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2017年6月21日 (水曜日)

『Birds of Passage』が素敵だ

いや〜大荒れの一日でしたねえ、我が千葉県北西部地方。外出も叶わぬ大荒れの日、部屋の中で聴くのはジャズ。さて、今日は、ナベサダさん(渡辺貞夫)のアルバムの聴き直しをもう一枚。僕はこのアルバムを聴いた時、これは「スムース・ジャズ」でも「フュージョン・ジャズ」でもない、これは、硬派なコンテンポラリーな純ジャズだ、と思った。

渡辺貞夫『Birds of Passage』(写真左)。1987年の作品。発売当時のキャッチフレーズが「追い求めた"渡辺貞夫の音楽"を遂に完成! そして数々の旅の想いがこのアルバムに・・・。"旅"がテーマとなった曲を再演奏した1枚」。なるほど、このキャッチフレーズの言うとおりである。いいキャッチフレーズやなあ。

この頃のナベサダさんは、米国でスムース・ジャズの先駆けとして成功を収め、ナベサダさんの音楽と言えば「スムース・ジャズ」だった。が、この盤は違う。前奏をパッと聴いた雰囲気は電気楽器を上手く活用したフュージョン・ジャズかスムース・ジャズか、と思うんだが、ナベサダさんのアルトが出てくると、雰囲気はガラッと変わる。ほんと、ガラッと変わるのだ。
 

Birds_of_passage

 
テクニック優秀、歌心溢れ、力強いアルトの旋律。この力強さと音の「伸び」が素晴らしい。そこにテクニック&疾走感溢れるアドリブ・フレーズが展開される。甘さは一切排除され、ファンクネスは皆無、切れ味良い爽快感と歌心溢れるフレーズは「コンテンポラリーな純ジャズ」である。説得力抜群で聴き応え満点である。

『California Shower』以降「ナベサダはフュージョンに魂を売った」などと揶揄されることもあったが、ナベサダさんの「スムース・ジャズ」や「フュージョン・ジャズ」は超一級品。揶揄されるレベルでは無い。しかも、このアルバムに至っては、まず「スムース・ジャズ」や「フュージョン・ジャズ」の類では無い。「コンテンポラリーな純ジャズ」である。真摯で意欲的な「新しい響きのジャズ」がこの盤に詰まってから素敵だ。

バックを固めるフュージョン・ジャズ時代からの強者共の好演も良い。特にドラムのビニー・カリウタは凄い。"旅"がテーマとなった曲の再演盤という色合いが濃いが、収められている演奏を聴けば単なる再演でないことが痛いほど判る。新しい響き、新しい展開を伴ったコンテンポラリーな純ジャズ」が、新しい雰囲気の新しい「純ジャズ」の形がここにある。

 
 

東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2017年6月20日 (火曜日)

素のまま暖かくてゆったりと

ナベサダさん(渡辺貞夫)のアルバムの聴き直し。前回は何時だったか、思い出せないほど時間が空いた。調べてみたら、2016年7月7日のブログ、アルバムは『MAISHA(マイシャ)』。1985年のリリース。ナベサダさんの初プロデュース盤。なんだ、まだ1年前か。

で、今回は、渡辺貞夫『Good Time for Love』(写真左)。1986年のリリース。ナベサダさんの陽気な、上半身の姿が写っているだけの、あまりにシンプルで味気ないジャケット・デザインで意外と損をしている盤である。あまりに地味なジャケット・デザインなので、とにかく目立たない。

しかし、である。冒頭のレゲエ・ナンバー、タイトル曲でもある「Good Time for Love」を聴くと、前作『MAISHA』までとは異なる雰囲気に気がつく。ゆったりしている、というか、自然体というか、素のままというか、暖かくてメリハリの効いた、昔、聴き馴れた「ナベサダ」フュージョンな音である。
 

Good_time_for_love1

 
2曲目「Love Birds Whisper In My Ear」を聴き進めるにつれ、その意を強くする。そして、6曲目の「Pogo」に至っては、うか〜っと聴いていると、あれ、これって「California Shower」かも、なんて思ってしまう位に雰囲気が似たハッピーな曲。これって、フュージョン・ジャズに本腰を入れ出した1970年代後半の「ナベサダ・ワールド」な音世界である。

