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2018年6月 3日 (日曜日)

正統ブルース・ロックがてんこ盛り

ジャズの合間の耳休めのアルバムには色々あるが、やはり、ジャズに近い「米国ルーツ・ミュージック」を踏襲したものが一番フィットする。ロックであれば、米国ルーツ・ロック。ブルースやゴスペル、カントリー、ソウル・ミュージックをベースにしたロックが、ジャズの合間の耳休め盤に一番適している。

ロックであれば、ブルースを基調としたものが良い。ブルースを基調としたロックといえば、1960年代後半、英国で流行始めてから、現在に至るまで、綿々とコンスタントに好盤をリリースしている。レジェンドの域に達した大ベテランについては、エレック・クラプトンの名が「いの一番」に挙げられる。

それでも、1980年代のクラプトンについては、まずは売れることが求められ、それに応えようとした時代の流行の音に迎合したアルバムが多く、あまり触手の伸びるアルバムをリリースすることは無かった。しかし、1992年にリリースされたライブ盤『Unplugged』により、渋いブルースを歌うクラプトンが評価され、人気の裾野が広がり、セールスが伸びた。渋いブルースをクールにロックして歌うスタイルが受ける。クラプトンは確信した。
 

From_the_cradle_1  

 
その確信をもとにレコーディングされたアルバムが、Eric Clapton『From the Cradle』(写真左)である。1994年のリリース。コッテコテのブルース集である。オリジナルを忠実に再現しながら、あくまでもコピーではない個性と拘りで、クラプトン・オリジナルなブルース・ロックがてんこ盛り。クラプトン流の「ホワイト・ブルース」を堪能出来る。

加えて、この盤、録音が良い。ブルース演奏らしく、シンプルで躍動感のあるもの。それもそのはず。ほぼ全曲とも一発録り。何らかのオーバーダブがなされているのは「ハウ・ロング・ブルース」と「マザーレス・チャイルド」の2曲のみらしい。躍動感溢れる、程良い緊張感を伴ったブルース・ロックは聴き応え十分。クラプトンの「原点回帰」というか、ロックに求められる「革新性」に別れを告げた「潔さ」が感じられる秀作である。

専門家からの評価も高く、グラミー賞のベスト・トラディショナル・ブルース・アルバム部門を受賞している。音の太さ、迫力と共に、ブルース・ロックの最高峰の演奏がこの盤に詰まっている。コマーシャルに流されない、純粋な音楽家としてのクラプトンが実に潔い。ちなみに、この盤、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジャズの合間の耳休め盤に良く選盤されています。

 
 

東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2018年3月19日 (月曜日)

クラプトンの武道館ライヴ盤

ジャズの合間の耳休め・・・。クラプトンのギターを愛でるにはライヴ音源が良い。スタジオ録音では、これはこれで良いんだが、スタジオ録音という環境上、確実・堅実なプレイが優先されて迫力に欠ける。ライヴ音源は、大観衆を相手に、そのライヴ・パフォーマンスの流れの中でアドリブを展開するので、荒々しさはあるが迫力がある。

70年代クラプトンのエレギの魅力は「ブラッキー」。複数本のストラトをばらして、良い部品だけをピックアップして再作成された手作り特性ストラト。その漆黒のボディーから「ブラッキー」と呼ばれる。この「ブラッキー」の音が最大の魅力。この魅力的な音を心ゆくまで堪能するにはやはりライヴ音源が良い。

そういうライヴ盤と言えば、イチ押しは、Eric Clapton『Crossroads 2: Live In The Seventies』(紹介記事はここをクリック)。70年代の未発表ライヴ音源を中心とした4枚組CDボックス盤である。これがまあ、絶品のライブアルバムなのだ。70年代クラプトンが好きな方は必聴。あの名盤ライブ盤『E.C. Was Here』と収録曲がほぼ被っているので、他の演奏を含めて、この4枚組盤がベストチョイスだ。
 

Just_one_night

 
しかし、CD4枚組はいかにも「トゥーマッチ」である、という向きもあろう。この4枚組は選曲的には渋くて、クラプトンのヒット曲や人気曲を選曲している訳では無い。クラプトンのライヴなら「ベスト盤」的な選曲を望む向きもあろう。そういう向きには、このライヴ盤が良い。Eric Clapton『Just One Night』(写真左)。1979年12月3日、東京の日本武道館でのライヴ音源。1980年のリリース当時はLP2枚組。ちなみにCDも2枚組。

