2022年1月 4日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・226

現在のNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」には、キーになる音楽として、ジャズが出てくる。ルイ・アームストロング(愛称:サッチモ)が演奏し、ボーカルを取る「On The Sunny Side Of The Street」。今、放送中の2代目主人公(女性)の名前が「るい」。ルイ・アームストロングのファーストネームが名前の由来。その主人公が、大阪に出てきてトランペッターに出会う。

そのトランペッターは「サッチモ」ライクなトランペットを吹く。大阪、そして「サッチモ」ライクなトランペット。このトランペッターのモデルは「南里文雄」では無いかと思い立った。南里文雄は大阪出身の伝説のジャズ・トランペッター。彼は1953年にルイ・アームストロングと共演、その折、サッチモ本人から「日本のサッチモ」とあだ名が付けられたほど。和ジャズ初期の伝説のトランペッターである。

南里文雄『栄光のトランペット』(写真左)。1971年の作品。ちなみにパーソネルは、南里文雄 (tp), 前田憲男 (p, arr), 横内章次 (g), 原田政長 (b), 石川晶 (ds), with 宮間利之とニューハード。リーダーのトランペッター、南里文雄がフロント1管のギター入りクインテットがメイン、日本を代表するビッグバンドのひとつ「宮間利之とニューハード」がバックを務める。

アレンジは、ジャズな音の使い手、前田憲男が担当。デキシーランド・ジャズが基調の音世界なのだが、古さ、レトロさを感じさせない、意外と今風のモダンな「ビッグバンド・アレンジ」には、ほとほと感心する。
 

Golden-trumpet

 
この盤を聴けば、南里文雄のトランペットの個性が良く判る。基本は「デキシーランド・ジャズ(ニューオーリンズ・ジャズ)」。この盤のバックにはビッグバンドが控えるが、確かにビッグバンドをバックにすると、更に「映える」トランペットである。バップな影は全く無い。冒頭の「Battle Hymn Of The Republic(リパブリック讚歌)」を聴けば、それがとても良く判る。

テクニック優秀、歌心もバッチリ、端正で流麗、ブラスの音の輝きがキラキラ眩しい、凄く素敵なトランペットである。しかも、実に良く「鳴る」。3曲目の「Stardust」などのバラード演奏は「素晴らしい」一言。思わず、どこで聴いていても、足を止めて、じっくり聴き入ってしまうくらいだ。

南里のトランペットは確かにバップでは無い。また、ジャズの奏法のトレンド(例えばモードとかフリーとか)からは超然としている、普遍的な「純ジャズ」のトランペットである。

ジャズ・トランペットの基本的な音がこの盤に詰まっている。ジャズ者の方々には一度はこの盤に耳を傾けて欲しいな、と思っている。全編に渡って、南里のトランペットを心ゆくまで楽しめる名盤だと思う。
 
 
 
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2021年12月24日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・225

和ジャズを聴き直すと、意外と新しい発見がいろいろ出て来て面白い。以前、初めて聴いた時から時間が経って、その間に新しい知識が入ってきて、その新しい知識に照らし併せて、新しい発見につながるようだ。和ジャズはジャズを聴き始めた頃から聴ける盤は聴いてきているが、なかなかCDで再発されないものも沢山あって、何十年ぶりに聴いた、なんていう盤も結構ある。

『北村英治のすべて』(写真左)。1960年7月5日、東京大手町・サンケイホールでのライヴ録音。パーソネルは以下の3つのユニットに分かれる。

1)北村英治とクインテット
  北村英治 (cl), 小川俊彦 (p), 津川正雄 (g), 池沢行生 (b),
      辻村昭一 (ds), 増田一郎 (vib)
2)北村英治とカンサス・オールスターズ
  北村英治 (cl), 西代宗良 (cor), 尾田悟 (ts), 小川俊彦 (p),
      池沢行生 (b), 辻村昭一 (ds)
3)北村英治とモダン・クワルテット
  北村英治 (cl), 藤井英一 (p), 栗田八郎 (b) 田畑貞一 (ds)


