2022年1月 5日 (水曜日)

「モード・ジャズ」の名盤の1枚

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズは、1954年から1990年の36年間、活動し続けた伝説のジャズ・バンド。リーダーはアート・ブレイキー。しかし、リーダー以外の他のメンバーはそれぞれの時代で、総替えイメージで入れ替わる。そして、このジャズ・メッセンジャーズに所属して活躍したジャズマンは、皆、一流のジャズマンとして独り立ちしている。

このジャズ・メッセンジャーズの、それぞれの時代毎の演奏のスタイル、トレンドを聴けば、ハードバップ系のジャズの演奏スタイルの変遷、1950年代前半のハードバップ誕生〜ファンキー・ジャズ〜モード・ジャズ〜1970年代のハードバップ〜新伝承派ジャズ〜ネオ・ハードバップまで、それぞれの時代の「音楽監督」の存在と共に、ジャズ演奏のスタイル、トレンドを押さえることが出来る。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Mosaic』(写真)。1961年10月2日の録音。ブルーノートの4090番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Jymie Merritt (b)。ハバード〜フラー〜ショーターの「伝説のフロント3管」のセクステット編成。この時点でのメッセンジャーズの音楽監督は、テナーのウェイン・ショーター。
 

Mosaic

 
僕はこの時代のメッセンジャーズの音が大好きだ。テクニック優秀、歌心もあり、出て来る音も迫力満点の「伝説のフロント3管」のユニゾン&ハーモニーは官能的でファンキー。ソロ・パフォーマンスに入れば、バリバリ「モーダルな」インプロビゼーション。メンバーそれぞれが自作曲を持ち寄り、モーダルなアレンジを施して演奏される「モーダルなハードバップ」演奏の数々。

モード・ジャズは、即興演奏の幅を拡げ、アドリブ・フレーズの類似化を避け、高度な演奏テクニックを要求する、とっても「ジャズ」らしい演奏スタイル。この難度の高いモード・ジャズを、物の見事に、何事も無いかの様にやってのける。バックのブレイキー〜ウォルトン〜メリットのリズム隊も、フロント3管のモーダルな演奏をガッチリとサポートしていて見事。

この盤については、モード・ジャズの名演を収めた、モード・ジャズの代表的名盤の1枚と言って良いだろう。音楽監督のショーターの手腕と、それを実現するブレイキーのリーダーシップの成せる技。ジャケットもブルーノートらしくて、良き時代のジャズをビンビンに感じさせてくれる。
 
 
 
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2021年10月18日 (月曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・7

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズは、1954年から1990年の36年間、アート・ブレイキーの下、活動し続けた、伝説のジャズ・バンドである。リーダーはブレイキーだが、他のメンバーはそれぞれの時代で入れ替わる。しかも、このジャズ・メッセンジャーズに所属して活躍したジャズマンは、おおよそ、一流のジャズマンとして育っていった。

Art Blakey & The Jazz Messengers『At the Cafe Bohemia, Vol. 1&2』(写真)。1955年11月23日、NYのライヴ・スポット「カフェ・ボヘミア」でのライヴ録音。ブルーノートの1507 & 1508番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Kenny Dorham (tp). Hank Mobley (ts), Horace Silver (p), Doug Watkins (b)。ブレイキーとシルヴァーが共存した時代のザ・ジャズ・メッセンジャーズの傑作ライヴである。

1955年と言えば、ハードバップ初期から中期への移行期。ハードバップについて、その演奏の方法、雰囲気、音楽理論が体験的に整理され、その方法論が確立された時期。この『カフェ・ボヘミア』は、そんな時期にライヴ録音された、奇跡的なハードバップ演奏の記録である。なんせ、このライヴ盤2枚に録音されている内容については「文句の付けようが無い」。
 

At-the-cafe-bohemia

 
演奏の要は「ブレイキーとシルヴァー」。ブレイキーのドラミングは、ハードバップ期の代表的ドラミングの1つ。演奏のリズム&ビートを牽引し、フロント楽器を鼓舞し、フロント楽器の展開をコントロールする。コードがベースのハードバップにおいて、シルヴァーのピアノの演奏スタイルは、ハードバップ期の流行スタイルの1つ。後のファンキー・ピアノの先駆。ワトキンスのベースは、ブレイキーとシルヴァーとの「ビート」の橋渡し役。このバンド演奏の「ビート」の方向性を示し続けている。

