まず、聴いていて汗ばむことが無い。湿気を含んだ涼しい風を感じながら、昼下がりのノンビリした一時に聴く、ハードな純ジャズは格別なものがある。ということで、選んだアルバムがこれ。

宮沢 昭『Bull Trout(いわな)』(写真左)。1969年6月30日,7月14日の録音。ちなみにパーソネルは、宮沢 昭(ts,per), 佐藤 允彦(p,per), 荒川 康男(b,per), 富樫 雅彦(ds,per), 瀬上 養之助(per)。日本のジャズが充実してきた1960年代の終わり。オール日本のメンバーである。

この盤、内容が素晴らしい。フリー・ジャズから自由度の高いモードなジャズまで、非常に高度で内容の濃い演奏がギッシリと詰まっている。日本のジャズは、こういうフリー・ジャズや自由度の高いモードなジャズが得意なジャンル。そういう意味では欧州ジャズに通じるところがあるが、日本独特の「間」と静謐を活かしたジャズ表現という点では抜きん出ている。
 

Bull_trout

 
冒頭の「いわな」が凄い。基本はフリー・ジャズなんだが、演奏の表現力が素晴らしい。静謐な山谷の雰囲気、川のせせらぎ、抜けるような青空、その下で泳ぐ「いわな」。そして、恐らく、その「いわな」を釣るのであろう、いわな釣りの躍動感溢れる様子が、フリー・ジャズのフォーマットで表現される。そんな感じの演奏なのだ。緩急自在、硬軟自在の素晴らしいフリー・インプロヴィゼーション。

2曲目の「河ます」以降は、自由度の高いモードなジャズが展開される。米国のモード・ジャズにもひけを取らない堂々としたモード・ジャズの展開に思わず身を乗り出す。間の活かし方だけとると、当時の米国のモード・ジャズの最先端の上を行く。さすが日本のジャズである。当時、これだけ高度で硬派な純ジャズが演奏されていたことに素直に感動する。

スリル満点、圧倒的なハイテンション、切れ味抜群の純ジャズ。リーダーの宮沢のテナーをはじめとして、参加メンバーの演奏の素晴らしさは言うまでも無い。こんなパフォーマンスが純日本のメンバーで創作されていたことに、日本人として誇りを感じる。それほどに素晴らしい内容である。

 
 

東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

保存

2017年6月 9日 (金曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・54

ジャズを聴き続けてはや40年以上になるが、それでもまだまだ「この盤は聴いたことがないなあ」という盤に出会うことも時々ある。特に1980年代から1990年代の純ジャズ復古の時代、ネオ・ハードバップ系の盤はこの10年くらいかなあ、やっとリイシューされてきた状況で、初めて聴く盤も多くある。

そんな「聴いたことがないなあ」盤の一枚が、Charlie Rouse『Soul Mates』(写真左)。1988年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Rouse (ts), Sahib Shihab (bs), Claudio Roditi (tp), Santi Debriano (b), Victor Lewis (ds), Walter Davis Jr. (p) 。

リーダーにいぶし銀テナーのチャーリー・ラウズ(録音当時64歳)。バリトン・サックスの怪人、サヒブ・シハブ(録音当時63歳)がこの盤の隠し味。加えて、ブラジル出身の溌剌トランペットのクラウディオ・ロディッティ(録音当時42歳)。まず、この3人のフロントが素晴らしい。一番の若手でロディッティの42歳だから、ベテランの味、ベテランの演奏が心ゆくまで味わえる。

チャーリー・ラウズのテナーが好調である。悠然とタメを入れながらブイブイ吹き上げる。64歳のブロウとは思えない。この盤の録音の3ヶ月後、鬼籍に入るなんて全く想像できない。振り返れば、この盤でのラウズのブロウって「白鳥の歌」ではないか。ユッタリしたバラード調の情感を込めたブロウも良い。疾走感溢れる速い吹き回しも良い。
 

