2024年4月 7日 (日曜日)

お蔵入りだった 『Loose Blues』

ビル・エヴァンスはジャズ界最高のピアニストの一人。活動期間は、初リーダー作が1956年。第一線で活躍の中、1980年9月に急死。約25年の活動期間だった。

約25年の第一線の活動期間の中で、ハードバップからモード・ジャズを自家薬籠のものとし、1970年代のクロスオーバー〜フュージョン・ジャズの時代にも、自らのスタイルを変えること無く、メインストリーム志向のビル・エヴァンス流の純ジャズなピアノを深化させた。

Bill Evans『Loose Blues』(写真左)。1962年8月21–22日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Zoot Sims (ts), Jim Hall (g), Ron Carter (b), Philly Joe Jones (ds)。ビル・エヴァンスがリーダー、ズートのテナー、ホールのギターがフロントのクインテット編成。ベースは、若き日のロン・カーターが担当している。

この盤の一ヶ月前に、同じクインテット編成(ズートの代わりにハバードのトランペット、ベースがヒース)での有名な録音に『Interplay』があるので、この有名盤の二番煎じか、と想像するのだが、聴いてみると、どちらかと言えば、『Loose Blues』の方が内容が充実している。ちなみに、この『Loose Blues』の音源は、『Interplay』の音源とは録音年月日が違うので、全くの別物である。

『Interplay』が先行してリリースされて、その1ヶ月後に同じクインテットの編成で『Loose Blues』が録音されて、当時のリヴァーサイド・レーベルとしては経営が苦しくなっていて、同傾向のアルバムを1〜2ヶ月のうちに2枚出しても売上げ貢献しない、との判断で、『Loose Blues』はお蔵入りしたのではないか、と思っている。
 

Bill-evansloose-blues

 
確かに、この『Loose Blues』は、1962年に録音〜お蔵入りして、1983年に我が国にて、単独のアルバム『Unknown Session』として、ようやく陽の目を見ている。米国では、マイルストーン・レーベルから『Loose Blues』のタイトルで再発されている。

さて、この『Loose Blues』の内容であるが、同時期録音の有名盤『Interplay』と比肩する、もしくは上回る充実度の高さである。まず、フロントを司る、ズートのテナー、ホールのギターが相性良く好調。とりわけ、ゆったりと余裕あるズートのテナーは、力感溢れ、歌心をしっかり宿したハードバップなテナーで、収録曲のどこ演奏でも「唄うが如く、語るが如く」で、リラックスして聴ける。

ズートのテナーが歌心をしっかり宿したハードバップなテナーなので、この盤でのフロントの相棒、ジム・ホールのギターは、いつになくプログレッシブでハードなアドリブ展開を披露する。「軟」のズートに「硬」のホール。このフロント楽器同士の対比、コントラストがなかなか良い。

ビル・エヴァンスのピアノを核とした、ロン+フィリージョーのリズム・セクションも適度に余裕ある、内容充実なバッキングを展開、フロントをユッタリ鼓舞し、リズム&ビートを要所要所でキッチリ締めて、なかなか聴き応えがある。テンションを張った、切れ味の良いリズム・セクションでは無いが、とても伴奏上手な、典型的なハードバップなリズム・セクション。これがまた良い。

ビル・エヴァンスのピアノとズートのテナーとの相性も良く、安心してリラックスして聴けるハードバップな佳作です。この後、ビル・エヴァンスは大手ジャズ・レーベルのヴァーヴ・レーベルに移籍、メインストリーム志向のビル・エヴァンス流の純ジャズなピアノを深化させていくことになる。
 
 

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2024年2月11日 (日曜日)

エヴァンスの『Half Moon Bay』

ジャズ・ピアノの伝説のレジェンド、ビル・エヴァンスが生前、リーダー作の録音を残したレーベルは、Riverside、Verve、Fantasy、Warner Bros.、Elektra が主だったところ。Milestoneレーベルからのリリースは「発掘シリーズ」。エヴァンスの逝去後、発掘された音源を、マネージャーだったヘレン・キーンと判断して正式リリースしたもの。

Bill Evans『Half Moon Bay』(写真)。1973年11月4日、カリフォルニア州ハーフムーン・ベイのバッハ・ダンシング・アンド・ダイナマイト・ソサエティでのライヴ録音。1998年、マイルストーン・レーベルからのリリース。ビル・エヴァンス逝去後、Milestoneレーベルからの「発掘シリーズ」の一枚。

