2022年11月24日 (木曜日)

Return to Foreverのラジオ音源

Return to Forever(リターン・フォー・エヴァー・以下RTFと略)のブート音源はあまり見かけ無いのですが、今回、音源のサブスク・サイトにアップされてきた音源を見つけた。エレクトリック化したRTFの、ギターが、ビル・サマーズからアル・ディ・メオラに変わったばかり、『Where Have I Known You Before(邦題 : 銀河の輝映)』を録音したばかりの時期のライヴ音源である。

Return to Forever『Alive In America』(写真左)。1974年8月8日のライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (key), Stanley Clarke (b), Al Di Meola (g), Lenny White (ds)。コロラド州デンバーのエベッツ・フィールドのラジオ放送の音源とのこと。ラジオ音源なので、意外と音が良い。

冒頭「Beyond The Seventh Galaxy」から「Vulcan Worlds」〜「The Shadow Of Lo」〜「Where Have I Known You Before」と、『Where Have I Known You Before(邦題 : 銀河の輝映)』に収録されている楽曲が迫力あるパフォーマンスで展開される。たった4人の演奏とは思えない、ど迫力の分厚い演奏にちょっとビックリする。メンバーそれぞれの演奏能力の高さが窺い知れる。
 

Return-to-foreveralive-in-america

 
特に、さすがはチック、キーボードの演奏力はずば抜けている。当時、エレキの演奏といえば、プログレッシブ・ロックだが、プログレのキーボード演奏などとは比べものにならない、切れ味の良い高度なテクニック、迫力ある分厚い音、官能的に歪んだ音、疾走感溢れる弾き回し。とにかく、キーボードのテクニックが凄い。なるほど、当時、エレ・マイルスが愛したキーボーダーである。

このライヴ音源には、メンバー各人のロング・ソロが入っている。その中でも、スタンリー・クラークのエレベのソロ・パフォーマンスが「ど迫力」。レニー・ホワイトのドラム・ソロも意外と聴き応えがある。チックのソロは曲目のタイトルに無いが、ラストの「Song to the Pharoah Kings」で、チックのキーボードがふんだんにフィーチャーされている。ディメオラのソロはとにかく超絶技巧。あまりに超絶技巧で聴いていて飽きてくる(笑)。

ただし、このメンバー各人のソロは、それぞれの楽器のパフォーマンスに興味のある向きには聴き甲斐があるが、一般のジャズ者の方々には、ちょっと冗長かもしれない。それを考えると、このライヴ音源って、ちょっと趣味性が高い。そこを勘案して、このライヴ音源を鑑賞していただきたい。当時のRTFの演奏力のずば抜けた高さをダイレクトに実感出来る内容で、聴き応えは十分です。
 
 

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2022年11月 3日 (木曜日)

スナーキー・パピーのライヴ盤

Snarky Puppy(スナーキー・パピー)。は、ベーシストのマイケル・リーグ率いる米国のインスト集団。音の志向は「ジャズ、ロック、ワールド ミュージック、ファンク」の音要素を融合したもの。ファンクネスはライトで薄め、ワールド・ミュージックの要素も変化を付ける為の小道具的扱いで、基本は、8ビートに乗った、ピアノ&キーボード、時々エレギをフロント・メインとしたインスト。高速8ビートのスムース・ジャズといった雰囲気。

Snarky Puppy『Live at GroundUP Music Festival』(写真左)。2022年3月のリリース。マイケル・リーグが主催しているレーベルの〈GroundUP Music〉が毎年マイアミで開催しているフェスでの音源をまとめたライブ盤。スナーキー・パピーとして、2番目の「ライブ&インコンサート」のアルバムになる。スタジオ録音では無い、ライヴ録音というところがこの盤の「キモ」の部分だろう。

とても高度なテクニックに裏打ちされた、揺るぎない、破綻の無い、流れる様な8ビートのインストで、ライトで薄めではあるが、ファンクネス漂い、明快で重量感のあるオフビートの演奏なので、このインスト演奏は「ジャズ、もしくはフュージョン、またはスムース」と解釈される。電気楽器を活用しているが、音質として生楽器に近いテイストをしているので、テクノ・ポップっぽい、無機質な音作りにならないところが良い。
 

