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2019年3月 7日 (木曜日)

ジョー・ハイダーのピアノを知る

リーダーの出身国は「ドイツ」。しかも1936年生まれの今年83歳。大ベテランである。僕はつい最近まで全く知らなかった。そして、タイトルは「フランス語」。明らかにこの盤は欧州ジャズのアルバムだということが良く判る。こういうピアノ・トリオ盤に出会うと、ジャズって裾野の広い音楽ジャンルだな、って改めて思う。今になって出会えた幸運に感謝する。

Joe Haider Trio『Cafè des Pyrènnèes』(写真左)。1973年の作品。ちなみにパーソネルは、Joe Haider (p,elp), Isla Eckinger (b), Allen Blairman (ds)。Joe Haider=ジョー・ハイダーというピアニストの名前をこの盤で初めて知った。活動拠点は欧州、1960年代半ばにデビューして以来、メインストリーム・ジャズをメインに第一線で活躍してきた、とのこと。知らなんだ。ジャズの裾野は広い。辿り来て未だ山麓。

さて、このジョー・ハイダーのピアノが実に魅力的。知的で端正でクール。欧州ジャズのピアニストらしく、ファンクネスは皆無。それでいて明確なオフビート感が否が応にもジャジーな雰囲気を増幅させる。タッチはどこか「マッコイ・タイナー」を彷彿とさせる、鍵盤をガーンゴーンと叩く様なハンマー奏法だが、決して力ずくではなく、品格漂うハンマー奏法なところが好感度大。
 

Cafe_des_pyrennees_joe_haider

 
冒頭の「Tante Nelly」が格好良い。アレン・ブレアマンのシンバルの高速リズムに乗って、イスラ・エッキンガーの重量級ベースがしなりを伴って絡む。そこに知的で端正でクールなジョー・ハイダーのピアノが入ってくる。弾き回すフレーズでファンクネスを醸し出しつつ、流麗なハンマー奏法で、明快で力感あふれるモーダルなアドリブ・フレーズが耳に飛び込んでくる。

2曲目の「Cafè des Pyrènnèes」のソロ・ピアノを聴けば、そんなハイダーのピアノの個性が良く判る。ハンマー奏法でありながら、印象的で耽美的なフレーズ。知的に響くところが欧州ジャズらしい。良い音、良いフレーズ。聴いていて、頭の中に爽やかな風が吹き抜けるようだ。聴き進めて行くと、ハイダーのピアノは知的で端正でクールだけでは無い。時にダイナミックにパッションに、時にフリーにも傾く、幅広な弾き回し。

実はハイダーはエレピも弾いていて、これも個性的。ハンマー打法のエレピで、エレピながら雰囲気に流されることなく、フレーズが思いっきり明快。このエレピの存在がECMレーベルの音を彷彿とさせて、ああこの盤って、やっぱり「欧州ジャズな盤」なんやなあ、と改めて納得する。いやはや、こんなピアニスト、ピアノ・トリオの演奏があったとは。ほんと、ジャズって裾野の広い音楽ジャンルである。

 
 
東日本大震災から7年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2019年3月 5日 (火曜日)

カールスルーエのペトルチアーニ

ペトが亡くなって、20年が経った。ペトとは「Michel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)」。先天性疾患による障害を克服したフランス最高のジャズ・ピアニストである。1999年1月、36歳の若さで亡くなった。彼のピアノは超絶技巧、ダイナミックで耽美的。「タッチを切れ味良く明確にして、バリバリ弾くビル・エバンス」と僕は形容している。

ペトは僕のお気に入りピアニストの一人で、彼の正式盤はほとんど所有している。今でも時々、チョイスしては聴き流している。聴いた後、スカッとする素晴らしい弾きっぷりで、そのテクニックの確かさは清々しさすら感じる。そんなペトではあるが、亡くなって20年、まさか新盤がリリースされるとは思わなかった。

