2022年11月10日 (木曜日)

ランディの素晴らしいライヴ音源

2022年11月5日のブログ「マイケルの素晴らしいライヴ音源」でご紹介した、弟マイケル・ブレッカーのライヴ音源と同一日、同じジャズフェスでの兄貴のランディ・ブレッカーのライブ音源がある。同一日なので、一日で、ブレッカー兄弟それぞれのバンドのライヴが聴けた訳か。ええなあ。

Randy Brecker『Live at Fabrik Hamburg 1987』(写真)。1987年10月18日、The Jazzfestival Hamburgでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Randy Brecker (tp), Bob Berg (sax), Dieter Ilg (b), David Kikoski (p), Joey Baron (ds)。ハンブルグ・ジャズフェスにて、ランディ・ブレッカーバンドを率いて演奏した折の未発表ライヴ音源。

演奏にクインテットを選んだのは、ホレス・シルヴァーを意識した、とのこと。確かに、ネオ・ファンキー・ジャズと呼んで良い位に、とても洗練された、とてもお洒落でテクニカルなファンキー・ジャズが展開されている。どこか、当時のエレ・マイルスのジャズ・ファンクを判り易い演奏にリコンパイルし、ポップに味付けした様な、エレ・マイルスにインスパイアされた印象を持つのは僕だけかなあ。
 

Randy-breckerlive-at-fabrik-hamburg-1987

 
ただし、ランディはトランペッター。エレ・マイルスの影響をそのまま出したら、マイルスの物真似に聴かれると困る。そこで、一捻りして、ファンクネスの表現の部分はシルヴァーのファンクネス表現をリニューアルし、新しいファンキー・ジャズの雰囲気に乗って、マイルスを口語体に直した様な、判り易いポップなフレーズを吹きまくる。これは良い。これは聴かせるファンキー・ジャズだ。

メンバーも厳選されている。特に、サックスは、エレ・マイルスを経験しているボブ・バーグが担当していて、ストレートでファンキーなサックスを吹きまくっている。キコスキーのピアノはファンキーな弾きこなしで切れ味抜群。ブレイキー、ミンガス、シルバー、モンクら、ジャズのレジェンドへの敬意に満ちた、ストレート・アヘッドな、軽快なファクネス溢れる展開は効き応え抜群。

ランディ・バンド、マイケル・バンド、メンバーも音志向も異なるんですが、演奏の音の「底」はしっかり繋がっているなあ、と改めて感心。特に、ストレート・アヘッドなランディのトランペットが秀逸。確かに、ランディのトランペットは純ジャズの系譜でも一流でした。今回のライヴ盤を聴いて再認識しました。
 
 

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2022年11月 5日 (土曜日)

マイケルの素晴らしいライヴ音源

現代で活躍するジャズマンを見渡して見ると、ピアノ、トランペット、アルト・サックス、ベース、ドラムなどは、現代ジャズにおいて、演奏スタイルやトレンドをリードする「後を継ぐ者」がしっかりと存在している。が、テナー・サックスについては、ちょっと低調な感がある。

そもそも、マイケル・ブレッカーが、2007年早々に57歳で急逝してしまって、21世紀に入って、ブランフォードが活動を徐々にスローダウンさせて、それ以降、何人かの優れたテナーマンは現れ出でてはいるのだが、そんな中で突出した名前が浮かばない。

まあ、テナー・サックスについては、1967年に逝去した「ジョン・コルトレーン」という偉大な存在が未だに君臨していて、テナーマンの新人が出てくる度に、やれコルトレーンそっくり、だの、コルトレーンの方が優れている、だの、何かにつけ、コルトレーンと比較され、コルトレーンの存在は絶対で、常に低評価される傾向にあるので、正統な評価を得ることが出来無いのだろう。

Michael Brecker Band『Live at Fabrik, Hamburg 1987』(写真)。1987年10月18日、The Jazzfestival Hamburgでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Michael Brecker (sax), Joey Calderazzo (key), Mike Stern (g), Jeff Andrews (b), Adam Nussbaum (ds)。テナー・サックスの雄、マイケル・ブレッカーがリーダーの、ギター入りクインテット編成。ライヴ・アット・ファブリーク・シリーズ第3弾になる。

