2022年6月26日 (日曜日)

リッチの楽しいビッグバンド

バディ・リッチのビッグバンド盤を聴き直している。バディ・リッチのビッグバンドはとても判り易い。ユニゾン&ハーモニー、アンサンブル、チェイスなど、ビッグバンドの基本をしっかり判り易く押さえて、アレンジもビッグバンド演奏の「ツボ」を押さえた、簡素で判り易いアレンジで、聴いていて、とても判り易い。

Buddy Rich『Big Swing Face』(写真)。1967年2月22–25日, 3月10日、米国ロサンゼルスの「Chez Club」でのライヴ録音。Buddy Rich (ds) が率いる The Buddy Rich Big Band のライヴ・パフォーマンスを記録した好盤である。

1967年といえば、ジョン・コルトレーンが亡くなった年。ロック&ポップスに大衆音楽の人気を奪われ、ジャズが斜陽に差し掛かった年。この時期は、ジャズはフリー・ジャズの台頭、ジャズのポップ化など、ジャズの「質」の面で複雑化、俗化が進み、聴かせるジャズ、聴いて楽しいジャズの存在は矮小化しつつあった。

そんな環境の中で、バディ・リッチのビッグバンドは、ビッグバンドの王道的な演奏を繰り広げ、判り易い、聴いて楽しいビッグバンド・ジャズを貫き通しているところが立派だ。
 

Buddy-richbig-swing-face

 
このライブ盤を聴いて思うのは、このビッグバンドはとても親しみ易いということ。難しいことは一切やっていない。スイング時代から演奏し続けられてきた、スインギーでダイナミックなユニゾン&ハーモニー、アンサンブル、チェイスなど、ビッグバンドの基本をしっかり押さえた演奏で魅了する。

冒頭の「Norwegian Wood」は、当時、大人気だった Lennon & McCartny の曲で、とても洒落たアレンジで、この難度の高いロック曲をしっかりとビッグバンド・ジャズの演奏として、上手くカヴァーしている。逆に、ジャズの有名スタンダード曲「Love for Sale」も、それまでに無い、新しい感覚のアレンジで、まるで新曲の様な雰囲気で聴かせてくれる。

そんな、お洒落で小粋な、正統派ビッグバンドを牽引しているのが、バディ・リッチのドラミング。大音量&大迫力、ハイテクニックなドラミングでビッグバンド全体を鼓舞し牽引する。ビッグバンドのメンバーもこのリッチの迫力あるドラミングに鼓舞されて、スインギーでダイナミックなパフォーマンスを繰り広げる。

とても、聴き応えのある、聴いて楽しいビッグバンド・ジャズのライヴ盤です。難しいことは言わずに、このシンプルで判り易いビッグバンドに耳を傾けると、ジャズという音楽にとって、何が大切なのか、を考え直させてくれます。バディ・リッチのビッグバンド、やっぱりなかなか良い感じです。他のアルバムについても、もっと聴きたい想いに駆られました。
 
 

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2022年6月24日 (金曜日)

バディ・リッチを再評価したい

ジャズマンの人気について、米国では人気があるのに、我が国では「知る人ぞ知る」的存在な、人気イマイチのジャズマンは結構いる。

日本のジャズ評論家の皆さんが、それぞれの主観に基づき、こぞって「バッテン」を付けてしまったり、レコード会社がそのジャズマンが在籍するレーベルと販売契約を結んでいなくて、そもそも我が国にそのジャズマンの情報が入ってこなかったり、が主な原因だと思っている。

ジャズ・ドラマーでは「バディ・リッチ(Buddy Rich)」がそんな「我が国で何故か人気が無いジャズマン」の1人。米国では「ビッグバンド・ジャズの新境地を開いた人物、およびビバップの誕生に協力したジャズ・マンとして尊敬されている(Wikipediaより)」のだが、我が国では、その名前が挙がることは希。この落差について、確固たる理由は不明。

Buddy Rich Big Band『Keep the Customer Satisfied』(写真左)。1970年3月30日〜4月1日の録音。パーソネルについては、The Buddy Rich big bandであるが、そのメンバーについては、あまり馴染みの無い名前ばかりが並ぶ。中に、Richie Cole (fl, as), Joe Sample (key) の名前があって、おっ、と思う位。
 