このライヴ公演の企画構成を担当したのが「大橋巨泉」。大橋巨泉は、北村英治のクラリネットの幅広い個性を網羅する為、異なった編成の3つのグループに分けた、とのこと。ちなみに、この盤の「解説(ライナーノーツ)」も担当している。そうそう、大橋巨泉って、若い頃はジャズ評論家でもあったんですよね。ふむふむ。
 

All-about-eiji-kitamura

 
北村英治は「クラリネット奏者」。スイング・ジャズの時代の花形楽器。ビ・バップ以降は衰退の一途をたどるが、今でも僅少派ではあるが存在する。流麗なフレーズ、爽快な音色、強烈なスイング感、ブルージーな深い表現。北村英治のクラリネットは、表現の幅がとても広い、かつ、テクニックは抜群。

北村英治のクラリネットの個性を網羅する為に、3つのグループに分けたのは、この「表現の幅」の広さが故。一つ目は、クラリネットが花形楽器だった「スイング・ジャズ」のフォーマット、二つ目は、クラリネットがコミカルに活躍する「ディキシーランド・ジャズ」、三つ目は、ビ・バップ以降の「モダン・ジャズ」。

北村英治のクラリネットは、以上3パターンのジャズ・フォーマットにバッチリ適応する、実に幅広い適応力を持ったもの。このライヴ盤を聴いても、その適応力の広さが十分に聴いて取れる。しかもテクニックが相当に高く、速いフレーズも流麗に淀みなく吹き上げていく様は見事。

この盤、1960年の録音なんですが、音がとても良い。ライヴ会場の雰囲気もよく伝わってきて、ほんと聴いていて爽快、良いライヴ盤です。

北村英治さんは、1929年生まれで、今年92歳。まだまだ現役。このライヴ盤の収録時は31歳。ジャズとしては、まだまだ若手。溌剌とした爽快感溢れるクラリネットが魅力の好ライヴ盤です。
 
 
 
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2021年12月12日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・224

僕のお気に入りのサックス奏者の1人だった「ボブ・バーグ(Bob Berg)」。ボブ・バーグが急逝したのが19年前、2002年12月5日のこと。バーグはニューヨーク州イースト・ハンプトンで自宅近くを運転中に、セメント・トラックに追突されて死亡した。51歳。ジャズ・ミュージシャンとしては「これから成熟度を増していく」年齢だった。

バーグのサックスは、メインストリーム系の「実直で正統な」もので、ダイナミックな吹きっぷりが個性。特に自由度の高いモーダルな展開における高い演奏力には一目置くべき存在。全音域を駆使しつつ、歌心のあるサックスは、実にオーソドックス。そのテクニックとともに、聴き始めると、ついつい引き込まれてしまうような、不思議な魅力のあるサックスである。

Bob Berg, Randy Brecker, Dennis Chambers, Joey DeFrancesco『The JazzTimes Superband』(写真左)。January 28 & 29, 2000年1月28, 29日、NYでの録音。コンコード・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、 Bob Berg (sax), Randy Brecker (tp, Flh), Dennis Chambers (ds), Joey DeFrancesco (org), Paul Bollenback (g)。

ボブ・バーグのサックス、ランディ・ブレッカーのトランペットがフロント2管のオルガン・カルテット(ベースはオルガンが兼ねている)。ギターのポール・ボーレンバックが客演の位置づけ。リーダーは取り立てて立てずに、メンバーそれぞれが並列の立場で参加している。
 

The-jazztimes-superband

 
スタジオ録音であるが、演奏の躍動感は半端ない。参加メンバーいずれもノリにノッている。すっきり切れ味のあるファンキーな演奏で、さしずめ「現代のファンキー・ジャズ」と表現して良い趣き。ボブ・バーグのダイナミックな歌心溢れるサックスが全編に渡って効いている。

