2024年5月30日 (木曜日)

ボブ・ジェームスの飽く無き深化

ボブ・ジェームスは、クロスオーバー〜フュージョン〜スムース・ジャズにおける、僕の一番のお気に入りアーティスト。10歳代半ばから、ずっとリアルタイムで、ボブ・ジェームスを聴き続けている。彼自身のキャリアは、60年を越える。フォープレイが解散状態に陥ってからは、自身のピアノ・トリオでの活動が目立っていた感がある。

Bob James『Jazz Hands』(写真左)。2023年10月のリリース。ボブ・ジェームス名義のスタジオ盤としては、2013年の『Alone: Kaleidoscope by Solo Piano』以来10年ぶりになる。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

Bob James (p), Ricky Peterson (Hammond B-3 org & Syn), Dave Koz, Andrey Chmut Tom Braxton (sax), David Marchione Sr., Will Patrick, Dwight Sills (g),Michael Palazzolo, Nathan Phillips (b), Carlos Camilo Perez (syn-b, drum programming), John Mahon (ds, perc), Ramon Yslas, Lenny Castro (perc), James Adkins, Jay Williams (ds),

演奏曲によって、適材適所なパーソネルで演奏されている様だが、ボブ・ジェームス作の楽曲、アレンジで固められているので、アルバム全体の一貫性は確保されていて、違和感は全く無い。

人選の基本方針は、昔のフュージョン・ジャズの手だれの名手を起用するより、現代のスムース・ジャズ畑とクラブ・シーンの優れたアーティストを選ぶ方向で人選している様だ。例外として、ディヴ・コズの様なビッグネームも参加しているのだが.... 。
 

Bob-jamesjazz-hands

 
豪華絢爛なパーソネルでのセッションの数々だが、それぞれのセッションの中心にいるのは、ピアノのボブ・ジェームスとアコースティック・ベースのマイケル・パラッツォーロ、ドラムのジェームス・アドキンスの「ボブ・ジェームス・トリオ」。そうすると、ジャジーなピアノ・トリオ+αのネオ・ハードバップな演奏を想起するのだが、ボブ・ジェームスの場合、単純にはそうはならない。

3曲目のタイトル曲「Jazz Hands」では、ラップもこなすR&Bシンガーでプロデューサー/サウンド・クリエイターのシーロー・グリーンを、8曲目の「That Bop」には、ヒップホップ・シーンの重鎮DJ・ジャジー・ジェフをフィーチャーしている。この音世界は、スムースなコンテンポラリー・ジャズとクラブ系ミュージックを融合させた様な音世界。単純なスムース・ジャズでは全く無い。曲のリズム&ビートに、ジャズ、ハウス、テクノ、トランス、ヒップ・ホップなどが見え隠れする。

ボブ・ジェームス自身のパフォーマンスも極上。今までのキャリアからくる、ボブ・ジェームスならではの手癖や決まりフレーズが出てきそうなものだが、音の重ね方、フレーズの展開など、今までのボブ・ジェームスにありそうで無かった、新しい響きのボブ・ジェームスの音が散りばめられている。それでも、アレンジの調子というか、展開というか、アレンジの個性がしっかり、ボブ・ジェームスしているところがニクい。

ボブ・ジェームスは、現在、84歳。これまでの輝かしいキャリアに安住することなく、新しいボブ・ジェームス・サウンドを生み出している様は尊敬に値する、と僕は思う。この盤には「深化」するレジェンド、ボブ・ジェームスがしっかりと「いる」。豪華絢爛なパーソネルのセッションだが、この盤の音の中心には、ボブ・ジェームスがしっかりと「いる」。
 
 

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2024年3月10日 (日曜日)

成熟&極上の Fourplay 『4』

フュージョン・ジャズの世界では、伝説的な人気グループが多くある。パッと頭に浮かんだだけでも、「スタッフ」「ジェントル・ソウツ」「クルセイダーズ」「ブレッカー・ブラザーズ」「ステップス・アヘッド」「スパイロ・ジャイラ」「イエロージャケッツ」など、個性溢れるバカテク集団がずらり。そして、僕が愛してやまないのが「フォープレイ」。