録音年の1987年は、マイケルにとって、自身単独の初リーダー作がリリースされた記念すべき年。このライヴ盤では、とても充実したマイケルのサックスが堪能出来る。そして、ライヴ盤であるがゆえ、マイケルのサックスの個性がとても良く判る。
 

Michael-brecker-bandlive-at-fabrik-hambu

 
マイケルもデビュー以降、常にコルトレーンと比較され、やれ、コルトレーンの後継だの、やれ、コルトレーン以下だの、マイケルのテナーは、概ねコルトレーンのフォロワーと評価されていたが、このライヴ盤のマイケルのテナーを聴くと「それは違う」ことが良く判る。コルトレーンと似ているのは、ヴィブラートやフェイク無しのストレートな吹奏だけ。

マイケルのバンドの音志向は、どちらかと言えば、当時の「復活後のエレ・マイルス」を志向していたと感じる。とてもヒップで疾走感溢れる「クールなジャズ・ファンク」。

リズム&ビートは切れ味良くコンテンポラリーでファンキー。そんなリズム&ビートをバックに、クールでモーダルなフレーズを吹きまくるマイケル。そのフレーズは、シーツ・オブ・サウンドでもなければ、エモーショナルでスピリチュアルなフリーでも無い。

バックの演奏もそうだ。ジェフ・アンドリュースとアダム・ナスバウムの叩き出す、ポリリズミックでファンキーなリズム&ビートに乗った、キーボードのジョーイ・カルデラッツォとギタリストのマイク・スターンのインプロは凄絶。まるで、1960年代後半のエレ・マイルスのチック・コリアとか、ジョン・マクラフリンとかを彷彿させる、その「ど迫力と自由度」。
 
マイケルのテナーは、当時の「復活後のエレ・マイルス」におけるマイルスのトランペットのフレーズをフォローし、自家薬籠中のものとしたもので、それが唯一無二の個性なのだ。マイケルは、決して、コルトレーンのフォロワーでは無かった。それがとても良く判る未発表ライヴ盤。こんなライヴ音源が残っていたなんて。1987年辺り、タイムリーにリリースして欲しかったなあ。
 
 

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2022年10月31日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・254

ジャズの裾野は広い。一昨日、ご紹介した様な、最新のジャズ・エレクトロニカもあれば、ハードバップ時代の隠れ名盤もある。どちらも、聴いて楽しい「ジャズ」であり、どちらも、個人的嗜好においては好き嫌いはあるだろうが、客観的に見て、優劣を付けることの出来ない。歴史上、どちらも内容の優れた「ジャズ」である。

Eddie "Lockjaw" Davis & Johnny Griffin『The Tenor Scene』(写真左)。1961年1月6日、NYのミントンズ・プレイハウスでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Eddie "Lockjaw" Davis (ts), Johnny Griffin (ts), Junior Mance (p), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)。

豪快なテキサス・テナーのスタイリストの一人、エディー・ロックジョー・デイヴィスと、テナー・リトル・ジャイアント、ジョニー・グリフィンとの2管フロントのクインテット編成。

このライヴ盤、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の推薦盤に、そのタイトルが挙がることが無いのだが、聴けば、何と実にハードバップらしい、ハードバップの良いところ満載の隠れ好盤である。1961年のライヴ録音なんだが、内容的には、完璧なまでのハードバップな演奏が展開されていて、聴いていて、バリバリにジャズを実感出来て、とても楽しい。
 

Eddie-22lockjaw22-davis-johnny-griffinth

 
テキサス・テナー・スタイルのロックジョー、リトル・ジャイアントと呼ばれたグリフィン、二人の豪快なテナーがなんとも素敵な響き。そして、この豪快な二人のテナーの「ユニゾン&ハーモニー」そして「テナー・バトル」が凄く良い雰囲気。

