2021年12月20日 (月曜日)

冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・4

この盤の音世界は。ボサ・ノヴァ・ジャズに括るには憚れる。ボサ・ノヴァやサンバなど、ブラジル音楽の要素は色濃いが、ラテン音楽、ゴスペルなどの教会音楽からの影響が強く感じられ、果てはロックや米国ポップス、ソウルの要素も偲ばせている。リズム&ビートは疾走感溢れる軽快で爽快なもの。そして、フレーズはネーチャーでフォーキーな、自然な景観や雰囲気を感じさせる、美しく郷愁溢れるもの。

Milton Nascimento『Milton』(写真)。1976年の作品。米国L.A.での録音。ちなみにパーソネルは、Milton Nascimento (g, vo, arr), Toninho Horta (el-g), Wayne Shorter (ss, ts), Raul De Souza (tb), Herbie Hancock (p), Hugo Fattoruso (p, el-org), Novelli (b), Roberto Silva (ds, perc), Laudir De Oliveira (perc)。

ミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)は、1942年10月、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロの生まれ。「ブラジルの声、ブラジルの心」の異名を持つMPB(Música Popular Brasileir)=「ブラジルのポピュラー音楽の総称」の代表的ソングライター。そんなミルトンの通算4作目、ミルトン・ナシメントが米国に渡って、ウェイン・ショーターやハービー・ハンコックをゲストに迎えて録音、1976年にリリースした名盤である。
 

Milton-1976

 
この盤は、冒頭からラテンチックでブラジリアン、ワールド・ミュージック志向の「融合」音楽が展開される。そして、賛美歌の様な「祈るような」スキャット、自然の風を感じさせるパーカッション&ピアノの響き。様々な音楽ジャンルの要素が、MPBの名の下に「融合」された、上質の「フュージョン・ミュージック」。

演奏の展開は「即興性」が前提、リズム&ビートはジャジー。そういう意味で、この音世界は、コンテンポラリーな、ワールド・ミュージック志向のフュージョン・ジャズとして良いかと思う。ショーターのソプラノ・サックス、ハンコックのピアノが要所要所で良い音を出していて流石だ。この2人の参加が、ミルトンの音世界にジャジーな要素を色濃く反映させている。

そんな、1970年代ジャズ~フュージョン的要素が濃厚な音世界ながら、ブラジリアンな音の要素はしっかり前面に出ていて、ブラジルの大地に吹く風を思い起こさせるような、ネーチャーでフォーキーな音世界に思わず引き込まれる。MPBをベースとした、フュージョン・ジャズのアーティスティックな傑作。優れたフュージョン・ジャズは、何も米国だけのものでは無い。
 
 
 

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2021年12月16日 (木曜日)

冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・3

今年の暮れは「冬のボサ・ノヴァ・ジャズ」に触手が伸びる。「夏はボサ・ノヴァ・ジャズで爽やかに」というのが定番なのだが、寒い冬、暖かい部屋の中でリラックスして聴く「冬のボサ・ノヴァ・ジャズ」も意外と良い雰囲気。ほんわかウォームなボサ・ノヴァ系のヴォーカルが、冬の寒い雰囲気の中で心地良く響くから面白い。

Tania Maria『Brazil With My Soul』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Tania Maria (vo, p), Alain Hatot (ts, fl), Alfred Housepian (tp, flh), Zezito, J.F. Jenny-Clark (b), Hubert Varron (cello), Aldo Romano (ds), L.C. Fuina (ds, perc), Clovis Lobâo (perc)。

Tania Maria(タニア・マリア)は、ブラジル出身の女性ボーカリスト&ピアニスト。1948年生まれなので、今年で73歳。この『Brazil With My Soul』を録音した時点では30歳。若さ溢れる、バリバリのパフォーマンスが見事。彼女のキャッチフレーズは「パッション溢れるピアノ・タッチと流麗で爽やかなボーカル&スキャット」。
 

Brazil-with-my-soul

 
彼女の音志向は「ブラジル音楽、ジャズ・フュージョン、クラシックを鮮やかに融合した音作り」で一貫している。ボサ・ノヴァやサンバを基調としているが、リズム&ビートはジャジーであり、ボサ・ノヴァ・ジャズの特徴である「爽やかで、ほんわかウォームな、リズミカルではあるが、どこかアンニュイが漂う」ところが意外と希薄。エネルギッシュでダンサブルな面が前面に出ているところが個性。

