2022年5月 7日 (土曜日)

ホールズワースの最高傑作です

現代においても、ジャズ・ギタリストには従来の伝統的なモダン・ジャズギター系と、クロスオーバー・ジャズより生まれ出でて発展した、クロスオーバー&フュージョン系のギターと2通りのスタイルに分かれる。どちらのスタイルも順調に深化を続けていて、有望な後継者もしっかりと出現していて頼もしい限りだ。

Allan Holdsworth『I.O.U.』(写真)。1979年の録音。1982年のリリース。ちなみにパーソネルは、Allan Holdsworth (g, vln), Paul Williams (vo), Gary Husband (ds, p), Paul Carmichael (b)。借金までして自主制作した初ソロ・リーダー作。ハードで心地良く捻れて、ウネウネ・フレーズを擁して訴求力抜群なホールスワースのエレギが心ゆくまで堪能出来る。

この盤がアラン・ホールズワースの正式なソロ・デビュー盤になる。この『I.O.U.』の前に、CTIにて録音した『Velvet Darkness』があるが、ホールズワースは「この録音はリハーサル・テイクで、正式にリリースを許可した覚えは無い」ということで、自身のリーダー作として認めていない。
 
Iou
 
確かに『Velvet Darkness』は荒削りな内容になっているので、それは「そういう理由やったんや」と思わず納得した。極的には『Velvet Darkness』は、ホールズワースとして納得いくものだった様で、よく聴けば、多くのトラックが、この『I.O.U.』に、より洗練され、完成度を上げて収録されていることが判る。とにかく、ホールズワースの初ソロ・リーダー作であり、かつ最高傑作の誉れ高い名盤である。

自身がもてるテクニックをふんだんに盛り込みつつ、しっかりとアレンジされた、ストイックでクールな演奏は、初リーダー作とはいえ、かなりのレベルにある。ホールズワースのエレギは、アームを駆使した捻れフレーズに、独特で流麗なレガート奏法をメインにバリバリ弾きまくっていて爽快。英国のプログレ・バンドを渡り歩いただけあって、基本はプログレ風、そこにジャジーな要素が加わるユニークな「ジャズロック」風フュージョン・ギターで、実に個性的。

バックのベース、ドラムのリズム隊も、ホールズワースのハードなエレギにしっかり耐え、なかなか迫力あるリズム&ビートを供給している。トリオでこれだけ迫力のある音が出せるなんて、凄いなあ。迫力だけじゃ無い、テクニックも優秀、歌心もあって、申し分の無いクロスオーバー&フュージョン系のエレギを聴くことが出来る。ホールズワースの才能の全てを感じ取る事ができる「ホールズワース入門」盤としても、なかなかイケる盤である。
 
 

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2022年4月16日 (土曜日)

日だまりのようなジャズです。

ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)は、メインストリーム志向のジャズ・ヴィブラフォン(ヴァイブ)の第一人者。伝説のカルテット、Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバー。しかし、1974年、ミルトが退団したいと申し出たのが発端で解散。理由は22年間、MJQで地道に音楽活動を続け、それなりの評価を得て来たにも拘わらず、新進のロック・ミュージシャンに較べ報酬が少ないことが不満だったから、とか。

が、解散後、ミルト・ジャクソンはロック・ミュージシャンに転身した訳ではない。逆に、純ジャズ志向のミルト・ジャクソンは、クリード・テイラーが設立したクロスオーバー&フュージョン・ジャズがメインのジャズ・レーベルの下で、解散前の1970年代前半に4枚のリーダー盤をリリースしている。その最初の一枚がこの盤。

Milt Jackson『SunFlower』(写真左)。1972年12月12, 13日の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Freddie Hubbard (tp, flh), Herbie Hancock (p), Jay Berliner (g), Ron Carter (b), Billy Cobham (ds), Ralph MacDonald (perc)。このパーソネルに、ストリングス・オーケストラが加わる。アレンジは Don Sebesky (arr, cond)。

