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2019年4月22日 (月曜日)

ながら聴きのジャズも良い・36

ブルーノート・レーベルの4300番台を順番に聴き直し始めた。4300番台は1968年の録音から始まる。ジャズ界はコルトレーンが他界し、混沌とした時期。エモーショナルなフリー・ジャズが幅を利かし、エレクトリック・ジャズが台頭し始める。ロックやポップスが台頭し、売らんが為の豊作として、イージーリスニング・ジャズなどが企てられた。
 
『Introducing Kenny Cox and the Contemporary Jazz Quintet』(写真左)。そんな時期にこのアルバム、ブルーノートの4302番。コンテンポラリーなジャズ・クインテットとタイトルにあるので、意外と先進的な、ニュー・ジャズ志向の演奏と想像する。1968年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Cox (p), Charles Moore (tp), Leon Henderson (ts), Ron Brooks (b), Danny Spencer (ds)。
 
ケニー・コックス(Kenny Cox)とはどんなピアニストか。1940年11月生まれ、米国デトロイト出身。2008年逝去。1960年代後半に、デトロイトで自分のクインテットを作り、ブルーノート・レーベルにこの盤含め、2枚のアルバムを録音しています。リーダー作はこの2枚。サイドマンとして、3〜4枚のアルバムに参加しただけ。
 
 
Introducing-kenny-cox  
 
 
白人ピアニストのケニー・コックス率いるクインテットの演奏を聴けば「ん〜?」。思わず、録音年を再確認。1968年だよな。この盤に詰まっている音は、1950年代後半のハードバップど真ん中な演奏と1960年代前半のモーダルなハードバップ演奏。どう聴いても、1960年代終盤のトレンドを捉えたジャズとは全く言えない。メンバーはほとんど無名。しかし、出てくる音は素性が確かなもの。
 
しかし、当時のブルーノート・レーベル、何を思ってこの盤をリリースしたのかなあ。明らかに時代遅れである。モーダルなハードバップは先進的とは言え、温和で流麗で判り易い演奏。尖ったり捻れたりしたところは全く無い、とにかく理路整然とした由緒正しきハードバップな演奏で、内容的には真摯ではあるが、ちょっと物足りない雰囲気が濃厚に漂う。ジャケ写も明らかにファッション的に時代遅れの服装。でもロゴタイプはちょっとサイケデリックがかっていて、このアンバランスなデザインについても、これがブルーノート盤なのか、とちょっと戸惑います。
 
素性確かなハードバップ演奏には好感が持てます。あまり対峙する思いで聴き込むこと無く、何気なくさり気なく、じゃず喫茶の昼下がりに流すというシチュエーションに良く合った、ながら聴きに最適なモード・ジャズな演奏だと思います。
 
 
 
東日本大震災から8年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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2019年4月15日 (月曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・68

ハードバップ時代の終わり、成熟したハードバップという演奏フォーマットで、かなり渋い内容の演奏が埋もれている。特に、中堅どころの職人的ジャズマンのリーダー作に、渋い内容の成熟したハードバップ演奏が詰まっていたりする。そんなリーダー作を探し、ピックアップし、ジャズ喫茶でかける。ジャズを聴いていて良かった、と思う瞬間である。
 
Gigi Gryce『The Rat Race Blues』(写真左)。1960年6月7日の録音。Prestige RecordsのNew Jazz Label からのリリース。ちなみにパーソネルは、Gigi Gryce (as), Richard Williams (tp), Richard Wyands (p), Julian Euell (b), Mickey Roker (ds)。1960年という録音年から、次のハードバップ時代を担うだろうメンバーが集結している。
 
渋い内容の成熟したハードバップ演奏が詰まっている盤が結構転がっているレーベルが「Prestige RecordsのNew Jazz Label」。このジジ・グライスのリーダー作もそのレーベルからのリリース。いやはや、渋い渋い内容のジャズ演奏がズラリ。決して派手派手しくないし、テクニック的にも中庸を行くもの。しかし、出てくるインプロビゼーションは粋で渋い。ジャジーで味わい深いハードバップ。
 
 
Rat-race-blues-gigi-gryce  
 
 
もともとジジ・グライスのアルト・サックスは渋い。決して大向こうを張るものでは無いし、ハッとするハイ・テクニックで驚かせるものでも無い。どちらかと言えば、リラックスした飄々としたライトなフレーズを吹きながら、ジャジーでファンキーなフレーズを織り込んでいく様な、聴けば聴くほどに味が出てくるような、スルメの様なアルト・サックス。
 
