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2018年9月19日 (水曜日)

カシオペアの「最高の演奏」盤

Casiopea(カシオペア)は、日本発のフュージョン・バンド。1979年11月、セカンド盤の『Super FlightL』で出会って以来、ずっとリアルタイムで聴き続けている。爽快感溢れる、高テクニックで流麗なフレーズ、タイトでシャープなリズム&ビート。疾走感溢れる、カッ飛ぶバンド・サウンド。今でも大好きなフュージョン・ジャズ・バンドである。

Casiopea『Mint Jams』(写真)。1982年5月のリリース。カシオペアの7枚目のアルバム。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds)。この盤はライブ盤である。が、聴けば判るが、観客のノイズ(拍手や掛け声)がほとんど無い。非常に人工的なライブ盤である。しかしながら、この作りで聴くカシオペア・サウンドがいかにも「カシオペアらしい」。

「ライブの迫力とスタジオ録音の緻密さが一緒になった盤」がコンセプトで、アルバム制作のマテリアルとして、築地会館における2日間の単独ライブ音源が使用され、入念なリミックスが施されている。スタジオで一部、トリートメント処理はなされているが、オーバー・ダビングは一切無いとのこと。そして、観客のノイズを「Domino Line」と「Swear」の一部を除きカット。
 

Mint_jams  

 
以上の様な経緯を経て、スタジオ録音の様な緻密さとライブ録音の様な演奏の迫力が両立した、素晴らしい内容のアルバムに仕上がっている。選曲もふるっていて、当時のベスト盤的な選曲で、特にライブ映えする楽曲がズラリと並んでいる。「Take Me」「Asayake」「Time Limit」「Domino Line」など、爽快感抜群。何から何まで「カシオペア・サウンド」である。

このライブ盤、音がとても良い。ライブ音源をベースにしているが、楽器の分離も良い。ギターの音は切れ味良く、キーボードの音は疾走感溢れ、ドラムの音はスピード感抜群。これだけ、楽器の音の分離が良い分、演奏全体のダイナミズムは半端ない。聴き始めたらあっと言う間の37分。収録された秀逸な楽曲と相まって、この盤、今でもお気に入りです。

アルバム・タイトルの『Mint Jams』、mint-condition (作りたての、真新しいの意) の「mint」と jam-session(ジャム・セッション)の「jam」を合わせた造語で「最高の演奏」を意味するとのこと。なるほど、この盤に詰まっている音を聴けば、その「最高の演奏」の意味するところが良く判る。カシオペアのベスト盤の位置づけとして、今でもお気に入り盤の一枚です。

 
 

東日本大震災から7年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2018年9月18日 (火曜日)

唄う様なアルト・サックスを堪能

昨日から、Grover Washington, Jr.(グローバー・ワシントン・ジュニア、略して「ワシントン・ジュニア」)がブームである。昔から、彼独特のアルト・サックスのトーンと手数に走らない落ち着いたフレーズが好みで、もう一人のフュージョン・アルトの雄、デイヴィッド・サンボーンと併せて、僕にとっては「双璧の二人」である。

今日、聞いた「ワシントン・ジュニア」は、Grover Washington, Jr.『Strawberry Moon』(写真左)。1987年のリリース。B.B.キングがギターとボーカルで客演していたり、マーカス・ミラーが「Summer Nights」という曲をプロデュースしていたり、オルガンの雄、ジョーイ・デフランセスコがキーボードで参加していたり、今の目でパーソネルを見渡せば、意外に話題に事欠かないアルバムである。

1987年といえば、アルバムの録音環境は1970年代と大きく変わり、デジタル録音が主流となって、ほぼ定着した時期である。長年アナログ録音に慣れ親しんだジャズメンにとっては、このデジタル録音環境は難物で、音がペラペラになったり、音のエッジがケバケバになったり、中間音域が飛んで、とんでもないドンシャリになったりで大わらわ。しかし、この盤の音はデジタル臭がほとんどしない。良い録音である。
 

