2023年8月 9日 (水曜日)

欧州のフリー・ジャズ・ピアノ

フリー・ジャズといえば、サックスが多い。音が肉声に近くて訴求力があること、そして、吹奏楽器として、長時間吹きづ付けることが出来ることが挙げられる。例えば、トランペットなどは、長時間吹くのには向かない吹奏楽器なので、フリー・ジャズの担い手にトランペッターはいない。

逆にジャズ・ピアノで完全フリーなピアノって意外と少ない。長時間引き続ける可能性が高いので、完全に体力勝負となること、激情に駆られるままフリーにピアノを弾くと、ピアノって打楽器の特性もあるので、喧しくて音楽として聴くことが出来なくなること、左手と右手、二つの音を出す方法があるので、一つの音で片付くサックスより、演奏難度が高いこと、それが障壁となって、フリー・ジャズなピアニストは数が少ないのだろう。

フリー・ジャズなピアノを弾くには、現代音楽や近代クラシックの無調、不協和音前提のフレーズに精通していること、そして、プロのクラシック・ピアニストに匹敵する演奏テクニックを保有していること、そして、長時間、ピアノを弾き続ける「演奏体力」があること。そんな要素が必須となる。これはなかなか「いない」。

フリー・ジャズをメインにしているジャズ・ピアニストと言われてパッと思い浮かぶのは、米国ではセシル・テイラー。我が国では山下洋輔。そして、欧州ドイツではシュリッペンバッハ。その3人くらいしか、思い浮かばない。山下洋輔、シュリッペンバッハは、欧州フリー・ジャズのメッカ、Enjaレーベル所属だったし、セシル・テイラーもどちらかと言えば欧州ジャズ寄りだったから、フリー・ジャズなピアノは欧州ジャズに偏っている、と言える。

Alexander von Schlippenbach『Payan』(写真)。1972年2月4日の録音。ENJAの2012番。ちなみにパーソネルは、Alexander von Schlippenbach (p) オンリー。欧州フリー・ジャズ・ピアノの鬼才、アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハのソロ・ピアノ盤になる。
 

Alexander-von-schlippenbachpayan

 
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ(1938年〜 )は、ドイツのジャズ・ピアニスト、作曲家。ベルリン生まれ。8歳でピアノを始め、ケルンでベルント・アロイス・ツィンマーマンに作曲を学んだ。勉学中、マンフレート・ショーフと共同演奏を始める。以降、欧州のフリー・ジャズ界における多くの重要な音楽家と共演歴を持つ。1994年、アルベルト・マンゲルスドルフ賞を受賞。今年で85歳になるレジェンド。

このソロ盤では、現代音楽や近代クラシックの無調、不協和音を下敷きにした、テクニック溢れる、即興演奏な弾き回しが素晴らしい。完全フリーなピアノ演奏でありながら五月蠅くないし、不協和音も耳に付かない。音楽として聴くことが出来る無調なフレーズや不協和音について事前にしっかり理解していて、その範疇で完全フリーなピアノ演奏を聴かせてくれる様なのだ。

セシル・テイラーも山下洋輔もそうだったのだが、完全フリーな演奏でありながら、五月蠅くないし、耳に付かない。加えて、シュリッペンバッハのフリーなピアノは、近代クラシックな響きが演奏の底にあり、現代音楽の前衛な展開が即興演奏の中に織り込まれている様で、意外と理路整然としていることろが独特の個性だと思う。

終始フリー・フォーム、明確なテーマもコード進行も無いインプロの連続なのだが、どこか理路整然としている即興演奏として耳に響く様は、聴いていて実に興味深い。欧州ドイツのフリー・ジャズなソロ・ピアノ。フリー・ジャズの範疇での希少価値として、一聴の価値はあるだろう。僕はとても興味深く聴くことが出来ました。
 
 

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2023年8月 3日 (木曜日)

欧州フリー・ジャズの入門盤

Enjaレーベルは、欧州フリー・ジャズに造詣が深い。共同設立者のホルスト・ウェーバーは、アパレル時代に日本の企業と仕事をしており日本のジャズにも精通していた為、日本のジャズ・ミュージシャンの作品も多く手がけ、日本でのライヴ録音も行っている。

1970年代、欧州フリー・ジャズに強いレーベルは、Enja(エンヤ)しか無かったと記憶する。「欧州フリー・ジャズを聴くなら、Enjaを聴け」が、僕が学生時代の合い言葉(笑)。

Albert Mangelsdorff『Live in Tokyo』(写真)。1971年2月15日、東京「新宿DUG」でのライヴ録音。ENJAちなみにパーソネルは、Albert Mangelsdorff (tb), Heinz Sauer (ts), Günter Lenz (b), Ralf Hübner (ds)。欧州ドイツのトロンボーンの鬼才、アルベルト・マンゲルスドルフとハインツ・ザウアーのテナーの2管フロント。ピアノレスのカルテット編成。

フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れたインプロのことで、この「束縛」から逃れておれば、調性音楽でも「フリー・ジャズ」として成立する。

本能の赴くまま、激情に駆られて、個人的に自由に吹きまくる、という米国でよくあるフリー・ジャズは、音楽として鑑賞するにはちょっと辛いものが多々ある。フリー・ジャズは、あくまで音楽として鑑賞することが出来る程度のものであって欲しい。

このマンゲルスドルフ・カルテットのフリー・ジャズは、音楽として鑑賞できる優れもの。確かにアブストラクトに展開するところもあるし、自由な吹きまくりテナーの咆哮もある。
 

Albert-mangelsdorfflive-in-tokyo  
 

が、それらはほんの少し、演奏全体のスパイス的なもの。この盤の演奏は、しっかりと秩序を守ったフリー・ジャズ。ビートは最低限ではあるが「ある」。その最低限のビートの下で、真の即興を志向し、それを実行している。

欧州のフリー・ジャズ、ドイツのフリー・ジャズやなあ、と思う。フリー・ジャズというか、自由度の相当高い即興演奏かな、とも思う。さすが欧州ジャズ。現代音楽志向の展開、現代音楽のジャズ化、現代音楽志向の即興演奏、そんな雰囲気。

マンゲルスドルフのトロンボーンも、ザウアーのテナーも、激情に駆られて熱くはならない。クールに熱い、静的な感情の高ぶりを、現代音楽志向の即興演奏で表現。どこか客観的に「醒めた」視点を持って、客観的に自らのフリーな即興演奏を愛でながら展開するような「クールに熱い」フリー・ジャズ。

我が国では、フリー・ジャズと言えば、オーネット・コールマン志向、いわゆる「通常のモダン・ジャズがやらないことをやる」フリー・ジャズ。若しくは、コルトレーン志向の「本能の赴くまま、激情に駆られて、個人的に自由に吹きまくる」フリー・ジャズ、いわゆる米国のフリー・ジャズがもてはやされてきた。

が、意外とフリー・ジャズと言えば、欧州ジャズ、ドイツ・ジャズなのでは、と思わせてくれる、マンゲスドルフの秀逸な「欧州フリー・ジャズ」の記録である。このライヴ盤を聴けば、欧州のフリー・ジャズの雰囲気を的確に掴めると思う。欧州フリー・ジャズの入門盤的位置づけのライヴ盤。
 
 

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2023年8月 1日 (火曜日)

日野皓正の欧州なフリー・ジャズ

今日の関東地方は不安定な天気。明け方、雨が降って、朝は久し振りに曇天。陽射しが無い分、気温はさほど上がらず、蒸し暑さは回避。昼間は東京ではゲリラ雷雨で大変だったみたいだが、我が方はチョロッと降っただけで、昼過ぎからは日が射したりして、最高気温は34℃。猛暑日は避けられたみたいだが、結局、真夏日となった。

今日は日中はほぼ曇り空で、部屋のエアコンの効きが良い。涼しい快適な湿度の部屋の中で、今日は久し振りに「フリー・ジャズ」を聴いてみようと思った。フリー・ジャズはいろいろあるが、最近は1970年代の「Enja(エンヤ」」レーベルのフリー・ジャズを選んで聴く様にしている。

エンヤ・レーベルは、1971年、ジャズ愛好家のマティアス・ヴィンケルマンとホルスト・ウェーバーによって、ドイツのミュンヘンで設立された、欧州ジャズ・レーベルの老舗のひとつ。ハードバップからモード、フリー、スピリチュアル・ジャズまで、モダン・ジャズの奏法、スタイルをほぼ網羅するが、とりわけ、前衛ジャズに造詣が深い。

ジャズの演奏スタイルの1つ「フリー・ジャズ」。従来のジャズの奏法を踏まえることなく、自由に演奏するスタイル、いわゆる「音階(キー)」「コードあるいはコード進行」「リズム(律動)」、以上3要素から自由になって演奏するのが「フリー・ジャズ」。しかし、これら3要素を全て自由にすると「音楽」として成立しないので、「必要最低限の取り決め」のもと、フリーに演奏するということになる。

日野皓正『Vibration』(写真)。1971年11月7日、ベルリンでの録音。ENJAー2010番。ちなみにパーソネルは、日野皓正(tp), Heinz Sauer (ts), Peter Warren (b), Pierre Favre (ds)。日野のトランペットとザウアーのテナーがフロント2管、ピアノレスのカルテット編成。演奏スタイルはフリー・ジャズ。欧州ジャズのフリー・ジャズ。
 