Buddy-rich-big-bandkeep-the-customer-sat

 
バディ・リッチのドラミングは「超人的なテクニックと、迫力満点、ショウマン・シップに溢れる」ドラミング。正確無比に刻まれるビート、パワー溢れる叩きっぷり。この「ど迫力」のドラミングは、ジャズ畑、ロック畑を見渡しても、そうそういない。このドラミングを推進力として、1966年に自らの楽団「Buddy Rich Big Band」を結成し、以後、晩年までドラマー兼バンドリーダーとして活動した。

この盤は、ビッグバンド結成の4年後、バンド・サウンドもしっかり整った、とても迫力ある、とても判り易いビッグバンドのパフォーマンスが記録されている。とりわけ、リーダーのバディ・リッチのドラミングが凄い。ビッグバンドの音圧に全く負けていないどころか、凌駕している。このリッチのドラミングがバンド全体の推進役で、凄く判り易いアンサンブル、ユニゾン&ハーモニーがダイナミックに炸裂する。

電気楽器もしっかり導入済み。エレベ、エレギの音も芳しく、ファンク色漂い、ダイナミックなグルーヴ感が、Buddy Rich Big Bandの真骨頂。今の耳には、このビッグバンドの音は「モダン」に感じる。決してコマーシャルでも、俗っぽくも無い。このビッグバンドの音は「アリ」である。

1987年4月に逝去しているが、バディ・リッチのドラミング、ビッグバンドの影響は米国中心にまだまだ残っている。が、しかし、我が国での人気、知名度はイマイチなんですよね。そう言えば、トランペッターの「ウッディ・ショウ」に通じるところがあるな。バディ・リッチ、ウッディ・ショウ、再評価しなければ、と思う今日この頃である。
 
 

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2022年6月21日 (火曜日)

ミンガスとホーズの邂逅の記録

昨日、書いたのだが、「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤については、だいたい、新装リイシューされるタイミングで、その存在を思い出し、おもむろに聴き直して、再び感動する。のだが、実はこの盤も、そういった、20年ほど前に聴いたっきり、「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤になっていた類のものである。

Charles Mingus『Mingus Three』(写真左)。1957年7月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Mingus (b), Hampton Hawes (p), Dannie Richmond (ds, tambourine (overdubbed))。米国西海岸からニューヨークへやってきたホーズが、ミンガスとたまたま出会って、リッチモンドを誘って録音した音源だそうだ。

「怒れるベーシスト」ミンガスは、大型のコンボやビッグバンドで演奏することが多く、ピアノ・トリオで録音するのは珍しい。トリオ演奏でのミンガスといえば、デューク・エリントンとマックス・ローチとの『Money Jungle』くらいしか思い浮かばない。逆にホーズはトリオでの演奏が多く、トリオ演奏でその個性と実力を発揮するタイプである。

全7曲中、2曲がミンガス作、1曲がホーズ作、他はスタンダード曲。ミンガス&ホーズ作の曲も良い感じだが、スタンダード曲のアレンジが、実にミンガスらしいもので感心する。
 

Charles-mingusmingus-three

 
他のスタンダードのアレンジとは、一風趣きが異なって、かなり聴き応えがある。音楽監督な役割が得意なミンガスの面目躍如。かなり「ノって」いたのだろう、ミンガスのベース・ソロも躍動感溢れ、変幻自在な重低音をブンブン響かせて絶好調である。

ホーズが何時になくバリバリ、バップなピアノを弾きまくっている。当時、西海岸では、洒落たアーバンな弾き回しのトリオ盤を出していた頃なので、このバリバリなバップらしい、カッ飛んだ弾きっぷりにはビックリ。しかし、このバリバリなバップ・ピアノがホーズの本質なんだろう。とてものびのびと弾きこなしている。タッチも切れ味が良く、ホーズも絶好調だ。

リッチモンドのドラムも硬軟自在で、ミンガスとホーズに追従する。タンバリンをオーバーダブしたりして、リッチモンドも絶好調。

発売65周年を記念して、貴重な未発表音源を収録したデラックス・エディションで、CDリイシューされて、そのタイミングで20年振りに聴き直した『Mingus Three』。その素晴らしい出来に思わずビックリ。名盤はいつ聴いてもやはり名盤だなあ、と感心することしきり、である。
 
 

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2022年6月20日 (月曜日)