Snarky-puppylive-at-groundup-music-festi

 
力感溢れる演奏ではあるが、実に流麗な演奏。ひとつ間違えば、高度なテクニックのエレクトリックなイージーリスニングに陥りそうなんだが、上手くファンクネスをビートに効かせ、時折、ワールド・ミュージックな音の要素を織り込んで、単調さ、マンネリを防止している。バックの低音を強調した8ビートな「リズム&ビート」が強力なので、躍動感が高まり、ダンス・ミュージックな雰囲気も漂うところが面白い。

キーボードがフロント・メインな演奏が多いので、どこかプログレッシヴ・ロックの様な雰囲気も漂うインストは、しっかりオフビートを効かせて、聴き手を「乗せる、煽る、躍らせる」音楽を切れ目無く供給する。お洒落でスムースなダンス・ミュージックと表現しても良いかもしれない。

スナーキー・パピーのインストは「ばらつき」が無い。どの演奏も、その演奏テクニックは高度、「ジャズ、ロック、ワールド ミュージック、ファンク」の要素を融合した音の志向、そして、明快で重量感のあるオフビート、という個性をしっかり守った、流麗でダンサフルなエレ・インストは聴いていて気持ちが良い。
 
 

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2022年10月23日 (日曜日)

聴いて楽しく、体が揺れる盤

ブルーノート・レーベル時代のブルー・ミッチェルのリーダー作って、ファンキー・ジャズというよりは、その先、ジャズロックやソウル・ジャズを志向していたと思うのだ。聴いて楽しい、聴いて踊れるジャズ。そんなエンタテイメント志向のジャズを目指していたように思うし、それをしっかり実現していた。

Blue Mitchell『Down with It!』(写真左)。1965年7月14日の録音。ちなみにパーソネルは、Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Chick Corea (p), Gene Taylor (b), Al Foster (ds)。昨日ご紹介した前リーダー作『The Thing to Do』と同じメンバーでの演奏。前作が1964年7月の録音だから、約1年後の同一メンバーでの録音になる。

いきなり、ジャズロック風の「Fungii Mama」で幕を開ける。これが、演奏自体のかなり充実していて、曲の良さもあって、聴き応えのある演奏になっている。この1曲だけでも、この盤は「買い」だと思わせるくらいの、典型的なジャズロック。

うへ〜と思っていたら、2曲目は、ちょっとモーダルなファンキー・ジャズ「Mona's Mood」になって、グッとクールでアーバンな雰囲気にガラッと変わる。でも、演奏の底に濃厚に漂っているのは、軽快でカラッとした「ファンクネス」。ミッチェル&クックのフロント2管のファンキーなユニゾン&ハーモニーが、そのファンクネスを更に深める。
 

Blue-mitchelldown-with-it_1
 

3曲目は素敵なモーダルなバラード「Alone, Alone and Alone」。我が国のトランペットの第一人者、日野皓正作の名バラードである。間と音の拡がりを活かした、いかにも「和ジャズ」風なモーダルなバラード。ミッチェルのトランペットに哀愁感が漂い、ブリリアントで柔和な吹き上げと共に、映えに映える。

4曲目「March On Selma」以降は、ミッドテンポの落ち着いた雰囲気の、クールでアーバンなファンキー・ジャズ〜ジャズロックな曲が続いて、来ていて、思わず体が揺れるし、無意識に足でリズムを取っていたりする。

このバンド・メンバーの、特にリズム・セクションのノリが凄く良い。チックのファンキーな躍動感溢れるピアノも良いし、とりわけ、アル・フォスターのドラミングがジャズロックにばっちりフィットしている。ジーン・テイラーのファンキー・ベースが、このバンドの演奏の「底」をガッチリと押さえている。

