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2017年8月14日 (月曜日)

デビュー40周年セルフカバー盤

夏風邪をひいたらしい。昨日は朝から喉が痛い。こういう時は風邪薬を飲んで安静にしているが一番。夏風邪やな〜これは、と思うのは、いつの季節も風邪をひいて安静にしていないといけない時、自然とブログを書く気が起こらないのだ。昨日もそうだった。ブログを書く気が起こらない。故に、昨日のブログは急遽、お休みと相成った。

しかし、子供の頃から静かな部屋の中でジッと寝ているのが好きでは無いので、ブログを書く気は起こらなくても、音楽はジャズは聴きたい気持ちは強くあって、昨日も音楽をジャズを聴きながらの安静である。しかし、そんな時はハードな硬派な純ジャズはいけない。耳当たりの良い、爽快なフュージョン・ジャズが良い。「爽快な」とくれば、まずはエレギ中心のフュージョンだろう。

そんなエレギ中心のフュージョン盤の中で、印象に残ったアルバムがこれ。PRISM『Celebrate』(写真左)。PRISM(プリズム)とは懐かしい。学生の頃から社会人の若かりし頃、随分、お世話になった和製フュージョン・バンドである。改めて「プリズム」は、和田アキラ(ギター)と渡辺建(ベース)を中心に1975年に結成されたフュージョン・バンドである。
 

Prism_celebrate

 
デビュー盤『PRISM』のリリースが1977年なので、今年で40周年。そう、この新作『Celebrate』は、「プリズム」のデビュー40周年記念セルフカバーBest盤なのである。そう言われれば「なるほど」と思う訳で、どの曲もどこかで聴いたことのある曲ばかりなのだ。とにかく、和田アキラのエレギを心ゆくまで楽しむ事が出来る。

もともと「バカテク」集団だった「プリズム」。セルフカバーということで、オリジナルと比較してどうか、ということになるが
、これはこれで良い出来では、と思います。オリジナルに比べて、細かいニュアンスなど、細部に渡る表現力がアップしているというか、非常に良く作り込まれ、弾き込まれた「セルフカバー」という気がします。

セルフカバー集だからといって、オリジナルと比較しすぎるのは「野暮」というもの。オリジナルと比べすぎると、聴いていてしんどいかも。「プリズム」デビューから40年。楽器も進歩し、録音技術も進歩し、演奏テクニックも年齢に応じて変化し、このデビュー40周年記念盤には「今」のプリズムがギッシリと詰まっていて、そのプリズム独特の「爽快感」は健在です。

 
 

東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年7月22日 (土曜日)

底抜けに明るいソウル・ジャズ

暑いですね〜。最近の夏はいつも「猛暑モード」。予報で「冷夏かも」という年もあったが、すべて「猛暑」。もう猛暑日と聞いてもビックリしなくなって久しい。ここ千葉県北西部地方では、特に今年は空梅雨状態で大した雨も無く(台風が来た時、結構降った位かなあ)いきなり夏空に突入したので、とにかく暑い。

暑い時は難しいジャズは絶対に回避。音楽を聴く心が「バテる」。聴いていて心がウキウキするようなジャズが良い。ノリの良いブルージーでリズミックなジャズが良い。そんなジャズをエアコンの効いた部屋の中で、好きな本でも読みながらゆったり過ごす。暑い夏でも「至福の時」である。

そんなこんなで選んだアルバムが、George Benson『It's Uptown』(写真左)。1966年の作品。ちなみにパーソネルは、George Benson (g, vo), Ronnie Cuber (bs), Bennie Green (tb), Lonnie Smith (org), Jimmy Lovelace (ds), Ray Lucas (ds, tracks 2, 3)。渋い、渋いパーソネルである。
 

Its_uptown

 
ロニー・キューバのバリサク、ベニー・グリーンのボーン、そしてなんと、ロニー・スミスのプログレッシブなオルガンがバックに控えている。明らかにファンキーでソウルフルな、聴いていて心がウキウキするようなジャズが聞こえてきそうなメンバー構成である。R&B基調のとびきり楽しいジャズが展開される。

当時のベンソンの紹介文に「The Most Exciting New Guitarist on the Jazz Scene Today(今日のジャズシーンで最もエキサイティングな新進ギタリスト)」と書かれていた様に、その期待に違わず、ベンソンはソウルフルにブルージーに、R&Bっぽいギターを弾きまくる。少しだけ披露するボーカルも良い感じ。後の「唄って弾きまくるジャズギタリスト」の片鱗を見せてくれる。