この盤には、ジャズを基調として、ボサ・ノヴァ、サンバ、というブラジル音楽の要素はふんだんに入っているが、アフロラテン、ポップス、ソウルな音楽の要素もしっかり反映されていて、1978年の作品である様に、この盤の音の雰囲気は、明らかに「ワールド・ミュージック志向のフュージョン・ジャズ」。しかも、タニアの優れたボーカルが入った、フュージョンに珍しい「フュージョン・ボーカル盤」である。

良い雰囲気のフュージョン・ジャズ。チック・コリアやフローラ・プリムのフュージョン盤に通じる、ラテン系の音世界を色濃く反映した「融合(フュージョン)」の音楽は、聴いていて爽快、ユートピア志向に通じる、凛としたロマンティシズムも良い方向に作用している。「ワールド・ミュージック志向のフュージョン・ジャズ」の名盤の1枚。
 
 
 
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2021年12月15日 (水曜日)

冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・2

12月に入って、グッと寒くなった。それでも時々、暖かい日があったりで、気温の乱高下が辛い。昨日の様に、冷たい寒い雨の日は、暖かい部屋の中に籠もって、ジャズ盤を聴くことが多くなる。そんな時、シビアで硬派な純ジャズをガンガン聴くのも良いが、ライトでスムースなフュージョンや、ホンワカ柔らかなボサ・ノヴァ・ジャズを聴くのも「乙なもの」である。

Astrud Gilberto『I Haven't Got Anything Better To Do』(写真左)。1969年2月3, 4日の録音。ストリングス入りのジャズ・オーケストラをバックに、ボサ・ノヴァ・ジャズの歌姫、アストラッド・ジルベルトがウォームに唄い上げる佳作。ボサ・ノヴァ・ジャズでありながら、真冬に録音されているからか、ライナーノーツでは、アストラッド・ジルベルトはこのアルバムを「暖炉のアルバム」と呼んでいるそうだ。

1960年代後半、ヴァーヴ・レコードお得意の「イージーリスニング・ジャズ」の一環となる盤。しっかりとアレンジされたジャズ・オーケストラにストリングスが入って、なかなかに洒落て優美なサウンドをバックに、アストラッド・ジルベルトのウィスパー・ヴォイスがバッチリ填まった好盤。
 

I-havent-got-anything-better-to-do_1

 
基本はバラード曲中心、時々、ノリの良いギター&パーカッションを交えた楽曲や、ロマンチックなスィートなボサ・ノヴァ・ジャズがアクセント良く挿入されている。バラード曲中心なので、ちょっと不安定な感じのする、アストラッド・ジルベルトの「ウィスパー・ヴォイス」で大丈夫なのか、上手く唄い上げられるのか、と心配になるが、意外と杞憂に終わっている。

バックのストリングス入りのジャズ・オーケストラのアレンジが良好で、アストラッド・ジルベルトの「ウィスパー・ヴォイス」を上手く支えている。不思議と説得力のあるヴォーカルに仕上がっていて、聴いていて、何だかほのぼの、ほんわか、適度にリラックス出来る。ボサ・ノヴァ系のボーカルの不思議である。

夏のボサ・ノヴァ系のボーカルは「爽やかで軽快」。夏はボサ・ノヴァが良く似合うというが、ボサ・ノヴァは意外と冬にも似合うところがあって、冬のボサ・ノヴァ系のボーカルは「ウォームで軽快」。ボサ・ノヴァのボーカルって、ほのぼのとした「暖かみ」を感じる。この盤のライナーノーツでジルベルトが形容した「暖炉のアルバム」って、この盤を聴けば、何となくその雰囲気が良く判る。
 
 
 
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2021年12月13日 (月曜日)

冬のボサ・ノヴァ・ジャズ・1

夏はボサ・ノヴァ・ジャズ、と言うが、冬のボサ・ノヴァ・ジャズも「乙なもの」である。冬になると、余りの寒さに表に外出すること無く、家の中で一日を’過ごす日が時々出てくる。部屋の中はエアコン暖房と加湿器で快適な環境。思わず、気持ちはホンワカして、ちょっと微睡む瞬間がある。そんな時、BGMとしてかけるジャズは「ボサ・ノヴァ・ジャズ」が良い。