Michel Petrucciani『One Night in Karlsruhe』(写真左・右はbootleg)。1988年7月7日、ドイツのカールスルーエでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Michel Petrucciani (p), Gary Peacock (b), Roy Haynes (ds)。ペトのピアノがメインの鉄壁のトリオ構成。資料を確認すると、このライブ盤、もともとはbootlegだったものをリマスター仕直し、音質を向上させて正式盤として発売したものらしい。
 

One_night_in_karlsruhe  

 
ペトのピアノがまず素晴らしい。絶好調とまではいかないまでも、かなりの好調さを維持している。切れ味の良い明快なタッチで、疾走感溢れるアドリブ・フレーズ。とにかくペトらしく、バリバリに弾きまくる。これが実に良い。バラードはダイナミズム溢れる明快なイメージ。スケールの大きい展開が聴いていてとても心地良い。

このライブ盤の面白味はベースとドラム。ベースがゲイリー・ピーコック。ドラムがロイ・ヘインズ。ペトのキャリアの中でも珍しい組合せではないか。ゲイリー・ピーコックはキース・ジャレットとのトリオ「スタンダーズ」のベーシストであるが、ペトとの共演では全く違ったベースを聴かせてくれる。骨太で鋼の様なしなやかなウォーキング・ベース。ロイ・ヘインズの硬軟自在なドラミングについては、ペトとの相性が実に良いようだ。

3者一体となったインタープレイはダイナミックでしなやかで明快。ペトは生き生きとしてプレイしている様子が頼もしい。こういうライブ盤が、今年の1月になってリリースされるとは驚きです。しかも、内容も確かな、音質も良好なライブ音源。ペトのダイナミックなピアノを聴いていて、ペトのアルバムを聴き直してみたくなりました。

 
 
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2019年3月 1日 (金曜日)

こんなアルバムあったんや・110

先週、ハンク・ジョーンズの『The Talented Touch』という素敵なトリオ盤をご紹介した。ハンクのピアノは端正でタッチが明確で流麗。テクニックは確かで、仄かにファンクネスが漂うフレーズ。1970年代後半、若きトニー&ロンと組んだGJTでの「マッチョ」でダイナミックなハンクも良いが、典雅で小粋なハンクは更に良い。

Hank Jones『The Trio』(写真左)。1955年8月4日の録音。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), Wendell Marshall (b), Kenny Clarke (ds)。録音はニュージャージーはハッケンサックの    Van Gelder Studio。玄人好みのレーベル、サヴォイからのリリース。どうりで音が良い訳だ。LPの初盤で聴いてみたかったなあ。

ハンクは1918年生まれ。このトリオ盤を録音した時点で37歳。それにしては「枯れた味わい」が素敵なピアノである。派手な立ち回りとは全く無縁。しっとり落ち着いた大人の雰囲気。しかし、タッチはしっかり明確。フレーズは流麗。バラードは典雅。これが37歳の、まだまだ若いピアニストが奏でる音なのか、と感心する。1970年代後半、GJTでの60歳を迎えたハンクのほうが、明らかに「やんちゃ」である。
 

Hank_jones_the_trio

 
この「若年寄」の如き、流麗で典雅なピアノをしっかり支えるバックが、これまた「玄人好み」。骨太なウォーキング・ベースが好印象のウェンデル・マーシャル。ブンブン胴鳴りするアコベは魅力満載。シンプルにビートを刻むが、フロントのピアノに合わせて陰影をつける粋なドラミングはケニー・クラーク。この二人のリズム隊はハンクのピアノにピッタリ。

そして、この盤の面白味は、スタンダード曲を弾かせたら天下一品のハンクが、自作曲をこれまた典雅に流麗に弾き回していること。1曲目の「We're All Together」続く「Odd Number」など良い出来です。スタンダード曲は相変わらず良い出来。「There's a Small Hotel」や、おなじみの「"My Funny Valentine」は絶品です。