まず音が良い。ブラッキーの音が生々しく聴こえる。クラプトンのボーカルも生々しい。バックの音の分離も良い。もともと武道館は音があまり良く無いという印象なんだが、このライヴ盤はとても音が良い。選曲も「ベスト盤」的な選曲で、人気曲「Wonderful Tonight」や「Blues Power」「Cocaine」なども収録され、クラプトン者で無くても楽しめる。

70年代クラプトンを心ゆくまで愛でることの出来るライヴ盤は、まずは絶対に『Crossroads 2: Live In The Seventies』、そして、一歩譲って、この武道館ライヴ音源の『Just One Night』。それでも「トゥーマッチ」な場合は『E.C. Was Here』。この3つのライヴ盤を聴くことで、70年代クラプトンの本質をしっかりと感じることができるのだ。

 
 

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2018年3月18日 (日曜日)

米国ルーツ・ロックなクラプトン

高校時代から、エリック・クラプトン(Eric Clapton)が好きである。もうかれこれ、40年以上、付かず離れず、彼のアルバムを聴き続けていることになる。で、10年位前から、クラプトンのアルバムを聴き直しては、このブログにその紹介記事をアップしている。で、そろそろ70年代クラプトンを抜けて、80年代クラプトンに行かないと、こちらの寿命が問題になってくる(笑)。

ということで、70年代クラプトンの聴き直し、ラストスパートである。毎年、この季節になると、必ず聴きたくなるアルバムがある。Eric Clapton『Another Ticket』(写真)。1981年2月のリリース。大学最終年度を迎えんとする、大学時代で、一番、充実していた時期。このアルバムについては、リリース即ゲットで、かなり聴きまくった思い出がある。

70年代のクラプトンは「米国ルーツ・ロック」のクラプトン。この盤は、1981年のリリースではあるが、米国ルーツ・ロックがメインの、成熟したクラプトンのプレイがふんだんに聴ける。冒頭の「Something Special」などは、ザ・バンド丸出しのクラプトンの自作曲。アルバム全体の雰囲気は、70年代クラプトンの代名詞のひとつである「レイドバック」。
 

Another_ticket

 
この盤は、久し振りにトム・ダウドがプロデュースを担当しているので、演奏はレイドバックしているが、タイトでメリハリの効いた演奏に仕上がっていて、純粋にロック盤として楽しめる。タイトル曲などは「70年代クラプトン」の癒やしの名演である。メインのエレギも、ここぞ、という時の「決めの一発フレーズ」が素晴らしい。

ボーカルも成熟の極み。70年代初頭はクラプトン自身、全く自信の無かったボーカルであるが、この『Another Ticket』に至っては、成熟の極み。当時、重度のアルコール中毒だったというが、そんなことは微塵も感じさせない、渋く味のあるブルージーなボーカル。70年代のクラプトンを聴き進めてきて、クラプトンのボーカルは、この盤にて完成した様な感じがする。

この『Another Ticket』、ジャケットが地味だと揶揄されることもあるが、僕は好きですね。クラプトンの歴史を語る上で、なかなかその名前が挙がらない盤ですが、僕はこの盤はクラプトンの「隠れ好盤」である、と思います。また、この盤、70年代の作品をリリースしてきたポリドールからのスタジオ作としては最後の作品となった。70年代クラプトンは、やはり「ポリドール」ですね。

 
 

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2017年11月23日 (木曜日)

デレク&ドミノスの隠れライブ盤

「クリーム」での演奏バトルとバンド内の人間関係に疲れ、当時のスーパーバンド「ブラインド・フェイス」では、何と無く乗りきれないまま、1枚のアルバムを残したまま、半年でバンドを解散。新天地を求め米国に渡り、デラニー&ボニーのツアーに客演として参加、その音楽性に痛く感じ入り、スワンプ・ロックに走ったクラプトン。

そして、その世話になったデラニー&ボニーのバンドから主要メンバーをごっそり引き抜いて「デレク&ドミノス」を結成。スワンプ&米国ルーツ・ロックの名盤『Layla and Other Assorted Love Songs』(1970年)をものにした。しかし、ジョージ・ハリソンの嫁はん、パティ・ボイドへの横恋慕が昂じて、麻薬と酒に溺れ、一旦、引退状態に陥る。