ダイナミズム溢れるバップな弾きっぷりのエヴァンスが聴ける。ライヴでの録音なので、その時のエヴァンスの気分、調子がダイレクトに伝わってくる。この時、エヴァンスは「躁状態」だったようだ。とにかく、アドリブ・フレーズは、とりわけダイナミックにドライブするが如く弾(ひ)きまくる。

そんなエヴァンスに引っ張られて、ベースのゴメスも唄うが如く、アドリブ・フレーズを弾(はじ)きまくる。ゴメスはこの頃から、ライヴではピックアップを使用し始めたみたいで、うるさいくらいに「ブンブンブン」とソリッドに力感溢れるベース・ラインを弾(はじ)きまくる。
 

Bill-evanshalf-moon-bay

 
同じく、そんなエヴァンスに引っ張られて、理知的なドラミングが身上のモレルも、いつになく雄弁でスインギーなビートを叩き出している。モレルって、こんなにダイナミックに力感溢れるドラミングができるんだ、とちょっとビックリする。

そして、そんな「ダイナミックにドライブするが如く、弾(ひ)きまくる」エヴァンスが、「Waltz For Debby」「Autumn Leaves」「Someday My Prince Will Come」といった往年の超人気曲を再演しているのだから堪らない。エヴァンスオリジナルの「Time rememberd」も聴き応え十分。エヴァンスの本質である「バップなピアノ」が心ゆくまで楽しめる。

ビル・エヴァンスのピアノって「耽美的でリリカル」と思っている向きには、このライヴ盤の内容は「驚き」であり、これはエヴァンスではない、という感じになるだろうなあ。でも、この「バップ・ピアノ」な方がエヴァンスの本質なんで、この盤には違和感はありません。エヴァンスってライヴの時は、その時の気分や体調に大きく左右されるみたいですね。

発掘音源だけに、音質、録音バランスについては「やや難あり」。エヴァンス初心者の方々はパスしても良いライヴ盤で、エヴァンスの名盤を聴き続けて、エヴァンスの本質を理解し始めた、エヴァンス中級者の方々にお勧めのライヴ盤だと思います。
 
 

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2023年12月28日 (木曜日)

エヴァンスの『Blue in Green』

ビル・エヴァンスのマイルストーン・レコードからのリーダー作を聴き直している。リーダー作とは言っても、リヴァーサイド時代に録音して、お蔵入りになっていた音源を、ビルの逝去後、ヘレン・キーンが再聴、とりまとめて、マイルストーンからリリースしたもの。

厳密に言うと、ビル本人がOKを出した音源では無いのだが、ビルの生前の演奏の音源はどれもが貴重なので、発掘して出してくれる分には文句は無い。

Bill Evans『Blue in Green: The Concert in Canada』(写真左)。1974年8月、カナダ・オタワ郊外の「Camp Fortune」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Eddie Gomez (b), Marty Morell (ds)。1968年あたりから続いた「ゴメス-モレル」のトリオでの最後の演奏の音源の一つ。1991年のリリースになる。

録音場所の「Camp Fortune」とは、オタワ近郊のスキー場で、夏はアウトドアを楽しめる観光地らしい。そんな開放的な環境下、野外コンサートでのライヴ音源。と言って、開放感溢れるという訳でも無く、それでも、カナダ放送主催のコンサートなので、音響環境は良かったらしく、録音状態は良好。
 

Bill-evansblue-in-green-the-concert-in-c  

 
6年ほど続いたトリオである。演奏の一体感は素晴らしい。疾走感・叙情性ともに円熟の域に達して、ビル・エヴァンス・トリオの個性的がしっかりと捉えられている。ビルの耽美的でリリカルな面とアグレッシヴなバップな弾き回しという「二面性」もふんだんに楽しめるし、モレルの味のあるドラミングも良い感じ。ゴメスのブンブン・ベースもダイナミックで良い。

6年ほど続いたトリオの集大成、成熟し切ったトリオ演奏。耳新しい部分は無いが、安心安定のトリオ演奏はそれはそれで楽しい。「One for Helen」「So What」「Blue in Green」と聴き応えのある演奏曲も良い。

ただ、ゴメスのブンブン・ベースの音がかなり大きく録音されている部分があって、特に「Very Early」での長尺のソロはちょっと勘弁して欲しい。このゴメスの音が大きく録音されている部分だけが、このライヴ盤のマイナス部分。ここだけ、我慢すれば、このライヴ盤、なかなかの内容だと思う。