『The Look of Love and the Sounds of Laurindo Almeida』(写真左)。1968年の作品。ギターを弾くのは、ボサ・ノヴァの先駆者ローリンド・アルメイダ。アルメイダのボサ・ノヴァ・ギターが心地良い響きで、ほのぼのリラックス。ストリングスを交えて、小粋なアレンジを施した「イージーリスニング・ジャズ」である。

アルメイダの小気味良い、切れ味の良いギターのフレーズに、ボサ・ノヴァのリズム&ビートが良く似合う。演奏全体の雰囲気は、軽音楽風のボサ・ノヴァ・ジャズ。ポップで俗っぽさに流れると思いきや、アルメイダのギターが硬派で凛としていて、イージーリスニングの様な俗っぽさは無い。
 

The-look-of-love

 
バカラックなどのポップス・カヴァーがメインだが、ジャズ・スタンダードでもある「Angel Eyes」「The Look Of Love」「Alfie」「When I Look In Your Eyes」など、優れたアレンジと相まって、アルメイダのボサ・ノヴァ・ギター独特の躍動感溢れる、切れ味の良いカッティングとピッキングで、引き締まった内容の、聴き応えの良い演奏に仕上がっている。

アレンジについては、Clare Fischerが3曲、Dick Groveが1曲、Lex De Azevedoが7曲を分担して担当しており、どのアレンジもなかなかの内容で、アレンジの雰囲気も統一感があって良い。1960年代後半のストリングス入りのアレンジなので、ちょっとチープな、俗っぽいものだと嫌やなあ、と思っていたが、このアレンジはなかなか良い。聴いていて違和感は無い。

スピーカーに向かって、前のめりに聴き込む様な純ジャズとは全く正反対の、心地良い響きで、ほのぼのリラックスして、ホンワカ聴き流す様なイージーリスニングなボサ・ノヴァ・ジャズだが、これはこれで、たまには良い。テクニックは確か、内容充実のアルメイダのボサ・ノヴァ・ギターならではの聴き応えである。
 
 
 

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2021年11月29日 (月曜日)

ヴィーナスの硬派な純ジャズ・4

ヴィーナス・レコードのジャズ盤、というだけで、眉をひそめるベテラン・ジャズ者の方々がいたりするんだが、ヴィーナス・レコードには、本来の硬派なジャズ・レーベルの志向もしっかりとあって、1980年代以降に活躍した、欧州ジャズの優れたジャズマンを我が国に紹介してくれた、という功績もある。揶揄される「コマーシャル先行、懐メロ志向のアルバム作り」な面もあるにはあるが、それはカタログ全体のごく一部だろう。

Stefano Bollani Trio『Falando De Amor』(写真左)。邦題『愛の語らい』。ほぼ直訳である(笑)。2003年2月、イタリア・ローマの「Studio Elettra」での録音。ちなみにパーソネルは、Stefano Bollani (p), Ares Tavolazzi (b), Walter Paoli (ds)。純イタリアのピアノ・トリオ編成。イタリア・ジャズの力量を直に感じられる好盤である。

改めて、この盤は、イタリアのジャズ・ピアニスト、ステファノ・ボラーニによる「アントニオ・カルロス・ジョビン曲集」である。しかし、この盤、通常の「聴き心地良く、ポップでお洒落」なボサノヴァ・ジャズの雰囲気では無い。安易にピアノ・トリオのポップで聴き易い「ジョビン集」という先入観で聴き出すと椅子から転げ落ちるかもしれない。
 

Falando-de-amor_1

 
「アントニオ・カルロス・ジョビン曲集」でありながら、ボサノヴァの名曲を、バリバリ硬派なメインストリーム志向の純ジャズで解釈している、ある意味「痛快」な「ジョビン集」である。タッチは力強く、アドリブ・フレーズはストイックなまでに硬質、曲のテンポも速いものが多く、ほぼバップ志向なピアノである。が、そこはかとなく、ロマンティシズム漂うところが、いかにも欧州的、イタリア・ジャズらしいところ。