ブレイキーとモンクの相性の良さ

ジャズの過去の優秀盤については、長年の間に「定期的に選盤しては再度聴く」盤と「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤に分かれる。「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤については、だいたい、新装リイシューされるタイミングで、その存在を思い出し、おもむろに聴き直して、再び感動する、この繰り返しである。

『Art Blakey's Jazz Messengers with Thelonious Monk』(写真左)。1957年5月14–15日の録音。ちなみにパーソネルは、Thelonious Monk (p), Art Blakey (ds), Bill Hardman (tp), Johnny Griffin (ts), Spanky DeBrest (b)。ドラマーのアート・ブレイキーが率いるグループ、ジャズ・メッセンジャーズとピアノのセロニアス・モンクのコラボレーションの記録である。

この盤は20年ほど前に「Deluxe Edition」で入手、10年ほど前に聴いて、そのまま「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤になった盤である。今回、またまた「Deluxe Edition」で、CDリイシューされたタイミングで、その存在を思いだし、おもむろに聴き直した次第。もともと、アート・ブレイキーとセロニアス・モンクは相性が良く、その内容には期待が持てる盤ではある。

しかしながら、この時期のジャズ・メッセンジャーズは、ブルーノートとの長期契約を開始する寸前、1950年代の「低迷期の最後のメンバー編成」で、演奏内容に問題は無いのか、聴く前は不安になる。ジャズも知識が付くと、意外と聴く前に変な先入観を持つようになるから、十分に気をつけないといけない。
 

Art-blakeys-jazz-messengers-with-theloni

 
というのも、このジャズ・メッセンジャーズとセロニアス・モンクのコラボ盤、意外と骨太で硬派で内容の濃いハードバップがぎっしり詰まっているのだ。これには驚いた。もちろん、アート・ブレイキーとセロニアス・モンクは相性の良さは全編に渡って十分に感じられて、思わず、聴き込んでしまう。

ブレイキーのモンクのパフォーマンスに対する鼓舞の仕方、タイミングが絶妙。モンクの変則フレーズにしっかりと変則ビートでクイックに反応する、ブレイキーのテクニックの凄さ。そんなブレイキーのドラミングをバックに、モンクは気持ちよさそうに独特の変則フレーズを弾き上げて行く。ブレイキーのドラミングをバックにした時のモンクの弾き進めるフレーズには全く淀みが無い。

低迷期のメンバーとされた、メッセンジャーズのメンバー、それぞれもパフォーマンス好調。グリフィンはモンクの変則フレーズに乗って、ごりごりハードバップなフレーズをブリブリ吹きまくり、変則フレーズのモンクのバッキングに関わらず、ハードマンのトランペットもモンクのフレーズにしっかり乗って、ブリリアントで流麗に吹きまくる。このフロント2管のパフォーマンスに緩んだところは全く無い。

10年前に聴き直して以降、「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤になっていた訳だが、今回、聴き直して、その内容の濃さにビックリした。以前はこの盤の何を聴いていたのやら。録音年は1957年、ハードバップ全盛期。この盤にもハードバップの良いところを十分に表現した、充実したパフォーマンスが記録されている。そして、改めて、ブレイキーとモンクの相性の良さを再認識した。ちなみに、このリイシュー盤、ボートラも充実していて捨て曲無し。良いリイシュー盤です。
 
 

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2022年6月 2日 (木曜日)

マクブライドのビレバガ・ライヴ

クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)は、現代のモダン・ジャズにおける最高峰のベーシスト。超絶技巧、歌心溢れるフレーズ、鋼の如く硬質にしなるようなウォーキング・ベース。どんな曲想にも適応する、どんな奏法にも適応する高いテクニック。ファースト・コール・ベーシストとして君臨するマクブライドも、今年で50歳。

Christian McBride『Live at the Village Vanguard』(写真左)。2014年12月5–7日、NYのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Christian McBride (b), Steve Wilson (as, ss), Carl Allen (ds), Peter Martin (p), Warren Wolf (vib)。

2014年12月に2週間に渡って行われた、クリスチャン・マクブライド・グループのギグの未発表音源を収録したライヴ盤。2014年の年末最後の6日間に出演したクインテット(Inside Straight)のパフォーマンスが記録されている。フロント楽器として、サックスとヴァイブの2楽器が採用されたクインテット編成。

