2023年6月30日 (金曜日)

クラシック・オケとジャズロック

ECMレコードのアルバムがお気に入り。ジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半、ニュー・ジャズ&欧州ジャズの担い手として、我が国でもECMブームが沸き起こっていた。

といっても、ECMのアルバムについては、明らかに「好き嫌い」が分かれる。米国ジャズ、特に東海岸ジャズが絶対とする「東海岸ジャズ者」の方々からは「ECMはジャズでは無い」と毛嫌いされていた。まあ、大凡、硬派なジャズ喫茶ではECMのレコードをリクエストするのには相当な勇気がいった。米国が本場のジャズについては、米国ジャズが絶対で、欧州ジャズはジャズでは無い、とされていた。

しかし、である。僕はECMレコードのアルバムがお気に入り。もともとクラシック音楽もいろいろ聴いていて、クラシック音楽の雰囲気が漂う、端正な欧州ジャズについては違和感が無い。ロックではプログレ小僧だったので、ニュー・ジャズの類については、プログレっぽくて違和感を感じない。そういうところから、ECMレコードのアルバムに違和感が無く、良いものは良い、の精神で、ECMのアルバムについては、延々と50年弱、聴き続けていることになる。

そんなECMのアルバムをカタログ番号順に聴き始めて、早5年。ECM1001〜1100番までの「ECM1000番台」のアルバムについては、明らかに現代音楽な内容のアルバムを除いて、ほぼ聴き終えた。ほぼ、というのは、3枚ほど入手出来ないでいたアルバムがあった。が最近、やっとのことで音源を確保することが出来た。あと3枚、しっかりと聴いた。3枚とも初聴きである。

Gary Burton Quartet『Seven Songs for Quartet and Chamber Orchestra』(写真左)。1973年12月、ハンブルグでの録音。ECMの1040番。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Mick Goodrick (g), Steve Swallow (b), Ted Seibs (ds), NDR Symphony Orchestra conducted by Michael Gibbs。
 

Gary-burton-quartetseven-songs-for-quart

 
当時のゲイリー・バートンのカルテットに、NDRのオーケストラがバックに就く布陣。クラシック・オーケストラの演奏を伴奏に、ゲイリー・バートンのヴァイブをメインとするジャズ・カルテットの演奏が展開される、如何にもニュー・ジャズっぽい、クラシックにも精通するECMレーベルのアルバムらしい内容。

クラシック・オーケストラの伴奏も、なかなかのもので、ありがちな米国ジャズの取って付けたような、チープなクラシック・オーケストラでは決して無い。オーケストラだけでも十分に聴ける。

そんな充実したクラシック・オケをバックに、まずは、ゲイリー・バートンのヴァイブがソロで乱舞する。バートンのヴァイブは、いかにもECMのニュー・ジャズっぽい雰囲気満載。バックのオケの伴奏に乗って、映えに映える。良い雰囲気、いかにも欧州ジャズ。

曲が進むにつれて、バートンのソロから、バートンのカルテットの演奏に展開していく。これがなかなかのもので、当時のバートン・カルテットの個性である、アーシーでジャズロック風のフレーズ、ゴスペルっぽい米国ルーツ・ミュージック風のフレーズが漂ってきて、クラシックな雰囲気が強かった出だしからすると、一気にニュー・ジャズっぽい、バートンお得意のアーシーなジャズロック風のフレーズが実に格好良い。

欧州っぽいクラシック・オケと米国ルーツ・ミュージックとジャズロックの融合音楽。いかにもECMらしい取り合わせ。聴く前は、クラシック・オケをバックにしたバートン・カルテットってなあ、と敬遠気味だったのだが、聴いてみると意外と良い。やはり「聴かず嫌い」は良く無いなあ、と改めて思った次第。意外性のあるECM好盤です。
 
 

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  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

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2023年6月 5日 (月曜日)

欧州ジャズのスコフィールド

ジョン・スコフィールド(以降、略して「ジョンスコ」)は、流麗に捻れて、流麗でデコボコ・ゴツゴツな、素敵にアップダウンするフレーズが個性。どう聴いても、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズのエレギでは無い。確実に、メインストリーム志向の純ジャズに向いたエレギである。

Solal, Konitz, Scofield, Ørsted-Pedersen『Four Keys』(写真)。1979年5月8日の録音。独の名門ジャズ・レーベルMPSからのリリース。ちなみにパーソネルは、Martial Solal (p), Lee Konitz (as), John Scofield (el-g), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b)。仏の重鎮ジャズ・ピアニスト、マーシャル・ソラールが、実質リーダーの、ドラムレス・カルテット編成。