もう一人のフロント楽器、トランペットのリチャード・ウィリアムスが元気溌剌。ハイ・テクニックで歌心を込めつつ、トランペットの真鍮を輝くが如く震わせながら、ブリリアントに吹き上げる。グライスのアルトとは正反対の雰囲気の躍動感溢れる、圧倒的にポジティブなトランペット。グライスとウィリアムス、味わい深いフロント2管である。
 
それまでのハードバップの演奏の成果を踏まえた、味わい深い、小粋な展開に思わずニンマリする。成熟したハードバップだからこそ出来る、ジャズ職人達の素晴らしき「職人芸」。ジャズ喫茶の昼下がり、ノンビリした時間が流れる中、こういう盤の演奏が流れると、その小粋な演奏を、小粋な技を愛でるだけで、「至福の時」が味わえる。
 
 
 
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2019年2月12日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・67

先週の週末、Buddy De Franco(バディ・デ・フランコ)のリーダー作をご紹介した。クラリネットはジャズの世界では少数派で、かなり数が少ないと書いた。確かに、ジャズ・クラリネット、と言われて真っ先に浮かぶ名前が、ベニー・グッドマンとバディ・デ・フランコの二人。しかし、この人を忘れていた。Jimmy Giuffre(ジミー・ジュフリー)である。

ジミー・ジュフリーは、1921年テキサス州生まれ。2008年に鬼籍に入っている。基本的にはマルチ・リード奏者なんだが、クラリネット奏者という印象が強い。恐らく、1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルで撮影された映画『真夏の夜のジャズ(Jazz on a Summer's Day)』での印象的な演奏の映像の影響だろう。あれは格好良かった。

さて、今日の盤は『The Jimmy Giuffre Quartet in Person』(写真左)。1960年7月19日、NYの    Five Spot Caféでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Giuffre (cl, ts), Jim Hall (g), Buell Neidlinger (b), Billy Osborne (ds)。リーダーのジミー・ジュフリーはクラリネットがメインだが、テナー・サックスも担当する。
 

In_person  

 
フロントは、ジェフリーのクラリネット&テナーとジム・ホールのギターが担当する。この1管1弦のフロント楽器のユニゾン&ハーモニーが実に心地良い響き。十分に練られたアレンジが素晴らしい。演奏者同士の自由なインタープレイを取り入れた展開が、ハードバップには無い「新しい響き」を獲得している。とにかく、アドリブ部のインタープレイが見事。

クラリネットとギターの演奏の温度感は「クール」。決して熱くならないが、その節回しが「ホット」なインタープレイが印象的。ジェフリーの標榜した「ブルースを基調とした大衆的ジャズ」が、このライブ盤では判り易く提示されている。音は決して多く無い。少ない厳選された音数でブルージーな雰囲気を最大限に引き出している。素晴らしいテクニック。

ジェフリーのクラリネットはクールで理知的だが、ホールのギターも負けずにクールで理知的。それでいて、仄かにファンクネスとジャジーな雰囲気が漂い、絡みつくような自由度の高いインタープレイが爽やかに響く。ジャズ喫茶の昼下がり、じっくりとスピーカーの前に陣取って耳を傾けたい、そんなクールで理知的なジャズである。

 
 
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2019年2月 4日 (月曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・66

ああ、このアルバムはええなあ、このエレギはええなあ。1973年、時代はクロスオーバー・ジャズの流行期。この盤の基本は「ソウル+エレジャズ」のクロスオーバー。しかし、この盤の音世界はその先を行っている。ファンキーでメロウなエレクトリック・ジャズ。1970年代後半からの「フュージョン・ジャズ」の先駆けである。

David T. Walker『Press On』(写真左)。1973年のリリース。ちなみにパーソネルは目立ったところで、David T. Walker (G), Harvey Mason (Dr), Charles Larkey (B), Joe Sample (Key), Bobbye Hall (Congas etc) 等々。キャロル・キングの『Fantasy』録音というきっかけで集まったメンバーが、その手応えを携えて録音されたアルバム。

ソウルの名曲の数々をメロウなエレギでカヴァー、ニュー・ソウル的なクロスオーバー・ジャズである。エレギのフレーズはファンクネス濃厚、優しく美しいメロウな音色。ミドルな速さで弾き進める、歌心溢れるアドリブ・フレーズはまさに「ソウルフル」。も〜たまらん、である(笑)。今から40年ほど前、ジャズを聴き始めた頃にこの盤に巡り会って以来、ずっと大好きなクロスオーバー・ジャズ盤の一枚。
 

