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2017年10月16日 (月曜日)

チャック・ローブを偲んで ・・・

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、フュージョン・ジャズも分け隔て無く聴く。特に、僕がジャズを聴き始めた頃は1970年代後半で、ジャズ界は「猫も杓子もフュージョン・ジャズ」の大ブームであった。アコースティック楽器メインの純ジャズなんて「古い」と言われて、片隅に追いやられていた。

それだけ、当時のフュージョン・ジャズは多くのファンを持っていた。1980年代に入って、さすがにマンネリ化して、飽きられ廃れたが、マンネリ化して飽きられただけである。フュージョン・ジャズの黄金期、1970年代後半から1980年代初頭にかけての、フュージョン・ジャズには好盤が多い。フュージョン・ジャズ自体のコンセプトに問題があった訳では無い。

それでも1980年代後半、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズは、その音世界の洗練度合いを向上させて「スムース・ジャズ」というサブ・ジャンルを形成するに至り、これが一定の人気を維持している。しかし、21世紀になった今でも、フュージョン・ジャズの雰囲気をしっかりと維持した好盤がリリースされたりして、フュージョン者の耳を楽しませてくれる。
 

Unspoken

 
Chuck Loeb『Unspoken』。2016年のリリース。このアルバムは、聴けば判るのだが、しっかりと、1970年代後半のフュージョン・ジャズの雰囲気をキープしている。今でも、フュージョン・ジャズは生きている。このギター・フュージョン盤がそれを証明している。スムース・ジャズとは一線を引く、フュージョン・ジャズの雰囲気。

フュージョン独特の軽快・爽快なリズムに乗って、チャックの華麗なエレギのフレーズが煌めく様に乱舞する。チャックのギターは、目立つように、大ぶりな高速フレーズを弾きまくるのでは無い、音を選んで、シンプルなフレーズをメインに、短く印象的なアドリブ・フレーズを積み上げていく。そんな「粋」なフュージョン・ギターである。そして、アレンジが秀逸。

ボーカルをフィーチャーした、ソフト&メロウな曲もあり、アルバムとしてのバランスも良い。実は、今年7月31日、チャック・ローブは他界しました。享年61歳。ジャズメンとしては、まだまだ、これから成熟、老練の域に入る年頃だったのに実に残念です。このチャックのギターの個性が堪能出来る盤『Unspoken』が遺作になりました。合掌。

 
 

東日本大震災から6年7ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年10月12日 (木曜日)

不思議ちゃんな企画盤である

Electric Bird(エレクトリック・バード)。純日本のジャズ・レーベルである。1980年代、フュージョン系メインストリーム・ジャズなる志向を追求したレーベル。日本のジャズ・レーベルなので、企画に問題があることが多い。このElectric Birdにも「これはなあ〜」と溜息が出るような「不思議ちゃんな企画盤」がある。

Dizzy Gillespie『Closer To The Source』(写真左)。1985年の作品。当時「あのディジー・ガレスピーがフュージョン・ジャズをやった」と話題になったアルバムである。バックに、Sonny Fortune (as), Branford Marsalis (ts), Kenny Kirkland (key), Hiram Bullock (g), Marcus Miller (el-b), Buddy Williams (ds) らの名前がある。加えて、Stevie Wonder (syn,harmonica) が参加。う〜ん、さすがバブル時代の企画盤である。

しかし、である。ディジーのトランペットであるが、バックがフュージョン系メインストリーム・ジャズであるが故、ちょっと聴くと「チャック・マンジョーネ」を想起してしまう。ちょっとディジーに失礼やね(笑)。よくよく聴くと、音にしっかりと芯が入っていて、音が限りなくブリリアント、トランペットが凄くよく鳴っている感じが「これは只者ではないぞ」と襟元を正したりするのだ。
 