これぞ、ハードバップ時代のテナー、って感じの、豪快で迫力抜群、大らかでテクニカル、歌心溢れエモーショナル豊かなテナー。良い。難しい理屈抜きに直感的に「良い」。

バックのリズム・セクションも好調で良い感じ。特に、ピアノのジュニア・マンスが、躍動的でファンキーなピアノをガンガンに弾きまくっている。さすがライヴやなあ。マンスがこれだけバリバリ弾きまくるとは思わなかった。このマンスのピアノに煽られて、鼓舞されて、ロックジョーとグリフィンがテナーを更に吹きまくる。熱気溢れるライヴである。

このライヴ盤、ジャズを聴き始めて、20年目に出会った。ジャズの裾野は広い。長くジャズ盤を探索し、聴けば聴くほど、小粋な盤、隠れ好盤に出会う。そして、それが30年になり、40年になり、ジャズ盤の探索は終わりが無い。全く、ジャズの裾野は広い。いつまた、小粋な盤、隠れ好盤に出会うか判らない。よって、ジャズ盤の探索は止められない。
 
 

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2022年10月20日 (木曜日)

カナダのジャズ・バンドの異色盤

The Cookers Quintetは、カナダ出身のジャズ・バンド。演奏の基本は「ハードバップ、もしくはファンキー・ジャズ」。21世紀に入ってからの演奏トレンド「ネオ・ハードバップ」とは異なる、どちらかと言えば、1950年代後半の古き良き時代の「ハードバップ」。

そして、もう1つの演奏の基本が「モード・ジャズ」。これも、21世紀に入ってからの演奏トレンド「ネオ・モード」とは違う、1980年代後半からの「新伝承派のモード・ジャズ」とも違う、1950年代後半から1960年代前半のマイルスやコルトレーンがやっていた「モード・ジャズ」。

The Cookers Quintetの演奏は、古き良き時代のハードバップ、もしくはファンキー・ジャズであり、モード・ジャズである。だから聴いていて「あれっ」と思う。しかし、録音が新しいので、再び「あれっ」と思う。実に整った元祖ハードバップであり、元祖ファンキー・ジャズであり、実に良く練られた元祖モード・ジャズである。このジャズの化石のような演奏が、意外と聴いていて面白いのだから、ジャズって判らない(笑)。

The Cookers Quintet『The Path』(写真左)。2021年10月23義、カナダのバンクーバーでの録音。ちなみにパーソネルは、Ryan Oliver (ts), Tim Hamel (tp), Bernie Senensky (p), Alex Coleman (b), Joe Poole (ds)。ハード・バップ~モード・ジャズの魅力を今に伝えるカナダのジャズ・グループ、ザ・クッカーズ・クインテットの通算4作目。
 

The-cookers-quintetthe-path

 
収録曲は全て、バンドのオリジナル曲なんだが、フロント楽器の吹き上げるフレーズを聴いていると、どこか、コルトレーンを想起したり、ホレス・シルヴァーを想起したり、デクスター・ゴードンを想起したり、ウェイン・ショーターを想起したり。まだ、リズム隊のベースを聴いていると、レイ・ブラウンを想起したり、チェンバースを想起したり。

しかし、オリジナルの演奏に比べると、洗練さと繊細さが加味されているところが「ミソ」。21世紀に入ってからの演奏なので当然といえば当然なんだが、古き良き時代のハードバップ、もしくはファンキー・ジャズ、モード・ジャズが、現在において、洗練されて、新しいオリジナル曲となって、リニューアルされているところが、このバンド演奏の面白さ。

洗練さと繊細さが実に趣味良く、実に小粋に反映されているところが無ければ、単なる古き良き時代のジャズのコピー・バンドとして無視されるところである。すれすれのところで、この盤は、現代ジャズの好盤として評価できる。

古き良き時代のハードバップ、もしくはファンキー・ジャズ、モード・ジャズを、現代のジャズ・シーンに、雰囲気そのままに甦らせる。カナダ出身のジャズ・バンドだから出来る、良い意味での「暴挙」(笑)。
 
 

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2022年10月17日 (月曜日)