錚々たる面子による、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズだが、ミルト・ジャクソンのヴァイブが全面的にフィーチャーされている。ミルト・ジャクソンのヴァイブの個性がしっかり押し出されている。マイルドで優しいヴァイブの音色。途方も無く素晴らしい演奏テクニック。ブルージー&ジャジーな、そして、グルーヴ感溢れるパフォーマンス。
 

Sunflower_milt-jackson

 
そんなミルト・ジャクソンのパフォーマンスを聴いていて、「日だまりのようなジャズ」をイメージした。ホンワカして柔らかで、それでいて、芯がしっかり通っていて優しくて心地良い。ストリングス・オーケストラとエレピで優しく包んだ、どこか切なくなるような柔らかいミルトのヴァイブ。

そんな「日だまりのようなジャズ」は、1970年代、クロスオーバー&フュージョン・ジャズを牽引し、後のスムース・ジャズの源を作った、CTIレーベルのアルバムに多く聴くことが出来る。1950年代のハード・バップの様に熱くは無い。1960年代のファンキー・ジャズの様にノリノリでは無い。フリー・ジャズやアヴァンギャルド・ジャズの様に激しくない。聴いていて柔らかく心地良い、ソフト&メロウなモダン・ジャズ。

バックは決して甘きに流れない、一本芯の入った、玄人好みのバッキング。超一流のバックの面々。彼らの演奏テクニックが、甘きに流れてしまいそうな、イージーリスニングに陥りそうなソフト&メロウなジャズを、しっかりと、メインストリーム志向のモダン・ジャズに留めている。

聴き入っていると、ついつい、まどろんでしまいそうな儚さ。ほんわかして柔らかで、それでいて、芯がしっかり通っていて、優しくて心地良い、甘美で官能的な響き。1970年代ジャズの成果である、フュージョン・ジャズの音世界のひとつがここにある。
 
 

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2022年4月 7日 (木曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・6

ゲイリー・バートンの音楽が好きである。1960年代後半のサイケデリックなジャズも良いし、クロスオーバーなバートンも良い。1970年代以降のニュー・ジャズなバートンも良い。チックとのデュエットなどは至高の音だ。ゲイリー・バートンの参加作品はできる限り全部聴くことにしている。今でも、たまに「こんなバートン盤ってあったっけ」という盤に出くわすことがある。

このジャケットを見た時は、1960年代後半のクロスオーバー・ジャズ時代のゲイリー・バートンのアルバムかと思った。逆に、こなアルバムあったっけ、という疑問が頭をよぎる。ジャケットを見ると、メンバーの名前が印刷されているが、どう考えても1960年代後半の面子では無い。とにかく聴いてみることにした。

Gary Burton『Cool Nights』(写真左)。1991年のリリース。GRPレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Will Lee (b, perc), Peter Erskine (ds, perc), Wolfgang Muthspiel (g), Bob James (key), Bob Berg (ts)。錚々たるメンバーである。この面子から、フュージョン・ジャズ指向の盤だと察しが付く。
 

Cool-nights_gary-burton

 
GRPレコードのロゴがジャケットに無いジャケ写を見たので、1960年代後半のクロスオーバー・ジャズ時代のゲイリー・バートンのアルバムと勘違いしたが、この面子を見れば、これは1980年代後半以降のフュージョン・ジャズ指向の音作りだ、と思いつつ聴くと、やはり、上質のフュージョン・ジャズの音が満載。いずれも百戦錬磨の強者ばかりなので、詳細は割愛するが、とにかく上手い。但し、決して上手いだけでは無い。

しっかりとそれぞれの個性をそこはかとなく出しつつ、バートンのヴァイブとフレーズにあったバッキングをガッチリとやってのける。ベースのリー、キーボードのジェームス、ギターのムースピールなど、少し聴けば直ぐに判る強烈な個性を持ちながら、バートンのバッキングでは、バートンのヴァイブを引き立て、鼓舞する役割に徹している。ううん、これは真の「職人技」やなあ。

