2022年3月18日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・232

パブロ・レコード(Pablo Records)は1973年にノーマン・グランツによって設立されたジャズ・レコード・レーベル。ビ・バップ期以降のレジェンド〜ベテラン級のジャズマンをメインにセッションをセットアップし、1970年代、フュージョン・ジャズ全盛期にありながら、純ジャズに特化したアルバムを多数リリースしたレーベルである。

このパブロ・レーベルのカタログの特色の1つが「モントルー・ジャズ・フェスティヴァル」のライヴ録音盤が多くあるということ。しかも、フェスティヴァルの催し物の中でも「目玉」のひとつである「ジャム・セッション」のライヴ盤が多数出ている。

レジェンド〜ベテラン級のジャズマン達のジャム・セッションがメインという先入観があって、口の悪いジャズ者の方々は、聴く前から「予定調和で定型的な、旧来のハードバップっぽい、お決まり展開のジャム・セッションなんでしょ」と散々なのだが、これが聴いてみると意外と「イケる」のだ。フェスティヴァルのジャム・セッションの記録なので「臨場感」も半端ないところも「イケる」のだ。

The Dizzy Gillespie Big 7『At the Montreux Jazz Festival 1975』(写真)。1975年7月16日、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dizzy Gillespie (tp), Eddie "Lockjaw" Davis, Johnny Griffin (ts), Milt Jackson (vib), Tommy Flanagan (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Mickey Roker (ds)。フロント3管+ヴァイブ+リズム隊の「セプテット(七重奏団)」編成。
 

The-dizzy-gillespie-big-7at-the-montreux

 
パーソネルを見渡すと、このセプテットって「昔の名前で出ています的なロートル・ジャズマン」の集まりでは無い。暫定リーダーのガレスピーですら当時58歳。ロックジョーで53歳。この2人がメンバーの中で最古参と思われるが、この年齢だとすると「ベテラン」の域を出ていない。残りの5人は、当時の純ジャズの中核メンバーばかり。このメンバーで「予定調和な定型的なジャム・セッション」は無いだろう。

フロント3管が好調。ガレスピー、ロックジョーはバップなトランペットを鳴り響かせ、グリフィンのハードバップなテナーは、モダンで骨太でブルージー。ミルトのヴァイブは流麗かつ躍動的。トミフラのピアノが率いる、ペデルセンのベース、ロッカーのリズム隊は、すこぶるハードバップで切れ味の良い、力感溢れ、そこはかとなくファンクネス漂う、上質のリズム&ビートを供給する。

収録曲はジャム・セッションの記録(括弧内は収録時間)なので、LP時代は以下の2曲のみ「Lover, Come Back to Me」(16:43), 「I'll Remember April」(16:02)。 CDリイシュー時、ボートラとして以下の2曲「What's New?」(12:13), 「Cherokee」(11:01) が追加されて、全4曲構成となっている。

この追加されたボートラの内容もかなり充実していて、LP時代の2曲だけではちょっと聴き足りない気分になるだが、追加の2曲が加わって、このジャム・セッションが如何に充実していたか、をしっかり体感出来る様になっている。このボートラの追加は「正解」である。このジャム・セッションの記録の価値がさらに上がった、と言える。
 
 

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2021年11月18日 (木曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・10

ジャズ名盤とは何か。僕が思うに、その盤を聴くことで、ジャズの歴史を感じることが出来、ジャズの個性を感じることが出来る。そして、そのリーダーの個性が手に取るように理解出来、サイドマンの演奏が優秀。加えて、ジャケット・デザインが秀逸であること。いわゆる「ジャズが音楽の総合芸術であること」を実感できる盤が「ジャズ名盤」だと思うのだ。

Sonny Rollins『Saxophone Colossus』(写真左)。1956年6月22日、Prestigeレーベルからのリリースだが、この盤はブルーノートと同じ「Van Gelder Studio」での録音になる。ちなみにパーソネルは、Sonny Rollins (ts), Tommy Flanagan (p), Doug Watkins (b), Max Roach (ds)。リーダーのソニー・ロリンズのテナー・サックス1管がフロントの「ワン・ホーン・カルテット」編成である。