ダイナミックで躍動感のある華麗な演奏が味わえる、欧州的な素敵なジャズ・ピアノのマーシャル・ソラール。クールで切れ味の良い、力感溢れる流麗アルト・サックスのリー・コニッツ。NHØPとしても知られる、硬派で正統派なデンマークのベーシストのニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン。そして、流麗に捻れて、流麗でデコボコ・ゴツゴツな、素敵にアップダウンするエレギのジョン・スコフィールド。
 

Solal-konitz-scofield-rstedpedersenfour-

 
ピアノのソラールとベースのペデルセンが欧州、コニッツのアルト・サックスとジョンスコのエレギが米国。まず、米国のジャズ・レーベルでは見ることが出来ないであろう、ユニークな面子での、しかも、ドラムをオミットした、ドラムレスのカルテット。ドラムをオミットして、相当に自由度の高い、モーダルな即興演奏が展開されて見事。

徹頭徹尾、アーティスティックでストイックな純ジャズ志向。クールで静的に「熱気溢れる」インタープレイが展開されている。それも、それぞれが無勝手に展開するのではなく、ソラールのピアノが演奏全体をしっかりコントロールし、それに従って、演奏の「底」のリズム&ビートをペデルセンが供給、そんなリズム隊をバックに、コニッツのアルト・サックスとジョンスコのエレギが存分にアドリブ・パフォーマンスを披露している。

演奏全体を包む雰囲気は、確実に「欧州ジャズ」。聴衆の嗜好に合わせたコマーシャルな雰囲気は皆無。米国ではフュージョン・ジャズの全盛期に、こってこて「アーティスティックでストイックな純ジャズ」が展開される。緩んだところ、拠れたところは全く無し。演奏全体の心地良いテンションの下、創造的な即興演奏が見事。好盤です。
 
 

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2023年5月26日 (金曜日)

ブルーノートの4200番台始め

ブルーノートの4200番台は、1965年から1969年までのリリース。ハードバップを基本として、聴き手のニーズに合わせた「ジャズ多様化」の時代は去り、1964年2月にビートルズが米国に上陸して以降、ロックやポップスが聴き手の心を掴む反面、その反動で、聴き手の「ジャズ離れ」が始まりだした時代に、4200番台は録音され、リリースされている。

ジャズ界の中では、フリー・ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズが台頭し、一般の聴き手を置き去りに、公民権運動などとリンクして、政治色も濃厚だった時代で、1967年7月には、ジャズ界を牽引してきた一人、ジョン・コルトレーンが逝去し、スイング時代から綿々と進化してきたジャズが1つの「潮目」を迎えた時代でもある。

Stanley Turrentine『Joyride』(写真左)。1965年4月14日の録音。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), Herbie Hancock (p), Kenny Burrell (g), Bob Cranshaw (b), Grady Tate (ds)。バックに、オリヴァー・ネルソン率いるジャズ・オーケストラが付いている。ブルノートの4200番台の栄えある第一弾、4201番である。
 

Stanley-turrentinejoyride

 
ゴージャズなジャズ・オケ入りのムーディーな「ファンキー&ソウル・ジャズ」。アレンジは当時、一番モダンな、聴けば直ぐに判る、オリヴァー・ネルソン。ブルース感覚濃厚なジャズ・オケをバックに、これまた、こってこてブルージーでファンキーなタレンタインのテナーが、ちょっとライトにアーバンに吹き上げられる、ムード満点の「ファンキー&ソウル・ジャズ」。

面白いのは、ハービー・ハンコックのピアノが、当時お得意の「モーダルなピアノ」ではなく、デビュー当時に立ち返った様な「理知的なファンキー・ピアノ」をお洒落に弾いていること。タレンタインとバレルの「ファンクネス&ソウル」にしっかり合わせて、弾き分けている。ハービーのテクニックの豊かさ、引き出しの多さに、思わず感心する。

プロデューサーはまだ「アルフレッド・ライオン」。ブルーノートの総帥プロデューサー自ら、聴き手の心を掴むべく、ジャズ・オケがバックの、ややイージーリスニング・ジャズ志向のアルバムを指揮しているところに時代を感じる。しかし、そこはブルーノート、内容的にはとても良く出来たモ「ファンキー&ソウル・ジャズ」で、俗っぽいところ、手を抜いたところは全くありません。
 
 

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2023年5月23日 (火曜日)