名盤という類の盤では無いが、聴いて楽しい、聴いて体が揺れる、クールでアーバンなファンキー・ジャズ〜ジャズロック盤である。楽しむジャズとして良い雰囲気をしていて、聴き込んで、1965年のジャズの流行スタイルがとても良く判る。好盤である。
 
 

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2022年10月 8日 (土曜日)

Miles Davis『Rubberband』

最近、マイルス・デイヴィスの発掘ライヴ盤が幾枚かリリースされている。しかし、マイルスの未発表音源って、まだまだあるんやな、と感心する。

ピアノでは、ビル・エヴァンスの未発表音源が未だにチョロチョロと出るんだが、マイルスも負けずにチョロチョロ出てくる。これは当然「需要」があるからで、確かに、ビルにせよ、マイルスにせよ、発掘音源が出れば「ゲット」である(笑)。

Miles Davis『Rubberband』(写真左)。1985年10月〜1986年1月の録音。2019年9月のリリース。ちなみにパーソネルというか、録音のコア・メンバーが、Miles Davis (tp, key, syn), Randy Hall (g, prog), Attala Zane Giles (g, b, drum prog, key), Vince Wilburn, Jr. (ds), Adam Holzman (key), Neil Larsen (key), Michael Paulo (sax), Glenn Burris (sax), Steve Reid (per) 辺りと思われる。

かなり以前からその存在が知られており、長らく伝説と伝えられていた、この「ラバーバンド・セッション」。それが、今回、全貌を現したということになるが、リリースに際して、オリジナルのままでのリリースは不適切と判断、今の時代に相応しい音源としてリニューアルしたのが、今回リリースされたもの。それだったら、オリジナル音源とリニューアル後の音源と、2つの音源をカップリングして出すべきだろう。

これでは、この音源の良し悪しが判断出来ない。マイルスのトランペットだけは触っていないとのことだが(当たり前だろ・笑)、バックの演奏については、どこまでオリジナルを残して、どれをどうやって取り直したのかが全く判らない。ただ、少なくとも、それぞれの曲の持つコンセプトや志向については触っていないらしいので、当時、このセッションで、マイルスが何を目指していたかは判るのかな、とは思う。
 

Miles-davisrubberband

 
当時のマイルスのコンセプトと志向を踏まえた演奏だが、明らかにマイルスは先を見据えていたことが良く判る。マイルスが長年在籍していたColumbiaを離れ、Warner Bros.への移籍を決断した時期の録音で、『You're Under Arrest』と『Tutu』との間を埋めるセッションである。

今の耳で聴くと「おっ、こりゃ凄いわ」と身を乗り出して、聴き耳をたてるくらいだが、当時の最先端のR&Bやファンクのエッセンスの大量注入と先鋭的なヒップホップ志向の音作りは、当時として、かなり「過激」で、当時、この音源が出ていたら、かなりショックを受けていたのでは、と思うくらい尖っている。ちょっと聴いただけで、これマイルスでしょ、と判るくらいに過激に尖っている。

曲毎の詳細については、既にネットに大量に出ているので、そちらを参照されたい。一言でいうと、収録曲全11曲、どれもが「マイルス・オリジナル」。音的に全て「メイド・バイ・マイルス」だし、リズム&ビートだって、どう聴いても「マイルスのグルーヴ」。冒頭の「Rubberband of Life」なんて、ちょっと聞いただけで直ぐに判る「マイルスの合図」で始まる。く〜っ格好良い。

「復活前エレ・ファンクのコンテンポラリー化&リニューアル」と、「ジャズとして、より多様性を目指した融合の深化」の2点が、奇跡の復活以降のマイルスの音作りの狙いだったと思うのだが、その進行形がこの未発表音源にリアルに息づいている。現代においてでも、この内容に匹敵するコンテンポラリーなエレ・ジャズをクリエイトできるジャズマンは数える程しかいないんじゃないか。

他ジャンルとの「融合」、他ジャンルの音要素の「取り込み」は、ジャズの重要な要素のひとつ。そういう観点からも、このマイルスの『Rubberband』は「アリ」である。現代のジャズ・シーンの中でも十分通用する先進的な「融合」の音作りは、聴いていてとてもワクワクするし、クールでヒップである。さすが、マイルスとしか言い様がない。
 