まず、ジャケットを見て欲しい。青のモノトーンをバックに、テナー・サックスを吹くソニー・ロリンズの上半身のシルエット。そして、ジャケットの下に小粋なタイポグラフィー。ジャズのジャケットやなあ〜、と感心するし、盤の中の音が漏れ聴こえて来る様な秀逸なデザイン。良く見れば、凄くシンプルな、1つ間違えば陳腐に落ちるデザインなんですけどね〜。特にLPサイズは「映える」。やはり、名盤には優秀なジャケットが良く似合う。
 

Saxophone-colossus

 
内容的には申し分無い、非の打ち所の無いハードバップな演奏が詰まっている。出だしが、マックス・ローチのドラムソロ。大先輩にトップバッターをお願いするリーダー・ロリンズの謙譲心。それはともかく、全編に渡って、リーダー・ロリンズのテナーの、イマージネーション溢れるパフォーマンスが群を抜いている。ダンディズム溢れる大らかで創造的なアドリブは聴き応え満点。

サイドマンでは、フラナガンのピアノが素晴らしい。もともとはバップなピアノをバリバリ弾くタイプのピアニストなんだが、ロリンズのテナーの個性を十分に理解して、歌伴の如く、小粋で味のあるバッキングに徹しているところニクい。全編に渡って、ロリンズの「歌伴」に徹したフラナガンのピアノが聴き終えた後、ロリンズのテナーの次に印象にしっかり残っている。

そして、ラストの「Blue 7」に、ジャズのアーティスティックな面を垣間見る。ブルーな雰囲気を持つ、モダンでクールなブルース。ファンクネスは抑制され、観念的、かつ哲学的な響きが不思議な感覚。結構複雑な展開の楽曲だが、それぞれの楽器の即興演奏は見事。即興演奏であるが故、演奏上の小さなハプニングが記録されているが、それまでもがこの演奏の良いスパイスに響くから面白い。このラストの1曲が実にジャズらしいのだ。|
 
 
 
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2021年9月21日 (火曜日)

エラの聴いて楽しめるライヴ盤

Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)は、女性ジャズ・ボーカリストのレジェンド中のレジェンド。1935年、18歳の若さで、デッカ・レコードより、レコード・デビュー。1956年に、ノーマン・グランツのレコードレーベルであるヴァーヴ・レコードと契約。伝説の「8枚のソングブックアルバム」をリリース。1972年から、パブロ・レーベルに移籍。後期〜晩年の優秀盤を録音している。

僕がジャズを本格的に聴き始めた頃(1970年代後半になるのだが)、エラについては、我が国のジャズ者の方々は手厳しくて、「全盛期は1950年代。全盛期を過ぎた1970年代のエラは大した事は無い。声も出ていない、迫力も無い。パブロから出てるアルバムは皆、懐メロ的なものばかり。あれを聴いて楽しめるのは、ロートルのジャズ爺だけじゃないか」なんて酷い評価を受けていたものだ。

Ella Fitzgerald『Ella In London』(写真左)。1974年4月11日、英国ロンドンのジャズ・スポット「Ronnie Scott's」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ella Fitzgerald (vo), Tommy Flanagan (p), Joe Pass (g), Keter Betts (b), Bobby Durham (ds)。エラのボーカルがメイン、トミー・フラガナンのトリオ+盟友ジョー・パスのギターがバックに控える。
 

Ella-in-london_ella-fitzgerald

 
冒頭「Sweet Georgia Brown」から、エラは快調に唄いまくる。力が程好く抜けて、リラックスした歌唱は実に良い感じ。しかも、ガーシュイン物、コール・ポーター物はさすがに手慣れたもの。やっぱり上手いよ、エラは。やっぱりスタンダード曲を唄わせたら最高やね。6曲目には、R&Bシンガーにも好んでカバーされるキャロル・キングの名曲「"You've Got a Friend」を唄っている。これも良い味出している。