Strawberry_moon  

 
さて、この盤の音の傾向は一言で言うと「スムース・ジャズへの移行中」。アレンジは明らかにスムース・ジャズ基調なんだが、演奏はまだまだフュージョン風の音がメインで、フュージョン・ジャズをリアルタイムで聴いてきた僕にとっては違和感がほとんど無い。リズムも打ち込み風では無く、ちょっぴりアナルグ風の音がそこはかとなく伝わってきた、聴いていて「良い感じやなあ」と思わず呟いてしまうほど。

この頃のワシントン・ジュニアは『クワイエットストーム』+『ソウルジャズ』といった音作りで、この『ソウルジャズ』の雰囲気の部分が僕は好きだ。そんな『ソウルジャズ』な雰囲気を、テクニックに頼らず速い節回しも全くせず、手数に走らない落ち着いたフレーズでしっとりと吹き上げていく様はとても聴き応えがある。

タイトルが『Strawberry Moon』、もともとは「夕陽のよう赤みがかった満月、毎年6月の満月」のことですが、日本語に直訳すると「いちごの月」となんとなく甘ったるい感じがするんで、どうにも誤解されがちな盤ですが、内容的には、スムースな傾向が仄かに香るシッカリしたフュージョン・ジャズです。唄う様なアルト・サックスをご堪能あれ。

 
 

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2018年9月17日 (月曜日)

ワシントン・ジュニア晩年の好盤

やっと涼しくなった千葉県北西部地方。今日はちょっと暑くて、真夏日になったみたいだが、朝と夜は、これは涼しくなったなあ、と感じるくらい涼しくなった。気温的にはまだ夏の終わりくらいで、9月中旬の気温としては高いんだが、今年の夏の暑さは半端なかったので、最高気温が30度を下回ったら「涼しくなったなあ」と感じてしまう。今年の酷暑に洗脳されたなあ(笑)。

涼しくなってきたので、やっとストレス無く、ジャズが聴ける様になったのは喜ばしいことである。特に、ビートの効いたクロスオーバー&フュージョン・ジャズが抵抗なく聴ける様になった。ということで、このところ、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの隠れ好盤や有名レーベルのアルバムを聴き漁っている。

Grover Washington,Jr.『Soulful Strut』(写真左)。1996年のリリース。グローヴァー・ワシントン・ジュニアの晩年の好盤である。ワシントン・ジュニアは1999年に逝去してしまったので、この盤はその逝去3年前のリーダー盤になる。ワシントン・ジュニアは、フュージョン・ジャズのアルトの名手の一人。代表盤として『Winelight』がある。
 

Soulful_strut  

 
さて、この『Soulful Strut』という盤、1996年のリリースなので、一派一絡げに「スムース・ジャズ」の括りに含まれることが多いのだが、この盤、スムース・ジャズと言うが、テイストはフュージョン・ジャズ。リズム&ビートが確実にフュージョンしていて、決して「ムード優先」の音作りには走っていない。あくまで高テクニックを前提とした演奏がメイン、演奏の底にしっかりとジャズが潜んでいる。

ワシントン・ジュニアは「Just the Two of Us」(邦題:『クリスタルの恋人たち』)の大ヒットで、ムーディーなフュージョン・ジャズ、スムース・ジャズの先駆というイメージを植え付けられて損をしているが、彼のサックスは決してムーディー優先では無い。ジャジーでファンキーでアタックの効いた、結構、硬派なアルトを吹き鳴らしている。

そんな硬派なアルトが耳につかないのは、彼独特のアルト・サックスのトーンと手数に走らない落ち着いたフレーズが故。特に、テクニックはかなり高いものがあるのに、それに頼らず、印象的なフレーズを落ちついて吹き上げるところが実に心地良い。この盤はそんなワシントン・ジュニアのアルトを十分に堪能出来る。ジャケットも往年のフュージョン全盛期を想起させるイメージで、思わず頬が緩む。好盤です。