Closer_to_the_source

 
さすがはディジー、バックの音がフュージョン系メインストリーム・ジャズであろうがなかろうが、我関せず、ディジーならではのトランペットを朗々と鳴らしまくる。そういう意味では、この盤、ディジーのトラペットのお陰で「平凡なフュージョン・ジャズ盤」とならずに、グッと内容が締まったフュージョン系メインストリーム・ジャズの好盤に仕上がっている。ディジーのトランペットさまさまである。

よくよく聴くと、バックの音は、フュージョン系メインストリーム・ジャズとは言うが、どちらかと言えば「フュージョン・ジャズ」寄り。ファンキーな雰囲気も色濃く見え隠れして、よくまあ、ディジーが収録をOKしたもんだ、と感心することしきり。この盤、もっと純ジャズ寄りにアレンジしたら、もっと素晴らしいフュージョン系メインストリーム・ジャズの好盤に仕上がっていたのでは、と思います。

しかし、当時として、ジャズ・トランペットのレジェンド、ビ・バップ創始者の一人、ディジー・ガレスピーににフュージョン・ジャズをやらせるなんて、凄く乱暴な発想であり企画ではある。ディジーのレベルのトランペットになれば、何もバックの音をフュージョン仕立てにする必要も無いでしょうにね。「これはなあ〜」と溜息が出るような「不思議ちゃんな企画盤」である。

 
 

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2017年10月10日 (火曜日)

ながら聴きのジャズも良い・27

さあ、今日から、我がバーチャル音楽喫茶『松和』復活です。音楽の再生環境に重大な問題が起きて、そのリカバリー対応に忙殺され、ブログが全く更新出来ませんでした。のべ3日間、再現テスト、リカバリー処理と電話で付きっきり対応。始めはこちらのハードかソフトの問題とされましたが、状況証拠を総合して、やっと先方のサーバー側の問題が濃厚となり、米国にエスカレーションされました。あとは朗報待ちです。

さて、ジャズのアルバムの聴き込みはCD中心にならざるを得ず、日頃なかなか聴き込めなかったアルバムを選択。ちょうど、1980年代前半、フュージョン系メインストリーム・ジャズなる志向を追求した「Electric Bird」レーベルのアルバムを大量に買い込んでいたので、これを順番に一気聴き中。

Jim Hall And David Matthews Orchestra『Concierto De Aranjuez』(写真)。1981年の作品。邦題は『新アランフエス協奏曲』。リーダーのギタリスト、ジム・ホールがCTIレーベルから、1975年にリリースした『CONCIERTO』(邦題・アランフェス協奏曲)の再現盤。再現盤のアレンジ担当は、当時、日本のフュージョン・レーベル御用達の「デヴィッド・マシューズ」。
 

Concierto_de_aranjuez

 
演奏の雰囲気は、フュージョン・ジャズっぽいだが、演奏の基本は「メインストリーム・ジャズ」。ソフト&メロウなフュージョンに走らず、ちょっと純ジャズっぽい雰囲気を宿した、フュージョン系メインストリーム・ジャズな音作り。フュージョン・ジャズの成果を上手く取り入れつつ、ライトな純ジャズっぽい雰囲気も漂わせて、なかなかお洒落な内容がグッド。アレンジが優秀で、ながら聴きに最適な「聴き心地」の良さ。

曲目を見ると「Red Dragon Fly(赤とんぼ)」や「El Condor Pasa(コンドルは飛んでいく)」が入っていて、アルバムのリリース当時は、この辺の曲が気恥ずかしくて、この盤を実は敬遠していた時期がある。今の耳で聴くと、アレンジがそこそこ優秀なので、ながら聴きにはあまり気にならない。といって、繰り返し聴くと、やっぱりちょっと「気恥ずかしい」感じがするのだが(笑)。