 

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2022年6月22日 (水曜日)

CASIOPEA 3rdとしての音の変化

正統派フュージョン&バカテクのバンドであるカシオペア(CASIOPEA)。2006年にすべての活動を一旦休止。2012年にCASIOPEA 3rd(カシオペア・サード)として活動を再開。活動再開と同時に長年のオリジナル・メンバーであった、キーボード担当の向谷の脱退を受け、その後任として、大高清美の加入により現在の形態になる。ギターが野呂一生、ベースが鳴瀬喜博、キーボード大高清美、そしてドラムが神保彰(サポート)の4人編成。

フュージョンというよりは、ロック色が色濃くなり、ボンヤリ聴いていると「これってプログレッシブ・ロック」って思ってしまうほど。バカテクのプレグレ、という雰囲気。恐らく、大高のキーボードが、今回、さらに「キース・エマーソン」風になっているということ。成瀬と神保のリズム隊が、大高のキーボードに呼応して、ロックっぽくなっていること。それらが大きく作用している。

CASIOPEA 3rd & INSPIRITS『『4010』 Both Anniversary Gig』(写真左)。2017年12月24日、東京「EX THEATER ROPPONGI」にてのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 神保彰 (ds, サポート)。ISSEI NORO INSPIRITS と、CASIOPEA 3rd & INSPIRITS 両バンド・メンバーによる白熱のライヴを収録している。

2017年のライヴ音源。カシオペアとしては、2012年に「CASIOPEA 3rd」として再出発して、5年目のライヴ・パフォーマンス。直近のT-スクエアは、スムース・ジャズ化していったのだが、CASIOPEA 3rd は、ジャズ・ロック化していったようだ。
 

Casiopea-3rd-inspirits4010-both-annivers

 
このライヴ音源を聴いてビックリしたのが「CASIOPEA 3rdとしてのバンド・サウンドの変化」。CASIOPEA 3rd 結成当初の「バカテクのプレグレ」から、ポップなジャズ・ロック志向に変化しているように感じる。切れ味鋭い、バカテクな正統派フュージョン・ジャズとしてのカシオペアの面影はほぼ無くなっている。

大高のキーボードが前面に押し出される割合が増えているのが理由だろう。ポップなジャズ・ロック化が悪いといっているのではない。CASIOPEA 3rdとなって、再びサウンドが変化し、加えて「バカテク」という要素が後退、オリジナル「カシオペア」の音世界がほぼ払拭されたサウンドに変化した、ということである。長年の「カシオペア」者の方々の中には、この変化を「良しとしない」向きもあるだろうな。それほど、大きくサウンドは変化している。

サポートメンバーとして活動に帯同してた神保が、2022年5月28日のビルボードライブ大阪公演をもって卒業。新メンバーを補充して、CASIOPEA 3rd としての活動は継続するそうだが、新メンバーを迎えて更に、CASIOPEA 3rdとしての音世界は変化するだろう。

T-スクエアといい、カシオペアといい、時代の流れに伴う「変化」だから仕方が無いこととは言え、デビュー当時からずっと聴き親しんできた僕としては、このバンド・サウンドの変化について、どこか寂しい印象は拭えない。あの頃の音はアルバムで聴き返すしか無いんだろうなあ。
 
 

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2022年5月16日 (月曜日)

Simon Phillips『Protocol V』

ホールズワースの初リーダー作や、マクラフリンのライブ盤を聴いていて、ふと、ギタリストがリーダーでは無いが、ホールズワースやマクラフリンの様な「ハードなクロスオーバー&ジャズロック」なバンドの存在を思い出した。ドラムのレジェンド、サイモン・フィリップスのソロ・プロジェクト 「プロトコル」である。

この「プロトコル」は、1988年から続いているのだが、これまでに4枚のアルバムをリリースしている。どれもが「ハードなクロスオーバー&ジャズロック」で、聴いていて、ホールズワースやマクラフリンの音世界を彷彿とさせる。そんなサイモン・フィリップスのソロ・プロジェクトが、今年の3月、前触れなく、5枚目のアルバムをリリースしたのだから、思わずビックリした。