バックのリズム・セクション+ギターも快調。特に、ピアノのトミー・フラナガンとギターのジョー・パスは「伴奏上手」で鳴らした超一流のジャスマン。機微をシッカリ心得て、エラの歌唱にピッタリと寄り添う。そして、ボビー・ダーハムのドラムが、これだけ繊細に硬軟自在に、ボーカルのバックにしっくりと填まるとは思わなかった。良好なリズム隊に恵まれたボーカリストはその実力を遺憾なく発揮する。

良い女性ボーカル盤です。ジャズ・ボーカルの歴史にその名を留めるような名盤では無いが、聴いていてゆったりと楽しめる、長年に渡ってリピートする「隠れ好盤」だと思います。聴いていて疲れない、心地良くスッと耳に入ってくる。ボーカル物ってそれが一番大切な要素じゃないかなあ、なんて、歳を重ねた結果、思うようになりました。
 
 
 
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2021年8月12日 (木曜日)

1974年のトミフラのソロ盤です

ネット上の音楽のサブスク・サイト。月額の一定料金で、様々なアルバムを聴くことが出来るのは便利なんだが、以前にリリースされた既出のアルバムのジャケットが、オリジナルと全く違っていることが多くあって、これには困りもの。お目当てのジャズ盤を特定する有力情報の1つが「ジャケット」。これが、全く違うものになっていると、その「特定」に困ることがある。

Tommy Flanagan『Solo Piano』(写真左)。1974年2月25日、スイスのチューリッヒでの録音。「名盤請負人」の誉れ高い、トミー・フラナガン(愛称「トミフラ」)の貴重なピアノ・ソロ作品である。が、あれっ、と思う。1975年録音のパブロレーベルから発売された『Comeback』、1977年にデノンから発売された『Alone Too Long』が彼の最初のソロ作品と言われていたはず。

この「やっつけ感」満載のいい加減なジャケットが故、最初「パチモン盤」かと思って見過ごしていたのだが、この盤、実は再発で、最初、2005年にリリースされた時、音源に別なピアニストが収録されていたことが発覚、即座にカタログから外され、長期にわたり廃盤になっていたもの。今回、その別なピアニストの音源を削って再発したものらしい。何だか、素性が怪しげなトミフラのソロ・ピアノ盤ではあるが、聴いてみると、恐らく全てのソロ・パフォーマンスがトミフラのものであると思われる。
 

Solo-piano-tommy-flanagan
 

このソロ・ピアノのパフォーマンスについては、トミフラが、エラ・フィッツジェラルドの歌伴を勤めていた1974年にスイスのチューリッヒで録音されたものとのこと。先に書いたが、これまでは1975年録音の『Comeback』、1977年リリースの『Alone Too Long』が、トミフラの最初のソロ作品だったのだが、このソロ・ピアノ盤は、さらにその前の録音になる。が、まあ、そんな記録的な要素は、トミフラのピアノを愛でるのには、あまり重要なことでは無い。

僕が聴いた音源は、収録曲は全11曲、収録時間46分のソロ・パフォーマンスである。収録曲は有名スタンダード曲で占められ、トミフラのピアノの個性とソロ・パフォーマンスとしての「アレンジの妙」がしっかりと確認出来る優れた内容。トミフラのパップでダイナミックな弾きっぷりが心地良い。

一旦活動を休止していたトミフラのカムバック盤は、パブロからリリースされた『A Day in Tokyo』(1975年の録音)とされていたので、その盤より1年早い、トミフラのソロ・ピアノ盤。そういう意味で、トミフラのカムバックは1974年ということになるのか。いやはや、不思議なソロ・ピアノ盤がリイシューされたものだ。2021年になっても、まだこういう音源がリイシューされるのだから、ジャズって面白い音楽ジャンルだと思うのだ。
 
 
 
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2021年6月 7日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・206

ジャズ・レジェンドの未発表音源というのはまだまだある訳で、今回のこのトミー・フラガナン(Tommy Flanagan・愛称「トミフラ」)のソロ・ピアノ盤の情報を見た時には、トミフラにもまだ未発表音源が残っていたのか、とちょっとビックリした。ビル・エヴァンスならともかく、トミフラについては、現在でも一般的に人気の高いピアニスト、という印象は無かったからだ。