Fourplay『4』(写真左)。1998年の作品。ちなみにパーソネルは、Bob James (p, key, program), Larry Carlton (g), Nathan East (b, vo), Harvey Mason (ds)。ギター担当がリー・リトナーから、ラリー・カールトンの代わった最初のアルバム。フォープレイとしては、通算4枚目のスタジオ録音盤。

この「フォープレイ」は、フュージョン・シーンのレジェンド級の名うてのトップ・プレイヤー4人が集結したスーパー・グループ。管楽器は無く、ギター、キーボード、ベース、ドラムの「ギター・カルテット」。

フロントはギター、キーボードが担当する。メンバー4人とも、実績十分、貫禄十分、人気十分、テクニック十分。そんな4人がガッチリとグループを組んで奏でる、極上のソフト&メロウなフュージョン・ミュージック。

この盤は、ギターがリトナーからカールトンに代わった最初の盤。カールトンのギターがソウルフルでブルージーな分、大人のフュージョンというイメージがより強くなっている。カールトンのギターの個性に合わせているのか、全体的には、ミドルからスローなテンポがメイン。これが、極上のソフト&メロウでブルージーなグルーヴを醸し出している。

このカールトンのギターが良い。バンド・サウンドの中にしっかり溶け込むカールトンのギター。カールトン入りのフォープレイの音の雰囲気をしっかりと決定づけている。
 

Fourplay4

 
ボブ・ジェームスのキーボードが良い。カールトンに寄り添う様に鼓舞する様にソフト&メロウに、時に切れ味よくシャープに乱舞する。ボブ・ジェームスはアコピにエレピに八面六臂の大活躍。マイルドでメロウなキーボード・ワークだが、押さえるべきところは、しっかりとメリハリあるフレーズで押さえているところはさすが。

ネイザン・イーストのエレベが良い。ゴリっと鋼質な粘りのあるベース音。ソフト&メロウな雰囲気の演奏全体を引き締めている。特に、演奏のビートの底をしっかりと支えているベース・ワークは極上の職人芸。

そして、ハービー・メイソンのドラムが良い。バンド全体のリズム&ビートの要。演奏全体の調子、雰囲気を柔軟にコントロールする。抑制の効いた、変幻自在、硬軟自在なドラミングは「大人のドラミング」。叩きまくるだけがドラムでは無い。味のある小粋なドラミングはメイソンならでは、である。

とりわけ、3曲目のマーヴィン・ゲイの名曲「Sexual Healing」は、R&Bっぽい、黒いソウルフルなサウンドが特徴的。カールトンのギターの個性にぴったりの雰囲気で、仄かにファンクネス漂うボブ・ジェームスのキーボードがこの曲のアレンジにバッチリ合う。この演奏はカールトンの参加ならではの選曲&演奏だろう。

全体に淡い霞がかかった様な、淡く広がる様な、奥行きのあるサウンド。それでいて、リズム&ビートはしっかりと効いていて、ブルージーなグルーヴ感が濃厚、ゆったりとしたオフビートが「立って」いる。

よりマイルドな、よりソフト&メロウな「成熟した大人のフュージョン」な作品に仕上がっている。フュージョン・ジャズの最高峰に位置する、極上のパフォーマンス。好盤です。
 
 

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2023年4月22日 (土曜日)

アコピだけのボブ・ジェームス盤

ボブ・ジェームスは僕の大のお気に入りのミュージシャンの1人。本格的にジャズを聴き始める前から、1970年代前半の頃、FMのクロスオーバー・ジャズ特集で耳にして以来、ずっと、リアルタイムにボブ・ジェームスを聴き続けてきた。振り返れば、初リーダー作の『One』から、ずっとリーダー作を欠かさず聴いてきたことになるのか。

Bob James『Grand Piano Canyon』(写真左)。1990年の作品。ボブ・ジェームスの22枚目のリーダー作。ちなみにパーソネルは、Bob James (ac-p, horn-arr) はリーダーとして全曲参加だが、演奏曲毎にメンバーを選定している。パーソネルを見渡すと、後のフュージョンのスーパー・バンド「Fourplay」の初代メンバーが集結している。