実はこのトリオ盤、つい最近まで知りませんでした。とあるジャズ盤紹介本で知った次第。サヴォイ・レーベルからのリリースで、サヴォイらしくなくジャケットが地味なんで、紹介本で知識を付けていなかったら、店頭に並んでいても手に取らなかったでしょうね。今回はジャズ盤紹介本に感謝です。

 
 
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2019年2月22日 (金曜日)

ハンクのピアノの個性を知る

ハンク・ジョーンズが亡くなってもう8年が経つ。端正でタッチが明確で流麗。仄かにファンクネス漂う、テクニック確かな右手としっかりと音のボトムを支える左手のブロック・コード。ソロ・パフォーマンスも優れているが、歌伴も素晴らしい。僕はジャズを聴き始めた頃の「グレート・ジャズ・トリオ」のハンクのピアノが大好きだ。

Hank Jones『The Talented Touch』(写真左)。1958年の録音。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), Barry Galbraith (g), Milt Hinton (b), Osie Johnson (ds)。ギター入りピアノ・トリオといった感じの編成。演奏されている全12曲中、ハンク自作の「Let Me Know」以外、ジャズ・スタンダード曲か、ミュージシャンズ・チューン。これが良い。ハンクのピアノの個性と特性が良く判る。

とにかくハンク・ジョーンズのピアノが素晴らしい。まずテクニックが確か。そして、タッチが明確で端正。強すぎず弱すぎず、聴いていて耳に優しく、しっかりと印象に残る「良い塩梅」のタッチ。アドリブ・フレーズはファンクネス漂いつつ流麗。とても判り易いピアノで、聴いていて「上手いな〜、粋やな〜、ええ雰囲気やな〜」と直ぐに思う。
 

The_talented_touch

 
1918年生まれなので、このアルバムを録音した1958年の時点で、ハンクは40歳。中堅どころとして心身共に充実している頃。確かに、この盤でのハンクのタッチはファンキーであるが、キラキラしていて若々しい。バラードを弾かせたら天下一品。このアルバムでもハンクのバラード演奏は典雅で印象的。甘きに流れず、それでいてロマンチシズム漂う端正な展開は思わず聴き惚れてしまう。

ハンクのテクニックが確かなのは「Don't Ever Leave Me」や「Let Me Know」のミッドテンポな演奏で良く判る。指がよく回るし、タッチがしっかりしていて、音のひとつひとつが明確。躍動感はあるし、響きはポジティヴ。ハンク・ジョーンズのピアノの素性、個性、特徴が本当に良く判る。この『The Talented Touch』、ハンク・ジョーンズのピアノを知るには、避けて通れない隠れ好盤である。

ちなみにこのハンク・ジョーンズ、バリー・ガルブレイズ、ミルト・ヒントン、オシー・ジョンソンの四人は「ザ・ニョーヨーク・リズム・セクション」と呼ばれ、1950年代、数多くのアルバムのバックでリズム&ビートを支えたリズム隊。そんなリズム隊だけで録音したアルバムがこの『The Talented Touch』。タイトルの「The Talented Touch」とは「才能のあるタッチ」の意。納得感のあるタイトルである。

 
 
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2019年2月 9日 (土曜日)

クラリネット・ジャズのお勧め盤

ジャズは西洋音楽で使用される楽器であれば、ほとんど誰かが使っている。クラリネットもそんな1つ。そんなに多くはないのだが、ジャズの中では現在でも楽器として使用するジャズメンは存在する。が、しかし少数派なのは否めない。決してジャズの中ではメジャーな楽器ではないなあ。ホンワカ優しい音色は魅力なんだが、この「優しい」ところが引っ掛かるのかなあ。

