2022年6月21日 (火曜日)

ミンガスとホーズの邂逅の記録

昨日、書いたのだが、「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤については、だいたい、新装リイシューされるタイミングで、その存在を思い出し、おもむろに聴き直して、再び感動する。のだが、実はこの盤も、そういった、20年ほど前に聴いたっきり、「長期間、選盤せず全く聴き直すことの無い」盤になっていた類のものである。

Charles Mingus『Mingus Three』(写真左)。1957年7月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Mingus (b), Hampton Hawes (p), Dannie Richmond (ds, tambourine (overdubbed))。米国西海岸からニューヨークへやってきたホーズが、ミンガスとたまたま出会って、リッチモンドを誘って録音した音源だそうだ。

「怒れるベーシスト」ミンガスは、大型のコンボやビッグバンドで演奏することが多く、ピアノ・トリオで録音するのは珍しい。トリオ演奏でのミンガスといえば、デューク・エリントンとマックス・ローチとの『Money Jungle』くらいしか思い浮かばない。逆にホーズはトリオでの演奏が多く、トリオ演奏でその個性と実力を発揮するタイプである。

全7曲中、2曲がミンガス作、1曲がホーズ作、他はスタンダード曲。ミンガス&ホーズ作の曲も良い感じだが、スタンダード曲のアレンジが、実にミンガスらしいもので感心する。
 

Charles-mingusmingus-three

 
他のスタンダードのアレンジとは、一風趣きが異なって、かなり聴き応えがある。音楽監督な役割が得意なミンガスの面目躍如。かなり「ノって」いたのだろう、ミンガスのベース・ソロも躍動感溢れ、変幻自在な重低音をブンブン響かせて絶好調である。

ホーズが何時になくバリバリ、バップなピアノを弾きまくっている。当時、西海岸では、洒落たアーバンな弾き回しのトリオ盤を出していた頃なので、このバリバリなバップらしい、カッ飛んだ弾きっぷりにはビックリ。しかし、このバリバリなバップ・ピアノがホーズの本質なんだろう。とてものびのびと弾きこなしている。タッチも切れ味が良く、ホーズも絶好調だ。

リッチモンドのドラムも硬軟自在で、ミンガスとホーズに追従する。タンバリンをオーバーダブしたりして、リッチモンドも絶好調。

発売65周年を記念して、貴重な未発表音源を収録したデラックス・エディションで、CDリイシューされて、そのタイミングで20年振りに聴き直した『Mingus Three』。その素晴らしい出来に思わずビックリ。名盤はいつ聴いてもやはり名盤だなあ、と感心することしきり、である。
 
 

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2022年6月16日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・239

もともとベースは「縁の下の力持ち」的存在。ベーシストの個性はその楽器の特性上(ソロやフレーズのバリエーションが少ない)、管楽器や鍵盤楽器ほど、明確にはならない。リーダーである当の本人が何をやりたいかが明確になっているか、若しくは、担当のプロデューサーが、リーダーのベーシストの何を表現したいかが明確になっていないと、良いリーダー作にはなかなかならない。

Jimmy Haslip『Arc』(写真左)。1993年の作品。ちなみにパーソネルは、Jimmy Haslip (b), Peter Erskine (ds) のリズム隊のみ固定メンバーで、あとは曲毎にメンバーを選定して演奏に臨んでいる。次世代を担う中堅ベーシスト、ジミー・ハスリップの初リーダー作。リリース当時42歳(今年で72歳)。録音当時はバリバリな中堅ベーシストである。

ハスリップはフュージョン・ジャズ畑のベーシストで、彼は長年、Yellowjackets(イエロージャケッツ)のオリジナルメンバー、ベーシストとして活動している(2012年、フェリックス・パストリアスと交代し脱退)。良く唄うエレベで、リズム&ビートを堅実に押さえて、ソロでは旋律楽器の如く「唄う」エレベである。ほど良く角の取れたジャコ・パストリアスといった風情。
 