不思議なトロンボーンの企画盤

プレスティッジ・レーベルは、アルバムの編集方針が曖昧というか、気分次第でアルバム化している様で、同一セッションの演奏でも、切り売りして、あっちこっちのアルバムに雰囲気で入れたりして、1つのアルバムに複数のセッションが入っているなんてザラである。それぞれのジャズマンの力量や進化を推し量る上で、時系列で演奏が並んでいないのはちょっと困る。プレスティッジのアルバムを聴く時は、そのアルバムの「録音情報」は絶対に欠かせない。

J J Johnson, Kai Winding, Benny Green『Trombone By Three』(写真左)。 プレスティッジのPRLP 7023番。タイトル通り、3人のトンボーン奏者がリーダーを務めるセッションをそれぞれ収録している。異なるセッションを1つのアルバムに収録するという、プレスティッジの荒技なんだが、何故、この様なカップリングにしたのか判らない。が、3人それぞれのトロンボーンの特性を一気に比較出来て、それそれのトロンボーンの個性が良く判る。

まずは、J J Johnson(JJ・ジョンソン、以降、略して「JJ」)。1949年5月26日の録音。ちなみにパーソネルは、J J Johnson (tb), Kenny Dorham (tp), Sonny Rollins (ts), John Lewis (p), Leonard Gaskin (b), Max Roach (ds)。JJのトロンボーンとドーハムのトランペット、そして、ロリンズのテナーの3管フロント。リズム隊は、ピアノにジョン・ルイス、ベースのガスキン、ドラムにマックス・ローチ。収録された演奏曲は「Elysee」「Opus V」「Hilo」「Fox Hunt」。CDでの1〜4曲目になる。

続いて、Kai Winding(カイ・ウインディング、以降、略して「カイ」)。1949年8月23日の録音。ちなみにパーソネルは、Kai Winding (tb), Brew Moore (ts), Gerry Mulligan (bs), George Wallington (p), Curly Russell (b), Roy Haynes (ds)。カイのトロンボーンとムーアのテナー、マリガンのバリサクの3管フロント。リズム隊は、ピアノにウォリントン、ベースにラッセル、ドラムにヘインズ。収録された演奏曲は「A Night On Bop Mountain」「Waterworks」「Broadway」「Sid's Bounce」CDでの7〜10曲目になる。

最後は、Benny Green(ベニー・グリーン、以降、略して「ベニグリ」)。1951年10月5日の録音。ちなみにパーソネルは、Bennie Green (tb), Eddie Davis, "Big Nick" (ts), Rudy Williams (bs), Teddy Brannon (p), Tommy Potter (b), Art Blakey (ds)。ベニグリのトロンボーン、デイヴィスのテナー、ウィリアムスのバリサクの3管フロント。リズム隊は、ピアノにブラノン、ベースにポッター、ドラムにブレイキー。収録された演奏曲は「Green Junction」「Flowing River」「Whirl-A-Licks」「Pennies From Heaven」。CDでの5,6,11,12曲目になる。
 

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録音年月日もバラバラ、録音は辛うじてNYでの録音だが、パーソネルは全て総替え。ただし、フロント3管+リズム・セクションのセクステット編成は3セッション共通。収録された演奏曲も平等に4曲ずつを収録。演奏編成と演奏曲が平等に割り当てられているので、不思議とアルバム全体で統一感がある。まるで、事前に周到に計画され実現した「3トロンボーンの比較盤」の様に聴こえるから、これまた不思議。

演奏編成が一緒なので、それぞれのトロンボーンの個性の比較がし易い。録音当時、1949年〜1951年は「ビ・バップ」の最終期であり、中間派と呼ばれるスイング・ジャズの発展形が流行していた時代。アレンジはシンプルで、フロント楽器のソロのスペースは平等に与えられておる。ビ・バップ、またはスイングのアレンジを基本的に踏襲しているので、アーティスティックな捻りは無い。トロンボーンのパフォーマンスに耳を傾けやすい演奏編成である。

ビ・バップ仕込みの切れ味の良い、テクニック確かなトロンボーンはJJ。バルブ・トロンボーンを駆使して、流麗なフレーズを吹き上げるカイ。そして、ゆったりとしたスイング・マナーで、ぼのぼのとしたトロンボーンが心地良いベニグリ。それぞれ4曲のみの収録だが、どの曲のトンボーン演奏も良好。個性豊かなトロンボーン3態である。