ファンキーなランディのトランペット、バーグとのサックスとの相性がバッチリで、ユニゾン&ハーモニーは心地良く、ソロでは爽やかなファンクネスを撒き散らします。そして、デフランセスコのオルガンが実に効いている。モダンなフレーズが新鮮、演奏全体のファンクネスを増強する。そんな躍動感溢れる現代のファンキー・ジャズのリズム&ビートをコントロールしているのが、デニー・チェンバースのドラミング。

「Friday Night at The Cadillac Club」など、聴いていてとても楽しい。思わず体が左右に揺れ、足でリズムを取り始める。また聴いてちょっとビックリしたのが「Oleo」。こんな高速「Oleo」って聴いたことが無い。オルガン、ギター共に協奏をしているかように、競るような早弾きに思わず唖然とする。

ボブ・バーグは、リーダー作としては十数作しか残しておらず(サイドマンとしての参加盤は結構あるみたいだが)、見つけたら躊躇わず、必ず聴くことにしている。今回のこの『The JazzTimes Superband』については、全く縁が無く、半年前にやっと手にしたアルバムになる。聴いて満足。内容の濃い、ネオ・ハードバップな好盤である。
 
 
 

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2021年11月27日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・223

欧州の「ブルーノート」と言っても良い「欧州発ハードバップ」の宝庫である「SteepleChase」。硬派で素姓確かなメインストリームな純ジャズのアルバムを多数リリースしているが、独自の感覚で、レーベル独特のジャズマンをチョイスした、ユニークなジャズ盤もリリースしていて、これが意外に興味深い内容なのだ。

Hilton Ruiz『Piano Man』(写真左)。1975年7月10日、NYでの録音。SteepleChaseレーベルのSCS 1036番。ちなみにパーソネルは、Hilton Ruiz (p), Buster Williams (b), Billy Higgins (ds)。プエルトリコ系米国人ピアニスト、ヒルトン・ルイスのトリオ盤。ルイスは1952年生まれなので、この盤の録音時は23歳。ルイスの初リーダー作である。

ヒルトン・ルイスというピアニストには全く馴染みが無かった。彼の経歴を紐解いてみると、幼い頃はクラシック・ピアノ、高校時代にジャズ・ピアノに転身し(メアリー・ルー・ウィリアムスに師事している)、1973年、ローランド・カークのサイドマンとして頭角を現し、フランク・フォスター、ジャキー・マクリーンを始めとした、ジャズのトップ・ミュージシャン達のサイドマンを経験している。

スティープルチェイス・レーベルからは、この初リーダー作の「Piano Man」を始め、「Excition」「New York Hilton」「Steppin' Into Beauty」の4枚を、集中して1977年に録音している。生涯を通じては、約20枚程度のリーダー作を世に送り出しているようだ。
 

Piano-man-hilton-ruiz

 
基本的には、アフロキューバン・ジャズの系列のピアノなので、オーセンティックな純ジャズもやるが、個性が最大限に活かされるのは、ラテン・ジャズなナンバーだろう。このアルバム冒頭のルイす作「One for Hakim」を聴けば、それが良く判る。左手の和音の響きが明らかに「ラテン」で、よく回る右手のシングルトーンがこれまた「ラテン」。リズム&ビートもやはり「ラテン」。

オーセンティックな純ジャズもやる、という面は、2曲目のデューク・ジョーダン作の「Misty Thursday」を聴けば明らか。スローなバラードチックな佳曲であるが、「ラテン」など何処へやら、リリカルで耽美的、ファンクネス皆無な欧州的ジャズ・ピアノの音と正統な純ジャズの切り口で、切々と弾き進められる。ここで、特徴的なのは、ルイスのピアノのテクニック。確かで確実な指捌きは素晴らしい。

バックのリズム隊に、バスター・ウィリアムスのベースとビリー・ヒギンスのドラムを配しているところも、この盤の内容をグッと引き締めている。ラテンなジャズにしろ、オーセンティックなジャズにしろ、この2人のリズム隊が堅実にガッチリとリズム&ビートを固めている。

ラテンあり、オーセンティックあり、内容は多様性に富んでいる。いかにも、1970年代の純ジャズらしい、欧州ジャズらしいピアノ・トリオ盤である。
 
 
 