Soul_mates

 
サヒブ・シハブのバリトン・サックスも好調である。低音をブリブリいわせながら唄う様にスイングする。低音ブリブリがスイングする音って実にファンキー。芯がしっかり入ったバリサクの音。加えて、シハブのアドリブ・フレーズは常に「捻れて」いる。捻れてスイングする「バリサクの怪人」サヒブ・シハブ。実は、このシハブもこの盤の録音から1年2ヶ月後に鬼籍に入った。

そうそう、クラウディオ・ロディッティのトランペットも絶品。ブリリアントという形容がピッタリの、溌剌としてポジティブで、ブラスの明るい輝きが眩しい感じの根明なトランペット。なるほどブラジル出身なのか。ブラジル出身という雰囲気が実に頼もしい。テクニックも確かでフレーズは流麗。聴きどころ満載である。

パナマ出身のベーシストサンティ・デブリアーノ(録音当時33歳)、フレキシブルでシャープなビクター・ルイス(録音当時38歳)のドラミング、端正かつファンクネス忍ぶウォルター・デイヴィス・ジュニア(録音当時56歳)のピアノ。新旧のジャズメンががっちりとタッグを組んだ様な、ドライブ感溢れる端正なリズム・セクション。ウォルター・デイヴィス・ジュニアは、この盤の録音から1年10ヶ月後に鬼籍に入っている。

ラウズ、シハブ、ウォルター・デイヴィス、3人の「白鳥の歌」に近い演奏なんですが、そんなことを全く感じさせない、躍動感溢れ、小粋でコクのあるインプロビゼーションは凄く魅力的です。加えて録音が良い。調べてみたら、ルディ・ヴァン・ゲルダーの録音でした。この盤、ジャズ者の方々の全てにお勧めの「隠れ好盤」です。

 
 

震災から6年2ヶ月。決して忘れない。まだ6年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

2017年5月30日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・53

ほとんど夏の日である。東京で29度、千葉で26度。我が千葉県北西部地方は、終日、風が吹いていたので、日陰にいるぶんには暑さは感じないが、日向ではもう暑い暑い。午前中はなんとか散歩も可能だが、昼を過ぎると夕方まで、外を出歩くと熱中症が怖い。

こういう夏日の午後は、窓を開け放って風が通る部屋で聴く「スムース・ジャズ」が心地良い。本などを読みながら、爽やかな風に吹かれながら聴く「スムース・ジャズ」はなかなかに乙なものである。単なるBGMでは無い。リズム&ビートと印象的なフレーズで脳髄を少しずつ刺激して、ながら作業を効果的にしていく。そんな「スムース・ジャズ」は捨てがたい。

米国では「スムース・ジャズ」は、80年代半ば頃からだろうか、ジャズの演奏ジャンルとして認められ定着している(日本ではまだまだだが)。スムース・ジャズの好盤を拾うには米国盤を漁るのが一番だと僕は思っている。とりわけ最近は、ダウンロードサイトで、米国盤の情報を早々にキャッチすることが出来る様になったのは喜ばしいことだ。
 

Let_it_go

 
で、最近、見つけたアルバムが、Norman Brown『Let It Go』(写真左)。今年の4月のリリース。表情豊かな音色、今回初めて出会った、まるで歌っているかのようなギター。スムース・ジャズ界のギタリストの代表格。これぞソフト&メロウ、これぞ「スムース・ジャズ」といった雰囲気の完成度の高い好盤である。

このノーマン・ブラウンというギタリスト、日本では全くといっていいほど情報が無いので、英語のサイトで調べてみると、この最新作は、生命や幸福、愛、といった奥深いスピリテュアルなテーマで作られた作品とある。確かに彼のギターの音は品が良く、透明感が高い、伸びと奥行きがあって、確かに「スピリチュアル」なもの。

