2022年11月26日 (土曜日)

タル・ファーロウのセカンド作

純ジャズ系のギター盤を聴く上で、タル・ファーロウのアルバムは避けて通れない。と言って、何処から聴いたらよいか、ということになるが、タルのリーダー作の場合は、ビ・バップ時代の鍛錬が効いていて、1954年、ブルーノートに吹き込んだ初リーダー作にして、タルのギターの個性は完成していたので、初リーダー作から順に聴き進めて行くのが良いだろう。

『The Tal Farlow Album』(写真左)。1954年6月2日、NYでの録音。Norgranレコード(後のVerveレコード)からのリリース。ちなみにパーソネルは、Barry Galbraith, Tal Farlow (g), Oscar Pettiford (b), Joe Morello (ds)。編成的には、ブルーノートの初リーダー作(1954年4月11日の録音)と同じ。タル・ファーロウとバリー・ガルブレイスの2ギター+ピアノレス、変則カルテットの編成。

演奏形態がブルーノートの初リーダー作と同じなので、音的にはそれと変わらない。ただ、リーダーとしてセカンド盤なので慣れてきたのか、タルは硬さが取れて、ちょっとリラックスして弾いている様に感じる。卓越した超越技巧なソロ弾きは、さらに流麗になり、流れるが如く軽快。タルのパッキパキなフレーズが映えに映える。
 

The-tal-farlow-album_1

 
有名スタンダード曲が中心の選曲なので、他のギタリストのパフォーマンスと比較し易くて良い。結論から言うと、タルのギターって、そのテクニックの高さについては、純ジャズ系ギタリストの中では最高峰の1人だろう。速いバップな曲もバラードの曲も、簡単そうに「そつなく」弾きまくる。ピッキングも力強く、音は硬質。しかし、出てくる音は歌心満点。とても聴き応えのある順ジャズ系ギターである。

ガルブレイスとのユニゾン&ハーモニーも流麗で、ガルブレイスのリズムギターも良い感じ。それでも、ガルブレイスのギターに負けること無く、埋もれること無く、タルのギターは、音が太くとピッキングが協力なので、くっきりハッキリ浮き出てくる。力強く流麗で超絶技巧な弾きっぷり、チャーリー・クリスチャン直系と評されるのは納得。

CDリイシュー時にボートラで追加された、9曲目~12曲目の4曲は、1955年4月25日、ロサンゼルス録音でギター、ピアノ、ベースのトリオ編成で録音されたもの。オリジナルLPには収録されていないものなので注意が必要。ピアノレスで聴くと、タルの個性がとても良く判る。『The Tal Farlow Album』としては、1曲目〜8曲目の前半8曲で鑑賞されたい。
 
 

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2022年11月25日 (金曜日)

タル・ファーロウの初リーダー作

僕のジャズ盤週集で、一番後回しになった楽器が「ギター」。もともと、アルバム蒐集はロックから入ったので、ロックギターの派手派手しいフレーズがお気に入りになっていて、純ジャズのギターは、コード弾きと一本弾きのシンプルというか、地味なものだったので、どうしても、純ジャズ系のギターの盤には触手が伸びなかったのが正直なところ。

それでも、年齢を重ねて、ジャズを聴き始めて20年位経った頃、やっと純ジャズ系のギターのシンプルさが良い方向に聴こえる様になってきて、一本弾きのアドリブ・フレーズが、実は超絶技巧、小粋に唄うものだ、ということが判った瞬間、ジャズ・ギター盤の蒐集が本格的に始まった。以来、ジャズ・ギターの週集もやっと、人並みになったかなあ、と思う今日この頃。

『Tal Farlow Quartet』(写真左)。1954年4月11日の録音。ブルーノートの5042番。ちなみにパーソネルは、Don Arnone, Tal Farlow (g), Clyde Lombardi (b), Joe Morello (ds)。

純ジャズ・ギターの最高テクニシャンの1人、タル・ファーロウの初リーダー作。何故か、タル・ファーロウとドン・アルノーンの2ギター+ピアノレスの変則カルテットの編成。それでも、ピアノが無い分、ギターのパフォーマンスが十分に楽しめる。