Tommy Flanagan『In His Own Sweet Time』(写真左)。1994年10月9日、ドイツのノイブルク「バードランド・クラブ」でのライヴ録音。なんと、トミー・フラナガンのソロ・パフォーマンスを記録したライヴ盤で、これはトミフラ盤として珍しい。もともとはEnjaレーベルの音源。トミフラのソロ盤と言えば、我が国のデンオン・レーベルからリリースされた、1977年録音の『Alone Too Long』が浮かぶが、他にトミフラのソロ盤を僕は知らない。

もともと、トミフラのピアノは、優雅でハッキリとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなくファンクネス芳るもの。アグレッシブで刺激的なフラナガン。もともと、バップ・ピアニスト出身、これが彼の本質でしょう。決して力任せではない、抑制されたドライブ感が素晴らしい。この未発表音源であるライブ盤でも、トミフラのピアノは「バップ」。フレーズがしっかり立った明確なタッチが清々しい。
 

In-his-own-sweet-time

 
加えて、このソロ・パフォーマンスで感じるのは「典雅さ」。典雅とは「整っていて上品に美しいさま」の意なんだが、この形容がピッタリ当てはまる。バップなピアノでありながら、スウィンギーなフレーズ、流麗なメロディ・ライン、もともとトミフラのピアノには典雅な部分が見え隠れしたが、このライヴ・パフォーマンスでは、その「典雅さ」が露わになっている。

ミュージシャンズ・スタンダード曲や有名スタンダード曲、そして、その合間にトミフラの自作曲を織り交ぜて、トミフラは典雅にバップに切れ味の良いタッチで弾きまくる。聴いていてどこかキース・ジャレットの「スタンダーズ」でのピアノを思い出した。そのキースのピアノよりも、バップしていて端正で切れ味が良いトミフラのピアノ。このソロ・パフォーマンスにはほとほと感心した。

トミフラは特に我が国で人気が高かったピアニスト。しかし「名盤請負人」という、サイドマンに回ったパフォーマンスのみに評価が偏って、ちょっとピント外れな感が強かった。トミフラはメインのソロ・パフォーマーとしても超一流。このソロのライヴ盤を聴いてみれはそれが良く判る。まだこういう未発表音源があったんですね。他にあるんなら、出し惜しみせず、早く出して欲しいですね。
 
 
 

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2021年5月 4日 (火曜日)

名盤請負人の凄まじい適応力

 トミー・フラナガン(Tommy Flanagan、略して「トミフラ」)と言うピアニスト、バックに回っての流麗で機微を心得た弾き回しは「名盤請負人」と高く評価されている。恐らく、繊細できめ細やかな感性の持ち主なんだろうな、と思う。が、意外と職人肌で意外と「こだわる」タイプでもあるんだろうな、とこの盤を聴く度に思う。

Tommy Flanagan『Giant Steps』(写真左)。1982年2月の録音。」ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), George Mraz (b), Al Foster (ds)。トミフラお得意のピアノ・トリオ編成であるが、ベースのムラーツは相性抜群なので、トリオへの参入は理解出来るが、ドラムがアル・フォスターなのが面白い。

アル・フォスターは、エレクトリック期のマイルス・ディヴィスをリズム面で支えた名ドラマーで、ポリリズミックなファンク・ビートと、8〜16ビートのモーダルなドラミングに長けている。基本バップなピアニストであるトミフラが何故アル・フォスターをドラマーに招聘したのか。

実はこの盤、かのジョン・コルトレーンの歴史的名盤『Giant Steps』 から5曲、『Coltrane's Sound』から1曲、コルトレーン・サウンドの再演集なのだ。コルトレーンの歴史的名盤『Giant Steps』は、モーダルな「シーツ・オブ・サウンド」をベースにコルトレーン・サウンドが確立した歴史的名盤なのだが、Tommy Flanagan, Wynton Kelly, Cedar Walton の3人のピアニストを使い分けている。
 