前作と音の雰囲気がガラッと変わったのは、このアルバムから、ナベサダさんの音楽活動のベースを日本にシフトしたことと大いに関係があると思っている。バックを支えるミュージシャンも日米混合。日本人ミュージシャン達が帰ってきた。ナベサダさんのアルトは、バックが米国だろうが日本だろうが、そのブリリアントな音色は変わらないが、雰囲気がガラッと変わる。

アーバンで小粋な大人のフュージョン、素のまま暖かくてゆったりと親しみのあるフュージョン、どちらのナベサダ・ワールドも捨てがたい。そして、この盤、なによりもナベサダさんのアルトがバリバリに鳴っている。これだけ鳴りの良い暖かみのあるアルトの音を僕は他に知らない。肩肘張らない、普段着の素のままのフュージョン・ジャズ。良い雰囲気、良い音世界です。

 
 

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2017年6月15日 (木曜日)

ながら聴きのジャズも良い・22

トランペットを吹くボーカリスト。ぱっと浮かぶのは、サッチモ、そして、チェット・ベーカー。日本では、う〜ん、いたぞいたぞ。そう「TOKU」である。キャッチフレーズが「日本で唯一のボーカル&フリューゲルホルンプレイヤー」。確かに、トランペットを吹くボーカリスト。日本にはそうそういない。

ジャケットが良い。モダンアートっぽい、原色を活かしたジャケット。こういうの僕は大好き。思わず、これは「ジャケ買い」レベル。きっと音は良いに違いない。で、どんな音になっているのか。

そのアルバムとは、TOKU『Shake』(写真左)。今年のこの6月7日のリリース。聴いて楽しいコンテンポラリー・ジャズの饗宴。ゲストとの共演が基本。このゲスト陣が大変豪華。名前を挙げると、SUGIZO、Yasei Collective、AISHA、ZEEBRA、DABO、シシド・カフカ、ゴスペラーズ、多和田えみ、大黒摩季、NAOTO等々。

収録されている曲もとってもコンテンポラリー。僕達の世代が泣いて喜ぶカバー曲の数々。デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」以下、ローリング・ストーンズやプリンス、ドナルド・フェイゲンやレナード・コーエンといったロック・レジェンドの名曲がズラリと並ぶ。これらをアーバンなコンテンポラリー・ジャズな雰囲気に仕立て上げる。
 

Toku_shake

 
どこかで聴いたことある雰囲気やなあ、と思っていたらピンと来た。1970年代後半のエレ・ハンコックである。クインシー・ジョーンズに憧れて追求した、ファンクネス溢れるR&Bとの融合が芳しいエレ・ハンコックのボーカル曲の世界。TOKUのダンディズム溢れる、力感豊かな、しなやかなボーカルに、日本人独特の乾いたファンクネスがそこはかとなく漂う。

現代のフュージョン・ジャズである。R&B、ブラコン、ハウス、ユーロ、もちろんジャズの要素も色濃く反映して、ライトでアーバンな新しい雰囲気のフュージョン・ジャズがこのアルバムに展開されている。パッと聴けばジャズじゃない。じっくり聴き進めれば、確かにフュージョン・ジャズである。まあ難しいことは言いっこなし。聴いて「ええ感じ」やったらOK。

TOKUのフリューゲルホルンも良い。演奏の中で、ここぞというところで、ブワーっと入ってくる。決して刺激的ではない。フリューゲルホルンの柔らかくて丸い音の特性を活かした優しい音。このフリューゲルホルンが独特の雰囲気を醸し出す。明らかにTOKUの個性である。

良い雰囲気の現代のフュージョン・ジャズ。純ジャズな雰囲気とはほど遠いが、フュージョン・ジャズとして聴くと、とても良い内容だ。演奏のレベルも高く、ボーカルもゲスト含めて個性的で聴き応えがあって良い感じ。何度か聴き直しているうちに、ながら聴きに最適なことに気がつきました。

 
 

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2017年5月30日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・53

ほとんど夏の日である。東京で29度、千葉で26度。我が千葉県北西部地方は、終日、風が吹いていたので、日陰にいるぶんには暑さは感じないが、日向ではもう暑い暑い。午前中はなんとか散歩も可能だが、昼を過ぎると夕方まで、外を出歩くと熱中症が怖い。