そんな中でリリースされたライブ盤が『Derek & the Dominos In Concert』(写真)。1970年10月23&24日、Fillmore Eastでのライブ公演の様子を記録したライブ音源。しかし、発売は1973年1月。クラプトンが麻薬と酒に溺れ、引退状態となっていた頃のことである。『Layla』の後、長い期間、アルバムのリリースが無いので、その穴埋めとしてりりーすされた感が強い。

そういうリリースの背景なのであれば、内容的にはイマイチなのでは、という懸念が頭をもたげる。実際、リアルタイムでは、このライブ盤を手にすることは無かった。手にしたのは1990年代後半。で、内容的に問題があるかと言えば、長時間に渡るドラムソロに閉口する以外は、当時のデレク&ドミノスについては、スワンプ&米国ルーツ・ロックを代表するバンドであったことが良く判る。
 

Derek_the_dominos_in_concert

 
クラプトンが充実している。ものこの頃は麻薬と酒で結構問題があった時期だと思われるが、そんなことは微塵も感じさえ無いプレイは見事である。バンド全体のサウンドもしっかりと統率され整っており、先に述べた「長時間のドラムソロ」を除けば、結構、聴き応えのあるライブ盤である。選曲もなかなか粋で、メンバーそれぞれの力量とグループ・サウンドのレベルの高さが十分に窺い知れる。

残念なのは『Layla』をレコーディングしたときの客演メンバーであり、かつ重要メンバーの一人であったデュアン・オールマンがこのライブには参加していないこと。『Layla』を聴き込んだ耳には、このライブ盤はちょっと音が淋しい。ちなみにこのライブ時点のパーソネルは、Eric Clapton (g)、Carl Radle (b)、Bobby Whitlock (key)、Jim Gordon (ds) の4人。逆に4人でこの迫力のあるパフォーマンスを引き出しているのだから、これはこれで充実のライブ盤である。

1994年には『Live at the Fillmore』と題して、「Why Does Love Got to Be So Sad」「Let It Rain」「Tell the Truth」「Nobody Knows You When You're Down and Out」「Little Wing」「Key to the Highway」「Crossroads」 の7曲を追加して、リニューアル、リイシューされている。

しかし、アルバム全体の所要時間が2時間とかなりの長さになった。聴くのに骨が折れる。それに比べて、この「In Concert」は所要時間1時間半。LP2枚組の鑑賞時間。じっとして聴くにはちょうど良い長さである。実際に僕は、この『In Concert』の方を愛聴している。

 
 

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2017年11月 4日 (土曜日)

「クラプトンのスワンプ」の確立

半年で解散してしまった「Blind Faith(ブラインド・フェイス)」。クラプトンは、デラニー&ボニーのツアーに帯同。当時、デラニー&ボニーの演奏するスワンプ・ロックにいたく感動。デラニー・ブラムレットをプロデューサーに起用して、初のソロ盤の制作に踏み切る。

『Eric Clapton』、邦題『エリック・クラプトン・ソロ』。1970年のリリース。参加メンバーは、Stephen Stills (g), Leon Russell (p), Bobby Whitlock (org), Carl Radle (b), Jim Gordon (ds), Jim Price (tp), Bobby Keys (sax), Tex Johnson (per), Rita Coolidge, Sonny Curtis, Jerry Allison (backing vocals)。当時、スワンプ・ロックに手を染めたロック・ミュージシャンがズラリと参加している。

このソロ盤で、クラプトンは初めて、リード・ボーカルを本格的に担当している。プロデューサーのデラニー・ブラムレットに強く進められたのが切っ掛け、とのこと。しかし、このソロ盤では、クラプトンのボーカルは、まだ自信が持てていないのか、とても頼りない。ただし、内容は良い。以後のクラプトンのスタイルを彷彿とさせるレイドバックした雰囲気が、この盤でほぼ確立されている。
 

Eric_clapton_solo  

 
スワンプでな軽快なインスト曲「Slunky」。米国ルーツ・ミュージック風のホーン・アレンジとゴスペル風のコーラスが効いた「Lonesome and a Long Way from Home」。アコギのカッティングが粋でコーラスが美しい「Easy Now」。のどかな雰囲気が漂う、メロディアスな「Lovin' You Lovin' Me」。クラプトンのボーカルはイマイチでも、スワンプの香りがプンプンする。

