トミフラの個性を再認識する。
名盤請負人の異名を持つ、根っからのバップ・ピアニスト「トミー・フラナガン(Tommy Flanagan・以下「トミフラ」と略)」。1970年代後半から、ドイツのレーベル「Enja(エンヤ)」に7枚のリーダー作を残している。トミフラの、米国ジャズらしからぬ「流麗で典雅」な、テクニック確かなピアノの個性が、ホルスト・ウェーバーに響いたのだろう。
Tommy Flanagan『Confirmation』(写真左)。1977年2月4日と1978年11月15日の録音。リリースは1982年。ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), George Mraz (b), Elvin Jones (ds, tracks 1, 2, 5 & 6)。1977年2月4日の録音は『Eclypso』セッションの未収録曲(tracks 1, 2, 5 & 6)でトリオ編成。1978年11月15日の録音は『Ballads & Blues』セッションの未収録曲(tracks 3, 4)でデュオ編成。
そう、この『Confirmation』は、トリオ名盤『Eclypso』とデュオ名盤『Ballads & Blues』の未収録曲を集めた「アウトテイク集」。リーダーのトミフラとベーシストのムラーツが、2つのセッションで共通ということで、約1年半程度離れたセッションだが、その演奏内容と雰囲気には違和感は無い。
『Eclypso』は、トミフラのバップ・ピアニストとしての「ハードなタッチがご機嫌なトリオ好盤」であったが、その『Eclypso』セッションの未収録曲「Maybe September」「Confirmation」「Cup Bearers」「50-21」は、『Eclypso』収録曲と同様に、溌剌とした、バリバリ弾きまくるバップ・ピアニスト、トミフラの面目躍如なパフォーマンス。
『Ballads & Blues』は、職人ジャズマン同士の素敵なデュオ。その『Ballads & Blues』セッションの未収録曲「How High the Moon」「It Never Entered My Mind」も同様に、ムラーツのベースがブンブンブンと小気味良い正確なビートを刻み、ピッチが合った唄うようなフレーズと弾き出し、ピアノのトミフラは気持ちよさそうに、バラードやブルースのスタンダードを小気味よく弾き綴っていく。見事なデュオ・パフォーマンス。
Enjaレーベルでのトミフラは、本来の「メインの個性」であるバップなピアノをバリバリと弾きまくっている。ムーディーな一面はどこへやら、「流麗で典雅」な雰囲気はそのままに、切れ味良く、明快なタッチでバップなピアノを弾きまくるトミフラ。Enjaレーベルのトミフラの諸作は、そんなトミフラの「メインの個性」をしっかりと伝えてくれる。
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