フロント楽器に目を転じると、このライヴ盤でのハンク・モブレーは何時になく絶好調。というか、モブレーのサックス奏者としての生涯最高のブロウかもしれない。それほどまでに内容が素晴らしい。ケニー・ドーハムのトランペットも同様。そのパフォーマンスがバラツキがちなドーハムが、優れたテクニックでバリバリ吹きまくっている。このフロント2管のパフォーマンスは、ハードバップ期を代表するものの1つだろう。

このライヴ盤のハードバピッシュ度は相当に高い。ハードバップ演奏の良好なサンプルであり、ショーケースでもある。ハードバップとは何か、に迷ったら、僕はこの盤を聴く。この盤にある演奏の好要素を記憶に留めて、他のハードバップの演奏を聴く。ハードバップ演奏の基準となる演奏がこのライヴ盤に詰まっている。
 
 
 
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2021年8月21日 (土曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・4

「僕なりの超名盤研究」の第4回目。この盤については、どのジャズ盤紹介本でも「ジャズの代表的な演奏トレンドであるハードバップの始まりを記録した盤」としている。いわゆる「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤と評価されている。が、売り文句としては実にキャッチャーな表現だが、この盤が記録したライヴ・パフォーマンスを境目に、ハードバップが一気に展開されていった訳ではない。

Art Blakey『A Night at Birdland Vol.1&2』。1954年2月21日、NYのライブスポット、バードランドでのライヴ録音。邦題『バードランドの夜』。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Clifford Brown (tp), Lou Donaldson (as), Horace Silver (p), Curley Russell (b)。アナウンスは「Pee Wee Marquette」。バードランドの夜は、このピー・ウィー・マーケットの熱気溢れる紹介アナウンスから幕を開ける。臨場感抜群である。

さて、この『バードランドの夜』、この演奏がハードバップの萌芽とされる訳だが、聴いてみてどこがそうなんだか、特に、ジャズを聴き始めた頃、このライヴ盤を聴いても「さっぱり判らん」が正直なところ。

ところで「ハードバップ」とは何か、であるが、Wikipediaを紐解き、要約すると「アメリカ東海岸で、1950年代に始まり1960年代まで続いた演奏スタイル。一般的なジャズサウンドのイメージはこのスタイルと言える。アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現することができ、大衆性と芸術性の共存を可能とした演奏スタイル」とのこと。

これでもまだ「良く判らん」なので、他の演奏スタイルと比較してみる必要がある。ハードバップに至るまでのジャズの演奏形式の変化である。これをやらないと、この『バードランドの夜』を聴いても、何が「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤なのか、さっぱり判らないままである。
 

A-night-at-birdland

 
ハードバップの前の流行の演奏スタイルは「ビ・バップ」。最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿いつつ、自由な即興演奏を順番に行う形式。演奏テクニックとアドリブ・フレーズの優秀性に重きが置かれ、スインギーな側面やメロディーを楽しむ側面はそぎ落とされ、アクロバティックな即興演奏だけが着目される演奏形式となった。音楽としての「聴き手」の嗜好を無視した内容に陥り易く、ジャズの大衆性が阻害され易い演奏形式ともいえる。

で、比較である。まず、ビ・バップの演奏の雰囲気は、Dizzy Gillespie『Groovin' High』(2015年7月28日のブログ参照)などで感じることが出来る。次に、ビ・バップからハードバップの過渡期の雰囲気は、Charlie Parker『The Genius Of Charlie Parker, #3 - Now's The Time』(2021年4月8日のブログ参照)、そして、ハードバップ初期の雰囲気はこの『A Night at Birdland Vol.1&2』で感じることが出来る。

特に面白いのは、ビバップからハードバップの過渡期の雰囲気を記録してパーカー盤。ビバップの祖の一人、パーカーがメインとなっているリーダー作だが、内容的には、ハードバップの特色である「アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現する」部分の兆しがこの過渡期の盤に記録されている。確かにこのパーカー盤はビ・バップでは無い。

