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2017年10月19日 (木曜日)

クライスバーグを聴かねば

1980年代後半、マンネリがたたって、飽きられ廃れたフュージョン・ジャズ。ソフト&メロウなフュージョン・ジャズは、その音世界の洗練度合いを向上させて「スムース・ジャズ」というサブ・ジャンルを形成するに至り、これが一定の人気を維持している。

しかし、21世紀になった今でも、1970年代後半から1980年代前半が全盛期の「フュージョン・ジャズ」の雰囲気をしっかりとキープした好盤が一定量リリースされ続けている。「時代の徒花」なんて揶揄する評論家の方々もいらっしゃるが、やはり、フュージョン・ジャズの音作りと演奏全体の雰囲気に魅力があるということだろう。

Jonathan Kreisberg『The South of Everywhere』。2007年のリリース。「ジョナサン・クライスバーグ」。長い名前だ。1972年生まれだから、今年で45歳。中堅である。元プログレバンドのテクニシャン・ギタリストが、ギターをホーンのように使用した奏法を多用した演奏が印象的。聴いていて、フュージョンやなあ、と心から思えるアルバムである。
 

The_south_of_everywhere

 
「ジョナサン・クライスバーグ」は我が国での知名度は低い。不思議である。これだけ手を抜かない、ハイテクニックで流麗なエレギ。アダム・ロジャース、カート・ローゼンウィンケルと並ぶコンテンポラリー系ギタリストを代表する一人。しかし、この盤などを聴いて貰えれば、この気持ち、判って貰えると思います。

クライスバーグ自身のオリジナル6曲にスタンダード2曲の構成。時に流麗に、時には攻撃的に展開するクライスバーグのギターは聴き所満載です。もともとロック畑のギタリストである。今のフュージョン・ギタリストのフレーズの中に、おやっと思うくらいに明確なロックなフレーズがとっても素敵である。エレギの取り回し、アドリブ・フレーズはしっかりとフュージョン・ジャズの雰囲気をキープしている。

現代のコンテンポラリーなジャズの中で、注目すべきギタリストの一人だと思います。クライスバーグの持つ、ギタリストとしてのテクニックと感性は素晴らしい。クライスバーグをもっと聴き込まねば、とこの盤『The South of Everywhere』を聴いて自省した次第です。

 
 

東日本大震災から6年7ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年10月17日 (火曜日)

一聴瞭然なフュージョンの音

1970年代後半から1980年代前半がフュージョン・ジャズのブームだったんだが、この頃のアルバムを聴くと、フュージョン・ジャズにはフュージョン・ジャズなりの「音の雰囲気」がある。口で言葉で表現するのはちょっと難しいのだが、アルバムの音を聴いていただければ「一目瞭然」ならぬ「一聴瞭然」である。

John Tropea『Short Trip to Space』。1977年の作品。ジャズ者駆け出しの頃、学生時代、ヘビロテだったトロペイの好盤。ソロ第2弾。当時、邦題は訳の判らん『宇宙楽園』。ギター・フュージョンのお手本みたいな盤である。アレンジは、クロスオーバー・ジャズの寵児デオダート。ホーン&ストリングスを贅沢に使った、明らかにフュージョン・アレンジの先鞭をつけたような、ソフト&メロウな雰囲気。

トロペイは、フル・アコースティック・ギターを抱えたフュージョン・ギタリストの一人。他に、スタッフのエリック・ゲイル、ウェスト・コーストの名手デヴィッド・T・ウォーカーがいる。これが独特の音で、ウォームなソフト&メロウな音にウットリする。この音が「フュージョン・ジャズ」の音世界の特徴である。
 

Short_trip_to_space

 
加えて、ダンサフルな「ディスコ・ミュージック」を意識したメリハリのある音作りも「フュージョン・ジャズ」の音世界の特徴。あからさまにやると、ちょっと耳につくが、上品にやると、実にリズミカルでダンサフルな、小粋で程良いビートの効いた音になる。しかも、R&Bからの影響というよりは、ソウル・ミュージックからのフレーズの引用というところが工夫である。自然と「ソフト&メロウ」となる。

しかも、この盤は音が分厚い。親友デヴィッド・スピノザとのツイン・ギター、スティーヴ・ガッド、リック・マロッタのツイン・ドラム、ドン・グロルニックのキーボード、ウィル・リーのベース。加えて、ブレッカー・ブラザースを含む豪華なホーン・セクション。名うての名手達が一堂に会して、様々なバリエーションのフュージョン・ジャズを繰り広げている。 