ボブ・ジェームスはキーボーディストとしての腕前は超一流。フェンダー・ローズ、シンセサイザーといったエレクトリック・キーボードの演奏は素晴らしい。特に、フェンダー・ローズの腕前はトップクラス。さすが、フュージョンの大御所と呼ばれる所以である。

しかし、ボブ・ジェームスはアコースティック・ピアノの腕前も素晴らしいものがある。もともとは、ポスト・バップ〜フリー志向のジャズ・ピアニストから、彼のキャリアはスタートしているので、当たり前と言えば当たり前なんだが。メインストリームな純ジャズでは、なかなか出せなかったボブ・ジェームスの個性が、フュージョン・ジャズの中で花開いたと言って良いだろう。

特に「ピアノを唄わせる」様な弾きっぷりが個性。テクニックに走るのでは無く、ゆったりとしたテンポの中で、右手のシングルトーンで「フレーズを唄わせる」様にピアノを弾く。
 

Bob-jamesgrand-piano-canyon

 
タッチは硬質で明確、従来のジャズ・ピアノとは、音の重ね方が違っていて、メジャーにポップに響く。いわゆる「フュージョンのエレピ」の奏法をアコースティックに置き換えた様なピアノなのだ。

そんな「ボブ・ジェームスのアコースティック・ピアノ」を心ゆくまで愛でることが出来るアルバムがこの『Grand Piano Canyon』。このアルバムでは、ボブ・ジェームスはアコースティック・ピアノしか弾いていない。それほど、アコースティック・ピアノに拘って、フュージョン・ジャズ志向の演奏を展開している。

ボブ・ジェームス節満載のフュージョン色の色濃いサウンドから、後のフュージョンのスーパー・バンド「Fourplay」に繋がるスムース・ジャズ志向のサウンド、アコースティック・ピアノの深くて豊かな音が前面に押し出されてくる様な好アレンジまで、演奏のアレンジ、内容については、徹頭徹尾「ボブ・ジェームス」の音世界。

ボブ・ジェームスのアレンジャー&プロデューサーの引き出しの多彩さが反映されたラエティ溢れる内容だが、どの演奏にも「ボブ・ジェームス節」が炸裂していて、アルバム全体に統一感がある。コンテンポラリーな純ジャズとしても十分に評価出来る、優れた内容のアルバムである。

カバー・アートは、David Grath による「グランド ピアノ キャニオン」と題された原画から複製されたものだとか。良い内容のアルバムには、良いカバー・アートが宿る。このボブ・ジェームスの『Grand Piano Canyon』、1990年代のフュージョン&スムース・ジャズの傑作の1枚だろう。
 
 

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2023年1月21日 (土曜日)

ジャズ・ファンクに「フルート」

ジャズ・フルートについては、フルートという楽器が、元来、音が丸くて、線が細い印象があって、ジャズのフロント楽器としてはちょっと弱くて、ジャズでのフルートの活用は、当初は、クラシックのジャズ化やライトなラテン・ジャズなど、イージーリスニング・ジャズ志向がほとんどだった。

Hubert Laws『Romeo & Juliet』(写真左)。1976年の作品。Columbiaレーベルからのリリース。プロデュース&アレンジはボブ・ジェームスが担当している。当時、CTIレーベルの専属アレンジャーだったボブ・ジェームス。よくまあ、Columbiaレコードのこの盤の制作に協力できたもんだ、と感心する。恐らく、この後、ボブ・ジェームスはCBSに移籍するので、CTIとCBSの契約の端境期だったのかもしれない。

ちなみにパーソネルは、主だったジャズマンとして、Hubert Laws (fl), Bob James (key, Fender Rhodes), Mark Gray (key), Eric Gale, Richie Resnicoff, Barry Finnerty, Steve Khan (g), Gary King (b), Andy Newmark, Steve Gadd (ds), Ralph MacDonald (perc), Alan Rubin, Randy Brecker, Jon Faddis, Marvin Stamm, Bernie Glow (tp, flh), Allen Ralph, David Taylor, Wayne Andre (tb)。ここに豪華なストリングスとボーカル・グループが加わる。