ほんとギターの音が素晴らしい、スピリチュアルなスムース・ジャズです。収録された曲、一曲一曲、それぞれに様々な表情を見せる、テクニックの高いノーマン・ブラウンのギターに惚れ惚れと聴き込んでしまいます。ノーマン・ブラウンは1963年生まれなので、今年で54歳。スムース・ジャズ・ギターのベテランとして、一層の活躍が期待されます。

 
 

震災から6年2ヶ月。決して忘れない。まだ6年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
 

保存

2017年4月25日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・52

オールド・スタイルのテナーには昼下がりが良く似合う。と昨日、書いた。確かにそうやなあ、と思う。昼ご飯が終わった後、食後の珈琲を飲みつつ、天気が良ければ、外の陽射しを楽しみつつ、ちょっと微睡みながら聴くオールド・スタイルのテナーは絶品である。

オールド・スタイルのテナーと言うことで昨日は「ベン・ウェブスター」のリーダー作を聴いた。オールド・スタイルのテナーと言えば、オールド・スタイルのテナーの次に、コールマン・ホーキンスが浮かぶ。ウェブスターは情感溢れるテナーが個性だが、ホーキンスのテナーは元気一杯、明朗に吹きまくるテナーが魅力。

そんな明朗に吹きまくるホーキンスのテナーが楽しめるリーダー作がこれ。Coleman Hawkins『The Hawk Flies High』(写真左)。1957年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Coleman Hawkins (ts), Idrees Sulieman (tp), JJ Johnson (tb), Hank Jones (p), Barry Galbraith (g), Oscar Pettiford (b), Jo Jones (ds)。ギター、トロンボーンも入ったセプテット構成。Riversideレーベルからのリリース。
 

The_hawk_flies_high

 
ホーキンスは収録された全ての曲において、明朗に吹きまくっている。豪快かつ大らかに吹きまくるホーキンスは、とっても頼もしい。加えて、トランペットのシュリーマンが凄く元気に吹きまくる。とにかくすっごく元気なトランペットが明らかに目立っている。ピアノのハンクは渋いバッキングを披露し、J.J.のトロンボーンもアンサンブルの良いアクセントになっている。

1957年の録音だが、演奏の内容は当時のハードバップ最先端にはほど遠い、どちらかと言えば、スイング時代からビ・バップ時代へ移行する時期の、オールド・スタイルのモダン・ジャズという風情。昭和30年代のジャズ喫茶の雰囲気がプンプンする。決して、テクニックに過ぎることは無く、ジャズとして楽しい演奏を繰り出していく。

ホーキンスは明朗に吹きまくるテナーなんだが、そこはかとなく、ブルージーでマイナーな雰囲気が漂うところが良い。春の儚さと良く似た雰囲気。楽しゅうてやがて悲しき、というか、楽しゅうてやがてブルージー。そんなホーキンスのテナーは、ジャズ喫茶の昼下がりによく似合う。

 
 

震災から6年1ヶ月。決して忘れない。まだ6年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

2017年4月24日 (月曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・51

ジャズにおいて、テナー・サックスはフロント楽器の花形である。ジャズのフロント楽器と言えば、テナー・サックスとトランペットが人気を二分する。特に、テナー・サックスは、音が太く大きく、音の表現のバリエーションが豊か。リード楽器が故に、長い時間、ソロを取ることが出来るところは無敵である。

ジャズの世界で、テナー・サックス奏者は多い。様々な個性、スタイルのテナー奏者がキラ星の如く顔を並べ、ほんと飽きない。飽きないどころが、どんどんテナー奏者の個性の「沼」にずぶずぶと填まっていく。あれも良い、これも良い、としている間に自分の好みが判らなくなる(笑)。

オールド・スタイルのテナーも良い。Ben Webster『Soulville』(写真左)。1957年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Ben Webster (ts), Ray Brown (b), Herb Ellis (g), Stan Levey (ds), Oscar Peterson (p)。アーリー・ジャズ期から活躍したベン・ウェブスターのワンホーン、ギター入りクインテット。ヴァーヴ・レコードからのリリースだけど、ジャケットは「やっつけ」(笑)。
 