純ジャズっぽい8ビートを叩き出すアースキンのドラムが肝。この盤の音を「コンテンポラリーな純ジャズ志向」のフュージョン・ジャズな音に仕立て上げている。決して、ソフト&メロウなフュージョンの音ではない。意外と硬派で純ジャズ志向の演奏は聴いていて爽快。アーバンなグルーヴ感や趣味の良いブルージーな感覚も見え隠れして、聴き応え十分。1990年代のフュージョン・ジャズの優秀盤として、フュージョン者の方々は必聴でしょう。
 
 

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2022年3月17日 (木曜日)

デイヴィッド・ベノワの新作です

ここバーチャル音楽喫茶『松和』は、ジャズのアルバム鑑賞がメインなんだが、ジャズの演奏ジャンルについては、全方向OKが個性。1970年代半ばから1980年代前半に大流行したフュージョン・ジャズもしっかりと守備範囲に入っている。意外と年配の硬派なジャズ評論家からは忌み嫌われるフュージョン・ジャズだが、ちゃんと聴いてみると、テクニック、アレンジ、演奏内容、どれもが一流のものが多くある。

ジャズのどこに重きを置いて鑑賞するかによって、フュージョン・ジャズの評価は変わるのだろうが、 フュージョン・ジャズは「商業ジャズ」で、ジャズのスピリッツが宿っていないなどという変な論理で、フュージョン・ジャズ盤を十把一絡げに「聴くに及ばず」とするのはちょっと乱暴だろう。事実、1970年代半ばから1980年代前半には、一般大衆から支持され、大いに聴かれたのだから、なにか響くものがあったはずである。

David Benoit『A Midnight Rendezvous』(写真左)。2022年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、David Benoit (p), Eric Marienthal, Sal Lozano (as), Gordon Goodwin (ts), Jay Mason (bs), Wayne Bergeron, Dan Fornero, Dan Rosenblum (tp), Francisco Torres (tb), Charlie Morillas (b-tb), Roberto Vally (b), Dan Schnelle (ds)。フュージョン〜スムース・ジャズを代表するピアニスト、デヴィッド・ベノワの最新作になる。
 

A-midnight-rendezvous_david-benoit

 
冒頭の「A Midnight Rendezvous」から、ベノワ節が全開。リリカルで耽美的。タッチは確かで流麗。ファンクネスは意外と希薄で、どこか米国の自然の風景を、原風景をイメージするような、ネイチャーな響きとフレーズが特徴。決して、アーバンでアダルトでは無い。この「ベノワ節」が僕は大好きなんです。そして、この盤には、ラストの「Cabin Fever」まで、ベノワ節満載。金太郎飴的、と言ってしまえばそれまでですが、ここまで熟達した個性であれば、これはこれでアーティスティックだと思います。

基本は、フュージョン〜スムース・ジャズ基調のビッグバンド仕立て。オフビートではあるが、ファンクネスは薄い。耽美的で流麗なフレーズが基本だが、グルーヴ感は強い。ビートがしっかり効いている分、どの曲にもメリハリが効いていて、聴いていて飽きることは無い。それより、ベノワの紡ぎ出す印象的なフレーズが、しっかりと耳に残って、聴いていてとても心地良い。

フュージョン〜スムース・ジャズの好盤です。テクニック、アレンジ、演奏内容、いずれも充実しているので、しっかりと聴き込むのも良し、何かをしながらの「ながら聴き」するのも良し、フュージョン〜スムース・ジャズ畑のベテラン・ミュージシャンが紡ぎ出す珠玉の10曲。純粋に音楽として聴くと、意外と「フュージョン〜スムース・ジャズもええなあ」と思ってしまうかもしれません。
 
 
 
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2022年3月11日 (金曜日)