ジャケットのビル・エヴァンスのイラストは、歌手トニー・ベネットの手になるもの。なんと、ベネットは画家としても一流の存在だそうで、「Antonio Benedetto」の名で知られているそうです。意外や意外、びっくり、です。
 
 

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2023年12月25日 (月曜日)

ビルのThe Solo Sessions, Vol.2

録音当時、直ちにリリースされた訳では無く、エヴァンスの死後、1985年に「The Complete Riverside Recordings」というBOX Setの中で初めて日の目を見た「お蔵入り」音源。アルバム化は、1989年に、まず「Vol.1」が、そして、1992年に「Vol.2」が単体でリリースされた。

ビル・エヴァンスのソロ・ピアノ盤『The Solo Sessions, Vol.1&2」。リリース当時、不当と思われるほど、不憫な評価を受けている。その評価を読んで、エヴァンスの唯一の駄盤として、遠ざけているジャズ者の方々も沢山いる。しかし、こういう不憫な評価を受けている盤は、本当に「エヴァンスの駄盤」なのかどうか、実際に自分の耳で聴いてみるのが一番。

Bill Evans『The Solo Sessions, Vol.2』(写真左)。1963年1月10日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p) ただ一人。そう、この盤はビル・エヴァンスのソロ・ピアノ集。『The Solo Sessions, Vol.1』の続編として、1992年にリリースされている。

この盤でも、エヴァンスの「即興演奏の妙」が楽しめる。「Vol.1」と同じく、全曲スタンダード曲で、ビル独特の「音色と弾き回し」が確認し易く、即興演奏化していくビル独特の感覚を感じ取ることが出来る。
 

Billevansthesolosessionsvol2

 
また、「ビル独特のバップな弾き回し」と「フレーズの音の広がりと間を生かした、耽美的でリリカルな弾き回し」の2面性が、この盤でもしっかり確認できる。この2面性がビルの重要な個性でもある。

「All the Things You Are」や「I Loves You,Porgy」は、「フレーズの音の広がりと間を生かした、耽美的でリリカルな弾き回し」の最たるものだし、ビルのお気に入り「"Santa Claus Is Coming to Town」や、チャーリー・パーカーの「Ornithology」は、飛び跳ねるように軽快な「ビル独特のバップな弾き回し」の最たるもの。

いきなりスタジオに入って、ピアノの前に座って、いきなり即興演奏として、お気に入りのスタンダード曲を弾くのだから、演奏の精度、曲全体の出来には、少しばらつきがあったりするのは仕方が無いだろう。このビルのソロ・ピアノの演奏は、美術で言う「デッサン」もしくは「下書き」の様な雰囲気。つまりは、ピアノ演奏の完成形の土台になるものなので、何度聴いても、新しい発見があって、興味は尽きない。

ということで、このビルのソロ・ピアノ盤『The Solo Sessions, Vol.2』についても、決して、聴くに値しない駄盤ではなく、ビルのピアノのビル独特の「音色と弾き回し」を確認できる、意外と面白い内容のソロ・ピアノ盤なのだ。
 
 

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2023年12月24日 (日曜日)

ビルのThe Solo Sessions, Vol.1

ビル・エヴァンスは、ビルは後続のジャズ・ピアニストに多大な影響を与えた「ジャズ・ピアノの代表的スタイリスト」の一人。フレーズの作り方、音の重ね方、音の響き、それぞれにビル独特の「音色と弾き回し」がある。そんなビルの「音色と弾き回し」を感じるには、ソロ・ピアノが一番。

Bill Evans『The Solo Sessions, Vol.1』(写真左)。1963年1月10日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p) ただ一人。そう、この盤はビル・エヴァンスのソロ・ピアノ集。ただ、録音当時、直ちにリリースされた訳では無く、エヴァンスの死後、1985年に「The Complete Riverside Recordings」というBOX Setの中で初めて日の目を見た「お蔵入り」音源。

アルバム化は、1989年に、まず「Vol.1」が、そして、1992年に「Vol.2」が単体でリリースされている。ビルのソロ・ピアノ盤の2枚であるが、リリース当時は、不当と思われるほど、不憫な評価を受けているから不思議だ。その主な理由が「契約の消化演奏のようなもの」と「リハーサルもどきの演奏が混在する」そして「ベーシストのラファロが事故死で失った後、そのショックから演奏の雰囲気が退廃的で陰鬱」の3点に集中している。