後のソフト&メロウなフュージョン・ギタリスト兼ボーカリストのベンソンとは雰囲気が異なるが、このあっけらかんとした、明るいキャラクターの方がベンソンの本質なんだろう。アルバム全編に渡って、底抜けに明るいソウルフルなジャズが聴ける。こういう、あっけらかんとしたジャズは、難しいこと考えずに楽しく聴ける。この猛暑の夏にピッタリである。

 
 

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2017年7月20日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・84

ジャズはビートルズをカヴァーするのが好きである。ジャズの世界では、ビートルズの楽曲のカヴァー盤が大量に存在する。ビートルズの楽曲をカヴァーするだけで「売れる」と思ったんだろうなあ。実に安直なアプローチ(笑)。結局、今の耳で振り返って、アレンジと演奏のレベルが高かったものだけが残った。まあ、カヴァー盤なんてそんなもんである。

Bill Frisell『All We Are Saying...』(写真左)。2011年6〜7月の録音。捻れギタリストの最右翼、ジャズというジャンルを超えた、聴いたことも無い不思議な怪しげな捻れフレーズを連発する「変体ギタリスト」、ビル・フリゼールのアルバムである。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Greg Leisz (g), Jenny Scheinman (vln), Tony Scherr (b), Kenny Wollesen (ds)。フリーゼル以外、知らない人ばかり(笑)。

ジャケットを見れば「おやっ」と思う。このイラストって「ジョン・レノン」じゃないのか。で、収録された曲名を見渡すと、おお、なんと、このアルバム、ジョン・レノンの楽曲のカヴァー盤ではないか。ジャズの世界では、ビートルズのカヴァー盤って山ほどアルのだが、アフター・ビートルズ、いわゆるビートルズ・メンバーのソロ時代の楽曲のカヴァー盤ってあまり無い。
 

All_we_are_saying

 
ジョンの楽曲の特徴と個性を良く理解した、とっても良い選曲ですよね。「You've Got Hide Your Love Away」「Hold On」「Julia」「Mother」は、ジャズでカヴァーがあまりされていない曲だと思うんだが、これがまあ、優れたアレンジで、きっちり、コンテンポラリーなジャズの演奏に仕上がっている。やっぱり、カヴァー盤って、アレンジが大事だよね。

こうやって、ジョンの楽曲のジャズ・カヴァーの演奏を聴いていると、ジョンの楽曲の旋律って、ジャズに向いているなあ、と思う。ジャズをやる方として、アドリブへの展開が面白くなるようなコード進行をしている、ということ。フリゼール、目の付けどころが違う。そう言えば、ジョンと並んで、ジョージの楽曲もジャズでカヴァーされることがある。やっぱり、ジョージの楽曲の旋律もジャズに向いているんだよね。

フリゼールのギター、思い切り捻れた「変体ギター」なので、ジョンの楽曲をどれだけ捻ってくるのか、と最初は構えて聴き始めるのだが、以外と素直なトーンで弾き進めているところが印象的。米国ルーツ・ジャズな雰囲気がとっても素朴で良い。楽曲も持つ特徴的なフレーズはしっかりシンプルに弾き進め、アドリブで捻れに捻る。メリハリの効いた展開で、ジョンの楽曲のカヴァー盤としては秀逸な出来です。

 
 

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2017年7月12日 (水曜日)

ライトハウスのグリーンです

ジャズはライブが一番と言うけど、日頃、ライブハウスにはなかなか通えません。そういう時、手っ取り早くライブハウスの雰囲気が味わえるのがライブ盤。今日も、ロサンゼルスのハモサビーチにある「ライトハウス」でのライブ録音盤をご紹介したい。

Grant Green『Live at the Lighthouse』(写真左)。1972年4月21日でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), Claude Bartee (ss, ts), Gary Coleman (vib), Shelton Laster (org), Wilton Felder (el-b). Greg Williams (ds), Bobbye Porter Hall (per)。フロント楽器はギター、テナーに加えてヴァイブ。ピアノは無くて代わりにオルガン。ファンクネスの香りがプンプンするパーソネル。