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2021年11月24日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・222

ブルーノート・レーベルが、他のレーベルと比べて優れているのは、1950年代〜1960年代のジャズ・シーンを俯瞰的に見て、売れ筋で無いにしろ、その時代のジャズのトレンド、ジャズの個性を踏まえた、ジャズマンのチョイスとリーダー作の制作にある。ブルーノート・レーベルの諸作をカタログ順に聴くだけで、1950年代〜1960年代のジャズの歴史が判る、と言われるのは、まさに「言い得て妙」。

その20年間のジャズのトレンド、演奏スタイルの全てが押さえられている。後に有名となるジャズマンがチョイスされていない、という指摘もあるが、それはそのジャズマンが「ジャンキー(麻薬常習者)」だったからだろう。ブルーノート・レーベルは「ジャンキー」を基本的にチョイスしなかった。

Leo Parker『Let Me Tell You 'Bout It』(写真左)。1961年9月9日の録音。ブルーノートの4087番。ちなみにパーソネルは、Leo Parker (bs), John Burks (tp), Bill Swindell (ts), Yusef Salim (p), Stan Conover (b), Purnell Rice (ds)。リーダーのレオ・パーカーのバリトン・サックス(バリサク)とトランペット、テナー・サックスのフロント3管の重厚なセクステット編成。
 

Let-me-tell-you-bout-it

 
セクステットのメンバーを見渡すと、メインストリームなジャズ畑にはいない、通常のジャズ者から見れば「知らない名前」ばかりが並んでいる。リーダーのレオ・パーカーは、バップを始める以前はR&Bバンドに参加してたという。メンバーはR&B系のミュージシャンがメイン。そう、この盤、ビ・バップとR&Bが混在した様な音世界。これが実にユニーク。純ジャズなハードバップとはちょっと雰囲気が異なる、ビートの効いた、どこかダンサフルでソウルフルな「バップ」。

そして、レオ・パーカーの担当楽器のバリサクの音がこれまたユニーク。テナーよりも低い、重低音が鳴り響く大柄なサックスなんだが、この音がこれまた、こってこて「ファンキーでソウルフル」。重低音を担当する楽器なので、速いフレーズが苦手、そして、ピッチが緩みがち。緩みそうで緩まずバリバリ吹きまくる。そんな「スリリングなユルユル感」がたまらない。R&Bなダンサフルなフレーズが織り込まれたバリサクは唯一無二。

こんなR&B系のメンバーが奏でるジャズをしっかり記録しているところが、実にブルーノートらしい。音作りも、R&B系のポップなジャズにも関わらず、実にブルーノートらしい、正統派なガッチリ整った「ジャズの音」に仕上げている。レオ・パーカーのバリサクのテクニックも優秀。バリサクを楽しめる盤としてもこの盤はお勧めである。
 
 
 
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2021年10月28日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・221

1980年代、我が国ではバブル景気の追い風を受けて、お洒落で聴き心地の良いジャズがもてはやされた。そんな流行に乗って、我が国発のジャズ・レーベル、例えば「Electric Birdレーベル」などが、お洒落で聴き心地の良いコンテンポラリーな純ジャズ、フュージョン・ジャズをリリースしていた。

が、意外と内容的には平凡なものが多く、しばらくの間(20年ほどかな)、リイシューされること無く、ほぼ全ての盤が廃盤状態になっていた。探すにも流通在庫を探すほか無かったが、2014年、やっとまとめてCDリイシューがなされた。

Lew Soloff『Yesterdays』(写真左)。1986年9月15 &16日、NYのClinton Studiosでの録音。キングレコードの「Electric Bird」からのリリース。ちなみにパーソネルは、Lew Soloff (tp), Mike Stern (g), Charnett Moffett (b), Elvin Jones (ds) のピアノレスでトランペットがワンホーンのカルテット構成。デヴィッド・マシューズがプロデュース、そして、スーパーヴァイザーとして、ギル・エヴァンスが名を連ねている。