Vibration

 
日野皓正といえば、僕が本格的にジャズを聴き始めた頃は、NYに渡ってフュージョン・ジャズにドップリだったので、NYの渡る以前のハードボイルドで前衛的な日野皓正を聴いた時は、最初はビックリ。しかし、しっかり対峙して聴くと、かなり高度で難度の高い純ジャズをやっていて、フリー・ジャズはそのバリエーションのひとつ。

日野以外のメンバーは3人とも僕は知らなかった。この人選、ホルスト・ウェーバーによる人選だったらしく、録音当日、全員、初顔合わせだったらしい。しかし、録音された演奏を聴くと、初顔合わせとは思えない、フリー・ジャズ志向な演奏の中、メンバー間の連携と熱気が凄い。ピアノレスな分、フロントの2人の自由度が限りなく高い。

前衛的でアバンギャルド、激しいフレーズと無調のアドリブ。米国のコルトレーン直系の、心の赴くまま、とにかく「熱く吹きまくって力づく」というフリー・ジャズでは無く、クールでソリッドで硬質、切れ味良く、「前衛音楽の響きを秘めた欧州ジャズの範疇」でのフリー・ジャズ。加えて、高度なテクニックと音楽性を有しないと、フリー・ジャズとしての音楽を表現出来ないのだが、この盤のカルテット・メンバーの演奏テクニックはかなり高い。

日野の自由度の高い、シャープなトランペットの咆哮、ザウアーのゴリゴリと尖ったテナー、自由奔放にクールに暴れまくるファーヴルのドラム、そして、フリーな演奏の底をガッチリと押さえる、重心低くソリッドなウォーレンのベース。混沌とした無調のフリー・ジャズだが、「間」としっかり取って、それを活かしたフリーな展開が、この盤のフリー・ジャズを聴き易いものにしている。

定速ビートが無い分、聴くのに骨が折れるが、しっかり聴いていると、フリーな演奏の底に自由度の高い変則ビートが流れている様で、このフリーな演奏をどこか整然とした印象を持たせてくれる。限りなく自由度の高いモーダルなジャズのすぐ先にある、そんな感じのフリー・ジャズ。
 
 

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2023年7月 4日 (火曜日)

全てのスタイルを吹くハバード

フレディ・ハバードのリーダー作の聴き直しを再開した。ハバードのトランペットはとにかく「上手い」。途方も無く上手いのだが、その上手さを前面に押し出す「癖」がある。とにかく、どんなセッションでも途方も無いテクニックを駆使して、前へ前へ出る。テクニックについても、とにかく速いフレーズを吹きまくる。時には「五月蠅く」感じるほど。

以前、そんなハバードのリーダー作を聴き直していて、とにかく耳が疲れた。上手いのだが、リーダー作それぞれを聴いていて、どうにも個性とコンセプトが定着しない。様々なスタイル、トレンドの吹奏を披露するのだが、確かに上手い。凄く上手い。歌心もあるんだが、情緒に欠けるというのか、侘び寂びに欠けるというのか、演奏の行間が無いというのか、凄いテクニックだけが耳に残るだけの吹奏に耳が疲れた。

しかし、ほぼ全てのリーダー作を聴かないと、彼のトランペットの個性を断定することは出来ない、というか、リーダー諸作を中途半端に聴き終えるのは失礼というもんだ。ということで、ハバードのリーダー作の聴き直しを再開した。

Freddie Hubbard『Breaking Point!』(写真左)。1964年5月7日の録音。ブルーノートの4172番。ちなみにパーソネルは、Freddie Hubbard (tp), James Spaulding (as, fl), Ronnie Mathews (p), Eddie Khan (b), Joe Chambers (ds)。

ハバードのトランペット、スポルディングのアルト・サックスが2管フロントのクインテット編成。ハバードと同じ年頃の、かなりの若手の、どちらかと言えば、マイナーな存在のジャズマンで固められている。恐らく、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの深慮遠謀だろう。

こういうメンバー構成でのセッションの場合、ハバードは前へ前へ出ようとはせず、周りの音に気を配りつつ、しっかりとグループサウンズ優先の、余裕ある、実に素晴らしい吹奏を聴かせてくれる傾向が強い。
 

Freddie-hubbardbreaking-point

 
この盤でも、1人で前へ前へ出ようとはせず、グループサウンズを維持する中で、途方も無いテクニック溢れる吹奏を聴かせている。ハバードの吹奏の「質」という面では、この盤は申し分無い、素晴らしい演奏家としてのパフォーマンスを聴かせてくれている。