 
 

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2018年9月16日 (日曜日)

T-スクエア者として外せない盤

日本発のフュージョン・グループといえば、カシオペアとT-スクエア。この2つのバンドはリアルタイムでずっと聴き続けて来た。T-スクエアって、最初は「ザ・スクエア」って読んでいたんですよね。もともと、バンドメンバーが4人だから「ザ・スクエア」のノリで命名されたらしいのだが、1989年に「T-スクエア」に改名している。

それは米国でこのアルバムを発売するにあたって、米国では既に、同じ様な名前のバンド「SQUARES」があったため、米国で「T-SQUARE」と名乗り、そのバンド名をそのままに、日本でも活動するようになった。その年が1989年。そして、その改名のきっかけになったアルバムとは、T-SQUARE『TRUTH』(写真)である。日本では1987年4月のリリース。

この『TRUTH』というアルバム、T-スクエアといえば『TRUTH』と言われるくらい、T-スクエアを代表するアルバムである。T-スクエアのバンド・サウンドが成熟し、完成した時期の録音であり、そんなT-スクエアの良い部分がこのアルバムに充満している。当人たちが自らを「ポップ・インストゥメンタル・バンド」と呼んでいるが、まさにこの盤は「ポップ・インストゥメンタル・バンド」の面目躍如である。
 

Tsquare_truth

 
この盤のタイトル曲「TRUTH」、この曲のとても印象的なイントロを聴けば、一般の方々も「これは聴いたことがある」となるのではないか。そう、フジテレビ系の「F1グランプリ」のテーマ曲である。この曲は本当によく出来た曲で、T-スクエアのバンドの個性を凝縮したような名曲である。他の曲もその出来は大変良い。「TRUTH」ばかりがクローズアップされる盤ではあるが、他の曲も含めて、この盤の内容は濃い。

音作りの面でも大きな変化がある。それまでのデッドな録音が、リバーブ(残響)が深い録音に変わっている。いわゆる純日本風の録音から米国風の録音への変化。メリハリが思いっきり効いて、演奏自体の躍動感が飛躍的に向上したように感じる。デッドな録音が悪いと言っている訳では無い。この頃のT-スクエアのバンド・サウンドには、このリバーブ(残響)が深い録音の方がより適している、と感じるのだ。

この盤は、ザ・スクェアとしてリリースされたアルバムの12枚目。この盤で、T-スクエアのバンド・サウンドが成熟し完成した。そして、バンド名を「T-スクエア」と改名。T-スクエアにとって、この盤はバンドとして「記念碑」的な盤であり、マイルストーン的な盤である。ということで、T-スクエアを愛でる上で、T-スクエア者(T-スクエアのファン)として、この『TRUTH』は絶対に避けられない盤なのだ。
 
 
 

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2018年9月12日 (水曜日)

カシオペアの高いポテンシャル

日本発のフュージョン・バンド、カシオペア(CASIOPEA)。カシオペアは、僕がジャズを聴き始めた頃、1979年にデビュー盤をリリース。それを聴いて一発で好きになって、リアルタイムでずっと聴き続けて来た。昨年辺りから、またまたカシオペアが聴きたくなって、順番にオリジナル盤を聴き直している。今は1980年代に入って1982年である。

CASIOPEA『4×4 FOUR BY FOUR』(写真)。1982年10月12日の録音。アルファ・レコード時代のカシオペア作品集の第2弾。カシオペアが、来日公演を行う直前だったリー・リトナーのグループと共演した、珍しい内容のアルバムである。カシオペアのメンバー4人とリトナー・グループのメンバー4人でのセッションだったので「4×4」というアルバム・タイトルになった。

