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2017年6月28日 (水曜日)

トニーを忘れてはならない

このところ、ジャズ・ドラムの個性について振り返っている。ロイ・ヘインズ、アート・ブレイキー、そして、エルヴィン・ジョーンズ。そうそう、そう言えば、この人のドラミングも個性的だ。シンバル・ハイハットを多用、凄まじいスピードで刻まれるビート。怒濤の様なバスドラ、高速の4ビート。圧倒的なハイテクニック。

トニー・ウィリアムスである。マイルス率いる1960年代黄金のクインテットのドラマー。疾走するハイハット。高速4ビート。60年代後半はフリー・ジャズ、70年代はロックに傾倒し、そのドラミングは「神」の域に達する。迫力満点、手数の多い、疾走感と切れ味が拮抗する、限りなく自由度の高いリズム&ビート。

トニー・ウィリアムスは、アート・ブレイキーやマイルス・ディヴィスと同様、有望な若手ジャズメンを自らのバンドに引き入れ、育成することに力を入れた。1980年代後半から、新生Blue Noteレーベルから立て続けにメインストリーム指向のアルバムをリリース、この中で、有望な若手を育て上げている。

Tony Williams『Native Heart』(写真左)。1989年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Tony Williams (ds), Ira Coleman, Bob Hurst (b), Mulgrew Miller (p). Wallace Roney (tp). Bill Pierce (ts, ss)。今から振り返ってパーソネルを見渡すと、いや〜錚々たるメンバーですなあ。
 

Native_heart

 
内容的には、1960年代マイルス・クインテットの音世界を、テクニック的にグッとステップアップして、限りなく自由度の高い、モーダルな純ジャズを展開している。凄まじい内容である。ジャズという音楽ジャンルの表現バリエーションがこんなに「複雑で深く広い」ということに思わずビックリする。しかも「判り易い」。

リーダーのトニーのドラミングが凄い。派手なパフォーマンスを経て、このアルバムでは、普通にバックに控えてフロントを盛り立てる役割に徹しているが、この余裕ある状況でのトニーのドラミングは殊の外、素晴らしい。余裕ある中で限りなく自由度の高いリズム&ビートを叩き出し、高速の4ビートで疾走する。

そんなトニーにリズム・セクションの一員として追従する、ピアノのマルグリュー・ミラーが良い。煌びやかなアドリブ・フレーズを醸し出しながら、左手のブロックコードでビートの底をガーンと押さえる。このミラーのピアノが白眉。僕はこの人のピアノが大好きで、これが聴きたいから、この頃のトニー・ウィリアムスのバンドのアルバムを聴き漁ったものだ。

そんなトニーは、1997年、胆嚢の手術の後の心臓発作により死去(51歳)、そして、マルグリュー・ミラーも、2013年、脳卒中を起こして入院していた病院で死去(57歳)。どちらも、あまりに若すぎる死であった。しかし、この『Native Heart』には、二人の素晴らしいプレイが残されている。好盤である。

 
 

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2017年6月27日 (火曜日)

目眩く圧倒的なポリリズムです

ジャズ・ドラムの個性を愛でるのは意外と楽しい。最初はドラムの音って、皆、同じに聴こえるのだが、ジャズを聴き込むに従って、ジャズ・ドラムの音が個性に満ちているのが判る様になる。ジャズ・ドラムの個性が判る様になると楽しい。少なくとも1曲聴けば、個性が強いドラムの音だと誰のドラミングなのかが判るようになる。

この人のドラミングも個性的だ。1曲聴き込めば直ぐに判るほど強い個性である。粘りのあるシャープなドラミング。そして、何本腕があるんだ、この人のタイム感覚はどうなってるんだ、と思うほどの圧倒的なポリリズム。フロント楽器をポリリズムで煽るところなんぞは圧巻である。その人とは、Elvin Jones(エルヴィン・ジョーンズ)。

そんなエルヴィン・ジョーンズのドラミングを堪能出来るアルバムがこれ。Elvin Jones『The Ultimate』(写真左)。1968年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Elvin Jones (ds). Joe Farrell (ts, ss, flute), Jimmy Garrison (b)。パーソネルを見て「おおっ」と思う。ドラマーがリーダーのピアノレス・トリオである。
 

The_ultimate1

 
フロント楽器がピアノによるコードの束縛を嫌って、ピアノレス・トリオ編成にするというのは良くあるのだが、ドラマーがリーダーのピアノレス・トリオは他に記憶が無い。が、聴いてみると、風通しが良いというか、音通しが良いというか、それぞれの楽器演奏の輪郭がクッキリ浮かび上がる。