Buddy De Franco『Cooking The Blues』(写真左)。1955年、1956年の録音。ちなみにパーソネルは、Buddy De Franco (cl), Tal Farlow (g), Sonny Clark (p, org), Gene Wright (b), Bobby White (ds)。タル・ファーロウがギターで参加、通常はピアニストのソニー・クラークがオルガンを弾いている。

Buddy De Franco(バディ・デ・フランコ)は生粋のクラリネット奏者。ジャズでは、スイング期にはクラリネットはまずまずポピュラーな楽器だったみたいだが、ハードバップ期に入って、奏者の数はグッと減っている。そんな中、バディ・デ・フランコは、クラリネットという楽器をビ・バップに使用して活躍した。豊かな音色と叙情溢れる演奏に定評がある。
 

Cooking_the_blues

 
この盤でのバディ・デ・フランコのクラリネットは素晴らしいの一言。柔らかではあるが、しっかりと芯のある、意外と硬派なクラリネットの音が頼もしい。クラリネットの音色は丸くて優しいので、硬派なフレーズには向かないのでは、と危惧するのだが、デ・フランコのクラリネットは意外と硬派で心配は杞憂に終わる。

クラリネットの名手といえばベニー・グッドマンと感じてしまうのだが、この盤でのバディ・デ・フランコは、グッドマンよりモダンで先進的なフレーズ聴かせてくれる。テクニックは優れたもので、特にアドリブ部でのフレーズの流麗さには耳を奪われる。ちなみに、ソニー・クラークのオルガンについては、特筆すべきものは何も無い。逆に、ピアノについては流石やなあと感心します。

演奏の内容はスイング期の王道を引き継いだオーソドックスなもの。モードなどの挑戦的な展開は皆無。逆に安心してゆったりと楽しめる「大人のジャズ」と言って良い。この盤、クラリネット・ジャズのお勧め盤です。女性がメインのジャケットも味があって良し。

 
 
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2019年1月29日 (火曜日)

硬派で軽妙なファンキー・ジャズ

ウラ名盤とか、新スタンダード盤とか、そういう珍しい好盤の紹介本を読んでいて、これは知らんなあ、と思う盤が結構あることに気がつく。ジャズを聴き始めて40年以上。何千枚とジャズのアルバムを聴いてきた訳だが、まだまだ知らない好盤が沢山ある。ジャズの裾野のなんと広いことか。

この盤を初めて聴いた時は、どっかで聴いた音やなあ、と思った。どこでかいな、と思いながら聴き続ける。ファンキー・ジャズである。音がまだまだ硬いので、ファンキー・ジャズの初期の頃の盤か、と当たりを付ける。トランペットが入ってくる。あれ〜これって、ブルー・ミッチェルみたいやけど。でも、ピアノはホレス・シルバーとちゃうしなあ。

演奏の雰囲気は、ホレス・シルバー抜きのホレス・シルバー・クインテットの様な、硬派なファンキー・ジャズである。テナーが入ってくる。このちょっとヘタウマなテナーって、ジュニア・クックに似てるなあ、と思う。ドラムは明らかにファンキー・ジャズなドラミング。どっかで聴いたよなあ、このドラム。
 

Beat_roy_brooks

 
この「なぞなぞ」の様なアルバムは、Roy Brooks『Beat』(写真)。1963年10月1日の録音。ちなみにパーソネルは、 Roy Brooks (ds), Eugene Taylor (b), Hugh Lawson (p),  Junior Cook (ts), George Bohanon (tb),  Blue Mitchell (tp)。おお、確かに、ホレス・シルバー抜きのホレス・シルバー・クインテットにトロンボーンが加わるセクステット構成。

ということはドラムは、ロイ・ブルックスですね。ファンキーでダイナミックでメリハリの効いたドラミング。バッシバッシとオフビートを刻みます。ファンキー・ジャズ御用達のドラミングですね。シルバーに代わって入っている、ヒュー・ロウソンのピアノがシンプルでフレッシュ、粘りの少ない爽やかなファンキー・ピアノを聴かせてくれます。