「Electric Bird」のリイシューの一枚。「Electric Bird」なので、フュージョン・ジャズかな、とも思うんだが、パーソネルを見ると、これは、コンテンポラリーな純ジャズ、基本はネオ・ハードバップである。ピアノレスなので、ワンホーンのルー・ソロフのトランペットが心ゆくまで楽しめる。ルー・ソロフはメインストリームなトランペッターなのだが、リーダー作が僅少。この盤は貴重なソロフのリーダー作になる。
 

Yesterdays-lew-soloff

 
ハイノート・ヒッターであり、バイタルなトランペッターであるルー・ソロフ。あまりにダイナミックで切れ味の良い吹きっぷりなので、時に耳に五月蠅く響く時があるが、テクニックは優秀、歌心もあるトランペットで聴き応えは十分。冒頭のタイトル曲であり、有名スタンダード曲「Yesterdays」での吹きっぷりは見事。この盤では抑制もしっかり効いていて、耳に付く瞬間は全く無い。安心して聴き耳を立てることが出来るのが嬉しい。

アレンジがとても雰囲気があって、どこかギル・エヴァンスを想起させるのだが、パーソネルを確認したら、スーパーヴァイザー兼ミュージカル・アドバイザーとして「ギル・エヴァンス」の名があった。恐らく、アレンジにも関与していると思われる音作り。これがまた良い。アルバムに収録されたどの曲にも、しっかりアレンジされた、独特の「ギル節」が底に流れていて、しっかりと演奏がまとまっている。

モフェットのベース、エルヴィンのドラムのリズム隊もガッチリしていて、演奏全体のリズム&ビートが安定していて安心して聴ける。そして、1番ビックリしたのが、マイク・スターンのエレギ。コンテンポラリーな純ジャズ風の弾き回しには、ほとほと感心した。

凡盤が多く、ちょっと辟易するくらいの1980年代の国内レーベルのジャズ盤であるが、この盤は違う。バンドサウンドの充実度合いも高く、ルー・ソロフの代表作の一枚と評価しても良いと思う。隠れ名盤の一枚。
 
 
 
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2021年10月 2日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・220

やっと涼しくなってきた。日中、気温が高くなることはあるが、朝夕、そして夜は涼しくなって、秋らしくなった。涼しくなると、日頃聴くジャズのジャンルの幅も増える。我がバーチャル音楽喫茶『松和』の場合、まず、電気楽器中心のエレ・ジャズ、クロスオーバー&フュージョン・ジャズのアルバムを聴く機会が増える。

『The Gadd Gang』(写真左)。1986年のリリース。ちなみにパーソネルは、Steve Gadd (ds,perc,vo), Richard Tee (key, vo), Eddie Gomez (b), Cornell Dupree (g)。グループ名は「The Gadd Gang」。ここに、Ronnie Cuber (bs), Jon Faddis, Lew Soloff (tp), Barry Rogers, David Taylor (tb), Michael Brecker, George Young (ts) が、ゲストで参加している。(Ronnie Cuber (bs)は、後にThe Gadd Gangに参加)。

「The Gadd Gang」の面子を見渡すと、あの伝説のフュージョン・グループ「スタッフ」から3人が参加、そこにベースのゴメスが加わった4人組であることが判る。音の志向としては、フュージョンな「ジャズ・ファンク」であろうことは想像がつくのだが、聴いてみると、ソウルフルでR&B志向が色濃く出た「ジャズ・ファンク」であることが判る。

しかし、収録曲を見渡すと、ソウル・ミュージックやR&Bの名曲を安易にカヴァーした訳ではないことが判る。ガッド・ギャングのメンバーの曲が4曲、あとはボブ・ディランの名曲、ウィルトン・フェルダー作のフュージョン・ファンクな曲、そして、こってこてソウル・ミュージックのカヴァーはラストのメドレーのみ。それでも、この盤はソウルフルでR&B志向が色濃く出た「ジャズ・ファンク」で溢れている。