そして、今回の『バードランドの夜』。確かに、この盤の演奏は明らかに「アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現する」部分が貫かれている。曲のコードをより細かく分けたり、テンポの速くして演奏をより複雑にしたり、演奏のニュアンス、バリエーション豊かにして、演奏の表現力を豊かにした、いわゆる「聴かせること」そして「アーティスティックなこと」を前面に押し出した演奏は聴き応え十分。

このライヴ盤には、ハードバップの要素がぎっしり詰め込まれている。しかも、このアルバムはスタジオ盤では無い、一発録りのライブ録音。つまり、1954年には、皆が皆では無いにしろ、このハードバップ的な演奏がライヴで、一発録りな雰囲気で行われていたのである。当時のジャズの演奏レベルの高さというものを改めて感じる。
 
 
 
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2021年8月 4日 (水曜日)

コードからモードへの変化。

モダン・ジャズの発端が「ビ・バップ」、そして、それが進化した「ハードバップ」。これらは「コード」による演奏展開。アドリブ・フレーズを複雑化すればするほど「コード」は複雑化。複雑化の限界が来てマンネリに陥る。コードの複雑化に限界が来て、演奏の響きや雰囲気が皆同じに聴こえるようになる。

そこで、そのマンネリを打破すべく、マイルス・デイヴィスが西洋の古い教会音楽の音階を応用して作った演奏展開が「モード」。モード・ジャズは、それまでの「コード」中心の演奏展開とは全く逆の発想で、コード進行を徹底的に単純化(コードが2つとか3つ程度)、単純化された音階の中で自由度を高め、フレキシブルな変化を作り出す。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Meet You at the Jazz Corner of the World Vol.1 & 2』(写真)。ブルーノートの4054 & 4055番。1960年9月14日、NYのジャズクラブ「Birdland」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Pee Wee Marquette (announcer)。

そんな「コード」と「モード」の音の響きがとても良く判るメッセンジャーズのライヴ盤。パーソネルを見ると、テナー・サックスが、ベニー・ゴルソンからウェイン・ショーターに代わっている。
 

Meet-you-at-the-jazz-corner

 
その他のメンバーは、ファンキー・ジャズの名盤『Moanin'』と同じ。でも『Moanin'』と当ライヴ盤とでは、演奏展開、演奏の響きが全く異なるから面白い。

ゴルソンとショーター、両者ともメッセンジャーズの中での役割が「テナーと音楽監督の兼務」。音楽監督の演奏志向がガラッと変わり、その新しい演奏志向を担当のテナー・サックスで吹き上げていく。『Moanin'』と当ライヴ盤とを聴き比べると、「コード」による演奏展開と「モード」による演奏展開との、音の響きと雰囲気の違いが実に良く判る。

同時に演奏するジャズマン、特に旋律楽器において、「モード」に対する適用度合いに大きな差が出てくる。テナーのショーターは当たり前ながら、トランペットのモーガンも「モード」にしっかり適用してきているように聴こえる。

しかし、ティモンズのピアノは、何とか「モード」に適用しているが、気持ち良く弾いている訳ではなさそう。モードがベースのファンキー・ジャズをやっている時の躍動感が希薄になり、意外と窮屈そうなのだ。

ショーターが音楽監督を担当し、ジャズ・メッセンジャーズはモード演奏の先端を行くバンドに変化する。その変化によって、バンドのメンバー構成が大きく変化していく。
 
 
 
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2021年7月10日 (土曜日)

モーダルなメッセンジャーズ

伝説のジャズ・ドラマー、アート・ブレイキー率いる「ジャズ・メッセンジャーズ」。数々の有望な若手ジャズマンの登竜門的バンドで、ブレイキーにスカウトされ、このバンドで活躍したジャズマンは、このバンドを離れた後、ほとんどのジャズマンがジャズ・シーンの中核を担う存在になっていった。

Art Blakey and The Jazz Messengers『A Night in Tunisia』(写真)。1960年8月の録音。ブルーノートの4049番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。鯔背なトランペッター、モーガンと、モーダルなテナー・タイタン、ショーターとの2管フロント。クインテット編成になる。