Press_on_david_t_walker  

 
David T. Walker(デヴィッド・T.ウォーカー)は、米国オクラホマ州出身のクロスオーバーなギタリスト。1941年生まれなので、今年で78歳。バリバリ現役、伝説のソウル・ギタリスト。モータウンでの活躍はつとに有名。デヴィッド・T.ウォーカーのギターは決してジャズに縛られない。ジャズをメインにソウル、R&B、ロックなどを融合したファンキー&メロウなギターで、この音は唯一無二。

硬軟自在でニュアンスが豊富なエレギの音は、Isley Brothersの「I Got Work To Do」、Stevie Wonderの「Superstition」、Carol King「Brother Brother」、The Beatlesの「With a Little Help From My Friend」など、1960〜70年代ソウル好きには堪らないカヴァー曲で絶好調。自身の手になるジャズファンク曲「Press On」でも切れ味良く格好良い。

デヴィッド・T.ウォーカーのエレギが思いっきり格好良い。ソウルでファンキーでメロウなエレギ。ニュアンス豊かで、こだわりなく自然にシンプルに弾き進めていくデヴィッド・T.ウォーカーのエレギは絶品。こういうギターは何時までも聴き続けることが出来ますね。思えばもう40年、聴き続けています。

 
 

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2018年11月20日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・65

晩秋の晴れた日の昼下がり。外はちょっとヒンヤリした空気。部屋の窓からは晩秋の陽射しが降り注ぐ。部屋の中はちょっと暖か。そんな暖かな部屋の中で飲むコーヒーは格別なものがある。昼ご飯を食べた後の昼下がり。お腹も一杯、ちょっと眠気がやってきて、うつうつ微睡む。これが気持ち良い。

この気持ちの良い微睡みの中、耳を傾けるジャズがこれまた気持ち良い。刺激的なジャズはいけない。といって、微睡みを増幅させる温和なジャズもいけない。この心地良い微睡み状態を続けながら、耳に良好なジャズの心地良い刺激を与える、そんな小粋で芯のあるジャズが良い。

Gigi Gryce Quintet『The Hap'nin's』(写真左)。1960年5月3日の録音。ちなみにパーソネルは、Gigi Gryce (as), Richard Williams (tp), Richard Wyands (p), Julian Euell (b), Mickey Roker (ds)。Prestige Recordsの傍系レーベル「New Jazz」からのリリース。Prestigeだからといって、パーソネルに疑義をかけるなかれ。この盤のパーソネルは実に興味深い。

ジジ・グライスはフロリダ州出身の1925年11月の生まれ。1983年3月、57歳でこの世を去っている。活動は1950年代がメイン。1960年代初頭までにジャズ界から身を引いた。後にNYで教鞭を執るに至り、晩年には教育者としてその名を残している、変わり種ジャズメンの一人である。
 

The_hapnins_gigi  

 
まず、このリーダーのアルト奏者、ジジ・グライスが渋い。小粋で渋い、聴き応えのあるアルト・サックスを吹く。アドリブ・フレーズは端正かつ流麗。小唄を唄う様に爽快に吹き上げる。こういうアルトには旋律の美しいスタンダード曲が良く似合う。ジジ・グライスが吹くスタンダード曲はとても聴いていて心地良い。

トランペットはリチャード・ウィリアムス。知る人ぞ知る、玄人好みの燻し銀トランペッターである。音が大きくブリリアント。ブラスの響きと音の輝きが素敵なトランペット。アドリブ・フレーズは溌剌としてスインギー。聴いていて思わず体が動く。そして、ミッキー・ローカーのドラムが演奏全体に効いている。ちょっとモーダルに傾くハードバップな演奏を実に上手く鼓舞しコントロールしている。

1960年の録音からして、やや古いスタイルのワイアンズのピアノはちょっと平凡。ビ・バップ基調で軽やかにパラパラ弾き回し過ぎる嫌いはあるが、一生懸命弾いていて好感が持てる。逆にジュリアン・ユエルのベースは重心低く安定の一言。ローカーのドラムと呼応して演奏全体を鼓舞し、コントロールする。

こういうジャズ盤って、ジャズ盤紹介本にはまずそのタイトルが挙がることは無いが、昼下がりのジャズ喫茶で聴くのに最適。心地良い微睡み状態を続けながら、耳に良好なジャズの心地良い刺激を与える、そんな小粋で芯のあるジャズ。このジジ・グライスのアルバムにはそんなジャズが詰まっている。
 