タイトルの「アランフェス協奏曲」の再現もなかなかの出来。ジム・ホールのプログレッシブな純ジャズ・ギターが実に良い雰囲気を醸し出している。真剣に聴き込むタイプのアルバムでは無いが、朝の早い時期とか夕暮れ時に、ジャズ喫茶でながら聴き風に流しておくのに良い感じのアルバムである。ながら聴きに最適ということで、これはこれでありかな、と思います。

 
 

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2017年10月 3日 (火曜日)

デビティは「ソフト&メロウ」

フュージョン・ジャズの前身が「クロスオーバー・ジャズ」。クロスオーバー・ジャズの前身が「イージーリスニング・ジャズ」。1960年代後半辺りから、着実に進歩し、着実に発展、そして、1970年代後半から1980年代前半にかけて一世を風靡した「フュージョン・ジャズ」。フュージョン・ジャズの個性は、バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」。

David T. Walker『Press On』(写真左)。 1973年の作品。ジャケットも渋い。David T. Walker(デヴィッド・T・ウォーカー=略して「デビティ」)は、モータウン黄金期を支えた世界一ソウルフルなギタリスト。ジャズ、ファンク、R&Bの数々の名盤を支えてきたギタリストである。デビティのエレギは「メローギター」、そして、ソウルフルな「フィルインフレーズ」。

1973年の作品なんですが、この『Press On』でのデビティのエレギは「フュージョン・ジャズ」。バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」。伸びの良いトーンと流麗なアドリブ・フレーズの弾き回し。ちょっとくすんだ切れ味の良い弦の響き。これが1973年、ジャズのトレンドは「クロスオーバー・ジャズ」の時代に、フュージョン・ジャズな音を完全に先取りしている。
 

Press_on

 
グルービー満載のタイトル曲の「Press On」、4曲目、The Delfonicsの名曲「Didn't I Blow Your Mind ThisTime」のカヴァーでは、バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」なデビティのエレギが炸裂。ビートルズのカヴァー、5曲目の「With a Little Help from My Friends」では、途中、ホーン・セクションが絡んで、どんどん熱くファンキーな展開になっていくところが格好良い。原曲よりファンキーな、6曲目の「Superstition」。

収録されたいずれの楽曲も雰囲気は統一されていて「フュージョン・ジャズ」。決して「クロスオーバー・ジャズ」では無い。ちなみにパーソネルを見渡して見ると、リーダーのDavid T. Walker (g), Harvey Mason (ds), Charles Larkey (b), Joe Sample (key), Bobbye Hall (cong) など。明らかに、フュージョン・ジャズを代表するミュージシャンがズラリ。しかし、この盤は1973年にリリースされている、というところが凄いのだ。

フュージョン・ジャズを3〜4年も先取りした、デビティの『Press On』。Ode3部作の2作目にあたり、この盤『Press On』を聴くと、残りの『David T. Walker』(1971年作品)、『On Love』(1976年作品)も一気に聴きたくなります。バカテクで流麗で「ソフト&メロウ」なエレギの音。伸びの良いトーンと流麗なアドリブ・フレーズの弾き回し。デビティのエレギは「ソフト&メロウ」です。

 
 

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2017年10月 2日 (月曜日)

1990年代のフュージョン盤

1970年代後半から1980年代前半に、一世を風靡した「フュージョン・ジャズ」。1980年代後半、メンストリーム・ジャズ復古の煽りを受けて衰退するが、1990年代は「スムース・ジャズ」を中心にしっかりと生き残る。1990年代は、フュージョン・ジャズは、米国では「スムース・ジャズ」と呼ばれて、意外と人気のジャンルとなっていた。

そんな1990年代のスムース・ジャズの好盤の一枚が、Norman Brown『Just Between Us』(写真左)。1992年の作品。Norman Brown(ノーマン・ブラウン)とは誰か。1970年、米国はカンサス・シティ生まれ。ということは今年で47歳。ジャズ界ではバリバリの中堅である。