特にドラムの音がこんなにハッキリ聴きとれるとは思わなかった。そういえば、ピアノは打楽器の役割(リズムのキープ)も担う。つまり、ピアノがいるということはリズム・キープの役割をする楽器が2つ被るということなのか。まあ、普通のドラマーであればそれで良いかと思う。しかし、エルヴィンの様に、圧倒的なポリリズムを供給するドラマーとしては、逆にピアノの存在は邪魔なんだろう。

凄まじいばかりのドラミング。圧倒的なポリリズムで煽られて、ファレルのテナーがソプラノがフルートが飛翔する。そして、黙々と重低音を響かせながらビートを供給するギャリソンのベースも聴きものだ。圧倒的なポリリズムでリズムを一手に引き受け、エルヴィン・ジョーンズは叩きまくる。このアルバム、圧倒的です。

 
 

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2017年6月25日 (日曜日)

ドラムの個性は演奏の個性

ドラム。打楽器である。素人目には「誰が叩いても同じ音がする」ように感じる楽器だが、実はそうでは無い。叩き方も様々、叩き方が変わると音も変わる。叩き方もそれぞれドラマーによって「癖」があって、それが個性になる。単に「叩く」だけの楽器なのだが、意外と奥が深い。

ジャズにおいても、聴き込むにつけ、ドラムの個性を感じるのが楽しい。ジャズ者初心者の頃はフロント楽器、サックスとかトランペットとかに耳が行ってドラムの妙技に耳を傾ける事はほとんど無い。ピアノ・トリオを聴くにしたって、メインのピアノを聴くことが多く、ドラムとベースは付けたしになることが多い。

しかし、ジャズにおいて、ドラムの個性はとてもバラエティーに富んでいて、大いに楽しめる。初心者の頃は、どうしてもフロント楽器の音に耳を奪われてしまうので、なかなかドラムの音に耳を傾ける事が少ないのだが、ジャズを聴き込むにつれ、ドラムの音の個性に気がつき、その個性を聴き分けることが出来るようになる。

例えば、この盤。Art Blakey『Paris Jam Session』(写真左)。1959年12月18日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Wayne Shorter (ts), Jymie Merritt (b) は全曲に渡って、Walter Davis Jr. (p) は3-4曲目のみに参加、Barney Wilen (as), Bud Powell (p) は1-2曲目のみに参加。
 

Paris_jam_session  

 
ジャズ・ドラムのレジェンドの一人、アート・ブレイキー率いる「ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」がパリに訪れた時に、フランス出身のアルト・サックス奏者、バルネ・ウィランとパリに移住していた、モダン・ジャズ・ピアノの祖、バド・パウエルをゲストに迎えたセッションを記録したもの。

これ、バルネ・ウィランとバド・パウエルがゲスト参加した1〜2曲目が聴きもの。フランス出身のアルト・サックス奏者とモダン・ジャズ・ピアノの祖、バド・パウエルが参加している。フロント楽器にフランス出身のアルトの音、ピアノには、ビ・バップ・スタイルのピアノの音が「混入」しているのにも関わらず、その演奏の音は「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」になっている。

明らかに演奏全体の音の雰囲気を決定付けているのが、アート・ブレイキーのドラミング。個性溢れるアート・ブレイキーのドラミングがバックに流れると、そのジャズの演奏は「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」の音になる。「ナイアガラ瀑布」と形容されるドラム・ロール、ドラミングの合間に入る「カカカカカ」という合いの手。フロントを鼓舞するスネアの音。これらは明らかに「ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」の音なのだ。

ドラムの音に耳を傾け、注意深く聴き込めば、ジャズ・ドラムの音は、意外と演奏全体の雰囲気を決定付ける重要な要素の一つになっていることに気がつく。そう、ジャズ・ドラムは面白い。このジャズ・ドラムの音に耳を傾け、ジャズ・ドラム毎の音の個性の違いに気がつく様になると、ジャズ鑑賞の耳は「ジャイアント・ステップ」することになる。

 
 

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2017年6月11日 (日曜日)

ネオ・ハードバップでパーカー曲

ドラマーがリーダーのアルバムはいつ聴いても興味深い。リーダーのドラマーが、バンド演奏の大本をしっかり握って、演奏全体の雰囲気やテンポをガッチリとコントロールし、アルバム全体の演奏の内容を決定付けていく。バックのリズム・セクションの真ん中にドッカリと座って、フロントの楽器をコントロールし煽る。