① Watching The River Flow (Bob Dylan)
② Strength (S.Gadd, R.McDonald, W.Salter)
③ Way Back Home (Wilton Felder)
④ Morning Love (Eddie Gomez)
⑤ Duke's Lullaby (Steve Gadd)
⑥ Everything You (Richard Tee)
⑦ Honky Tonk (B.Doggett, S.Shepard, C.Scott, B.Butler)
  ~I Can't Stop Loving You (D.Gibson)
 

The-gadd-gang

 
まず、ガッドの叩き出すドラムのリズム&ビートが、ソリッドでしなりのある「縦ノリ」で、ファンクネスが溢れている。そこに、こってこてファンキーなティーのキーボードが絡む。更に、デュプリーのソウルフルなエレギがファンクネスを増幅させる。そして、タイトでブンブン唸るゴメスのベースがファンキーなベースラインを浮き立たせる。

特に、この盤のティーのキーボードは、こってこてファンキー。アコ・ピアノの幅広なスケールを活かした弾きっぷり、フェンダー・ローズの音の「伸びと揺らぎ」の特性を最大限に活かした「溢れんばかりのファンクネス」。特に、この盤でのティーのフェンダー・ローズのパフォーマンスは絶品。こってこてファンキーで流麗なフェンダー・ローズを堪能出来る盤としても、この盤はお勧めだ。

デュプリーの唄う様なソウル・エレギもファンクネス満タン、ゴメスのアコベが弾き出すファンキーなベースラインは耳新しく、違和感無くファンクネスを上乗せする。そうそう、ところどころで出てくる、ティーとガッドのボーカルもソウルフルで良い味を出している。特にティーの歌唱については、R&Bなボーカリストとして十分評価出来る優れものである。

冒頭のボブ・ディランの「Watching The River Flow」ですら、ソウルフルでR&Bな曲に変身していて、ガッド+ティー+デュプリーの「スタッフからのスピンアウト組」の、フュージョンにおける音の志向が、ソウルフルでR&B志向が色濃く出た「ジャズ・ファンク」であることが本当によく判る。スタッフのソウルフルでR&B志向は、この3人によるところが大きかったのですね。

音楽音源のサブスク・サイトにはアップされていないみたいで、中古CDを探すしか無いアルバムですが、フュージョン・ジャズ者の方々には是非一聴をお勧めしたい名盤だと思います。
 
 
 

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2021年9月25日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・219

我が国ではどうにも人気が薄い。ピアニストのHorace Parlan(ホレス・パーラン)。ブロック・コード弾きでグイグイ押しまくる。短い連続フレーズを間を取りながら繋げる独特のアドリブ・フレーズ。右手のリズム・タッチのドライヴ感。これら、パーランの個性の全てが、右手が変形したお陰で身につけた、彼ならではの個性。

ブロックコードでグイグイ引っ張ることで「骨太なファンクネス」を醸し出し、右手のシンプルなリズム・タッチで「繊細なファンクネス」を撒き散らす。このパーランのピアノ、フロント楽器として前面にグイグイ出て、魅力的なアドリブ・フレーズを叩き出すのも見事だが、実は、バックのリズム・セクションに回った時に、このパーランのピアノが更に輝く。所謂、フロントが管楽器の場合の「伴奏上手なピアニスト」なのだ。

Horace Parlan『On the Spur of the Moment』(写真左)。1961年3月18日の録音。ブルーノートの4074番。ちなみにパーソネルは、Horace Parlan (p), Tommy Turrentine (tp), Stanley Turrentine (ts), George Tucker (b), Al Harewood (ds)。パーランのピアノ、当時、相棒的存在だったタッカーのベース、ヘアウッドのドラム。鉄壁のリズム・セクション。フロント2管は、タレンタイン兄弟のトランオペットとテナー・サックス。クインテット編成である。
 