こういう夏日の午後は、窓を開け放って風が通る部屋で聴く「スムース・ジャズ」が心地良い。本などを読みながら、爽やかな風に吹かれながら聴く「スムース・ジャズ」はなかなかに乙なものである。単なるBGMでは無い。リズム&ビートと印象的なフレーズで脳髄を少しずつ刺激して、ながら作業を効果的にしていく。そんな「スムース・ジャズ」は捨てがたい。

米国では「スムース・ジャズ」は、80年代半ば頃からだろうか、ジャズの演奏ジャンルとして認められ定着している(日本ではまだまだだが)。スムース・ジャズの好盤を拾うには米国盤を漁るのが一番だと僕は思っている。とりわけ最近は、ダウンロードサイトで、米国盤の情報を早々にキャッチすることが出来る様になったのは喜ばしいことだ。
 

Let_it_go

 
で、最近、見つけたアルバムが、Norman Brown『Let It Go』(写真左)。今年の4月のリリース。表情豊かな音色、今回初めて出会った、まるで歌っているかのようなギター。スムース・ジャズ界のギタリストの代表格。これぞソフト&メロウ、これぞ「スムース・ジャズ」といった雰囲気の完成度の高い好盤である。

このノーマン・ブラウンというギタリスト、日本では全くといっていいほど情報が無いので、英語のサイトで調べてみると、この最新作は、生命や幸福、愛、といった奥深いスピリテュアルなテーマで作られた作品とある。確かに彼のギターの音は品が良く、透明感が高い、伸びと奥行きがあって、確かに「スピリチュアル」なもの。

ほんとギターの音が素晴らしい、スピリチュアルなスムース・ジャズです。収録された曲、一曲一曲、それぞれに様々な表情を見せる、テクニックの高いノーマン・ブラウンのギターに惚れ惚れと聴き込んでしまいます。ノーマン・ブラウンは1963年生まれなので、今年で54歳。スムース・ジャズ・ギターのベテランとして、一層の活躍が期待されます。

 
 

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2017年5月11日 (木曜日)

初夏に音の良いフュージョン

暑い。今日は東京で最高気温27度。夏日達成である。しかも蒸し暑い。夕方、会社からの帰宅時、歩いているだけで、汗がじんわりと首筋に滲んでくることが判る。こんな気候になってくると、音の良い音の立った、聴き易いフュージョン・ジャズの出番が多くなる。

音が良いって、良いことだなあと長年思っている。ジャズには1920年代、1930年代の録音もあるので「ジャズに音の良し悪しは関係無い」とする向きもある。けど、やっぱりなあ、演奏時、音の隅々まで聴き込むことが出来るし、音の分離が良く、楽器それぞれの音が良く判るので、音が良いに越したことはない、というのが僕の持論。

Larry Carlton & Robben Ford『Unplugged』(写真左)。2006年12月のパリ公演を収録した作品。売り文句は「ラリー・カールトン&ロベン・フォードというフュージョン・ギターの人気ギタリスト、夢の共演!!」。この盤のポイントはタイトル通り「アンプラグド」。2人の使用楽器はアコースティック・ギター。これは聴きものである。
 

Unplugged_larry_carlton_robben_ford

 
ちなみにパーソネルは、Larry Carlton (g), Robben Ford (g, vo), Fifi Chayeb (b), Claude Salmieri (ds)。二人のアコースティック・ギターにベースとドラムがバックにつく。これが正解。アコギ2本だけだと、どうしてもどちらかがソロを取り、どちらかがバックに回ってリズムを担当することになる。2本のアコギのソロの共演という妙が楽しめない。

バックにベースとドラムが控えていると、彼らにリズム&ビート、そしてベースラインを任せることが出来る。2本のアコギはソロの共演と相成る。壮絶なテクニックを引っさげて、主旋律でのユニゾン&ハーモニー、アドリブ・ソロのバトル&ランデブーと、存分に惹き込むことが出来る。このアルバムでは、そんな二人のアコギの共演を心から堪能することが出来る。

ちょっと味もしゃしゃらもないジャケットで、なんかちょっとブート盤の様な面持ちなので、ちょっと見ただけでは触手が伸びないのだが、内容は折り紙付き。音も良くて、二人のアコギの個性とニュアンスが十二分に聴き取れる好盤です。フュージョン・ギターと侮るなかれ。とにかく凄まじいアドリブ・ソロの共演です。

 
 

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2017年4月21日 (金曜日)