演奏内容は、というと、一言で言うと「1964年時点でのアーティステック志向のジャズのショーケース」の様な内容。オーネット・コールマンに影響を受けた様なフリー・ジャズあり、コルトレーンの様なフリー・ジャズ&モード・ジャズあり、ジャズ・メッセンジャーズの様なモード・ジャズあり。

アルバム全体としては「前衛的」な雰囲気が濃厚なのだが、どこか従来のハードバップの雰囲気を残して、全面的に「前衛的」に展開するのを自制しているかの様な、ちょっと中途半端な内容。フリーに走り切ること無く、モードに振り切ること無く、そこはかとなく、ハードバップの雰囲気を残して、全ての聴き手に訴求しようとする。何とも、隔靴掻痒の感がする。

しかし、そんなバラエティーに富んだ内容で、テクニック的にも全てのスタイル、トレンドを水準以上に吹き切るのは難しいと思うんだが、ハバードはいとも容易く、全てのスタイル、トレンドに精通しているが如く、水準以上に吹き切っている。さすが、ではある。

この盤のハバードを聴いて感じるのは、ジャズ・トランペットの「プレイヤー」としては超一流。モダン・ジャズの「クリエイター」としては「発展途上」ということ。演奏家としては全く申し分無い、歴史に名を残すほどのハイ・テクニックの持ち主なのだが、ジャズ盤を制作する上でのリーダーとしての、クリエイターとしての素養についてはやや欠ける、と感じる。

ショーケース的な内容で、自らの持つ途方も無く素晴らしいテクニックを惜しげも無く披露するより、どれかのスタイルに絞って、ハバードなりに、そのスタイルを追求し極める位のチャレンジをしても良かったのでは無いか。ハバードだったら、どのスタイルに絞ろうが、かなり優れた成果を残せたと思うのだ。この「1964年時点でのアーティステック志向のジャズのショーケース」の様な盤を聴いて、そんな思いを改めて持った次第。

この盤は、ハバードのジャズ・トランペットの「プレイヤー」として素晴らしさを愛でる盤だろう。
 
 
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2023年5月24日 (水曜日)

フリー&モードのモンカーである

ブルーノートの4100番台は、1961年後半から1965年前半の録音がメイン。ハードバップが成熟し、ハードバップを基に、ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、モード・ジャズ、フリー・ジャズなど、ジャズの多様化の時代の真っ只中でのアルバムリリースを行っているのだが、フリー・ジャズについてもしっかりカバーしているのはさすがである。

Grachan Moncur III『Evolution』(写真左)。1963年11月21日の録音。ブルーノートの4153番。ちなみにパーソネルは、Grachan Moncur III (tb), Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Bobby Hutcherson (vib), Bob Cranshaw (b), Tony Williams (ds)。ブルーノート・レーベルのフリー&モード・ジャズ。グラチャン・モンカー3世の初リーダー作である。

グラチャン・モンカー3世は、1937年6月、NY生まれのトロンボーン奏者。ニューアークで育ち、1960年辺りから、プロのジャズマンとして活動を開始、基本的な演奏スタイルは、フリー&モード・ジャズとアヴァンギャルド・ジャズを得意とする。が、1970年代は健康上の問題と著作権紛争に悩まされ、1980年代以降は、アルバムの録音は殆ど途絶えている。

この盤は、グラチャン・モンカー3世の「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」を捉えた記録である。後のアヴァンギャルドなフリー・ジャズとは一線を画した、クールで理知的な、ほとんどフリー・ジャズに近いモーダルなパフォーマンスを展開している。
 

Grachan-moncur-iiievolution

 
しかも、彼の担当楽器はトロンボーン。トロンボーンの特性上、スライドを使っての速くてイレギュラーなフレーズを吹き回すのは大変な仕業だと思うのだが、モンカーは意外と検討していて、しっかりと吹き切っているのは立派。

フロントの相方には、リー・モーガンのトランペット、ジャキー・マクリーンのアルト・サックス。この二人については、ハードバップはもとより、「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」も得意の二人なので、モンカーのフロントの相方としては申し分無い。ピアノの代わりに入ったボビー・ハッチャーソンのヴァイブもアブストラクトの展開も難なくこなす。ドラムはフリー大好きなトニー・ウィリアムスだし、ベースもモーダルな展開を得意とするクランショウ。

メンバーの選定も、モンカーの得意とする「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」に、ばっちり応えるブルノート親派で固めて、駆け出しの初リーダー作だからといって、全く手を抜いていない、どころか、最高に近いメンバーを揃えているところは、さすが、ブルーノートの総帥ディレクター、アルフレッド・ライオンの成せる技である。