Jimmy-haslip-arc

 
この盤に詰まっている音は「ウエザー・リポート」。そこはかとなく、ウエザー・リポート全盛期、『ミステリアス・トラベラー』から『ナイト・パッセージ』辺りまでの音が、そこはかとなく、このハスリップの初リーダー作に反映されている。しかし、音のカヴァーでは無い。雰囲気が「ウエザー」で、演奏自体は「ウエザー」の音をスムース・ジャズ化した様な音世界。

ベースとドラムだけを固定して、後は色々なゲストが演奏する、そして、アレンジャーも複数名が担当しているが、アルバム全体の雰囲気の統一感は見事。純ジャズ基調のコンテンポラリーなエレジャズとして、その出来は良い。さすが、イエロージャケッツのオリジナルメンバーとして、フュージョン・ジャズを極めて来ただけはある、見事な初リーダー作である。

ハスリップのベースがほどよく角の取れたジャコの雰囲気、ドラムはウエザー全盛期のドラマー、アースキンそのもの。このベースとドラムのリズム隊だけで、「ウエザー・リポート」の音の雰囲気のベースをしっかり表現しているのは、凄いなあ、と感心するばかり。リーダーである当の本人が何をやりたいかが明確になっている「ベーシストのリーダー作」は聴いていて気持ちが良い。
 
 

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2022年5月13日 (金曜日)

中山英二 meets Don Friedman

今年の5月の千葉県北西部地方は、例年になく天気が悪い。とにかくスカッと晴れない。「五月晴れ」というが、今年の5月はこのスカッと晴れ渡った「五月晴れ」にお目にかかったことが無い。今日も朝から雨。外に散歩に出ることも叶わず、家に留まることになる。そういう時は「ジャズ」を聴く。しとしと静かに降る雨を見ながら聴くジャズは「デュオ」が良い。

中山英二 meets Don Friedman『Conversation』(写真左)。1986年4月18日、東京での録音。ちなみにパーソネルは、Eiji Nakayama/中山英二 (b), Don Friedman (p)。伝説の日本人ベーシスト、中山英二と、硬質で切れ味の良い「ビル・エヴァンス」ライクなピアノ、ドン・フリードマンのデュオ演奏。フリードマンが、中山とのデュオで日本各地を回るというツアーのために来日。その折にレコーディングされたのが本作。リーダーは中山英二。

中山英二は、エルビン・ジョーンズ率いるリズムマシーンに参加したり、1991には「中山英二 ニューヨークカルテット」を結成したり、ローランド・ハナとデュオ活動をしたりと、かなりの実績のある日本人ベーシスト。当ヴァーチャル音楽喫茶『松和』のブログでも、2013年3月14日のブログで、中山のリーダー作『AYA'S SAMBA / アヤのサンバ』を取り上げている。
 

Meets-don-friedmanconversation

 
ピアノが前面に出て、バックでベースがしっかり支えると言ったデュオ演奏ではなく、ベースとピアノが対等に渡り合った、素晴らしいデュオ演奏である。中山英二のベースは、骨太でソリッド。ブンブン重低音を鳴り響かせて、メロディアスなフレーズを連発する。フリードマンのピアノも好調。硬質で切れ味良く、耽美的でリリカルな個性的なピアノをバンバン弾きまくる。

それでいて、お互いにお互いの音をしっかり聴きつつ、それぞれの個性を前面に押し出したインタープレイを展開するのだから、意外と迫力がある。ピアノとベースのデュオ演奏で、この盤の様な、ベースとピアノが対等な立場に立ったインタープレイの応酬といった内容はあまり無いので、最初は聴いて耳新しくて「おおっ」と思う。しかし、じっくり聴いていると、ベースとピアノが対等な立場に立っている分、デュオ演奏として、その内容はとても「濃い」。

中山のベースを再評価するのに良い機会となるデュオ盤。フリードマンのピアノも申し分無い。このデュオは「即席」ではなく、1986年~90年の間に、4年間、6回のツアーを行い、加えて、この『Conversation』の翌年に、2枚のスタジオ録音盤を残している。とても息の合った、相性の良いデュオ。フリードマンは2016年に鬼籍に入っているので、このデュオの再会セッションの機会が潰えているのがとても残念である。
 
 

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2022年4月20日 (水曜日)