Simon Phillips『Protocol V』(写真左)。2022年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Simon Phillips (ds), Otmaro Ruiz (key), Jacob Scesney (sax), Alex Sill (g), Ernest Tibbs (b)。

2017年の『プロトコルIV』以来、約5年振りとなる新盤。ドラマーのサイモン・フィリップスがリーダーのアルバムながら、内容は、エレギとサックスとキーボードがメインの「ハードなクロスオーバー&ジャズロック」である。

もともとはロック畑のドラマーで、マイケル・シェンカー・グループ、ホワイトスネイクやザ・フーといった錚々たるグループで活躍してきたサイモン・フィリップス。ベースのアーネスト・ティブスは、前作にも参加した、サイモン・フィリップスの良き相棒。
 

Simon-phillipsprotocol-v

 
キーボードのオトマロ・ルイーズは、元ジョン・マクラフリン・バンドのメンバー。サックスのジェイコブ・セスニーは、ロベン・フォードやクリスチャン・スコットと共演し、ポストモダン・ジュークボックスにも参加している逸材。ギターのアレックス・シルは期待の若手。

サイモン・フィリップスは、今年で65歳。もうレジェンド級のドラマーなのだが、この新盤の音世界はとことん「尖っている」。まず、ギターのアレックス・シルの、とにかくプログレッシヴ・ロックっぽく、ハードでほどよく捻れたクロスオーバー風のエレギが「尖っている」。

同じフロントを担う、ジェイコブ・セスニーのサックスも、プログレッシヴ・ロックっぽく、ハードで捻れたクロスオーバー風のサックスが「尖っている」。ルイーズのキーボードは、しっかりと「クロスオーバー・ジャズ」に軸足をしっかり置いた、ジャジーなもの。決して、プログレッシヴ・ロック志向では無い。

そんなエレギとサックス、キーボードをサイモン・フィリップスのドラムが鼓舞し、リードする。サイモン・フィリップスのドラムはジャズロック。ジャジーでロックっぽい。フィリップスのドラムがジャジーになると、演奏全体はクロスオーバー志向となり、フィリップスのドラムがロックになると、演奏全体はロック志向になる。演奏全体をフィリップスのドラムがコントロールしているのが良く判る。

さすが、サイモン・フィリップスは、英国ロンドン出身のドラマー。この『Protocol V』の音は、プログレッシヴ・ロックとクロスオーバー・ジャズとの境界が曖昧な英国ジャズロックの音世界そのものであり、それがこの「プロトコル」の最大の個性。僕はこの音世界が意外と気に入っていて、意外とこの『Protocol V』、緩やかなヘビロテ盤になっている。
 
 

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2022年5月10日 (火曜日)

モントルーのマクラフリン集です

昨日、ジョン・マクラフリンのアルバムについて語った訳だが、ちょうど、もう一枚、マクラフリン関連のライヴ盤があることに気がついた。しかし、マクラフリンは、1942年生まれなので、今年で80歳の大台に乗る。21世紀に入ってからも、過激でダイナミックで尖ったエレギの「トップ集団」をキープしているのは凄い。

John McLaughlin & The Mahavishnu Orchestra『John McLaughlin: The Montreux Years』(写真左)。1984~2016年 歴代モントルー・ジャズ・フェスティヴァル出演時のライヴ音源を収録したベスト盤的内容。1984年のマハヴィシュヌ・オーケストラを率いての演奏から、1987年のパコ・デ・ルシアとのライヴ、そして新しい所では 2016年のフォース・ディメンションを率いてのライヴまでが収録されている。

マクラフリン自らが、膨大なライヴ音源の中から、選曲と編集を手掛けているらしく、演奏内容はどの曲もピカイチ。マクラフリン本人のエレギ・アコギはもとより、共演者のパフォーマンスもピカイチ。どの演奏も「どれだけ凄い人選をしてるん」と呆れるほどの、エモーショナルでダイナミックで尖り具合である。いかに、モントルー・ジャズ・フェスでの演奏は内容が濃かったか、である。
 