「契約の消化演奏のようなもの」というのは、確かにこのソロ演奏は、Verve移籍が決まり、Riversideとの契約を消化するためにスタジオ入りして録音したものなので、消化試合みたいなもので、気合が入っていない、という評価。それって、契約消化する為の録音だから「取るに足らない」と決めつけるのはどうかと思う。まずはしっかり聴いてからの評価にして欲しいものだ。

続く「リハーサルもどきの演奏が混在する」というのは、このソロ演奏、事前に譜面やモチーフを用意して、繰り返しリハを積んで録音に臨んだもので無く、ピアノに座って、いきなり即興演奏の如く弾き進めたものらしい。
 

Bill-evansthe-solo-sessions-vol1

 
それって、キース・ジャレットらのソロ演奏と同じ類のもので、当然、フレーズやリズムを決めるまで、コンピングや同じフレーズを連続してイマージネーションが出てくるの待つ様な瞬間は、即興演奏には必ずあって、それを「リハーサルもどき」と評価するなら、純粋な即興演奏など存在しないことになる。それはジャズ演奏を評価する上で疑問である。

そして「ベーシストのラファロが事故死で失った後の録音で、そのショックから演奏の雰囲気が退廃的で陰鬱」とあるが、この『The Solo Sessions, Vol.1』は僕のお気に入り盤として、何度も繰り返し聴いてきているのだが、退廃的で陰鬱、と感じたことは無い。

ビルのピアノの個性の一つである「フレーズの音の広がりと間を生かした、耽美的でリリカルな弾き回し」は散見されるが、基本はビル独特のバップなピアノ。それを「退廃的で陰鬱」と決めつけるのはどうかと思う。それでは『Waltz for Debby』や『Moon Beams』も同類な評価となる。それは違うだろう。

全曲スタンダード曲なのも、ビル独特の「音色と弾き回し」が確認し易い理由の一つ。有名スタンダード曲を、ビル独特の感覚で即興演奏化していく様は実に興味深い。

冒頭の「What Kind of Fool Am I?」のフレーズを聴くだけで、これはビル・エヴァンスと判るほどの「音色と弾き回し」は、さすが「ジャズ・ピアノの代表的スタイリスト」の一人なんだ、ということを強烈に再認識する。

2曲目の「Medley: My Favorite Things/Easy to Love/Baubles, Bangles, & Beads」や、4曲目の「Medley: Spartacus Love Theme/Nardis」は、メドレーの演奏が故、ビル独特の即興演奏の妙と面白みを十分に感じることが出来る。

ということで、このビルのソロ・ピアノ盤については、決して、聴くに値しない駄盤ではなく、ビルのピアノのビル独特の「音色と弾き回し」を確認できる、意外と面白い内容のソロ・ピアノ盤なのだ。
 
 

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2023年12月 9日 (土曜日)

『We Will Meet Again』です。

ビル・エヴァンスの「Warner Bros.〜Elektra」時代のリーダー作、ビル・エヴァンスの生涯最後の一連のリーダー作を聴き直している。が、今回が最終回。

ビル・エヴァンスのワーナー時代、最晩年のリーダー作は、没後のリリースを含めて6枚しかない。1977年8月、ワーナーに移籍して録音を始めたら、なんと1980年9月15日には鬼籍に入ってしまったのだから、ワーナー時代は実質3年ほどしかない。リーダー作が少ないのは仕方が無い。

ワーナーに移籍して最初に録音したのが『You Must Believe in Spring』だったのだが、何故かお蔵入りになって(1981年、エヴァンスの没後にリリース)、多重録音の『New Conversations』が最初のリリース。続いて、ハーモニカのシールマンスと唐突なコラボ『Affinity』と、エヴァンスの代名詞だったトリオ演奏が無い。

当時、エヴァンスが、エレピは弾くわ、かつシールマンスのハーモニカと唐突なコラボはするわ、でプロ、アマ評論家の皆さんはこぞって、概ね不評の大合唱(笑)。とにかく、エヴァンスについては、ストイックで耽美的なピアノ・トリオしか認めない、と言わんばかりだった。で、そんなところで、ワーナーに移籍後、第三弾がトランペットとテナーのフロント2管のクインテット演奏だったのだから、またまた概ね不評の大合唱(笑)。