「バンクシア・トリオ」の2nd.盤

雑誌Jazz Lifeの「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事に載っている2021年度の新盤を順番に聴き進めているのだが、最近の傾向として、和ジャズの充実度が高くなっている。10年ほど前は、女性ジャズ・ミュージシャンの新盤ばかりがもてはやされ、なんとなくバランスが悪かったのだが、最近はそのバランスの悪さも是正され、和ジャズ全体のレベルアップが顕著になってきた。

Takashi Sugawa Banksia Trio『Ancient Blue』(写真左)。2021年の作品。ちなみにパーソネルは、須川崇志 Takashi Sugawa (ac-b, el-b, cello), 林 正樹 Masaki Hayashi (p), 石若 駿 Shun Ishiwaka (ds, perc) = 須川崇志 バンクシア・トリオ。日本人ベーシストの中堅、須川崇志が率いる「バンクシア・トリオ」のセカンド盤になる。(ファースト盤『Time Remembered』については、2020年1月28日のブログ参照

出てくる音は、従来の米国のネオ・ハードバップでも無ければ、ネオ・モードでも無い。どちらかと言えば、現在のECMレーベルから出てくる「現代のニュー・ジャズ」に近い響きである。ECMレーベルの音作りのコンセプトである『沈黙の次に美しい音』 では無いが、即興演奏がメインのピアノ、ベース、ドラム、それぞれが対等の立場に立った、自由度の高いインタープレイ。
 

Ancient-blue_takashi-sugawa-banksia-trio

 
トリオを編成する各人の高い演奏テクニックが前提になる自由度の高い、それでいて、しっかりとした構成度の高いインタープレイ。ポジティヴで骨太で多彩な表現力が魅力の須川崇志のベース。知的でリリカル、響きが豊かな林正樹のピアノ。イマージネーション豊か、変幻自在、硬軟自在な石若駿のドラム。この演奏力の高い3者が織りなすアンサンブル。非常にレベルの高い演奏に思わず引き込まれる。

思えば、このトリオを構成する3人が同等に「バンクシア・トリオ」独特の音をクリエイトしているのだろう。テンションが適度に効いていて、決して「甘く」無い。流れる様ではあるが「麗しく」は無い。黄昏時の仄かな陽射しの様な、ブルージーで耽美的でリリカル、そして、どこか寂寞感とミステリアスな雰囲気が漂う欧州ジャズ的な響き=「Blueな響き」と僕は解釈している。

このところ、ECMレーベルの最近の新盤を聴いていたのだが、このバンクシア・トリオの演奏は、ECMがプロデュースする、現代のコンテンポラリーな純ジャズに勝るとも劣らない、現代のメインストリーム系純ジャズの先端を行く演奏になっている。こういう演奏が「和ジャズ」の範疇からリリースされることに、ちょっとだけ「誇り」を感じる。
 
 

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2022年4月 1日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・233

去る3月8日、我が国のレジェンド級ベーシストの鈴木勲さんが、新型コロナウイルス感染症による肺炎のため川崎市の病院で逝去された。享年89歳。渡辺貞夫さんのグループなどで演奏。ドラマーのアート・ブレイキーに見込まれて渡米し共演。他にもセロニアス・モンク、エラ・フィッツジェラルドら著名ミュージシャンと共演した実績がある、我が国のジャズ・レジェンドであった。

僕がジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半、鈴木勲さんは既に帰国し、TBM(スリー・ブラインド・マイス)からリーダー作を多数リリースしていて、僕にとって、日本のジャズ・ベーシストといえば、鈴木勲さんだった。とにかく、鈴木さんのベースは骨太でブンブン鳴る。リズミカルでグルーヴ感溢れるベースラインは、聴いていると自然と体が揺れるほどだった。

鈴木勲『Blow Up』(写真左)。1973年3月29, 30日の録音。ちなみにパーソネルは、鈴木勲(b), ジョージ大塚(ds), 水橋孝(b), 菅野邦彦(p, Fender Rhodes)。ベーシスト鈴木勲がリーダーのトリオ盤。1973年度 スイング・ジャーナル ジャズ・ディスク大賞 日本ジャズ賞を受賞。ピアノ・トリオ編成と、水橋のベースを加えて、ダブル・ベース+ピアノ+ドラムの変則カルテット編成。 