もともと、グリーンは、エフェクターを介さないシンプルなシングル・トーンでグイグイ押してくるんだが、この盤では思い切りグイグイと押しまくってくる。シングルトーンはパッキパキで良く唄う。聴けばすぐ判るグリーンのギターの個性。スラスラと流麗なフレーズが出てくるタイプでは無い。木訥とした、訥々としたフレーズが癖になる。
 

Grant_green_live_at_the_lighthouse

 
しかも、このライブ盤でのグリーンは、ファンクネスだだ漏れ。圧倒的なファンク大会である。しかも「熱い」。パーソネルを見渡せば、ベーシストの名前に目がとまる。あのクルセイダーズのサックス奏者であるウィルトン・フェルダーがお得意のファンク・ベースでブイブイ言わせている。このファンク・エレベも凄い。

グリーンはインタビューで「自分の音楽はブラック・ミュージックだ」と語っているのだが、このライブ盤を聴けば、なるほどなあ、と納得してしまう。木訥に唄う様なアドリブ・フレーズはソウル・ミュージックそのもの。コッテコテのファンクネスはR&B仕込み。 このライブ盤では、ファンクとしてはテンポが速めのチューンが多く、そこがまたおっきな魅力なんですよね。

そうそう、このジャケット・デザインの酷さに「引いてはならない」(笑)。いや〜本当に酷いですね〜。ブルーノート・レーベルのアルバムとは到底思えない。この笑かそうとしているのか怖がらそうとしているのか、デザイナーのきもちがとんと分からない。いやはや、この世のものとは思えないジャケットで大損している秀逸なライブ盤です。

 
 

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2017年5月27日 (土曜日)

(欧州ジャズ+米国ジャズ) な盤

このところ、梅雨空の様に鬱陶しい曇り空が続く。昨日などは午前中はまとまった雨。久し振りに雨道具総動員である。が、今日は朝から回復基調。午前中は夏の到来を告げるような蒸し暑い陽気。午後から空気が入れ替わったのか、涼しい風が吹き抜けて、半袖ではちょっと肌寒さを感じる清々しい陽気に。

こういう清々しい初夏の陽気の中、耳を傾けるジャズは「欧州ジャズ」が良い。しかし、ブルージーでファンクネス濃厚な米国ジャズも捨てがたく、その双方のジャズの雰囲気を併せ持つジャズ盤は無いのか、と思いを巡らす。と、あったあった。欧州ジャズと米国ジャズのハイブリッド盤の様な雰囲気を持った盤が。

Sacha Distel & John Lewis『Afternoon In Paris』(写真左)。1956年12月、パリでの録音。ちなみにはパーソネルは、John Lewis (p), Sacha Distel (g), Barney Wilen (ts), Pierre Michelot, Percy Heath (b), Connie Kay, Kenny Clarke (ds)。オリジナルLPのA面3曲のベースとドラムがPierre MichelotとConnie Kay、B面3曲がPercy HeathとKenny Clarkeとなっています。
 

Afternoon_in_paris1

 
以前より、パリに対する限りない憧れを抱いていたジョン・ルイス(写真右)が、フランスの人気ジャズ・ミュージシャン、サッシャ・ディステル、バルネ・ウィラン、ピエール・ミシェロとパリで録音した盤。この盤のタイトル『Afternoon In Paris』は録音事情「そのまま」。フランスのジャズメン3人の演奏の内容が良い。米国ジャズメンと対等の濃密で個性的な演奏に耳を奪われる。

盤全体、とても洒脱な演奏になっています。とっても趣味の良いハードバップ。繊細さ流麗さ有り、ダイナミックな力感のある展開も有り。それでいて、演奏の雰囲気は、ブルージーでファンクネス濃厚な米国のジャズとは少し異なる、ちょっとあっさりとしたファンクネス希薄な、そう、欧州ジャズ独特のクラシックの素養をベースとした、耽美的でリリカルな音の響き。

録音も良く、演奏の良さと相まって、実に清々しい堅実な内容のハードバップです。フランスのジャズって、お国柄、ちょっとラフな印象があったので、この盤のカッチリした内容にちょっとビックリ。大向こうを張る様なジャズではありませんが、玄人好みの渋い内容の盤についつい耳を傾ければ、今日もそろそろ夕暮れ時。良い一日でした。

 
 

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2017年5月11日 (木曜日)