いきなり冒頭ストリングスが大々的に入ってくるので、この盤って、ウィズ・ストリングス系のイージーリスニング・ジャズなのか、と思わず身構える。しかし、ボブ・ジェームスがプロデュースを担当している。それも、1970年半ば、ボブ・ジェームスは、フュージョン・ジャズの仕掛け人として、日の出の勢いの時期。で、程なくストリングスが去って、極上のファンク・グルーヴを伴ったタイトなリズム隊が出てきて、力強いロウズのグルーヴィーなフルートが絡んでくる。
 

Hubert-lawsromeo-juliet

 
それまで、クラシックのジャズ化、ファンキーなクロスオーバー・ジャズ、時々、ライトなラテン・ジャズで、どちらかと言えば、イージーリスニング・ジャズ志向の活躍をしてきたロウズが、ジャズ・ファンクにジャズ・フルートをマッチさせた優秀盤である。パーソネルも、ボブ・ジェームスのジャズ・ファンクなフュージョン・ジャズに欠かせない、ボブ・ジェームス御用達のリズム隊が集結している。

冒頭の「Undecided」は、ボブ・ジェームスのアレンジ志向が色濃い、CTIレーベルぽいジャズ・ファンク。メロウで渋いエレピ&ベース・フレーズに乗ったロウズのフルートが素敵な「Tryin To Get The Feeling」。「What Are We Gonna Do」「Guatemala Connection」のソフト&メロウなフュージョン・ファンクは魅力的。

バリー・マニロウ「歌の贈り物」(1975年11月リリースの大ヒット曲)や、クラシックのチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」をカヴァーしているが、ボブ・ジェームスの手によって、グルーヴィーなアレンジが施され、ファンキーでグルーヴィーなロウズのフルートが素晴らしいインプロビゼーションを披露している。アレンジとしては「ボブ・ジェームス色」濃厚。

この盤、ボブ・ジェームズのアレンジ&キーボードとヒューバート・ロウズのフルートの相性がとても良いことが良く判る。Columbiaレーベルからのリリースだが、音だけ聴くと、この盤は「CTIレーベル」からのリリースと勘違いするくらいだ。但し、このジャケのデザインはイマイチ。CTIレーベルとは似ても似つかない酷いもので、ジャケをみるだけでは、この盤には直ぐには触手は伸びないだろう(笑)。
 
 

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2023年1月13日 (金曜日)

ロウズ=B.ジェームスのライヴ盤

ふと、フュージョン・ジャズが聴きたくなる時がある。僕がジャズを本格的に聴き始めた頃は、フュージョン・ジャズの全盛期。フュージョン・ジャズについては全く拘りは無い。良い音楽と悪い音楽、という話があるが、純ジャズだろうが、フュージョン・ジャズだろうが「良い音楽」と感じればそれでいい、と思っている。

Hubert Laws『The San Francisco Concert』(写真左)。1975年10月4日、オークランドの「Paramount Theatre」でのライヴ録音。CTIレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Hubert Laws (fl), Bob James (el-p, arr, cond), Glen Deardorff (g), Gary King (b), Harvey Mason (ds) のクインテットがメイン、バックにオーケストラが付く。

全編に渡って、ヒューバート・ロウズのフルートが堪能出来る。オーケストラを従えた豪華な伴奏をバックにしながら、ロウズのフルートがしっかりと前面に出て、素晴らしいパフォーマンスを披露している。フルートの音は音が丸くて、線が細い印象があるのだが、ロウズのフルートは音は丸いが、太くて力強くてシャープ。切れ味の良いフレーズでグイグイ吹きまくる。
 

Hubert-lawsthe-san-francisco-concert

 
フュージョン・ジャズのロウズにはボブ・ジェームスのエレピとアレンジが欠かせないが、このライヴ盤でもボブ・ジェームスがエレピとアレンジ、そして指揮を担当している。そして、演奏される曲も「Feel Like Making Love」(『Bob James I』収録)、「Farandole」(『Bob James II』収録)と、ボブ・ジェームスのアルバムの中で、印象的なロウズのフルートが映える曲を選んでいる。