そして、それぞれ3セッションのサイドマンを見渡せば、当時のジャズ・シーンで活躍していた、錚々たるメンバーがバックを務めている。超有名どころとしては、トラペットのケニー・ドーハム、テナーのソニー・ロリンス、バリサクのジェリー・マリガン、ピアノのジョン・ルイス・ジョージ・ウォリントン、ドラムのマックス・ローチ・ロイ・ヘインズ・アート・ブレイキー等が名を連ねている。道理で、結構、ダイナミックで締まった演奏に仕上がっているのはその為か、と改めて感心する。

アルバムの編集方針もトロンボーン奏者のカップリングも、全く要領を得ない、プレスティッジの悪しき企画盤ではある。が、3人のトロンボーンのそれぞれの個性を楽しむことが出来ること。また、それぞれのセッションのサイドマンの演奏が好調で、それぞれ、ビ・バップ最後期、もしくは中間派の流行期のジャズ演奏として、意外と内容が充実していること。この2点から、このプレスティッジの不思議な企画盤は、意外とトロンボーンを楽しめる好盤として成立している。プレスティッジのアルバム編集方針の不思議である(笑)。
 
 
 
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2023年5月13日 (土曜日)

マクパーランドのピアノの個性

マリアン・マクパートランドは女性ジャズ・ピアニストのパイオニア。スイング期からビ・バップ期を始めとして今日まで、ジャズの歴史のほとんどをリアルタイムで活躍した本格派のジャズ・ピアニスト。また、ジャズ版 「徹子の部屋」みたいな感じのラジオ番組「The Mariian McPartlland Piiano Jazz radiio shows」の司会としても有名。

Marian McPartland & George Shearing『Great Britain's』(写真)。1曲目から4曲目まで1952年4月21日、5曲目から7曲目まで1952年12月22日の録音で、Marian McPartland (p) 。8, 11, 12, 14曲目が1947年12月23日、9, 10, 13, 15曲目が1947年2月3日の録音で、 George Shearing (p)。全てトリオの演奏。

まとめると、前半7曲がマクパーランドがピアノを担当、後半8曲がシアリングが担当している。タイトルが「偉大なる英国」。録音は全てNY。かなりやっつけのアルバム編集である(笑)。

しかし、この「やっつけ盤」を聴くと、マリアン・マクパーランドのピアノの個性が実に良く判る内容となっているから面白い。前半7曲がマクパーランドのピアノなんだが、弾きっぷりは見事なバップ・ピアノ。そこはかとなくロマンティシズム漂う耽美的な響きが特徴的。

バド・パウエルの様に、硬質なタッチでバリバリとダイナミックに弾きまくるのでは無く、端正なタッチでテクニックよろしく耽美的に弾きまくるのが、マクーパートランドのピアノ。そんな彼女独特の個性が良く判る。
 

Marian-mcpartland-george-shearinggreat-b

 
「オスカー・ピーターソンの女性版」と評されたこともあるマクパーランドのピアノであるが、このアルバムの弾きっぷりを聴いていると、思わず、なるほどなあ、と思う。とにかく上手い。速いフレーズも難なく弾きこなす。スイング感が半端ない。筋金入りの「バップ・ピアノ」である。

後半の8曲はジョージ・シアリングのピアノであるが、こちらは1947年の録音で、シアリングが「バップ・ピアノ」を弾いているのだが、米国のビ・バップを真似するのでは無く、アート・テイタムの弾きっぷりをベースに、欧州的な、ちょっとクラシック的な弾き回しを反映した、重厚な弾き回しになっている。

マクパーランドと比較すると、切れ味とスピード感はマクパーランドだが、ジャジーでブルージーなフレーズはシアリングに色濃い。マクパーランドの独特の個性は「ロマンティシズム漂う耽美的な響き」がそこはかとなく潜んでいるところ。逆に、シアリングは圧倒的にジャジーでブルージー。

タイトルの『Great Britain's』は、マクパーランドもシアリングも英国出身なので、このタイトルがついたのだろう。どういう意図でこういう企画盤に仕上げたのか、良く判らないアルバムだが、マクパーランドのピアノの個性がとても良く判る作りになっているのが、この盤の一番の価値だと僕は思う。
 
 

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2023年4月20日 (木曜日)

R&B系ミュージシャンとの邂逅

1960年前半のジャズは「多様化の時代」。ハードバップが成熟し、そのハードバップをベースとして、様々な演奏トレンドが出現し、発展していった。アーティスティック志向として「モード、フリー」、大衆音楽志向として「ファンキー、ソウル」。両極端な志向のジャズが「多様化の時代」として、入り乱れていた。