このライヴ盤を聴けば、現代のネオ・ハードバップの現状が良く判る。モーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏。ルーツは、1950年代後半、マイルス・デイヴィスを中心としたメンバーが「モード・ジャズ」にチャレンジし、1960年代には「新主流派」として、当時のジャズ演奏のトレンドを牽引。

一度は沈滞した純ジャズだったが、1980年代中盤の「純ジャズ復古」のムーヴメントの中で現れ出でた、1960年代の「新主流派」の音が最良のジャズとして、1990年代、ウィントン・マルサリスを中心したメンバーが「新伝承派」として、モード・ジャズを深化させた。
 

Christian-mcbride_live-at-the-village-va

 
そして、21世紀に入って、難解になり過ぎた「新伝承派」の音に、1950年代のハードバップの親しみ易さ、ポップさを回帰させた「ネオ・ハードバップ」が主流となって現在に至る、なのだが、この「ネオ・ハードバップ」の好例が、このマクブライドのライヴ盤に詰まっている。

結構、難しいことをやっている割に難解には聴こえない、流麗でポップでキャッチャーな演奏がメイン。要所要所で、それぞれの楽器のロング・ソロがあって、高度なテクニックを披露するところは、ハードバップ時代の良き慣習の「踏襲」。

モーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏をやっているのだが、1960年代の「新主流派」や、1990年代の「新伝承派」の音のクセや志向といったものを全く感じさせないところが、このクリスチャン・マクブライド・クインテットの凄いところ。

マクブライドのベースが、そんなモーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏を自在にコントロールしているのが、ライヴ盤全般で聴いて取れる。マクブライドのグループ・リーダーとしての優れた手腕にほとほと感心する。グループ・メンバーの優秀性については「言わずもがな」。

今から7年ほど前の演奏になるが、古さは感じない。我が国では、あまり人気が芳しく無いマクブライドであるが、どうして、コンスタントに素晴らしい内容のリーダー作をリリースし続けている。当ライヴ盤も例に漏れず、現代のネオ・ハードバップを代表する素晴らしい内容の演奏がギッシリ詰まっている。 
 
 

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2022年5月20日 (金曜日)

正統派オルガン・トリオの好盤

コロナ禍になって、エンタテインメントの類が全て「自粛」の嵐に見舞われ、ジャズについても「もう暫くはジャズの新盤は出ないのではないか」と心配になった時期があった。もう新しいジャズは聴けないのでは、なんて悲観的になったこともあったが、昨年の半ば辺りから、感染防止対策を施した「新しい録音環境」が整備されて、徐々にジャズの新盤が出てくる様になった。

コロナ禍の中で、コロナに感染して命を落としたジャズマンもいた。かなり有名なジャズマンもいたりして、びっくりした。しかし、中堅からベテランのジャズマンも積極的に、コロナ禍がまだ残る中、感染防止をしっかりしながら、録音活動やライブ活動を再開している。心強い限りだ。有事にはエンタテインメントは不要、なんて酷い意見もあるが、有事にこそ、エンタテインメントは必要だと僕は思うのだ。

Larry Goldings, Peter Bernstein, Bill Stewart『Perpetual Pendulum』(写真左)。2021年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Larry Goldings (org), Peter Bernstein (g), Bill Stewart (ds)。

ニューヨークにて、2度目のパンデミックが回復の兆しを見せはじめ、人々に希望が満ちつつある時期に録音された、「オルガン+ギター+ドラム」の正統派オルガン・トリオでの作品。  
 

Perpetual-pendulum_1

 
オルガン担当のラリー・ゴールディングスは1968年生まれで、録音時は53歳。ギター担当のピーター・バーンスタインは1967年生まれで、録音時は54歳。ドラム担当のビル・スチュアートは1966年生まれで、録音時は55歳。大ベテランの域に達しつつある、同年代でのトリオ演奏。このオルガン・トリオ、そう言う意味で、バランスがとても良い。

洒脱で軽快なスチュワートのドラミングに先導&扇動され、オーバースイングぎりぎりに、思いっ切りスイングするギター、クールに熱気溢れる弾きっぷりのオルガン。この大ベテランの入口に立つ3人が、スリリングにダイナミックに「インタープレイ」を披露する。ネオ・ハードバップな「真っ直ぐ・ど真ん中」な、ストイックで正統派なメインストリーム・ジャズ。クールで熱いバトル。