John-mclaughlin_the-montreux-years

 
マハヴィシュヌ・オーケストラ、シャクティ、スーパー・ギター・トリオ、ファイヴ・ピース・バンドなどの、その時代毎の先端を行くグループやユニットで活躍してきたマクラフリンだが、このモントルー・ライヴを聴いていると、これだけ個性の強いギターでありながら、バンドや共演者が異なれば、個性のベースはそのままに、しっかりとそのバンドの目指す音世界や共演者と目指す音世界に合わせて「音や弾き方」を微妙に変えているのには感心する。

特に「マハヴィシュヌ・オーケストラ」名義の演奏は、1970年代、一世を風靡したマハヴィシュヌでのエレギの音を忠実に再現している、というか、テクニック的に深化しているのが凄い。パコ・デ・ルシアとの共演では、あの「スーパー・ギター・トリオ」の時と同じ、アコギの音がブワーッと広がって、「ああ、これこれ、この音」と懐かしく思い出される。エレギ、アコギの音を聴いて、その時のバンドや共演者がすぐに浮かぶって、やっぱり凄い。

マクラフリンのギターの歴史を、モントルーのライヴ音源で振り返るって、やっぱり良い企画ですね。音もかなり良いし、演奏内容は充実してる、で聴き応え十分。やっぱり、マクラフリンって凄いな、って改めて思いました。脱帽です。
 
 

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2022年5月 7日 (土曜日)

ホールズワースの最高傑作です

現代においても、ジャズ・ギタリストには従来の伝統的なモダン・ジャズギター系と、クロスオーバー・ジャズより生まれ出でて発展した、クロスオーバー&フュージョン系のギターと2通りのスタイルに分かれる。どちらのスタイルも順調に深化を続けていて、有望な後継者もしっかりと出現していて頼もしい限りだ。

Allan Holdsworth『I.O.U.』(写真)。1979年の録音。1982年のリリース。ちなみにパーソネルは、Allan Holdsworth (g, vln), Paul Williams (vo), Gary Husband (ds, p), Paul Carmichael (b)。借金までして自主制作した初ソロ・リーダー作。ハードで心地良く捻れて、ウネウネ・フレーズを擁して訴求力抜群なホールスワースのエレギが心ゆくまで堪能出来る。

この盤がアラン・ホールズワースの正式なソロ・デビュー盤になる。この『I.O.U.』の前に、CTIにて録音した『Velvet Darkness』があるが、ホールズワースは「この録音はリハーサル・テイクで、正式にリリースを許可した覚えは無い」ということで、自身のリーダー作として認めていない。
 
Iou
 
確かに『Velvet Darkness』は荒削りな内容になっているので、それは「そういう理由やったんや」と思わず納得した。極的には『Velvet Darkness』は、ホールズワースとして納得いくものだった様で、よく聴けば、多くのトラックが、この『I.O.U.』に、より洗練され、完成度を上げて収録されていることが判る。とにかく、ホールズワースの初ソロ・リーダー作であり、かつ最高傑作の誉れ高い名盤である。

自身がもてるテクニックをふんだんに盛り込みつつ、しっかりとアレンジされた、ストイックでクールな演奏は、初リーダー作とはいえ、かなりのレベルにある。ホールズワースのエレギは、アームを駆使した捻れフレーズに、独特で流麗なレガート奏法をメインにバリバリ弾きまくっていて爽快。英国のプログレ・バンドを渡り歩いただけあって、基本はプログレ風、そこにジャジーな要素が加わるユニークな「ジャズロック」風フュージョン・ギターで、実に個性的。

バックのベース、ドラムのリズム隊も、ホールズワースのハードなエレギにしっかり耐え、なかなか迫力あるリズム&ビートを供給している。トリオでこれだけ迫力のある音が出せるなんて、凄いなあ。迫力だけじゃ無い、テクニックも優秀、歌心もあって、申し分の無いクロスオーバー&フュージョン系のエレギを聴くことが出来る。ホールズワースの才能の全てを感じ取る事ができる「ホールズワース入門」盤としても、なかなかイケる盤である。
 