特に、大衆音楽志向のジャズとして「ファンキー、ソウル」では、R&B系ミュージックとの融合が始まる。ジャズお得意の「他ジャンル音楽の要素の取り込みと融合」である。奏でるミュージシャンも、ファンキー・ジャズを中心に、R&B畑からジャズ畑に参入してくる。後に振り返ると、そんなジャズマンいたっけ、と思う、この時期だけジャズ畑で録音に臨んだR&B系のミュージシャンもいた。

Harold Vick『Steppin' Out!』(写真左)。1963年5月27日の録音。ブルーノートの4138番。ちなみにパーソネルは、Harold Vick (ts), Blue Mitchell (tp), John Patton (org), Grant Green (g), Ben Dixon (ds)。リーダーのヴィックのテナー・サックス、ミッチェルのトランペットがフロント2管、バックがパットンのオルガン、グリーンのギター、ディクソンのドラムのオルガン・トリオのリズム・セクション。

リーダーのハロルド・ヴィックは、ジャズとR&Bを「またにかけて」活動したテナー・サックス奏者。バイオグラフィーを紐解くと、16歳の時にテナー・サックスを始め、R&Bのバンドで演奏し、1960年以降、ジャック マクダフを始めとしたジャズ・オルガニスト達や様々なジャズマンと共演し、1970年代以降は、ジャズとR&Bの両方で、セッションをこなしている。
 

Harold-vicksteppin-out

 
ブルーノートは、そんなR&B系のテナー・マンについても、何のこだわりも無く、リーダー盤の制作機会を与えている。ブルーノート・レーベルの懐の深さ、総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの慧眼と矜持を強く感じる。そして、その成果の1つがこの、Harold Vick『Steppin' Out!』である。

メンバー構成を見渡すと、リーダーのヴィック以外は、ブルーノート傘下のファンキー・ジャズ志向のジャズマンばかりで固めている。しかし、そこに、R&B系のヴィックのテナーが入ってくると、R&B色が濃厚になって、演奏全体の雰囲気は、ファンキーから一気にソウルフルに変化する。が、決して俗っぽい展開にはならない。

選曲を見渡すと、シンプルなリフも持ったブルーズ曲ばかりが並んで、これってジャズによるR&B曲のイージーリスニングにならないの、と危惧するが、そうはならない。

演奏全体の雰囲気はしっかりと「純ジャズ」している。ヴィックがリーダーとして「真面目に」ジャズに取り組み、プロデューサーのアルフレッド・ライオンが演奏全体の雰囲気をディレクションしていたことが良く判る。

こういった、ファンキー・ジャズを中心に「R&B畑からジャズ畑に参入してくるミュージシャン」をしっかり捉え、内容に優れたリーダー作を残すところは、ブルーノート・レーベル、さすがである。ブルーノートの1500番台と4000〜4300番台を押さえれば、当時のジャズの歴史とトレンドが判る、というが、それも至極納得である。
 
 
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2023年4月16日 (日曜日)

ブルーノートの音の「懐の深さ」

旧ブルーノートのカタログには「ライオンの狂気」と呼ばれるアルバムがある。ジャズの原風景である、アフリカン・ネイティヴな「リズム&ビートの洪水」がメインの内容で、アフリカ音楽の原風景、ジャズというよりは、今で言う「ワールド・ミュージック」なアルバム群である。

1554番・1555番の、Art Blakey『Orgy In Rhythm, Vol.1&2』(1957年3月録音)。その次に、ブルーノートの4004番・4005番の、Art Blakey『Holiday for Skins vol.1 & 2』(1958年11月9日録音)。ブルーノートの4097番の、Art Blakey『The African Beat』(1962年1月24日の録音)。1500番台、4000番台にそれぞれあるのだが、4100番台にも「ライオンの狂気」盤がある。

Solomon Ilori『African High Life』(写真左)。1963年4月25日の録音。ブルーノートの4136番。ちなみにパーソネルは、Solomon Ilori (vo, pennywhistle, talking drum, g), Coleridge-Taylor Perkinson (p, musical director), Jay Berliner (g), Hosea Taylor (as, fl), Ahmed Abdul-Malik (b), Josiah Ilori (sakara drum, cowbell), Robert Crowder (conga, shekere, cowbell), Montego Joe (conga), Garvin Masseaux (conga, xylophone, cowbell)。

アフリカン・ネイティヴなミュージシャンらしい、モダン・ジャズではほとんど見ない名前ばかりが並ぶ。ピアノもベースもアルト・サックス&フルートもアフリカン・ネイティヴ。ドラムやパーカッション、コンガ、カウベル、シロホン他、アフリカ音楽のリズム&ビートを司る打楽器がズラリと並ぶ。