2ギターの意味が聴けば判る。ドン・アーノンをサイド・ギターに据え、タルの縦横無尽のソロ・プレイの妙技を全面に押し出した恰好。
 

Tal-farlow-quartet

 
なるほど、時にソロ、時にコード弾きとなると、タルのソロのテクニックの部分が薄まるので、サイド・ギターを据えて、基本的にはリズム(コード弾き)を担当させて、タルには、心ゆくまでソロを弾きまくらせるプロデュース。さすがはブルーノートである。

聴けば聴くほど、その超絶技巧さに舌を巻くタルのギター・ソロ。チャーリー・クリスチャン直系、ビ・バップあがりの驚異的な速さソロ・フレーズのスピード。この速さで、ハードバップの特徴の1つである「ロングなアドリブ・ソロ」をやるのだから圧巻である。

冒頭の「Lover」の高速弾き回しを聴くだけで、思わず「ごめんなさい」(笑)。2曲目のバラード「Flamingo」の、ハーモニクスを効果的に活かしつつ、情感溢れる正確無比な弾き回しに、これまた思わず「ごめんなさい」(笑)。以降、胸が空くような圧倒的速弾きパフォーマンス。いや〜、聴いていて思わず感動して「頭が下がる」。

タルの弾き回しの特徴の1つ、巨大な手を一杯に広げて縦横無尽にフレーズを紡ぎ出す様は「オクトパス・ハンド」と呼ばれるのだが、このダイナミックなフレーズの拡がりもこの盤で堪能出来る。

もともと10インチ盤でのリリースなので、曲数は6曲、トータル24分と短いが、そんなことは全く気にならない。圧倒的な超絶技巧、かつダイナミックなタルの純ジャズ・ギターの弾き回しである。
 
 

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2022年11月 1日 (火曜日)

1960年代の隠れた傑作盤です

1960年代は「ジャズの多様化」の時代。ハードバップが成熟仕切って、大衆受けを狙った志向と、ジャズをアーティスティックに捉えて、より即興演奏の自由度を求める志向など、ハードバップを根源として、ジャズは様々な志向に発展していった時代。そんな中、それまでのスタンダードな編成から、マンネリズムを避けて、ちょっと変化を付けた編成で演奏する、などという工夫も見られた。

Jimmy Raney, Zoot Sims & Jim Hall『Two Jims and Zoot』(写真左)。1964年3月11, 12日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Raney, Jim Hall (g), Zoot Sims (ts), Steve Swallow (b), Osie Johnson (ds)。タイトル通り、二人の「Jims」、ジミー・レイニーとジム・ホールの2人のギタリストと、歌心溢れ、スインギーで小粋なテナーマン、ズート・シムズの3人並列のリーダー作。

ルイス・ボンファの名曲「カーニバルの朝」やアントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲「エステ・ソー・オルハー」など、当時流行していた軽いボサノヴァ路線が中心の選曲だが、これが実に雰囲気が良い。ホールの自作曲を含め、この盤ではまず、レイニー&ホールのギターと、シムズのテナーを引き立てる様な「選曲の妙」が目に付く。
 

Two-jims-and-zoot

 
知的でセンシティヴ、切れ味良くプログレッシヴなレイニー&ホールのギターが傑出している。ツインリードと形容して良い、二人が平等に並び立つギターが実に良い雰囲気。ユニゾン&ハーモニーでの微妙なフレーズのズレも心地良く、二人のギターの相性は抜群。室内楽的に流麗に響く二人のギターは「歌心」も抜群。思わず聴き惚れてしまう。

どんな曲でも見事にスイングするズート・シムズのテナーも聴きもの。ボサノヴァ曲でのフンワリした力強いフレーズも心地良く、レイニー&ホールの二人のギターとの絡みもスインギー。特にこの盤では、レイニー&ホールの二人のギターに触発されたのであろう、実に味わいのある、歌心溢れるテナーを聴かせてくれる。

ギター2本&テナーの変則フロントに、それを引き立てる選曲&アレンジ。1960年代の「ジャズの多様化」の時代に「じっくりと聴かせる小粋なジャズ」。我が国ではあまりメジャーな存在では無いが、この盤は「1960年代の隠れた傑作盤」として良いと思う。サブスク・サイトにもしっかりアップされているので、気軽に一度は聴いて欲しい「隠れ名盤」である。
 