Giant-steps-tommy-flanagan

 
が、いずれも、初見のコルトレーンの考えるモーダルな「シーツ・オブ・サウンド」に戸惑い、十分に理解出来ないまま、半信半疑なプレイに終始している。つまりは、考案者のコルトレーンだけがそれを理解していて(当たり前か)、コルトレーンのプレイだけが突出している内容になっている。

そんな中でも、僕はトミフラは大健闘していて、コルトレーンにしか理解出来ていない、モーダルな「シーツ・オブ・サウンド」に、初見で良く対応していると思う。しかし、1960年代後半から1970年代の評価は「トミフラですらもイマイチ」という無責任なもので、恐らく、トミフラ自身も忸怩たるものを感じていたと思う。

そんな状況の中での1982年、この再演盤である。見事にコルトレーン・サウンドを自家薬籠中の物とし、コルトレーン・サウンドのトミフラ解釈が見事である。この再演盤のトミフラのピアノには全く迷いも戸惑いもない。コルトレーンのフレーズをなぞることもない。トミフラの解釈で、コルトレーン・サウンドを展開している。

バックのリズム隊、ベースのムラーツ、ドラムのフォスターも最適なチョイスだった様で、トミフラ解釈のコルトレーン・サウンドにピッタリ適応している。恐らく、トミフラは大いに溜飲が下がったことだろう。トミフラのジャズ・ピアニストとしての適応力は並外れている。だからこそ、バックに回っての流麗で機微を心得た弾き回しは「名盤請負人」と高く評価されているのだ。
 
 
 

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2021年4月29日 (木曜日)

トミフラの「ブレない」職人魂

トミー・フラナガン(Tommy Flanagan・以降「トミフラ」)は「ブレない」ジャズ・ピアニストだった。1950年代、ハードバップ期に頭角を現し、以来ずっと、1960年代のジャズの多様化の時代も、1970年代のクロスオーバー〜フュージョンの時代も、メインストリームな純ジャズ路線を踏襲してきた。決して流行に流されない、そんなトミフラの「ブレない」職人魂に僕は感じ入る。

Tommy Flanagan『Eclypso』(写真左)。1977年2月4日の録音。ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), George Mraz (b), Elvin Jones (ds)。トミフラお得意のピアノ・トリオ編成。ドラムには、かの1950年代のトリオ名盤『Overseas』でトリオを組んだ、エルヴィン・ジョーンズがドラムを担当している(ちなみにベースはウィルバー・リトルだった)。

エルヴィンがドラムを担当するとなれば、やはり『Overseas』の再演となる4曲目の「Relaxin' at Camarillo」や、6曲目のタイトル曲「Eclypso」に耳がいく。『Overseas』の時より溌剌としていて、コクのあるパフォーマンスは聴き応え十分。ベースのムラーツは『Overseas』のウィルバー・リトルと比肩する腕の持ち主で、この『Overseas』の再演の2曲を聴いて、トミフラは確実に進化していたことを確信する。
 

Eclypso

 
タッド・ダメロンの「A Blue Time」やデンジル・ベストの「Denzil's Best」など、実に小粋な選曲もあって、なかなか楽しめるトリオ盤となっている。やはり、というか、特にというか、ドラムのエルヴィン・ジョーンズとの相性は抜群で、恐らくトミフラとしても、とても弾きやすいドラミングなんだろう、いつになく強力なプレイを繰り広げるトミフラが頼もしい。

ベースのジョージ・ムラーツについては、以降、しばしばトミフラのバックでベースを担当するムラーツである、トミフラとの相性は良好。2曲目の「Denzil's Best」での、ベースで奏でられた切ないテーマ部など、ムラーツの力量の片鱗を聴くようで、凄みすらある。アルバム全体を通じて、ムラーツの演奏をぐいぐい引っ張るベースラインは爽快である。

トミフラのバップ・ピアニストとしての「ハードなタッチがご機嫌なトリオ好盤」です。1970年代後半、フュージョン・ジャズ全盛期に、この様なメインストリームな純ジャズ路線のピアノ・トリオ盤を残しているところなど、トミフラの「ブレない」職人魂の面目躍如だと思います。ほんと、Enjaレーベルって良い仕事したなあ。
 
 
 