ノーマン・ブラウンは、ソウルの名門モータウンが、1992年にジャズ・レーベルとして立ち上げた「MoJazzレーベル」の第一号アーティスト。2002年度のグラミー賞で「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞」を獲得している。米国では名の通ったフュージョン・ギタリストだが、残念ながら、我が国ではあまり知られていないようだ。
 

Just_beetween_us

 
聴けば判るが、ウエスやベンソン、捻りをいれて「ジミヘン」の影響が色濃い。つまりは70年代ロック小僧好みのフュージョン・ギタリスト。彼のエレギは、基本は、明らかに「ジョージ・ベンソン」のフォロワーの音で、ピッキングの正確さは群を抜いている。速いフレーズも緩やかなフレーズもパッキパキで覇気溢れる弾き回し。聴いていてスカッとする。

この盤の音の雰囲気は「フュージョン・ジャズ」。フレーズは流麗だけど、ブラウンのギターはちょっとゴツゴツしていて捻れていて、スムース・ジャズという雰囲気では無い。1970年代後半のパッキパキ尖ったフュージョン・エレギの雰囲気。フレーズとリズムは流麗で、スムース・ジャズや、と言われれば「そうかいな」とも思うが、ブラウンのエレギの音を聴く限り、この盤の雰囲気は「フュージョン・ジャズ」。

アース(ウインド&ファイアー)のホーンセクションがまるごと参加、アースのナンバーをカヴァーした4曲目「Love's Holiday」、リード・ヴォーカルにステーヴィー・ワンダーが参加した6曲目「Too High」など、コッテコテ「ソウル系」のカヴァー曲がむっちゃ格好良い。スムース・ジャズと言うよりも、フュージョン、あるいはソウル、ファンクのエッセンスが芳しい、魅力的な「1990年代のフュージョン盤」です。

 
 

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2017年9月28日 (木曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・60

今日は朝から雨。結構、激しい雨で、久し振りにレインコートのズボンを履いて駅まで歩く。そして、グッと涼しくなった。もう秋の気温。明日から天気も良くなるみたいだし、やっと暑さを追いやったなあ、とホッと一息である。ここまで涼しくなると、ジャズを聴くのが楽しくなる。

僕の中では、スムース・ジャズは「あり」である。メインストリーム・ジャズしか認めない、フュージョン・ジャズは時代の徒花だ、なんて意見もあるが、僕は自分にとって「良い響きやなあ」とか「良いフレーズやなあ」と感じる音がある演奏であれば、ジャンルは問わない。スムース・ジャズでも「良い物は良い、悪いものは悪い」。

Jeff Kashiwa『Fly Away』(写真左)。今年の新作である。ジェフ・カシワ。サックス奏者。聞いたことがあるような名前なんだが、思い出せない。それでも、この盤を聴くと、良い音だしている。スッと伸びて、まろやかなエモーショナルを湛えた、ブリリアントなサックス。一度聴くと、グッと惹き込まれる。
 

Fly_away

 
Jeff Kashiwa=ジェフ・ユキオ・カシワ。米国出身の日系アメリカ人3世。スムース・ジャズで活躍するサックス奏者である。1963年生まれなので、今年で54歳。意外とベテランである。1991年にサックス奏者としてザ・リッピントンズに加入、1999年には脱退しソロ活動を開始。2009年に再びリッピントンズに復帰している。

伸びやかで爽やかなサックス。アルバム全編でそのサックスを存分に楽しめる。スムース・ジャズなので、耳当たりがとても良い楽曲がてんこ盛り。ちょっと似通った曲が多いのが玉に瑕だが、ジェフ・カシワのサックスが流れる様に吹き上げられていくので、あんまり気にならない。

ジャズ喫茶の昼下がりに、こっそり流すのが良い雰囲気です。ジェフ・カシワのまろやかなエモーショナルを湛えた、ブリリアントなサックスがとっても印象的。心地よさ満点、心からリラックスして聴き流すことができます。これが「スムース・ジャズ」の良いところですよね。良いアルバムです。