Bill Evans『We Will Meet Again』(写真左)。1979年8月6–9日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (ac-p, el-p),
Tom Harrell (tp), Larry Schneider (ts, ss, alto-fl), Marc Johnson (b), Joe LaBarbera (ds)。トム・ハレルのトランペット、ラリー・シュナイダーのテナーのフロント2管のクインテット編成。

このクインテット編成は、エヴァンスの正式なリーダー作を振り返ると、フレディ・ハバードのトランペットとジム・ホールのギターがフロント2管のクインテット編成の名盤『Interplay』以来、僅か2枚目の、エヴァンスにとって珍しい編成での録音になる。ワーナーに移籍後、第三弾がこれまた「期待のトリオ演奏」で無かったので、我が国のプロ、アマ評論家の皆さんはこぞって、概ね不評の大合唱(笑)。
 

Bill-evanswe-will-meet-again

 
しかも、要のリズム隊が、マーク・ジョンソンのベース、ジョー・ラバーベラのドラムの若手に代わっている。かつ、エヴァンスのピアノが、ハード・ボイルドなバップな弾き回し、ダイナミズム溢れる展開、外向的なパフォーマンスに変化している。リリース当時は、プロ、アマ評論家の皆さんは訳が判らなかっただろうなあ、と思う。

さて、このエヴァンスのクインテット盤、名盤『Interplay』と同様、エヴァンスのアレンジの妙が素晴らしい。エヴァンスのハード・ボイルドなバップな弾き回し、ダイナミズム溢れる展開、外向的なパフォーマンスによる「バッキング」が素晴らしい。開放的でダイナミックなコンピングなど、聴きどころ満載。

今から思えば、若手有望株のハレルのトランペットとシュナイダーのテナーをフロント管に採用している人選にも感心する。このフロント2管、エヴァンスとの共演で緊張していたのだろう、ちょっと硬い面、ぎこちない面も垣間見えるが、どちらも大健闘。しっかりと、エヴァンス独特の音の重ね方、音の響きに追従して、なんとかフロント2管の責務を果たしている。

今の耳で聴けば、当時、一部で言われたほどでは無い、なかなかの内容のクインテット演奏だと思う。このクインテット、続けて鍛錬を重ねていけば、なかなかのクインテットに育っていったのでは、と感じる、伸びしろのあるパフォーマンス。この盤が、エヴァンスの「遺作」になってしまったのが惜しまれる。

ピアノ教師でありビルの良き理解者であった兄のハリー・エヴァンスが拳銃自殺してしまう。そのハリー・エヴァンスに捧げる形で制作された『We Will Meet Again』。この盤の録音の一年後、ビル・エヴァンスは帰らぬ人となる。

タイトルの「We Will Meet Again」はどこか意味深で、どこか暗示的ではある。が、この盤にそんな「暗さ」は無い。おそらく、ビル・エヴァンス自身、録音の一年後に他界するなんて、微塵も思っていなかったのではないか。そんなことを感じさせる、外向的で開放的な、次なるパフォーマンスを見据えている様なエヴァンスである。
 
 

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2023年12月 7日 (木曜日)

The Paris Concert -Edition Two

ビル・エヴァンスの「Warner Bros.〜Elektra」時代のリーダー作、ビル・エヴァンスの生涯最後の一連のリーダー作を聴き直している。

Bill Evans『The Paris Concert -Edition Two』(写真左)。1979年11月26日、パリの「L'Espace Cardin」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Marc Johnson (b), Joe LaBarbera (ds)。先にリリースされた『Edition One』と同じ、ビル・エヴァンスの「ラスト・トリオ」のライヴ音源。リリースは、エヴァンス逝去から4年ほど経ってから、1984年になってのリリース。『Edition One』の1年後になる。

昨日は『The Paris Concert -Edition One』をご紹介したのだが、この『Edition One』は、選曲については、無難にスタンダード曲がメイン。冒頭1曲目に、ポール・サイモンの1975年の大ヒットアルバム「Still Crazy After All These Years」から「I'd Do It For Your Love(きみの愛のために)」をカヴァーしているのが新鮮だった。

で、この『The Paris Concert -Edition Two』は、打って変わって、エヴァンスのオリジナル曲がメイン。オリジナル曲の演奏を過去のトリオ演奏と比較することで、このエヴァンスの「ラスト・トリオ」の特徴が良く判る。