初夏に音の良いフュージョン

暑い。今日は東京で最高気温27度。夏日達成である。しかも蒸し暑い。夕方、会社からの帰宅時、歩いているだけで、汗がじんわりと首筋に滲んでくることが判る。こんな気候になってくると、音の良い音の立った、聴き易いフュージョン・ジャズの出番が多くなる。

音が良いって、良いことだなあと長年思っている。ジャズには1920年代、1930年代の録音もあるので「ジャズに音の良し悪しは関係無い」とする向きもある。けど、やっぱりなあ、演奏時、音の隅々まで聴き込むことが出来るし、音の分離が良く、楽器それぞれの音が良く判るので、音が良いに越したことはない、というのが僕の持論。

Larry Carlton & Robben Ford『Unplugged』(写真左)。2006年12月のパリ公演を収録した作品。売り文句は「ラリー・カールトン&ロベン・フォードというフュージョン・ギターの人気ギタリスト、夢の共演!!」。この盤のポイントはタイトル通り「アンプラグド」。2人の使用楽器はアコースティック・ギター。これは聴きものである。
 

Unplugged_larry_carlton_robben_ford

 
ちなみにパーソネルは、Larry Carlton (g), Robben Ford (g, vo), Fifi Chayeb (b), Claude Salmieri (ds)。二人のアコースティック・ギターにベースとドラムがバックにつく。これが正解。アコギ2本だけだと、どうしてもどちらかがソロを取り、どちらかがバックに回ってリズムを担当することになる。2本のアコギのソロの共演という妙が楽しめない。

バックにベースとドラムが控えていると、彼らにリズム&ビート、そしてベースラインを任せることが出来る。2本のアコギはソロの共演と相成る。壮絶なテクニックを引っさげて、主旋律でのユニゾン&ハーモニー、アドリブ・ソロのバトル&ランデブーと、存分に惹き込むことが出来る。このアルバムでは、そんな二人のアコギの共演を心から堪能することが出来る。

ちょっと味もしゃしゃらもないジャケットで、なんかちょっとブート盤の様な面持ちなので、ちょっと見ただけでは触手が伸びないのだが、内容は折り紙付き。音も良くて、二人のアコギの個性とニュアンスが十二分に聴き取れる好盤です。フュージョン・ギターと侮るなかれ。とにかく凄まじいアドリブ・ソロの共演です。

 
 

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2017年4月19日 (水曜日)

「音が良い」ということは尊い

アルバム鑑賞において「音が良い」ということは尊いことである。ジャズ発祥約100年、ジャズには古い録音が多々ある。古い録音であればあるほど録音の質は落ちる。それでも演奏が良いと録音の質には目をつぶって、我慢してその素晴らしい演奏に耳を傾ける。

硬派なジャズ者の方々の中には「ジャズの良し悪しに録音の質は関係無い」と言い切る人もいる。でも、ですね。録音の質が良ければ良いほど、楽器演奏のテクニックの良さ、楽器の出す音の響き、ニュアンスの豊かさの詳細がダイレクトに伝わってくる。録音の質の良さは、ダイレクトにその「ジャズの良さ」を明確に伝えてくれる。

まあ、一言で言うと「ジャズも録音の質が良いに越したことは無い」ということですね。録音の質の良し悪しって、ジャズにとっては、その「ジャズの良し悪し」の正しい理解をしっかりサポートしてくれる、そんな役割でしょうか。

『The Earl Klugh Trio, Volume. One』(写真左)。1991年のリリース。ちなみにパーソネルは、Earl Klugh (ac-g), Ralphe Armstrong (ac-b), Gene Dunlap (ds)。ありそうで無かった「ナイロン弦でのジャズ・ギター」。そんなありそうでなかったことを実現したナイロン弦の名手アール・クルーが1991年リリースしたトリオ編成のアルバム。
 

The_earl_klugh_trio_volume_2

 
アール・クルーと言えば、フュージョン・ジャズの人、というイメージが強い。アコースティックな純ジャズを好んでやるタイプでは無い。そもそもアコギという楽器自体、意外と「音の表現力」という面で、他の楽器と比べて劣るところがある。しかも、ナイロン弦である。音の表現の幅は意外と狭い。そういう面で、アコースティックな純ジャズで勝負するにはちょっとハンデが大きい。