 
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2022年10月 4日 (火曜日)

ロベンとエヴァンスのコラボ

9月は僕の好きなジャズマンの新盤が結構出たみたいで、聴き通すのにとても忙しい毎日である。特に今年は夏が蒸し暑くて、ジャズを聴くのに辛い気候だったのだが、有り難いことに、僕の好きなジャズマンの新譜はほとんど無かった。が、ちょっと涼しくなってきて、一気にドッと出た感じで、嬉しいやら忙しいやら(笑)。

Robben Ford & Bill Evans『Common Ground』(写真左)。2022年9月のリリース。ちなみにパーソネルは、Robben Ford (g), Bill Evans (sax), Darryl Jones (b), Keith Carlock (ds)。ロックの様にジャズ・ギターを弾く男、ロベン・フォード、そして、ロック・ビートに乗った、切れ味の良いサックスを吹く男、ビル・エヴァンスが双頭リーダー。

ベースには、ローリング・ストーンズのサポート・メンバー、ダリル・ジョーンズ。そして、ドラムには、スティーリー・ダンなどで叩いていた、ロックな職人ドラマー、キース・カーロック。ロックの様なエレ・ジャズが出来る4人が集まった、現代のジャジーな「エレ・ファンク」な演奏がてんこ盛り。
 

Robben-ford-bill-evanscommon-ground

 
ロベン・フォードとビル・エヴァンスは、元マイルス・ディヴィスのバンドの経験者。ロベンは1986年、エヴァンスは1980~84年に在籍していた。双方、共演してはいないのだが、1981年にカムバックしたマイルス・デイヴィスのバンドは、一貫して、クールでヒップな「エレ・ファンク」志向。この盤の雰囲気も現代のジャジーな「エレ・ファンク」。

確かに、マイルス・バンドの「エレ・ファンク」の音世界を想起する音がする。マイルスのエレ・ファンクのビートを軽くして、フレーズをシンプルにした様な音がする。ロベンとエヴァンスはマイルス・スクールの門下生、ダリルのベースとカーロックのドラムはもともと筋金入りのロック畑。しかし、このロック畑の2人が、完璧な「エレ・ファンク」なリズム&ビートを叩きだしているので、聴いていてとても気持ちが良い。

タイトルが「Common Ground」=「共通点」。双頭リーダーのロベンとエヴァンスの共通点はと言えば「マイルスのエレ・ファンク」だろう。違うかなあ。でも、僕はこのロベンとエヴァンスは、忠実にマイルスの教えを守って、自分達なりの「エレ・ファンク」を展開しているように聴いた。そして、この現代のジャジーな「エレ・ファンク」はご機嫌で爽快でヒップである。
 
 

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2022年9月25日 (日曜日)

見事なショパンの「ジャズ化」

ジャズは以前から、クラシックのジャズ化が意外と多い。1940〜50年代、例えば、ピアノの神様、アート・テイタムは「ユーモレスク」を独奏することが多かったし、モダン・ジャズ・カルテットは、クラシックの演奏手法をジャズに取り入れた。バッハは結構、ピアニストを中心にジャズ・アレンジされている。確か、バド・パウエルもバッハの名曲を好んでカヴァーしていた筈だ。

仏出身のピアニスト、ジャック・ルーシェが、J.S.バッハの作品をジャズ・トリオで演奏、その後多くのジャズ・ピアニストがクラシック音楽をジャズの題材にする切っ掛けを作っている。ルーマニア出身のピアニスト、オイゲン・キケロは、1965年のデビュー作『Rokoko Jazz』で、ロココ時代の古典音楽をスウィング・ジャズにアレンジした作品で、世界的に注目を浴びた。

僕がジャズを聴き始めた1970年代以降では、ヨーロピアン・ジャズ・トリオが、クラシックの名曲を洗練されたアレンジでカヴァーし、人気を博した。また、我が国では、最近になるが、ピアニストの山中千尋が『Utopia』で、サン=サーンスやスクリャービン、ブラームス、ドヴォルザーク、武満徹などの名曲を取り上げている。伊出身のマッシモ・ファラオもクラシック名曲をジャズにアレンジしている。