Soulville_ben_webster  

 
ウエブスターが難しいこと無く、ただ漆黒のブルージーなテナーを吹き上げる。太く力強く、時に優しく、時に繊細に、そして、時々、豪快にテナーを吹き上げる。とっても味のあるテナー・サックスに惚れ惚れする。モードだのコードだの、ビ・バップだのハードバップだの、何処吹く風。ウエブスターは悠然と自分のテナーを吹き上げる。

伴奏上手のオスカー・ピーターソンが何時になく神妙にバッキングし、ウエブスターを支え、レイ・ブラウンのベースがビートの底をガッチリ支える。そして、小粋なハーブ・エリスのギターが渋くファンキーにウエブスターのテナーの音色に彩りを添える。スタン・リービーの乾いたドラムが意外と個性的。バックを支えるジャズメン達は、皆、ウエブスターを支え惹き立てる。

ハードバップ時代の演奏ですが、スイング時代の演奏の様でもあり、時代を超えた、ベン・ウエブスターならではのモダン・ジャズな演奏がここにあります。収録されたどの演奏も明らかに「モダン・ジャズ」。音質に問題のある箇所もあるんだけど気にしない。オールド・スタイルのテナーには昼下がりが良く似合う。

 
 

震災から6年1ヶ月。決して忘れない。まだ6年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

2017年4月13日 (木曜日)

R&Bのボーカルものは大好き

昔から正統派なジャズ・ボーカルが苦手である。というか、好んで聴くことは全く少ない。なんでかなあ、と思い返してみる。ジャズ・ボーカルの中でも、レジェンドと呼ばれる女性ジャズ・ボーカルが苦手。1940年代から1950年代に活躍した女性ボーカリストって、皆、こぶしを回したり、唸ったりで、これがどうにも「苦手」。

じゃあ、ボーカルものって聴かないのか、と問われれば、いやいや、今を遡ること45年ほど前、中学時代から、R&B系のボーカル、当時は「ソウル・ミュージック」というジャンル名だったが、このR&B系のボーカルは妙に自分の感性にフィットするみたいで、ジャズの合間の耳休めに聴くことが多い。

例えば、『Roberta Flack & Donny Hathaway』(写真)。ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイが1972年に連名で発表したスタジオ・アルバム。これを初めて聴いたのは1979年。例の大学の近くの「秘密の喫茶店」で聴かせて貰った。静かなバラード系の曲が多く選曲されていて、とっても落ち着いた、大人のソウル・ミュージックである。
 

Roberta_flack_donny_hathaway

 
両人ともスッと伸びるシュッとした声質、こぶしを回すことも唸ることもなく、シンプルに唄い上げていく。それでいて、さすがに黒人系のR&Bらしく、そこはかとなく漂うファンクネスと仄かな粘り。こういうボーカルであれば全くOKである。というか、聴き心地満点で思わずウットリである。加えて、両人とも歌がとてつもなく上手い。

2曲目のキャロル・キングの「You've got a friend」は絶品だ。バックのエレクトリックな明らかにR&Bな伴奏にのって、ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイが、ユニゾン、ハーモニー織り交ぜながら、感情豊かにシンプルに唄い上げていく。他にも、ジャズ・スタンダードな「For all we know」もシンプルで良い。他の曲も...皆...良い。

レジェンドなジャズ・ボーカルは苦手だけど、黒人が主役のR&Bのボーカルものは大好き。この辺が、私こと松和のマスターの複雑なところで、バーチャル音楽喫茶『松和』では、お昼ご飯が済んだ昼下がりに「R&Bのボーカルもの」をよく選盤する。これがまあ微睡むような心地良さで、これがもう「たまらない」。

 
 