ドラマーがリーダーのアルバムは、その時代その時期のジャズ演奏のトレンドをしっかり反映したものが多い。成果を上げてきたリーダーとして有名なドラマーは、といえば、まずは、アート・ブレイキー、そして、マックス・ローチ、トニー・ウィリアムス、そして、今回、ご紹介する、ロイ・ヘインズ(写真右)。

ロイ・ヘインズはリーダーとして目立ってグイグイ引っ張るタイプでは無い。演奏全体の方針を明快にした後、前に出ず、後ろにドッカリ控えて、ドラミングで引っ張るタイプだ。そして、ロイ・ヘインズもドラミングには個性が溢れている。演奏を暫く聴いていると、直ぐにロイ・ヘインズと判る、明確に個性のあるドラミングである。

Roy Haynes『Birds of a Feather - A Tribute to Charlie Parker』(写真左)。2001年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Roy Haynes (da), Dave Holland (b), Roy Hargrove (tp), Kenny Garrett (sax), Dave Kikoski (p)。そんなロイ・ヘインズの「チャーリー・パーカー・トリビュート」な企画盤である。
 

Birds_of_a_feather

 
このアルバムのタイトルから、ビ・バップな演奏を展開するかと思いきや、パーカーゆかりの楽曲の魅力をしっかり活かしつつ、アレンジは「ネオ・ハードバップ」。2001年当時の最先端を行く演奏内容である。とにかくモダンで新しい響きに満ちている。

まあ確かに、ビ・バップなブロウを基調とするロイ・ハーグローブ、オールラウンドなピアニストであるデヴィット・キコスキー、ベテラン・ベーシストのディブ・ホランド、そして、純ジャズ復古の頃から中心メンバーとして活躍してきたケニー・ギャレット。この面子からすると「ネオ・ハードバップ」が一番得意とするところなのだろう。

しかし、このアルバムの目玉はやはりリーダーのロイ・ヘインズ。この録音時は76歳、それでいて昔のドラミングのスタイルを引き摺ること無く、他のメンバーの最も得意とする「ネオ・ハードバップ」に適応するどころか、アルバム全体でリードすらしているところが凄い。曲はビ・バップ時代の名曲だが、演奏は当時先端の「ネオ・ハードバップ」。

アルバムのジャケット写真が、このアルバムの内容の雰囲気を的確に伝えてくれているように感じます。参加メンバーそれぞれに実力通りの充実した演奏を繰り広げていますし、とりわけ、リーダーのロイ・ヘインズのドラミングが良い。ロイ・ヘインズのリーダー作に外れ無し。この盤も例外ではありません。 

 
 

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2017年6月 3日 (土曜日)

ピーター・アースキンの新作2枚

1970年代から1980年代にかけて、フュージョン・ジャズ〜コンテンポラリー・ジャズを演る最高なバンドがあった。ウェザー・リポート(Weather Report=以下WRと略す)である。そのWRの最盛期、黄金時代とされるのが、1978年から1981年まで。その時のメンバーが、Wayne Shorter (sax), Joe Zawinul (key), Jaco Pastorius (b), Peter Erskine (ds)。

そのWR黄金時代のドラマー、ピーター・アースキンがこのところ元気である。昨年初めに『DR.UM』をリリースしてから、とにかく元気。最近、このDR.UMバンドをベースとしたニューアルバムが2枚、立て続けにリリースされた。

一枚目は、Peter Erskine『Second Opinion』(写真左)。DR.UMの第2弾。ちなみにパーソナルは,Peter Erskine (ds), Benjamin Shepherd (b), John Beasley (key), Bob Sheppard (sax,fl)。サックス+フルートがフロントのカルテット構成。奏でる音はコンテンポラリーな純ジャズ。今のジャズを感じる。
 

Peter_erskine_scond_op_n_praise_of_  

 
二枚目は、Peter Erskine New Trio『In Praise of Shadows』(写真左)。こちらはトリオ編成。ちなみにパーソネルは、Peter Erskine (ds), Damian Erskine (b), Vardan Ovsepian (p), Artyom Manukyan (cello, tracks: 3,9)。2曲だけチェロが入るが、基本はピアノ・トリオ。陰影に富んだ音作りで魅了。新しい響きを感じる。