Blow-up_isao-suzuki

 
冒頭の「Aqua Marine」、出だしから鈴木勲のボウイングが炸裂する。日本人ベーシストらしい、ピッチのしっかりあった、ストレートな、変な揺らぎの無いボウイングの音色。途中、フリーにブレイクしたりするが、基本はメンストリームなモード・ジャズ。菅野のフェンダー・ローズの独特な音色が実に良い。ジョージ大塚の抑制された、緩急自在なドラミングが良い。

2曲目の「Everything Happens To me」では軽快なスイング感が良いし。タイトル曲「Blow Up」は水橋孝を加え、超絶アップ・テンポでのダブルベースの迫力が凄い。もはや、モードというよりは「ファンク」である。

そして、この盤、とても音が良い。ベーシストのリーダー作らしく、鈴木勲のベースの音がとても生々しく捉えられている。3曲目「 I Can't Get Started(言い出しかねて)」での、鈴木勲のチェロのピチカートなど、凄く生々しく録音されている。

1970年代前半の日本の純ジャズ、演奏の成熟度、余裕度という点では、まだまだ発展途上かなとも思うが、ファンクネス希薄な、切れ味の良い、適度にテンションを張ったモーダルな演奏のレベルは高い。録音も良く、ジャケットも良い。演奏良し、録音良し、ジャケ良しの3拍子揃った日本ジャズの名盤の一枚です。
 
 

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2022年3月19日 (土曜日)

ベイシーのジャム・セッション盤

何故だか判らないのだが、パブロ・レーベルのカタログを見渡していると、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのライヴ音源が結構あって、それも、1975年と1977年に集中している。何かモントルー・ジャズ・フェスとパブロ・レーベルの間に、ライヴ・レコーディングの専属契約でもあったのだろうか。どのライヴ盤も充実した内容で、録音状態もとても良いばかりである。

このライヴ盤を聴かない手は無い。それぞれのライヴ盤の内容を見ても、パーソネルはそれぞれ、ベテラン〜中堅の一流ジャズマンで固められ、モントルー・ジャズ・フェスという伝統的な、由緒正しきジャズ・フェスでのライブ演奏なので、内容的にも、伝統的なスイング〜ハードバップな演奏がメインで、それぞれが充実したものばかり。

『Count Basie Jam Session At the Montreux Jazz Festival 1975』(写真)。1975年7月19日、スイスはモントルーのジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Count Basie (p), Roy Eldridge (tp), Johnny Griffin (ts), Milt Jackson (vib), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Louis Bellson (ds)。伝説のジャズバンドの総帥、カウント・ベイシーがピアノを担当、エルトリッジのトランペットとグリフィンのテナー、ミルトのヴァイブがフロントを張るセクステット編成(6重奏団)。
 

Count-basie-jam-session-at-the-montreux-

 
1975年時点での、このパーソネルを見れば、このライヴ演奏には絶対に触手が伸びる。ベイシーがビッグバンドを離れて「ピアニスト」として参加、スイング時代からの人気トランペットである、エルトリッジがフロントを担当、同じくスイング時代からの人気ドラマー、ルイ・ベルソンがドラムを担当していること、そして、このスイング時代からの人気ベテラン・ジャズメン達が、ハードバップの中核を担うメンバーと合流して、思いっ切りハードバップなジャム・セッションを繰り広げているのだ。

メンバー全員ノリノリのジャムセッションが繰り広げられる。収録曲はパーカー作の「Billie's Bounce」、メンバー全員の即席ナンバー「Festival Blues」、そして、レスター・ヤング作の「Lester Leaps In」の、たった3曲だが、どの曲も10分以上の長い収録時間の演奏で、メンバーそれぞれの長尺のアドリブ演奏心ゆくまで堪能できる。

破綻が全く無く、テクニックにも優れた「ハードバップなジャム・セッション」が繰り広げられていて、爽快ですらある。ミルト・ジャクソンのヴァイブがこれほどまで、ジャム・セッションに適応するとは思わなかったし、ベイシーのピアノがハードバップ演奏のリズム・セクションの一端を担うなんてことも思いもしなかった。しかし、メンバー6人とも好調な演奏で、ハードバップなジャム・セッションを心から楽しんでいる雰囲気がビンビンに伝わってくる。
 