モンカーのトロンボーンも、トロンボーンという難度の高い楽器で、しっかりと「限りなくフリーに近い、自由度の高いモード・ジャズ」を展開し、バックの優れものメンバーに臆すること無く、当時のモンカーとしてなかなかのパフォーマンスを発揮している。モンカーは録音当時26歳。こういう将来有望な若手を発掘し、リーダー作の機会を与える。ここでも、さすがはブルーノートと感心してしまうのだ。
 
 

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2023年3月16日 (木曜日)

ラヴァの硬派な「純ジャズ」

2日ほどお休みをいただきましたが、本日、ブログ再開です。

さて、久々にイタリアン・ジャズのお話しを。イタリアン・ジャズの至宝トランペッター、エンリコ・ラヴァである。1972年に初リーダー作をリリースしている。約50年間、イタリアン・ジャズの第一線を走ってきた。1939年の生まれなので、今年で84歳。イタリアン・ジャズのレジェンド中のレジェンドである。

Enrico Rava Quartet『Ah』(写真)。1979年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Enrico Rava (tp), Franco D'Andrea (p), Giovanni Tommaso (b), Bruce Ditmas (ds)。エンリコ・ラヴァのトランペット1管がフロントの「ワンホーン・カルテット」な編成。ラヴァのトランペットの本質と個性がとても良く判る編成での演奏になる。

まず、ラヴァのトランペットの素姓の良さを強く感じる。輝く様にブリリアントなトランペットの響き。スッと伸びるロングトーン。切れ味の良い高速パッセージ。とにかくラヴァのトランペットの音は美しい。そして、流麗なアドリブ・フレーズを吹き切るテクニックの高さ。音の「質」は、米国ジャズのトランペットの様な「ファンクネス」は希薄。クラシック音楽の端正で粒立ちの良い響きを踏襲している様で、それが「欧州ジャズ」特有の「質」なんだろう。
 

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演奏の基本は「欧州モダン」。しかし、アドリブ展開に入ると、限りなく自由度の高いモーダルな展開から、フリーにスピリチュアルに大胆に展開し、アブストラクトにブレイクダウンする。と思いきや、統制の取れた構築力の高いアンサンブルで疾走する。1979年というフュージョン・ジャズ全盛時代に、こんなバリバリ硬派でモダンな「ニュー・ジャズ」が演奏されていいたとは。さすがにECMレーベルである。

イタリア出身のジョヴァンニ・トマッソのベース、米国出身のブルース・ディトマスのドラムもラヴァに負けずとも劣らない、限りなく自由度の高いモーダルな展開から、フリーにスピリチュアルに大胆に展開にガッチリ追従し、柔軟に応対する。このリズム隊のレベルの高さも、このラヴァ盤の内容充実に大いに貢献している。

実にECMらしい、欧州モダンらしいニュー・ジャズがてんこ盛り。実はこの盤、ECMレーベルからのリリースでありながら、プロデューサーがマンフレート・アイヒャーではなく、トーマス・ストウサンド(Thomas Stöwsand)で、その結果、ECMの「ニュー・ジャズ」というよりは、ECMレーベルの中では、ちょっと異色の「メンストリーム系の純ジャズ」の雰囲気が濃厚になっている。ガッシガシ硬派な欧州系の純ジャズです。
 
 

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2023年1月20日 (金曜日)

セシル・テイラーの発掘音源

僕の中で一定周期があるのか、振り返ると3ヶ月に1回程度のスパンで「フリー・ジャズを聴きたい週間」が巡ってくる。フリー・ジャズも立派なジャズ演奏の一形態なので、ジャズ者であるならば、しっかり聴かねばなるまい、と思っている。「あんなのジャズじゃねーよ、ジャズは4ビートさ」という硬派なジャズ者の方々もいるし、「あんなの音楽じゃねえ」とバッサリ切り捨てるジャズ者初心者の方々もいる。

でもなあ、フリー・ジャズとは言っても、一定の決まり事を踏まえたもので(一定の決まり事が無いと音楽として成立しない)、無手勝流に、演奏者それぞれが好き好きに楽器を鳴らせば良い、という訳では無い。フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れたインプロのことで、この「束縛」から逃れておれば、調性音楽でも「フリー・ジャズ」として成立する。

Cecil Taylor『The Complete, Legendary, Live Return Concert』(写真左)。1973年11月4日、NYの「Town Hall」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、ちなみにパーソネルは、Cecil Taylor (p), Jimmy Lyons (as), Sirone (b), Andrew Cyrille (ds)。2022年のリリース。当時コロンビア大学の学生が、録音のために借りた機材を使用したプライベート録音が音源とのこと。