そして、秀逸なナンバーが以下の3曲。クラプトンのボーカルのこの3曲については、なかなか健闘している。アップ・テンポのクラプトンらしさが漂う秀曲「After Midnight」。ソウルフルなボーカルが印象的な「Blues Power」。そして、この盤のラストを飾る名曲「Let It Rain」。クラプトンのボーカルも申し分無く、クラプトンとしてのスワンプ・ロックが、この3曲から聞いて取れる。

クラプトンのボーカルは発展途上ではあるが、後の優れたボーカルが期待出来る、ボーカリストとしての才能の萌芽は十分に確認出来る。そして、クラプトンのスワンプ・ロックの個性が確立し、次の展開が期待出来る内容になっている。次の展開とは、デレク&ザ・ドミノスの結成。この盤に参加したデラニー&ボニーのバック・バンドをごっそり引き抜いて、新バンドを結成する。クラプトンは意外と「悪」である(笑)。

 
 

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2017年11月 3日 (金曜日)

「Blind Faith」というバンド

クリーム(Cream)で、ブルース・ロックを基本としながらも、エレギ、ベース、ドラムの3者対等のアドリブ合戦をやり過ぎたお陰で、グループとしての発展の方向性を見失い、袋小路に追い込まれたエリック・クラプトン(Eric Clapton)。当然のごとく、クリームはほどなく解散する。1968年のことであった。ここから、クラプトンの一人旅が始まる。時にグループは結成するもののどれもが短命に終わった。

その短命グループの1つが「ブラインド・フェイス(Blind Faith)」クリームを解散して直ぐに結成した。ちなみにメンバーは、Steve Winwood (vo,key), Eric Clapton (g), Ric Grech (b), Ginger Baker (ds)。クリームからクラプトン、ベイカーがクリームから横滑り参加。このブラインド・フェイスは、有名バンド出身の大物ミュージシャンが集まった「スーパーグループ」で、音楽性としては、クリームと並んで、ブルースとロックを融合させた先駆とされる。

そんな「スーパーバンド」が残したアルバムは、デビュー盤であり最終盤である一枚だけである。『Blind Faith』(写真左)がその唯一のアルバムである。邦題『スーパー・ジャイアンツ』。リリースは1969年。スーパーグループにありがちな「勤勉さに欠ける」部分があって、LPにするだけの新曲が書けなかった様で、ラストの「Do What You Like(君の好きなように)」は、15分を超えるジャム・セッションで埋め合わせた様である。

他のメンバーが何とか書き上げた曲も、アレンジが弱くて作り込みに課題が残る感じがするものばかりだが、ウィンウッドの「Can't Find My Way Home」と、クラプトンの「Presence of the Lord」はヒットしたようだ。確かに、曲の質は良いもので、特に、クラプトンの「Presence of the Lord」は、クラプトン自身の愛演曲になっている。
 

Blind_faith

 
クリームのメンバーが2人いるにも関わらず、クリームの「攻撃的なブルース・ロック」な雰囲気を引き継いだ曲は全く無い。ウィンウッドの影響が強いのだろうか、どちらかと言えば、後のスワンプ・ロックに通じる、適度にリラックスしたブルース・ロック風に仕上がっている。そこをどう感じるか、によって、このアルバムの評価は変わるだろう。

クラプトンについては、このアルバムの中であまりエレギを弾いていない。グループ重視の姿勢からのことらしいが、クラプトンが参加しているにも関わらず、全編に渡ってクラプトンのエレギが楽しめないのは、やはり、プロデュースに問題があるとしか思えない。唯一、自作曲「Presence of the Lord」に限ってのみ、クラプトンのエレギを堪能出来る。

スーパーグループという触れ込み、邦題『スーパー・ジャイアンツ』と題する割に、スーパーな演奏が詰まっている訳では無い。ただ、当時のロック界の中では、この後のスワンプ・ロックに通じる、適度にリラックスしたブルース・ロック風な演奏は唯一で、そういう点では突出した存在だった。

しかし、このアルバムのリリースの2ヶ月後、1969年10月にはバンドは事実上の解散状態になる。実質半年という短命なスーパーグループだった。

 
 