収録曲は11曲。3人のオリジナルもバランス良く収録されていて聴いていて楽しい。スタンダード&ミュージシャンズ・チューンについても、ウエイン・ショーターのオリジナル曲「United」や、ゲイリ−・バーツの「Libra」、ジョン・ルイスの有名曲「ジャンゴ」や有名スタンダード「Come Rain or Come Shine」など、なかなか「小粋な」選曲。

この『Perpetual Pendulum』、現代ネオ・ハードバップの、正統派オルガン・トリオの好盤である。
 
 

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2022年5月16日 (月曜日)

Simon Phillips『Protocol V』

ホールズワースの初リーダー作や、マクラフリンのライブ盤を聴いていて、ふと、ギタリストがリーダーでは無いが、ホールズワースやマクラフリンの様な「ハードなクロスオーバー&ジャズロック」なバンドの存在を思い出した。ドラムのレジェンド、サイモン・フィリップスのソロ・プロジェクト 「プロトコル」である。

この「プロトコル」は、1988年から続いているのだが、これまでに4枚のアルバムをリリースしている。どれもが「ハードなクロスオーバー&ジャズロック」で、聴いていて、ホールズワースやマクラフリンの音世界を彷彿とさせる。そんなサイモン・フィリップスのソロ・プロジェクトが、今年の3月、前触れなく、5枚目のアルバムをリリースしたのだから、思わずビックリした。

Simon Phillips『Protocol V』(写真左)。2022年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Simon Phillips (ds), Otmaro Ruiz (key), Jacob Scesney (sax), Alex Sill (g), Ernest Tibbs (b)。

2017年の『プロトコルIV』以来、約5年振りとなる新盤。ドラマーのサイモン・フィリップスがリーダーのアルバムながら、内容は、エレギとサックスとキーボードがメインの「ハードなクロスオーバー&ジャズロック」である。

もともとはロック畑のドラマーで、マイケル・シェンカー・グループ、ホワイトスネイクやザ・フーといった錚々たるグループで活躍してきたサイモン・フィリップス。ベースのアーネスト・ティブスは、前作にも参加した、サイモン・フィリップスの良き相棒。
 

Simon-phillipsprotocol-v

 
キーボードのオトマロ・ルイーズは、元ジョン・マクラフリン・バンドのメンバー。サックスのジェイコブ・セスニーは、ロベン・フォードやクリスチャン・スコットと共演し、ポストモダン・ジュークボックスにも参加している逸材。ギターのアレックス・シルは期待の若手。

サイモン・フィリップスは、今年で65歳。もうレジェンド級のドラマーなのだが、この新盤の音世界はとことん「尖っている」。まず、ギターのアレックス・シルの、とにかくプログレッシヴ・ロックっぽく、ハードでほどよく捻れたクロスオーバー風のエレギが「尖っている」。

同じフロントを担う、ジェイコブ・セスニーのサックスも、プログレッシヴ・ロックっぽく、ハードで捻れたクロスオーバー風のサックスが「尖っている」。ルイーズのキーボードは、しっかりと「クロスオーバー・ジャズ」に軸足をしっかり置いた、ジャジーなもの。決して、プログレッシヴ・ロック志向では無い。

そんなエレギとサックス、キーボードをサイモン・フィリップスのドラムが鼓舞し、リードする。サイモン・フィリップスのドラムはジャズロック。ジャジーでロックっぽい。フィリップスのドラムがジャジーになると、演奏全体はクロスオーバー志向となり、フィリップスのドラムがロックになると、演奏全体はロック志向になる。演奏全体をフィリップスのドラムがコントロールしているのが良く判る。

さすが、サイモン・フィリップスは、英国ロンドン出身のドラマー。この『Protocol V』の音は、プログレッシヴ・ロックとクロスオーバー・ジャズとの境界が曖昧な英国ジャズロックの音世界そのものであり、それがこの「プロトコル」の最大の個性。僕はこの音世界が意外と気に入っていて、意外とこの『Protocol V』、緩やかなヘビロテ盤になっている。
 
 

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2022年4月 9日 (土曜日)

