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2018年7月15日 (日曜日)

猛暑に爽やかなアコギ・ジャズ

暑い。とてつも無く暑い。千葉県北西部地方、気象庁の発表では、最高気温33度なんだが、午後1時頃、外を歩くと、体感温度は36〜7度はある感じ。少し歩くと汗が噴き出てきて、買い物をしに百貨店に入るのだが、入ってから暫く、汗が噴き出たまま、汗が引かない。体の芯に暑さが浸みて、体温は恐らく37度越え。加えて湿度が高い。この暑さ「半端ない」。

ここまで気温が上がると、エアコンをつけた部屋の中まで、なんとなく外の熱気が伝わってくる。エアコンをつけても、何となく暑いなあ、という感じ。そん部屋の中で、聴くジャズは、もはや、熱気溢れるハードバップなどは論外である。切れ味良い、テクニック素晴らしい、耳当たりの良いフュージョン・ジャズが良い。

ということで、今日、選んだ盤が、Earl Klugh『The Journey』(写真左)。1997年のリリース。フュージョン・アコギの第一人者、アール・クルーの好盤。オケも加わって、メロディアスでメロウなサウンドを展開。余裕あるテクニック優秀なクルーのアコギが映える。デビュー以来のクルー本来のスタイルを、アルバムの全面に貫いた好盤である。
 

Earl_klugh_the_journey

 
全曲、クルーの作曲&プロデュース。クルーはアコギ(ナイロン弦ギター)をメインにしたギタリスト。アコギの音は切れ味が良いが、どこか丸みがあって、耳当たりが良い。そのアコギの特性をクルー本人が実に良く理解していて、このセルフ・プロデュースのアルバムの中で、アコギのジャズ・フレーズの爽快さ、耳当たりの良さを十二分に表現してみせている。

弾ける音の切れ味が実に良い。弾むような爽やかなアコギのフレーズが実に良い。この『The Journey』は、タイトルは「旅」だが、アルバムに収録されている曲は、どれもが「旅」にまつわるものでは無い。しかし、アルバム全体に流れる一貫性は、クルーのアコギの強烈な個性があってが故のこと。アコギのジャズ・ギターとして、円熟・成熟を十分に感じる、素晴らしい出来である。

我が国では、アール・クルーといえば、1970年代後半、フュージョン全盛時代にリリースしたアルバムだけが、今でも紹介されて、今回、ご紹介した様な1990年代以降のアルバムについては、あまり、まとまって語られることは無い。しかし、この『The Journey』の様に内容充実の盤がほとんどで駄作は無い。もっと評価されてしかるべき、である。

 
 

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2018年7月 9日 (月曜日)

2018年の Steve Gadd Band

伝説のドラマー、縦ノリのレジェンド、スティーヴ・ガッドが元気である。「Steve Gadd Band」および「The Gaddabouts」名義で、2010年からほぼ毎年のペースでリーダー作をリリースしている。異種格闘技な、ロック・ミュージシャンとの共演も多く、今年、満73歳にも拘わらず、凄く精力的である。

『Steve Gadd Band』(写真左)。今年2018年3月のリリース。シンプルなアルバム名なので、Steve Gadd Bandの旗揚げ盤かな、と勘違いしそうになるが、この盤、Steve Gadd Band名義での5作目になります。スタジオ・レコーディング作としては3年ぶり、レコーディングは2017年の後半、米国西海岸はノース・ハリウッドにて行われました。

ちなみにパーソネルは、Steve Gadd (ds), Michael Landau (g), Jimmy Johnson (b), Walt Fowler (tp), Kevin Hayes (key)。 CDをトレイに載せてスタートスイッチを押せば出てくる音は「レイドバック」。とっても適度に力が抜けていて、歌心溢れる中に、シッカリと芯のある、コンテンポラリーな純ジャズ風のインスト・ナンバーはどれもが魅力的。
 

Steve_gadd_band_2018  

 
う〜ん、何と表現すれば良いのか、そう適度にレイドバックした、ミッドテンポをベースとした「後期ウェザー・リポート」の音世界をエレギ入りのバンドで再現した様な音作り。黒いファンクネスを抑えた、白いファンクネスを偲ばせた、ヨーロピアン志向のニュージャズな音作り。しかも、タイトな音作りでありながら適度に緩やかで、しっかりとメリハリの効いたリズム&ビート。

