コルトレーンの進化途上の姿。
当ブログでの未記事のジョン・コルトレーンのリーダー作の「落穂拾い」は順調に進んでいる。先週、コルトレーンのディスコグラフィーを基に、当ブログで既に記事にしたリーダー作をチェック。リーダー作はあと7〜8枚程度残っているだけ、パブロ・レーベルのライヴ盤については、もともと今までノーマークだったので、未聴のライヴ盤が5枚。いよいよ、今年はコンプリートに向けて、ラストスパートである。
John Coltrane『Bahia』(写真左)。1958年7月11日、1958年12月26日の2セッションから寄せ集め。プレスティッジ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは以下の通り。
1958年7月11日のセッションは、3曲目「My Ideal」と4曲目「I'm a Dreamer, Aren't We All」で、John Coltrane (ts), Wilbur Harden (flh, tp), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。
1958年12月26日のセッションは、1曲目「Bahia」、2曲目「Goldsboro Express」、5曲目「Something I Dreamed Last Night」で、John Coltrane (ts), Freddie Hubbard (tp, track 5), Red Garland (p, track 1,5), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。
2つのセッションは、コルトレーンが、モンクの下でサイドマンとしての修業を終えて、モンクの下を離れた頃の録音。どの曲の吹奏にも自信が満ち溢れている。
2つのセッションの寄せ集めだが、コルトレーンに揺るぎが無いこと、リズム・セクションに、ガーランドのピアノとチェンバースのベースが両セッションに入っていること、で、セッションの雰囲気に違和感は無い。
冒頭のタイトル曲「Bahia」から、コルトレーン節が炸裂。まるでストリートを闊歩するが如く、悠然とゆったりとしたコルトレーン節を吹き進める。味のあるストレートな音、味のあるテクニカルなフレーズ。続く「Goldsboro Express」では、まだ未成熟ではあるが、典型的なシーツ・オブ・サウンド。自信たっぷりのコルトレーンがここにいる。
バラードの「My Ideal」は絶品。この時期のコルトレーンのバラード吹奏はほぼ完成の域に達している感がある。テクニックをひけらかすこと無く、じっくりとしっとりとゆったりと、歌心溢れるフレーズを吹き進める。絶品である。フロント仲間のハーデンのトランペットも良い。ガーランドのシングルトーン・ピアノも良い。
続く「I'm a Dreamer, Aren't We All」とラストの「Something I Dreamed Last Night」での、コルトレーンは素晴らしい。他のメンバー、置いてきぼりの素晴らしさ。このコルトレーンの素晴らしい吹奏を聴けば、この時期以降のコルトレーンのリーダー作については、パーソネル次第だなあ、と思う。
1958年12月26日のセッションはプレスティッジ・レーベルでの最後のセッション。このリーダー作での2セッションは、プレスティッジとの契約消化セッションだったのだろうが、その内容はなかなか興味深い。バラード吹奏の完成に向けての鍛錬、そして、シーツ・オブ・サウンドの完成に向けての鍛錬。そんなコルトレーンの進化途上の姿がこの盤にある。
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