粋なオールド・スタイル・テナー

スイング時代からビ・バップを経験すること無く、中間派を経由して、ハードバップ期に至るまでの期間、三大テナーマンとして君臨したのが、コールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスター、レスター・ヤング。この3人は、ロリンズとコルトレーンが新しいスタイルのモダン・テナーを流行らせるまで、テナー・サックスの吹奏スタイルを代表する3人だった。

今では「オールド・スタイル」と形容される、テナー・サックスの吹奏スタイルで、濃厚なビブラート、音のしゃくり、様々な装飾音、サブトーンの多用などが特徴。吹奏のテンポはスロー〜ミッドテンポで、高速フレーズは基本的に吹かない。この「三大テナーマン」は、この「オールド・スタイル」な吹奏で一世を風靡したのだ。

『Coleman Hawkins Encounters Ben Webster』(写真左)。1957年10月16日、LAでの録音。ちなみにパーソネルは、Coleman Hawkins, Ben Webster (ts), Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b), Alvin Stoller (ds)。そんな三大テナーマンのうちの2人、コールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスターが共演した素敵なアルバム。

この盤のホーキンスとウエブスターのテナーを聴けば、オールド・スタイルと呼ばれる吹奏スタイルが良く判る。モダンだのモードだの全く眼中に無し。そこにあるのは「ジャズ・テナーの基本」。粋なジャズ・テナーである。

音が基本的に大きい。表現力は半端なく、歌心は豊か。吹奏テクニックはレベルが高く、ビブラート、しゃくり、装飾、サブトーン、どのテクニックも難なくこなす。そんな「ジャズ・テナーの基本」がこの盤に詰まっている。

吹奏のテンポもスロー〜ミッドテンポで固められ、2人のテナーを楽しむ、2人のテナーをじっくり聴く、いわゆる「聴かせるジャズ」が展開される。アドリブ・フレーズもバリエーション豊か。たまに「引用」などもかましながら、粋なジャズ・テナーを展開していく。
 

Coleman-hawkins-encounters-ben-webster_1

 
ヴァーヴは大手レーベルなので、実験的、先進的なジャズを追求すること無く、一般大衆に向けた「聴き心地の良いジャズ」をプロデュースする傾向にある。それが、この盤にバッチリ反映されている。

1つ間違えば「イージーリスニング的な軽音楽」に陥りそうなオールド・スタイルの吹奏だが、ホーキンスとウエブスターの卓越したテクニックと豊かな歌心を兼ね備えたテナーが聴き応え満点で、最後までじっくりと聴き込んでしまう。まるで唄うが如くのテナーで、一流のジャズ・ボーカルを聴き込んでいる錯覚に陥る様な、そんな感じがとても心地良い。

リズム・セクションの要、ドラムにアルヴィン・ストーラーを起用しているのも合点がいく。ストーラーは、フランク・シナトラをはじめ、シンガー御用達ドラマー。フロント2管、まるで唄うが如くのホーキンスとウエブスターのテナーをしっかりとサポートし、しっかりと鼓舞している。

バックに控えるリズム・セクションもふるっていて、当時、ヴァーヴ専属だった、ピアノの達人のピーターソン、燻し銀ギターのエリス、ベース職人ブラウンの、当時の「オスカー・ピーターソン。トリオをまるまる起用している。さすが、当時の大手ジャズ・レーベルのヴァーヴ。リズム・セクションにも一流どころをしっかりと起用して、全く手を抜かない。

1957年、ハードバップ成熟期の中での、オールド・スタイルのテナー盤。内容としてどうだろう、当時の流行だったモードやファンキーに迎合していないか、不安だったが、それは全くの杞憂であった。モダンやモード、ファンキーなど全く眼中に無し。自分達のスタイルである「オールド・スタイル」そのままに、モダンなジャズを展開している。いやはや豪気である。
 
 

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2022年10月11日 (火曜日)

ブロンバーグのベース・ソロ盤

ベーシストがリーダーのアルバムには、テクニックを重視した、その特徴的な演奏テクニックを全面に押し出した内容のものも多くあるのだが、ベース・ソロだけのアルバムは殆ど無い。