On-the-spur-of-the-moment

 
この盤、フロント2管のタレンタイン兄弟が絶好調で、まず、このフロント2管のパフォーマンスが耳につく。さすが兄弟だけあって、息はピッタリ、ファンクネスを湛えた、芳しいユニゾン&ハーモニーでテーマ部を印象付け、ファンキーで骨太なソロ・パフォーマンスを展開する。しかし、そのフロント2管のパフォーマンスをガッチリと支えているのが、パーラン率いるリズム・セクションである。

パーランは、ブロックコードでグイグイ引っ張る「骨太なファンクネス」で、演奏全体のリズム&ビートをリードし、右手のシンプルなリズム・タッチの「繊細なファンクネス」で、フロント2管のアドリブ・フレーズを鼓舞し引き立てる。パーランのピアノの伴奏が、フロント2管のパフォーマンスを引き立て、演奏全体のダイナミズムを増幅させているのだ。「伴奏上手なピアニスト」の面目躍如である。

パーランの相棒的存在のタッカーのベース、ヘアウッドのドラムは、パーランのピアノに呼応して、リズム・セクションの叩き出すリズム&ビートを多彩なものにし、バリエーション豊かなものにする。この盤は実は、ホレス・パーラン率いるリズム・セクションを愛でる盤。我が国では入手し難い時期が続いたので、人気薄な盤なのだが内容は超一級品。ハードバップ者の方々には是非一聴をお勧めした「隠れ名盤」だと思います。
 
 
 
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2021年9月24日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・218

ボサノバ&サンバのジャズについては、こってこてにボサノバ、若しくはサンバの要素を前面に押し出して、リズム&ビート、及び即興演奏部分だけが「ジャズ」を踏襲しているものもあれば、演奏全体はフュージョン、若しくはコンテンポラリーな純ジャズで、その中にボサノバ&サンバの要素を織り交ぜているものもある。

どちらもボサノバ&サンバのジャズには違いないのだが、前者は明らかにウケ狙いで、1960年代から1970年代に多く存在する。フュージョン・ジャズの時代から以降は、ジャズに他ジャンルの音楽要素を融合する手法が確立していて、1980年代以降については、コンテンポラリーな純ジャズのカテゴリーに、ボサノバ&サンバの要素を融合したジャズが多く存在する。

Toninho Horta『Moonstone』(写真左)。アメリカとブラジルのミュージシャンの混成メンツによるかなり豪華な顔触れ。特にパット・メセニー・グループ(PMG)関係のミュージシャンが多数参加。ちなみにパーソネルは以下の通り。

Toninho Horta (g, vo), Pat Metheny (g), Eliane Elias (p), Onaje Allan Gumbs, Willa Bassen, Russell Ferrante (key, Syn), Mark Egan, Steve Rodby, Luizão Maia (b), Danny Gottlieb, Paulinho Braga (ds), Randy Brecker (fly), Billy Drewes, Billy Egan (sax), Rudi Berger (vln), Armando Marçal, Robertinho Silva, Steve Thornton (perc), Boca Livre, Lourenco Baeta, Mauricio Maestro, José Renato, David Tygel (vo), Naná Vasconcelos (perc, vo)。
 

Moonstone-toninho-horta

 
Toninho Horta(トニーニョ・オルタ)は1948年ブラジルのミナス・ジェライス州生まれのギタリスト。1960年代後半から現在まで多方面でコンスタントに活躍。初リーダー作が1980年になるので、1960年代の最初のボサノバ&サンバ・ジャズのブームとは無縁。オルタの音世界は「演奏全体はフュージョン、若しくはコンテンポラリーな純ジャズで、その中にボサノバ&サンバの要素を織り交ぜているもの」に近い。

この『Moonstone』だってそうだ。初めて聴いた時「これってパット・メセニーちゃうん」と思った。ただ、良く聴くと主役のオルタのギターがパットとは違う。切れ味の良いアコギ風で、それも弾き込むのでは無い、適度に緩く適度にテンションを張った独特のギターの音色であり、リズム感である。リーダーの名前を確認して、このギターがボサノバ&サンバ系のギターであることで合点がいった。