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2017年10月28日 (土曜日)

70年代米国ルーツ・ロックの傑作

エリック・クラプトン(Eric Clapton)は、ロック・レジェンドの中でも、お気に入りの上位に位置する。クラプトンを初めて聴いたのは1974年。シングルカットでヒットした「I Shot the Sheriff」、そして、アルバムとしては、同じく1974年の『461 Ocean Boulevard』。レゲエの導入とレイドバックした米国ルーツ・ロックに「やられた」。

1974年に出会ったということだから、今年でクラプトンを聴き続けて43年になる。今やクラプトンのアルバムは全て所有しているし、全てのアルバムを聴いている。クラプトンの魅力は、日本で言われている「ロック三大ギタリスト」の一人ということで、彼の「スローハンド」と形容されるエレギ、そして、味のある渋いボーカル。

43年、クラプトンを聴き続けている中で、クラプトンの「これ一枚」を挙げろ、と言われれば、絶対にこのアルバムを挙げる。Derek and the Dominos『Layla and Other Assorted Love Songs』(写真)。邦題『いとしのレイラ』。1970年のリリース。Eric Clapton (g, vo), Bobby Whitlock (key), Carl Radle (b, perc), Jim Gordon (ds, p, perc) の4人で結成された、デレク&ドミノス名義の傑作である。
 

Layla_and_other_assorted_love_songs

 
収録曲は全14曲。発売当時はLP2枚組。クラプトンとウィットロックの共作が5曲。 ウィットロックの単独作が1曲。クラプトンの単独作が3曲。そして、カバー曲が5曲。このアルバムについては「捨て曲」が全く無い。演奏レベルによる優劣も無い。どの曲もが高いレベルの演奏を維持しているところが素晴らしい。演奏の基本は、スワンプ・ロックから米国ルーツ・ロック。適度にリラックスした余裕のある演奏で、後の「レイドバック」に繋がる雰囲気が充満している。

加えて、この盤を特別なものにしているのが、オールマンズのリーダー、そして、メイン・ギタリストであったデュアン・オールマンのサイドギターとしての参加である。アルバム全編で聴かれるデュアンのサイドギターが、聴けば聴くほど素晴らしい。特にスライドギターが絶品だ。クラプトンのエレギはもともと素晴らしいが、デュアンのサイドギターが絡むことで、さらにその魅力を増幅させている。

この1曲といえば、やはりタイトル曲の「Layla(いとしのレイラ)」だろう。7分を超える劇的な展開が素晴らしい、音楽の素晴らしさが詰まった名曲である。このアルバムの素晴らしさについては、言葉では表現し尽くせない。ロックというジャンルが為し得た、米国ルーツ・ロックの傑作である。ロック者の方々には、老若男女問わず、一度は聴いて貰いたい、そんなロックの歴史的名盤の一枚である。

 
 

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2015年8月 8日 (土曜日)

70年代クラプトンのラスト盤

立秋である。いきなり涼しくなった我が千葉県北西部地方。今日は最高気温は30度止まり。家ではエアコン要らず。窓を開けっ放しにして、室温は30度に至らず。夜になっても涼しい風が吹き抜けていく。とにかく、猛暑続きの毎日。ホッと一息の週末である。

さて、今日は「ジャズの合間の耳休め」。70年代ロックの世界である。とは言っても、今日のアルバムは正確には「70年代ロックの延長線上」。70年代ロックのレジェンドが80年代以降にリリースした好盤の数々を聴き進めている。

ということで、改めて今日のアルバムは、Eric Crapton『Money and Cigarettes』(写真)。僕達は省略して「マネシガ」と呼んでいる(笑)。1983年のリリース。ロック界はパンクブームが去り、AORが下火になり、軽薄短小の80年代MTVの時代へと突き進み始めた頃。ロックは、何をトレンドに何を目標に音作りをしているのか、全く判らない環境になっていた頃。

そんな中、このアルバムを聴く限り、クラプトンは健在であった。アルバム全体を覆う「ゆったりとしたレイドバックな雰囲気」が実に良い。バハマ諸島のナッソーという録音環境の選択がピタリと当たったのだろう。70年代クラプトンをしっかりと踏襲している。70年代クラプトン者として、聴き応えは「満点」。