 
 

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2017年9月13日 (水曜日)

ながら聴きのジャズも良い・26

真夏のあの「思い切り蒸し暑い」日はもう無い。今日も日中は30度くらいにはなったのだろうが、夕方、本業を終えて、本社ビルを出る頃には、東京は新宿も涼しい風が吹き抜けている。夜、家に帰り着いても、エアコンが恋しく無くなった。自然の風が吹き抜ける部屋で夕飯をいただく、このささやかな幸福感。9月の良い季節。

こういう涼しい宵には、軽快なフュージョン・ジャズで、ながら聴きしながら、本を読んだり、パソコンしたりが良い。耳当たりの良い、あんまり耽美的では無い、リズミカルで軽快、印象的な聴き心地の良いフレーズを伴ったフュージョン盤が良い。これがまあ、意外と沢山あるから、フュージョン・ジャズはやめられない(笑)。

Chet Atkins『Stay Tuned』(写真左)。1985年のリリース。ちょっと変わり種のフュージョン・ギター盤。そもそも、リーダーのChet Atkins=チェット・アトキンス自体がフュージョン・ジャズに似合わない。1924年生まれだから、存命していれば93歳。相当に昔の大レジェンドである。惜しくも2001年、77歳で鬼籍に入っている。

基本はカントリー・ギター。エルヴィス・プレスリーのバックでリズム・ギターを務めたりで、ロックンロールにも手を染め、ビートルズのジョージ・ハリソンのアイドル・ギタリストとしても知られる。各界のギタリストの共通のアイドルであり、ギターの神様的存在。あの現在、ギターの神様と呼ばれるジェフ・ベックが憧れたギタリストの一人なのだ。
 

Stay_tuned

 
ジャズ畑のギタリストでは無いんですよね。しかし、カントリーからロックンロールと適応力に優れたアトキンスが、フュージョン・ジャズに手を染めてリリースした名盤がこの『Stay Tuned』なんです。僕はこの盤をジャズ喫茶で聴かされた時、このカントリー・フレイバー満載の、爽快にスイングし、唄う様にアドリブを展開するギタリストが誰かさっぱり判りませんでした。

チェット・アトキンスですよ、とギタリストの名を明かされた時、にわかに信じられませんでした。チェット・アトキンスがフュージョンをやってたの? 驚きでした。でも、この盤、素晴らしく爽快。カントリー調、フォーク調と米国ルーツな音楽ジャンルの音がメイン、時に当時流行だったカリビアンなフレーズが滑り込んできたりする。

当時はフュージョン・ジャズのブーム末期。この盤、明らかにフュージョン・ジャズ盤です。楽曲毎にチェットとゲスト・ミュージシャンと共演といった企画盤で、ゲストの名前を並べてみたら、出てくる出てくる有名どころ。ベンソン、カールトン、クルー、ノップラー、ルカサーなどなど。ドラムには、ポーカロなんかも叩いていて、さしずめフュージョン・ジャズ・オールスターズといった風情。

そんな中、アトキンス御大は、全くひるむことなく弾きまくる弾きまくる。もう徹頭徹尾、爽快感満載です。初めて聴いた時、誰かに似ている、誰かに似ている、と思ってイライラしましたが、それもそのはず、今のレジェンド級のギタリスト、今の中堅ギタリストのお手本の様なギターなんですよね。似ているのでは無く、このアトキンスがギターが「元祖」でした。脱帽です。

 
 

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2017年9月12日 (火曜日)

ながら聴きのジャズも良い・25

久し振りに「天文関係」のジャケットに出会った。この3年ほど「天文関係」のジャケットを持ったジャズ盤を探しているのだが、見つかる時は、結構、立て続けに見つかるんだが、見つからない時は、とんと見つからない(笑)。もしかしたら、ジャズの世界では「天文関係」のジャケットは意外と少ないのかもしれへんなあ。