Kurt Rosenwinkel & Jean-Paul Brodbeck『The Chopin Project』(写真左)。2021年8月、スイスのチューリッヒでの録音。ちなみにパーソネルは、Kurt Rosenwinkel (g), Jean-Paul Brodbeck (p), Lukas Traxel (b), Jorge Rossy (ds)。現代ジャズの正統派ギタリストの中堅、カート・ローゼンウィンケルの新作である。これが、タイトルを見れば「只者では無い」。
 

The-chopin-project_1

 
スイス人ピアニスト、ジャン・ポール・ブロードベックがアレンジとプロデュースを手掛けたカルテット編成のフレデリック・ショパン曲集である。人気の高い「24の前奏曲」を中心に「練習曲作品10第6番」や「夜想曲7番27-1」などの有名曲を素晴らしいアレンジでカヴァーしている。

何が素晴らしいか、というと、原曲のメロディーはしっかりと残しつつ、リズム&ビートはしっかりジャズしていて、アドリブ部に入ると、原曲の持つキーの流れを着実に押さえて、コードで展開し、モードで展開する。このアドリブ部を聴いていると、流麗なフレーズが印象的な純ジャズのアドリブ・パフォーマンスとしか思えない。ジャズとして聴いて爽快感を感じるくらい、ショパンの名曲を完璧に「ジャズ化」しているのだ。

リーダーのローゼンウィンケルのギターも超絶技巧で歌心抜群。ショパンのピアノ曲って、フレーズの速さ、流れ、展開、どれもがダイナミックで高速で流麗。ピアノでも弾きこなすのに難度が高い曲を、ローゼンウィンケルはギターで弾き込んでいる。ショパンの流麗なフレーズを、自らの個性で、唯一無二な響きで弾き上げるローゼンウィンケルのフレーズは新鮮さに満ちている。

クラシックの、ショパンのジャズ化に留まらない、ショパンの楽曲を題材にした、カートウィンケルならではの「純ジャズ」なパフォーマンスに昇華された演奏の数々。聴き応え満点。ショパン曲の持つ流麗なメロディーをベースとしているが故、聴き味良く、既に、我がバーシャル音楽喫茶『松和』では、ヘビロテ盤になってます。
 
 

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2022年9月 5日 (月曜日)

ECMだがジャジーなジョンアバ

ECMレーベルのモットーが「音作りのコンセプトは「The Most Beautiful Sound Next To Silence」(沈黙の次に美しい音)。わずかにリバーブのかかった深いエコーの音作り」。ジャズのフォーマットを踏襲しつつ、現代音楽的な内容を持つ、クリスタルな透明感、切れ味の良い、適度に自由なインプロビゼーション中心の佳作が多くリリースされている。

そんなECMレーベルを代表するギタリストとして、ジョン・アバークロンビー(愛称:ジョンアバ)がいる。ジョンアバは、自身のリーダー作の8割をECMレーベルに残している。ジョンアバの考えるジャズの音とECMの総帥プロデューサー、マンフレット・アイヒャーの求める音とがバッチリ合っていたんだろう。それほど、ジョンアバのギターは「ECMらしい」ギターである。

John Abercrombie『Arcade』(写真左)。ECMの1133番。 1978年12月の録音。ちなみにパーソネルは、John Abercrombie (g, el-mandolin), Richie Beirach (p), George Mraz (b), Peter Donald (ds)。リーダーのジョンアバのギターがフロントのカルテット編成。ECMではピアノレスの変則な編成がよくあるが、この盤は、リッチー・バイラークのピアノがしっかりと入っている。 
 

John-abercrombiearcade

 
ジャケットは中身の音を表す、というが、この盤はまさにそれ。透明感と浮遊感、静謐感と適度なテンション、漂う様な緩やかなビートに乗った、自由度の高いインタープレイ。とりわけ、ジョンアバの気持ち良く適度に捻れた、サスティーンが効いたロングトーンなフレーズが前面に出て、とても印象的に響き渡る。そして、バイラークのピアノ率いるリズム・セクションもそんなジョンアバを、硬軟自在、緩急自在なリズム&ビートでガッチリとサポートする。