出てくる音はもちろん、アフリカン・ネイティヴな「リズム&ビートの洪水」がメインの内容で、今で言う「ワールド・ミュージック」志向のダンサフルで躍動感溢れるもの。これがジャズか、と言えば、思わず「口ごもる」が、即興性を旨とした集団音楽という趣きはジャズと言っても良い、かとは思う。

音楽監督として、コールリッジ=テイラー・パーキンソンを別立てする念の入り様。アフリカ人の血の流れていない自分が、頭の理解だけで、アフリカン・ネイティヴな「リズム&ビートの洪水」がメインの「「ワールド・ミュージック」志向なアルバムをプロデュースしないところに、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの「本気」感じる。
 

Solomon-iloriafrican-high-life

 
ジャズというよりは、アフリカ音楽の原風景、アフリカの土着音楽のリズム&ビートを聴いている様で、これはこれで僕は好きだ。「ワールド・ミュージック」志向のフュージョン(融合)音楽として、録音年の鑑みれば、先進的な内容と僕は評価している。まあ、これが当時、若しくは現代においても、セールス的に満足することが出来るか、と問われれば、応えは「No」。

売れないからと言って録音しないのでは無く、ジャズの大本の1つであるアフリカン・ネイティヴな「リズム&ビート」をメインとした「ワールド・ミュージック」志向のフュージョン(融合)音楽を記録したというところに、ジャズ・レーベルの老舗を運営していたアルフレッド・ライオンの矜持を感じる。

ちなみに、CDではボートラが3曲(1964年10月30日の録音)、「Gbogbo Omo Ibile (Going Home)」「Agbamurero (Rhino)」「Igbesi Aiye (Song of Praise to God)」が追加されている。この3曲については『African High Life』と同一の録音では無いが、内容的には、アフリカン・ネイティヴな「リズム&ビートの洪水」がメインの同傾向の音で、これを、もともとの『African High Life』の音と比べてみると面白い。

ちなみにパーソネルは、Solomon Ilori (vo, pennywhistle, talking drum, g), Coleridge-Taylor Perkinson (p, musical director) までは同じ、以下、Donald Byrd (tp), Hubert Laws (ts, fl), Bob Cranshaw (b), Elvin Jones (ds), Chief Bey, Roger Sanders, Ladji Camara, Sonny Morgan (conga, hand drum, perc)。

リズム隊以外は、当時のブルーノートのお抱えの売れっ子ジャズマンで固められていて、音楽監督もコールリッジ=テイラー・パーキンソン、もちろん、リーダーは、ソロモン・イロリなんだが、出てくる音が『African High Life』の音とはちょっと違う。

リズム&ビートはアフリカン・ネイティヴな「リズム&ビートの洪水」で同じなんだが、ドナルド・バードのトランペット、ヒューバート・ロウズのテナー&フルートのフロント2管の音がハードバップ・ジャズな音なのだ。ボートラの3曲は、アフリカン・ネイティヴな「リズム&ビートの洪水」がメインのハードバップ・ジャズという趣き。明らかにフレーズの音がモダン・ジャズしている。

しかし、ブルーノート盤として、正式にリリースしたは、先に録音された『African High Life』の録音であり、後の1964年10月30日の録音は、正式なアルバム化には至っていない。そういうところにも、ブルーノートの総帥ディレクター、アルフレッド・ライオンの、プロデューサーとしての、経営者としての凄みを感じるのだ。

『African High Life』はブルーノートの音作りにおける懐の深さの「賜(たまもの)」である。
 
 

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2023年3月 7日 (火曜日)

時には「古き良きジャズの音」

ゴリゴリのモード・ジャズや静的スピリチュアルなニュー・ジャズなど、バリバリ硬派なメインストリーム志向の純ジャズ盤を聴き続けていると、演奏のテンションが基本的に高いが故、時々、息抜きをしたくなる。

息抜きをしたくなると、スイング時代からのジャズ演奏の雰囲気を継承した、ビ・バップでもなく、硬派でストイックなハードバップでもない、純粋に「古き良きジャズの音」をキープした中間派ジャズが聴きたくなる。

Pee Wee Russell & Buck Clayton『Swingville Volume 8/ Swingin'』(写真左)。1960年3月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Pee Wee Russell (cl), Buck Clayton (tp), Tommy Flanagan (p), Wendell Marshall (b), Osie Johnson (ds)。プレスティッジの傍系レーベル、Swingvilleからのリリース。