この盤の優秀なところは、大向こうを張った派手なアレンジとか、目の覚めるような超絶技巧なテクニックを前面に押し出すのではなく、余裕のある、聴き応えのある、悠然とした演奏をメインに据えているところ。「せせこましく」無く、大味な音でも無い。メリハリの効いた明らかに優秀な「ソフト&メロウ」なフュージョン・ジャズの音。フュージョン者におかれては、一聴をお勧めしたい。

 
 

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2017年10月16日 (月曜日)

チャック・ローブを偲んで ・・・

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、フュージョン・ジャズも分け隔て無く聴く。特に、僕がジャズを聴き始めた頃は1970年代後半で、ジャズ界は「猫も杓子もフュージョン・ジャズ」の大ブームであった。アコースティック楽器メインの純ジャズなんて「古い」と言われて、片隅に追いやられていた。

それだけ、当時のフュージョン・ジャズは多くのファンを持っていた。1980年代に入って、さすがにマンネリ化して、飽きられ廃れたが、マンネリ化して飽きられただけである。フュージョン・ジャズの黄金期、1970年代後半から1980年代初頭にかけての、フュージョン・ジャズには好盤が多い。フュージョン・ジャズ自体のコンセプトに問題があった訳では無い。

それでも1980年代後半、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズは、その音世界の洗練度合いを向上させて「スムース・ジャズ」というサブ・ジャンルを形成するに至り、これが一定の人気を維持している。しかし、21世紀になった今でも、フュージョン・ジャズの雰囲気をしっかりと維持した好盤がリリースされたりして、フュージョン者の耳を楽しませてくれる。
 

Unspoken

 
Chuck Loeb『Unspoken』。2016年のリリース。このアルバムは、聴けば判るのだが、しっかりと、1970年代後半のフュージョン・ジャズの雰囲気をキープしている。今でも、フュージョン・ジャズは生きている。このギター・フュージョン盤がそれを証明している。スムース・ジャズとは一線を引く、フュージョン・ジャズの雰囲気。

フュージョン独特の軽快・爽快なリズムに乗って、チャックの華麗なエレギのフレーズが煌めく様に乱舞する。チャックのギターは、目立つように、大ぶりな高速フレーズを弾きまくるのでは無い、音を選んで、シンプルなフレーズをメインに、短く印象的なアドリブ・フレーズを積み上げていく。そんな「粋」なフュージョン・ギターである。そして、アレンジが秀逸。

ボーカルをフィーチャーした、ソフト&メロウな曲もあり、アルバムとしてのバランスも良い。実は、今年7月31日、チャック・ローブは他界しました。享年61歳。ジャズメンとしては、まだまだ、これから成熟、老練の域に入る年頃だったのに実に残念です。このチャックのギターの個性が堪能出来る盤『Unspoken』が遺作になりました。合掌。

 
 

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2017年10月 3日 (火曜日)

デビティは「ソフト&メロウ」

フュージョン・ジャズの前身が「クロスオーバー・ジャズ」。クロスオーバー・ジャズの前身が「イージーリスニング・ジャズ」。1960年代後半辺りから、着実に進歩し、着実に発展、そして、1970年代後半から1980年代前半にかけて一世を風靡した「フュージョン・ジャズ」。フュージョン・ジャズの個性は、バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」。

David T. Walker『Press On』(写真左)。 1973年の作品。ジャケットも渋い。David T. Walker(デヴィッド・T・ウォーカー=略して「デビティ」)は、モータウン黄金期を支えた世界一ソウルフルなギタリスト。ジャズ、ファンク、R&Bの数々の名盤を支えてきたギタリストである。デビティのエレギは「メローギター」、そして、ソウルフルな「フィルインフレーズ」。

1973年の作品なんですが、この『Press On』でのデビティのエレギは「フュージョン・ジャズ」。バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」。伸びの良いトーンと流麗なアドリブ・フレーズの弾き回し。ちょっとくすんだ切れ味の良い弦の響き。これが1973年、ジャズのトレンドは「クロスオーバー・ジャズ」の時代に、フュージョン・ジャズな音を完全に先取りしている。
 