この時点でのピアノのリッチー・バイラークは、まだ耽美的で透明感溢れるピアノを弾いていて、ジョンアバのギターにぴったりと寄り添う。ジョージ・ムラーツのベースも、淀みやブレの全く無い、強靱で柔軟なベースラインをバンド全体に供給する。このすこぶる安定したムラーツのベースが、この番の透明感と静謐感が溢れる、漂う様なビートをしっかりと支えている。

リバーブに包まれた静謐感と浮遊感が印象的な欧州ジャズ。ECMレーベルならではの「即興演奏を旨とするニュー・ジャズ」が、この盤に溢れている。ニュー・ジャズとは言え、ジョンアバのパフォーマンスは、ビートに乗り、即興もモーダルな展開がメインで、しっかりとジャズしている。この「ECMの看板ギタリストの1人でありながら、しっかりとジャズしている」ところが、僕がいつもジョンアバを聴いて、感じ入るところである。ジョンアバは「ジャズ」である。
 
 

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2022年9月 2日 (金曜日)

ジョンアバの個性が良く判る盤

ジョン・アバークロンビー(John Abercrombie)。出身地は米国ニューヨーク州ポートチェスター。ジャズ・ギタリストで、1944年12月生まれ。ジョン・アバークロンビー、長い名前である。僕は以前から「ジョンアバ」と呼んでいる。ウネウネした、気持ち良く適度に捻れたギターを弾くんだが、ジョンアバは、欧州ジャズっぽく、音が濡れている。

John Abercrombie『Characters』(写真)。1977年11月の録音。ECMの 1117番。パーソネルは、John Abercrombie (el-g, ac-gu, el-mandolin)。ジョン・アバークロンビーの、多重録音によるソロ・パフォーマンスの記録。使用楽器は、エレギ、アコギ、エレ・マンドリンとなっている。

この番はなかなか耳にするころが無かった盤。そもそも、日本のレコード会社が扱ってくれない。ECMレーベルの盤でも、人気盤は繰り返しリイシューされるのだが、人気の薄い、マニアックな盤については全くの「無視」。僕がこの盤を初めて耳にしたのは、21世紀に入って、ネット経由でECMの外盤CDが入手し易くなってからである。
 

John-abercrombiecharacters

 
ジョンアバのソロ盤なので、ジョンアバのギターの個性が良く判る。ただ、ソロ・パフォーマンスなので、リズム隊に身を任せ、触発され、自由に弾きまくる「ウネウネした、気持ち良く適度に捻れたギター」は封印している。このソロ盤では、素姓確かな、テクニック優秀、歌心溢れるフレーズ満載の「原点回帰な正統派のニュー・ジャズ志向のギター」を聴くことが出来る。

気持ち良くスルスルとギターを弾き回しているが、良く聴くと結構ハイ・テクニックなことをやっている。多彩な音の響きは、まさに「音の魔術師」。穏やかなトーンで、繊細なタッチのエレギ、さざ波の様に音が押し寄せるアコギ、エスニックに不思議な響きのマンドリン。ロングサスティーンによる独特の浮遊感溢れる、伸びのあるエレギの響きは、いかにも「ECMサウンド」。

ジョンアバの正統派ジャズ・ギタリストの一端を垣間見る様な、聴き応えのあるソロ盤である。ギターのソロがずっと続くので、しっかりと腰を据えて、スピーカーに対峙して、一気に聴き込む事が必要になるが、多彩な音を繰り出す「音の魔術師」ジョンアバである、意外と飽きずに聴き通すことが出来る。聴き終えて、ジョンアバは意外と伝統的なスタイルを重んじる、正統派なギタリストなんだなあ、と改めて思うのだ。
 
 

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2022年8月28日 (日曜日)

土曜日の「Super Guitar Trio」

1981年のリリースで、アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアという3人のギタリストによる、アコースティック・ギター3本だけの演奏を収録したライヴ盤があった。

超絶技巧なフュージョン系ギタリスト二人と、超絶技巧なフラメンコ・ギターの雄、3人でのライヴ・パフォーマンス。この3人の名前を見ただけでも「フュージョン(融合)」な取り合わせを感じて、今の耳で聴いても、素晴らしいライヴ・パフォーマンスの記録である。