この『Edition Two』の方が、『Edition One』より、我々に訴求する内容が濃い。「Nardis」はマイルス作とされるが、実はこの曲、ビル・エヴァンス作が真相らしいので、スタンダード曲はほぼ無い(1曲だけ「Gary's Theme」- Gary McFarland作)。
 

Bill-evansthe-paris-concert-edition-two  

 
エヴァンス自らの曲なので、「ラスト・トリオ」のパフォーマンス、エヴァンスが「外向的なパフォーマンス」で一歩前へ出て、ベースとドラムが「たおやかに、しなやかに」反応する「新しいトリオ・アンサンブル」が、やり易いのかもしれない。

収録されたどの曲でも、エヴァンスが前へ出て、気持ちよさそうに弾き進み、そのエヴァンスのピアノの音とフレーズに、クイックに最適な対応を選択し、効果的に絡むマーク・ジョンソンのベースとジョー・ラバーベラのドラム。

特に、エヴァンスの気合いの入ったハード・ボイルドなバップな引き回しに絡むベースとドラムが凄い。特にアドリブ部での絡みは「即興演奏の極み」を強烈に感じて、思わず集中して聴き耳を立ててしまう。

以前には無かった、エヴァンスのピアノのスカッと突き抜けた様な「外向的なパフォーマンス」が、ベースとドラムの絶妙な絡みを引き出していると感じる。

エヴァンスのオリジナル曲による「ラスト・トリオ」のパフォーマンス。僕は『Edition One』より興味深く聴く。特に、17分を超えるエヴァンスの代表曲の一つ「ナーディス」が白眉の出来。エヴァンス自らが認める「最高のレギュラー・トリオ」の「新しいトリオ・アンサンブル」が見事な形で記録されている。『Edition One』と併せて、一気に聴き通したい。
 
 

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2023年12月 6日 (水曜日)

The Paris Concert -Edition One

ビル・エヴァンスの「Warner Bros.〜Elektra」時代のリーダー作、ビル・エヴァンスの生涯最後の一連のリーダー作を聴き直している。

Warner Bros.に移籍したエヴァンスは既に50歳を迎え、過去のイメージを踏襲し、それまでのエヴァンス者の聴き手を安心させ満足させるリーダー作をリリースし続けた。僕はこの時点でエヴァンスは過去の人になってしまったなあ、と残念に思ったものだ。そして、1980年9月15日、51歳で他界した。

逝去後、追悼盤の位置付けで幾枚かのリーダー作がリリースされた訳だが、その中で、新しいエヴァンスのイメージを記録した、いわゆる「ラスト・トリオ」のライヴ音源のリリースが衝撃的だった。

Bill Evans『The Paris Concert -Edition One』(写真左)。1979年11月26日、パリの「L'Espace Cardin」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Marc Johnson (b), Joe LaBarbera (ds)。ビル・エヴァンスの「ラスト・トリオ」のライヴ音源。リリースは、エヴァンス逝去から3年ほど経ってから、1983年になってのリリースだった。

この「ラスト・トリオ」については、当時はまだインターネットも何も無い時代、完全に情報不足で、この「ラスト・トリオ」の存在がどんなものなのか、さっぱり理解できないまま、このLPを手にした覚えがある。そして、聴いてびっくり。

それまで、僕は、エヴァンスは「耽美的&内省的」なピアニストだと理解していて、このライヴ音源での、ハード・ボイルドなバップな弾き回し、ダイナミズム溢れる展開にびっくり。音の重ね方、音の響きは従来のエヴァンスの「ジャジー&ブルージーな哀愁感&寂寞感を濃厚に醸し出すもの」ままなんだが、以前に無い、とても外向的なパフォーマンスにびっくり。
 

Bill-evansthe-paris-concert-edition-one

 
そこに、マーク・ジョンソンのベースとジョー・ラバーベラのドラムが絶妙に絡み、寄り添い、インタープレイを仕掛ける。これがほんと絶妙で効果的で、エヴァンスのピアノ・パフォーマンスを強力に引き立てるのだ。

このトリオ・パフォーマンスは、今までのエヴァンス・トリオには無かった、新しい、さらに大きくステップアップした新しいイメージの「ラスト・トリオ」の強烈なパフォーマンスだった。