ながら聴きのジャズも良い・18

やっと4月の中旬らしい気候に落ち着いた感がある。寒くも無く暑くも無い。ちょうど良い塩梅の気候。何かしながらの音楽。ながら聴きに良い季節である。この季節、僕は本を読みながらのジャズの「ながら聴き」が好み。ちょっとだけ窓を開けて、微かな春風の流を感じながらの「ながら聴き」。

僕は「ながら聴き」のジャズについては、フュージョン・ジャズのアルバムを選盤することが多い。爽やかでシンプルで明るいフュージョン・ジャズが「ながら聴き」にピッタリ。そんな盤ってあるのか。あるんですよね、これが(笑)。落ち着いた大人のフュージョン・ジャズが良いですね。あまり「はっちゃき」なのは耳についていけない。

Jim Beard『Song of the Sun』(写真左)。1990年の作品。新生CTIレーベルからのリリース。リーダーのジム・ビアードは、1980年代後半〜1990年代のN.Y.ジャズ・シーンで最も注目すべきキーボード奏者の一人。基本はジャズ。ジャズに軸足を置きながらのモーダルなキーボード・プレイが特徴。
 

Song_of_the_sun1

 
アルバムを聴き通すとこのアルバムの雰囲気に思わず「ニヤリ」とする。1970年代から1980年代を駆け抜けた伝説のフュージョン・バンド「ウェザー・リポート」の後期の音をスッキリとシンプルにした、判り易い「ウェザー・リポート」といった雰囲気。とりわけ、ビアードのキーボード・プレイは秀逸で、バラエティーに富んでいて、とても楽しめる。

パーソネルを見渡すと、うへへ〜と思わず笑みが漏れる。サックスにMichael Brecker、Bob Mintzer、Wayne Shorter、Lenny Pickettを使い分ける。ベースはVictor Bailey、Anthony Jackson、Batundi Panoを使い分け。ドラムにDennis Chambersの名前が見える。ハーモニカにはToots Thielemans。これって、フュージョン全盛時代の主要ジャズメンばかりである。

アルバムに収録された演奏は、ビアードの優れた編曲で整えられたシンプルで破綻の無いもの。あまりに整然としていて、ファンクネスに欠けるところがちょっと惜しい。それでも、アルバム全体の音世界は、小粋で成熟した上質のフュージョン・ジャズ。時は1990年、遅れてきたフュージョン・ジャズの好盤としてお勧め。特に「ながら聴き」にピッタリである。

 
 

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2017年4月20日 (木曜日)

80年代サンボーンの代表盤

フュージョン・ジャズの雄、アルト・サックスの代表格、デイヴィッド・サンボーンの聴き直しを続けている。前回は1988年の『Close-Up』をご紹介したのだが、順番として、このアルバムを忘れていた。面目ない。

David Sanborn『A Change of Heart』(写真左)。1987年の作品。ど派手なジャケットに度肝を抜かれる。サンボーンの素晴らしさを知らない人は、このジャケット、手にするにはかなりの勇気がいる。もうちょっと何とかならなかったのかなあ。さすがに1980年代、バブリーな時代のデザイン感覚を再認識する。

しかし、内容的には、良きにつけ悪きにつけ、1980年代のサンボーンを代表する内容に仕上がっているのではなかろうか。全編に渡って、マーカス・ミラーの硬質に弾けるエレベとハイラム・ブロックのねちっこいエレギをバックに、それはそれは気持ち良さそうにアルトを吹き上げるデヴィット・サンボーン。
 

A_change_of_heart

 
この盤、サンボーンのアルトがとっても良い音で鳴っている。ど派手なアレンジ。メタリックな輝きに満ちたブロウ。もともとサンボーンは懐の深いミュージシャンではあるんだが、この盤の内容を見渡すと、ダンスナンバーあり、ハードナンバーあり、泣きのバラードあり、とバラエティーに富んだ内容がとても楽しい。

しかし、そんなバラエティーに富んだ演奏内容なんだけど、サンボーンのソウル&ファンキーでメタリックな輝きに満ちたブロウは終始一貫している。これが素晴らしい。1980年代のサンボーンをアルトの「これ一枚」を選べと言われたら、この『A Change of Heart』を挙げるかな。それほど、この盤でのサンボーンのアルトは輝きに満ちている。