コンテンポラリーなデュオ演奏

Denny Zeitlin(デニー・ザイトリン)。「医師とジャズ・ピアニスト」という二足の草鞋を履く異色の人物。しかも、医師は医師でも精神科医。これは異色中の異色な存在。本業である精神科医の仕事をこなす傍ら、プロのピアニストとしての活動も続けてきたザイトリン。しかも双方の仕事において、それぞれ一流の域に達していたと言うのだから凄い。ザイトリンは1938年の生まれ。今年で84歳になる。もはやベテラン中のベテラン、伝説の域である。

ザイトリンのタッチは深く、しっかりと端正に弾きまくる様はエバンス・ライクな個性なんだが、アドリブ・フレーズが全く異なる。アドリブ・フレーズが流麗では無いというかメロディアスでは無い。ザイトリンのアドリブ・フレーズはゴツゴツしていて変幻自在。柔軟性が高く、幾何学模様の様なカクカクしたフレーズ。セロニアス・モンクの様な、ちょっとアウトドライブする突飛なフレーズ。エバンスのアドリブ・フレーズは流麗だが、ザイトリンのアドリブ・フレーズは幾何学模様。

Denny Zeitlin & George Marsh『Telepathy』(写真左)。2021年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、Denny Zeitlin(p, hardware & virtual, synth, key), George Marsh(ds, perc)。ザイトリンとマーシュのデュオ演奏。そんなデュオ演奏について、2014年〜2019年に録音された音源を集めた盤。2人が共演した「The Moment (2015) 」『Expedition (2017)』に続く3作目のアルバムになる。
 

Telepathy_denny-zeitlin-george-marsh

 
パーカッションやドラムセット、アコースティック・ピアノや多くのキーボード、シンセサイザー、コンピューター等の電子機器を使用した、コンテンポラリーな「ニュー・ジャズ」志向のデュオ演奏は、新しい響き、新鮮な響きが満載。アコースティックに拘らない、21世紀の現時点での「楽器」を駆使した、新しい響きのデュオ演奏は聴き応えがある。アルバムの宣伝キャッチには「即興エレクトロ・ミュージック」とあるが、確かに「言い得て妙」である。

電子楽器を駆使した即興デュオが素晴らしい。特に、マーシュのドラム&パーカッションがデュオ演奏のリズム&ビートを積極的にコントロールしている。そのリズム&ビートの上をザイトリンのキーボードが様々な表現をもって即興展開する。アドリブ・フレーズが幾何学模様に展開するところなどは圧巻ですらある。シンセサイザーをはじめとするキーボード系の電子楽器が、これほどの表現力を持っているとは、改めて感心した。ザイトリンの電子楽器に関する理解力が相当に深いのだろう。

緩んだところや冗長なところが全く無い、適度にテンションを張った、切れ味の良い即興デュオ演奏である。スピード感も適度にあって、収録曲14曲があっという間。デュオ演奏なので、お互いに出す技やフレーズが枯渇して、曲が進むにつれ、マンネリに陥ることがあるが、このデュオ演奏にはそれが全く無い。イマージネーション豊かで多彩な技を備えた極上のデュオ演奏である。
 
 

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2022年3月20日 (日曜日)

躍動感溢れるブレイクの新盤

コロナ禍の時代に入ってから、一時、ジャズ盤のレコーディングが途絶えた時期があったが、2021年に入ってから、感染対策をとりつつ、レコーディングを再開したとの報は、明るいニュースだった。特に、2021年の下半期は、コロナ禍以前と同じ様な量とタイミングで、ジャズ盤のニュー・リリースされるようになってきた様で、なかなか内容のある新盤が目白押しである。

Johnathan Blake『Homeward Bound』(写真左)。2021年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Johnathan Blake (ds), Immanuel Wilkins (as), Joel Ross (vib), David Virelles (p, rhodes, mini-moog), Dezron Douglas (b)。ドラマーのジョナサン・ブレイクがリーダー。フロントにウィルキンスのアルト・サックスと、ロスのヴァイブがフロントを務めるクインテット編成(5重奏団)。

米国人ジャズ・ドラマー、ジョナサン・ブレイクのブルー・ノート第一作になる。ブレイクは1976年7月の生まれなので、録音当時46歳。中堅ジャズマンとして、特にサイドマンとして引っ張りだこ。ドラマーがリーダーのアルバムになるので、この盤には「ジョナサン・ブレイクが考えるコンテンポラリーな純ジャズ」が詰まっている。
 