 
 

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2018年11月14日 (水曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・64

ジャズのアルバムって「出会い」だよな、と思うことがある。ジャズを聴き始めた頃は、ジャズ本紹介本やジャズ雑誌のジャズ盤紹介記事を頼りにアルバムを入手していくのだが、それにも限りが出てくる。今度はジャズ・レーベルのカタログを見渡しながら、そのパーソネルを吟味して「これは」という盤を入手する。これが当たったときは、思いっきり嬉しくなる。

James Clay『A Double Dose of Soul』(写真)。1960年10月11日の録音。リバーサイド・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、James Clay (ts, fl), Nat Adderley (cor), Victor Feldman (vib), Gene Harris (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。パーソネルを見渡して、リバーサイド盤とくれば、これはきっと良いジャズが聴けるのでは、と期待感が膨らむ。

この盤は、ジャズ・レーベルのカタログを見渡しながら、そのパーソネルを吟味して選んだ盤になる。まず、ジャズ本紹介本やジャズ雑誌のジャズ盤紹介記事にこの盤のタイトルが挙がることは無い。それでも、このパーソネル、いわゆる東西混合の名うての名手揃いで、どんな音が出てくるのか、聴く前からワクワクする。
 

A_double_dose_of_soul  

 
こういう盤は1曲目から裏切られることは無い。1曲目の「New Delhi」、渋い渋い演奏。リーダーのクレイのフルートがむっちゃジャジー。ああ、ええ音やなあ、と溜息が出る。1曲目がこれだけジャジーだと残りの曲は決して期待を裏切らない。続く「Remember you」のクレイのスインギーなフルートとフェルドマンのヴァイブとの絡みは絶品。3曲目の「Come Rain or Come Shine」のクレイの黒いテナーもグッド。バックを司る、ハリスのピアノ、ジョーンズのベース、ヘイズのドラム、渋い渋いリズム・セクションも良い音出してます。

ハリスのピアノはソウルフルでリズミック。クレイのテキサス・テナー&フルートとの相性はバッチリ。過度に粘らず、ファンクネスも適度、フロント楽器が結構黒いので、このリズム・セクションの堅実な軽快さは実にバランスが良い。そうそう忘れてはならない、ナットのコルネットも良い味出してます。クレイのテナーとの対比、クレイのフルートとの相性が良い方向に出ていて、コルネットでの参加が正解。

ジェームス・クレイは、1935年ダラスの生まれなので、いわゆる「テキサス・テナー」の遣い手。ハードにブロウするイメージだが、持ち替えたフルートも絶品。この盤を聴くまで、その存在を全く知らなかった。この盤を聴き直して、ジャズのアルバムって「出会い」だよな、とつくづく思います。

 
 

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2018年1月25日 (木曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・63

硬派な純ジャズを聴き続けていると、フッと休みたくなる時がある。気分転換したいなあ、という気持ちになる時がある。そんな時、70年代ロックを聴くのも「アリ」なのだが、やっぱりジャズを継続したいなあ、という時は「ジャズ・ロック」を聴くことが多い。クロスオーバーやフュージョンじゃあないところが自分でも面白い。

クロスオーバーやフュージョン・ジャズを聴くときは、確実に「クロスオーバー・ジャズ」や「フュージョン・ジャズ」を聴くのだ、と構えて聴くので、純ジャズの合間の気分転換という感じにはならない。純ジャズの合間の気分転換には「ジャズ・ロック」が良い塩梅なのだ。これは、ジャズを聴き初めて、3年目くらいからズッとである。

で、今日の昼下がりに選んだ「ジャズ・ロック」盤が、Ronnie Laws『Pressure Sensitive』(写真左)。1975年のリリース。パーソネルを眺めても、知らない名前ばかりなので割愛。しかし、70年代ブルーノートのアルバム・ジャケットのデザインって、犯罪的な「ダサさ」である(笑)。これでは、普通のジャズ者の方々は手に取らないだろう。でも、これが良いのだ。
 

Pressure_sensitive

 
聴けば、ライト感覚の、ビートの効いた、ファンクネス溢れる「ジャズ・ロック」である。ビートは「8ビート」。ビートの佇まいはファンク。軽めのファンク。どっしりとグルーブ感がのし歩くのでは無い。あっさりスッキリと軽くファンクネスをかましつつ、8ビートのジャズ・ロック。軽めの「ノリ」なので、聴き易い。1975年の音だが、あまり古さを感じさせないところが不思議。