 

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2022年3月18日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・232

パブロ・レコード(Pablo Records)は1973年にノーマン・グランツによって設立されたジャズ・レコード・レーベル。ビ・バップ期以降のレジェンド〜ベテラン級のジャズマンをメインにセッションをセットアップし、1970年代、フュージョン・ジャズ全盛期にありながら、純ジャズに特化したアルバムを多数リリースしたレーベルである。

このパブロ・レーベルのカタログの特色の1つが「モントルー・ジャズ・フェスティヴァル」のライヴ録音盤が多くあるということ。しかも、フェスティヴァルの催し物の中でも「目玉」のひとつである「ジャム・セッション」のライヴ盤が多数出ている。

レジェンド〜ベテラン級のジャズマン達のジャム・セッションがメインという先入観があって、口の悪いジャズ者の方々は、聴く前から「予定調和で定型的な、旧来のハードバップっぽい、お決まり展開のジャム・セッションなんでしょ」と散々なのだが、これが聴いてみると意外と「イケる」のだ。フェスティヴァルのジャム・セッションの記録なので「臨場感」も半端ないところも「イケる」のだ。

The Dizzy Gillespie Big 7『At the Montreux Jazz Festival 1975』(写真)。1975年7月16日、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dizzy Gillespie (tp), Eddie "Lockjaw" Davis, Johnny Griffin (ts), Milt Jackson (vib), Tommy Flanagan (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Mickey Roker (ds)。フロント3管+ヴァイブ+リズム隊の「セプテット(七重奏団)」編成。
 

The-dizzy-gillespie-big-7at-the-montreux

 
パーソネルを見渡すと、このセプテットって「昔の名前で出ています的なロートル・ジャズマン」の集まりでは無い。暫定リーダーのガレスピーですら当時58歳。ロックジョーで53歳。この2人がメンバーの中で最古参と思われるが、この年齢だとすると「ベテラン」の域を出ていない。残りの5人は、当時の純ジャズの中核メンバーばかり。このメンバーで「予定調和な定型的なジャム・セッション」は無いだろう。

フロント3管が好調。ガレスピー、ロックジョーはバップなトランペットを鳴り響かせ、グリフィンのハードバップなテナーは、モダンで骨太でブルージー。ミルトのヴァイブは流麗かつ躍動的。トミフラのピアノが率いる、ペデルセンのベース、ロッカーのリズム隊は、すこぶるハードバップで切れ味の良い、力感溢れ、そこはかとなくファンクネス漂う、上質のリズム&ビートを供給する。

収録曲はジャム・セッションの記録(括弧内は収録時間)なので、LP時代は以下の2曲のみ「Lover, Come Back to Me」(16:43), 「I'll Remember April」(16:02)。 CDリイシュー時、ボートラとして以下の2曲「What's New?」(12:13), 「Cherokee」(11:01) が追加されて、全4曲構成となっている。

この追加されたボートラの内容もかなり充実していて、LP時代の2曲だけではちょっと聴き足りない気分になるだが、追加の2曲が加わって、このジャム・セッションが如何に充実していたか、をしっかり体感出来る様になっている。このボートラの追加は「正解」である。このジャム・セッションの記録の価値がさらに上がった、と言える。
 
 

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2022年1月31日 (月曜日)

エリントンとブラウンのデュオ盤

パブロ・レーベルには、ハードバップ時代に「ありそうで無かった」メンバーのカップリングが多数ある。加わて、この人がこんな編成の演奏するの、とビックリする企画ものもある。フュージョン全盛期の1970年代に活発に活動したレーベルで、メインストリーム系のジャズ・レーベルからすれば「逆風」の時代ではあるが、純ジャズ・ベースの内容の濃いアルバムも多数リリースしているから立派。

Duke Ellington & Ray Brown『This One's for Blanton』(写真)。1972年12月5日の録音。パーソネルは、Duke Ellington (p), Ray Brown (b)。全編に渡って、ジャズ界きっての巨匠、デューク・エリントンとジャズ・ベースの「ヴァーチュオーソ」の1人、レイ・ブラウンとのデュオ演奏である。この組合せ、パブロ・レーベルでないと成立しないだろう。総帥プロデューサーのノーマン・グランツに感謝、である。