あのファンキー・ジャズの大名盤『Moanin'』から、メンバーはテナー・サックス担当 & バンドの音楽監督のベニー・ゴルソンから、ウェイン・ショーターに代わっただけ。しかし、前作『The Big Beat』で、テナー・サックスがショーターに代わった途端、ジャズ・メッセンジャーズの音はガラリと変わる。明らかに「モード」の雰囲気が色濃くなっていた。
 

A-night-in-tunisia

 
そして、この『A Night in Tunisia』である。タイトル曲はビ・バップ時代の名曲。しかし、演奏内容は明らかに「モード」。この盤から、ショーターはバンドの音楽監督としての役割を100%果たし始めた。ファンキー・ジャズ一色だったメッセンジャーズを一気に「モード色」に塗り替えたのだ。ショーターのテナー・サックスは徹頭徹尾「モーダルな」フレーズで埋め尽くされている。

で、他のメンバーである。スタジオ録音2作前にはコッテコテのファンキー・ジャズをやっていたメンバーである。モードに適応せず、バンドを離れて行くのかと思いきや、意外や意外、コッテコテのファンキー・ピアノのティモンズも窮屈そうだが、モーガン、メリット、皆、モードに填まっている。もとより、リーダーのブレイキー御大がモーダルな演奏を牽引している。いやはや、凄いポテンシャルを持ったバンドである。

モードって何、と聞かれたら、この盤と『Moanin'』を聴き比べてもらうのが一番かな。それほど、このアルバムはモード・ジャズの音が詰まっていて、その響きは独特なもの。ショーターが音楽監督として、バンドに持ち込んだ「モード・ジャズ」。ショーターがマイルス・バンドに引き抜かれた後も、1960年代のメッセンジャーズの音として定着していくのだ。
 
 
 
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2021年5月31日 (月曜日)

「アフロ・キューバン」の先駆け

ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンは、アート・ブレイキーと組んで、後に「ライオンの狂気」と形容される、打楽器中心のリズム&ビートを前面に押し出した企画盤を3種類出している。1つは『Orgy In Rhythm』、そしてもう1つは、今回ご紹介する『Holiday for Skins』そして『The African Beat』。

これらの企画盤は「ライオンの狂気」として片付けるにはあまりに短絡的だろう。確かにこの企画盤は売れないだろう。しかし、音楽芸術として鑑賞にしっかり耐える内容であり、演奏内容は実に優れたものだ。

Art Blakey『Holiday for Skins vol.1 & 2』(写真)。1958年11月9日の録音。ブルーノートの4004、4005番。1554、1555番の『Orgy In Rhythm』に続く、ブレイキーの打楽器中心のリズム&ビートを前面に押し出した企画盤の第二弾。

ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds, chanting), Donald Byrd (tp), Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b), Art Taylor (ds), Philly Joe Jones (ds, chanting, vo), Ray Barretto, Victor Gonzales, Julio Martinez, Sabu Martinez, Chonguito Vincente (bongos, congas), Fred Pagani (timbales), Andy Delannoy (maracas), Austin Cromer, Hal Rasheed (chanting)。

第一弾の『Orgy In Rhythm』は「アフリカン・ネイティブ」な打楽器の饗宴。どう聴いても「ジャズ」ではない。アフリカのリズム&ビートの洪水。が、この第二弾は、パーソネルの担当楽器を見渡せば何となく判る。そう「アフロ・キューバン」。アフロ・キューバンなリズム&ビートの洪水である。
 

Holiday-for-skins
 
 
しかし、メンバーについては、第一弾の時の Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b), Arthur Taylor (ds), Sabu Martinez (perc.vo) は引き続きサイドマンとして参加している。つまり、リズム&ビートの要となる「リズム・セクション」は、第一弾の『Orgy In Rhythm』のリズム・セクションを継続している。

この辺が、リーダーのブレイキーとプロデューサーのライオンの明快な「深慮遠謀」が感じられる。単に思いつきと気合いだけで、この企画盤を企図して制作した訳では無い。

「アフロ・キューバン」なので、トランペットを補強。ドナルド・バードが担当している。このトランペットの存在が、演奏全体のメロディやフレーズを明確にしていて、この盤については、第一弾の『Orgy In Rhythm』とは異なり、しっかり「ジャズ」している。つまりは、演奏全体の雰囲気は「アフロ・キューバン・ジャズ」なのだ。