その理由として、ベースの場合、速いフレーズのソロを取りにくいこと、そして、リズム&ビートを醸し出すのが、基本的に難しいこと、その2点が上げられるだろう。

Brian Bromberg『Hands』(写真)。2008年7月録音。ちなみにパーソネルは、Brian Bromberg (ac-b)のみ。副題の「Solo Acoustic Bass」とある。 2009年4月にリリースされた、ブライアン・ブロンバーグのアコベのソロ盤。全編、風呂バーグのベース・ソロのみの演奏が収録されている。

ブライアン・ブロンバーグ(Brian Bromberg)は、米国アリゾナ州ツーソン出身。1960年生まれなので、今年で62歳になるベテランのベーシスト。1986年にスムース・ジャズのジャンルで初リーダー作。僕は21世紀に入るまで、ブロンバーグの存在を知らなかった。ブロンバーグの存在を知ったのは、神保彰とのプロジェクト、JBプロジェクトを通じてで、つい最近である。

ブロンバーグのベースは、相当に高いテクニックと豊かなスイング感、骨太でソリッドな切れ味の良い重低音、存在感抜群のベースである。そんなアコベらしいアコベで、ソロ・パフォーマンスを展開するのだから、聴く方としては興味津々。

これまでに、ブロンバーグはリーダー作の中で、ベース・ソロのアルバムを何枚か出している。どれもが優れた出来ばかりなので、どの盤から聴き始めても良いのだが、僕はこの『Hands』の収録曲のユニークさに惹かれる。
 

Brian-bromberghands

 
レッド・ツェッペリン(以降、Zepと略)の「Black Dog」、ビートルズのメドレー「Day Tripper-Yesterday-Eleanor Rigby」、スティングの「King of Pain」とロック畑の曲を選んでいる。スタンダード曲も沢山あって聴きどころ満載。そして、エレベのイノベーター、ジャコ・パストリアスの名曲「Teen Town」をアコベでカヴァーしている。

特に、Zepの「Black Dog」はハードロックの名曲で、速くて難度の高いフレーズがてんこ盛りなんだが、このややこしい曲をアコベ一本で弾き切っている。ベース一本でロックンロールのビートは「どうするんじゃぃ」と半信半疑で聴いたが、これが見事で、弾き進めるフレーズに強弱のビートを付けて、ロックなオフビートを出しているのだ。これ、テクとセンスが無いと出来ない技である。

そして、ジャコの「Teen Town」。ジャコのベース・ソロはエレベだった。弦の響きを電気的に増幅するので、速いフレーズも弾けた訳だが、これをブロンバーグはアコベでやっている。アコベは弦の電気的な増幅が出来ないので、手でしっかりと弦を弾かなければならない。当然、しっかり弾く分、速いフレーズは苦手なはずだが、ブロンバーグはほぼジャコの様に、アコベで「Teen Town」をカヴァーしている。いやはや素晴らしいテクニックだ。

ロックな曲も、ジャコの曲も、スタンダード曲もし全てアコベ一本で弾き切る。どの曲も、リズム&ビートは、フレーズを弾き進める際、フレーズに強弱を付け、「ため」を織り込むことで、フレーズを弾き進める中で、リズム&ビートを同時供給している。これ、結構、難しいテクニックのはずで、これだけ見事に、フレーズを弾き進める中でリズム&ビートを同時供給するベースを僕は余り知らない。

全編、アコベのソロだけ、なんだが、そんな高度なテクニックを駆使して、歌心よろしく、リズム&ビートをソロ・フレーズと同時供給していく奏法が功を奏して、全編、全く飽きが来ない。録音状態も良く、ブロンバーグの生々しいアコベの低音が生々しく耳に迫ってくる。

ジャズ・ベースが好きなジャズ者の方々にお勧め。特に、実際にベースを弾いたことがあるジャズ者の方に聴いて頂きたい、ブロンバーグのソロ盤である。
 
 

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2022年10月 7日 (金曜日)