そのライヴの記録とは『Friday Night In San Francisco(邦題:スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !)』(写真右)。 超絶技巧の限りを尽くした、目眩くアコギの弾きまくり。それが1人では無く、3人がかりでやるのだから、そのパフォーマンスたるや、それはそれは、ど迫力で呆れるばかりのハイテクニックの嵐。

1981年と言えば「フュージョン・ジャズ」の全盛期のピーク。もともと、フュージョン・ジャズはギターが人気で、そのギターは超絶技巧、目眩く速弾きフレーズの弾きまくりが「目玉」。そんなフュージョン・ギターの最高峰の演奏が、この『スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !』であり、そんなライヴ盤が、フュージョン・ジャズの全盛期のピークにリリースされ、人気を博した。ジャズの歴史の中で、象徴的なライヴ盤だった様な気がする。

Al Di Meola, John McLaughlin, Paco De Lucia『Saturday Night in San Francisco』(写真左)。1980年12月6日、米国サンフランシスコのウォーフィールド劇場でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Al Di Meola, John McLaughlin, Paco De Lucia (g)。超絶技巧ギタリスト3人のライヴ・パフォーマンスの記録になる。
 

Saturday-night-in-san-francisco_1

 
先にご紹介した『Friday Night In San Francisco(邦題:スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !)』は、このライヴ盤が録音された前日のライヴ音源。録音場所は同じ「米国サンフランシスコのウォーフィールド劇場」。今回リリースされたライヴ音源は、既出の『スーパー・ギター・トリオ・ライヴ !』の収録日の翌日、全く同じメンバー・会場でのライヴ録音の音源になる。

しかし、こんな音源が21世紀になって発掘されるとは驚きである。この6日の公演はこれまで録音されていないと思われていたのだが、アル・ディ・メオラ所有の16トラックのテープを見直し、12月6日の公演から未発表の8曲を見つけ出した、のこと。なんせ、12月5日の公演で演奏した当の本人達も、第二夜を演奏したことを覚えてなかったらしい。よく発掘したもんだ。

さて、内容的にはどうか、と聴けば、12月5日の『Friday Night In San Francisco』の伝説的パフォーマンスと勝るとも劣らない、素晴らしいパフォーマンスが展開されてるから、二度驚き、である。

曲のレベルも遜色無い。例えば、「金曜日版」の出だしが「Mediterranean Sundance」に対して、この「土曜日版」の出だしが「Splendido Sundance」と、全曲、同じハイレベルの楽曲が並んでいる。

特に、この「土曜日バージョン」は、3人それぞれのソロ・パフォーマンス、無伴奏のソロ曲が3曲、記録されている。しかし、3人のギター・テクニックの凄まじさたるや、感動を通り超して、呆れるほどの超絶技巧さ。しかも、歌心が溢れ、即興性の高いインタープレイは見事という他は無い。
 
 

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2022年8月12日 (金曜日)

Evans-Eubanks の素敵なデュオ

「小粋なジャズ」盤というのは、昔の、そう、ハードバップ時代のアルバムばかりが対象では無い。現代のメインストリーム・ジャズの新盤の中にも、聴き応えのある「小粋なジャズ」盤は、結構、耳にすることが出来る。ジャズの歴史100年の中で培われた「小粋なフレーズ」や「小粋な展開」を十分に踏まえて、新しいジャズを創造していることが良く判る。

Evans-Eubanks Experience『EEE』(写真左)。2022年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Orrin Evans (p), Kevin Eubanks (g)。今年47歳の中堅ピアニスト、オリン・エヴァンス。そして、今年64歳のベテラン・ギタリスト、ケヴィン・ユーバンクス。年齢差が17、フィラデルフィア繋がりのデュオ・パフォーマンス。

冒頭のジャズ・ファンクとボサノバのグルーヴが融合した様な、ユーバンクス作の「Novice Bounce」を聴けば、このデュオ・パフォーマンスがただものではないことが良く判るかと思う。時にダイナミックにメリハリのある展開を、そして、時にジェントルで流麗なギター。切れ味良く、硬質だがメロディアスなフレーズのピアノ。このギターとピアノが絶妙にユニゾンし、ハーモニーし、対峙する。上質のデュオ演奏。
 