ジャズ界きっての巨匠、デューク・エリントンであるが、最晩年の1971〜73年の間、パブロ・レーベルに、自分のオーケストラを離れ、単独のピアニストとして、5枚のリーダー作を録音している。あまり注目されていないようだが、どのアルバムもピアニスト・エリントンの個性を十分に反映していて、聴き応えのあるものばかり。
 

This_ones_for_blanton

 
このレイ・ブラウンとのデュオ盤も内容は非常に濃い。パーカッシブで硬質なタッチで、音間に「黒いファンクネス」が漂い、ブルージーな右手の「スクエアに流麗な」旋律、という、エリントンのピアノの個性が手に取るように判る。加えて、レイ・ブラウンが、いかに「ヴァーチュオーゾ(卓越した技巧をもつ演奏家)」レベルのベーシストであったかが、手に取るように判る。

エリントンのピアノについては、音数は比較的少なく、バリバリ弾きまくる訳でもない。スクエアにスイングしつつ、間を活かした、流麗で「タメ」のあるアドリブ・フレーズは唯一無二。どこから聴いても「エリントン」な、どこから聴いても「エリントン」と判る個性的なピアノが、ブラウンの卓越したベース・ラインに乗って、乱舞する様はいつ聴いても鳥肌の立つ思い。

エリントンの唯一無二な個性的なピアノを、もっと聴きたかったなあ、と強く思わせる、素敵な内容のデュオ盤。出しゃばらず、エリントン御大を素晴らしいテクニックのアコースティック・ベースでサポートするレイ・ブラウンも素敵。それまでありそうで無かったパブロのデュオ盤。ジャケットもまずまずで、おすすめの名盤です。
 
 
 
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  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

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  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

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  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

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2021年12月29日 (水曜日)

NHØペデルセンの好リーダー作

Niels-Henning Ørsted Pedersen(ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン)。デンマーク・ジャズの至宝。ジャズ・ベーシストのレジェンド。1946年5月生まれ、2005年4月、58歳にて心不全で急逝。まだまだ中堅の働き盛りだったので、逝去の報に接した時には、かなりビックリした。

ペデルセンのベースは硬質で骨太で、しなり豊かなブンブンなベース。しかも、ピッチがバッチリ合っている。テクニックは抜群、ベース・ソロなどはギターの様に唄う様なフレーズは、なかなか他に無い。それでいて、フロント楽器の邪魔をすることは絶対に無い。逆にフロント楽器を引き立てるベースなのだ。見事という他は無い。僕はこの人のベースが大好きだった。

Niels-Henning Ørsted Pedersen『Jaywalkin'』(写真左)。スティープルチェイス・レーベルのSCS1041番。1975年9月と12月、コペンハーゲンの「Rosenberg Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Philip Catherine (g), Ole Kock Hansen (el-p), Billy Higgins (ds)。

リーダーはもちろん、ベースのペデルセン。ドラムは柔軟なユーティリティー・ドラマーのビリー・ヒギンズ。ギターは、ベルギー出身のフィリップ・カテリーン、エレピは、デンマーク出身のオーレ・コク・ハンセン。ほぼ欧州ジャズなラインナップ。
 

Jaywalkin

 
ピアノはアコースティックでは無く、エレクトリック、ギターもエレクトリック中心なので、アルバム全体の音作りは、ガッチガチの純ジャズでは無く、ちょっとポップでコンテンポラリーな、いかにも1970年代らしい「ニュー・ジャズ」な雰囲気。ペデルセンの考える「クロスオーバー・ジャズ」な雰囲気が聴いていてとても楽しい。

それにしても、ペデルセンのベースは「ヤバい」。ウッド・ベースが持つウッディーな重厚さや温みを失わず、凄まじい重低音をブンブンしならせて、ピッチをバッチリ合わせながら、唄う様にソロ・フレーズを弾きまくっている。これがとにかく凄い。