ガッド御大の縦ノリなドラミングは相変わらず。ドラムの音を聴けば、直ぐにガッドだと判る強烈な個性。ストンストトンと縦ノリでバンド全体を揺らしつつ、新しい響きを宿した演奏の数々。演奏の爽やかさは、米国西海岸の音世界の影響か。2017年にこの世を去ったアラン・ホールズワースの『テンポラリー・フォールト』のカヴァーの出来が秀逸。

70歳を過ぎて、これだけ精力的な活動を見ていると、この先大丈夫なん、とガッドの体調が心配になるのだが、ライブ演奏の動画なんかを見ていると、それは杞憂であることが良く判る。とにかく「元気」。まあ、元気でなければ、良質のドラミングなんて出来ないもんな。しかし、優秀なドラマーがリーダーのアルバムって、どうして、こんなに味わい深いものが多いんやろ?

 
 

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2018年7月 5日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・123

ECMレーベルは実にユニークなレーベル。1969年の設立。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音。ビ・バップやハードバップの影響を全く感じさせない、ポスト・モダンな「ニュー・ジャズ」を録音し、アルバムをリリースする。

Terje Rypdal『Whenever I Seem To Be Far Away』(写真左)。1974年の作品。ECMの1045番。ちなみにパーソネルは、Terje Rypdal (g), Sveinung Hovensjø (b), Pete Knutsen (mellotron, el-p), Odd Ulleberg (French horn), Jon Christensen (per)。ギター、キーボードにベースとドラムがリズム&ビートを担うカルテット構成にフレンチ・ホルンとシンフォニーが絡む。

リーダーでギター担当のテリエ・リピダルはノルウェーのギタリスト兼作曲家。ビ・バップやハードバップの影響が皆無な、ニュー・ジャズを聴かせてくれる。ギター・プレイのメインは「アブストラクト&フリー」。判り易いフレーズを繰り出す、従来のジャズ・ギターとは正反対の内容。明快に「欧州ジャズ」な雰囲気をバッチリ聴かせてくれる。
 

Whenever_i_seem_to_be_far_away  

 
しかし、このアルバムはそんなリピダルの個性を越えた、実にユニークな内容に思わず耳をそばだてる。聴けば判るのだが、これって「プログレッシブ・ロック」。3曲目「Whenever I seem to be far away」では、クラリネットやオーボエ、弦楽アンサンブルが絡んでくる辺り、そして、暴力的でもある、流麗で高テクニックなエレギと合わせて、まるで「キング・クリムゾン」である。

1曲目の「Silver Bird is Heading for the Sun」では、メロトロンが大活躍。ジャズにメロトロン。これにはビックリするやら、嬉しいやら。ここまでくると、リピダル、明らかに当時の「プログレッシブ・ロック」を意識しているに違いない。しかしながら、プログレをやっても、アドリブの展開などは複雑かつ高テクニックで、その演奏内容は明らかにジャズ。

プログレッシブ・ジャズロックというか、プログレッシブ・フュージョンな内容は、1970年代のプログレ者からすると、実に興味深い。テリエ・リピダルのギターも相当に「エグい」。「アブストラクト&フリー」に行こうとするところを押しとどめ、限りなくフリーに近い、複雑にメロディアスなフレーズを連発していて聴き応えがある。内藤忠行の手になる、美しいジャケット写真も素晴らしい。明らかにECMレーベルらしい内容。好盤である。

 
 

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2018年7月 2日 (月曜日)

ブラジリアン・フュージョンです

先週の金曜日、いきなり梅雨が明けてしまった関東地方。翌日から暑い暑い、蒸し暑い。相当な湿度の高さ。暑さだけなら我慢できるが、この湿度の高さは我慢ならない。これだけ暑くなると、熱い演奏、熱い純ジャズは聴くのを憚られる。といって、静的なソロ・ピアノはと言えば、刺激が足らなくて、結局、汗が滲み出てくる。

暑いのは避けられないのであれば、爽快感溢れるフュージョン・ジャズが良い。耳当たりが良く、気持ちが明確になる、ポジティブなフュージョン・ジャズ。そう、空調の効いた涼しい部屋で、真夏日の焼け付くような陽射しを窓の外に見ながら、爽快感溢れるフュージョン・ジャズに耳を傾ける。猛暑の克服法の1つである。