Press_on

 
グルービー満載のタイトル曲の「Press On」、4曲目、The Delfonicsの名曲「Didn't I Blow Your Mind ThisTime」のカヴァーでは、バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」なデビティのエレギが炸裂。ビートルズのカヴァー、5曲目の「With a Little Help from My Friends」では、途中、ホーン・セクションが絡んで、どんどん熱くファンキーな展開になっていくところが格好良い。原曲よりファンキーな、6曲目の「Superstition」。

収録されたいずれの楽曲も雰囲気は統一されていて「フュージョン・ジャズ」。決して「クロスオーバー・ジャズ」では無い。ちなみにパーソネルを見渡して見ると、リーダーのDavid T. Walker (g), Harvey Mason (ds), Charles Larkey (b), Joe Sample (key), Bobbye Hall (cong) など。明らかに、フュージョン・ジャズを代表するミュージシャンがズラリ。しかし、この盤は1973年にリリースされている、というところが凄いのだ。

フュージョン・ジャズを3〜4年も先取りした、デビティの『Press On』。Ode3部作の2作目にあたり、この盤『Press On』を聴くと、残りの『David T. Walker』(1971年作品)、『On Love』(1976年作品)も一気に聴きたくなります。バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」なエレギの音。伸びの良いトーンと流麗なアドリブ・フレーズの弾き回し。デビティのエレギは「ソフト&メロウ」です。

 
 

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2017年10月 2日 (月曜日)

1990年代のフュージョン盤

1970年代後半から1980年代前半に、一世を風靡した「フュージョン・ジャズ」。1980年代後半、メンストリーム・ジャズ復古の煽りを受けて衰退するが、1990年代は「スムース・ジャズ」を中心にしっかりと生き残る。1990年代は、フュージョン・ジャズは、米国では「スムース・ジャズ」と呼ばれて、意外と人気のジャンルとなっていた。

そんな1990年代のスムース・ジャズの好盤の一枚が、Norman Brown『Just Between Us』(写真左)。1992年の作品。Norman Brown(ノーマン・ブラウン)とは誰か。1970年、米国はカンサス・シティ生まれ。ということは今年で47歳。ジャズ界ではバリバリの中堅である。

ノーマン・ブラウンは、ソウルの名門モータウンが、1992年にジャズ・レーベルとして立ち上げた「MoJazzレーベル」の第一号アーティスト。2002年度のグラミー賞で「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞」を獲得している。米国では名の通ったフュージョン・ギタリストだが、残念ながら、我が国ではあまり知られていないようだ。
 

Just_beetween_us

 
聴けば判るが、ウエスやベンソン、捻りをいれて「ジミヘン」の影響が色濃い。つまりは70年代ロック小僧好みのフュージョン・ギタリスト。彼のエレギは、基本は、明らかに「ジョージ・ベンソン」のフォロワーの音で、ピッキングの正確さは群を抜いている。速いフレーズも緩やかなフレーズもパッキパキで覇気溢れる弾き回し。聴いていてスカッとする。

この盤の音の雰囲気は「フュージョン・ジャズ」。フレーズは流麗だけど、ブラウンのギターはちょっとゴツゴツしていて捻れていて、スムース・ジャズという雰囲気では無い。1970年代後半のパッキパキ尖ったフュージョン・エレギの雰囲気。フレーズとリズムは流麗で、スムース・ジャズや、と言われれば「そうかいな」とも思うが、ブラウンのエレギの音を聴く限り、この盤の雰囲気は「フュージョン・ジャズ」。

アース(ウインド&ファイアー)のホーンセクションがまるごと参加、アースのナンバーをカヴァーした4曲目「Love's Holiday」、リード・ヴォーカルにステーヴィー・ワンダーが参加した6曲目「Too High」など、コッテコテ「ソウル系」のカヴァー曲がむっちゃ格好良い。スムース・ジャズと言うよりも、フュージョン、あるいはソウル、ファンクのエッセンスが芳しい、魅力的な「1990年代のフュージョン盤」です。

 
 

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2017年9月13日 (水曜日)

ながら聴きのジャズも良い・26

真夏のあの「思い切り蒸し暑い」日はもう無い。今日も日中は30度くらいにはなったのだろうが、夕方、本業を終えて、本社ビルを出る頃には、東京は新宿も涼しい風が吹き抜けている。夜、家に帰り着いても、エアコンが恋しく無くなった。自然の風が吹き抜ける部屋で夕飯をいただく、このささやかな幸福感。9月の良い季節。