 

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2022年4月13日 (水曜日)

エレ・マイルス発祥のアルバム

マイルス・デイヴィス(MIles Davis)は、ジャズを聴き始めた時からの「僕のアイドル」。特に、エレクトリック・マイルスの音世界は大好き。振り返ってみると、マイルスの主要な名盤については、当ブログで約10年から15年前に記事が集中していて、今、読み返すと、言葉足らずや表現足らず、情報足らずの部分が多々あるので、今回、補訂再掲することにした。まずは「エレ・マイルス」から。

MIles Davis『Miles in The Sky』(写真)。1968年1月16日、5月15–17日の録音。パーソネルは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), George Benson (g), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。後に、あのソフト&メロウな歌うジャズ・ギタリストとして一世を風靡したジョージ・ベンソンが、マイルス・バンド初のエレクトリック・ギタリストとして採用されている。

さて、この『Miles in The Sky』は、マイルスが初めて電気楽器を導入したアルバム。つまりは、エレ・マイルス発祥のアルバムである。8ビートを積極的に採用したアルバムでもある。いわゆる「4ビートからの脱却」。この『Miles in The Sky』は、マイルスの電化、そして、8ビート化のアルバムとした方が座りが良い。

冒頭の「Stuff」。1968年5月17日の録音。この「Stuff」が、マイルス初の8ビート・ナンバー。とてもシンプルな8ビートで、今の耳には凄く判り易い。この8ビート・ナンバーは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds) という、マイルスの60年代黄金のクインテットでのエレ・マイルスな演奏。

ロン・カーターがエレクトリック・ベースを、ハービー・ハンコックがフェンダー・ローズを使用させられてのエレ・マイルス対応。初めてのエレ楽器に、意外と苦戦している様子が聴いてとれる。どう聴いても「確信」を持って弾いているとは思えない、ちょっと恐る恐る演奏している風情。微笑ましいといえば微笑ましい。

逆に、トニー・ウィリアムスだけが喜々として叩きまくっている。8ビートという新しく魅惑的な課題を与えられて、単に8ビートを刻むだけで無い、ビートの間に様々なパターンのフィル・インを小まめに挟んで、淡々としたクールなシンバル・ワークで絶妙なビートを叩き出していきながら、様々なバリエーションの8ビートを叩き出している。これが凄い。今の耳にも「聴いたことの無い」8ビートなドラミング。
 

Miles_in_the_sky
 

そこに、マイルスとショーターが自由にモーダルなフレーズを紡いでいく。基本のリズム&ビートの反復によるグルーヴ感が醸成され、供給する8ビートが単純でクールな分、エレクトリック・ジャズのファンキーでエモーショナルなグルーヴ感が判り易い。

2曲目の「Paraphernalia」が面白い。エレクトリック・ギターの入ったセッションであるが、エレクトリック・ギターの参入の効果、いわゆる「エレクトリック・ジャズ」の雰囲気はほとんど感じられない。この盤以前の「モーダルで限りなく自由度の高いメインストリーム・ジャズ」が展開されている。ただし、エレギのカッティングの音は印象的であり、クールである。

他の曲「Black Comedy」や「Country Son」は『Miles Smiles』や『Nefertiti』の延長線上の演奏ばかりだが、8ビートの採用とトニーのグルーヴ感溢れる変幻自在な8ビートが効果的に作用して、このモーダルな演奏の雰囲気は、エレクトリックな「ジャズ・ロック」。

といって、コマーシャルで売れ線を狙ったジャズ・ロックとは違って、その演奏内容は硬派で秀逸。マイルスの60年代黄金のクインテットの面目躍如。マイルスのブロウは自由度が高く、凄まじいばかりの切れ味。トニーのドラミングは自由奔放、ショーターはほとんどフリーだし、ハービーは実にクールな響きのバッキングが個性的だし、ロンのベースはいつになく攻撃的。