松本圭司『STARGAZER』(写真左)。STARGAZER=星を見つめる者(天文学者、占星術者)の意味。これは珍しい。タイトルからして「天文関係」ではないか。ジャケットはどこの星雲だろうか。明らかに「天文関係」。タイトルもジャケットも「天文関係」。今年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、松本圭司 (p), 則竹裕之 (ds), 須藤満 (b)。

松本圭司とは誰か。彼のオフィシャルHPのプロフィールを見ると、「1992年、高校卒業後上京し、キーボーディスト、ピアニストとして活動を始める。1998年末よりT-SQUAREに参加。アルバム「T-SQUARE」に自作曲4曲提供。2003年に1stソロ盤「Life」をリリース」とある。おお、どっかで聞いた名前やと思った。
 

Stargazer

 
収録された曲名を見渡すと、何と無く「星」を連想させるタイトルばかり。アルバムの解説には「12星座をイメージして構成した通算6枚目のオリジナル・アルバム」とある。なるほど、曲名まで「天文関係」である。演奏全体の雰囲気は、最初、聴いていると、1980年代に一世を風靡した「ウィンダムヒル」みたいやなあ、とも思うし、いやいや「デイヴィッド・ベノワ」のフォロワーかとも思う。

そう、演奏全体の雰囲気は「スムース・ジャズ」。しかし、演奏全体に粘りが無く、サラッとシンプル。ファンクネスも希薄。いわゆる日本人独特のあっさりした、小粋な「スムース・ジャズ」である。スムース・ジャズではあるが、実にキャッチャーなフレーズがてんこ盛りで、聴いていて凄く心地良い。スムース・ジャズとはかくあるべし、という感じで、ほどよくアレンジされ、ほどよく気合いの入ったパフォーマンスで魅了する。

とにかく聴いていて心地良い。これぞ「ながら聴き」に最適なスムース・ジャズ。これだけ洗練され、ハイテクニックで優れたアレンジのスムース・ジャズが、日本人の手によって創作される時代が来るとはなあ。この松本圭司『STARGAZER』を聴きながら、何故か万感な想いがこみ上げてきて、ちょっと目頭が熱くなった。

 
 

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2017年8月25日 (金曜日)

フュージョン・ジャズも奥が深い

「フュージョン・ジャズは時代の徒花だった。フュージョン・ジャズには中身が何も無かった」なんて言い放つ年配のジャズ評論家がいて、驚いたことがある。おいおい、あなた達、1970年代から1980年代前半にかけては「フュージョン・ジャズはジャズの最先端」とか「フュージョン・ジャズは良い」なんて、評論を書きまくっていたのではないの?(笑)。

しかし、当方にとっては「フュージョン・ジャズは時代の徒花」なんて思ったことは無い。その方法論、そのアレンジ、その演奏形態など、立派なジャズの一ジャンルを担っていると思う。21世紀になった今でも、スムース・ジャズでは無い、明らかにフュージョン・ジャズの雰囲気が色濃いアルバムがリリースされているのだから、フュージョン・ジャズもしっかりと市民権を得ているとして良いだろう。

David Benoit & Marc Antoine『So Nice』(写真左)。そんな「スムース・ジャズでは無い、明らかにフュージョン・ジャズの雰囲気が色濃い」アルバム。つい先月のリリース。GRP時代の盟友デヴィッド・ベノワとマーク・アントワンのコラボ盤。デヴィッド・ベノワと言えば、フュージョン初期より現在に至るまで、フュージョン〜スムース・ジャズのトップ・ピアニストとして活躍。マーク・アントワンは、ジプシーの血を引くフランス出身のフュージョン〜スムース・ジャズのギタリスト。
 