当時、リアルタイムでボブ・ジェームスのフュージョン盤を聴いていた僕達にとっては、このFeel Like Making Love」と「Farandole」でのロウズのフルートはしっかりと耳に残っている。「Scheherazade」も内容は充実していて、クラシックにも精通するロウズの面目躍如的フルートが堪能出来る。

クラシックとジャズの融合(フュージョン)という切り口で、このロウズ=ボブ・ジェームスのコラボは数々の印象的なパフォーマンスを残しているが、それが、この盤ではライヴ音源で聴けるのだから、フュージョン者にとっては、このライヴ盤は価値がある。ブラス・セクションのアレンジ、オーケストラのアレンジもボブ・ジェームス節炸裂で充実している。なかなか聴き応えのあるフュージョン盤である。
 
 

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2022年2月 9日 (水曜日)

ボブ・ジェームスの最新ライヴ盤

ボブ・ジェームス(Bob James)は、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。ボブ・ジェームスの音に出会って、かれこれ48年になる。初めて聴いた盤が『Bob James One』。彼の弾くエレピに惚れ惚れし、彼のアレンジに感じ入った。そして、演奏するミュージシャンは、フュージョンの一流どころ。そんなハイレベルな演奏にウットリである。

Bob James『Feel Like Making LIVE!』(写真左)。2022年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bob James (p, key), Michael Palazzollo (b), Billy Kilson (ds)。ボブ・ジェームスによくある、ジャズの大編成の楽団を従えた豪華な演奏では無く、ボブ・ジェームスのトリオによる、シンプルなスタジオ・ライヴ録音になる。

ボブ・ジェームスのライヴ盤と言えば『All Around the Town』(1981年)なんだが、これがあんまし良い出来では無くて、人気絶頂だったボブ・ジェームスのライヴ音源を無理矢理リリースした感じで、ボブ・ジェームスのライヴ盤については、あまり良い思い出がない。今回、新たなライヴ盤が出る、というニュースを聞いても、あまり触手は伸びなかった。
 
が、ボブ・ジェームスは、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。やっぱり聴きたくなるのが人情ってもので、今回、じっくりと聴いてみた。冒頭の「Angela」は、懐かしいアルバム『Touchdown』に収録された名曲。シンプルにスムースに、ボブ・ジェームスのトリオは演奏を進めるが、ちょっと調子が出ないみたいで、昔のライヴ盤の悪しき思い出が胸をよぎる。
 

Feel-like-making-live

 
しかし、2曲目「Rocket Man」。エルトン・ジョン「ロケット・マン」のカヴァー。これが名演でアレンジ良好、シンプルで流麗なトリオ演奏で、エルトン・ジョンの名曲を朗々と弾き進めていく。この「ロケット・マン」から、ボブ・ジェームスのトリオも調子を出してきて、極上のフュージョン・トリオの演奏が繰り広げられていく。

選曲も充実していて、目立ったところでは、ジャズ・スタンダード曲から「Misty」「Nardis」が演奏されていて、これがまた味のある演奏。これらスタンダード曲をストレート・アヘッドな演奏では無く、あくまで、上質のフュージョン・アレンジで演奏するところが、フュージョン・ジャズの大御所、ボブ・ジェームスの面目躍如。

そして、ボブ・ジェームスの過去のアルバムの中から、懐かしいセルフ・カヴァーである「Nautilus」「Feel Like Making Love」(アルバム『One』収録)、「Night Crawler」(アルバム『Heads』収録)、「Westchester Lady」(アルバム『Three』収録)が演奏されていて、充実の演奏で、在りし日の懐かしさが甦る。

昔のライヴ盤の悪しき思い出を過去のものとした、内容の濃いスタジオ・ライヴ盤です。ボブ・ジェームスは今年83歳。しかし、この今回のライヴ盤からは、年齢から来る衰えは全く感じ無い。どころか、スムースな響きのする今様のフュージョン・ジャズを披露するところなどは、まだまだ現役バリバリである。脱帽である。
 
 
 
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  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

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2020年3月 3日 (火曜日)