1980年代の音なので、はしたないほどにデジタルっぽい音だし、リズムは明らかに打ち込み中心で人工的。こういう面では1980年代のサンボーン盤はあまり好んで聴くことは少ないのだが、この盤については、1980年代のサンボーンのアルトを確認したい時、必ず手にする盤ではあります。サンボーン者にとっては好盤です。

 
 

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2017年4月19日 (水曜日)

「音が良い」ということは尊い

アルバム鑑賞において「音が良い」ということは尊いことである。ジャズ発祥約100年、ジャズには古い録音が多々ある。古い録音であればあるほど録音の質は落ちる。それでも演奏が良いと録音の質には目をつぶって、我慢してその素晴らしい演奏に耳を傾ける。

硬派なジャズ者の方々の中には「ジャズの良し悪しに録音の質は関係無い」と言い切る人もいる。でも、ですね。録音の質が良ければ良いほど、楽器演奏のテクニックの良さ、楽器の出す音の響き、ニュアンスの豊かさの詳細がダイレクトに伝わってくる。録音の質の良さは、ダイレクトにその「ジャズの良さ」を明確に伝えてくれる。

まあ、一言で言うと「ジャズも録音の質が良いに越したことは無い」ということですね。録音の質の良し悪しって、ジャズにとっては、その「ジャズの良し悪し」の正しい理解をしっかりサポートしてくれる、そんな役割でしょうか。

『The Earl Klugh Trio, Volume. One』(写真左)。1991年のリリース。ちなみにパーソネルは、Earl Klugh (ac-g), Ralphe Armstrong (ac-b), Gene Dunlap (ds)。ありそうで無かった「ナイロン弦でのジャズ・ギター」。そんなありそうでなかったことを実現したナイロン弦の名手アール・クルーが1991年リリースしたトリオ編成のアルバム。
 

The_earl_klugh_trio_volume_2

 
アール・クルーと言えば、フュージョン・ジャズの人、というイメージが強い。アコースティックな純ジャズを好んでやるタイプでは無い。そもそもアコギという楽器自体、意外と「音の表現力」という面で、他の楽器と比べて劣るところがある。しかも、ナイロン弦である。音の表現の幅は意外と狭い。そういう面で、アコースティックな純ジャズで勝負するにはちょっとハンデが大きい。

しかし、アール・クルーは敢えて、この盤ではドラム+アコベとのトリオ編成で、かつスタンダード曲を全面的に取り上げ、内容的にかなり純ジャズなアルバムになっています。演奏の質はライトでアーバンなフュージョン・タッチなものですが、出てくる音は間違い無く「純ジャズ」なのが凄く良い。

この盤、抜群に録音の質が良い。アコベがブンブン唸りを立てて響き、ドラムのスネア、シンバルの音は生々しくダイナミズム抜群。そこにアール・クルーのテクニック豊かな「ナイロン弦なジャズ・ギター」がフロントに座る。オール・アコースティック楽器での音の響き、ニュアンス豊かなスタンダード演奏の饗宴。躍動感、透明感抜群の純ジャズである。

決して黒く無く、決してファンクネス過多でも無い。ライトでアーバンな、落ち着いた大人の純ジャズ、という面持ちが実に良い。アール・クルーのメロディラインは美しく音色も繊細。それをこの盤は「録音の質の良さ」でしっかりと豊かに聴かせてくれる。好盤です。

 
 

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2017年4月15日 (土曜日)

ブレッカー・ブラザースの復活

ランディ・ブレッカーとマイケル・ブレッカー兄弟によるザ・ブレッカー・ブラザーズ(The Brecker Brothers)、人気のフュージョン・バンドとして一世を風靡したが、フュージョン・ブームに翳りが見え始めた1982年に活動を停止し、それぞれがソロ活動を開始。伝説のバンドの化すのかと思われた1992年、突如として復活を果たす。

何があったのかは判らないが、この復活には期待した。活動停止前、1975年から1982年まで、ブレッカー・ブラザースが大活躍の頃は、名ライブ盤『Heavy Metal Be-Bop』を中心に聴きまくった。フュージョン・バンドとは言え、その内容は硬派でハードボイルドなもので、フュージョンの主流「ソフト&メロウ」とは一線を画する格好良さ。

そんなブレッカー・ブラザースが復活を遂げたアルバムが『Return of the Brecker Brothers』(写真左)。1992年のリリース。ドラムにDennis Chambers(略称デニチェン)、ギターにマイク・スターン(略称マイスタ)の参加が目を惹く。以前からのメンバー、エレベのWill Lee(ウィル・リー)の参加が嬉しい。
 