So_nice

 
余裕の熟練プレイヤーの再会セッション。ベノワのピアノ&キーボードは聴けば直ぐに判る個性が魅力。心地良いエコーがかかって独特の響きが良い。ベノワ独特の手癖というか、お決まりの節回しというのもあって、ベノワのピアノは填まったら最後、とことんまでである。アントワンのギターはアコギ中心。ちょっと聴くと「アール・クルーかな」なんて思うが、クルーより柔らかでエッジが丸い。アントワンの名前、ほんとに久し振りに聴いた。

このベノワとアントワンのコラボは「フュージョン・ジャズ」である。音の響き、アレンジ、アドリブ展開、どれをとっても、しっかりと「フュージョン・ジャズ」しているところが良い。そして、この盤、アントニオ・カルロス・ジョビン「Só Danço Samba」、マルコス・ヴァーリ「So Nice(Summer Samba)」といったボサノバ&サンバの名曲のカバーが散りばめられているところが面白い。

演奏のレベルも高く、アレンジも秀逸。聴き応え十分はフュージョン・ジャズ盤。こういうフュージョン・ジャズの好盤が、2017年に制作されリリースされるのだから、フュージョン・ジャズも奥が深い。二人の写真をあしらっただけの平凡なジャケットだけが玉に瑕かなあ。このジャケットだと、一般の人達は、なかなか触手が伸びないのではないか。でも、この盤はフュージョン・ジャズの好盤。安心して耳を傾ける事が出来ます。

 
 

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2017年8月14日 (月曜日)

デビュー40周年セルフカバー盤

夏風邪をひいたらしい。昨日は朝から喉が痛い。こういう時は風邪薬を飲んで安静にしているが一番。夏風邪やな〜これは、と思うのは、いつの季節も風邪をひいて安静にしていないといけない時、自然とブログを書く気が起こらないのだ。昨日もそうだった。ブログを書く気が起こらない。故に、昨日のブログは急遽、お休みと相成った。

しかし、子供の頃から静かな部屋の中でジッと寝ているのが好きでは無いので、ブログを書く気は起こらなくても、音楽はジャズは聴きたい気持ちは強くあって、昨日も音楽をジャズを聴きながらの安静である。しかし、そんな時はハードな硬派な純ジャズはいけない。耳当たりの良い、爽快なフュージョン・ジャズが良い。「爽快な」とくれば、まずはエレギ中心のフュージョンだろう。

そんなエレギ中心のフュージョン盤の中で、印象に残ったアルバムがこれ。PRISM『Celebrate』(写真左)。PRISM(プリズム)とは懐かしい。学生の頃から社会人の若かりし頃、随分、お世話になった和製フュージョン・バンドである。改めて「プリズム」は、和田アキラ(ギター)と渡辺建(ベース)を中心に1975年に結成されたフュージョン・バンドである。
 

Prism_celebrate

 
デビュー盤『PRISM』のリリースが1977年なので、今年で40周年。そう、この新作『Celebrate』は、「プリズム」のデビュー40周年記念セルフカバーBest盤なのである。そう言われれば「なるほど」と思う訳で、どの曲もどこかで聴いたことのある曲ばかりなのだ。とにかく、和田アキラのエレギを心ゆくまで楽しむ事が出来る。

もともと「バカテク」集団だった「プリズム」。セルフカバーということで、オリジナルと比較してどうか、ということになるが
、これはこれで良い出来では、と思います。オリジナルに比べて、細かいニュアンスなど、細部に渡る表現力がアップしているというか、非常に良く作り込まれ、弾き込まれた「セルフカバー」という気がします。

セルフカバー集だからといって、オリジナルと比較しすぎるのは「野暮」というもの。オリジナルと比べすぎると、聴いていてしんどいかも。「プリズム」デビューから40年。楽器も進歩し、録音技術も進歩し、演奏テクニックも年齢に応じて変化し、このデビュー40周年記念盤には「今」のプリズムがギッシリと詰まっていて、そのプリズム独特の「爽快感」は健在です。

 
 

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