ボブ・ジェームスらしさ満載

フュージョン・ジャズ全盛期をリアルタイムで体験しているので、21世紀の今になっても、フュージョン・ジャズがお気に入りである。ジャズを聴き始めた時も、純ジャズの歴史的名盤を聴き漁るかたわら、フュージョン・ジャズのアルバムをちょくちょく買っては聴いていた。今でも、フュージョン・ジャズの盤については、毎月チェックする。今はネットがあり、サブスクの音楽サイトがある。チェックをするにも良い時代になったものだ。

フュージョン・ジャズの最初のお気に入りミュージシャンが「ボブ・ジェームス(Bob James)」。本格的にジャズを聴き始める前、高校時代にFMのエアチェックで、ボブ・ジェームスの「はげ山の一夜」や「カノン」を聴いていたのが切っ掛けだと思う(他には、デオダートやリー・リトナーをエアチェックして聴いていた)。ジャズのアルバムを初めて購入した時、ボブ・ジェームスの『ヘッズ』が入っていたのだから、よっぽど、お気に入りだったのだろう。

Bob James『Playin' Hooky』(写真左)。1997年の作品。ちなみにパーソネルは、Bob James (key), Steve Gadd (ds), James Genus (b), Fareed Haque (g), Dave Samuels (vib), Cyro Baptista (perc), Emedin Rivera (perc), Lenny Castro (per), Boney James (ts), Chris Walker (b), Chuck Loab (g), Nathan East (b), Nick Moroch (g), Billy Kilson (ds), Hilary James (vo), Rick Braun (tp, flh), etc.。ボブ・ジェームスお得意の曲によって、ミュージシャンの編成を変えて録音する「プロデューサー・スタイル」。
 
 
Playin-hooky-1  
  
 
実は不覚にも、僕はこのアルバムを聴き逃していた。1997年なので、まだネットの情報が不足していた時期。CDショップからのニュー・リリースの情報もチープで、ジャズ系の雑誌が「スイング・ジャーナル」だけ。昔あったフュージョン・ジャズ系の雑誌「アドリブ」は編集方針が良く判らず、フュージョン〜スムース・ジャズの情報には偏りがあった。つまりは情報不足でリリースを見逃した訳で、不徳の致すところである。今では、まず、こういうことは無い。ネットがあるし、サブスクの音楽サイトもある。

この盤、昔のボブ・ジェームスに戻った感のある雰囲気が実に好ましい。打ち込み系のスムース・ジャズもあるが、アルバム全体の雰囲気はフュージョン・ジャズ。特に、ボブ・ジェームスが、CTIやCBS時代を彷彿とさせる、フェンダー・ローズを結構、弾きまくっているのだ。う〜ん、ボブ・ジェームスにはローズが良く似合う。で、アレンジの腕も大いに振るっていて、冒頭の「Playing With Fire」なぞ、ショパンのエチュードのフレーズを拝借して、バラエティー溢れる展開。

随所にボブ・ジェームスの手癖、アレンジ癖が散りばめられていて、往年のボブ・ジェームス者にとっては堪らない内容。リズム&ビートについては打ち込みが結構あるが、この盤では、ボブ・ジェームスのキーボードが前面に押し出されている分、気にはならない。この盤での唯一の課題はこの「打ち込み」の存在。非常に良くプログラミングされているが、やはり、人のパフォーマンスには及ばない。でも、この『Playin' Hooky』、ボブ・ジェームスらしさがよく出ていて好印象です。
 
 
 

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【更新しました】2020.03.02
  まだまだロックキッズ ・・・・ クールで大人な『トリロジー』

【更新しました】2020.03.01
  青春のかけら達 ・・・・ 荒井由実『MISSLIM (ミスリム)』 

 

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2019年1月23日 (水曜日)

クロスオーバーなビッグバンド

この盤は典型的な1970年代の米国でのクロスオーバーなビッグバンドの音である。電気楽器を大々的に使用して、アレンジは仰々しいほどにダイナミックで、効き過ぎるほどメリハリが効いている。展開は大掛かりで派手なもの。加えてここに、ハイノート・ヒッター、ファーガソンのトランペットが加わるのだ。まことに米国らしいド派手な演奏である。