フロントではミッチェル&クックの名コンビが大活躍。トロンボーンが良いアクセント。バックではブルックスのドラムが大活躍。テイラーのベースががっちりと演奏の底を支えます。あまり粘らない、あっさりとした切れ味の良いファンキー・ジャズの響き。疾走感と「キメ」の格好良さ。切れ味と歌心。硬派で軽妙なファンキー・ジャズがぎっしり詰まった好盤です。

 
 

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2019年1月27日 (日曜日)

こんなアルバムあったんや・109

このアルバムに出会った時は思わず「こんなアルバムあったんや」と感嘆の声を上げた。英国の音楽シーンって、20世紀半ばから、ロックとジャズの境界が曖昧で、ジャズのミュージシャンがロックに転身したり、ロックのミュージシャンがジャズに転身したり。ミュージシャンの名前を見ただけで、ジャズなのかロックなのか、判別のつかないミュージシャンが多くいる。

「アンディー・サマーズ(Andy Summers)」。1970年代後半から1980年代半ばにかけて活躍した、イギリスのロックバンド「ポリス」のギタリストとして最もよく知られている。が、僕にとっては、1980年代半ば、ポリスが解散してから過去の人になっていた。しかし、手元の資料に目を通すと、ポリス解散後、彼の活動はロックなどのジャンルに留まらず、ニューエイジ音楽やジャズ、クラシック音楽・映画音楽などの分野にも進出していたそうだ。

そんなん知らんもんなあ(笑)。このアルバムに出会った時、リーダーの名前を見て、あの元ポリスのギタリストだとは思わなかった(同姓同名のジャズ・ミュージシャンだと思った)。Andy Summers『Earth and Sky』(写真左)。2002年のリリース。ちなみにパーソネルは、Andy Summers (g), Abraham Laboriel (b), Vinnie Colaiuta (ds). John Beasley, John Novello (key), Katisse Buckingham (sax)。 アンディー・サマーズ以外、知らない名前ばかりである。
 

Earthsky  

 
恐る恐る聴いてみたら、あらまあ、素性正しい、正統派なフュージョン・ジャズである。瑞々しいサウンドとメロディアスで親しみやすい曲が並ぶ。しかも、ギターが良い音出している。これ、結構、いけるフュージョン・ギタリストやなあ、と思って調べてみてラ、あらまあ、元ポリスのギタリストの「アンディー・サマーズ」であることが判明。おもわず「こんなアルバムあったんや」(笑)。

正統派フュージョンとして格好良い演奏ばかりが揃っていて、サマーズの熟達した、テクニック確かで味のあるギターが聴きもの。スッと伸びたシンプルなトーンが心地良い。こんなギターを弾ける人だったんですね。驚きました。そして、バックの手数の多い、ビートの効いたドラミングは、僕の好きな「ビニー・カリウタ」。気持ちよく叩きまくっています。

何気なく聴いた盤でしたが「当たり盤」でした。まさか、元ポリスのギタリストのリーダー作とは知りませんでしたが、それを差し引いても、現代のフュージョン・ジャズの好盤と言えます。マイナーなレーベルからリリースされているため、CDとして入手するにはちょっと苦労するかも。ダウンロードサイトでの入手がお勧めだと思います。

 
 

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2019年1月22日 (火曜日)

こんなアルバムあったんや・108

今日は「ジャズの日」。JAZZの「JA」が「January(1月)」の先頭2文字であり「ZZ」が「22」に似ていることから、1月22日は「ジャズの日」。東京都内の老舗ジャズクラブ「バードランド」「サテンドール」「オールオブミークラブ」のオーナーらによって立ち上げられた「JAZZ DAY実行委員会」が制定した記念日だそうです。