増尾好秋『Masuo Live』を聴く

最近、増尾好秋のリーダー作をちょくちょく聴いている。増尾好秋といえば、僕はジャズを本格的に聴き始めた頃、1970年代後半では、既に、日本発、世界に通用するフュージョン・ギタリストとして、渡辺香津美と並んで我が国では「人気ギタリスト」的な存在だった。

増尾はコンテンポラリーな純ジャズ志向のジャズ・ギターから入っている。とあるコンテストにて、渡辺貞夫に認められ、1968年1月、渡辺貞夫のバック・ギタリストとして初レコーディングを経験している。ソニー・ロリンズのバック・バンドにパーマネント・メンバーとしても活動。

しかし、1970年代後半には、キングレコード傘下のフュージョン・レーベル、エレクトリック・バードの第一号アーティストとして契約。1980年代前半までは、フュージョンのギタリストとして人気を博した。1990年代辺りから、コンテンポラリーな純ジャズ志向な音世界に戻ったが、1980年代後半以降、しばらくプロデューサー業に集中していた。

この「プロデューサー業」に集中していた時期、特に1990年代から2008年までが良く無かったのか、2010年代は増尾はミュージシャン活動に100%戻っているが、世間では「増尾って誰?」という感じで、ベテラン・ジャズ者の方々の中には「ああ、増尾って、明るくハッピーなエレギを弾くフュージョン野郎ね」などと、偏った意見を述べたりする方もいるから困ったものだ。
 

Masuo-live_1

 
増尾好秋『Masuo Live』(写真)。1980年2月9日、東京厚生年金会館でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Yoshiaki Masuo, Motoaki Masuo (el-g), Victor Bruce Godsey (el-p, org), T.M. Stevens (el-b), Robbie Gonzales (ds), Shirley (perc, syn)。

フュージョン時代の増尾好秋のライヴ盤であるが、この内容を聴けば、先の「明るくハッピーなエレギを弾くフュージョン野郎ね」は、ちょっと的外れな評価と言わざるを得ない。凄くパワフルで疾走感溢れる、ガッツリ硬派でノリノリ、とびきりハイテクニックなエレギにビックリする。

これが増尾のエレギの本質かぁ、と心から感心する。ライヴでこそ、そのジャズマンの真価が分かる、というが、このライヴ盤の増尾がその好例である。「ソフト&メロウ」なフュージョン野郎はこのライヴにはいない。ガッツリ硬派でとことんパワフルなエレギであるが、弾きまくるフレーズに「歌心」がしっかり宿っているのが素晴らしい。

バックのメンバーも凄い。まず、T.M.スティーブンスのチョッパー・ベース(スラップ奏法)が冒頭から飛ばしまくる。ロビー・ゴンザレスのドラムも凄い。疾走感溢れる叩きまくり。それでいて五月蠅くない。ビクター・ブルース・ガッジーのキーボードも良い。全く「ソフト&メロウ」では無い、疾走感溢れ、歌心満載、増尾のエレギに挑みかかるような、意欲的なキーボード。

このライヴ盤、フュージョン・ジャズという切り口でのみ解釈するのには無理がある。途中、無調で静的なフリー・インプロビゼーションがあったり、アブストラクトにブレイクダウンしたりで、従来のメインストリーム系のエレ・ジャズが持つ要素も兼ね備えていて、このライヴ盤は、どちらかと言えば「コンテンポラリーな純ジャズ」志向のフュージョンと解釈した方が良い、と僕は思う。
 
 

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2022年3月 9日 (水曜日)

森園の「国際性」溢れる2nd.盤

3月に入って、やっと春らしくなってきた。昨日の様に急に冷え込む日もあるが、これも東日本以北のこと。東大寺二月堂の「お水取り」が終われば、大阪以西は「春」。関東以北は、春分の日を過ぎても雪の積もる日があるので、本格的な「春」については、4月上旬にならないとその実感が湧かない。