ちなみにカシオペアのメンバーは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b, per), 神保彰 (ds)、リトナー・グループのメンバーは、 Lee Ritenour (g), Don Grusin (key), Nathan East (b), Harvey Mason (ds)。いやはや、リトナー・グループのメンバーは凄腕揃い。セッションするに相手に不足は無い、どころか、相手が凄すぎるのではないか、という不安がよぎるくらいの凄腕揃い。
 

Casiopea_44  

 
冒頭の「Mid-Manhattan」は聴けば、思わず「おおっ」と思う。凄腕揃いのリトナー・グループを向こうに回して、カシオペアのメンバーは全くひけを取らない演奏を繰り広げている。1982年当時、僕はこのアルバムを聴いて、この日本発のフュージョン・バンドは政界的に十分に通用するレベルなんだ、と確信した。それにしても「Mid-Manhattan」って良い曲ですよね。

2曲目の「亡き王女のためのパヴァーヌ」(Pavane -Pour Une Infante Dẻfunte-)が素晴らしい。2つの優秀なフュージョン・バンドを一体となって融合した演奏は官能的でかつ、実に印象的。リトナーと野呂の泣きのギターの共演は今の耳で聴いても惚れ惚れする。そうそう、メイソンと神保のダブル・ドラムを素晴らしい。弾け飛ぶようなビートはまさに爽快。

このレコーディング・セッションは「リハーサル無し、僅か9時間で演奏を終了」と当時、雑誌で読んだかと思う。当時、リハーサル無しにはビックリした。リハーサル無しでこれだけのクオリティーの演奏を叩き出せるとは、カシオペアというバンドの高いポテンシャルを再認識したアルバムであった。もう迷うことは無い、カシオペアについては解散するまでついていこう、この盤を聴いて、そう思った。

 
 

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2018年9月 2日 (日曜日)

1970年代の先駆け的ギタリスト

昨日から涼しくなった千葉県北西部地方。今日などは半袖でじっとしていると肌寒いくらいだ。台風が西日本に接近しつつあるので、天気は良くないのだが、これだけ涼しくなると、ジャズ盤鑑賞の幅も広がるし、ジャズを聴いていても汗ばむことも無い。今年の夏は酷暑続きだったので、ジャズ鑑賞も辛かったですね。というか、まず体調が思わしく無い日が多かったなあ。

そこで、ジャズ・ギターである。熱く弾きまくるジャズ・ギター、クールに弾き進めるジャズ・ギター。様々なパターンのジャズ・ギターを聴き比べたくなる。ジャズ・ギターは、エレギとそのアタッチメントの進歩によって、表現の幅が広がった。今ではホーン楽器と変わらない、音のバリエーションと強弱を手に入れている。

そんなジャズ・ギター、ギタリストによって個性が明らかに異なるので、聴いていて楽しい。今日は、George Benson『Giblet Gravy』(写真左)を選盤。1968年2月の録音。1968年の録音とは言え、曲毎にミュージシャンを選んで録音する、という、1970年代の録音手法が取られていて、録音時、リーダー以外、パーマネントなメンバーは存在しない。
 

Giblet_gravy

 
それでもパーソネルを見渡すと、Eric Gale (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter, Bob Cranshaw (b), Billy Cobham (ds) らの名前が確認出来て、ジャズロック〜クロスオーバーな音が顕著である。フュージョン・ジャズ全盛時にはソフト&メロウなフュージョン・ギターがウリのベンソンではあるが、この盤が録音されたのは1968年。まだまだバリバリに弾きまくっている。

そう、ベンソンは1960年代後半はソウル・ジャズ、ラテン・ジャズに大活躍。かなりハードなエレギに惚れ惚れする。これだけハードだとジャズよりはちょっとロックに寄っている雰囲気。聴き応え抜群である。特に、アドリブ展開におけるグルーヴ感とドライブ感が半端ない。このエレギの音を聴くと、当時、マイルスがセッションに呼んだ理由が理解できるような気がする。