Maynard Ferguson『Primal Scream』(写真左)。1975年の作品。プロデューサーは、クロスオーバー・ジャズの時の人「ボブ・ジェームス」。当時はクロスオーバー・ジャズが流行。コロンビア・レコードからのリリースなのだが、ボブ・ジェームスの起用は「なりふり構わず」な感じ。クロスオーバー・ジャズとして、ファーガソンを売りたい。そんなレコード会社の思惑が感じられて面白い。

ビッグバンドのメンバーを見渡して見ると、ドラムにスティーヴ・ガッド、ベースにゲイリー・キング、ギターにエリック・ゲイル、ジェフ・ミロノフ、パーカッションにラルフ・マクドナルド、テナーにジョー・ファレル、アルトにデヴィッド・サンボーン、と何だか名前を見ていると、CTIレーベルのオールスターの様な様相である。チック・コリアも1曲だけだが参加している。とにかく「売りたい」というレコード会社の気合いが感じられるパーソネルである。
 

Primal_scream  

 
この盤でのメイナード・ファーガソンのトランペットは申し分無い。ハイノート・ヒッターとして効果的に場面を選んでバッチリ決めているし、通常のトランペットのソロも落ち着いていて、フレーズのイマージネーションも充実している。ビッグバンドの演奏は確かにド派手で大掛かりなものだが、ファーガソンのハイノート・トランペットを受け切るには、ある程度、必要なものなんだろう。

キーボードは明らかにボブ・ジェームス。ボブ・ジェームスの独特の手癖、フレーズが出てくる出てくる。それでも、アーバンで流麗なボブ・ジェームスのキーボードは、鋭角で切れ味鋭いファーガソンのトランペットとは対照的で、意外と相性が良い。クロスオーバー志向のビッグバンドとして、演奏全体もしっかりまとまっていて、聴き心地も良好。

タイトルの「Primal Scream」とは「感情をそのまま解き放ったような金切り声」の意味だが、恐らく、ファーガソンのトランペット、特にハイノート・ヒッターとしてのファーガソンを連想させるタイトル。そんなファーガソンのトランペットを、豪華メンバーが控えるクロスオーバー・ジャズ志向のビッグバンドをバックに堪能出来る。なかなかの好盤である。

 
 

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2018年9月30日 (日曜日)

ボブの純ジャズ・トリオ盤です

ボブ・ジェームスと言えば、フュージョン・ジャズの大御所。1960年代後半、元々は前衛が入ったフリー・スタイルなジャズ・ピアニストであったが、1970年代に入って、ほどなくクロスオーバー・ジャズに転身。特にアレンジの才が開花し、クロスオーバー・ジャズのアレンジャー兼キーボード奏者として頭角を現す。1970年代後半には、押しも押されぬフュージョン・ジャズの第一人者となった。

ボブ・ジェームスはその後、1980年代から今に至るまで、フュージョン・ジャズの第一人者として活躍してきた。が、21世紀に入った辺りから、純ジャズに取り組み始めている。恐らく、原点回帰であろう。ボブ・ジェームスも今年で79歳。音楽人生の総決算として、純ジャズに取り組んでいるのだ、と想像している。

Bob James『Espresso』(写真左)。今年8月末のリリース。 ちなみにパーソネルは、Bob James (ac-p, el-p), Billy Kilson (ds), Michael Palazzolo (b)。バリバリ硬派なピアノ・トリオである。ボブ・ジェームスとしては、アコースティック・ピアノ(略して「アコピ」)がメインの純ジャズ系のピアノ・トリオとしては実績に乏しい。それでも1996年の『Straight Up』は素敵なピアノ・トリオ盤であった。
 

Espresso_bob_james

 
ボブ・ジェームスのアコピは「総合力」で勝負するタイプ。一聴しただけでは誰のアコピか判らない。アコピの響きが美しい、流麗で耽美的、それでいてタッチはしっかりしている、いわゆる「エバンス派」のアコピである。テクニックもあり、フレーズは端正。唯一、ボブ・ジェームスの個性かなと感じるのは、フュージョン盤でのアコピのソロに通じる、間を活かしたミッドテンポのフレーズとアコピの豊かな響き。