どちらのアルバムも聴いて感じるのは「WRの雰囲気」。WRの音の個性を現代のコンテンポラリーな純ジャズに置き換えて、リコンパイルしているような雰囲気。聴いていて、サックスやピアノのユニゾン&ハーモニーやアドリブ・フレーズに、どこかウェイン・ショーターとジョー・ザビヌルの音の影を感じるし、ベースの音には、どこかジャコ・パストリアスの響きを感じる。

曲作り、アレンジ共に書かれた感が強くて、人間の理屈で作り上げられた雰囲気がそこはかとなくするのが玉に瑕だが、個々の演奏の水準は高く、作り込まれた感が「俗っぽさ」に傾かず、端正な雰囲気に置き換わっているので、これはこれで「セーフ」。現代のコンテンポラリーな純ジャズを感じることの出来る新作として、一聴はしたい新作である。

 
 

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2017年5月21日 (日曜日)

このドラマーは僕にとって初顔

ピアノ・トリオが聴きたい耳になって、今度は最近作を聴きたくなる。今のピアノ・トリオの状況はどうなんだろう。と、ジャズ雑誌のディスク・レビュー欄を1年間ぐらい振り返ってみる。さすがに知らない名前が多くなったなあ、と感じる。でも、ということは、まだまだジャズは深化しているということ。喜ばしいことではある。

今日の選盤はこれ。Gerry Gibbs & Thrasher People『Weather or Not』(写真左)。今年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Hans Glawischnig (b), Gerry Gibbs (ds, per), Alex Collins (p, org)。日本ではほとんど馴染みの無い、ドラマーのジェリー・ギブスがリーダーのピアノ・トリオ盤。

CD2枚組の構成。1枚目は「The Music Of Weather Report」。ウェザー・リポートのカヴァー12曲を収録。2枚目は「The Music Of Gerry Gibbs (The Life Suite 1981-2016) 」。リーダーのドラマ−、ジェリー・ギブスのオリジナル曲集。 この1枚目のウェザー・リポートのカヴァー集が良い。かなりの「聴きもの」になっている。
 

Weather_or_not_1

 
曲目を見渡すと、ウェザー・リポート4枚目の『Mysterious Traveller』から9枚目『Mr. Gone』まで、いわゆるウェザー・リポート黄金時代の名曲が選ばれている。特に面白いのは『Mr. Gone』から3曲選曲されていること。『Mr. Gone』と言えば、僕は大好きだったが、一般的にはリリース当時はあまり評判の芳しく無かった盤。やっと『Mr. Gone』が再評価されつつあるのか、と嬉しくなる。

とにかくアレンジが素晴らしい。ウェザー・リポートの特徴を上手くピアノ・トリオに置き換えているところがニクい。冒頭の「Teen Town」を聴けばそれが良く判る。ジャコのエレベ高速フレーズをピアノで再現。決して、オリジナルと「タイマン」で勝負することは無い。アレンジの妙で勝負する。これ、なかなか粋ですよ。

2枚目のギブスの自作曲集については、メインストリームな純ジャズを踏襲したコンテンポラリーな内容は、ギブスの作曲の才が優れたものであることを証明している。ギブスのドラミングはピーター・アースキンばりの今様のもの。いやいや、なかなか粋なドラマーである。他のアルバムも聴きたくなった。

 
 

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2017年5月14日 (日曜日)

北欧ジャズのピアノ3の好盤

沖縄では梅雨入りだそうだ。ここ千葉県北西部地方もあと2週間もすれば梅雨入りだろう。昨日今日と気温が低めで、外を出歩くには薄手の長袖が必要なんだが、先週などは半袖で出歩ける「夏日」。これだけ気温が上がってくると、北欧ジャズが耳に心地良く響くようになる。

北欧ジャズとは「スカンジナビア諸国」で発展しているジャズ。国としては、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、加えてフィンランドの4ヶ国を指す。1950年代後半、ハードバップ全盛時代から、北欧のジャズ・シーンは無視出来ない。どこでどうなったのか、理解出来ないところがあるのだが、北欧においてジャズは確実に市民権を得ている。

Emil Brandqvist Trio『Falling Crystals』(写真左)。2016年の作品。スウェーデンのドラマーEmil Brandqvist率いるピアノ・トリオ。ちなみにパーソネルは、Emil Brandqvist (ds, per), Tuomas Turunen (p), Max Thornberg (b)。一部、弦楽四重奏とパーカッションが入る。
 