Manfredo Fest『Brazilian Dorian Dream』(写真左)。1976年の作品。マンフレッド・フェストは、1960 年代をサンパウロのボッサ・ジャズ・シーンの中心人物として一時代を築いた後、セルジオ・メンデスの手引きで渡米し、ボッサ・リオを率いて活躍したブラジル出身の盲目のピアニスト。そのマンフレッド・フェストのリーダー作、ブラジリアン・フュージョン・クラシックな好曲「Brazilian Dorian Dream」をタイトルに冠したフュージョン・ジャズな好盤である。
 

Brazilian_dorian_dream_1  

 
聴くと実に面白い音世界である。シンセを使い、オルガンを使い、ピアノを使い、ブラジルというよりは、ラテン・フレーバーな楽曲がメイン。聴いていると、一瞬、チック・コリアかと思う位、ラテン・フレーバーが横溢している。しかし、繰り出されるフレーズは、チックの様にエッジが立った、アーティスティックなものでは無く、ライトで俗っぽい、ポップなもの。

シンセの使い方も、ちょっと俗っぽい使い方もちらつかせながら、ポップで判り易いフレーズを繰り出していく。アコピはところどころハービー・ハンコックな手癖を聴かせるが、基本はチック。極太シンセはともかく、リードを取るシンセとユニゾンで奏でられる女性スキャット、そしてソフト&メロウなフェンダー・ローズの音は、ちょっともったりとしたRTFの演奏を聴いているようで、とても面白い。

とにかくリラックスして聴けるところが良い。ラテン・フレーバーも耳に持たれることなく、爽快感を振り撒きながら、じっくりとフレーズを聴かせるところは只者では無い、と感じる所以。今ではこの盤は「クロスオーヴァー系DJ 達のマスト・アイテム」となっているらしい。ソフト&メロウなボッサ・ジャズ〜ブラジリアン・フュージョンは真夏の季節にピッタリ。

 
 

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2018年7月 1日 (日曜日)

ジョー・サンプルの隠れ好盤

当時のジャズ雑誌、ジャズ紹介本については、フュージョン・ブームが去った後、フュージョン・ジャズで活躍したミュージシャンに対して、意外と冷たい取り扱いだった様な記憶がある。ADLIB(アドリブ)誌のみが良心的な評論を継続していたが、2010年5月号で休刊になって以来、1980年代後半以降のフュージョン・ジャズの名盤については、結構、取り上げ方が弱い。

Joe Sample『Spellbound』(写真左)。フュージョン・キーボードのレジェンド、ジョー・サンプルの1989年作品。全10曲中、4曲がボーカル入りだが、演奏はメリハリの効いたフュージョン。マーカス・ミラーとオマー・ハキムのリズム隊が「要」。サンプル節満載。聴き心地満点の好盤である。

これが、である。ジャズ雑誌、ジャズ紹介本では、ほとんど採り上げられたところを見たことが無い。ジョー・サンプルと言えば、フュージョン・ジャズ・ブームを牽引したバンド、クルセイダーズのリーダー格で、そのキーボードをメインとしたフュージョン・ジャズは、特にソロ・アルバムにて、その個性を露わにしつつ、その内容のレベルの高さと濃さは、フュージョン・ジャズの最高峰の好例としてもてはやされた。
 

Spellbound_1  

 
が、フュージョン・ジャズのブームが去って以降、このジョー・サンプルのリーダー作について、採り上げられることは希である。ジョー・サンプルについては、クルセイダーズの諸作と同時並行してリリースされたソロ盤で終わり、って感じで、どうしてそういった偏った見方になるのか理解に苦しむ。例えば、この1989年作の『Spellbound』を聴けば、それが良く判る。

アーバン系フュージョン・ジャズの好盤の一枚と思う。スムース・ジャズに偏りつつ、演奏の全体の雰囲気はあくまでフュージョン・ジャズ、という風情の内容にグッときます。その風情を支えているのが、マーカス・ミラーとオマー・ハキムのリズム隊。しっかりと上質のフュージョンAORなリズム&ビートを叩きだし、スムース・ジャズに傾くジョーサンプルのキーボードを鼓舞します。

軽快なファンクネスをしっかりと残しつつ、聴き易いライトな、シティ系のフュージョンAORな演奏内容は古さを感じさせません。アル・ジャロウとマイケル・フランクスのヴォーカル曲はスムース・ジャズ調、インスト曲は明らかにフュージョン・ジャズ。とにかく爽やかでキャッチャー。録音もデジタル臭く無くグッド。ジョー・サンプルのキーボード・ワークも見事。好盤です。