Return_of_the_brecker_brothers

 
聴けば判る「硬派な大人のファンキー・フュージョン」。バカテクなのは相変わらず。まあ、それはそれは演奏テクニックの素晴らしさ。しかし、その演奏テクニックの素晴らしさをひけらかすことなく、余裕ある、ある種ゆったりとした大人のファンキー・フュージョンを展開している。

ドラマーがデニチェン、エレベがウィル・リーなので、リズム&ビートは基本的に「ソリッドでシャープ」。フロントの管楽器は皆ハードボイルド。ストレートアヘッドなフュージョンもあるが、踊れる要素を前面に押し出したダンサフルなナンバーもあって、その多様性が楽しい。

1992年の時代に、こんなに小粋でソリッドでシャープな「硬派フュージョン」が生まれ出ていた事にちょっと感動する。『Heavy Metal Be-Bop』の様に、ヤンキーな前のめりのロック感はありませんが、本当に余裕のある「硬派な大人のファンキー・フュージョン」です。実は、僕はこの『Return of the Brecker Brothers』が大好きです。

 
 

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2017年4月14日 (金曜日)

ライブ・フロム・ボトムライン

21世紀に入って、昔のオープンリール・テープやカセット・テープの音源が、リマスタリングを始めとしたリイシュー技術が進歩したお陰でCD化され易くなったのか、これはこれは、と嬉しくなる様な、懐かしくなる様な音源が出てくることが多くなった。ありがたいことである。

1970年代、音楽ファンの貴重な音源がFM放送だった。専門誌もあった。FM Fan、週間FM、そして、僕達が愛読したFM専門誌は、1974年に創刊された「FMレコパル」である。隔週の発売だった記憶がある。発売日には書店に行き、即ゲット。そのまま家に直行し、当時はラインマーカーなるものは無く、赤鉛筆でエアチェックしたい番組をマークしていた。

1978年からジャズを本格的に聴き始める訳だが、やはりFMは貴重な音源だった。初心者ホヤホヤのジャズ者でも、ジャズは即興、ジャズはライブが面白い、ということは頭で理解している。そんな中、FMで流れるジャズのライブ番組「ライブ・フロム・ボトムライン」と「渡辺貞夫 マイ・ディア・ライフ」は毎回欠かさず聴いたし、エアチェックも欠かさずした。そして、繰り返し聴いた。

このライブ音源は記憶違いでなければ、1979年頃のFM東京系のライブ番組「Live From The BOTTOM LINE」で流れたものらしい。その頃、僕は大阪に住んでいたので、FM大阪経由で聴いたことになる。で、このライブ音源を暫く聴いていて、確かにこのライブ演奏は、FMで聴いた記憶がある。
 

The_bottom_line_archive_series_live

 
そのライブ音源とは、Brecker Brothers『The Bottom Line Archive Series :(Live 1976)』(写真左)。ライブ演奏を収録した場所はNYのライヴハウス、ボトムライン。ちなみにパーソネルは、Michael Brecker (ts), Randy Brecker (tp,fgh), Steve Khan (g), Will Lee (b), Chris Parker (ds), Don Grolnick (org, key, vo), David Sanborn (as), Sammy Figueroa (per, vo), 。

凄い凄いぞ。今から振り返れば、フュージョン・ジャズ畑の錚々たるメンバーである。ブレッカー・ブラザースのライブ盤については、1978年の『Heavy Metal Be-Bop』が有名なんだが、このライブ音源はその2年前。ブレッカー・ブラザースのオリジナル・メンバーでの初、そして唯一の公式ライヴ音源。

凄まじい迫力と圧倒的なテクニック。『Heavy Metal Be-Bop』の様に、ヤンキーな前のめりのロック感はありませんが、逆に、意外にクールで疾走感溢れる演奏とタイトでファンキーなグルーブが良い感じです。そう、初期のブレッカー・ブラザースの音なんですね、これが。そんな初期のブレッカー・ブラザースのライブがこの音源で追体験できます。

ジャケットはかなり「やっつけ」でレトロで、内容を知らずにゲットするにはちょっと気が引けるのですが、このCDの内容を聴けば、そんなことも全く気にならなくなるどころか、この「やっつけ」のジャケットが愛おしく見えるのが不思議です(笑)。

 
 

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