こういう涼しい宵には、軽快なフュージョン・ジャズで、ながら聴きしながら、本を読んだり、パソコンしたりが良い。耳当たりの良い、あんまり耽美的では無い、リズミカルで軽快、印象的な聴き心地の良いフレーズを伴ったフュージョン盤が良い。これがまあ、意外と沢山あるから、フュージョン・ジャズはやめられない(笑)。

Chet Atkins『Stay Tuned』(写真左)。1985年のリリース。ちょっと変わり種のフュージョン・ギター盤。そもそも、リーダーのChet Atkins=チェット・アトキンス自体がフュージョン・ジャズに似合わない。1924年生まれだから、存命していれば93歳。相当に昔の大レジェンドである。惜しくも2001年、77歳で鬼籍に入っている。

基本はカントリー・ギター。エルヴィス・プレスリーのバックでリズム・ギターを務めたりで、ロックンロールにも手を染め、ビートルズのジョージ・ハリソンのアイドル・ギタリストとしても知られる。各界のギタリストの共通のアイドルであり、ギターの神様的存在。あの現在、ギターの神様と呼ばれるジェフ・ベックが憧れたギタリストの一人なのだ。
 

Stay_tuned

 
ジャズ畑のギタリストでは無いんですよね。しかし、カントリーからロックンロールと適応力に優れたアトキンスが、フュージョン・ジャズに手を染めてリリースした名盤がこの『Stay Tuned』なんです。僕はこの盤をジャズ喫茶で聴かされた時、このカントリー・フレイバー満載の、爽快にスイングし、唄う様にアドリブを展開するギタリストが誰かさっぱり判りませんでした。

チェット・アトキンスですよ、とギタリストの名を明かされた時、にわかに信じられませんでした。チェット・アトキンスがフュージョンをやってたの? 驚きでした。でも、この盤、素晴らしく爽快。カントリー調、フォーク調と米国ルーツな音楽ジャンルの音がメイン、時に当時流行だったカリビアンなフレーズが滑り込んできたりする。

当時はフュージョン・ジャズのブーム末期。この盤、明らかにフュージョン・ジャズ盤です。楽曲毎にチェットとゲスト・ミュージシャンと共演といった企画盤で、ゲストの名前を並べてみたら、出てくる出てくる有名どころ。ベンソン、カールトン、クルー、ノップラー、ルカサーなどなど。ドラムには、ポーカロなんかも叩いていて、さしずめフュージョン・ジャズ・オールスターズといった風情。

そんな中、アトキンス御大は、全くひるむことなく弾きまくる弾きまくる。もう徹頭徹尾、爽快感満載です。初めて聴いた時、誰かに似ている、誰かに似ている、と思ってイライラしましたが、それもそのはず、今のレジェンド級のギタリスト、今の中堅ギタリストのお手本の様なギターなんですよね。似ているのでは無く、このアトキンスがギターが「元祖」でした。脱帽です。

 
 

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2017年8月14日 (月曜日)

デビュー40周年セルフカバー盤

夏風邪をひいたらしい。昨日は朝から喉が痛い。こういう時は風邪薬を飲んで安静にしているが一番。夏風邪やな〜これは、と思うのは、いつの季節も風邪をひいて安静にしていないといけない時、自然とブログを書く気が起こらないのだ。昨日もそうだった。ブログを書く気が起こらない。故に、昨日のブログは急遽、お休みと相成った。

しかし、子供の頃から静かな部屋の中でジッと寝ているのが好きでは無いので、ブログを書く気は起こらなくても、音楽はジャズは聴きたい気持ちは強くあって、昨日も音楽をジャズを聴きながらの安静である。しかし、そんな時はハードな硬派な純ジャズはいけない。耳当たりの良い、爽快なフュージョン・ジャズが良い。「爽快な」とくれば、まずはエレギ中心のフュージョンだろう。

そんなエレギ中心のフュージョン盤の中で、印象に残ったアルバムがこれ。PRISM『Celebrate』(写真左)。PRISM(プリズム)とは懐かしい。学生の頃から社会人の若かりし頃、随分、お世話になった和製フュージョン・バンドである。改めて「プリズム」は、和田アキラ(ギター)と渡辺建(ベース)を中心に1975年に結成されたフュージョン・バンドである。
 