しかし、アール・クルーは敢えて、この盤ではドラム+アコベとのトリオ編成で、かつスタンダード曲を全面的に取り上げ、内容的にかなり純ジャズなアルバムになっています。演奏の質はライトでアーバンなフュージョン・タッチなものですが、出てくる音は間違い無く「純ジャズ」なのが凄く良い。

この盤、抜群に録音の質が良い。アコベがブンブン唸りを立てて響き、ドラムのスネア、シンバルの音は生々しくダイナミズム抜群。そこにアール・クルーのテクニック豊かな「ナイロン弦なジャズ・ギター」がフロントに座る。オール・アコースティック楽器での音の響き、ニュアンス豊かなスタンダード演奏の饗宴。躍動感、透明感抜群の純ジャズである。

決して黒く無く、決してファンクネス過多でも無い。ライトでアーバンな、落ち着いた大人の純ジャズ、という面持ちが実に良い。アール・クルーのメロディラインは美しく音色も繊細。それをこの盤は「録音の質の良さ」でしっかりと豊かに聴かせてくれる。好盤です。

 
 

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2017年3月 9日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・78

ラリー・コリエルが亡くなった。僕にとってのコリエルとは、クロスオーバー・ジャズの代表的ギタリストの一人で、彼のエレギはほとんどロック。それもほとんどハード・ロック。バックのリズム・セクションがなんとかジャズのビートに軸足を乗せているので、演奏全体はクロスオーバー・ジャズで落ち着いてはいるが、コリエルのエレギは明らかに「ハード・ロック」。

そんな「ハード・ロック」なクロスオーバー・エレギ、1970年代辺りでその流行は終わったんやろなあ、と思いつつ、コリエルだけが意外と晩年もハード・ロックなクロスオーバー・エレギをやってたんで、コリエルだけが「絶滅危惧種」なんやなあ、なんて感慨に耽っていた。しかし、である。

Csaba Toth Bagi『Aved Ivenda』(写真左)。2012年の作品。チャバ・トス・バギと読むらしい。ここでは「バギ」と呼ばせていただく。宣伝のふれこみは「セルビアが生んだフュージョン・ギターの貴公子」。セルビア出身とは珍しい。さて、このバギのエレギが凄い。徹頭徹尾、ハード・ロックなクロスオーバー・エレギなのだ。ハード・ロックの如く、ギンギンのエレギを弾きまくっている。
 
   
Aved_ivenda1
 
 
しかし、である。アドリブ・フレーズの響きがちょっと「面白い」。どう考えても普通のフレーズでは無い。明らかに「ワールド・ミュージック」がかっている。面白いフレーズがどしどし飛び出てきて、これは単純にハード・ロックなクロスオーバー・エレギでは無い、ワールド・ミュージックを融合したハード・ロックなフュージョン・エレギである。

ネットで調べてみると「両親の故郷ハンガリーやマケドニアなど自身のルーツをベースにしたフュージョン盤」とあって至極納得。なるほど、だから、ワールド・ミュージックを融合したハード・ロックなフュージョン・エレギな雰囲気が色濃く漂っている訳やね。エレギはギンギンに弾きまくり。ハンガリーのゲイリー・ムーアと呼ばれ、欧州ではガッツあるギタリストとして知られる、とある。

このアルバムのバギのプレイを聴いていて、なるほど、と思う。21世紀になって今年で2017年。今の時代に、フュージョン・ジャズの世界で、こんなギンギンに弾きまくる、ハード・ロックなエレギが聴けるとは思わなかった。
 
 
 

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2017年3月 5日 (日曜日)

ジョンスコ流のニューオリンズ盤

米国って、なんやかんや言って、自分達のルーツ・ミュージックが好きなんだよな〜、と時々思う。英国だってそうだ。なんやかんや言って、自分達のルーツ・ミュージックが好きだ。ロックだってジャズだって、この「ルーツ・ミュージック」の適切な要素を織り込むと、そのアルバムって大体がヒットする。

このアルバムだって、あからさまに米国のルーツ・ミュージックの要素をふんだんに織り込んで、ヴォーカルを入れてのニューオリンズ/R&B寄りサウンドで、米国ジャズ・シーンでは結構売れたらしい。米国では、ゴスペル、R&B、カントリー&ウエスタン、トラッド・フォークの要素を盛り込んだジャズは鉄板らしい。