Homeward-bound_johnathan-blake

 
アルバム全体が「躍動感溢れるコンテンポラリーな純ジャズ」志向の演奏。リーダーなので当然だが、全編に渡って、ブレイクのドラミングが見事である。このブレイクの見事なドラミングがアルバム全体に漲る躍動感を生み出している。そんな躍動感溢れるリズム&ビートに乗って、ジョエル・ロスのヴァイブとイマニュエル・ウィルキンスのアルト・サックスが活き活きとしたパフォーマンスを披露する。

それから、ダヴィ・ヴィレージェスのキーボード、特にフェンダー・ローズの弾きっぷりが見事である。フロントに出て旋律を弾きこなすにも、バックに回って、リズム・セクションに徹する時も、ローズの使い方、音色がバグツンに良い。こんなに流麗に多彩は表現を聴かせてくれるローズは久し振り。そして、そんな躍動感溢れる演奏の底、ベースを支え、コントロールするのが、デズロン・ダグラスの堅実ベース。

内容充実の躍動感溢れる演奏には、どこかスピリチュアルな音も見え隠れして、躍動感に精神性も加味して、一味違う、今の時代の「コンテンポラリーな純ジャズ」を表現している。この盤に詰まっている音が「ジョナサン・ブレイクが考えるコンテンポラリーな純ジャズ」なんだろうなあ、と感心することしきり。トータル四十数分の演奏があっと言う間。最近の新盤の中でも「特に好盤」と言えるでしょう。
 
 

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2022年3月19日 (土曜日)

ベイシーのジャム・セッション盤

何故だか判らないのだが、パブロ・レーベルのカタログを見渡していると、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのライヴ音源が結構あって、それも、1975年と1977年に集中している。何かモントルー・ジャズ・フェスとパブロ・レーベルの間に、ライヴ・レコーディングの専属契約でもあったのだろうか。どのライヴ盤も充実した内容で、録音状態もとても良いばかりである。

このライヴ盤を聴かない手は無い。それぞれのライヴ盤の内容を見ても、パーソネルはそれぞれ、ベテラン〜中堅の一流ジャズマンで固められ、モントルー・ジャズ・フェスという伝統的な、由緒正しきジャズ・フェスでのライブ演奏なので、内容的にも、伝統的なスイング〜ハードバップな演奏がメインで、それぞれが充実したものばかり。

『Count Basie Jam Session At the Montreux Jazz Festival 1975』(写真)。1975年7月19日、スイスはモントルーのジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Count Basie (p), Roy Eldridge (tp), Johnny Griffin (ts), Milt Jackson (vib), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Louis Bellson (ds)。伝説のジャズバンドの総帥、カウント・ベイシーがピアノを担当、エルトリッジのトランペットとグリフィンのテナー、ミルトのヴァイブがフロントを張るセクステット編成(6重奏団)。
 

Count-basie-jam-session-at-the-montreux-

 
1975年時点での、このパーソネルを見れば、このライヴ演奏には絶対に触手が伸びる。ベイシーがビッグバンドを離れて「ピアニスト」として参加、スイング時代からの人気トランペットである、エルトリッジがフロントを担当、同じくスイング時代からの人気ドラマー、ルイ・ベルソンがドラムを担当していること、そして、このスイング時代からの人気ベテラン・ジャズメン達が、ハードバップの中核を担うメンバーと合流して、思いっ切りハードバップなジャム・セッションを繰り広げているのだ。

メンバー全員ノリノリのジャムセッションが繰り広げられる。収録曲はパーカー作の「Billie's Bounce」、メンバー全員の即席ナンバー「Festival Blues」、そして、レスター・ヤング作の「Lester Leaps In」の、たった3曲だが、どの曲も10分以上の長い収録時間の演奏で、メンバーそれぞれの長尺のアドリブ演奏心ゆくまで堪能できる。

破綻が全く無く、テクニックにも優れた「ハードバップなジャム・セッション」が繰り広げられていて、爽快ですらある。ミルト・ジャクソンのヴァイブがこれほどまで、ジャム・セッションに適応するとは思わなかったし、ベイシーのピアノがハードバップ演奏のリズム・セクションの一端を担うなんてことも思いもしなかった。しかし、メンバー6人とも好調な演奏で、ハードバップなジャム・セッションを心から楽しんでいる雰囲気がビンビンに伝わってくる。
 
 

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