エレベの伝説的レジェンド、ジャコ・パストリアスに通ずる「凄さ」。ジャコより骨太で硬質なので、これはこれで唯一無二。逆に、クロスオーバー・ジャズ的な、ポップでエレクトリックな音世界の中で、ペデルセンのベースは実に「目立つ」。

欧州ジャズに珍しい、クロスオーバー・ジャズ風な、フュージョン・ジャズ風な音世界が実にユニークで聴き易い。そこに、良い意味で目立ちに目立つペデルセンのベース。ベーシストのリーダー作としても、白眉の出来だと思います。
 
 
 
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2021年12月 3日 (金曜日)

ウエザー『Live in Japan』再び

ジャズ盤はワールド・ワイドに流通しているものが多い。それぞれの国内に留まるものもあるが、一流ジャズマンについては、メジャー扱いで、ジャズが根付いている国に向けて、ワールド・ワイドの販売されている。

しかし、我が国は「ジャズ先進国」。ワールド・ワイドに聴かれている一流ジャズマンのリーダー作でありながら、日本だけで企画され、販売されるジャズ盤が結構な数、あるのだ。

Weather Report『Live in Japan』(写真左)。1972年1月13日、東京 渋谷公会堂でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ss, ts), Joe Zawinul (ac-p, el-p), Miroslav Vitous (el-b), Eric Kamau Gravatt (ds), Dom Um Romao (perc)。WRのセカンド盤『I Sing the Body Electric』のメンバーがそのまま、日本にやってきた「クインテット編成」。

このWRの『Live in Japan』の音源から、メロディアスな部分をピックアップして編集した音源が、WRのセカンド盤『I Sing the Body Electric』のLPのB面を占めている。ファースト盤から、セカンド盤のA面に収録されたスタジオ録音の演奏と比べて、違和感の無いように上手く編集されている。

が、このWRの東京公演、ファースト盤から、セカンド盤のA面に収録されたスタジオ録音とは、違う雰囲気の演奏になっているから面白い。しかも、このライヴ盤の次のサード盤から、「アーシー+ファンクネス」を導入、「エスニック&ユートピア」な音世界をメインとする「ザヴィヌル単独主導」の音志向にガラッと変化するのだから、なおさら面白い。
 

Wr-live-in-japan

 
初期のWRの音世界は「コンテンポラリーでモーダルなエレ・ジャズ、自然(ネイチャー)で牧歌的なエレ・ジャズ、コズミックなエレ・ジャズが、違和感無く効果的に融合したエレ・ジャズ」であるが、この日本公演の演奏は、エレ・ジャズではあるが、即興性を最大限に押し出した「限りなくフリーに近いモード・ジャズ」もしくは「ECMレーベルに代表される自由度の高いニュー・ジャズ」な演奏ばかりなのだ。

限りなくフリーに近いエレクトリックなモード・ジャズ、時々「どフリー」。そんな即興演奏基調のパフォーマンスが、LP2枚分、約90分弱、繰り広げられるのだ。当時のジャズ者の方々は度肝を抜かれたが、訳が判らなくなったのではないか、と思われる位に、尖ってぶっ飛んだ自由度の高いパフォーマンス。ドラムとパーカッションのリズム隊は、演奏全体のリズム&ビートをコントロールするのに相当苦労したと思われる。

ショーターとヴィトウスのフリーは何となく判る。ザヴィヌルのフリーがとても珍しい。しかも、超一流の「どフリー」をやるのだから、僕もこのライヴ盤を初めて聴いた時は唖然とした。このライヴ盤、発売当時は「日本限定盤」。CDの時代になってもなかなかリイシューされなかった。それでも、1997年にリイシューされ、即ゲットして、すぐに聴いた思い出がある。そして、LP時代の様に「唖然とした」。

当然、米国では直接入手することは出来ず、日本に訪れる若手有望株なジャズマン達が、こぞって、このWRのライヴ盤を探し求めて、CDショップに立ち寄り、喜々としてゲットしていく、という逸話をきいたことがある。それほどまでに、このライヴ盤は、同業の若手ジャズマンにとって、興味深い内容になっているのだ。所謂「玄人好み」のライヴ名盤ということになる。
 
 
 
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