John Scofield『Piety Street』(写真左)。2009年のリリース。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Jon Cleary (vo, org, p), George Porter, Jr. (b), Ricky Fataar (ds), Shannon Powell (ds, per), John Boutte (vo)。このアルバムは、そんな米国ルーツ・ミュージックの中の「ゴスペル、R&B」の要素をふんだんに盛り込んだもの。
 

Piety_street

 
一言で言うと「ジョン・スコフィールド(ジョンスコ)流ニューオリンズ・アルバム」である。この盤でのジョンスコのエレギは、相変わらず捻れてはいるが、ソウルフルかつブルージーな正統派なエレギである。捻れを押さえて「ゴスペル、R&B」の要素がそこはかとなく浮き出る様に弾き回している。とにかく上手い。

基本的にジャズの演奏って、オルガンの音色とブルージーなちょっとハスキーな声のボーカルが入ると、演奏の雰囲気がグッと「ゴスペル、若しくはR&B」風な音世界にガラッと変わる。いわゆる「こってこてファンキー」な演奏になるのだ。実は僕はこの「こってこてファンキー」な演奏に「からきし弱い」。

アルバム・ジャケットもゴスペル風で、ジャケットだけ見れば、ジャズのアルバムだとは思わないですよね。ジョンスコのキャリアの中では異色のアルバムの位置づけではありますが、内容は充実しています。コンテンポラリーなフュージョン・ジャズの好盤として、特に、米国ルーツ・ミュージック好きのジャズ者の皆さんにお勧めです。

 
 

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2017年2月22日 (水曜日)

ラリー・コリエル、追悼です

2017年2月19日、ラリー・コリエルが亡くなった。ニューヨークのホテルでの自然死だそうだ。享年73歳。クロスオーバー・ジャズの時代の「エレギの寵児」。超絶技巧、ジャズとロックの融合、いわゆるクロスオーバー・ジャズのシーンで大活躍した。あまりの超絶技巧さとジャズの原型を留めない、完璧ロックな演奏をギンギンにやる傾向にあって、我が国では「キワモノ」扱いされることもしばしばであった。

ということで、暫くは「ラリー・コリエル追悼」である。実に悲しい。ということで、まずはこのアルバムを選盤。Larry Coryell & Alphonse Mouzon『Back Together Again』(写真左)。

1977年の作品。このユニークなイラストのジャケットは馴染みがある。ジャズを聴き始めた頃、このアルバムはよく聴いた。1979年の事である。ちなみにパーソネルは、Larry Coryell (g), Alphonse Mouzon (ds), Philip Catherine (g), John Lee (b)。

このアルバム、バリバリのクロスオーバー・ジャズである。というか、ほとんどロックである。しかし、ロックというには、テクニックがあまりに超絶技巧が過ぎる。とにかく、コリエルのギターは滅茶苦茶に巧い。ロックの世界には、これほどまでに超絶技巧なギターは無い。しかし、リズム&ビートは明らかにロック。
 

Back_together_again  

 
とにかく「やりたい放題」やっている。この時代、クロスオーバー・ジャズの人気楽器だったキーボードの参加が無い、キーボードレスなギター・バンドなので、とにかくギターがメインにドカッと座った、とにかく「豪快」な内容である。

コリエルのギターには一点の曇りも無く、超絶技巧にエレギを弾きまくる。その音は明確にロック。ジャズ・ギターの雰囲気は微塵も無い。しかしながら、ロック・ギターとするには超絶技巧過ぎる。とにかく、ロック・ギターとはテクニックのレベルで明らかに次元が違う弾きっぷりだ。

ムザーンのドラムも「叩きたい放題」。この人のドラミングは聴いていて上手いのか下手なのか、良く判らないが、とにかく手数が多くて、ロックなドラミング。というか、ロックなドラミングとするには手数が余りに多すぎる。また、ムザーンはボーカルも担当しているが、これはまあまあ及第点。

後のフュージョン・ジャズの特徴である「ソフト&メロウ」など微塵も無い。あまりの超絶技巧さとジャズの原型を留めない、完璧ロックな演奏をギンギンにやっている。ジャズロックとするにはあまりにギンギンが過ぎる。これぞ、典型的なクロスオーバー・ジャズ。ラリー・コリエルのプレイが眩しい。ご冥福をお祈りしたい。合掌。

 
 

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