マックス・ローチの隠れ名盤

マックス・ローチと言えば、主にビ・バップ時代からハードバップ時代に、活躍したレジェンド級のジャズ・ドラマー。

典型的なバップ・ドラミングで、テクニックもずば抜けて優秀なのだが、ハードバップ後期、ジャズの多様化の時代において、モード・ジャズやフリー・ジャズなど、従来とは異なる、新しいスタイルが登場したが、ローチは一貫してバップ・ドラミングを貫いている。

『Max Roach + 4』(写真)。1956年9月17, 19 & 20日の録音。ちなみにパーソネルは、Max Roach (ds), Kenny Dorham (tp), Sonny Rollins (ts), Ray Bryant (p), George Morrow (b)。CDリイシュー時は全9曲だが、もともとのオリジナルは全6曲。後半の7〜9曲目はピアニストが異なるボートラで、通して聴くと違和感があるので、僕は無視して聴くことにしている。

とにかく元気一杯のハードバップである。フロントはケニー・ドーハムのトランペットと、テナー・サックスのソニー・ロリンズの2管フロント。この2管フロントが元気溌剌、全編に渡って、バリバリ吹きまくっている。

好不調の波が心配なトランペットのドーハムだが、この盤では元気溌剌、バリバリ吹いている。好調時のドーハムは、一流のハードバッパーとして、溌剌とブリリアントに、ミス無くヨレずに、しっかりとしたトランペットを吹く。ブラスの響きも芳しい素敵なトランペット。

そして、テナー・サックスのソニー・ロリンズ。録音当時は26歳。若きテナー・タイタンとして貫禄十分、スケールの大きい、テクニック確かなテナーを吹きまくっている。
 

Max-roach-4

 
ブラスの輝く様なブリブリとした響きが耳にしっかり伝わってくる。ロリンズのハードバップ期の代表的名演に上げても良いくらい、ロリンズは絶好調である。逆に、ロリンズの代表的名演のひとつに上げられていないことが不思議なくらい、この盤のロリンズは優秀。

そして、リーダーのマックス・ローチのドラミングも見事。高度なテクニックを駆使して、好調の2管フロントをサポートし鼓舞する。ローチのドラミングは、とにかく目立たないと気が済まないらしく、フロント2管のバックで、様々なテクニックを駆使して、複雑なドラミングを展開していて、思わず苦笑い。

ドラム・ソロもふんだんにあって、ここでも、とにかく目立つ目立つドラミングを披露する。それでも、テクニックが圧倒的に優秀なので「耳に付かない」ところがローチのドラミングの凄いところ。この盤でのローチは絶好調で、ローチのドラミングの個性が手に取るように判る。

ピアノとベースのリズム隊も好調。ブライアントのピアノはファンキーでブルージーなピアノ。堅実なタッチで、しっかりとフロントにリズム&ビートを供給している。

そして、今回、見直したのは、ジョージ・モローのベース。ブラウン=ローチ・クインテットで聴いてはいたが、こんなに骨太でソリッドな「ブンブン・ベース」を弾きまくるベーシストという印象が無かっただけに、この盤のモローのベースは「凄いなあ〜」と感心することしきり、である。

あまりマックス・ローチの代表盤として、この盤の名前が上がることが少ないが、内容は一級品。マックス・ローチのハードバップ期の隠れ名盤、として良いと思う。政治的な音楽志向に傾く前の、純粋なバップ・ドラマーとしてのマックス・ローチのドラミングが堪能出来る。
 
 

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2022年9月28日 (水曜日)

歌伴上手なシアリングである

やっと涼しくなってきた。日中、陽射しが強い日はまだまだ蒸し暑かったが、今日は強い北風が日中から吹いて、カラッとした秋らしい好天となった。涼しくなってくると、夜、ジャズ・ボーカルを聴く気になってくる。しかし、ベッタベタ、重厚で本格的なジャズ・ボーカルは苦手なので、健康的で明るいキュートな歌声を探すことになる。

The George Shearing Quintet with Nancy Wilson『Swingin's Mutual』(写真左)。1960年6ー7月、1961年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Nancy Wilson (vo), George Shearing (p), Dick Garcia (g), Warren Chiasson (vib), Ralph Peña (b), Vernel Fournier (ds), Armando Peraza (perc)。ナンシー・ウィルソンのボーカルとジョージ・シアリング・クインテットとの共演である。