リーダーのロニー・ロウズは、ヒューバート・ロウズの弟で、フュージョン系のサックス奏者。1950年生まれ。今年で68歳。有名なキャリア話としては、アース・ウインド&ファイアに加入し、彼等のCBSへのデビュー・アルバムに参加した、というところ。なるほど、ジャズらしからぬ、R&Bっぽいファンクネスが漂うのは、そういうキャリアが影響しているんやな。なるほど「合点、合点」である。

70年代ブルーノートは、こういう怪しげな「ジャズ・ロック」のアルバムが多くあって、なかなか味わい深いものがあります。しかし、ジャケットが酷い、というか、凄い(笑)。怪しげな、もしくは意味不明なジャケットがてんこ盛り。これが、ツボに填まるとなかなか味わい深くて、病みつきになったりする。70年代ブルーノートは、コレクターからすると、意外と面白い。

 
 

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2018年1月19日 (金曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・62

ネットの音楽ダウンロード・サイトって、かなり便利である。アルバムを検索出来るし、1〜2分間、曲の試聴も出来る。また、リコメンド・メニューが充実しているサイトもあって、これがとっても便利。例えば、日頃、愛用しているApple Musicの「For You」というリコメンド・メニューは重宝である。

New Music Mixというメニューでは、事前にお気に入り登録しているジャンルの新盤から、お勧めの曲を選んで聴かせてくれる。このメニューでは、特にジャズのジャンルの新盤をチェック。そして、Chill Mixというメニューでは、リコメンド・エンジンが選んだ、お勧めのアルバムから1曲ずつ選曲して聴かせてくれる。このメニューでは、聴いたことの無いアルバムを試聴でチェックする。

今回、このChill Mixを覗いていて、見つけたアルバム。これは通常、ネットを徘徊しているだけでは見つけることが難しいアルバムである。こういう時、コメンド・エンジンが選んでくれる、僕の好みにあったアルバムは実に参考になるし、あれこれ探し続ける手間が省ける。そのアルバムとは、L'Image『2.0』(写真左)。L'Image=リマージュ。元々は30数年前の幻のグループの最新盤。2009年4月のリリース。

この盤のキャッチコピーが「一枚もアルバムを残すことなく消滅した70年代の幻のスーパーバンドが、30余年を経てついに全貌を現す!伝説のホワイト・エレファントとステップスの間に存在した、正真正銘の幻のスーパーバンドがついに登場!」。ん〜っ。ホワイト・エレファントと言えば、マイク・マイニエリやブレッカー兄弟らのことか、なんて、思わずワクワクする。
 

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パーソネルを並べた方が早いだろう。Mike Mainieri (vib), Warren Bernhardt (key), David Spinozza (g), Tony Levin (b), Steve Gadd (ds)。うへ〜、なんちゅうメンバーじゃ。もう一度言う。「マイク・マイニエリ、ウォーレン・バーンハート、デビッド・スピノザ、トニー・レヴィン、スティーヴ・ガッド」。フュージョン・ジャズを創り上げた、名うての名手達である。

出てくる音は、絵に描いた様な往年のフュージョン・ジャズ。マイニエリのヴァイブ、バーンハートのキーボード、スピノザのギター、レヴィンのベース、そして、ガッドのドラム。どれをとっても、1970年代、フュージョン全盛時の音がてんこ盛り。しかし、さすがに21世紀に入ってからのリリース。シュッと垢抜けしている。それが、とっても粋である。

ソフト&メロウな演奏が心地良い。キャッチャーなフレーズが心地良い。このアルバムには、フュージョン・ジャズの美味しいところが全て揃っている。こういう、絵に描いた様なフュージョン・ジャズのアルバムが、21世紀になってリリースされるなんて。いやはや、びっくりぽん、である(笑)。

このリリース当時、平均年齢が70歳にならんとする、フュージョン・ジャズのレジェンド達のパフォーマンスの巧みさと爽快感。いや〜聴き応え満点。音楽喫茶の昼下がりにピッタリの、レジェンド達による「現代のフュージョン・ジャズ盤」。こういう盤があったなんて、全く知らなかった。ありがとう「Chill Mix」である(笑)。

 
 

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2018年1月18日 (木曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・61

寒い冬の昼下がり。南向きの窓から射す陽射しがちょっと眩しい。暖房が効いて暖かな部屋。昼ご飯を食べた体はちょっとホカホカして、とにかく眠い。昼下がりの音楽喫茶は人がまばら。皆、眠そうに目をトロンとさせている。そういう時に流すジャズは、流麗でキャッチャーな「フュージョン・ジャズ」が良い。