春になると、ジャズ盤の選盤志向も変わってくる。陽射しが強くなり、朝が早くなり、世の中がパッと明るくなった様な気分になる。気持ちがポジティヴになる。すると、ジャズ盤の選盤も、フュージョン・ジャズの好盤に手が伸びるようになる。ソフト&メロウな8ビートのフュージョン・ジャズは、春の陽気に良く似合う。

森園勝敏『Cool Alley』(写真左)。1979年の作品。我が国のフュージョン・レーベルだった、エレクトリック・バード・レーベル(キング傘下)からのリリース。

ちなみにパーソネルは、森園勝敏 (el-g, vo), 中村哲 (key), Larry Knechtel (ac-p), Harvey Newmark (b), Jim Keltner (ds), マック清水 (per), 中村裕美子 (vo), Chuck Findley, Ollie MitchellI (tp), George R. Bohanon (tb), Jackie Kelso (as)。当時、流行の「LA録音」になる。パーソネルを見渡すと、現地の優秀なスタジオ・ミュージシャンがガッチリとサポートしている。

我が国が世界に誇るプログレバンド「四人囃子」のギタリスト、森園勝敏のセカンド盤。1954年2月生まれの森園は当時25歳。しかし、この盤では、LAの現地ミュージシャンをバックに、堂々としたギター・プレイを聴かせてくれるから頼もしい。
 

Cool-alley

 
エンジニアのジェフ・サイクスは、森園のギター・プレイに「インターナショナルな」響きを感じた、という。つまり、森園のギターは、ワールド・ワイドに通用する、ということ。

この盤での森園のプレイを聴けばそれが良く判る。森園のギターでしか出せない音がてんこ盛り。唯一無二、オリジナリティー溢れる音色&フレーズ。バックがLAの現地ミュージシャンでほぼ固めている、

ということもあって、この盤は日本で制作された、いわゆる「メイド・イン・ジャパン」なフュージョン・ジャズでは無く、ワールド・ワイドに通用する、インターナショナルなフュージョン・ジャズが展開されている。

冒頭「Thunder God(雷神)」では、日本人には似つかわしくない、ラテンのリズムにシンセが唸るジャズ・ロックがバッチリ決まっている。ワールド・ワイドなテクニックを披露する3曲目「Stickshift」、, 女性ヴォーカルと自身のヴォーカルをフィーチャーした(これがまずまず決まっていてホッとする・笑)AORフュージョンの4曲目「Promise Me The Moon」など、当時の日本製フュージョン・ジャズにない演奏の数々に思わず耳を奪われる。

LA録音が良い方向に作用した好例。とりわけ、米国の有名エンジニアの協力の下、録音から最終的なマスター作りまで全てをLAで完了させたことが「大正解」だったと僕は思う。この盤には、ワールド・ワイドで、当時の「クール」なフュージョン・ジャズがぎっしり詰まっている。
 
 

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2022年3月 7日 (月曜日)

ウェスCTI三部作の最優秀盤

1967年、A&Mレコード内のジャズ・レーベルとして、敏腕プロデューサー「クリード・テイラー」が創設。レーベル名称「CTI」は「Creed Taylor Issue」の頭文字。1970年にCTIレコードとして独立するまでは「A&M CTI 3000番台」が主なカタログ。フュージョン・ジャズの前触れ、イージーリスニング・ジャズの宝庫である。

Wes Montgomery『Down Here on the Ground』(写真)。1967年12月、1968年1月の録音。A&M CTI三部作(『A Day in the Life』『Road Song』と本作)の中の真ん中2番目のウェスのリーダー作になる。実は3部作の中で一番人気が無いのだが、内容的には一番充実している。

ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Grady Tate (ds), Ray Barretto (perc), Hubert Laws, George Marge, Romeo Penque (fl, oboe), Bobby Rosengarden (perc), Mike Mainieri (vib), Gene Orloff, Raoul Poliakin (vln), George Ricci (cello), Emanuel Vardi (viola)。