Swingvilleは「トラッド・ジャズ」のレーベル。ディキシーやスイングジャズの名手たち、エリントンやベイシーのバンドでスターだった人たちの演奏を聴くことが出来る、「古き良きジャズの音」をキープした盤をリリースしていたレーベルである。

リーダーの1人、Pee Wee Russell(ピー・ウィー・ラッセル)は、1906年生まれ、米国ミズーリ州出身の、ディキシーランド・ジャズからスイング・ジャズ、後に「中間派」ジャズの代表的クラリネット奏者。
 

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さて、アルバムの内容に戻る。ピー・ウィー・ラッセルのクラリネットと、バック・クレイトンのトランペットがフロント2管のクインテット編成なんだが、メンバーは基本的に中間派ジャズのジャズマンが集結している。が、1人だけ、あの「名盤請負人」と名を馳せたトミー・フラガナンがピアノを担当している。

演奏の雰囲気は、一言で言うと「心地良く寛いだ雰囲気のモダン・スイング」。ラッセルのクラリネットの、流麗で小粋でこぶしの利いたフレーズがホンワカ心地良く、クレイトンの張りのあるブリリアントなトランペットが心地良く響く。典型的な「中間派」ジャズな演奏で、特にスイング・ジャズ風の音作りが実に「ジャズらしい」。

そして、この「中間派」ジャズの演奏の中で、フラナガンのピアノが「キラリ」と光るフレーズを連発する。このフラナガンのピアノの存在が、この「中間派」ジャズにモダンな響きを宿らせて、このオールド・スタイルな、ノスタルジックな「中間派」ジャズの演奏を、意外と新しいイメージで聴かせている。「名盤請負人」フラナガン、侮りが足し、である。

こういう、ジャズらしいジャズ盤、というのも時には良い。息抜きをしたくなった時、難しいことは考えずに「古き良きジャズの音」に身を委ねる。至福の時である。
 
 

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2023年2月11日 (土曜日)

ベツレヘムならではの企画盤

ベツレヘム・レーベルのハードバップなインストの優秀盤は、他のレーベルに比べて、ちょっとユニーク。米国東海岸ジャズと西海岸ジャズの要素がほどよく融合して、独特の雰囲気のハードバップが成立している。例えば、この企画盤に詰まってる音は、ベツレヘムならではの音作りになっていて、とても面白い。

『Winner's Circle』(写真)。1957年9月,10月の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

奇数曲(1957年9月録音)ー Art Farmer (tp), Rolf Kühn (cl), Eddie Costa (vib), Kenny Burrell (g), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds)。

偶数曲(1957年9月録音)ー Donald Byrd (tp), Frank Rehak (tb), Gene Quill (as, 2.のみ), John Coltrane (ts), Al Cohn (bs), Eddie Costa (p), Freddie Green (g, 2.のみ), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds, track:2 を除く), Philie Jo Jones (ds, track:2 only)。

Winner's Circle。競馬用語では「勝ち馬表彰式場」。直訳だと「勝者の輪」。この盤の制作経緯を読むと、ダウンビート誌が1957年に発表した批評家の投票結果を基にメンバー選定して録音に臨んだ企画盤とのこと。

ただし、各楽器毎の一位のジャズマンばかりが選ばれている訳では無い。この盤でその存在がクローズアップされるジョン・コルトレーンはテナー・サックス部門で2位。ベース部門では、オスカー・ペティフォードが1位。ペティフォードは全8曲に参加していて、この企画盤、ペティフォード名義でも良かったのでは、とも思う。

冒頭「Lazy Afternoon」の演奏を聴けば、米国西海岸ジャズか、と思うだろう。エディ・コスタの硬質で透明感溢れるヴァイブのフレーズが心地良い。アート・ファーマーもトランペットもリリカルで流麗。ケニー・バレルのギターは漆黒アーバンでファンキーな響き。アレンジもシンプルで秀逸。しっかりアレンジされた、聴かせるジャズ。米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚である。
 

Winners-circle  

 
2曲目の「Not So Sleepy」は、フロント楽器の担当が東海岸のメンバーがメイン。でも、出てくる音は、どちらかと言えば、西海岸ジャズの雰囲気濃厚。お目当てのコルトレーンは、ゆったりしたミッドテンポに乗って、演奏の西海岸ジャズの雰囲気に似使わない、ゴツゴツとした硬いフレーズに終始する。