 
 

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2018年6月30日 (土曜日)

ジャケットに戸惑うことなかれ

1980年代はジャズにおいては大転換点だった。フュージョン・ジャズが発展するどころか急激に衰退し、純ジャズが復古し、ネオ・ハードバップな演奏がもてはやされた。そういう、いわば「原点への回帰」がジャズのムーブメントだった訳で、1980年代はジャズの歴史を揺るがすようなアルバムは出現していない。

それでも、衰退基調とは言え、フュージョン・ジャズでは内容のある好盤は結構リリースされたし、逆に復古した純ジャズは玉石混交としていた。しかし、衰退基調のフュージョン・ジャズには予算が付かなかったのか、アルバム・ジャケットがチープなものが多い。LPからCDへの切り替えの時代であった、という背景もあるのだが、1980年代のフュージョン盤のアルバム・ジャケットにはチープなものが多い。

Billy Cobham『Picture This』(写真左)。パナマ出身、ホレス・シルヴァーやジョージ・デュークのグループでも活躍したジャズドラマー、コブハムの1987年作である。まず、見て思うのは「酷いジャケットやなあ」。もうどうでも良い様なジャケット・デザイン。ビリー・コブハムとは何者で、1980年代のコブハムの活躍度合いについて知っていないと、この盤には決して触手は伸びないだろう。
 

Picture_this_1

 
しかし、である。冒頭の「Two For Juan」を聴けば、フュージョン・ジャズ者であれば、この盤を入手して良かったなあ、という気持ちになる。明らかに上質なフュージョンであり、キーボードが実に小粋。パーソネルを見れば、キーボードはジョージ・デュークが担当している。派手に立ち回るのでは無い、グループ・サウンズを意識した、実に上質上品なキーボードである。これを聴けば、この盤は「只者では無い」ことが判る。

1980年代はデジタル録音へシフトしていった時代で、独特のデジタル臭さに苦戦し、敗退していったミュージシャンはごまんといる。が、この盤でのコブハムは健闘している。デジタル臭さは仄かに残ってはいるが、基本的にアナログ時代のフュージョン・ジャズのリズム&ビートの音の太さと音の滑らかさは十分にキープされている。

1970年代のコブハムが戻って来ている。こってこてなグルーヴ感、印象的でメロディアスなフレーズ、いわずもがなな超人的テクニック、何を考えているのか良く判らない音のビジョン(笑)、全てがコブハムの個性である。そう、この盤については、アルバム・ジャケットに惑わされてはならない。けど、何も情報が無ければ、なかなか触手が伸びない、1980年代のコブハム盤。フュージョン者の方々には、この盤はお勧めの「太鼓判」盤です。

 
 

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2018年5月23日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・120

フュージョン・ジャズは大のお気に入りである。もともとリアルタイムで体験したこともあるが、純ジャズと同等の位置づけて、今まで、様々なアルバムを拝聴してきた。1980年代半ばには、このフュージョン・ジャズの大ブームは沈静化した訳だが、それ以降も、フュージョン・ジャズは脈々とその姿を深化させている。

そんなフュージョン・ジャズの名うてのミュージシャンが集い結成したバンドが「Fourplay(フォープレイ)」。バンド名のとおり、4名編成、ジャズで言うところの「カルテット」である。当初メンバーが、ピアニストのボブ・ジェームス、ギタリストのリー・リトナー、ベーシストのネイザン・イースト、ドラマーのハービー・メイソン。フュージョン好きなら、目を見張るようなメンバー構成である。

Fourplay『Between the Sheets』(写真左)。1993年のリリース。フュージョン・ジャズのレジェンド集団、フォープレイのセカンド盤になる。ちなみにパーソネルは、Bob James (key, synth, p), Lee Ritenour (g), Nathan East (b), Harvey Mason (ds), Chaka Khan, Phillip Bailey, Phil Perry, Dee Fredrix (vo)。錚々たるメンバー、珠玉のカルテットである。
 

Between_the_sheets  

 
音が素晴らしい。まず楽器の音がしっかりと鳴っている。そして、録音が良い。適度で魅惑的なエコーが音に深みを与える。音が素晴らしければ、演奏の表現力は更に高まる。とりわけ、テクニック的に相当に高度な4人のメンバーである。この盤に詰まっている、フュージョン・ジャズの演奏は、エンタテインメント性を充足させ、アートの域にまでに達している。