大衆音楽の主流がロック&ポップスに移りつつある時代を感じる。当時の人気ジャズマン、ハンコック、カーター、テイトがリズム隊を務める。イージーリスニング・ジャズのムーディーな雰囲気を醸し出す、フルート&オーボエ、そしてストリングスが名を連ねる。もちろん、リーダーは、オクダーヴ奏法のギター・レジェンド、ウェス・モンゴメリーである。
 

Doun-here-on-the-ground_1

 
ウェスのA&M CTI三部作の中で、一番、イージーリスニング・ジャズの「俗っぽい」雰囲気が薄く、後の「ソフト&メロウ」なフュージョン・ジャズの先取り的な、流麗で聴き心地の良い、それでいて、しっかりと地に足が着いた、ハイテクニックなインプロビゼーションが素晴らしい。特に、リーダーのウェスのギターが光っている。

この盤の選曲が良い。当時のポップス曲っぽいのは、バカラックの「I Say a Little Prayer」くらいで、後の曲はミュージシャンズ・チューン若しくはウェスの自作。スタンダード曲としては「Georgia on My Mind」が選曲されているが、アレンジが秀逸で、俗っぽさとは全く無縁の名演。

実は「A&M CTI 3000番台」では、当時のポップス曲のカヴァーのアレンジが、あんまり上手く無くて、「俗っぽい軽音楽的な」雰囲気を増長していたのだが、この盤には当時のポップス曲のカヴァーが無い。これが「俗っぽい軽音楽的な」雰囲気を相当に薄めていて、意外とこの盤を上質なイージーリスニング・ジャズの好盤に仕立て上げている。

ウェスの必殺「オクダーヴ奏法」が、これほどまでにイージーリスニング・ジャズに向いているとは思わなかった。ウェスのギターは「音が太く切れ味が良い」。曲の持つフレーズが躍動感も持って浮き出てくる。そして「ファンクネスが色濃く香るピッキング」。弾き出すフレーズがファンキーな色に染まる。このウェスの個性を見抜いたクリード・テイラーの慧眼には感服するばかりである。
 
 

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2022年3月 1日 (火曜日)

スターンの13th.盤は「当たり」

このところ、メインストリーム系の純ジャズを聴くことが多かった。するとどこかのタイミングで、いきなり、コンテンポラリーな純ジャズ、若しくは、フュージョン・ジャズ、それも、クラシック・フュージョンが聴きたくなる。

Mike Stern『Who Let The Cats Out?』(写真左)。2006年8月のリリース。可愛い「猫ジャケ」で有名な、マイク・スターンの通算13作目のリーダー作。「コンテンポラリーな純ジャズ」な内容の好盤。

ちなみにパーソネルは、Mike Stern (g), Chris Minh Doky (ac-b), Meshell Ndegeocello, Victor Wooten, Anthony Jackson (el-b), Richard Bona (el-b, vo), Kim Thompson, Dave Weckl (ds), Jim Beard (p, org, syn), Bob Franceschini, Bob Malach (sax), Roy Hargrove (tp), Gregoire Maret (harmonica)。

曲によって、メンバー編成を変えていて、マイク・スターンのギターとジム・ビアードのキーボード、ボブ・フランセスチーニのサックスが中心メンバーで、トランペットでロイ・ハーグローヴが2曲参加。ハーモニカのグレゴア・マレが2曲参加。サックスで、ボブ・マラックが1曲参加。ベーシストについては、5人のベーシストを曲によって使い分けている。
 

Who-let-the-cats-out_1

 
マイク・スターンのエレギは絶好調。以前は「スターンと言えばテレキャス」だった。が、最近は恐らく、Yamaha PA1611MS(テレキャスをベースに深くえぐれたカッタウェイが特徴のヤマハのエレギ)がメインだと思うんだが、とにかく、スターンのエレギがとても良く鳴っている。従来のスターンの独特の音色、切れ味の良いカッティングの躍動感とスピード感が増している様だ。