加えて、耳に心地良い刺激を与えてくれるギター・フュージョンが良い。キーボードなどの「流麗なフレーズ」が来ると、絶対に寝る(笑)。リズム&ビートが小粋に効いて、お洒落なグルーヴ感が心地良い、ギター・フュージョンが良い。ちょっと人がまばらな、ホカホカ暖かい音楽喫茶に流すにピッタリな、ギター・フュージョンのアルバムを選盤する。

Yellowjackets『Mirage a Trois』(写真左)。邦題『マリブの旋風』。1983年のリリース。あたたかい音のキーボードを主体としたサウンド。そこにロベン・フォードのエレギがうまく絡む。このエレギの音が結構、心地良い刺激で、ほんわかした冬の昼下がりの耳に、とっても心地良い刺激に響く。ロベン・フォードは「Top Secret」「Goin' Home」「Man In The Moon」「Pass It On」の4曲にクレジットされいる。
 

Mirage_a_trois

 
心地良いエレギの使い手はもう一人いる。マイク・ミラーである。キーボードが主役のサウンドに、でしゃばらず、ほど良き主張をしつつ、心地良い刺激を醸し出す。良い感じのエレギで、僕は主役のキーボードよりも「主役」だと感じる。「Elamar」「Man In The Moon」「Nimbus」「I Got Rhythm」の4曲にクレジットされている。

アルバム全編に渡って、明るく幸福感溢れる、ポジティヴなフュージョン・ジャズが展開される。軽快感、爽快感も心地良く、タイトでリズミカルなリズム&ビートは、そこはかとなく「ファンクネス」も漂っている。後のスムース・ジャズど真ん中な、リリコンのパフォーマンスもメロディアスで、とても聴いていて心地よさ抜群。

ラッセル・フェランテのキーボードがメインのサウンドなんですが、そこに実に効果的に絡むロベン・フォードとマイク・ミラーのエレギが印象的。僕はこのフュージョン盤は、ラッセル・フェンテのキーボードがメロディアスで魅力的ですが、実は「エレギがメイン」だと感じています。そういう意味では、ギター・フュージョンというよりは、ギターが効果的に響くフュージョンと言った方が良いですね。好盤です。

 
 

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2017年9月28日 (木曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・60

今日は朝から雨。結構、激しい雨で、久し振りにレインコートのズボンを履いて駅まで歩く。そして、グッと涼しくなった。もう秋の気温。明日から天気も良くなるみたいだし、やっと暑さを追いやったなあ、とホッと一息である。ここまで涼しくなると、ジャズを聴くのが楽しくなる。

僕の中では、スムース・ジャズは「あり」である。メインストリーム・ジャズしか認めない、フュージョン・ジャズは時代の徒花だ、なんて意見もあるが、僕は自分にとって「良い響きやなあ」とか「良いフレーズやなあ」と感じる音がある演奏であれば、ジャンルは問わない。スムース・ジャズでも「良い物は良い、悪いものは悪い」。

Jeff Kashiwa『Fly Away』(写真左)。今年の新作である。ジェフ・カシワ。サックス奏者。聞いたことがあるような名前なんだが、思い出せない。それでも、この盤を聴くと、良い音だしている。スッと伸びて、まろやかなエモーショナルを湛えた、ブリリアントなサックス。一度聴くと、グッと惹き込まれる。
 

Fly_away

 
Jeff Kashiwa=ジェフ・ユキオ・カシワ。米国出身の日系アメリカ人3世。スムース・ジャズで活躍するサックス奏者である。1963年生まれなので、今年で54歳。意外とベテランである。1991年にサックス奏者としてザ・リッピントンズに加入、1999年には脱退しソロ活動を開始。2009年に再びリッピントンズに復帰している。

伸びやかで爽やかなサックス。アルバム全編でそのサックスを存分に楽しめる。スムース・ジャズなので、耳当たりがとても良い楽曲がてんこ盛り。ちょっと似通った曲が多いのが玉に瑕だが、ジェフ・カシワのサックスが流れる様に吹き上げられていくので、あんまり気にならない。

ジャズ喫茶の昼下がりに、こっそり流すのが良い雰囲気です。ジェフ・カシワのまろやかなエモーショナルを湛えた、ブリリアントなサックスがとっても印象的。心地よさ満点、心からリラックスして聴き流すことができます。これが「スムース・ジャズ」の良いところですよね。良いアルバムです。

 
 

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