耽美的でリリカルではあるが「バップな」ピアノなところは、ビル・エヴァンスに通じるところはあるが、エヴァンスのフレーズの「エッジは骨太」だが、ボラーニのフレーズの「エッジは立っている」。ここが違う。ヴィーナス・レコードの独特のエコーと相まって、決して安易に甘きに流れない、とても欧州っぽいピアノの弾き回しがこの盤の大きな個性だと思う。

トリオのインタープレイも全編を通じて緩んだところは無く、この純イタリア・トリオの演奏力の高さが窺い知れる。ジョビンの名曲の数々をストレート・アヘッドなピアノ・トリオ演奏に変身させた「アレンジ」についてもかなり優れたものがある。スイング感も快適、こんな「ジョビン集」、聴いたのは初めて。やはり、ヴィーナス・レコードは隅に置けない。
 
 
 
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2021年9月24日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・218

ボサノバ&サンバのジャズについては、こってこてにボサノバ、若しくはサンバの要素を前面に押し出して、リズム&ビート、及び即興演奏部分だけが「ジャズ」を踏襲しているものもあれば、演奏全体はフュージョン、若しくはコンテンポラリーな純ジャズで、その中にボサノバ&サンバの要素を織り交ぜているものもある。

どちらもボサノバ&サンバのジャズには違いないのだが、前者は明らかにウケ狙いで、1960年代から1970年代に多く存在する。フュージョン・ジャズの時代から以降は、ジャズに他ジャンルの音楽要素を融合する手法が確立していて、1980年代以降については、コンテンポラリーな純ジャズのカテゴリーに、ボサノバ&サンバの要素を融合したジャズが多く存在する。

Toninho Horta『Moonstone』(写真左)。アメリカとブラジルのミュージシャンの混成メンツによるかなり豪華な顔触れ。特にパット・メセニー・グループ(PMG)関係のミュージシャンが多数参加。ちなみにパーソネルは以下の通り。

Toninho Horta (g, vo), Pat Metheny (g), Eliane Elias (p), Onaje Allan Gumbs, Willa Bassen, Russell Ferrante (key, Syn), Mark Egan, Steve Rodby, Luizão Maia (b), Danny Gottlieb, Paulinho Braga (ds), Randy Brecker (fly), Billy Drewes, Billy Egan (sax), Rudi Berger (vln), Armando Marçal, Robertinho Silva, Steve Thornton (perc), Boca Livre, Lourenco Baeta, Mauricio Maestro, José Renato, David Tygel (vo), Naná Vasconcelos (perc, vo)。
 

Moonstone-toninho-horta

 
Toninho Horta(トニーニョ・オルタ)は1948年ブラジルのミナス・ジェライス州生まれのギタリスト。1960年代後半から現在まで多方面でコンスタントに活躍。初リーダー作が1980年になるので、1960年代の最初のボサノバ&サンバ・ジャズのブームとは無縁。オルタの音世界は「演奏全体はフュージョン、若しくはコンテンポラリーな純ジャズで、その中にボサノバ&サンバの要素を織り交ぜているもの」に近い。

この『Moonstone』だってそうだ。初めて聴いた時「これってパット・メセニーちゃうん」と思った。ただ、良く聴くと主役のオルタのギターがパットとは違う。切れ味の良いアコギ風で、それも弾き込むのでは無い、適度に緩く適度にテンションを張った独特のギターの音色であり、リズム感である。リーダーの名前を確認して、このギターがボサノバ&サンバ系のギターであることで合点がいった。

確かにこの盤、PMG系のミュージシャンが多く参加しているので、PMGの音世界に近づくのも無理は無い。というか、意識してそうしているように感じる。フォーキーでネーチャーなコンテンポラリーなニュー・ジャズ、ワールド・ミュージック志向のコンテンポラリーな純ジャズをバックに、ボサノバ&サンバ系のギターが乱舞する。これがとても心地良い。聴いていて、ストレスがスッと抜けて、大きく深呼吸して大いにリラックス出来る、素敵な内容のネーチャー・ジャズである。

パット・メセニーの音世界の様で、そうではない。オルタのボサノバ&サンバ系のギターが、オルタの音世界のオリジナリティーをしっかりと留めている。しかし、本当に聴いていて心地良い、耳に心地良いボサノバ&サンバ系のギターであることか。好盤である。
 