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2021年4月26日 (月曜日)

トミフラの『Super-Session』

トミー・フラナガン(Tommy Flanagan・以降、愛称で「トミフラ」と記す)のピアノが好きだ。初めて聴いたのが、僕がジャズを本格的に聴き始めた1978年だから、以降ずっとトミフラを愛聴して、既に40年以上、経過したことになる。

トミフラのピアノは聴いていて飽きない。タッチが明快でアドリブについては趣味良くメリハリの効いた、程好く心地良い疾走感が素敵。聴いていて難しいことは全く感じ無いが、アドリブ・フレーズに聴き耳を立てていると、意外と手の込んだフレーズを連発している。いわゆる小粋で渋い「職人芸」的なジャズ・ピアノである。

Tommy Flanagan『Super-Session』(写真左)。1980年2月4日、NYでの録音。エンヤ・レーベル(Enja label)からのリリース。ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), Red Mitchell (b), Elvin Jones (ds)。リーダーはトミフラ、トミフラのピアノが一番愛でることが出来る「トリオ」編成。

共演のベースのレッド・ミッチェル、ドラムのエルヴィン・ジョーンズ共に、トミフラのピアノとの相性はバッチリ。メリハリが効いて疾走感溢れ、トミフラのピアノの「技」にクイックに反応する。この最高のパートナーを得て、トミフラはバリバリ弾きまくっている。
 

Super-session-tommy-flanagan

 
全6曲、トミフラのオリジナルが2曲。他の4曲はスタンダード曲。特に、この多くのジャズマンに演奏された、いわゆる「手垢の付いた」スタンダード曲の解釈とアレンジが素晴らしい。トミフラの叩き出すフレーズは常に「新しい」。何処かで聴いたことがあるフレーズやアレンジがあっても良いもんだが、トミフラの叩き出す音にはそれが皆無。

バックのリズム隊もそうだ。ただ単純にバックでリズム&ビートを叩きだしているのでは無い。トミフラの叩き出す創造性豊かなフレーズに反応して、それを引き立て、その魅力を倍増させる様なリズム&ビートを、自分達の持つ「技」を駆使して叩き出している様が良く判る。素晴らしいインタープレイの応酬。

トミフラは伴奏上手、バッキング上手の「燻し銀」的ピアニストで、バックに回ってこそ、その実力を発揮する、なんていう古い評論を未だに見ることがあるが、それはトミフラの優秀性の「一面」だけを強調しているに過ぎない。この盤を聴いていて、その感を強くする。トミフラはフロントを張る、ドライブ感溢れる、小粋に典雅にバリバリ弾きまくるバップなピアニストである。

しかし、1980年というフュージョン・ジャズ全盛期に、よくこんな小粋で渋い内容のピアノ・トリオ盤を録音し、リリースしたものである。エンヤ・レーベル、良い仕事してます。
 
 
 

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2021年3月30日 (火曜日)

ドラムが省かれた変則トリオ

最近、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のリーダー作を聴き直したくなった。燻し銀な職人ピアニスト、洒脱なバップ・ピアニストのトミー・フラナガン、愛称「トミフラ」。リーダーとして前に出れば、アグレッシヴなバップ・ピアニスト、伴奏に回れば、小粋な職人芸的ピアニスト。どちらも「トミフラ」。プロフェッショナルの成せる技である。

Phil Woods, Tommy Flanagan & Red Mitchell『Three for All』(写真)。1981年、NYでの録音。enjaレーベルの3081番。改めてパーソネルは、Phil Woods (as), Tommy Flanagan (p), Red Mitchell (b)。リズム・セクションにドラムが省かれた変則トリオ編成。この変則トリオ編成は珍しい。

リズム&ビートはどうするんじゃい、と思わず突っ込んでしまう変則トリオ編成である。が、聴いて判るが、トミフラのピアノ、ミッチェルのベース、このピアノとベースが「リズム楽器」の役割も担っているのだ。ピアノの左手の「ブロックコード」、そして、アコベの「ウォーキング・ベース」。この2つがドラムの代わりに、リズム&ビートを供給する。
 