4ビート曲も多めで、どこか「カムバック後のエレ・マイルス」の雰囲気を宿していて、さすがスターン「マイルス・チルドレンの優等生」である。ファンクネスを控えめにしつつ、ポップ度を高めた「カムバック後のエレ・マイルス」という感じの演奏が聴いていて楽しい。

参加メンバーもそれぞれ良い味を出していて、リチャード・ボナのスキャットは「爽快」、マレのハーモニカは「センチメンタル」、ウェックルのドラムは「21世紀の千手観音ドラミング」。ミッシェル・ンデゲオチェロは「グルーブ感溢れるベース」。この多彩な参加ミュージシャンの個性もこの盤の「聴き応え」に大きく貢献している。

マイク・スターンのリーダー作は出来にバラツキがあるが、この盤は「当たり」。とにかく、スターンのギターが良く鳴り、良く唄っている。こういう時のスターンは無敵。第49回グラミー賞では最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞にノミネートされたのも頷ける内容。好盤です。
 
 
 
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2022年2月23日 (水曜日)

TRIXの「アニソン」カヴァー盤

以前から思うんだが、1970年代以降のポップス曲などで、ジャズの新しいスタンダード曲になるものが、なかなか出てこない。ジャズやフュージョンでカヴァーはされるんだが、アレンジがチープで、それ軽音楽やん、ってツッコミたくなるような、平凡な演奏が多くて、そのまま21世紀に突入してはや20年。

AABAの形式ソングが、ジャズ・スタンダードになり易いかと思うんだが、確かに、1970年代以降のJポップの曲は、ちょっと複雑な形式の曲が多くて、ジャズ・スタンダードになりにくい。加えて、一番の問題はアレンジだと思う。カヴァー元の原曲の著名なメロディーにこだわるあまり、1曲まるまる、フロンド楽器にそのメロディーを忠実に演奏させてしまうので、全く以て「軽音楽」な演奏になって、おおよそ、ジャズやフュージョンにはならないことが多かった。

TRIX『CoverX』(写真左)。ちなみにパーソネルは、熊谷徳明 (ds), 須藤満 (b), 佐々木秀尚 (g) に、スペシャルサポートとして、宇都圭輝 (key) が加わる4人編成。結成以来、オリジナル曲をメインに演奏してきたTRIXの初のオール・カヴァー・アルバムになる。しかも、なんと「アニソン」をカヴァーしているのだ。その収録曲は以下の通り。

01. ルパン三世のテーマ‘78 (TVアニメ「ルパン三世」オープニング・テーマ)
02. 廻廻奇譚(TVアニメ「呪術廻戦」第1クールOPテーマ)
03. 残酷な天使のテーゼ(TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」OPテーマ)
04. となりのトトロ(映画「となりのトトロ」エンディング・テーマ)
05. はじめてのチュウ(TVアニメ「キテレツ大百科」主題歌)
06. ウィーアー!(TVアニメ「ワンピース」OPテーマ)
07. Cagayake! GIRLS(TVアニメ「けいおん!」OPテーマ)
08. 摩訶不思議アドベンチャー!(TVアニメ「ドラゴンボール」OPテーマ)
09. CHA-LA HEAD-CHA-LA(TVアニメ「ドラゴンボールZ」OPテーマ)
10. ようこそジャパリパークへ(TVアニメ「けものフレンズ」OPテーマ)
 

Coverx-trix

 
いやはや、選曲自体が実に良い。しかも、アレンジが抜群に良い。ちゃんとジャズしている。テーマが来て、テーマのコード進行に則った、楽器毎のアドリブ展開が来て、再びテーマが来て終わる。そんなジャズとして、基本的な演奏展開がしっかりとアレンジされている。つまり、アニソンをカヴァーしているのだが、フュージョン・ジャズの演奏として聴いていても、違和感が全く無い。