収録曲は3曲しか無い。①「Autumn/Parade」 (quartet) – 88:00 ②「Spring of Two Blue-J's Part 1」 (solo) – 16:15, ③「Spring of Two Blue-J's Part 2」 (quartet) – 21:58。
 

Cecil-taylorthe-complete-legendary-live-

 
しかし、1曲目の「Autumn/Parade」などは、演奏トータルで88分の長尺。カルテットの演奏だが、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れたインプロを、約1時間半の間、マンネリの陥ること無く継続するのだ。この演奏を可能とする演奏者の体力とエネルギー、そして、演奏についてのイマージネーションについては驚くべきものがある。

収録されたフリー・ジャズな演奏、3曲とも「爽快」である。①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れた「調性」と「無調性」が入り乱れた演奏だが、ビートについてはポリリズムによる従来リズムからの解放が感じ取れるし、混沌とした無調なフレーズの連続だが、切れ味と疾走感が抜群で、停滞感やマンネリ感は皆無。カオスな演奏がどこか規律を持ったか如く、即興性溢れる、ひとつの音楽として収束している、そんな見事なフリー・ジャズなパフォーマンスを聴かせてくれる。

セシル・テイラーのフリー・ジャズって、以前からお気に入りで、例の「フリー・ジャズを聴きたい週間」でちょくちょく聴くのだが、この今回のライヴ盤は昨年のリリースで、久し振りのセシル・テイラーの新盤にちょっと興奮したのを覚えている。

フリー・ジャズって、確かに難解なので、ジャズ者初心者の方にはまずお勧めしない。でも、ジャズを聴き続けて行く中で、避けては通れないジャズ演奏の一形態ではある、と僕は思っている。なぜなら、フリー・ジャズは、モード・ジャズと並んで、ジャズの「即興演奏」を的確に表現するジャズ演奏の一形態だと思うからである。即興演奏の無いところにジャズは無い。
 
 

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2023年1月 8日 (日曜日)

チックの「フリーへの最接近」3

チックがブラックストンと出会って結成した「Circle(サークル)」というクインテット。僕がジャズ者初心者の頃のジャズ盤紹介本では「チックがフリーに走って失敗したバンド」なんて書いていたが、よくよく聴くと失敗バンドなんてとんでもないと思う。まあ1年足らずで解散したバンドなので「失敗バンド」なイメージが湧くのだろうが、ジャズの世界では、そもそも長く続くパーマネントなバンドは数が少ない。

即興演奏をメインとするジャズである。メンバーを固定して、バンドの音志向を固定したら、マンネリに陥るリクスは高まるだろうし、ジャズマンも人間である、飽きも来るだろう。即興演奏をイマージネーション豊かにやるには、まず演奏を楽しく、モチベーション豊かであることが大切だと思うので、そういう意味で、そもそも長く続くパーマネントなバンドは数が少ないのだろう。

Circle『Paris Concert』(写真)。1971年2月21日、パリでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Anthony Braxton (reeds, perc), Dave Holland (b, cello), Barry Altschul (ds, perc)。アンソニー・ブラックストンが1管フロントのカルテット編成。

CDの時代になって、Ciecleの諸作はリイシューされる機会が僅少で、何とか入手出来る音源はこのライヴ盤しか無かった時期が長く続いた。このライヴ盤でチックの伝説のバンド「Circle(サークル)」を体験する訳だが、これがジャズ評論家の方々が言う「チックのフリー・ジャズ」として聴くと「???」。確かにところどころでフリー・ジャズっぽい展開はあるにはあるが、良く聴くとこれはフリー・ジャズじゃない。

フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れる、いわゆる「フリー」になって演奏するジャズ演奏の事。

このチックの「Circle(サークル)」サウンドって「限りなく自由度の高いモード・ジャズ」がメインで、フリー・ジャズに走る時は、どちらかといえば「前衛音楽のマナーを踏襲した即興演奏」で純粋なフリー・ジャズでは無いと感じている。
 

Circle-paris-concert

 
そして、ブラックストンのリード楽器だけが、フリー・ジャズの前提を踏襲していて、チック率いるリズム・セクションが奏でる「前衛音楽のマナーを踏襲した即興演奏」とは、全く噛み合わない。この噛み合わないところに「張りつめた様な緊張感を生んでいる」とされ、「スリリングな演奏」とされた訳だが、それはちょっと、聴き手側の勝手な解釈なんでは、と思ってしまう。

ブラックストンからすると「皆、フリー・ジャズやってよ」なんだろうし、チック率いるリズム・セクションからすると「あれれ、フリー・ジャズと前衛音楽って、似て非なるものやったんや〜」なんだったと思う。ブラックストンは現代音楽の影響を強く受けたフリー・ジャズなリード奏者とされるが、実は根っからのフリー・ジャズ志向のリード奏者だったことがこのライヴ盤を聴いていて良く判る。