Falling_crystals1

 
Emil Brandqvistは、仮名読みで「エミル・ブランクヴィスト」と読む。ここではエミルと呼ばせていただく。エミルはスウェーデンのドラマー。1981年生まれみたいなので、今年で36歳になる。バリバリ中堅のドラマー。ドラマーがリーダーのアルバムなんだが、コンセプトがしっかりしていて、エミルのイメージする音世界が良く表現されている。

Tuomas Turunen(ツォマス・ツルネン)はフィンランドのピアニスト。Max Thornberg(マックス・ソルンベルグ)はスウェーデンのベーシスト。どちらもリリカルでダイナミック、アクティブで繊細。北欧ジャズ独特のソリッドな雰囲気。北欧ジャズの雰囲気に加えて、ダイナミックでアクティブな部分が個性。このアルバムでは、このツルネンのピアノとソルンベルグのベースが実に良く効いている。

自然の雰囲気を宿した「ネーチャー・ジャズ」な雰囲気と現代ジャズ・ピアノのコンテンポラリーな部分とが上手く共存しています。元祖ジャズの個性であるファンクネスは皆無ですが、北欧ジャズ独特のクリスタルな響き、クールなダイナミズムが十分に感じられる、北欧ジャズのピアノ・トリオの好盤です。

 
 

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2017年5月10日 (水曜日)

ワルツのリズムでスイングする

マックス・ローチ。ビ・バップ時代からの花形ドラマー。テクニック抜群、ビ・バップ時代の代表的ジャズメンであった、アルトのチャーリー・パーカー、ピアノのバド・パウエル、トランペットのディジー・ガレスピーなどの高速アドリブをしっかりとサポートし、支えることの出来る、素晴らしいドラマーだった。

が、ローチは目立ちたがり屋。とにかく、必要以上に前へ前へ出たがる。それが「玉に瑕」。特に、ローチがリーダーのアルバムにその傾向が強い。聴いていて、ちょっと辛くなる。本当は繊細で限りなくハイ・テクニックな、歌心あるドラミングなんだけどな〜。常々惜しいと思っていた。しかし「いや〜ほんと良いドラミングだな〜」と感じる盤も沢山あるのがローチの良いところ。

例えばこの盤。Max Roach『Jazz in 3/4 Time』(写真左)。3分の4拍子、つまり「ワルツ」のリズムの演奏で固めたバリバリの企画盤です。1956年9月と1957年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Max Roach (ds), Kenny Dorham (tp), Sonny Rollins (ts), Ray Bryant (p, track 7), Bill Wallace (p, tracks 1-6), George Morrow (b)。
 

Jazz_in_34_time

 
ワルツのリズムがそうさせるのでしょうか。何時になく繊細で端正で歌心のあるローチのドラミングが堪能できます。この盤ではローチは決して前へ出てこない。しかし、繊細で端正で歌心のあるローチのドラミングが演奏全体でグッと迫ってきます。ほんと素晴らしいドラミングです。

そんなローチのドラミングに乗って、ケニー・ドーハムのトランペットがバリバリと響きます。これだけバイタルに吹きまくるドーハムも珍しい。加えて、ロリンズのテナーも素晴らしいプレイを披露してくれる。やはり、何時になく繊細で端正で歌心のあるローチのドラミングが好要素なんでしょう。活き活きとした2管フロント。この盤のハイライトのひとつです。

ワルツのリズムでスイングするジャズ・ドラミング。これが出来るドラマーってそうそうはいない。マックス・ローチの面目躍如たるところである。こういうマックス・ローチ、僕は好きだ。よって、この盤は愛聴盤の一枚。ローチの凄さを思いっきり実感できます。

 
 

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2017年3月 6日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・102

昔からジャズという音楽ジャンルは、クラシックと双璧の「音楽芸術」の側面があると思っている。ダンスや「飲み」の傍らでの「娯楽音楽」の側面もあるが、テクニックの素晴らしさ、アドリブ・フレーズの素晴らしさなど「音楽芸術」の側面もかなり大きなパーセンテージを占める。

ジャズがこの世に出現してから、そろそろ100年になるんだが、まだまだジャズはマンネリにならない。我が国では1970年あたりから「ジャズは死んだ」と言われ続けているが、はや21世紀になって10年以上経つが、まだまだジャズは進化し続けている。本当に面白いなあ、と思うのは、さすが即興の音楽と言われるジャズ、同じ曲を採用しても同じパターンの演奏が全く無いこと。

ジャズの演奏スタイルは、楽器演奏であるが故、ある程度限定されるんだが、それでも、その組合せと演奏者の個性の掛け合わせで、無限のバリエーションが存在する。そういう面では、まだまだジャズは進化し続けるのだろう。