そんな優れたアレンジを基に、テクニック抜群のTRIXのメンバーが演奏しまくるのだから、どの曲も聴いていて爽快感抜群。カヴァー元の原曲の著名なメロディーを弾くにしても、一捻りも二捻りした魅惑のフレーズを捻りだし、元曲のメロディーに新しい彩りを添えているところがニクい。盤全体を聴き終えて「スカッ」とする。Jポップ曲のフュージョン系のカヴァーは、軽音楽風になってしまって「あ〜あ」と残念に思う演奏が多かったのだが、今回のこのTRIXのアニソン・カヴァーは違う。

ジャズ&フュージョンの新たなスタンダード曲化の切り口に「アニソン」がある、というのは「目から鱗」であった。確かにイケそう。メロディーもいろいろアレンジ出来そうだし、可能性はまだまだある。とにかく、この企画盤は面白い。この盤を聴いて「元歌へのリスペクトが感じられない」というのなら、元歌だけを聴いておけばよろしい、かと思う。
 
 
 
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2022年2月21日 (月曜日)

神保彰『SORA』を聴いて思う

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、メインストリームな純ジャズのみならず、フュージョン・ジャズも結構聴く。特に、フュージョン・ジャズについては、僕が本格的にジャズを聴き始めた1970年代後半は、フュージョン・ジャズ全盛期。純ジャズの名盤を集めつつ聴きながら、フュージョン・ジャズ盤は、軍資金が底を突かないよう貸レコードを活用して、積極的に聴いていた。

ちなみに1970年代後半は、ロックの世界では、我が国独特の表現にはなるが、AOR(Adult Oriented Rock)=「大人のロック」の全盛時代。従来のロック盤と同様、アルバム中心主義で、ロック・ビートに乗った、聴いていて心地よい、落ち着いて、洒落ていて、小粋なサウンドがメインのロックが流行していた。

神保彰『SORA』(写真左)。2021年12月のリリース。ちなみにパーソネルは、Jimbo Akira "神保彰" (ds), Jeff Lorber (p), Patrice Rushen (p, vo), Nathan East (e-b, vo), Freddie Washington (e-b)。フュージョン・ジャズの名うての名手達が参加。しかし、ジェフ・ローバーやネイザン・イーストが参加して、日本のフュージョン・ジャズのアルバムが制作されるなんて、夢の様である。
 

Sora-akira-jumbo

 
このアルバムは、一言で言うと「AORな雰囲気満載の日本発のフュージョン・ジャズ」。テクニックは優秀だが、テクニックに走ること無く、余裕ある大人のフュージョン〜スムース・ジャズがこの盤の個性。しかも、ジャジーな雰囲気を失うこと無く、真摯にジャズの雰囲気を残しつつ、ファンクネスが限りなく希薄な、「日本発」独特のフュージョン・ジャズがこの盤の中で展開されている。

そんな「日本発」独特のフュージョン・ジャズの中で、神保のドラミングがクッキリと前面に出て、しっかりと演奏全体をコントロールしている。じっくり聴くと、神保のドラミングが凄い。スティーヴ・ガッドに匹敵する縦ノリ・ビート、粘りの無いクリアなアタック音、表現豊かなポリリズム。とっても素敵なフュージョン・チックなドラミングである。この神保のドラミングを聴いているだけで幸せな気分になれる。

AORの往年の名曲「アントニオの歌(Antonio’s Song)」(1977年)と、パトリース・ラッシェン「Forget Me Nots」(1982年)のカヴァーをヴォーカル入りで収録している。こういう「日本発」独特のフュージョン・ジャズが神保の好みだとすると、確かに「CASIOPEA 3rd」の音はちょっと違うな。「CASIOPEA 3rd」については、サポートメンバーに徹しているのが、何となく判る、神保彰の好みが反映された、日本発のフュージョン・ジャズの好盤である。
 
 
 
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