 
 
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2021年9月20日 (月曜日)

ブラジリアンなメロウ・ジャズ

涼しくなった。今年の夏は「酷暑」と「日照不足」の2つが交互にやって来て、日照不足が解消されたと思ったら、外の風は既に「秋の風」になっていた。とにかく朝夕は涼しくなった。我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』では、ボサノバ・ジャズ、ジャズ・サンバ、ネイティヴなボサノバ&サンバのアルバムは、決まって、この「秋風吹き始める頃」に聴くことにしている。

Moacir Santos『Maestro(マエストロ)』(写真左)。1972年9月29日、10月10、 18日の録音。ブルーノート・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Moacir Santos (bs, vo, perc, arr), Oscar Brashear (tp), Frank Rosolino (tb), David Duke (french horn), Ray Pizzi (as, ss), Don Menza (ts, fl), Hymie Lewak (p), Clare Fischer (org), Bill Henderson (el-p), Joe Pass (g), John Heard (b), Sheila Wilkinson (vo), Harvey Mason (ds), Carmelo Garcia (perc)。

Moacir Santos(モアシル・サントス)は、1926年、ブラジル生まれ。生粋のボサノバ&サンバ系のミュージシャンであり、マルチインストゥルメンタリストであり、作曲家&アレンジャーとして才覚を現した。この盤は、サントスが1967年、米国カリフォルニアに移住した後、ブルーノート・レーベルでの初リーダー作になる。米国西海岸ジャズの名手達を参画させた、クロスオーバーな雰囲気漂うボサノバ&サンバ・ジャズ。

 

Maestro_moacir-santos

 
適度に肩の力が抜けたような、それでいて、しっかり一本筋が通っている。なかなか硬派な、それでいて、ゆったりとしたボサノバ&サンバなリズム&ビート、そして、旋律に耳を奪われる。良い意味で適度に「脱力」し、良い意味で「フュージョン・ジャズっぽい」ソフト&メロウな響きが芳しい。とにかくアルバム全体を覆うブラジリアンなグルーヴ感が半端ない。ブラジル系のジャズであるが、どこかファンクネスも漂って来るところがあって、この盤、コンテンポラリーなボサノバ&サンバ・ジャズの好盤として評価することが出来る。

冒頭1曲目、サントス作の名曲「Nana」のセルフカバーが秀逸で、どこかファンクネス溢れるアレンジはユニーク。続く2曲目「Bluishmen」は、ホーン・アンサンブルが見事。コンテンポラリーなブラジリアン・ジャズ・グルーヴが展開。3曲目の「Luanne」は、ストイックではあるが、心地良いグルーヴが魅力の、ソフト&メロウなボサノバ・ジャズ。等々、全編、ブラジリアンかつコンテンポラリーな、後の「フュージョン・ジャズ」ライクな音世界がてんこ盛りである。

こうやって順に聴き進めると、この盤、ソフト&メロウなブラジリアン・ジャズが主流なのに気がつく。後のフュージョン・ジャズの先駆けの様な響きと音を宿した、この『Maestro(マエストロ)』、意外と「隠れ優秀盤」なのではと思うのだ。しばらく入手し難く、後生買うするのが憚られたが、最近、音楽のサブスク・サイトでも聴ける様になった由、ブラジリアン・ミュージック好きには是非お勧めの「隠れ優秀盤」である。
 
 
 
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2021年9月17日 (金曜日)

ボサノバ・イージーリスニング

子供の頃からボサノバ、サンバが好きである。何故だか判らない。少なくとも、テレビを見ていて、かの有名なボサノバ曲「イパネマの娘」が流れて来て、この曲が好きになった。では、この曲はどんな類の曲なのか。それは、ピアノの先生が「ボサノバ」だと教えてくれた。そして「男と女」のスコアをくれた。ピアノで初めて弾いたボサノバ曲であった。

ジャズを聴き始めて、ボサノバやサンバがジャズに取り入れられていることを知り、ボサノバ・ジャズが好きになった。ボサノバ・ジャズを通じて、ブラジルのボサノバ&サンバのミュージシャンを知り、純粋なボサノバやサンバのアルバムも聴くようになった。硬派な純ジャズやエレ・ジャズを聴く合間に、耳休めにボサノバ・ジャズなどを聴くのが、我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』の習わし。