小粋なジャズ盤を探索していて、ストックしておいた盤の中に、ボーカル盤は無いか、と探したら、この盤が最初に目に付いた。ナンシー・ウィルソンか。1960年、キャノンボール・アダレイの後押しでメジャー・デビュー。後に米国の国民的スターになったウィルソンの24歳の時、デビュー盤からの3作目。

ナンシーのボーカルは、パワフルで軽快、スイング感溢れ、情感豊かに可憐に歌い上げる、エレガントなボーカル。癖が無く、「こぶし」も回らず、ストレートな歌唱。これが良いのですね。癖を前面に出して、ビブラート豊かに「こぶし」を回して唄う、ジャズ・ボーカルはちょっと苦手です。
 

George-shearing-with-nancy-wilsonswingin

 
そして、バックに控えるのが、ジョージ・シアリング率いるクインテット。シアリングは1912年生まれ。クール・ジャズの第一人者として活躍した盲目のピアニスト。スイングから中間派、そして、ハードバップとジャズの数々のスタイルを弾きこなした職人的ピアニストである。

シアリングのピアノには「癖」がない。端正で流麗、緩急自在で揺らぎは無い。元祖「総合力勝負」のピアニストだと思うのだが、この歯切れの良いタッチでの端正さと流麗さが個性といえば個性。アドリブも端正で癖が無い。この元祖「総合力勝負」なピアニストは歌伴にも優れている。この盤でも「歌伴上手」なシアリングのピアノが、全編に渡って、とても印象的に響いている。

冒頭には、僕の大好きなスタンダード曲「On Green Dolphin Street」が入っているから、更に良い。この曲、演奏するにも唄うにも難曲の類だと思うんだが、ナンシーは全く揺らぐこと無く、しっかりビートに乗って、端正に流麗にメリハリをバッチリ効かせて唄い上げていく。この1曲だけでもこの盤は「買い」ですね(笑)。

ナンシーの魅力的でキュートな歌唱、スインギーで端正で流麗なシアリングの歌伴。聴きどころ満載で一気に聴き切ってしまう。スッキリとした味わい深いボーカル盤。シアリングのピアノを楽しむにも恰好の「小粋なジャズ盤」である。
 
 

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2022年9月 6日 (火曜日)

スイス発の「小粋なジャズ」盤

小粋なジャズ盤を探し始めて久しい。が、ジャズ盤の音を初めて耳にして以来、約50年が経過したが、未だに「この盤は聴いたことがない」という、自分にとっての「初出盤」に出会うことがある。特に、我が国では、米国ジャズほどは人気が無く、流通することが少なかった欧州盤は特にその傾向が強い。

Boillat Thérace Quintet『My Greatest Love』(写真)。1975年、スイスでのリリース。ちなみにパーソネルは、Jean-François Boillat (ac-p, el-p [Rhodes] ), Rogelio Garcia (ts, perc), Raymond Therace (ts, as,fl), Roger Vaucher (el-b), Eric Wespi (ds), guest : Benny Bailey (tp, flh)。スイスのワラ・テラセ・クインテットの1970年代レア盤のリイシューとのこと。

スイスですよ、スイス発の純ジャズ盤。1975年と言えば、我が国では米国ジャズがメインで、欧州ジャズはECMレーベルの情報がジャズ雑誌経由で流れてくる程度。欧州ジャズ盤はレコード屋ではまずお目にかかれなかった時代。そんな時代に「スイス・ジャズ」盤である。聴いたことが無いのも無理は無い、と思いつつ、2022年の今、何故にして、この1975年リリースのスイス盤がリイシューされたのか、理解に苦しむ。

しかも、このジャケット・デザインである。最初は見た時は「お洒落な聴き心地の良いジャズのコンピ盤」かと思った。しかし、ジャズ盤というのは「聴いてみるもの」である。
 

Boillat-thrace-quintetmy-greatest-love

 
冒頭の「Prompt」の洒落たフェンダー・ローズの音、軽めだがソウルフルで歌心溢れるサックス&トランペット。端正でソフト&メロウな、エレクトリック・ビートを刻むリズム隊。一聴すると、フュージョン・ジャズかな、と思うのだが、リズム&ビート含めて、しっかりと「純ジャズ」している。