震災から6年1ヶ月。決して忘れない。まだ6年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

2017年3月 8日 (水曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・50

全く無名のテナー奏者だって、凄いプレイを聴かせてくれることがある。ジャズ・テナーって、なにもコルトレーンやロリンズやゲッツだけでは無い。たまに、コアなジャズ盤紹介本を眺めていて、これは、という盤に巡り会う。聞いたこと無い名前だなあ、と思うんだが、これが聴いてみると凄い、ってことがたまにある。

Bruce Eskovitz『One for Newk』(写真左)。テナー奏者ブルース・エスコービッツの好盤。1995年のリリース。ちなみにパーソネルは、Bruce Eskovitz (ts), Lawrence Marable (ds), Ray Drummond (b), Bill Mays (p), Charlie Shoemake (vib)。ヴァイブ入りのクインテット。

タイトルと収録曲の曲目を見ると、この盤は「ソニー・ロリンズ・トリビュート」であることが判る。タイトルの「Newk(ニュークス)」は、1950年代後半、ソニー・ロリンズのニックネーム。ロリンズは顔がニューカムに似ていることから「ニュークス」と呼ばれていた。ニューカムとは、メジャーリーガーのドン・ニューカムのことで、愛称が「ニュークス」なのだ。

とは言え、じゃあ、このエスコービッツのテナーは、ロリンズの様な豪放磊落、大らかでスケールの大きいテナーを吹くのか、と言えばそうではない。ボボボボという低音を響かせて吹き上げる、ちょっとオールド・スタイルの入った、それでいて、テクニカルで疾走感のあるテナー。オールド・スタイルと新しいスタイルが混ざりあった「オールド・スタイルのコルトレーン」の様な雰囲気。
 

One_for_newk1

 
こんなエスコービッツのテナーが、ロリンズゆかりの佳曲を、バリバリ、ブリブリ吹きまくる。テナーの低音部分を上手く使いながら、重心の低い疾走感溢れるアドリブ・フレーズをこれでもか、と言わんばかりに吹きまくる。ドラムがリズム・キープに徹している分、テナーのフレーズが前面に押し出て、とても聴き取り易い。

逆にロリンズがことある毎に避け続けた「ピアノ」については、この盤ではリズム&ビートを供給する役割に重きを置いているので、テナーのフレーズの吹き回しとバッティングすることは無い。それが証拠に、エスコービッツのテナーは自由に吹きたい様に吹きまくっている。

我が国ではほとんど無名なブルース・エスコービッツであるが、このロリンズ・トリビュート盤でのテナーは凄い。他のアルバムももちろん聴いたことは無いが、この盤は素晴らしい。これだけ個性的なテナーをバリバリ吹きまくる様を聴けるアルバムはそうそう無い。これ一枚でも十分に満足だ。

これだけ清々しく吹きまくるテナーって、僕のイメージだと、昼下がりのジャズ喫茶で流すのにピッタリじゃあないかと。客もまばらなジャズ喫茶の昼下がりに、こんな「知る人ぞ知る」、これだけ個性的なテナーをバリバリ吹きまくるアルバムを流す。昼過ぎの微睡みを一掃するような爽快盤。良い感じです。

 
 