ジャケ写を見れば時代を感じるんだが、若き日のギラギラしたベンソンが実に精悍。この頃のベンソンについては、単にウエス・モンゴメリーの後継者という切り口では無く、ハードバップを越え1970年代への橋渡しとなる、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズなエレギの先駆者という位置づけで、もっと語られるべきギタリストであると僕は思う。

 
 

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2018年8月26日 (日曜日)

絶頂期クルセイダーズのライブ盤

しかし、今年の夏は「酷暑」である。これだけ蒸し暑い日が続く夏は記憶が無い。いつもなら、午前中、朝8時〜10時の間とか夕方5時以降、1時間程度の散歩が可能なはずなんだが、今年はこれらの時間帯では「身の危険」を感じる蒸し暑さ。散歩どころの騒ぎでは無い。よって、今年の夏は完全に運動不足である。よって「痩せない」(笑)。

昨日から、フュージョン・ジャズ全盛時代の夏に、酷暑に耐えながら聴き親しんだアルバムを幾枚か、聴き直している。今日は、The Crusaders『Live in Japan』。1981年のリリース。邦題『音楽会』。1981年1月18日、東京NHKホールでの日本ツアー最終日の演奏を収録。ちなみにパーソネルは、Barry Finnerty and Roland Bautista (g), Rafael Cruz (perc), Alphonso Johnson (b), Wilton Felder (ts), Joe Sample (key), Stix Hooper (ds)。

当時、人気絶頂のクルセイダーズの来日ライブ盤。確かこのライブ音源についてはライブ盤の発売前にFM放送でオンエアされたので、ばっちりエアチェックをして良く聴いていました。レコードとしてライブ盤が1981年にリリースされた時には、演奏が結構編集カットされていて、唖然とした記憶があります。
 

The_crusaders_live_in_japan

 
そのCDについては、1993年にリイシューされ、LP時代に惜しげも無くカットされた、それぞれのソロの部分も復元され、完全盤・世界初CD化と相成った訳で、なんだかホッとした思い出があります。イントロダクションでのメンバー紹介など、時代を感じさせる部分も多々ありますが、意外と録音はまとまっていて、クルセイダーズのファンクネス溢れる躍動感が何とか捉えられています。

冒頭がジョー・サンプルのソロ盤からの「虹の楽園(Rainbow Seeker)」なのが「意味深」。冒頭からなかなか熱い演奏で、さすが、当時人気絶頂だったのが良く判る演奏です。クルセイダーズ独特の粘りのあるファンクネスでは無く、スマートなファンクネスとクールなオフビートがメインで、往年のクルセイダーズ者からすると「オヨヨ」と肩すかしを食らう感じがします。

このライブ盤、選曲と演奏全体の雰囲気からすると、クルセイダーズのライブ盤というよりは、ジョー・サンプルのソロ・ライブ盤と誤解してしまうほど、ジョー・サンプルの音のカラーが色濃く出ています。それが原因の「スマートなファンクネスとクールなオフビート」。絶頂期のクルセイダーズのライブ盤としては、ちょっと不完全燃焼気味。LPではソロが結構切り刻まれているので、このライブ盤についてはCDがマストでしょう。

 
 

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2018年8月25日 (土曜日)

硬派なワシントン・ジュニア盤

今年の夏は蒸し暑さ半端ない。もうバテバテである。こんな酷暑、あったかなあ、と思うんだが、しっかり振り返ると、僕達の大学時代にも相当暑い夏があったような記憶がある。ちょうどジャズを聴き始めて、2〜3年目。昔々、フュージョン・ジャズ全盛時代の夏に、酷暑に耐えながら聴き親しんだアルバムを幾枚か、聴き直してみた。

Grover Washington, Jr.『Skylarkin'』(写真左)。1980年のリリース。ちなみにメインのメンバーは、Grover Washington Jr. (sax, fl, syn), Richard Tee (ac-p, el-p), Eric Gale (g), Marcus Miller (b), Idris Muhammad (ds), Ralph MacDonald (perc)。ベースに若き日のマーカス・ミラーが入っている。ドラムのムハマドと合わせて、独特のリズム&ビートを供給しているところが面白い。