選曲も1975年リリースらしく、フレディ・ハバードの「ジブラルタル」、ケニー・ドーハムの「ブルーボッサ」が入っていて、この演奏が、これまた「小粋」なのだ。クインシー・ジョーンズ・オーケストラやディジー・ガレスピー楽団に参加した、いぶし銀トランぺッター、ベニー・ベイリーがゲスト参加していて、これがまた、雰囲気の良い、リリカルで耽美的でスムースなトランペット&フリューゲルホーンを聴かせてくれる。

ガリガリ硬派の純ジャズ志向の欧州ジャズでは無く、どこかポップでライトで明るいエレ・ジャズ。それでいて、しっかりと「純ジャズ」しているから隅に置けない。リラックスして気楽に聴ける「小粋なジャズ」盤。これが、1975年のスイスでリリースされたというから驚きである。

でもなあ、このジャケットは無いよなあ。ほんと、最初見た時は「お洒落な聴き心地の良いジャズのコンピ盤」かと思いましたよ。
 
 

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2022年9月 1日 (木曜日)

カナダ発の「小粋なジャズ」盤

小粋なジャズは、何も過去の時代のジャズばかりが対象では無い。21世紀に入ってリリースされた新盤の中にも「小粋なジャズ」盤はあるし、フュージョン・ジャズの中にも「小粋なジャズ」盤は存在する。つまりは、米国のハードバップ時代の盤だけが「小粋」じゃ無いし、欧州ジャズ盤にも「小粋」な感覚はある。

Cookers Quintet『Vol.1』(写真左)。2011年のリリース。ちなみにパーソネルは、Ryan Oliver (ts), Tim Hamel (tp), Alex Coleman (b), Richard Whiteman (p), Joel Haynes (ds)。オール・カナダ出身のジャズマンで固められたクインテットの第一集。収録された全8曲、全てが自作曲。ジャズ・スタンダード曲は一曲も無い。これが何だか「潔い」。

ジャズ・スタンダード曲は入っていない。パーソネルを見渡して、知っている名前はいない。2011年リリースの新盤であり、過去の時代のジャズ盤のリイシューでも無い。では、どうして、この盤を手に取って聴くに至ったのか。それはこの「ジャケット」である。とてもお洒落な、爽やかなエロティシズムを感じさせてくれる、女性の写真をあしらったジャケット。へ〜、こんな盤あったんや、と軽い気持ちで聴き始めたのである。
 

Cookers-quintetvol
 

これが、意外と聴き応えがあるのだから、ジャズの裾野は広く、ジャズはグローバルなものなんだ、ということを改めて強く感じた次第。クインテットのメンバー全員、カナダ出身、ですよ。この盤の演奏のレベルは非常に高い。米国の隣国でありながら、カナダの音楽シーンについてはピンと来るものが無かったので、このクインテットの演奏力にはビックリした。

内容的には、それまでのジャズの歴史を振り返るような、メインストリーム系の純ジャズの演奏トレンド、演奏スタイルを踏襲した演奏がズラリと並ぶ。これは「小粋」なことするなあ、と感心した。なるほど、安易にジャズの演奏トレンドやスタイルをどうしても想起して先入観が入る、ジャズ・スタンダード曲を選ばなかった訳だ。

ハードバップ、モード・ジャズ、ファンキー&ソウル・ジャズなどを、自作曲を通じて演奏する。聴いていて、「あれ、どっかで聴いことがある?」と思わせる様な、過去のジャズ資産を踏襲した純ジャズな演奏がてんこ盛り。スタンダード曲を入れずに、スタンダード曲を想起させる、過去のジャズの演奏トレンドやスタイルを前面に押し出して、自作曲を演奏する。まず、この盤の企画自体が「小粋」である。ジャケの良し悪しに関わらず、一聴をお勧めしたい。
 
 

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