Laurindo Almeida『A Man And A Woman』(写真)。1967年の作品。Capitolレーベルからのリリース。ブラジルのボサノバ・ギタリストの至宝、ジャズとブラジル音楽の融合を計った先駆者的ギタリスト、ローリンド・アルメイダのイージー・リスニング盤。どこまでも、ローリンド・アルメイダのボサノバ・ギターをとことん愛でる為のアルバムである。
 

A-man-and-a-woman-1

 
当時としてお金がかかったであろう、実に聴き心地の良い、意外としっかりとアレンジされたストリングスに乗って、切れ味良く温もりのある、流麗なアルメイダのボサノバ・ギターが飛翔する。イージーリスニング調ではあるが、アルメイダのアコギは絶対的存在感を持って、我々の耳に訴求する。ストリングスだけをバックにしているのにも拘わらず、ギターソロにはビートがしっかり効いている。アルメイダのボサノバ・ギター、恐るべしである。

この流麗でビートの効いたアコギで、お馴染みボサノバ曲である、タイトル曲の「男と女」をはじめとした、当時のポップス・チューンのヒット曲集。ビートルズの「Michelle」、トゥーツシールマンスの「Bluesette」、ジョルジベンの「マシュケナダ」等が収録されている。しかし、アルメイダのアコギは決して「甘さ」に流れない。しっかりと芯の通った、聴き応えのあるイージーリスニング・ギターに仕上がっているところはさすがである。

夏が過ぎて、秋の気配が忍び込むこの季節に聴くボサノバ&サンバは格別なものがある。生粋のボサノバ&サンバを聴くも良し、小粋なボサノバ・ジャズを聴くも良し。ゆく夏を想い、仄かな秋風に吹かれて「しみじみ」する。我が我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』では、この初秋の季節に「大ボサノバ&サンバ」大会になる。
 
 
 
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2020年12月28日 (月曜日)

冬に聴く「ボサノバ・ジャズ」

いよいよ、今年もあと3日。コロナ禍で始まり、コロナ禍で終わった2020年。来年以降は「Withコロナ」の生活が日常になる。そんな日常の中、巣ごもり生活が主になったお陰で、家でジャズ盤を聴く機会が増えた。そして冬。冬に聴く「ボサノバ・ジャズ」も意外と「オツなもの」だということが、この盤を聴いていて再認識した。

L.A.4『Pavane Pour Une Infante Defunte』(写真左)。邦題「なき王女のためのパヴァーヌ」。1976年10月、カリフォルニア、ロサンゼルスのWarner Brothers Recording Studiosでの録音。ちなみにパーソネルは「L.A.4」= Ray Brown (b・写真右), Shelly Manne (ds), Laurindo Almeida (g), Bud Shank (sax, fl)。

米国西海岸ジャズのレジェンド3人(ブラウン・マン・シャンク)に、ボサノバ・ギターの名手の4人、ピアノレスのカルテット編成。この盤はイーストウィンド・レーベル(日本フォノグラム)からのリリース。日本の純ジャズ志向のレーベルの企画盤。特に、この「L.A.4」の人選はいかにも、日本のコアな「純ジャズ者」らしい人選だ。
 
 
Pavane-pour-une-infante-defunte-la4
 
 
タイトル曲「なき王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルの管弦楽曲。ラヴェルいわく「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」を、米国西海岸ジャズらしく、軽快で流麗なギター・ジャズにアレンジしている。この様なクラシック曲のカヴァーも日本発のレーベルらしい企画もの。西海岸ジャズらしい、聴かせるジャズ。

ボサノバ・ギターの名手、アルメイダの存在が良い味を出している。単なるレジェンドの集まりだと、旧来の米国西海岸ジャズをなぞるだけの「懐メロ風」の演奏に終始しがちなのだが、ここにアルメイダのギターが入っているのが良い。爽やかで軽快な、そしてどこか哀愁漂うボサノバ・ジャズの響きがこの盤を特別なものにしている。