そして、このアルバム、ゲストメンバーを見渡せば「おおっ」と思う。70年代に入って、スワンプからレイドバックと米国ルーツ・ロックを踏襲してきたクラプトンが、一緒に演奏してみたかった、彼の憧れの米国ルーツ・ミュージックの大御所達を集めて作ったアルバムでもあります。
 

Money_and_cigarettes

 
前の「アナチケ」バンドから、ギタリストのアルバート・リーのみを引き連れ、マッスル・ショールズのドラマーのロジャー・ホーキンズ、ブッカー・TとMG’sのベーシストのドナルド・ダック・ダンのリズム・セクションに、ライ・クーダーを加えて、濃厚な米国ルーツ・ロックを展開しています。

70年代前半でしたら「野趣溢れる」米国ルーツ・ロックがメインになったのでしょうが、このアルバムの録音年は1983年。下火になったAORの雰囲気をほど良くブレンドして、大人の「リラックスした余裕のある」米国ルーツ・ロックに仕上がっています。80年代の『No Reason To Cry』的なアルバムと評した方がいましたが、なるほど、けだし「言い得て妙」ですね。

プロデューサーはアトランティックで南部のR&Bを長くつくってきたトム・ダウド。ダウドはクラプトンの70年代前半の名盤『Layla and Other Assorted Love Songs』のプロデューサーでもある訳で、この『マネシガ』は、80年代の『Layla』を狙ったところもあるなあ、と妙に感心したりします。

振り返ってみると、このアルバムは70年代クラプトンの最後のアルバムだと思います。次のアルバムからは、80年代ロックの妙な雰囲気を取り込んだポップ・ロックに邁進してしまうクラプトン。それでも、この1983年に、実に滋味溢れる、70年代クラプトンの最後のアルバムをものにしました。

クラプトンのディスコグラフィーの中で、あまり目立たないアルバムなんですが(恐らく、この地味なジャケット・デザインの雰囲気でも損をしている様な気がする)、僕は70年代の『Layla』と『No Reason To Cry』とセットで楽しむ、クラプトンの隠れ好盤としてお気に入りの一枚です。

 
 

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2014年9月 8日 (月曜日)

耳休めをしたくなった時は・・・

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、ジャズが中心なんだが、ジャズが続いて、ちょっと耳休めをしたくなった時は、70年代ロックの名盤の数々をかける。これがまた耳に良いのだ。昔、夢中で聴いたアルバムから、最近、発売された発掘音源盤まで、70年代ロックは飽きない。

涼しくなった秋の入り口の季節。やっとロックを聴くにも良い気候になった。今日は、久し振りにブルース・ロックを選択。昨年の暮れにリリースされた、Eric Claptonの『Give Me Strength: The '74/'75 Recordings』(写真左)のDisc3〜4を聴く。

この『Give Me Strength: The '74/'75 Recordings』のDisc3〜4は『E.C. WAS HERE remixed and expanded version』というサブタイトルが付いている。1975年にリリースされた、クラプトンのブルース・ロックなライブ盤『E.C. WAS HERE』(写真右)の拡張盤である。

この『E.C. WAS HERE』の拡張盤は、オリジナルの『E.C. WAS HERE』の音源と70年代ライブ音源を集めた素敵なボックス盤『Crossroads 2』や『461 Ocean Boulevard』のデラックス・エディションに同梱されていた音源を再選〜再編したもので、公式な初出音源は、1974年7月20日のカリフォルニア、ロングビーチ・アリーナで収録の4曲のみ。

その4曲とは「Crossroads」「I Shot the Sheriff」「Layla」「Little Wing」。その内容は「まあまあ」。それでも公式盤では初出である。ブートに手を出さない「健全な」クラプトン者としては聴く価値はある。
 

Give_me_strength_2

 
でも、やっぱり、オリジナルの『E.C. WAS HERE』の音源が一番出来が良い。続いて『Crossroads 2』、そして、『461 Ocean Boulevard』のデラックス・エディションの順かなあ。後になればなるほど、演奏のレベルは荒くなったり冗長になったり、少しずつ落ちる。が、許容の範囲内ではある。

オリジナルの『E.C. WAS HERE』の音源を中心に、『Crossroads 2』や『461 Ocean Boulevard』のデラックス・エディションからのライブ音源を併せて2CDのアルバム形式に再編して聴くと、これはこれで「アリ」かなと思う。