Prism_celebrate

 
デビュー盤『PRISM』のリリースが1977年なので、今年で40周年。そう、この新作『Celebrate』は、「プリズム」のデビュー40周年記念セルフカバーBest盤なのである。そう言われれば「なるほど」と思う訳で、どの曲もどこかで聴いたことのある曲ばかりなのだ。とにかく、和田アキラのエレギを心ゆくまで楽しむ事が出来る。

もともと「バカテク」集団だった「プリズム」。セルフカバーということで、オリジナルと比較してどうか、ということになるが
、これはこれで良い出来では、と思います。オリジナルに比べて、細かいニュアンスなど、細部に渡る表現力がアップしているというか、非常に良く作り込まれ、弾き込まれた「セルフカバー」という気がします。

セルフカバー集だからといって、オリジナルと比較しすぎるのは「野暮」というもの。オリジナルと比べすぎると、聴いていてしんどいかも。「プリズム」デビューから40年。楽器も進歩し、録音技術も進歩し、演奏テクニックも年齢に応じて変化し、このデビュー40周年記念盤には「今」のプリズムがギッシリと詰まっていて、そのプリズム独特の「爽快感」は健在です。

 
 

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2017年7月22日 (土曜日)

底抜けに明るいソウル・ジャズ

暑いですね〜。最近の夏はいつも「猛暑モード」。予報で「冷夏かも」という年もあったが、すべて「猛暑」。もう猛暑日と聞いてもビックリしなくなって久しい。ここ千葉県北西部地方では、特に今年は空梅雨状態で大した雨も無く(台風が来た時、結構降った位かなあ)いきなり夏空に突入したので、とにかく暑い。

暑い時は難しいジャズは絶対に回避。音楽を聴く心が「バテる」。聴いていて心がウキウキするようなジャズが良い。ノリの良いブルージーでリズミックなジャズが良い。そんなジャズをエアコンの効いた部屋の中で、好きな本でも読みながらゆったり過ごす。暑い夏でも「至福の時」である。

そんなこんなで選んだアルバムが、George Benson『It's Uptown』(写真左)。1966年の作品。ちなみにパーソネルは、George Benson (g, vo), Ronnie Cuber (bs), Bennie Green (tb), Lonnie Smith (org), Jimmy Lovelace (ds), Ray Lucas (ds, tracks 2, 3)。渋い、渋いパーソネルである。
 

Its_uptown

 
ロニー・キューバのバリサク、ベニー・グリーンのボーン、そしてなんと、ロニー・スミスのプログレッシブなオルガンがバックに控えている。明らかにファンキーでソウルフルな、聴いていて心がウキウキするようなジャズが聞こえてきそうなメンバー構成である。R&B基調のとびきり楽しいジャズが展開される。

当時のベンソンの紹介文に「The Most Exciting New Guitarist on the Jazz Scene Today(今日のジャズシーンで最もエキサイティングな新進ギタリスト)」と書かれていた様に、その期待に違わず、ベンソンはソウルフルにブルージーに、R&Bっぽいギターを弾きまくる。少しだけ披露するボーカルも良い感じ。後の「唄って弾きまくるジャズギタリスト」の片鱗を見せてくれる。

後のソフト&メロウなフュージョン・ギタリスト兼ボーカリストのベンソンとは雰囲気が異なるが、このあっけらかんとした、明るいキャラクターの方がベンソンの本質なんだろう。アルバム全編に渡って、底抜けに明るいソウルフルなジャズが聴ける。こういう、あっけらかんとしたジャズは、難しいこと考えずに楽しく聴ける。この猛暑の夏にピッタリである。

 
 

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2017年7月20日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・84

ジャズはビートルズをカヴァーするのが好きである。ジャズの世界では、ビートルズの楽曲のカヴァー盤が大量に存在する。ビートルズの楽曲をカヴァーするだけで「売れる」と思ったんだろうなあ。実に安直なアプローチ(笑)。結局、今の耳で振り返って、アレンジと演奏のレベルが高かったものだけが残った。まあ、カヴァー盤なんてそんなもんである。

Bill Frisell『All We Are Saying...』(写真左)。2011年6〜7月の録音。捻れギタリストの最右翼、ジャズというジャンルを超えた、聴いたことも無い不思議な怪しげな捻れフレーズを連発する「変体ギタリスト」、ビル・フリゼールのアルバムである。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Greg Leisz (g), Jenny Scheinman (vln), Tony Scherr (b), Kenny Wollesen (ds)。フリーゼル以外、知らない人ばかり(笑)。