サブー 率いるパーカッシヨン隊の「リズムの洪水」の様なポリリズムが見事で、ボンゴ、コンガ、マラカスなどの打楽器の音そのものが「アフロ・キューバン」な雰囲気を濃厚なものにしている。

「アフロ・キューバン」の先駆けであり、ワールド・ミュージック志向の先駆けでもあり、まさに時代を先取りした驚異的な実験作。1958年という時期に、よくまあ、こんな先進的な盤を企図し録音したと思います。ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの「ジャズの根源、ジャズの本質」を突いたプロデュース。そして、それを的確に実現したリーダーのブレイキー。当時のブルーノートでしか為し得ない「快挙」だと思います。
 
 
 

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2021年5月14日 (金曜日)

メッセンジャーズは変化する。

ブルーノート・レーベルの1500番台、そして、4000〜4423番の中で、アート・ブレイキー単独名義とアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ名義のアルバムを併せると全部で23枚あるのだそうだ。この記録は「第2位」。ちなみに第1位は、ジミー・スミスで27枚。

取りも直さず、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズはブルーノートの看板バンドだったのだが、我が国では意外と盤毎に人気のバラツキがある。ファンキー・ジャズの代名詞的アルバム『Moanin'』は大人気盤なのだが、その次は、と問われれば、意外と具体的な盤名が出てこないジャズ者の方々が多い。どうも、ジャズ・メッセンジャーズって、我が国では意外と人気が薄いのではないか、と思っている(僕にはお気に入りバンドのひとつですが)。

Art Blakey & Jazz Messengers『The Big Beat』(写真左)。1960年3月6日の録音。ブルーノートの4029番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp, flh), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。モーガンのトランペット、ショーターのテナーの2管フロントのクインテット編成。

実はこの盤、かのファンキー・ジャズの代名詞的アルバム『Moanin'』のすぐ後のスタジオ録音盤なのだ。『Moanin'』の録音が1958年10月末なので、この『The Big Beat』は、僅か4ヶ月後の録音になる。メンバーを見渡すと、テナーがベニー・ゴルソンからウェイン・ショーターに代わっているだけ。
 

The-big-beat
 

しかし、この盤を聴くと、内容的に『Moanin'』を踏襲したファンキー・ジャズかと思いきや、これまた違った雰囲気のファンキー・ジャズになっているから面白い。『Moanin'』は「こってこてファンキー」な内容だったが、この『The Big Beat』は、「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズに変化している。

ショーターのテナーが引き金になっている。ショーター以外のメンバーは、ファンキー・ジャズを踏襲した、正統なハードバップ志向だが、ショーターのパフォーマンスだけ、ちょっと響きが異なる。モーダルでクールなフレーズが見え隠れしていて、熱いファンキーな雰囲気というよりは、クールで理知的な雰囲気になっている。そして、他のメンバーが、このショーターの「異質な雰囲気」に感化されて、演奏全体が「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズに変化しているのだ。ショーター恐るべし、である。

曲の雰囲気もどこか「クールで理知的な」雰囲気が漂う楽曲があって、作曲者を見ると、やはりショーターが書いている。正式には全6曲で、その6曲中、半分がショーター作。どこかエキゾチックでどこかモーダルなショーターの曲の存在が、この盤の雰囲気を「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズに変えている。

ジャズ・メッセンジャーズが、こってこてファンキーなジャズからモーダルなジャズへ変貌する、最初の姿がこの盤に記されている。この盤に記録されている「クールで大人でアーバンな」ファンキー・ジャズ、なかなかお洒落で聴き応えがある。特にラストの「It's Only a Paper Moon」はずっと僕のお気に入り曲の1つで、典型的な「クールで理知的な」ファンキー・チューンに仕上がっている。
 
 
 

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2021年5月 8日 (土曜日)

ジャズ・メッセンジャーズ再評価

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey And The Jazz Messengers)は、ブルーノート・レーベル黄金時代の看板バンド。ジャズ・メッセンジャーズは、有望新人の登竜門的役割を果たしていて、後世に名を残した一流ジャズマンの中でも、このジャズ・メッセンジャーズ出身のジャズマンが多くいる。

そんなアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズだが、我が国において人気の高いアルバムについてはかなり偏りがある。『Moanin'』『Art Blakey et les Jazz-Messengers au club St. Germain』など、ファンキー・ジャズの代表盤とされるものは人気があるが、他のアルバムについては、あまりジャズ盤紹介本には登場しない。う〜ん、良く判らないなあ。

Art Blakey And The Jazz Messengers『At the Jazz Corner of the World, Vol. 1& 2』(写真)。1959年4月15日の録音。ブルーノートの4015、4016番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Hank Mobley (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Pee Wee Marquette (announcer)。

ファンキー・ジャズの大人気盤『Moanin'』録音の半年後のライブ録音になる。『Moanin'』の録音時に音楽監督だったテナー・サックス担当のベニー・ゴルソンが抜けて、ピンチヒッター的にハンク・モブレーが参加してのライヴ・パフォーマンス。ゴルソンの残した「ゴルソン・ハーモニー」もしっかり残っていて、極上のファンキー・ジャズが展開されている。
 

At-the-jazz-corner-of-the-world-vol-1-2

 
特に、モーガン〜モブレーの2管フロントが好調。モーガンのトランペットはこの時期、絶好調なのだが、もう1人のフロントマン、録音の度に好不調の波があるモブレーが、この盤ではガンガンに吹きまくっている。このモブレーのテナー・サックスが一番の「聴きもの」。モブレーって、上手いのか下手なのか、良く判らないテナー・マンだったが、このライヴ盤では素晴らしいパフォーマンスを披露している。

バックのリズム隊も素晴らしいパフォーマンスで、特にティモンズのピアノが、むっちゃ「ファンキー」。もともとこのライブ盤、ファンクネス濃厚なライヴ・パフォーマンスのオンパレードなんだが、特にティモンズのピアノ・ソロが出てくると、この盤の雰囲気が、さらに思いっ切り「ファンキー」な音世界に変わる。

良い内容の上質のファンキー・ジャズがこの盤に詰まっている。のだが、意外とあまりジャズ盤紹介本には登場しない。ファンキー・ジャズは俗っぽい、という評価もあるので、それが影響しているのだろうか。

しかし、である。ファンキー・ジャズは俗っぽいなんて、俗っぽくて何が問題なのか、理解に苦しむ。とにかく、このライヴ盤には、ファンキー・ジャズという上質の「モダン・ジャズ」の優れたパフォーマンスが詰まってる。

当時のライヴ・ハウスの雰囲気をダイレクトに伝えてくれる、ピー・ウィー・マーケットのアナウンスで始まる、目眩くファンクネス濃厚なパフォーマンス。ハードバップ黄金時代の素晴らしい演奏の記録である。
 
 
 

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2021年1月17日 (日曜日)

「危険な関係」とは懐かしい。

21世紀に入って20年。今でも時々、その存在をすっかり忘れていた、懐かしいアルバムがリイシューされることがある。この盤もその類なんだが、パーソネルと曲名を見て、最初は未発表音源だと思った。が、資料を見るとそうでは無い。そして、中身を聴くとリイシューなんだが、テイク違いのボートラが何曲か入っている。これは以前からなのか、今回のリイシューからなのか。ボートラの存在って紛らわしい。

Art Blakey & The Jazz Messengers feat. Barney Wilen『Les Liaisons Dangereuses 1960』(写真)。1959年7月28-29日、ニューヨークでの録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Barney Wilen (sax), Lee Morgan (tp), Bobby Timmons (p), Duke Jordan (p, tracks: 3 only), Jimmy Merritt (b), John Rodriguez (Bongos), Tommy Lopez, William Rodriguez (Congas)。

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースがパリに演奏旅行に行った折の録音かな、と思ったら、なんとNYでの録音でした。バルネ・ウィランは、当時、仏ジャズきってのサックス奏者。この時はNYに呼ばれたのかな。タイトルの「Les Liaisons Dangereuses」は、邦題では「危険な関係」。おお〜懐かしい(笑)。
 