いやはや、素晴らしい、凄みのある演奏である。淀み迷いの微塵も無い。フュージョン・ジャズの名演の数々がこの盤に詰まっている。フュージョン・ジャズ、ここに極まれり、である。ソフト&メロウ、ブルージー&アーバン、メロディアス&ムーディー。ボーカル曲もあり、これがまた良きアクセントとなっていて、惚れ惚れする。

スピーカーに対峙して聴き込むも良し、何かをしながらの「ながら聴き」にも良し。大向こうを唸らせる、バカテクな演奏や派手で判り易い旋律とは全く無縁。どちらかと言えば、落ち着いた、快適な余裕が感じられる演奏なのだが、これが聴き込むうちに「癖になる」。往年の名プレーヤーのテクニックをさりげなく満喫できる、成熟したフュージョン・ジャズ盤である。

 
 

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2018年4月24日 (火曜日)

黒人の米国ルーツ音楽の融合

ふとしたタイミングで耳にした、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ・愛称「Q」)の『Sounds...and Stuff Like That!!』(アルバム紹介はここをクリック)。時は1978年、僕は当時20歳、大学に入って最初の年。これも、ふとした切っ掛けで見つけた、大学近くの「秘密の喫茶店」で聴かせて貰った。衝撃的だった。その衝撃は今でもはっきり覚えている。

おおよそ、黒人の「米国ルーツ・ミュージック」、ジャズ、R&B、ゴスペル、ソウル、R&Rなど、それぞれの音楽要素がごった煮に融合されて、ひとつの魅力的な音世界を形成している。いわゆる「フュージョン・ミュージック」の集大成である。ここまで見事に、黒人の「米国ルーツ・ミュージック」を融合し、アレンジし尽くした成果を僕は初めて聴いた気がした。

そして、時は1981年3月。「Q」は新作をリリースする。Quincy Jones『The Dude』(写真左)。前作『Sounds...and Stuff Like That!!』の音世界、いわゆる、黒人の「米国ルーツ・ミュージック」を融合し、アレンジし尽くした「フュージョン・ミュージック」を更に洗練した、いわゆる「フュージョン・ミュージック」の完成形に出会った気がした。よくよく聴けばソフト&メロウなAORの要素も織り交ぜ、1980年当時、ジャズの世界で聴けば「最先端をいく音」であった。
 

The_dude  

 
しかし、正直に言えば、冒頭の「Ai No Corrida」の曲名を見た時、これ何語、と思った。英語では無いよな、なんて思いながら、LPに針を降ろした。格好良い、シャッフルな前奏で始まり、むっちゃR&Bなボーカル、わわっこれは、と思った瞬間、サビが訪れて「アイ ノ コリ〜ダ ・・・・」ときた。そして、ライナーノーツで邦題を確認する。「愛のコリーダ」。うわっ日本語か、よりによって「愛のコリーダ」か。とっても気恥ずかしい思いがした。暫く、苦手だった(笑)。

しかし、米国のリスナーからすると、片言の日本語でサビを歌うのは「クール」な感じなんだろうから仕方が無い。そう、この冒頭の「愛のコリーダ」で気恥ずかしがっている場合では無い。2曲目のタイトル曲以降、ラストの「Turn On the Action」まで、ノンストップで、目眩く「米国ルーツ・ミュージック」の融合の音世界。前作より、ソフト&メロウなAORの要素が効いて、クールでマイルドな雰囲気が加味されているところがニクい。

特に、パティ・オースチンの歌唱がむっちゃ格好良い。さすが「Q」、アレンジは完璧、プロデュースもツボを押さえた音作りが見事。この「Q」の音世界については、当時のフュージョン・ジャズの世界の中では最高峰な内容であり、繰り返し聴くにつけ、思わずひれ伏したくなるような内容であった。さすが「Q」、永遠の僕の「アイドル」である。

 
 

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2018年4月21日 (土曜日)

ながら聴きのジャズも良い・32

このところ、なんとなく朝夕、ヒンヤリとするなあ、と思っていたら、いきなり25度超えの夏日である。まだ4月の半ば過ぎだというのに夏日とは何事か。それでも、朝はまとまった風が吹いて、ウィンドブレーカーは必要だったので、昼前からの温度の上昇は体にこたえる。案の定、午後からダウン。しばらく伏せっていた。