そんな「ジャズの日」の話題。ジャズ喫茶で流すと面白い盤って、結構あるんですよね。ジャズ喫茶で流すと、ジャズ喫茶が色めくというか、ざわつくというか「何だ何だ、この盤は何なんだ」とお客の皆さんが色めく盤。お客のリクエストに応えるのもいいんですが、たまにこういう「お客が色めく盤」を投下するのも、ジャズ喫茶の面白さ。

この盤をかけると、決まってお客が色めく気がするんですよね。僕もこの盤を聴いた時は色めきました。冒頭の曲を聴きながら、まず感じたのが「この盤の演奏ってハードバップ。音のちょっと古い感じから1950年代前半から中盤の音かな」。そして、イントロからのピアノの音を聴いて、これは大好きなピアニストのひとり「ホレス・シルバー」。ここまでは判る。
 

Silvers_blue  

 
トランペットはテクニック確かでブリリアント、溌剌とした健康的な音色。テナーもちょっと大人しめだが、力強さがあって滑らかな音。1950年代前半から半ばのピアノがシルバーなら「6 Pieces of Silver」を思い浮かべて、トランペットはドナルド・バード、テナーはハンク・モブレーと当たりを付ける。しかし、である。1950年代前半から中盤のシルバーのリーダー作にこんな演奏曲あったっけ。

「何だ何だ、この盤は何なんだ」となる(笑)。Horace Silver『Silver's Blue』(写真)。「この盤」の正体である。1956年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Horace Silver (pi), Donald Byrd (tp, tracks 1, 4, 6 & 7), Joe Gordon (tp, tracks 2, 3 & 5), Hank Mobley (ts), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds, tracks 1, 4, 6 & 7), Kenny Clarke (ds, tracks 2, 3 & 5)。

トランペットとドラムが二人ずついる。これが聴いていて実に紛らわしい(笑)。盤全般に渡って、発展途上ではあるが良質のハードバップがここにあります。この盤、シルバーのピアノの個性が音の基本。ファンキーでブルージーなピアノは聴いていて「ああ、シルバーやなあ」と思わず、溜息が出ます。ノリが良くグルービーなタッチは「やっぱ良いですねえ」。
 
 
 
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2019年1月20日 (日曜日)

ドイツ・ジャズの歴史的な好盤

欧州ジャズは奥が深い。欧州ではジャズが意外と盛んである。それぞれの国毎に、それぞれ個性を持ったジャズが存在するので、欧州ジャズはバリエーションが豊か。しかし、そんなバリエーション豊かな欧州ジャズについては、その情報はなかなか我が国には届かなかった。欧州ジャズの情報が何とか我が国に届くようになったのは、ネットの普及の影響が大きくて、21世紀になってからでは無いか。

CDレーベルとしては「澤野工房」の存在が挙げられる。「澤野工房」とは、通天閣のお膝元の大阪、新世界から、数多くのジャズ作品を世に送り出している小さなジャズ・レーベル。ヨーロピアンジャズの名盤復刻にも力を注いでいて、内容の優れた隠れ好盤を多数発掘〜リイシューしている。この盤も「澤野工房」のカタログを眺めていて、ピックアップした。

Michael Naura Quintet『European Jazz Sounds』(写真)。Michael Naura=カタカナ表記で「ミハエル・ナウラ」ミハエルのファースト・アルバム。ちなみにパーソネルは、Michael Naura (p), Peter Reinke (as), Wolfgang Schluter (vib), Wolfgang Luschert (b), Joe Nay (ds)。ドイツのジャズ・シーンの革新の先駆けとして、歴史的にも重要な作品。
 

European_jazz_sounds  

 
ミハエル・ナウラはロシア生まれのベルリン育ち。ベルリン大学では政治ジャーナリズム,哲学を学ぶ傍ら,ジャズのクラブなどで活躍、60年代に入り、1963年に本作をリリースしています。本作以外には70年代にはECMから数枚アルバムを出しています。ドイツのジャズの牽引者の一人として活躍したピアニストです。