Danilo Perez, John Pattituci & Brian Blade『Children of the Light』(写真左)。 2015年の作品。ちなみにパーソネルは、Brian Blade (ds), John Patitucci (b), Danilo Perez (p)。この作品は「Doctor」と呼ばれる、ウェイン・ショーターへ捧げた作品。
 

Children_of_the_light1

 
ドラムのブライアン・ブレードのリーダー作なので、ドラムが小粋にハイテクにところどころ前面に出ながら、ピアノが旋律を決め、ベースがビートの底を支える。高度なテクニックと豊かなフレーズ感で、このピアノ・トリオの響きは「新しい」響きに満ちている。ソリッドな透明感とダイナミズムが共存する、ネオ・モーダルなピアノ・トリオ演奏である。

そう、このピアノ・トリオは、現在のウェイン・ショーターのバンドからショーター抜いたピアノ・トリオ。なるほど、アルバム全編に渡って、ショーターは演奏者としては存在しないのだが、ショーターの雰囲気、ショーターの個性が蔓延している。高度なテクニックと魅惑的な楽器の響きが、ショーターの音世界を増幅する。伝統的な響きと新しい響きが交差し、新たな音を創出する。

こういう演奏を聴くと、まだまだ「ジャズは死なないなあ」と思うのだ。エンタテインメント性は希薄であるが、アーティスティックな要素は濃厚である。ジャズに「芸術」を求めたい時には、このアルバム、なかなか良い雰囲気だ。

アレンジも程良く、楽器の響きは濃密で、聴き応えはまるでテンションの高いクラシックの演奏を聴いている感じ。決して、楽しんだり、ながら聴きする盤では無いが、スピーカーに対峙してジックリと聴けば聴くほどに聴き応えが増す、そんな優秀盤である。

 
 

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2017年3月 2日 (木曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・49

「これぞジャズじゃ」と皆に言われるよな、こってこてジャジーなハードバップをやろうぜ、とメンバー全員で話し合ったかの様な演奏。始まりの一音から終わりの一音まで、徹頭徹尾、これぞジャズってな感じのハードバップがブワーっと演奏される。そんな思いっきりジャズな演奏がぎっしり詰まったアルバムがある。

The Dave Bailey Sextet『Bash!』(写真)。1961年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Dave Bailey (ds), Kenny Dorham (tp), Curtis Fuller (tb), Frank Haynes (ts), Tommy Flanagan (p), Ben Tucker (b)。

60年代初頭にわずか5枚のアルバムを残しただけで疾風のように消えていった、超幻のレーベル「JAZZTIME/JAZZLINE」の、そのわずか5枚の中の一枚。これがまあ、思いっきりジャズしているのだ。どの楽器の演奏を取っても、どのアドリブ・フレーズを取っても、明らかにジャズなのだ。明らかにハードバップなのだ。

リーダーのデイヴ・ベイリーはドラマー。堅実で多彩なドラミングを披露する。そして、まずドーハムのトラペットの音色に耳を奪われる。いつものドーハムよりもアグレッシブで尖っている。どうしたんだドーハム。凄く格好良いぞ。このテナーって誰だ、と思う位、素晴らしいブロウを繰り広げる、知る人ぞ知る名テナーマンのフランク・ヘインズ。
 

Bash

 
ほんわか優しいフレーズが嬉しいフラーのトロンボーン。バリバリ吹きまくるペットとテナーの音を大きく包んで、ふんわり柔らかなユニゾン&ハーモニーに早変わり。そして、ところどころで、とっても小粋で洒落た、それでいて骨のあるバップなピアノが展開される。あれ、これって、と思う。そうトミフラだ。名盤請負人のトミフラの燻し銀ピアノ。

そして、そんなフロント、そしてリズム・セクションの楽器を底でガッチリ支えて、ブンブンと重低音を響かせてのし歩くベン/タッカーのベース。このタッカーのアコベの音がとても骨太で生々しい。

そう、このアルバム、加えて音が良い。良い音が録音されている。1961年の録音である。多少のノイズはある。でも、そのノイズを凌駕する「ジャジーな音」。

こんなに明確にジャズしているアルバムも珍しい。演奏全体の雰囲気は明らかにハードバップ。アルバムの最初から最後まで「これぞジャズじゃ」。良いアルバムです。ジャケット・デザインも明らかにジャズしていて良好。いやはや、このアルバムには参った参った。

 
 

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