エレ・マイルス発祥のアルバムである『Miles in The Sky』。我々エレ・マイルス者にとっては、冒頭の「Stuff」は絶対に外せない。そして、ジョージ・ベンソンの参入は不発には終わったが、この盤のベンソンのエレギの響きは今でも新鮮に響く。よって、続く2曲目の「Paraphernalia」の存在も、エレ・マイルス者にとっては外せない。

ジャケット・デザインも秀逸。「名は体を表す」というが「ジャケットは内容を表す」である。アコ・マイルスからエレ・マイルスへの過渡期ならでは「中途半端さ」が、エレ・マイルスの骨格を浮かび上がらせている。なかなか聴いていて興味深い、エレ・マイルスを理解する上では必須のアルバムである。
 
 

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2022年3月31日 (木曜日)

ユッコの『Colorful Drops』

jazzLife誌の「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事を読んでいて、久し振りに「ユッコ・ミラー」の名前に出会った。当音楽喫茶『松和』でも、2019年10月27日の記事で、この人の3rdアルバムを取り上げたことを思い出した。

このサックス奏者が出てきた時は、「我が国もここまできたか」とビックリするやら嬉しいやら。キャンディー・ダルファーを知った時、「ジャズもここまできたか」とビックリしたのだが、このユッコ・ミラー、和製キャンディー・ダルファーと形容するのがピッタリな、コンテンポラリーなジャズ・ロック&ジャズ・ファンクを得意としている。

そもそも「ユッコ・ミラー」とは何者か、である。エリック・マリエンサル、川嶋哲郎、河田健に師事。19歳でプロデビュー。 2016年9月、キングレコードからファーストアルバム「YUCCO MILLER」を発表し、メジャーデビュー。「サックスYouTuber」としても爆発的な人気を誇る、実力派サックス奏者である。確かに、彼女のサックスは正統派なもの。テクニックもブロウも確かなもの。決して、ヴィジュアル指向ではない。

ユッコ・ミラー(Yucco Miller)『Colorful Drops』(写真左)。2021年10月のリリース。ちなみにパーソネルは、ユッコ・ミラー (as, ss, vo, ewi), 岡聡志 (g), 半田彬倫 (key, vln, program), 須藤満, 岡田治郎 (b), 則竹裕之, 渡邊シン (ds)。ユッコ・ミラーの 4thアルバムである。ジャケットを見て引いてはいけない。正統派な、現代のジャズ・ロックとジャズ・ファンクがギッシリと詰まっている好盤である。
 

Colorful-drops_yucco-miller

 
冒頭のジャズ・ファンク「Smoky Light」を聴けば、ユッコ・ミラーは素姓確かなサックス奏者であることが良く判る。続く「New Experience」はアップテンポの難曲なのだが、ユッコ・ミラーは元気一杯の明るいブロウを披露する。これが実に良い。3曲目のスローなファンク・チューン「Be Myself」では、大らかな吹き回しの中に、そこはかとなく漂う哀愁感に耳が引かれる。

ユッコ・ミラーのサックスは、音がしっかり出て淀みが無い。速いフレーズは流麗に、ゆったりしたフレーズは情感豊かに吹き上げる。聴いていて耳に付かない、聴き心地の良い音はしっかりと印象に残る。ジャズ・ファンクの中にそこはかとなく漂う「マイナーな哀愁感」は、ユッコ・ミラー独特の個性。僕は「日本人らしいなあ」としみじみと聴いた。

6曲目の「Stream」のユッコと半田のピアノとのデュエットも哀愁メロディー・オンリーで訴求し、8曲目のジャズ・スタンダード曲「Fly Me to the Moon」のボサノバ基調のカヴァーも秀逸。ユッコのボーカルも味があって良い。

先に書いたが「ジャケットを見て引いてはいけない」。正統派な、現代のジャズ・ロックとジャズ・ファンクがギッシリと詰まっている好盤である。フュージョン・ジャズ者の方々には一聴をお勧めしたい盤ですね。
 
 

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