この盤でのコルトレーンは8曲中の4曲のみ参加、かつ、フロント4管構成の1つなので出番は極めて少ない。大凡は「普通の何の変哲も無いフレーズ」を吹いていく。この盤でのコルトレーンは発展途上と聴いた。聴きどころは殆ど無い。が、LP時代、日本のレコード会社は、この企画盤をコルトレーン名義として発売している。呆れた商業主義である(笑)。

それでも、コルトレーン以外のメンバーは、西海岸ジャズの雰囲気に乗って、情感豊かでリリカルなフレーズを紡ぎ上げている。演奏全体の雰囲気は良い。

以降、ラストの「Turtle Walk」まで、ミッドテンポが中心の、米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚な演奏が続く。演奏自体はハードバップ。アレンジ良し演奏良し、聴かせるジャズ、聴いて楽しいジャズが小粋に展開されている。

「Winner's Circle(勝者の輪)」なんてタイトルが付いているので、批評家の投票結果の上位者が集まって、丁々発止とバトルを繰り広げるジャム・セッション集かと思ったら、米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚な、しっかりアレンジされた、聴かせるジャズが展開されているので、初めはちょっと面食らう。

米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、東海岸と西海岸、どちらに偏ることも無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしていたベツレヘム・レーベルならではの優秀盤といえるだろう。ベツレヘムのハードバップはユニークなものが多い。
 
 

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2023年1月20日 (金曜日)

セシル・テイラーの発掘音源

僕の中で一定周期があるのか、振り返ると3ヶ月に1回程度のスパンで「フリー・ジャズを聴きたい週間」が巡ってくる。フリー・ジャズも立派なジャズ演奏の一形態なので、ジャズ者であるならば、しっかり聴かねばなるまい、と思っている。「あんなのジャズじゃねーよ、ジャズは4ビートさ」という硬派なジャズ者の方々もいるし、「あんなの音楽じゃねえ」とバッサリ切り捨てるジャズ者初心者の方々もいる。

でもなあ、フリー・ジャズとは言っても、一定の決まり事を踏まえたもので(一定の決まり事が無いと音楽として成立しない)、無手勝流に、演奏者それぞれが好き好きに楽器を鳴らせば良い、という訳では無い。フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れたインプロのことで、この「束縛」から逃れておれば、調性音楽でも「フリー・ジャズ」として成立する。

Cecil Taylor『The Complete, Legendary, Live Return Concert』(写真左)。1973年11月4日、NYの「Town Hall」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、ちなみにパーソネルは、Cecil Taylor (p), Jimmy Lyons (as), Sirone (b), Andrew Cyrille (ds)。2022年のリリース。当時コロンビア大学の学生が、録音のために借りた機材を使用したプライベート録音が音源とのこと。

収録曲は3曲しか無い。①「Autumn/Parade」 (quartet) – 88:00 ②「Spring of Two Blue-J's Part 1」 (solo) – 16:15, ③「Spring of Two Blue-J's Part 2」 (quartet) – 21:58。
 

Cecil-taylorthe-complete-legendary-live-

 
しかし、1曲目の「Autumn/Parade」などは、演奏トータルで88分の長尺。カルテットの演奏だが、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れたインプロを、約1時間半の間、マンネリの陥ること無く継続するのだ。この演奏を可能とする演奏者の体力とエネルギー、そして、演奏についてのイマージネーションについては驚くべきものがある。

収録されたフリー・ジャズな演奏、3曲とも「爽快」である。①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れた「調性」と「無調性」が入り乱れた演奏だが、ビートについてはポリリズムによる従来リズムからの解放が感じ取れるし、混沌とした無調なフレーズの連続だが、切れ味と疾走感が抜群で、停滞感やマンネリ感は皆無。カオスな演奏がどこか規律を持ったか如く、即興性溢れる、ひとつの音楽として収束している、そんな見事なフリー・ジャズなパフォーマンスを聴かせてくれる。

セシル・テイラーのフリー・ジャズって、以前からお気に入りで、例の「フリー・ジャズを聴きたい週間」でちょくちょく聴くのだが、この今回のライヴ盤は昨年のリリースで、久し振りのセシル・テイラーの新盤にちょっと興奮したのを覚えている。

フリー・ジャズって、確かに難解なので、ジャズ者初心者の方にはまずお勧めしない。でも、ジャズを聴き続けて行く中で、避けては通れないジャズ演奏の一形態ではある、と僕は思っている。なぜなら、フリー・ジャズは、モード・ジャズと並んで、ジャズの「即興演奏」を的確に表現するジャズ演奏の一形態だと思うからである。即興演奏の無いところにジャズは無い。
 
 

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