とにかく『Smile』から始まるのが良い。このチャーリー・チャップリン作曲の映画『モダン・タイムス』のテーマ曲。この曲が僕は大好きなのだ。この『Smile』を、クラプトンが渋くカバーするのだから堪らない。そして、2曲目のオリジナルの『E.C. WAS HERE』の音源「Have You Ever Loved A Woman」に取って代わる。

この冒頭2曲のブルース・ロックの雄としての「スローハンド・クラプトン」なエレギの演奏には惚れ惚れする。そして、渋い渋いクラプトンのボーカル。そして、脇を固めるジョージ・テリーのハイテク・エレギ。

ほどんどが既出のライブ音源なのですがねえ。こうやって再選して再編したCD2枚を通して聴くと、やはり良いんですよね。やはり、この時期のクラプトンは、レイド・バックしたとか、レゲエに走ったとか、AORに走ったとか、いろいろ言われたが、ブルース・ロックの雄としての「スローハンド・クラプトン」なエレギの演奏は最高に充実していたのだ。

 
 

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2014年5月23日 (金曜日)

ついついクラプトン者の性である

クラプトン者として、ちょっと悩ましいボックス盤である、Eric Crapton『Give Me Strength: The '74/'75 Recordings』(写真左)。そののDisc 3とDisc4を聴く。そのサブタイトルは『E.C. Was Here Remixed and Expanded』。う〜ん、魅力的やなあ。

つまり、この『E.C. Was Here Remixed and Expanded』は、1975年リリースの『E.C. Was Here』(写真右)の拡張盤というもの。この1974年から75年にかけてのクラプトンのライブ音源は、ボックス盤『Crossroads』や『Live in The Seventies』にも多数収録されている。

今になって何が拡張盤なんや、と思ってみたら、なんと『Live in The Seventies』にも未収録の1974年7月20日のLong Beach Arenaでのライブの4曲「Crossroads」「I Shot the Sheriff」「Layla」「Little Wing」が初出である。

当然、1975年にリリースされた『E.C. Was Here』に収録された曲もしっかりとそのまま入っている。その曲については、いずれも相当に聴き込んだ懐かしい演奏。アドリブ・フレーズなど、しっかりと口ずさむことが出来る。やっぱり良い演奏やなあ。

さて、初出の1974年7月20日のLong Beach Arenaでのライブの4曲の出来は如何と問えば、まあまあかな、と応えるかな。さすがに吟味された『E.C. Was Here』に収録された演奏にはかなわないが、それなりに出来は良い。なるほど、1974年から75年のクラプトンのライブは充実していたということになる。
 

Give_me_strength_2

 
適度にレイドバックし、適度にテンション高く、適度にハード。レイドバックしたリラックスしまくった演奏ばかりかと思いきや、どうして、今の耳で聴くと、なかなかに良い感じにハードな内容の演奏が聴ける。アップテンポでギンギンに弾きまくるばかりがロックでは無い。

良い音です。この頃のクラプトンの音が一番好きやなあ。この頃のクラプトンが飛び切りやなあ。確かにタイトル通り。『E.C. Was Here Remixed and Expanded』。『E.C. Was Here』の拡張盤。CDのフォーマットになって、この拡張盤の編集、なかなかいけます。単体で発売しても良い位の出来かと思います。

70年代クラプトンのいいとこを集めたボックス盤『Give Me Strength: The '74/'75 Recordings』。「461 Ocean Boulevard」「There’s One In Every Crowd」の最新リマスター盤とこの『E.C. Was Here Remixed and Expanded』、既出の音源がかなり入っていて、なんだかなあ、と思っていても、ついつい手に入れてしまう。クラプトン者の性ですなあ(笑)。未発表スタジオ・アウトテイクも入っているしなあ。

編集が変わると音源の印象も変わる。初出の音源は少なくても、この『Give Me Strength: The '74/'75 Recordings』は、クラプトン者であれば、やっぱり「買い」ですね。というか、ついつい「買ってしまう」んですね(笑)。上手くやられたなあ、とは思うんですが、どうもあかんなあ(笑)。

 
 

大震災から3年2ヶ月。決して忘れない。まだ3年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
 
 
 

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