途中、エレクトリック・ピアノ(略して「エレピ」)を活かした、ハイブリッドなトリオ演奏があるのだが、エレピのトリオ演奏に先導されたアコピのソロは明らかに「ボブ・ジェームス」。さすがはフュージョン・ジャズの大御所。フュージョン系の伴奏をバックにすると、アコピの個性が露わになる。アコピだけだと強烈な個性は現れないんだが、エレピの伴奏をバックにすると、たちまち、アコピの個性が現れる。

アコピの純ジャズ・トリオ演奏としては及第点かな。アルバムに収録された楽曲それぞれのアレンジはやはり優秀で、アコピ演奏の「総合力」は高いものがある。お供のベースとドラムもその演奏力は高い。トータルでなかなか充実したトリオ演奏では無いでしょうか。もう少し、アルバム構成としてメリハリかテーマ性が欲しいです。そろそろ、純ジャズ路線の「渾身の一枚」を出して欲しいですね。それでも、この盤、好盤だと思います。

 
 

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2018年7月21日 (土曜日)

CTI All-Starsの傑作ライブ盤

1970年代前半のクロスオーバー・ジャズについては、聴き直してみると、とても面白い。ロックの影響からか、電化楽器と8ビートの積極活用がメインなんだが、演奏そのものはハードバップだったり、モード・ジャズだったりで、温故知新というか、旧来の純ジャズの演奏を、電化楽器と8ビートでリニューアルした様な、そんな「新装開店」な雰囲気が実に味わい深い。

電化楽器と8ビートでリニューアルした様な「クロスオーバー・ジャズ」については、CTIレーベルを探ると結構出てくる。さすが、クロスオーバー・ジャズの老舗レーベルである。そんな中で、これはイチ押し、CTIオールスターズの演奏の中で、電化楽器と8ビートの積極活用を心ゆくまで楽しめるライブ盤がある。

CTI All-Stars『CTI Summer Jazz At The Hollywood Bowl』(写真)。1972年7月30日、ハリウッド・ボウルでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Deodato (key), Jonny Hammond (key), Bob James (key), Ron Carter (b), Jack DeJohnette (ds), George Benson (g), Airto (Perc), Hank Crawford (sax), Joe Farrell (sax), Stanley Turrentine (sax), Grover Washington, Jr. (sax), Freddie Hubbard (tp), Hubert Laws (fl), Milt Jackson (vib), Ester Phillips (vo)。
 

Cti_summer_jazz_at_the_hollywood_bo

 
とにかく、CTIレーベルを聴き込んだ耳からすると、懐かしいやら嬉しいやら。まず、確実に耳につくのが、ボブ・ジェームスとデオダートのキーボード演奏。この2人のキーボードの音は個性に溢れ、アドリブ・フレーズを聴くと直ぐに判ります。特にデオダートのキーボードは懐かしい音です。CTIレーベルの諸作を聴き込んだあの頃が脳裏に浮かびます。ベンソンのギターも聴きもの。唄う画如くのフレーズ、メリハリの効いたソロの構成力、ギタリスト=ベンソンの面目躍如です。

ブヨンブヨンのベースは明らかにロンですし、フロントのサックス隊、クロフォード、ファレル、タレンタイン、ワシントン・ジュニアも大活躍。電化楽器と8ビートに良く合った音色とフレーズでガンガンに飛ばします。リズム隊はデジョネットとアイアートの独壇場。音のアクセントに、ハバードのトランペット、ロウズのフルート、ミルトのヴァイブが小粋に響きます。いや〜、今の耳で聴いても、ほんとエキサイティングで格好良い演奏の数々。

CTIがもっとも充実していた時代、CTI All-Starsの1972年のライブ音源。CD2枚組(LP時代は3枚ばら売りだったかと)にコッテコテのCTIサウンドがてんこ盛り。これでもか、と言わんばかりの、CTIレーベルのフル・オール・キャスト、豪華メンバーで繰り広げられるライブ演奏。しかも、時代の勢いがそうさせるのか、いずれのメンバーの演奏するフレーズには、かなり気合いが入っているのが判ります。適当な顔見世興行で無いことが良く判ります。好盤です。
 
 
 
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