この『Skylarkin'』は人気盤『Winelight』前の盤で、ワシントン・ジュニアの盤の中では地味な存在なのだが、『Winelight』を遙かに凌ぐ、グルーヴ度は満点な盤である。この独特のグルーヴ感は、リチャード・ティーのピアノ、マーカス・ミラーのベース、イドリス・ムハマドのドラム、ラルフ・マクドナルドのパーカッションという、結構ユニークな組合せのリズム・セクションに依るところが大きい。
 

Skylarkin  

 
ワシントン・ジュニアお得意のソフト&メロウな雰囲気のサックス・プレイの中に、ビターでハードなブロウもあって、意外と内容的に硬派なフュージョン盤に仕上がっている。ソフト&メロウなムードに流されない、メインストリーム・ジャズの雰囲気を残した、硬派なジャズの雰囲気が見え隠れするところが僕は気に入っている。聴いていても、なんだか背筋がピンと伸びる感じ。

リズム&ビートも実に個性的。少なくとも、ソフト&メロウの基調とする「甘い」リズム&ビートでは無い。若き日のマーカスの元気溢れるチョッパー、ラルフの躍動感溢れるカウベル。ファンクネス濃厚なティーのエレピ。そこに、ムハマドのアーシーなドラムが絡んで、通常のフュージョン・ジャズとはちょっと異なる、独特のグルーヴ感を持ったリズム&ビートが聴きもの。エリック・ゲイルのギターも良いアクセントとなっています。

この盤、コンテンポラリーな純ジャズな雰囲気を持った、硬派なフュージョン盤として、聴き応えのあるものです。水彩画の様なジャケットが、どうしても甘々なソフト&メロウなフュージョン盤というイメージを醸し出していて、ちょっと損をしている盤ですが、このジャケット・デザインに騙されることなかれ。ワシントン・ジュニアのリーダー作と聞いて、甘々なソフト&メロウなフュージョンを想起して敬遠するには勿体無い、隠れ好盤だと思います。

 
 

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2018年8月21日 (火曜日)

硬派でジャジーなフュージョン

学生時代、ジャズを聴き始めて、まだ2〜3年しか経っていない頃、リアルタイムで聴いたフュージョン・ジャズが無性に聴きたくなる時がある。1970年代後半から1980年代前半、当時はフュージョン全盛期、基本的に良質なフュージョン・ジャズのアルバムが多数、リリースされていた記憶がある。たまには「あれぇ」と首を傾げたくなるような内容のアルバムもあったが、時が経つにつれ、そういう駄盤はすっかり忘れてしまった。

人って良い思い出しか覚えていないと言うが、自分にとっては、音楽については「良い音楽」しか覚えていない様な気がする。自分にとっての「悪い音楽」って、全く覚えていないんですよね。僕だけかなあ。だから、思い出に残っているアルバムについては、是非とも入手したくなる。しかし、タイムリーにリイシューされれば幸せなんだが、時々、強く思い出に残っているのに、なかなかリイシューされない盤があったりして、狼狽えたりする。

また、昔、突如いきなりリイシューされた時に思い切って入手した後、全く音沙汰無く、再リイシューされない盤も沢山ある。特に、フュージョン・ジャズの好盤にこの傾向を強く感じる。そう、この盤についても、以前、リイシューされた時、思い切って入手しておいて「良かったなあ」とつくづく思う好盤である。フュージョン・ジャズのアルバム紹介にもあんまりその名前が挙がらないんだが、これ、好盤です。
 

Crystal_green

 
Rainbow Featuring Will Boulware『Crystal Green』(写真左)。1976年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Will Boulware (p, key, syn), Michael Brecker (ts), Cornell Dupree, Eric Gale (g), Gordon Edwards (el-b), Steve Gadd (ds), Ralph MacDonald (perc)。ギター・ベース・ドラムが伝説のフュージョン・バンド「スタッフ」のメンバーである。そこに、趣味の良い端正なキーボードのブールウェア、パーカッションにラルフが担当。