これだけ、いきなり気温が上がると、音楽鑑賞どころでは無くなる。とにかく、この不意打ち的な気温の上昇で気が散って仕方が無い。難解な純ジャズはどうにもいけない。こういう時は、爽快で明快なフュージョン・ジャズが良い。単純に、難しいことを考えずに、音の躍動感、音の流麗さ、音のメリハリを気軽に楽しむ。フュージョン・ジャズはそういう切り口に良く合う。

Yellowjackets『The Spin』(写真)。1989年のリリース。ちなみにパーソネルは、Russell Ferrante (key), Jimmy Haslip (b), Marc Russo (sax), Will Kennedy (ds, perc)。あれ、ギターがいない。もともと、ロベン・フォードのギターとラッセル・フェランテのキーボードの2フロントがウリのバンドだったはずなんだが。
 

The_spin

 
この時代のイエロージャケッツは、キーボードが中心のバンドに変身している。しかも、このアルバムでは、ドラマーが交代したことによって、バンドの音がしなやか、かつジャジーになり、良好なフュージョン・サウンドに立ち返っているのだ。加えて、バンドの音がしなやかになることによって、打ち込みのリズム&ビートも耳につかなくなったのだがら面白い。

ジャジーになったとは言え、サウンドはメインストリームなエレ・ジャズなサウンド。ラッセル・フェランテのキーボードが後ろにドッカリと控えてつつ、マーク・ルッソのサックスやジミー・ハスリップのベースが目だっているところは、ウェザー・リポート後期のサウンドを彷彿とさせる。疾走感溢れ、爽快で明快なフュージョン・サウンドである。

他のバンド共々、1980年代のデジタルの波に翻弄されたイエロージャケッツではあったが、ジャジーなドラマーを据えることで、良い方向でデジタル録音、デジタル楽器の「難点」をクリアした。その最初の成果がこの『The Spin』である。爽快で明快、かつ流麗なフュージョン・ジャズな大人ので、ながら聴きに最適です。実際、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、お勧めの「ながら聴き」盤の一枚です。

 
 

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2018年4月19日 (木曜日)

独特のうねるようなビート。

ボブ・ジェームスも良いが、ファンクネスたっぷりなフュージョン・ジャズを追求するなら、クルセイダーズ(The Crusaders)は絶対に外せない。クルセイダーズは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (ts), Joe Sample (p), Stix Hooper (ds) の4人が結成したグループである。

もともと、彼らはジャズ・クルセイダーズとして10年間活動していた。しかし、1971年、グループ名を「クルセイダーズ」に変更。理由は「ジャズの冠がついているとラジオのDJがレコードを敬遠するきらいがあるから」。なるほど。で、クルセイダーズと改名してから、音世界が変わったのか、として聴いてみる。

そこでこの盤を聴く。『Crusaders 1』(写真)。1972年のリリース。改名して1年後、タイトルからして、新生「クルセイダーズ」の第1弾の様に見えるが、実は本作は名義変更後の第2弾のアルバム。リリース当時、LP2枚組の大作。本作は商業的に成功したようで、苦節12年の快挙。継続は力なり、ですね。
 

Crusaders_1  

 
しかし、1972年という時代のリリースである。基本はソウル・ミュージックとジャズのクロスオーバーではあるが、例えば、冒頭の「That's How I Feel」のへヴィーなベースとワウ・ギターなど、サイケデリック・ジャズの面影やスピリチュアル・ジャズの影響が聴かれる。ところどころ、この辺が、ちょっと「垢抜けない感じ」がする所以。

ジョー・サンプルのキーボードとこの盤ではまだ客演しているラリー・カールトンのギターは明らかに、従来のジャズからクロスオーバーへステップアップして、新しい音世界に入っていく。逆に、ウィントン・フェルダーのテナーとウェイン・ヘンダーソンのトロンボーンはまだ「新主流派」のフレーズを継承し、従来の音世界に留まっている。決して悪く無い、この2面性がこの頃のクルセイダーズの面白いところ。

しかし、クルセイダーズ独特のうねるようなビートはもうこの盤にしっかりとある。しばらく聴いていると、確実にクルセイダーズの演奏と判るほどの「うねるビート」。これが「クルセイダーズ者」には堪らない。このジャズには無い「うねるビート」はファンクネス満点で、とても心地良い。これがクルセイダーズの真骨頂。

 
 

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