Evanseubanks-experienceeee

 
バラード曲の「Dreams of Lovin' You」や「Dawn Marie」では、適度なテンションを保ちながら、息を吹きかける様な繊細さを伴ったユッタリとしたフレーズで、エヴァンスとユーバンクスが絶妙のインタープレイを繰り広げる。フレーズの拡がりと奥行き、そして、アップダウン。ピッタリと息の合った、スリリングで心地の良いデュオ・パフォーマンスは聴きどころ満載。

即興演奏がメインの「I Don't Know」は、ほとんどフリーでモーダルな掛け合いは実にスリリング。エヴァンスとユーバンクスのテクニックの高さを存分に活かしたインタープレイには、思わず息を吞むほどだ。音域の幅を十分に活かして、ブルージーな即興フレーズが次々に浮かんでは消えていく。このデュオの実力の高さを再認識する。

ジャズのデュオ演奏については、ジャズの歴史上、優れたパフォーマンスが多く存在するが、この2022年のエヴァンスとユーバンクスのデュオ演奏は、ジャズの歴史上の他の優れたパフォーマンスに匹敵する内容だと僕は思う。こういう優れた内容のデュオ盤が、さりげなくリリースされるとは、まだまだジャズは深化し続けている、ということを強く実感するのだ。 
 

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2022年8月 5日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・245

ジャズには「ジャケ買い」という言葉がある。ジャケットのデザインが優秀なジャズ盤に「外れ」は無い、という格言みたいなもの。僕の場合、ジャズを聴き始めて40数年、この「ジャケ買い」については、年平均10枚ほどあって、確かに、優れたジャケットのジャズ盤には「外れ」が無い、という確率はかなり高い。

今回のこのジャケットもそうだった。パッと見て『The Other Side of Benny Golson』やLee Morgan『The Rumproller』のロゴタイプの部分を思い出した。いや〜小粋なジャケットである。「今」のジャズ盤でも「ジャケ買い」はある。この盤については思わず「ポチッとな」である。ゲットして、誰のリーダー作かなぁと思って見たら「Walter Smith iii & Matthew Stevens」とある。あれ〜、これって、前に当ブログで扱ったことのある(2020年9月3日のブログ)2人のリーダーの名前ではないか。

Walter Smith iii & Matthew Stevens『In Common III』(写真左)。2021年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Walter Smith III (sax), Matt Stevens (g), Kris Davis (p), Dave Holland (b), Terri Lyne Carrington (ds)。テナーのウォルター・スミス3世、ギターのマシュー・スティーヴンスの双頭リーダーのバンド「In Common」の3枚目のアルバムである。
 

Walter-smith-iii-matthew-stevensin-commo

 
1枚目から2枚目のアルバムについてもそうだったが、双頭リーダーの2人以外、リズム・セクション3人が新しいメンバーに総入れ替えである。ピアノのクリス・デイビスは41歳(録音当時)、大ベテランのベースのデイブ・ホランドは74歳、ドラムのテリ・リン・キャリントンは56歳と、中堅〜大ベテランのリズム・セクションで、このリズム・セクションがこの盤の演奏の自由度の高さとアンサンブルの見事さをガッチリと支えている。

音的には「欧州のニュー・ジャズ」っぽい。エコーが控えめな分、欧州度は緩やかだが、双頭リーダー二人のアンサンブルやインタープレイは、非4ビートで流麗な自由度の高い即興フレーズで、ニュー・ジャズの響きが濃厚。空間の拡がり活かした、枯れた雰囲気の、やや幽玄で淡々としたフレーズの紡ぎは実に個性的。懐かしい様な、レトロなサックスとギターの響きにしみじみとする。

大向こうを張った劇的な展開は無いが、じっくり小粋でノスタルジックな響きの演奏の数々は「中毒性」があって、ずっと聴いていたくなる。どこかアンビエント&スピリチュアルな雰囲気もあり、じっくりと聴き応えのある、ニュー・ジャズな雰囲気のアルバムです。
 
 

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