このリズム・セクション系のメンバーを見渡しただけでも、この盤、凄えなあ、と思うんだが、このリズム・セクションをバックに、凄く印象的なテナーが鳴り響く。そう、このフュージョン盤、このアートで理知的なコルトレーンっぽい、端正で正統派なテナーが聴きものなのだ。このテナーが凄く良い。当時、誰かなあ、と思ってパーソネルを確認したら、若き日のマイケル・ブレッカーでしたとさ。このフュージョン盤でのマイケルのテナー、凄く良い。

この盤、実は日本のジャズ・レーベル「East Wind」からのリリース。当時、流行だったソフト&メロウなフュージョン盤とは一線を画する、メインストリーム基調の硬派でジャジーなフュージョンは、決して甘さに流れない、メリハリ効いた切れ味の良い演奏。時代を越えて「今の耳」にも十分に訴求する内容だ。

 
 

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2018年8月19日 (日曜日)

晩夏にピッタリのフュージョン盤

一昨日辺りから、一気に涼しくなった。9月上旬から中旬の陽気とかで、お盆の頃の猛暑日の日々の蒸し暑さを思い出すと、隔世の感がある。最高気温35度に馴れてしまっていたので、最高気温29度なんて聞くと、思いっきり涼しく感じる。完全に今年の酷暑に「洗脳」されている感じがする(笑)。いわゆる「晩夏」の雰囲気濃厚な、この週末であった。

「晩夏」のフュージョン・ジャズ。ふと頭に浮かぶのは、THE SQUARE『脚線美の誘惑』(写真)。1982年11月のリリースであるが、僕は1983年の夏から暫くの間だ、夏それも8月の後半から9月の中旬にかけて、やたらこのアルバムを聴いた思い出がある。なんか、僕の頭の中では「晩夏」のフュージョン、というイメージが出来上がっていて、ちょっと涼しい風が吹き始める「晩夏」の季節にこの盤を良く聴く。

THE SQUARE(ザ・スクエア)は、カシオペアと並んで、日本のフュージョン・バンドの双璧的存在。テクニックに優れてはいるが、楽曲のフレーズがポップでキャッチャーで聴き易いところが個性。カシオペアと比べて、ちょっと「俗っぽい」のだが、これが良い。それが「ザ・スクエア」の個性である。
 

Kyakusennbi_no_yuwaku

 
この「ザ・スクエア」の個性が確立された盤が、この『脚線美の誘惑』だと僕は思っていて、ザ・スクエアが聴きたいなあ、と思うと、まずはこの盤を聴く。ザ・スクエアはキーボードがメインの音作り、というイメージがあるが、この盤はそのイメージを確立させている。和泉宏隆のキーボードが要所要所で実に効いている。冒頭の「ハワイへ行きたい」など、和泉のキーボード・ワークがとても印象的。

キャッチャーな楽曲も多く収録されているところも良い。当時、コマーシャルで採用された「CHANGE YOUR MIND」(日立マクセル)、前述の「ハワイへ行きたい」は、FM東京の音楽番組『ソニーデジタルサウンド』のテーマ曲に採用された。タイトル曲の「脚線美の誘惑」もポップでキャッチャーな楽曲で、そういうところもこの盤の良いところ。

ボーカルものも1曲のみに縛られ、純粋にインストゥルメンタルな演奏を楽しめるところもグッド。デジタル録音にいち早く対応し、アルバムの音の良さも特筆もの。タイトル『脚線美の誘惑』のイメージ通りの脚線美を強調したイラストをあしらったジャケットも実に良い。ザ・スクエアの初期を代表する一枚として、晩夏の雰囲気にマッチするフュージョン盤として、この季節にピッタリの好盤です。

 
 

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