今では、ビル・エヴァンスの本質は「バップ・ピアノ」で、ハード・ボイルドなバップな弾き回し、ダイナミズム溢れる展開には違和感は無い。しかし、これだけ、スカッと突き抜けた様な「外向的なパフォーマンス」には、今の耳にも新鮮に響く。新しいビル・エヴァンスのピアノ展開を感じさせる、オープン・マインドな、外へ外へ訴求する「外向的なパフォーマンス」は魅力満載。

ビル・エヴァンスがハードボイルドにバップ・ピアノを弾き回しリードして、そのピアノに「たおやかに、しなやかに」対応するベースとドラムのリズム隊。それまでのエヴァンス・トリオに無かった展開。

それまでの「三者対等、三者一体となったインタープレイ」から、エヴァンスが「外向的なパフォーマンス」で一歩前へ出て、ベースとドラムが「たおやかに、しなやかに」反応する「新しいトリオ・アンサンブル」。

このライヴ音源には、新しい形のエヴァンス・トリオが提示されている。よく、ファースト・トリオ(スコット・ラファロ、ポール・モチアン)との比較が話題になるが、エヴァンス自身、生前のインタヴューで、このラスト・トリオが、自らがリーダーの「最高のレギュラー・トリオ」と明言している。僕も客観的に比較してそう思う。この後、エヴァンスが逝去してしまったのが、実に惜しまれる。この「ラスト・トリオ」のパフォーマンスをもっと聴きたかった。
 
 

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2023年12月 5日 (火曜日)

耽美的&内省的なエヴァンス。

ピアニストの中で一番のお気に入りが「ビル・エヴァンス」。今を去ること50年前、NHKのFMで聴いた曲が「枯葉」。ジャズ・ピアノをしっかり、ジャズ・ピアノとして認識して聴いたのは、このビル・エヴァンスの「枯葉」が最初。初めて、ジャズ・ピアノとして構えて聴いたビル・エヴァンスのピアノに強烈に惹かれたことを記憶している。

当ブログでは以前から、ビル・エヴァンスのリーダー作についての記事をアップしてきた。ビルのリーダー作の8割程度を網羅したと思っているのだが、まだ、当ブログで記事としてアップしていないリーダー作がある。それを機会を見つけては、せっせと「落穂拾い」している。記事にするには、該当のリーダー作を再聴する必要がある。久々に聴く名盤もある。実はこれがまた楽しい。

Bill Evans『You Must Believe in Spring』(写真左)。1977年8月23–25日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (ac-p, el-p), Eddie Gómez (b), Eliot Zigmund (ds)。エヴァンス・トリオが、Warner Bros.レコードへ移籍して最初の録音。しかし、録音当時はお蔵入り。1981年9月、ビル・エヴァンスの逝去後、リリースされた。なお、このアルバムは、エヴァンスがベースのゴメスと行った最後のレコーディング・セッションになる。

録音当時、お蔵入りになった理由については諸説あって、ネットにそれぞれ情報としてアップされているみたいなので、興味のある方はそちらを参照していただくとして、この『You Must Believe in Spring』は、エヴァンスの耽美的なピアノを久しぶりに聴くことの出来る盤である。エヴァンス独特の「抑制された内省的なバップ・ピアノ」で埋め尽くされている。
 

Bill-evansyou-must-believe-in-spring

 
もともと、ビル・エヴァンスは「バップなピアニスト」で、意外とバリバリ弾きまくるタイプ。それでも、音の重ね方、ボイシングが独特で、ジャジー&ブルージーな哀愁感&寂寞感を濃厚に醸し出す。これが他に無いビル・エヴァンスの独特の個性であり、これがビル・エヴァンスのピアノの真骨頂。

しかし、このジャジー&ブルージーな哀愁感&寂寞感を濃厚に醸し出すピアノで、耽美的&内省的な弾き回しをする時がある。例えば『Waltz for Debby』『Moon Beams』『The Solo Sessions, Vol. 1&2』などで、その「耽美的&内省的」なビル・エヴァンスを堪能することができる。このエヴァンスの個性の一面を切り取って、我が国では、ビル・エヴァンスは耽美的&内省的なピアノに優れる、と一部では解釈されている。

この『You Must Believe in Spring』は、そんな耽美的&内省的なビル・エヴァンスを聴くことができる内容なのだ。つまり、ジャジー&ブルージーな哀愁感&寂寞感を濃厚に醸し出すピアノで、耽美的&内省的な弾き回しをする、ミッド・テンポからスロー・テンポの名演が詰まった、耽美的&内省的なビル・エヴァンスを愛でることができる格好のアルバムになっている。