震災から5年11ヶ月。決して忘れない。まだ5年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

保存

保存

保存

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

AOR | ECMレーベル | jazz | Miles Reimaginedな好盤 | Pops | R&B | rock | Yellow Magic Orchestra | こんなアルバムあったんや | ながら聴きのジャズも良い | アキコ・グレース | アダムス=ピューレン4 | アブドゥーラ・イブラヒム | アラウンド・マイルス | アート・ブレイキー | アート・ペッパー | イエス | イスラエル・ジャズ | イタリアン・ジャズ | イタリアン・プログレ | インパルス!レコード | イーグルス | ウィントン・ケリー | ウィントン・マルサリス | ウェイン・ショーター | ウェザー・リポート | ウェス・モンゴメリー | ウエストコースト・ジャズ | エリック・クラプトン | エリック・ドルフィー | エルトン・ジョン | エンリコ・ピエラヌンツィ | オスカー・ピーターソン | オーネット・コールマン | カシオペア | キャノンボール&ナット・アダレイ | キャンディド・レーベル | キング・クリムゾン | キース・ジャレット | ギル・エバンス | クインシー・ジョーンズ | クイーン | クリスマスにピッタリの盤 | ゲイリー・バートン | コンテンポラリーな純ジャズ | サザンロック | サンタナ | ザ・バンド | ジャケ買い「海外女性編」 | ジェフ・ベック | ジミ・ヘンドリックス | ジャキー・マクリーン | ジャズ | ジャズの合間の耳休め | ジャズロック | ジャズ・アルト | ジャズ・オルガン | ジャズ・ギター | ジャズ・テナー | ジャズ・トランペット | ジャズ・トロンボーン | ジャズ・ドラム | ジャズ・ピアノ | ジャズ・フルート | ジャズ・ボーカル | ジャズ・レジェンド | ジャズ・ヴァイオリン | ジャズ喫茶で流したい | ジョニ・ミッチェル | ジョン・コルトレーン | ジョン・スコフィールド | ジョン・レノン | ジョージ・ハリソン | スタン・ゲッツ | スティング | スティービー・ワンダー | セロニアス・モンク | ソウル・ミュージック | ソニー・ロリンズ | ソロ・ピアノ | タンジェリン・ドリーム | チック・コリア | チューリップ | デイブ・ブルーベック | デイヴィッド・サンボーン | デクスター・ゴードン | デュオ盤 | デューク・ジョーダン | デヴィッド・ボウイ | トミー・フラナガン | トランペットの隠れ名盤 | ハンプトン・ホーズ | ハービー・ハンコック | バリトン・サックス | パット・メセニー | ビッグバンド・ジャズは楽し | ビル・エバンス | ビートルズ | ビートルズのカヴァー集 | ピアノ・トリオの代表的名盤 | フィル・ウッズ | フェンダー・ローズを愛でる | フュージョン・ジャズの優秀盤 | フリー | フリー・ジャズ | ブッカー・リトル | ブラッド・メルドー | ブランフォード・マルサリス | ブルース・スプリングスティーン | ブルーノート | ブレッカー・ブラザース | プレスティッジ・レーベル | プログレッシブ・ロックの名盤 | ベーシストのリーダー作 | ホレス・シルバー | ボサノバ・ジャズ | ボビー・ハッチャーソン | ボブ・ジェームス | ポップス | ポール・サイモン | ポール・マッカートニー | マイケル・ブレッカー | マイルス・デイヴィス | マッコイ・タイナー | マンハッタン・ジャズ・クインテット | ミシェル・ペトルチアーニ | ミルト・ジャクソン | モダン・ジャズ・カルテット | ヤン・ハマー | ラテン・ジャズ | ラリー・カールトン | リンダ・ロンシュタット | リー・リトナー | レイ・ブライアント | レジェンドなロック盤 | レッド・ガーランド | レッド・ツェッペリン | ロック | ロッド・スチュワート | ローランド・カーク | ヴィーナス・レコード | 上原ひろみ | 北欧ジャズ | 吉田拓郎 | 和ジャズの優れもの | 四人囃子 | 夜の静寂にクールなジャズ | 天文 | 天文関連のジャズ盤ジャケ | 太田裕美 | 寺井尚子 | 尾崎亜美 | 山下達郎 | 山中千尋 | 旅行・地域 | 日本のロック | 日本男子もここまで弾く | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 歌謡ロック | 渡辺貞夫 | 米国ルーツ・ロック | 荒井由実・松任谷由実 | 西海岸ロックの優れもの | 趣味 | 青春のかけら達・アーカイブ | 音楽 | 音楽喫茶『松和』の昼下がり | 高中正義 | 70年代のロック | 70年代のJポップ

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