メタリックで疾走感の豊かなアルト・サックスに、硬質で瑞々しい響きのビブラフォンの音色が絶妙に絡む熱いハード・バップ演奏が魅力。欧州ジャズならではの、非常に繊細でクールな響きを湛えた「熱い」演奏。ファンクネスは皆無、切れ味良い硬質なリズム&ビートが印象的な、典型的な欧州のハードバップ。

とても良い、先進的な内容のハードバップ。録音も良く、切れ味良く、緩急自在、変幻自在なモーダルな演奏は、現代の「ネオ・ハードバップ」にも通じる内容で、現代のジャズ者の耳にも古く響くことはないでしょう。 当時の欧州ジャズのレベルの高さを感じさせてくれる佳作。ジャズ者万民に向けて、一度は聴いていただきたい好盤です。
 
 
 
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2018年12月 3日 (月曜日)

SteepleChaseのコルトレーン

最近、SteepleChaseレーベルの盤をあれこれ聴いている。SteepleChaseレーベルは、マイルス・コレクターとして有名な、デンマークのニルス・ウインターが、1972年立ち上げたジャズ・レーベル。1970〜80年代を中心に、ジャズ史に残る名盤を数多く生み出した欧州ジャズ・レーベルの老舗である。

SteepleChaseレーベルは、欧州のレーベルとしては比較的、米国系のレーベルに近い演奏の色や雰囲気を持っていて、ハードバップ系の演奏に秀作が多い。さしずめ欧州の「ブルーノート」と言っても良い「欧州発ハードバップ」の宝庫。それでも欧州のレーベルなので、カタログを眺めていると「これは誰だ」という感じのジャズメンが名を連ねているから興味津々。

例えばこの盤など、その良い例だ。Frank Strozier Quintet『What's Goin' On』(写真左)。1977年11月5日の録音。SteepleChaseレーベルからのリリースではあるが、録音場所はNY。わざわざ、ニルス・ウインターが渡米しての録音である。

ちなみにパーソネルは、Frank Strozier (as, fl), Danny Moore (tp), Harold Mabern (p), Stafford James (b), Louis Hayes (ds)。もともとこの盤に着目したのは、タイトル曲の「What's Goin' On」。この曲、R&Bのレジェンド、マーヴィン・ゲイの大ヒット曲で、僕はこの曲が大好き。

 

Whats_goin_on_frank_strozier  

 
へ〜、こんなR&Bのヒット曲をジャズ化カヴァーしてるんや、と軽いノリで盤をゲット。ラスト曲の「Psalm for John Coltrane」を見て、おっこれはもしや「コルトレーン・トリビュート」な盤か、なんて予想を立てる。で、聴いてみると、明らかに「コルトレーン・トリビュート」な演奏がギッシリ。

コルトレーンはテナー・サックスの中高音を上手く使ってフレーズを吹く人だったのだが、ちょうどアルト・サックスの中低音がコルトレーンのテナーの音域にフィットするみたいで、リーダーのフランク・ストロジャーのアルト・サックスが、まるでコルトレーンが吹いている様に聴こえる。

ハロルド・メイバーンのピアノは、マッコイ・タイナーの様に「ガーンゴーン」とハンマー奏法を繰り出し、ルイ・ヘイズのドラムは、エルビン・ジョーンズの様に複合リズムを叩き出す。何気なく聴き流していると、本当にコルトレーン・カルテットの音と間違えそう。

この盤、あまりにコルトレーンに追従しているので、個性が無いとか単調とか、否定的な評価も目にするが、録音当時は、サックス吹きはこぞってコルトレーンを追いかけた訳で、何もストロジャーだけが特別では無い。そういう観点で先入観無くこの盤を聴くと、コルトレーン・トリビュートの盤としてはまずまずの出来ではないか、と思うのだ。「あっさりとしたコルトレーン」という感じで、ライトな気分で聴ける。 

 

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