録音された時代はクロスオーバー・ジャズからフュージョン・ジャズへの移行期。エレ・ジャズ主流の中、アコースティック楽器がメインの純ジャズが、しかも、この盤の様に「内容のある」盤が録音されていたのは、ちょっとした驚きだったけど、日本発のレーベルの企画と知って、しかと「納得」。でも、この企画盤は良い内容で良かったです。
 
 
 

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  ・僕達はタツローの源へ遡った

 

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2020年8月26日 (水曜日)

硬派なボサノバ&サンバ・ジャズ

酷暑がぶり返した。先の日曜〜月曜は涼しくなって「そろそろ秋ですかね〜」という気候だったのだが、昨日の昼過ぎから一気に酷暑がぶり返した。乾いた熱風の南風が吹き込んで、部屋で窓を開けっ放しにして昼寝をしていたら、なんだか体に熱気が籠もって、嫌な暑さで目が覚めた。頭がボンヤリして、変な汗をかいていて、思わず熱中症になりそうになった。危ない危ない。

Lee Konitz & The Brazilian Band『Brazilian Rhapsody』(写真左)。1995年1月28ー31日、NYでの録音。Venus Recordからのリリース。ちなみにパーソネルは、Lee Konitz (as, ts), Romero Lubambo (ac-g), Peggy Stern (p), Dave Finck (b), Duduka Dafonseca (ds), Waltinho Anastacio (perc), Adela Dalto (vo)。

リーダーのリー・コニッツは、レニー・トリスターノに師事した「トリスターノ派」と呼ばれるクール・ジャズを代表するサキソフォニスト。クールではあるが、テクニック優秀、エッジの明確な、ダンディズム溢れる流麗なサックスを吹く。1940年代末にクロード・ソーンヒル楽団で頭角を現して以来、2018年「Prisma」まで多くのリーダー作をリリース。しかし、今年の4月15日、92歳で惜しくも鬼籍には入ってしまった。

タイトルと収録された曲目を見れば「硬派なクール派サキソフォニスト、リー・コニッツは、小洒落たボサノバ&サンバ・ジャズをやった」安易な企画盤に思える。アルバム・ジャケットを見ても、お洒落なイラスト・イメージから、なんだか「大丈夫かな」と思う。しかも、ベテラン・ジャズマンを担ぎ出して、人工的なハードバップを創り出しがちなヴィーナス・レコードの制作である。
 
 
Brazilian-rhapsody  
 
 
やっぱりイージーリスニング風なボサノバ&サンバ・ジャズの企画盤だと敬遠したくなる。が、これが意外と面白い、興味深い内容のボサノバ&サンバ・ジャズに仕上がっているのだから、やっぱりジャズって自分の耳で聴いてみないと、その盤が持つ「本当」が判らない。

この『Brazilian Rhapsody』は、コニッツが68歳の時の録音。ほぼレジェンドの域に達したコニッツ。そのサックスの吹きっぷりは堂に入っていて素晴らしい。音にも張りと伸びがあって太いブロウ。そんなコニッツが、情熱的に、かつリリシズムたっぷりにクールなパフォーマンスを展開した、意外と硬派な「現代のボサノバ&サンバ・ジャズ」である。

1960年代のボサノバ&サンバ・ジャズというのは、イージーリスニング風で、聴き易くポップでライトなイメージ。本来の純ジャズの硬派で骨太な演奏では無く、優しく爽やかな演奏が主流。ボサノバ&サンバのジャズ版として聴き流すには良いのだが、ジャズとして聴くには、ちょっと物足りない。しかし、この『Brazilian Rhapsody』は、意外と本来の純ジャズの硬派で骨太な演奏がメイン。

甘さや優しさ、爽やかさを極力抑え、従来の純ジャズ風の硬派で骨太な、いわゆる「ネオ・ハードバップ」風の演奏が意外と「耳新しい」。クール派の名手が、硬派にクールにボサノバ&サンバ・ジャズを吹きまくる。今までに「ありそうで無かった」アルバム作りに感心する。

もともとボサノバ&サンバ・ジャズはメロディアスな旋律が多いので、硬派でクールなコニッツのサックスとの相性が良いようだ。クールに硬派に吹き進める中に、そこはかとない哀愁が漂うところがグッド。なかなかに聴き応えのある「硬派なボサノバ&サンバ・ジャズ」盤である。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況
 

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  ・太田裕美『Feelin’ Summer』



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