恐らく、チックもブラックストンも「フリー・ジャズと前衛音楽って、根っこは同じ」と思ったんだろうし、お互い「現代音楽の影響を強く受けている」と思ったんだろうし、「Circle(サークル)」結成当初は「イケる」と感じていたんではないか、と思う。しかし、やってみて、限りなく自由度の高いモーダルな演奏と完全フリーな演奏との混在は想像以上に無理があった、ということが実際に判ったのだろう、と想像している。

そう解釈すれば、この『Paris Concert』というライヴ盤、チック率いるリズム・セクションの「限りなく自由度の高いモード・ジャズ」がメインで、モード・ジャズの自由度を最大限に追求して突き詰めていったら「前衛音楽のマナーを踏襲した即興演奏」に展開するのが一番当たりが良い、という演奏志向を前提としたインプロビゼーションの素晴らしさを心ゆくまで愛でることの出来る盤だということになる。

ブラックストンには悪いが、モード・ジャズを突き詰め、前衛音楽マナーのフリーな展開をバリバリ弾きまくる、若き尖ったチックは魅力的。そして、それに追従するホランドの重量感溢れるベースと、限りなく自由でポリリズミックなアルトシュルのドラムも実に良い。ということで、このライヴ盤は、チック率いる、尖ったリズム・セクションを愛でる盤、という結論になる。

何度も言うが、ブラックストンには悪いと思っている。ブラックストンは、この「Circle(サークル)」の後、優れた完全フリー・ジャズなリーダー作を何枚もリリースしているので、ブラックストンについては、こちらを聴いて、彼の優れた資質と個性を愛でている。
 
 

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2023年1月 7日 (土曜日)

チックの「フリーへの最接近」2

チック・コリアのリーダー作の振り返り。チックが限りなく自由度の高いモード・ジャズからフリー・ジャズへと接近した時代のリーダー作の聴き直しの続き。20年振りくらいの聴き直しになるのだが、20年前に聴いた時に感じ無かった音を今の耳で感じる。これが意外に面白い。

チックは、1970年〜71年に活動した「Circle(サークル)」というバンドを結成している。このバンドは「自由度の高いモード・ジャズからフリー・ジャズ」を基本とした、アヴァンギャルド志向のバンドだった。チックは前衛音楽にも適応していたので、このアヴァンギャルド志向というのも理解出来るのだが、後の活動の音志向を考えると、チックのキャリアの中では「異質」なバンド志向だったと思う。

Circle『Circle 2: Gathering』(写真左)。1971年5月17日、NYのUpsurge Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p, bamboo fl, perc), Anthony Braxton (reeds, perc), Dave Holland (b, cello, guiter, perc), Barry Altschul (ds, finger piano, perc)。アンソニー・ブラックストンが1管フロントのカルテット編成。

サークル唯一のスタジオ録音。演奏の展開はライヴ同様、限りなく自由度の高いモーダルな演奏の中で、フリー・ジャズに展開する場面がある、といった演奏展開は変わらないのだが、基本が「限りなく自由度の高いモーダルな」調性音楽なので、そこにいきなりブラックストンが入ってくると、いきなりフリー・ジャズに展開するという「突発性や偶発性」が希薄で、フリー・ジャズと呼ぶには「予定調和」な雰囲気が漂う、

サークルというバンドにはスタジオ録音は必要が無かったのでは無いかと思う。限りなく自由度の高いモーダルな演奏の中で、フリー・ジャズに展開する場面がある、という展開が「ウリ」なので、モーダルな演奏が、いきなりフリー・ジャズに展開する瞬間が、いかにも即興性が高く、いかにもフリー・ジャズらしいので、その「突発性や偶発性」がスタジオ録音では薄れるのだろう。
 

Circlecircle2-gathering_2

 
限りなく自由度の高いモーダルな演奏が続く中で、いきなり「悪役プロレスラー」の如く、ブラックストンのリード楽器が乱入し暴れる、そして、それまでモードを演奏していたリズム隊がフリー・ジャズに激変するという、そのタイミングがブラックストンの「観念性」に委ねられているのであれば、即興演奏としての「突発性や偶発性」は担保されるのだろうが、ライヴ演奏であれば、ウケ狙いのライヴ・パフォーマンスとして「アリ」だとは思うが、スタジオ録音ではあまり意味が無いように思える。

このスタジオ録音盤でも、チック以下のリズム・セクションの「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」が見事で、そこには、純粋フリー・ジャズなブラックストンのリード楽器の存在は異質であり、フィットしない。当時のチックのトリオに純粋フリー・ジャズなブラックストンをフロント管に据えた「サークル」は上手くいかなかった理由はここにあるのだろう。