確かにこの盤、PMG系のミュージシャンが多く参加しているので、PMGの音世界に近づくのも無理は無い。というか、意識してそうしているように感じる。フォーキーでネーチャーなコンテンポラリーなニュー・ジャズ、ワールド・ミュージック志向のコンテンポラリーな純ジャズをバックに、ボサノバ&サンバ系のギターが乱舞する。これがとても心地良い。聴いていて、ストレスがスッと抜けて、大きく深呼吸して大いにリラックス出来る、素敵な内容のネーチャー・ジャズである。

パット・メセニーの音世界の様で、そうではない。オルタのボサノバ&サンバ系のギターが、オルタの音世界のオリジナリティーをしっかりと留めている。しかし、本当に聴いていて心地良い、耳に心地良いボサノバ&サンバ系のギターであることか。好盤である。
 
 
 
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2021年9月 6日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・217

Dizzy Gillespie『Dizzy's Big 4』(写真)。1974年9月 17&19日の録音。パブロ・レーベルの2310-719番。ちなみにパーソネルは、Dizzy Gillespie (tp), Joe Pass (g), Ray Brown (b), Mickey Roker (ds)。ピアノレスの、代わりにギターが入った、トランペット1管フロントの「ワンホーン・カルテット」。

それまでにありそうで無かった、というか、1950〜60年代では無かったであろうカルテット編成。リーダーのディジー・ガレスピーはビ・バップの生みの親の1人。テクニック&歌心に秀でたレジェンド級のトランペッター。1950〜60年代は、主力レーベルのハードバップのセッションに顔を出すことは殆ど無く、ビッグバンドの主宰など、我が道を往く活動だった。

職人ギターのジョー・パスと職人ベーシストのレイ・ブラウンは、米国西海岸ジャズの範疇での活動がメイン。東海岸ジャズのメンバーが西海岸にやって来れば、他流試合セッションを繰り広げたりするが、基本、東海岸ジャズとのメンバーの恒常的な交流は無かった。職人ドラマーのミッキー・ローカーは、東海岸ジャズのサイドマン活動がメイン。当然、西海岸ジャズとの交流は無い。

この盤のパーソネル、パブロ・レーベルならではのブッキングと言える。ノーマン・グランツに対する信頼とグランツ自身の卓越したプロデュース能力の賜だろう。ビ・バップの生みの親、レジェンドのトランペッターをフロントに、バックにギター・トリオを配置した、極上のハードバップ・セッションが繰り広げられている。
 

Dizzys-big-4

 
録音当時、ガレスピーは57歳。ブラウンは48歳、パスは45歳、ロッカーは42歳。ガレスピーは年齢的に充実のベテラン、バックのギター・トリオは、働き盛りの中堅。メンバーの年齢的にも「油が乗りきって充実した」、今を振り返ると、いずれも「レジェンド級」のジャズマンが集まっているのだ。平凡な演奏になる訳がない。

ガレスピーのトランペットは緩急自在、硬軟自在。つぶやくようなブロウ、一転して火を吹くようなブロウ、強烈にダイナミックに吹き上げるトランペットはガレスピーならでは個性。それでいて、出てくるフレーズはコッテコテにジャジーでブルージー。耳にもたれることは無いし、マンネリに陥ることも無い。さすが「レジェンド級」のトランペッター。

バックを司るギター・トリオも実に味がある。一言で言うと「職人芸」。高度なテクニックを駆使しつつ、流麗で味のある「粋な」フレーズを積み重ねて、とっても小粋なバッキングを繰り広げる。ガレスピーのトランペットを引き立てることはもとより、このバックのギター・トリオの妙技だけでも、とことん楽しむことが出来る。聴き応えのあるギター・トリオ。

ブルース・フィーリング溢れる「ガレスピーのベテラン期の佳作」。この盤の演奏には「ジャズとしての新しさが皆無」と揶揄する向きもあるが、21世紀の今の耳で聴き直すと、熟練、成熟のハードバップ、正統なモダン・ジャズな演奏がこの盤に詰まっていると思う。隠れ名盤の一枚として再評価したい。
 
 
 
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