Les-liasons-dangereuses
 
この盤は、ロジェ・ヴァディム監督『危険な関係』(主演:ジェラール・フィリップ、ジャンヌ・モロー/1960年)のサントラ盤。映画本編では、セロニアス・モンク・カルテットと、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの曲が使用されているが、この盤ではジャズ・メッセンジャーズのみの演奏を収録している。

内容的には上質のハードバップ&ファンキー・ジャズ。特にサックスのウィランは、単独では硬質なバップ系サックスなんだが、この盤では、ジャズ・メッセンジャーズのお陰で芳しいファンクネスが添加されて、雰囲気の良いファンキー・サックスに変化している。ここでのウィランのテナーは素晴らしいパフォーマンスで、彼の真価を遺憾なく発揮している。

本当に久し振りにこの盤を聴いたのですが、やっぱり良い雰囲気、良い内容のサントラ盤でした。ハードバップの良いところがアルバム全編に散りばめられていて、安心してその演奏に聴く耳を委ねることが出来る、懐かしい内容です。バルネ・ウィランのサックスの真価を確認出来る好盤としても評価できるかと思います。いや〜懐かしいリイシュー盤に出会いました。
 
 
 

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2020年11月16日 (月曜日)

ワールド・ミュージックの先駆け

ブルーノート・レーベル1500番台は正統派ジャズの宝庫。他のレーベルに無い特色として、ジャズの、ジャズマンのアーティステックな面をクローズアップした「企画型のアルバム」を色々とリリースしている。

例えば、ハードバップの萌芽を記録した『A Night At Birdland』がそうだし、バド・パウエルの才能を記録した『The Amazing Bud Powell』のシリーズ、麻薬禍の最中にあったマイルスの「ハードバップへのアプローチ」を記録した『Miles Davis, Vol.1 & 2』もそうだろう。

Art Blakey『Orgy in Rhythm Vol.1 & 2』(写真)。1957年3月7日、NYのManhattan Towersでの録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds.vo), Herbie Mann (fl), Ray Bryant (p), Wendell Marshall (b),Jo Jones (ds.tympani), Arthur Taylor (ds), Sabu Martinez (perc.vo), Specs Wright (ds.tympani), Ubaldo Nieto (perc.timbales), Evilio Quintero (perc.maracas.cencerro), Carlos "Patato" Valdes (perc)。

パーソネルを見渡すと、ジャズ盤として異常なメンバー構成であることに気がつく。リーダーのアート・ブレイキーを始めとして、ドラム&パーカッション奏者が「8人」もいるのだ。ジャズのセッションで打楽器奏者が8人。どんな演奏内容なんだ。しかも、演奏のボリュームもアルバム2枚とかなりのボリュームだ。
 
 
Orgy-in-rhythm  
 
 
1957年に録音された超実験的な演奏。内容的には「アフリカン・ネイティブ」な打楽器の饗宴。ジャズでは無い。アフリカのリズムの洪水である。1970年代以降、音楽ジャンルとして認知された「ワールド・ミュージック」の先駆け、それも相当に早い先駆けである。しかも内容的には、現代の「今」にリリースされても、決して古さを感じさせない、「今」に十分通用する、「今」に十分に評価されるであろう優れた内容である。

ジャズはアフリカン・アメリカンが生んだ「音楽芸術」だが、リズム&ビートを源は「アフリカ」。そこに注目して、こんな超実験的なパーカッションがメインの企画盤を作った、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオン。

ライオンはドイツ出身なので、ライオンは如何にジャズを理解し、如何にジャズを「芸術」として捉えていたかが良く判る。これは実はブルーノート・レーベルにだけ言えること。他のレーベルはジャズを「ポップス・ミュージック」=「流行音楽」として捉えていたフシがある。

この盤、実は「ライオンの狂気」と形容される。「狂気」として片付けるにはあまりに短絡的だろう。確かにこの企画盤は売れないだろう。しかし、音楽芸術として鑑賞にしっかり耐える内容であり、演奏内容は実に優れたものだ。

こういう盤を企画しリリースする。ジャズを「音楽芸術」として捉え、ジャズの本質をしっかりと理解したプロデューサーとしての「矜持」を強く感じる。そういう意味で、ブルーノート・レーベルはやっぱり、他とは一線を画する、素晴らしいレーベルだ。
 
 
 

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