チックは前衛音楽にも適応していたので、「サークル」を完全フリー・ジャズな演奏志向なバンドにすることも出来たのだろうがそれはやらなかったし、ブラックストンが、限りなく自由度の高いモーダルな演奏に転換すれば、まだ違ったバンド展開もあったのだろうが、ブラックストンもそれはやらなかった。

翌年以降のブラックストンのリーダー作の中で、ベースのホランド、ドラムのアルトシュルと演奏した純粋フリー・ジャズな演奏があるが(例えば『Town Hall 1972』など)、これを聴くと、非常に優れたフリー・ジャズが展開されているので、「サークル」が上手くいかなかったのは、ブラックストンの存在では無く、限りなく自由度の高いモーダルな演奏と完全フリーな演奏との混在に無理があった、というか、効果的では無かったということだろう。

この「サークル」のスタジオ録音を今の耳で聴き直すと、新しい感じ方、新しい発見があって面白い。この「サークル」のチャレンジを「失敗」とするのは短絡的過ぎると僕は思う。この「サークル」は、限りなく自由度の高いモーダルな演奏と完全フリーな演奏との混在は想像以上に無理があった、ということが実際にやってみて判った「偉大なるチャレンジ」だったと僕は思っている。
 
 

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2023年1月 6日 (金曜日)

チックの「フリーへの最接近」1

チック・コリアのリーダー作の振り返り。チックが限りなく自由度の高いモード・ジャズからフリー・ジャズへと接近した時代のリーダー作を久し振りに聴き直している。本当に久し振り。恐らく20年振りくらいではなかろうか、と思う。

チックのフリー・ジャズというのが、どうもイメージが湧かなくて、このチックが結成した「サークル(Circle)」のアルバムがCDでリイシューされたものを入手したのだが、あまり真剣に聴かなかった思い出がある。

Circle『Circle-1 Live In German Concert』(写真)。1970年11月28日、当時の西ドイツでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Anthony Braxton (as, ss, fl, b-cl, perc), Dave Holland (b, cello), Barry Altschul (ds, perc)。アンソニー・ブラックストンが1管フロントのカルテット編成。

冒頭、チックのメロディアスで流麗なフレーズが流れてくるので、あれれ、と思う。以降、暫く聴いていて感じるのは「これは純粋なフリー・ジャズじゃ無い」ということ。メンバーそれぞれが、相当自由にインタープレイを繰り広げるので、これはフリー・ジャズか、と思うのだが、よくよく聴くと、これは限りなく自由度の高いモード・ジャズじゃなかろうか、と思い始める。

確かに、ブラックストンのリード楽器、フルートが入ってくると、演奏全体は「フリー・ジャズ」に突入する。そもそも、ブラックストンの演奏自体が実に観念的。チック率いるリズム・セクションの音は全く聴いていないか如く、本能のおもむくまま、自分の頭の中に浮かんだ自由なフレーズをブワーッと吹きまくる。
 

Circlecircle1-live-in-german-concert

 
すると、限りなく自由度の高いモーダルな演奏を繰り広げていたチック率いるリズム・セクションが一気にフリー・ジャズに突入する。そして、ブラックストンが抜けると、また、限りなく自由度の高いモーダルな演奏に戻るといった、実にユニークな展開。

これって、どこかで聴いた事のある展開やなあ、と感じていたが、そうそう、マイルスの1960年代黄金のクインテットでの『The Complete Live At The Plugged Nickel 1965』で聴くことが出来る雰囲気に良く似ている。

このマイルスのライヴ盤では、マイルスが吹いている時は、他のメンバーは、限りなく自由度の高いモーダルな演奏に集中しているが、マイルスが抜けると、途端にフリーな演奏に突入する。そして、マイルスが戻ってくると、限りなく自由度の高いモーダルな演奏に戻るといった展開。フロント管の役割が逆だが、この展開に良く似ている。

どうも、このサークルの演奏、純粋なフリー・ジャズの演奏では無い。限りなく自由度の高いモーダルな演奏の中で、フリー・ジャズに展開する場面がある、といった感じかな。モーダルな調性音楽的な演奏がメインで、時々フリーな無調音楽的な演奏に展開する、という「演奏展開の志向」がサークルの個性だと感じている。

この「サークル」のライブ盤、今の耳で聴くと、限りなく自由度の高いモーダルな演奏の部分が素晴らしい。さすがはチックと感心する。そういう観点このライヴ盤を聴き直すと、ブラックストンが入ってきた時のフリー・ジャズへの展開は必要なのか、と思ってしまう。どうも、その辺りが、この「サークル」というグループの弱点だった様な気がする。
 
 

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