Three-for-all-1

 
と、簡単に言うが、これが意外と難しい。良く聴いていると、ピアノとベースが呼吸を合わせるが如く、それぞれ交互にリズム&ビートを供給したり、時にはユニゾンの様にピアノとベースが同時にリズム&ビートを供給したり。この盤、このピアノとベースの「リズム&ビート」の供給の技を存分に楽しむことが出来る。素晴らしい職人芸である。

そんな小粋なリズム&ビートをバックに、フィル・ウッズのアルト・サックスが気持ち良く吹き進んで行く。ウッズ独特のメリハリの効いた、ダイナミックでブリリアントでシャープなアルト・サックスには、ドラムはちょっと「うるさい」かもしれない。ウッズのアルト・サックスを愛でるのに、ドラムレスの変則トリオ編成は最適なのかも。

サックスのワンホーンの編成の場合、ピアノを省いて、ベースとドラムの変則トリオ編成でやる、というのはたまにあるが、ドラムを省くケースはごく僅か。この盤を聴いて思うのは、トミフラのピアノだからこそ、ということ。燻し銀な職人ピアニストだからこそ、このドラムレスの変則トリオ編成は成立している様に感じる。小粋な好盤です。enjaレーベル、なかなかやりますなぁ。
 
 
 

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2021年3月28日 (日曜日)

素晴らしいテクの連弾ジャズ

ジャズ・ピアニストは「弾き方やタッチ、和音の重ね方に独特の個性を持ち味とする」タイプと「端正でリリカルな弾き回しで、突出した個性は無いが、ピアニストとしての総合力を持ち味とする」タイプと2つのタイプに分かれると思う。どちらのタイプもそれが、それぞれのピアニストの特徴なので、どちらが優れているとか、優劣をつけるレベルではない。

前者の代表例は、セロニアス・モンク、バド・パウエル、ウィントン・ケリー、キース・ジャレット、チック・コリアなどがそうで、1曲聴けば、ほぼ誰が弾いているのかが判るほどの「他には無い独特の個性」を発揮するタイプ。

後者の代表例は、トミー・フラナガン、ケニー・ドリュー、マルグリュー・ミラー、ケニー・バロンなどがそのタイプで、暫く聴かないと判別できないのだが、その弾きっぷりは総じて「端正でリリカル」。アドリブ・フレーズの弾き回しなどに、そこはかとなく個性が発揮される。

以前は我が国では、どちらかと言えば「他には無い独特の個性」を発揮するタイプがもてはやされたが、今ではそれは是正されたと感じている。ジャズの世界でも「偏った聴き方」は本当に少なくなった。聴き手の方も成熟〜深化しているのだろう。

 
Together-tommy-flanagan-kenny-barron

 
Tommy Flanagan & Kenny Barron『Together』(写真左)。1978年の作品。日本のジャズ・レーベル「DENON」が企画・制作。ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), Kenny Barron (p) のみ。ピアノの連弾によるデュオである。クラシック・ピアノにも連弾はある。ジャズ・ピアノにも連弾はあるが、即興演奏を旨とするジャズでは、アドリブ展開時の音の衝突の回避など、ややこしいことが色々あるので、あまり多くは無い。

良く似たタイプ、先に挙げた「端正でリリカルな弾き回しで、突出した個性は無いが、ピアニストとしての総合力を持ち味とする」タイプの代表的ピアニスト2人での連弾デュオである。聴けば確かに良く似た弾きっぷりで、最初は判別がつかない。聴いていると、演奏をリードしているのがトミフラで、それに神妙に追従しているのがバロンかと思う。トミフラの方がファンクネスの度合いが少し濃い。バロンのタッチの方が跳ねるようでシャープ。

ある談話でバロンは、トミフラがバロンの中学生時代からのアイドルだと語っていた。それを見て思うのは、神妙に追従してはいるが、その弾きっぷりは実に嬉しそうであり、楽しそうなのだ。リードするトミフラのピアノは連弾相手の音を良く聴き、優しく柔軟にリードしている様だ。音がぶつかることも重なることも無い、素晴らしいテクニックの連弾ジャズである。
 
 
 

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