ジャケットを見れば「おやっ」と思う。このイラストって「ジョン・レノン」じゃないのか。で、収録された曲名を見渡すと、おお、なんと、このアルバム、ジョン・レノンの楽曲のカヴァー盤ではないか。ジャズの世界では、ビートルズのカヴァー盤って山ほどアルのだが、アフター・ビートルズ、いわゆるビートルズ・メンバーのソロ時代の楽曲のカヴァー盤ってあまり無い。
 

All_we_are_saying

 
ジョンの楽曲の特徴と個性を良く理解した、とっても良い選曲ですよね。「You've Got Hide Your Love Away」「Hold On」「Julia」「Mother」は、ジャズでカヴァーがあまりされていない曲だと思うんだが、これがまあ、優れたアレンジで、きっちり、コンテンポラリーなジャズの演奏に仕上がっている。やっぱり、カヴァー盤って、アレンジが大事だよね。

こうやって、ジョンの楽曲のジャズ・カヴァーの演奏を聴いていると、ジョンの楽曲の旋律って、ジャズに向いているなあ、と思う。ジャズをやる方として、アドリブへの展開が面白くなるようなコード進行をしている、ということ。フリゼール、目の付けどころが違う。そう言えば、ジョンと並んで、ジョージの楽曲もジャズでカヴァーされることがある。やっぱり、ジョージの楽曲の旋律もジャズに向いているんだよね。

フリゼールのギター、思い切り捻れた「変体ギター」なので、ジョンの楽曲をどれだけ捻ってくるのか、と最初は構えて聴き始めるのだが、以外と素直なトーンで弾き進めているところが印象的。米国ルーツ・ジャズな雰囲気がとっても素朴で良い。楽曲も持つ特徴的なフレーズはしっかりシンプルに弾き進め、アドリブで捻れに捻る。メリハリの効いた展開で、ジョンの楽曲のカヴァー盤としては秀逸な出来です。

 
 

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2017年7月12日 (水曜日)

ライトハウスのグリーンです

ジャズはライブが一番と言うけど、日頃、ライブハウスにはなかなか通えません。そういう時、手っ取り早くライブハウスの雰囲気が味わえるのがライブ盤。今日も、ロサンゼルスのハモサビーチにある「ライトハウス」でのライブ録音盤をご紹介したい。

Grant Green『Live at the Lighthouse』(写真左)。1972年4月21日でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), Claude Bartee (ss, ts), Gary Coleman (vib), Shelton Laster (org), Wilton Felder (el-b). Greg Williams (ds), Bobbye Porter Hall (per)。フロント楽器はギター、テナーに加えてヴァイブ。ピアノは無くて代わりにオルガン。ファンクネスの香りがプンプンするパーソネル。

もともと、グリーンは、エフェクターを介さないシンプルなシングル・トーンでグイグイ押してくるんだが、この盤では思い切りグイグイと押しまくってくる。シングルトーンはパッキパキで良く唄う。聴けばすぐ判るグリーンのギターの個性。スラスラと流麗なフレーズが出てくるタイプでは無い。木訥とした、訥々としたフレーズが癖になる。
 

Grant_green_live_at_the_lighthouse

 
しかも、このライブ盤でのグリーンは、ファンクネスだだ漏れ。圧倒的なファンク大会である。しかも「熱い」。パーソネルを見渡せば、ベーシストの名前に目がとまる。あのクルセイダーズのサックス奏者であるウィルトン・フェルダーがお得意のファンク・ベースでブイブイ言わせている。このファンク・エレベも凄い。

グリーンはインタビューで「自分の音楽はブラック・ミュージックだ」と語っているのだが、このライブ盤を聴けば、なるほどなあ、と納得してしまう。木訥に唄う様なアドリブ・フレーズはソウル・ミュージックそのもの。コッテコテのファンクネスはR&B仕込み。 このライブ盤では、ファンクとしてはテンポが速めのチューンが多く、そこがまたおっきな魅力なんですよね。

そうそう、このジャケット・デザインの酷さに「引いてはならない」(笑)。いや〜本当に酷いですね〜。ブルーノート・レーベルのアルバムとは到底思えない。この笑かそうとしているのか怖がらそうとしているのか、デザイナーのきもちがとんと分からない。いやはや、この世のものとは思えないジャケットで大損している秀逸なライブ盤です。

 
 

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