耽美的&内省的なビル・エヴァンスを聴くことができるリーダー作として、名盤と評価されるアルバム。エヴァンス独特の「抑制された内省的なバップ・ピアノ」を聴くには格好のアルバム。しかし、ビル・エヴァンスの本質は「バップなピアニスト」。この耽美的&内省的な弾き回しは、ビル・エヴァンスの戦略であり裏技であることは、しっかりと押さえておきたい。
 
 

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2023年1月 4日 (水曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・22

ジャズ・ピアノの「最高のスタイリスト」ビル・エヴァンスは、1958年にマイルス・デイヴィスのバンドに短期間加わり、約1年弱、録音とツアーを行っている。その最大の成果が、Miles Davis『Kind of Blue』。マイルスと協働し、ハード・バップ的な頻繁なコード・チェンジではなく、モードを基にしたアドリブ展開を、このアルバムで実現している。

その後、1959年にエヴァンスはドラマーのポール・モチアンとベーシストのスコット・ラファロをメンバーに、自らがリーダーのパーマネントなトリオを初めて結成する。このトリオは、ピアノ・ベース・ドラムスの、各自の創造的な三者三様のインプロを展開する「インタープレイ」を実現した初めてのトリオであり、以降、他のピアノ・トリオ演奏に新しい方向性を与えている。

その最初のスタジオ録音の成果が、Bill Evans『Explorations』であり、Bill Evans『Portrait in Jazz』である。そして、ライヴ録音の成果が以下の2枚である。特に、このライヴ録音の2枚は、このライヴ録音の11日後、ラファロが交通事故で急逝してしまったので、当時から劇的な印象を残している。

Bill Evans『Sunday at the Village Vanguard』(写真左)、Bill Evans『Waltz for Debby』(写真右)の2枚が、そのライヴ録音の成果である。1961年6月25日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Scott LaFaro (b), Paul Motian (ds)。NYの老舗ライヴハウス、ヴィレッジヴァンバードでのライブ録音。

天才ベーシスト、スコット・ラファロが11日後に急逝しているので、ラファロへの感情移入が激しいこの2枚のライヴ盤であるが、冷静になって聴き直してみる。

まず、『Sunday at the Village Vanguard』は、僕は、ピアノ・ベース・ドラムスの、各自の創造的な三者三様のインプロを展開する「インタープレイ」のライヴの記録だと理解している。
 

Sunday-at-the-village-vanguard_waltz-for

 
ラファロのベースばかりがクローズアップされた評価が目に付くが、エヴァンスのピアノも、モチアンのドラムも充実している。これだけ自由度の高いインタープレイは、当時としては唯一無二。適度なテンションの下、三者三様の創造的なインタープレイはそれはそれは見事で、そんな中でもラファロのベースが特に目立つ。

『Waltz for Debby』については、エヴァンスのピアノの「耽美的でリリカルで静的」な面がクローズアップされた、とされるアルバムだが、これについては、僕は、マイルスの下で「ものにした」モード奏法をこの「伝説のトリオ」で実現した唯一のライヴの記録だと理解している。

もともと、エヴァンスは「明確なタッチのバップなピアノ」が持ち味で、「耽美的でリリカルで静的なピアノ」が持ち味では無い。この盤での「耽美的でリリカルで静的」な響きが溢れる演奏でも、エヴァンスのタッチは明確で鋭い。決して、響きを重視した耽美的なタッチでは無い。

この『Waltz for Debby』における「耽美的でリリカルで静的」な雰囲気は、マイルスの『Kind of Blue』のラスト「Blue in Green」に通じる響きだと理解していて、モーダルな演奏の特徴、ビルがマイルスの『Kind of Blue』のライナーノーツで日本古来の水墨画を例に表現した「モード奏法を基にした即興の個の表現」を、この「伝説のトリオ」で表現したものではないか、と思っている。

最後にまとめると、このビルの「伝説のトリオ」のスタジオ録音『Portrait in Jazz』『Explorations』の2枚で表現した、ピアノ・ベース・ドラムスが創造的な三者三様のインプロを展開する「インタープレイ」と、マイルスの下でものにした「モード奏法」をライヴで実現した傑作、と僕は評価している。一期一会の即興演奏であり「ライヴ演奏」であるが故に、この2枚は、後世のピアノ・トリオ演奏に新しい方向性を与えている、と理解している。
 
 

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